JP2017008626A - セメント硬化体構造物の保護構造及びセメント硬化体構造物の保護工法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明のセメント硬化体保護構造は、セメント硬化体構造物と、セメント硬化体構造物の表面を接着層を介して覆う保護シートと、を含む。保護シートは、樹脂層と、当該樹脂層に積層された炭素膜とを含む積層体である。接着層は、変成シリコーン樹脂硬化物とエポキシ樹脂硬化物とを含む硬化樹脂層である。
接着層は、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準拠した10%伸長時の応力(10%モジュラス)が0.7N/mm2以下であることが好ましい。
この構成により、セメント硬化体建造物から保護シートの炭素膜への応力を効果的に吸収し、炭素膜のひび割れを好ましく抑制することができる。
接着層は、変成シリコーン樹脂とエポキシ硬化剤とを含む第I剤と、エポキシ樹脂とシラノール縮合触媒とを含む第II剤との反応によって得られるものであることが好ましい。
この構成により、セメント硬化体構造物表面に存在し得る凹凸および/または割れの程度に関わらず良好な接着性を得るとともに良好な耐候性を得ることができる。
接着層は、変成シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、シラノール縮合触媒と、エポキシ硬化剤とを含む1液型接着剤樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。
この構成により、硬化に供する接着剤樹脂組成物の均一性が良好である点で硬化不良が起こりにくく、したがって容易に良好な接着性を得ることができる。
(5)
接着層は、変成シリコーン樹脂と、当該変成シリコーン樹脂100重量部に対し1重量部以上100重量部以下の含有量のエポキシ樹脂とを含む接着剤樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。
上記下限値以上であることにより、接着層の良好な靭性を得ることができ、上記上限値以下であることにより、接着層の良好な弾性を得ることができる。したがって、保護シートの炭素膜のひび割れを好ましく抑制することができる。
本発明のセメント硬化体構造物の保護工法は、セメント硬化体構造物の表面、樹脂層と炭素膜とが積層された保護シートの表面の少なくともいずれかに、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とを含む接着剤樹脂組成物の層を設ける工程と、セメント硬化体構造物の表面と保護シートの表面とを、接着剤樹脂組成物を介して接着する工程と、を含む。
この構成により、保護シートの炭素膜のひび割れを抑制することができるセメント硬化体保護構造が得られる。
図1は、本発明のセメント硬化体保護構造の一例を示す模式的断面図である。
図1に示すコンクリート保護構造100は、コンクリート建造物200と、保護シート300と、それらの間に介在する接着層400とを含む。
接着剤樹脂組成物が2液混合型の樹脂組成物の2液混合物である場合、第I剤および第II剤としては次のものが挙げられる。第I剤には変成シリコーン樹脂が含まれ、第II剤にはエポキシ樹脂が含まれる。この場合、第I剤にさらにエポキシ硬化剤が含まれ、第II剤にさらにシラノール縮合触媒が含まれる。
オレフィン成分としては、イソブチレンが挙げられる。
変成シリコーン樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
有機チタネートとしては、例えば、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシルチタネート)トリエタノールアミンチタネートなどのチタンアルコキシド類、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、オクチレングリコレートなどのチタンキレート類などが挙げられる。
シラノール縮合触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記以外にも、エポキシ硬化剤としては、ポリアミド樹脂;2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類;無水フタル酸などのカルボン酸無水物などの化合物が挙げられる。
エポキシ硬化剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
上記実施形態では、樹脂層310と炭素膜350とから構成される保護シート300の樹脂層310側が接着層400を介してコンクリート建造物200を覆うように設けられた態様を例示したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。
また、図3に示すように、保護シート300bは、樹脂層310と炭素膜350との間に、別の樹脂層320が介在していてもよい。別の樹脂層320の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群から挙げられる。別の樹脂層320の線膨張率(JIS K7197に準拠した測定値)は、たとえば10×10−5/K以下、好ましくは5×10−5/K以下である。
1.保護シートの作製
ポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルム(以下、PETフィルムとする)として、東レ株式会社製のルミラーシリーズを用意した。このPETフィルムの膜厚は50μmであった。
PETフィルム(樹脂層310)は、対向電極903、905の間に挿入され、一方の面を誘電体907に当接させた状態で、対向電極903、905と平行に移動する。このとき、PETフィルム(樹脂層310)の反対面つまり対向電極905側の面に、DLC膜が形成される。
保護シートを、150mm×50mmの大きさに切り出した。図5に示すように、一対のコンクリート製の基板211,212を、0.2mmの隙間Iをおいて配置した。基板211,212の表面には、硬化後において10%伸長時の応力が0.25N/mm2であり、変成シリコーン樹脂100重量部に対するエポキシ樹脂の混合量が70重量部である、変成シリコーン樹脂とエポキシ硬化剤とを含む第I剤と、エポキシ樹脂とシラノール縮合触媒とを含む第II剤とが混合された2液型変成シリコーン−エポキシ系接着剤(接着剤樹脂組成物)を、ヘラを用いて塗布した。塗布量は、0.5Kg/m2とした。接着剤の粘度は、JIS K 6833に準拠し、23℃、50%RHにおける初期粘度が500Pa・S(初期粘度とは、BS型粘度計のローター5を使用し、回転数10rpmで測定した粘度)であった。また、接着剤は、後に保護シートを貼る領域全体に塗布した。
保護シート300の、DLC膜が形成されていないPET層面が接着面となるように、基板211,212の表面の両方にまたがるように接着した。
<実施例2>
接着剤として、2液型変成シリコーン−エポキシ系接着剤の代わりに、硬化後において10%伸長時の応力が0.1N/mm2であり、変成シリコーン樹脂100重量部に対するエポキシ樹脂の混合量が3重量部である、変成シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、シラノール縮合触媒と、エポキシ硬化剤とを含む混合物からなる1液型接着剤を用いたことを除いて、実施例1と同様に、コンクリート構造物の保護構造を作成した。
接着剤として、2液型変成シリコーン−エポキシ系接着剤の代わりに、変成シリコーン不含エポキシ系接着剤としてのエスダイン#3450、エスダイン#3120、エスダインジョイナーW(いずれも積水化学工業(株)製)をそれぞれ用いたことを除いて、実施例1と同様に、コンクリート構造物の保護構造を作成した。
実施例1および2、ならびに比較例1について、以下の評価を行った。
1.評価方法
JIS A1436−2006「建築用被覆材料の下地不連続部における耐疲労性試験方法」を準用し、保護シートの耐疲労性を評価した。具体的には、一方の基板211を固定し、他方の基板212を、図5に示す矢印方向に沿って、振幅0.04mm、周期0.1secで、600万回往復移動させた。評価試験は、20℃、60℃、および−10℃それぞれの雰囲気下において行った。
その後、保護シートの炭素膜表面を、電子顕微鏡(日本電子製JSM−5800LV、倍率5000倍)で観察し、炭素膜のひび割れの有無を判断した。
実施例1および2による保護シートの炭素膜には、いずれの温度条件についてもひび割れは見られなかった。一方、比較例1による保護シートの炭素膜には、全ての温度条件についてひび割れを確認した。
したがって、本発明によると、保護シートに対し、コンクリート建造物の振動および/またはひび割れの開閉に起因する応力が繰り返し加わっても、炭素膜にひび割れや破断などが生じ難いことが確認できた。
200 コンクリート建造物
300,300a,300b 保護シート
310 樹脂層
350 炭素膜
400 接着層
Claims (6)
- セメント硬化体構造物と、
前記セメント硬化体構造物の表面を接着層を介して覆う保護シートと、を含み、
前記保護シートが、樹脂層と、前記樹脂層に積層された炭素膜とを含む積層体であり、
前記接着層が、変成シリコーン樹脂硬化物とエポキシ樹脂硬化物とを含む硬化樹脂層である、セメント硬化体構造物の保護構造。 - 前記接着層の、JIS K6251に準拠した10%伸長時の応力が、0.7N/mm2以下である、請求項1に記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
- 前記接着層が、変成シリコーン樹脂とエポキシ硬化剤とを含む第I剤と、エポキシ樹脂とシラノール縮合触媒とを含む第II剤とが混合された接着剤樹脂組成物の硬化物である、請求項1または2に記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
- 前記接着層が、変成シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、シラノール縮合触媒と、エポキシ硬化剤とを含む1液型接着剤樹脂組成物の硬化物である、請求項1または2に記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
- 前記接着層が、変成シリコーン樹脂と、前記変成シリコーン樹脂100重量部に対し1重量部以上100重量部以下の含有量のエポキシ樹脂とを含む接着剤樹脂組成物の硬化物である、請求項1から4のいずれか1項に記載のセメント硬化体構造物の保護構造。
- セメント硬化体構造物の表面、樹脂層と炭素膜とが積層された保護シートの表面の少なくともいずれかに、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とを含む接着剤樹脂組成物の層を設ける工程と、
前記セメント硬化体構造物の表面と前記保護シートの表面とを、前記接着剤樹脂組成物を介して接着する工程と、
を含む、セメント硬化体構造物の保護工法。
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