JP2017009083A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり軸受において、ハウジング内周面に対する周方向へのずれ(クリープ)を抑制するとともに、軸受回転による振動をハウジングに伝達させにくくする。
【解決手段】転がり軸受7は、回転軸4に外嵌して取り付けられる内輪11と、ハウジング内周面3に取り付けられる外輪12と、これら内輪11と外輪12との間に介在している複数の玉13と、外輪12の外周面30の一部において周方向に沿って設けられ半径方向の厚さ寸法よりも軸方向寸法が大きい円筒状の弾性部材20とを備えている。弾性部材20と外輪12の外周面の他部とによって、ハウジング内周面3に嵌合する軸受外周面40が構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、転がり軸受に関する。
各種産業機器には多くの転がり軸受が用いられている。転がり軸受は、内輪、外輪、及びこれら内輪と外輪との間に介在する複数の転動体を備えている。図5に示すように、ハウジング97内の回転軸95を支持する転がり軸受90では、内輪91が回転軸95に外嵌して取り付けられており、外輪92がハウジング内周面98に取り付けられている。そして、モータ用等の予圧付与型の転がり軸受では、外輪92とハウジング内周面98との間は隙間嵌めの状態にある。
そこで、ハウジング内周面98に対する転がり軸受90(外輪92)の周方向のずれ(以下、クリープとも言う。)を防止するために、外輪92をハウジング内周面98に接着剤で固定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図5に示す従来技術の場合、転がり軸受90をハウジング内周面98に取り付けた状態で、接着剤を、ハウジング97に設けられている穴96を通じて外輪92とハウジング内周面98との嵌め合い部99に流し込み、この接着剤によりハウジング97に対して外輪92を固定している。
特開2010−216580号公報
しかし、接着剤によって外輪92をハウジング97に固定すると、クリープは防止されるが、軸・軸受系の回転振動がハウジング97へ伝達されやすくなり、ハウジング97が振動して騒音が発生するという問題点がある。つまり、クリープを防止しようとすると、ハウジング97の振動(騒音)が問題となる。
そこで、本発明は、ハウジング内周面に対する転がり軸受の周方向へのずれ(クリープ)を抑制するとともに、軸受回転による振動をハウジングに伝達させにくくすることを目的とする。
前記目的を達成するための本発明の転がり軸受は、軸に外嵌して取り付けられる内輪と、ハウジング内周面に取り付けられる外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在している複数の転動体と、前記外輪の外周面の一部において周方向に沿って設けられ半径方向の厚さ寸法よりも軸方向寸法が大きい円筒状の弾性部材と、を備え、前記弾性部材と前記外輪の外周面の他部とによって、前記ハウジング内周面に嵌合する軸受外周面が構成されている。
本発明によれば、弾性部材の摩擦抵抗により、ハウジング内周面に対する転がり軸受(外輪)の周方向へのずれ(クリープ)を抑制することができるとともに、この弾性部材がダンパとして機能することにより、軸受回転による振動をハウジングに伝達させにくくすることができる。また、転がり軸受に荷重が負荷された場合に、弾性部材が設けられていない外輪の外周面の他部において、その荷重をハウジングに伝達させることができ、軸受の剛性が保たれる。
また、前記外輪の外周面は、前記一部であって前記弾性部材が設けられている第1外周面部と、前記他部であって前記第1外周面部よりも直径が大きい第2外周面部と、を有しているのが好ましい。
この場合、外輪の外周面は、直径が小さい第1外周面部と直径が大きい第2外周面部とを有する段付き形状となり、第1外周面部に弾性部材が設けられ、第2外周面部がハウジング内周面と接触可能となる。これにより、弾性部材は厚さ寸法を有して半径方向に所定の潰れ代を確保することが容易となり、前記クリープを抑制する機能を高めることができる。更に、外輪は、その外周面の他部である第2外周面部においてハウジング内周面に嵌合することができ、軸受の剛性を維持する構成が得られる。
また、前記弾性部材の軸方向両縁部の少なくとも一方における外周側には、軸方向端部に向かうにしたがって直径が小さくなる縮径面が設けられているのが好ましい。
ハウジング内周面に対して外輪を軸方向に移動させて取り付ける際、その移動方向の前方側となる弾性部材の縁部の外周側に前記縮径面が設けられている場合、この縮径面が案内面として機能することで、外輪の取り付けが容易となる。また、縮径面の径方向外側の空間を、ハウジング内周面に押されて弾性変形する弾性部材の一部を逃がすための空間として機能させることができる。
また、前記転動体は玉であり、前記内輪が有する軌道面と前記玉との接触点と、当該玉と前記外輪が有する軌道面との接触点とを通過する仮想延長線上に、前記弾性部材が設けられている構成とすることができる。この場合、軸受回転による振動をハウジングに伝達させにくくする機能を高めることができる。
または、前記転動体は玉であり、前記内輪が有する軌道面と前記玉との接触点と、当該玉と前記外輪が有する軌道面との接触点とを通過する仮想延長線上に、露出している前記外周面の前記他部が設けられている構成とすることができる。この場合、転がり軸受に荷重が負荷された場合に、露出している外輪の外周面の他部において、その荷重をハウジングに伝達させることができ、軸受の剛性をより高めることができる。
本発明によれば、ハウジング内周面に対する転がり軸受の周方向へのずれ(クリープ)を抑制することができるとともに、軸受回転による振動をハウジングに伝達させにくくすることができる。
本発明の転がり軸受を含む回転装置の実施の一形態を示す縦断面図である。 図1の右側に示す転がり軸受の断面図である。 外輪の一部及び外輪に固定されている弾性部材の断面図である。 図2に示す転がり軸受の変形例を示す断面図である。 従来の回転装置を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の転がり軸受7を含む回転装置1の実施の一形態を示す縦断面図である。回転装置1は、ハウジング2及び回転軸4を有しており、一対の転がり軸受7,7によって回転軸4がハウジング2に回転自在となって支持されている。ハウジング2及び回転軸4は共に鋼製であり、例えば普通鋼や炭素鋼等とすることができる。回転軸4は、転がり軸受7,7が取り付けられている小径軸部4a,4aと、転がり軸受7,7(内輪11,11)の間に介在し小径軸部4aよりも外径が大きい大径軸部4bとを有している。
ハウジング2の内周面3(以下、ハウジング内周面3ともいう。)の軸方向両側には、環状部5a,5bが設けられている。図1に示す転がり軸受7は、モータ用の予圧付与型の軸受であり、軸方向一方側(図1では右側)において、環状部5bと転がり軸受7の外輪12との間に予圧ばね6が設けられている。この予圧ばね6によって、転がり軸受7,7は軸方向の予圧が付与された状態となる。
軸方向一方側(図1では右側)の転がり軸受7と、軸方向他方側(図1では左側)の転がり軸受7とは同じ構成であるが、取り付け向きが反対となっている。以下において、軸方向一方側(図1では右側)の転がり軸受7を代表として詳細な構成を説明する。
図2は、転がり軸受7の断面図である。転がり軸受7は、回転軸4に外嵌して取り付けられている内輪11と、ハウジング内周面3に嵌合して取り付けられている外輪12と、これら内輪11と外輪12との間に介在している複数の転動体とを備えている。本実施形態の転動体は玉13であり、図2に示す転がり軸受7は深溝玉軸受である。また、この転がり軸受7は、複数の玉13を保持する環状の保持器14と、内輪11と外輪12との間に形成される環状空間15の軸方向両側に設けられている密封部材16,17とを備えている。
内輪11は、回転軸4に密着して嵌合しており、回転軸4と一体回転可能である。外輪12は、固定状態にあるハウジング2に取り付けられているが、この外輪12はハウジング内周面3に隙間嵌めの状態で取り付けられている。また、内輪11の外周面には、玉13が転動する内輪軌道溝(軌道面)11aが設けられており、外輪12の内周面には、玉13が転動する外輪軌道溝(軌道面)12aが設けられている。
複数の玉13は、内輪11と外輪12との間の環状空間15に設けられており、転がり軸受7が回転すると(内輪11が回転すると)、これら玉13は、保持器14によって保持された状態で、内輪軌道溝11aと外輪軌道溝12aとを転動する。
本実施形態の内輪11、外輪12、及び玉13は、軸受鋼等の鋼製である。
保持器14は、複数の玉13を周方向に沿って所定間隔(等間隔)をあけて保持することができ、このために、保持器14には、玉13を収容するためのポケット18が周方向に沿って複数形成されている。本実施形態の保持器14は、玉13の軸方向一方側に設けられている円環部14aと、この円環部14aから軸方向他方側に延在している複数の柱部14bとを有している。そして、円環部14aの軸方向他方側(図2では左側)であって、周方向で隣り合う一対の柱部14b,14b間が、ポケット18となる。本実施形態の保持器14は樹脂製であるが、金属製であってもよい。また、保持器14は、他の形態であってもよく、例えば、軸方向他方側にも円環部を有する構成とすることができる。
密封部材16,17は、内輪11と非接触であるシールド板からなる。密封部材16,17の径方向外側部16a,17aが外輪12に取り付けられており、径方向内側部16b,17bが内輪11と隙間を有して対向している。なお、密封部材16,17は、ゴム製のリップを有するシールであってもよい。
そして、本実施形態の転がり軸受7は、更に、外輪12に取り付けられている弾性部材20を備えている。弾性部材20は、円筒形状を有しており、外輪12の外周面30の一部である第1外周面部31において周方向に沿って設けられている。つまり、円筒状である弾性部材20は、第1外周面部31を周方向に沿って覆うようにして設けられている。弾性部材20は、ゴム製(例えば、ニトリルゴム)であり、第1外周面部31に加硫接着されており、外輪12と一体となっている。
図3は、外輪12の一部及び外輪12に固定されている弾性部材20の断面図である。なお、図3(及び図2)では、弾性変形前の自然状態にある弾性部材20を示しており、ハウジング内周面3を想像線(二点鎖線)で示している。弾性部材20は、図3に示すように、半径方向の厚さ寸法tよりも軸方向寸法Yが大きい(t<Y)円筒状のゴム部材である。
本実施形態の弾性部材20は、第1外周面部31を被覆している円筒状の弾性本体部29の他に、この弾性本体部29の軸方向端部から径方向内側に向かって延びている環状弾性部28を有している。環状弾性部28は、外輪12の側面12bの一部を覆っている。なお、弾性部材20の半径方向の前記厚さ寸法tは、弾性本体部29における厚さ寸法である。また、弾性部材20の前記厚さ寸法tは、軸方向に関して一定であり、また、周方向に関しても一定の値となっている。そして、弾性部材20の前記軸方向寸法Yは、周方向に関して一定の値となっている。
外輪12の外周面30の形状について説明する。外周面30は、弾性部材20が設けられている第1外周面部31と、弾性部材20が設けられておらず径方向外側に露出している第2外周面部32とを有している。つまり、弾性部材20は、外周面30の一部(第1外周面部31)にのみ設けられており、外周面30の他部(第2外周面部32)は外輪12の素材の外周面、つまり金属面となっている。図2に示す形態では、第1外周面部31の方が、第2外周面部32よりも広くなっている。
外輪12の外周面30は段付き面となっており、第2外周面部32は第1外周面部31よりも直径が大きい。なお、第1外周面部31と第2外周面部32との間には傾斜面33が介在している。そして、この傾斜面33の軸方向の途中部33aから第1外周面部31の全範囲にわたって、弾性部材20が設けられている。
このように、外輪12の外周面30は、この外周面30の一部であって弾性部材20が設けられている第1外周面部31と、外周面30の他部であって第1外周面部31よりも直径が大きい第2外周面部32とを有している構成となっている。
図2に示すように、第2外周面部32は、外周面30の略半分を占めており、軸方向一方側の側面12cと連続している。そして、第1外周面部31は、外周面30の残り部分を占めており、軸方向他方側の側面12bと連続している。これにより、弾性部材20は、外周面30の軸方向一方側(第2外周面部32)を除く残りの範囲(第1外周面部31)を覆っている構成となり、図2に示すように縦断面において外輪12は左右非対称の構成を有している。
転がり軸受7がハウジング2に取り付けられた状態では、第1外周面部31に固定されている弾性部材20は、ハウジング内周面3に接触し、この弾性部材20は半径方向に弾性圧縮変形した状態にある。つまり、図3に示すように、弾性部材20は潰れ代(締め代)Gを有した状態にある。潰れ代Gを、例えば0.05〜0.1mmの範囲に設定することができる。
これに対して、第2外周面部32は、ハウジング内周面3に隙間Kを有して嵌合している。この隙間Kは、ゼロ〜数十μmの範囲に設定されており、第2外周面部32はハウジング内周面3に対して隙間嵌めの状態にある。
以上より、本実施形態の転がり軸受7では、外輪12の外周面30の一部(第1外周面部31)に設けられている弾性部材20と、この外周面30の他部(第2外周面部32)とによって、ハウジング内周面3に嵌合する軸受外周面40が構成されている。
この転がり軸受7によれば、弾性部材20の摩擦抵抗により、ハウジング内周面3に対する転がり軸受7(外輪12)の周方向へのずれ(以下、クリープともいう。)を抑制することができるとともに、この弾性部材20がダンパとして機能することにより、軸受回転による振動をハウジング2に伝達させにくくすることができる(つまり、振動を減衰させることができる)。振動をハウジング2に伝達させにくくすることで、ハウジング2から発生する騒音を抑制することが可能となる。特に、弾性部材20は、半径方向の厚さ寸法tよりも大きい軸方向寸法Yを有している(t<Y)円筒状であることから、広い範囲でハウジング内周面3に対して摩擦抵抗を与えることができ、クリープを効果的に抑制することができ、また、振動をハウジング2に伝達させにくい構成が得られる。
また、転がり軸受7に(特に径方向成分を有する)荷重が負荷された場合に、弾性部材20が設けられていない第2外周面部32において、その荷重をハウジング2に伝達させることができ、軸受の剛性が保たれる。
また、前記のとおり、外輪12の外周面30は、直径が小さい第1外周面部31と直径が大きい第2外周面部32とを有する段付き形状となっている。そして、直径の小さい第1外周面部31に弾性部材20が設けられ、直径の大きい第2外周面部32がハウジング内周面3と直接的に接触可能となる(つまり、第2外周面部32において金属面接触となる)。
この構成によれば、弾性部材20は厚さ寸法tを有して半径方向に所定の潰れ代Gを確保することが容易となり、クリープを抑制する機能を高めることができる。
仮に第1外周面部31と第2外周面部32との外径が等しい場合、弾性部材20の厚さ寸法tは、締め代Gの値と、第2外周面部32とハウジング内周面3との隙間Kの値との和となり、これらの値は前記のとおり共に小さいことから、弾性部材20の厚さ(t)が非常に薄くなってしまう。しかし、前記のとおり、直径が小さい第1外周面部31に弾性部材20を設けることで、弾性部材20の厚さ寸法tを、締め代Gの値と隙間Kの値との和よりも大きくすることができる。これにより、弾性部材20を外輪12に加硫接着させて成型することが容易となり、また、弾性部材20は強度(特に剥がれ強度)を有することができ、転がり軸受7の取り付け作業も容易となる。
そして、本実施形態の外輪12は、直径の大きい第2外周面部32において隙間嵌めの状態でハウジング内周面3に嵌合しているが、この第2外周面部32がハウジング内周面3と直接的に接触可能となることから、軸受の剛性を維持する構成が得られる。
また、図5に示す従来技術の場合、ハウジング97に穴96を形成する必要があるが、本実施形態の転がり軸受7によれば、このような穴の形成は不要となる。また、従来技術では、穴96を通じて接着剤を流し込み、乾燥させる工程が必要となるが、本実施形態の転がり軸受7によれば、このような工程は不要である。
また、本実施形態の転がり軸受7において、弾性部材20の軸方向一方側(図3では右側)の縁部21における外周側には、軸方向一方側の端部22に向かうにしたがって直径が小さくなる第1の縮径面(傾斜面)23が設けられている。更に、この弾性部材20の軸方向他方側(図3では左側)の縁部25における外周側には、軸方向他方側の端部26に向かうにしたがって直径が小さくなる第2の縮径面(傾斜面)24が設けられている。
図1に示す回転装置1の軸方向一方側(右側)に関して説明すると、前記のとおり、ハウジング内周面3には環状部5bが設けられており、この環状部5bと外輪12との間には予圧ばね6が介在している。そして、この予圧ばね6は、外輪12の側面12cを軸方向に押す必要がある。そこで、本実施形態では、予圧ばね6を接触させる面を、第2外周面部32と連続している側面12cとしている。
これは、弾性部材20が、第1外周面部31と連続する側面12bの一部を覆う環状弾性部28を有しているためである。すなわち、予圧ばね6が、仮に、外輪12のうち環状弾性部28が覆っている側面12bを押す場合、この環状弾性部28が介在することで所定の予圧を設定することが困難となるためである。
また、軸方向他方側(図1では左側)に関して説明すると、予圧ばね6の作用により、外輪12では、第2外周面部32と連続する側面12cが、環状部5aに接触する。仮にこの環状部5aと外輪12との間に弾性部材20の環状弾性部28が介在すると、やはり、予圧の設定が困難となる。そこで、弾性部材20が固定されている第1外周面部31と連続する側面12bではなく、第2外周面部32と連続する側面12cを、環状部5aに接触させる面としている。
このように、予圧ばね6や環状部5a等の軸方向の予圧を付与するために用いられる部材に対して外輪12を軸方向から接触させる面は、第2外周面部32と連続し金属面となっている側面12cである。これにより、転がり軸受7に対する軸方向の予圧の設定が容易となる。
更に、図1において、例えば軸方向一方側(右側)の転がり軸受7を、ハウジング内周面3に沿って軸方向に移動させることで、このハウジング内周面3に取り付ける場合、矢印G1に示す方向が移動方向となる。この場合、この転がり軸受7における弾性部材20のうち、矢印G1に示す移動方向の前方側に前記第1の縮径面23が設けられていることから、この弾性部材20が固定されている外輪12をハウジング内周面3に対して軸方向に移動させる際、この第1の縮径面23が案内面として機能することで、外輪12の取り付けが容易となる。
更に、取り付け完了状態では、この第1の縮径面23の径方向外側の空間が、ハウジング内周面3に押されて弾性変形する弾性部材20の一部を逃がすための空間として機能するため、弾性部材20を無理なく変形させることができる。
なお、図1に示す形態では、組み立てのために転がり軸受7を軸方向に移動させる方向を矢印G1に示す方向としているが、反対方向としてもよく、この場合、弾性部材20に設けられている前記第2の縮径面24が移動方向の前方側となる。この場合においても、この第2の縮径面24が案内面として機能することができ、外輪12の取り付けが容易となる。また、この第2の縮径面24は、弾性変形する弾性部材20の一部を逃がすための空間として機能することができる。
また、前記のとおり(図3参照)、第1外周面部31と第2外周面部32との間には傾斜面33が介在している。したがって、この傾斜面33の径方向外側の空間を、ハウジング内周面3に押されて弾性変形する弾性部材20の一部を逃がすための空間として機能させることができ、弾性部材20を無理なく変形させることができる。
図2に示す形態では、内輪軌道溝11aと玉13との接触点P1と、この玉13と外輪軌道溝12aとの接触点Q1とを通過する仮想延長線L1上に、弾性部材20が設けられている。つまり、仮想延長線L1が弾性部材20を通過するように弾性部材20の軸方向寸法Yが設定されている。なお、この転がり軸受7は、ハウジング2と回転軸4との間に取り付けられた状態では、軸方向の予圧が設定されていることから、前記仮想延長線L1は、転がり軸受7の中心線の直交線に対して傾斜するが、この傾斜する仮想延長線L1が弾性部材20を通過する。この構成により、軸受回転による振動、つまり、軸・軸受系の回転振動をハウジング2に伝達させにくくする機能を高めることができる。
図4は、図2に示す転がり軸受7の変形例を示す断面図である。図4に示す転がり軸受7では、第1外周面部31の方が、第2外周面部32よりも狭くなっており、弾性部材20の軸方向寸法Yが、図2に示す形態よりも短くなっている。その他については同じである。
そして、図4に示すように、内輪軌道溝11aと玉13との接触点P2と、この玉13と外輪軌道溝12aとの接触点Q2とを通過する仮想延長線L2上に、弾性部材20が存在しておらず露出している第2外周面部32が設けられている。この構成の場合、転がり軸受7に(特に径方向成分を含む)荷重が負荷された場合に、露出している第2外周面部32において、その荷重をハウジング2に伝達させることができ、軸受の剛性をより高めることができる。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の転がり軸受は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、転がり軸受はアンギュラ玉軸受であってもよく、また、転動体は玉以外であってもよく、円筒ころや円すいころであってもよい。
また、図1では、転がり軸受7をモータ用の予圧付与型の軸受として説明したが、モータ用以外であってもよく、本発明の転がり軸受は、クリープ及び振動(騒音)の両者が問題となる回転機器に適用可能である。
更に、前記実施形態では(図3参照)、弾性部材20の軸方向両縁部それぞれの外周側に、縮径面(実施形態では傾斜面)23,24が設けられている場合について説明したが、弾性部材20の軸方向両縁部のいずれか一方のみに縮径面が設けられたものであってもよい。つまり、弾性部材20の軸方向両縁部の少なくとも一方における外周側に、軸方向端面に向かうにしたがって直径が小さくなる縮径面(傾斜面)が設けられていればよい。
1:回転装置 2:ハウジング 3:ハウジング内周面(内周面)
4:回転軸(軸) 11:内輪 12:外輪
13:玉(転動体) 20:弾性部材 21軸方向一方側の縁部
22:軸方向一方側の端部 23,24:縮径面
25:軸方向他方側の縁部 26:軸方向他方側の端部
30:外周面 31:第1外周面部 32:第2外周面部
40:軸受外周面 t:厚さ寸法 Y:軸方向寸法
P1,P2:接触点 Q1,Q2:接触点 L1,L2:仮想延長線

Claims (5)

  1. 軸に外嵌して取り付けられる内輪と、ハウジング内周面に取り付けられる外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在している複数の転動体と、前記外輪の外周面の一部において周方向に沿って設けられ半径方向の厚さ寸法よりも軸方向寸法が大きい円筒状の弾性部材と、を備え、
    前記弾性部材と前記外輪の外周面の他部とによって、前記ハウジング内周面に嵌合する軸受外周面が構成されている、転がり軸受。
  2. 前記外輪の外周面は、前記一部であって前記弾性部材が設けられている第1外周面部と、前記他部であって前記第1外周面部よりも直径が大きい第2外周面部と、を有している請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記弾性部材の軸方向両縁部の少なくとも一方における外周側には、軸方向端部に向かうにしたがって直径が小さくなる縮径面が設けられている請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記転動体は玉であり、
    前記内輪が有する軌道面と前記玉との接触点と、当該玉と前記外輪が有する軌道面との接触点とを通過する仮想延長線上に、前記弾性部材が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受。
  5. 前記転動体は玉であり、
    前記内輪が有する軌道面と前記玉との接触点と、当該玉と前記外輪が有する軌道面との接触点とを通過する仮想延長線上に、露出している前記外周面の前記他部が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受。
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