JP2017009941A - 加熱定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期に亘ってメディア搬送性やフィルム部材の回転駆動動作の維持ができないという課題があった。
【解決手段】加熱体と、加熱体を保持する保持部材と、加熱体の表面を摺動回転するフィルムと、フィルムを介して前記加熱体と圧接してニップ部を形成する加圧ローラと、加圧ローラを回転させる駆動手段を有し、加圧ローラを回転させることによって前記加熱フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する加熱装置において、前記加圧ローラは少なくとも芯金と表層材料からなり、前記表層材料は最大のメディアサイズより外側にタック性を有し、最大メディアサイズより内側はタック性を有さないことを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】加熱体と、加熱体を保持する保持部材と、加熱体の表面を摺動回転するフィルムと、フィルムを介して前記加熱体と圧接してニップ部を形成する加圧ローラと、加圧ローラを回転させる駆動手段を有し、加圧ローラを回転させることによって前記加熱フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する加熱装置において、前記加圧ローラは少なくとも芯金と表層材料からなり、前記表層材料は最大のメディアサイズより外側にタック性を有し、最大メディアサイズより内側はタック性を有さないことを特徴とする。
【選択図】図5
Description
本発明は、複合機、複写機、プリンタ、ファックス等の記録材上に画像形成可能な電子写真方式の加熱定着装置、および画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム上に形成された潜像を現像して可視画像化し、この可視画像(トナー像)を記録材に静電気力を用いて転写させ、次いで転写画像を熱により定着させることによって、前記記録材上に画像が記録形成されるようになっている。
これらの電子写真装置における定着装置においては、シート上にトナー画像を形成し、これを加熱、加圧して定着させることにより画像を形成している。このような定着装置として、熱伝達効率が高く、装置の立ち上がりが速く、加熱加圧時間を長くすることができる無端状のフィルムを定着部材に用い、円筒形のローラを加圧部材として用いた定着フィルム式定着装置が提案されている(特許文献1)。また、定着部材として円筒形のローラを用い、加圧部材に無端状のフィルムを用いた加圧フィルム式定着装置も提案されている(特許文献2)。
これらの定着装置においては、無端状のフィルム部材には駆動源が無く、円筒形のローラ部材に駆動手段が敷設されている。このローラ部材の回転をフィルム部材とローラ部材の表面摩擦によって伝播することでフィルム部材を回動させ、これによりメディアの搬送と定着処理を行っている。
このような一対の回転体の一方に駆動源が有り、もう一方に駆動源が無い定着器において、メディアの種類や部材の温度によって摩擦力が低減してスリップが発生し、メディア搬送性の低下や、フィルム部材の回転駆動が停止してしまう問題が有った。
これらの課題の解決手段として、端部に凹凸を設けることによって端部の摩擦係数を大きくしてフィルムの搬送性を高める方法が有る(特許文献3)。また、無端状のフィルムの内面に潤滑剤を塗布することで内部の摩擦力を低減し、それにより回転動作を維持する方法もある(特許文献4)。
しかしならが、特許文献3に記載される技術においては、端部にある凹凸は徐々に摩耗してしまうため、定着処理枚数が増えると凹凸が小さくなり最終的にはスリップが発生してしまう。また、特許文献4に記載される技術においても、潤滑剤中のオイル成分が長期に亘る昇温に因って揮発してしまい、潤滑性能が低下してしまい、同じくスリップ発生となってしまう。このように、従来の技術においては、長期に亘ってメディア搬送性やフィルム部材の回転駆動動作の維持ができないという課題が有った。
本発明に係る定着装置は、加熱体と、加熱体を保持する保持部材と、加熱体の表面を摺動回転するフィルムと、フィルムを介して前記加熱体と圧接してニップ部を形成する加圧ローラと、加圧ローラを回転させる駆動手段を有し、加圧ローラを回転させることによって前記加熱フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する定着装置において、前記加圧ローラは少なくとも芯金と表層材料からなり、前記表層材料は最大のメディアサイズより外側にタック性を有することを特徴とする。
また、加熱体と、加熱体を保持する保持部材と、加熱体の表面を摺動回転するフィルムと、フィルムを介して前記加熱体と圧接してニップ部を形成する加圧ローラと、加圧ローラを回転させる駆動手段を有し、加圧ローラを回転させることによって前記加熱フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する定着装置において、前記加圧ローラは少なくとも芯金と表層材料からなり、前記表層材料は最大のメディアサイズより外側にタック性を有し、最大メディアサイズより内側は前記外側よりもタック力が小さいことを特徴とする。
また、前記加圧ローラの表面のタック力は、最大のメディアサイズより外側で40g以上、最大メディアサイズより内側で5g未満であることを特徴とする。
また、熱源を有する加熱ローラと、加圧フィルムと、加圧フィルムを保持する保持部材と、加圧フィルムを介して前記加熱ローラと圧接してニップ部を形成する加圧部材と、加熱ローラを回転させる駆動手段を有し、加熱ローラを回転させることによって前記加圧フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する定着装置において、
前記加圧フィルムは少なくとも芯金と表層材料からなり、前記表層材料は最大のメディアサイズより外側にタック性を有することを特徴とする。
前記加圧フィルムは少なくとも芯金と表層材料からなり、前記表層材料は最大のメディアサイズより外側にタック性を有することを特徴とする。
また、熱源を有する加熱ローラと、加圧フィルムと、加圧フィルムを保持する保持部材と、加圧フィルムを介して前記加熱ローラと圧接してニップ部を形成する加圧部材と、加熱ローラを回転させる駆動手段を有し、加熱ローラを回転させることによって前記加圧フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する定着装置において、前記加圧フィルムは少なくとも芯金と表層材料からなり、前記表層材料は最大のメディアサイズより外側にタック性を有し、最大メディアサイズより内側は前記外側よりもタック力が小さいことを特徴とする。
また、前記加圧フィルムの表面のタック力は、最大のメディアサイズより外側で40g以上、最大メディアサイズより内側で5g未満であることを特徴とする。
本発明の定着装置によれば、長期に亘ってメディア搬送性やフィルム部材の回転駆動動作の維持することが可能となる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、本発明にかかる第一の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタの断面図であり、シートの搬送方向に沿った断面図である。本実施形態では、カラー電子写真プリンタを単に「プリンタ」という。
まず、本発明にかかる第一の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタの断面図であり、シートの搬送方向に沿った断面図である。本実施形態では、カラー電子写真プリンタを単に「プリンタ」という。
図1に示すプリンタは、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色の画像形成部10を備えている。感光ドラム11は、帯電器12によってあらかじめ帯電される。その後、感光ドラム11は、レーザスキャナ13によって、潜像を形成されている。潜像は、現像器14によってトナー像になる。感光ドラム11のトナー像は、一次転写ブレード17によって、像担持体である例えば中間転写ベルト31に順次転写される。転写後、感光ドラム11に残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。この結果、感光ドラム11の表面は、清浄になり、次の画像形成に備える。
一方、シートPは、給紙カセット20、又はマルチ給紙トレイ25から、1枚ずつ送り出されてレジストローラ対23に送り込まれる。レジストローラ対23は、シートPを一旦受け止めて、シートが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対23は、中間転写ベルト31上のトナー像と同期を取って、シートを中間転写ベルト31と二次転写ローラ35との間に送り込む。中間転写ベルト上のカラーのトナー像は、転写体である例えば二次転写ローラ35によってシートPに転写される。その後、シートのトナー像は、シートが定着器40によって、加熱加圧されることでシートに定着される。
次に、本実施例で用いた定着器について説明する。図2は、定着装置40の概略構成図で示されるようなフィルム加熱方式の加熱装置(テンションレスタイプ)を用いている。
43は加熱体としてのとしてのセラミックヒータ(以下、ヒータと記す)である。このヒーター43は図面に垂直方向を長手とする細長薄板状のセラミック基板と、この基板面に具備させた通電発熱抵抗体層を基本構成とするもので、発熱抵抗体層に対する通電により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する、低熱容量のヒーターである。また、記録材の長手幅サイズに応じて、通電領域を切り替える構成となっている。
41は熱を伝達する加熱部材としての円筒状(エンドレス)の耐熱性の定着フィルムであり、上記のヒーター43を含む支持部材にルーズに外嵌させてある。本実施例における定着フィルム41は、表層、弾性層、基層、内面コート層の4層複合構造を有した定着フィルムである。
離型層は厚さ100μm以下、好ましくは20〜70μmのフッ素樹脂材料を使用できる。たとえば、例えばフッ素樹脂層としては、例えばPTFE、FEP、PFAなどが挙げられる。本実施例では、厚さ30μmのPFAチューブを用いた。
弾性層は、熱容量を小さくしてクイックスタート製を向上させるために、厚さとしては1000μm以下、好ましくは500μm以下のゴム材料を使用できる。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。ゴム硬度10度(JIS−A)、熱伝導率1.3W/m・K、厚さ300μmのシリコーンゴムを用いた。
基材金属層も弾性層と同様にクイックスタート性を向上させるために、厚さとして100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性材料を使用できる。例えば、SUS、ニッケルなどの金属フィルムを使用できる。本実施例では、厚さが30μm、直径が25mmの円筒状ニッケル金属フィルムを用いた。
内面コート層は、セラミックヒータと接しているため耐熱性を持つ樹脂層を使用できる。例えば、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)、四フッ化エチレン/パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)などのエンジニアリングプラスティックなどが挙げられる。本実施例ではポリイミドを用い、発色層を形成した後に、ワニス状態の原材料溶液を基材に塗布して焼成することで10μmのポリイミド内面層を形成した。
44は加圧部材としての耐熱性弾性加圧ローラであり、芯金と、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴム、あるいはシリコーンゴムの発泡体からなる弾性層からなり、芯金の両端部を回転自由に軸受け支持させて配設してある。この加圧ローラ44の上側に上記の定着フィルム41・ヒーター43を、ヒーター43側に対して加圧ローラ44に並行に配置し、不図示の押付部材で押圧させることで、定着フィルム41を介してヒーター43の下面と加圧ローラ44の上面にローラ弾性層の弾性に抗して圧接させて加熱部としての所定幅の定着ニップ部Tを形成させてある。加圧ローラの詳細に関しては後述する。
加圧ローラ44は不図示の駆動手段により矢印の反時計方向に所定の回転周速度にて回転駆動される。この加圧ローラ44の回転駆動による加圧ローラ44と定着フィルム41との、定着ニップ部Tにおける圧接摩擦力により円筒状の定着フィルム41に回転力が作用して該定着フィルム41がヒーター43の下向き面に密着して摺動しながら矢印の時計方向に従動回転状態になる。支持部材は円筒状定着フィルム41の回転ガイド部材でもある。
加圧ローラ44が回転駆動され、それに伴って円筒状定着フィルム41が従動回転状態になり、またヒーター43に通電がなされて該ヒーターが迅速に昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Tの定着フィルム41と加圧ローラ44との間に未定着トナー像Tを担持した記録材Pが導入され、定着ニップ部Nおいて記録材Pのトナー像担持側面が定着フィルム41の外面に密着して定着フィルム41と一緒に定着ニップ部Tを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程においてヒーター43で加熱された定着フィルム41の熱により記録材Pが加熱され、記録材P上の未定着トナー像Tが記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Tを通過した記録材Pは定着フィルム41の面から曲率分離して排出搬送されていく。
45は接触式温度計(サーミスタ)であり、ヒーター43によって加熱された定着フィルム41の温度を計測し、その検出結果を不図示の温度制御手段に渡す構成となっている。
46はヒータホルダであり、高温に発熱したヒーター43を保持する部材である。
[加圧ローラの作製方法]
次に、本実施例における加圧部材44の作製方法について説明する。図3は本実施例で用いた加圧ローラの断面模式図である。本実施例では芯金44cの上に弾性層44bと表層44aを設けた2層のローラを用いた。芯金44cとしては直径23.5mmの中空のSUS、弾性層44bとしてゴム硬度15度(JIS−A)、熱伝導率0.3W/m・K、厚さ3mmのシリコーンゴムを用いた。また、表層材料44aとしては、離型性能の高いフッ素ゴムとしてパーオキサイド架橋系のG902(ダイキン(株)製)を用い、スプレーコートによって25μmのフッ素ゴム層を設けた。
次に、本実施例における加圧部材44の作製方法について説明する。図3は本実施例で用いた加圧ローラの断面模式図である。本実施例では芯金44cの上に弾性層44bと表層44aを設けた2層のローラを用いた。芯金44cとしては直径23.5mmの中空のSUS、弾性層44bとしてゴム硬度15度(JIS−A)、熱伝導率0.3W/m・K、厚さ3mmのシリコーンゴムを用いた。また、表層材料44aとしては、離型性能の高いフッ素ゴムとしてパーオキサイド架橋系のG902(ダイキン(株)製)を用い、スプレーコートによって25μmのフッ素ゴム層を設けた。
加圧ローラ成型後、弾性層に電子線を照射した。電子線を照射することによって、フッ素ゴム表面に存在する未架橋側鎖を架橋しゴムの持つタック性を低減し、メディアの紙粉付着やタック性に起因した汚れを抑制することが可能となる。
タック性とは、粘着体の持つ性質の一つである。粘着体の持つ接着性のうち、恒久的な接着力である粘着力に対して、タック性は瞬間的な接着力を示す指針である。粘着力が同程度の材料においても、タック性が異なることは多くみられる。このタック性の主な測定方法等に関しては、JIS Z 0237 に規定されている。
本実施例では、最大のメディアサイズよりも内側(以下、通紙部と呼ぶ)に対して、加速電圧200kV、電流20mAとして、所定の速度で照射源を移動させて照射を行った。図4は、本実施例における電子線照射の方法の模式図である。照射源の移動速度が速い場合は、単位面積あたりに照射される電子線量が少なくタック低減効果が小さいため、タック力が大きくなる。また、移動速度が遅い場合は照射される電子線量が多くタック低減効果が大きいため、タック力は小さくなる。また、本実施例では最大のメディアサイズよりも外側(以下、非通紙部と呼ぶ)は、電子線照射量が通紙部よりも少なくなるように照射した。
なお、本実施例における最大のメディアは13×19インチ紙(330mm×483mm)であり、通紙部を330mm、それよりも外側を非通紙部をとした。
このようにして、通紙部と非通紙部のタック性を制御した部材を作製した。
[非通紙部のタック力とスリップの発生]
次に、通紙部と非通紙部のタック力と定着フィルムの回転に関する実験を行った。
次に、通紙部と非通紙部のタック力と定着フィルムの回転に関する実験を行った。
まず、加圧ローラの作製条件について説明する。本実験では、前述の最表面にフッ素ゴム層を設けた加圧ローラを用い、この加圧ローラの通紙部と非通紙部に対して、加速電圧200kV、電流20mAの電子線を所定の移動速度条件で照射した。そして、その際のタック力をタッキング試験機(レスカ(株)製)を用いて、JIS Z3284に準拠した方法で計測を行った。
次に、定着フィルムの回転に関する実験方法について説明する。本実験では、メディアとしてCS-814(日本製紙(株)社製)を用い、シート上に1.2mg/cm2のトナー層を積載したサンプルを用いた。定着装置の条件としては、加圧力を30kgf、回転速度を200mm/sとした。
次に、評価手法について説明する。スリップ発生有無の判定は、フィルム表面が所定温度になった際にメディアを通し、メディアの搬送速度が低下してスリップが発生した温度を計測した。また、通紙部においては、加圧ローラに付着した紙粉付着汚れに関しても目視で発生を観察し、発生無しを○、発生有りを×とした。
一般に、定着部材の表層の温度が上昇するとスリップが発生しやすくなる。これは、メディアから水蒸気が発生することで回転駆動する部材(本実施例では加圧ローラ)とメディアとの間の摩擦係数が低下し、定着フィルムへの回転駆動が低下してしまい、スリップが発生する。従って、発生温度が低い条件はスリップ発生しやすい、高い条件はスリップ発生がしにくいと判断することができる。
その実験結果をまとめると以下の表の通りとなる。
まず、条件1〜5に着目する。これらの条件では、非通紙部のタック力が100gで一定であり、通紙部のタック力が徐々に減少しており、スリップ発生温度は200℃と一定であった。このことから、通紙部のタック力はスリップには影響していないことが言える。しかし、紙粉汚れの発生という点では通紙部のタック力は小さいことが好ましく、本実験より5g未満が紙粉汚れ無しと確認できた。なお、タック力5gは計測装置の計測下限であり、それ未満であるためタック性は無いと言える。
次に、条件6〜10に着目する。これらの条件では、通紙部のタック力が5g未満で一定であり、非通紙部のタック力が徐々に減少している。この条件では、非通紙部のタック力が40g以上の場合はスリップ発生温度が高温で保たれているが、30g以下の場合はスリップ発生温度が低下していた。
図5は定着フィルム、メディア、加圧ローラの位置関係を示した模式図である。定着フィルム41は、メディアと定着フィルムに接していない加圧ローラ44の非通紙部44dにおいて加圧ローラと直に接している。この部分の接触によって定着フィルムは加圧ローラの駆動を得て回転している。この部分のタック性が高い場合、定着フィルムへの駆動伝達力が強まり、定着フィルムのスリップが抑制される。本実験の結果より、タック力が40g以上の場合は十分に駆動伝達力が有るためスリップが発生しないが、それ以下の場合はスリップ発生温度が低下することが確認された。
本実験より、非通紙部のタック力は40g以上がスリップ防止には好ましく、通紙部の紙粉汚れを考慮すると通紙部のタック力は5g未満が好ましいと言える。
[本実施例における定着装置]
次に、本実施例における定着装置のスリップ発生について確認を行った。本実施例では、本実験には図2に示されるような定着装置を用いた。
次に、本実施例における定着装置のスリップ発生について確認を行った。本実施例では、本実験には図2に示されるような定着装置を用いた。
本実施例では加圧ローラとして、通紙部のタック力が5g未満で、非通紙部のタック力が40gとなるように電子線を照射した加圧ローラを用いた。また、従来例1として非通紙部にRz=10umの凹凸を付けた加圧ローラ、従来例2として耐熱グリスであるモリコートHP300(東レダウコーニング(株)製)を潤滑剤として塗布した定着装置を用いた。
また、メディアとしてCS-814(日本製紙(株)社製)を用い、シート上に1.2mg/cm2のトナー層を積載したサンプルを用いた。また、定着装置の条件としては、加圧力を30kgf、回転速度を200mm/sとした。この条件における通紙枚数とスリップ発生温度の関係を確認した。その結果をまとめると、以下の通りである。
従来例1では、耐久枚数が増えるに従って非通紙部の凹凸が小さくなり、30万枚以降はスリップ発生温度が大きく低下していった。また、従来例2では、潤滑剤のオイル成分の揮発によって、同様にスリップ発生温度が低下していった。
これに対して本実施例では、タック力が長期に亘って維持されることで、50万枚通紙した条件においてもスリップ発生温度は初期同等で維持されていることが確認できた。
このように、本実施例を用いることによって長期に亘ってスリップ発生を抑制することができることが確認できた。
[実施例2]
次に、本発明にかかる第二の実施例について説明する。なお、第一の実施例に記載された内容に関しては省略する。
次に、本発明にかかる第二の実施例について説明する。なお、第一の実施例に記載された内容に関しては省略する。
本実施例では、図1に示されるカラー電子写真プリンタを用い、定着器としては図6の模式図のようなフィルム加圧式加熱装置50を用いた。
53は加熱体としてのハロゲンヒータ53である。このハロゲンヒータ53は、不図示の保持部材によって定着ローラ51の回転中央部に位置している。また、メディアのサイズに対応するため、ハロゲンヒータ内部の熱源に配光性を持たせている。
51は熱を伝達する加熱部材としての円筒状の耐熱性の定着ローラである。本実施例における定着ローラは、芯金と、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴム、等の弾性層と、フッ素樹脂などの表層の3層構造であり、芯金の両端部を回転自由に軸受け支持させて配設してある。本実施例では、芯金として直径28mmの中空のSUS、弾性層としてゴム硬度20度(JIS−A)、熱伝導率1.3W/m・K、厚さ300umのシリコーンゴム、表層として厚さ30μmのPFAチューブを用いた。
52は定着ローラに当接して定着ニップを形成するための加圧フィルム52である。本実施例における加圧フィルムは、表層、弾性層、基層の3層複合構造を有しており、加圧パッド54を含む支持部材にルーズに外嵌させてある。
54は加圧フィルム52の内部に設置された加圧パッドである。この加圧パッドは加圧フィルム52を介して定着ローラ51に圧接させて加熱部としての所定幅の定着ニップ部Tを形成させてある。加圧フィルムの詳細に関しては後述する。
55は接触式温度計(サーミスタ)であり、ハロゲンヒータ53によって加熱された定着ローラ51の温度を計測し、その検出結果を不図示の温度制御手段に渡す構成となっている。
[加圧フィルムの作製方法]
次に、本実施例における加圧部材52の作製方法について説明する。図7は本実施例で用いた加圧フィルムの断面模式図である。本実施例では基層52cの上に弾性層52bと表層52aを設けた3層のフィルムを用いた。基層52cとしては直径30mm、厚さ42umのSUS、弾性層52bとしてゴム硬度15度(JIS−A)、熱伝導率0.3W/m・K、厚さ3mmのシリコーンゴムを用いた。また、表層材料52aとしては、離型性能の高いフッ素ゴムとしてパーオキサイド架橋系のG902(ダイキン(株)製)を用い、スプレーコートによって25μmのフッ素ゴム層を設けた。
次に、本実施例における加圧部材52の作製方法について説明する。図7は本実施例で用いた加圧フィルムの断面模式図である。本実施例では基層52cの上に弾性層52bと表層52aを設けた3層のフィルムを用いた。基層52cとしては直径30mm、厚さ42umのSUS、弾性層52bとしてゴム硬度15度(JIS−A)、熱伝導率0.3W/m・K、厚さ3mmのシリコーンゴムを用いた。また、表層材料52aとしては、離型性能の高いフッ素ゴムとしてパーオキサイド架橋系のG902(ダイキン(株)製)を用い、スプレーコートによって25μmのフッ素ゴム層を設けた。
本実施例では、加圧フィルムの成型後、最大のメディアサイズよりも内側(以下、通紙部と呼ぶ)に対して、加速電圧200kV、電流20mAとして、所定の速度で照射源を移動させて照射を行った。このようにして、通紙部と非通紙部のタック性を制御した部材を作製した。
[非通紙部のタック力とスリップの発生]
本実施例でも、第一の実施例同様に通紙部と非通紙部のタック力と定着フィルムの回転に関する実験を行った。
本実施例でも、第一の実施例同様に通紙部と非通紙部のタック力と定着フィルムの回転に関する実験を行った。
定着フィルムの回転に関する実験方法について説明する。本実験では、メディアとしてCS-814(日本製紙(株)社製)を用い、シート上に1.2mg/cm2のトナー層を積載したサンプルを用いた。定着装置の条件としては、加圧力を30kgf、回転速度を200mm/sとした。
次に、評価手法について説明する。スリップ発生有無の判定は、フィルム表面が所定温度になった際にメディアを通し、メディアの搬送速度が低下してスリップが発生した温度を計測した。また、通紙部においては、加圧ローラに付着した紙粉付着汚れに関しても目視で発生を観察し、発生無しを○、発生有りを×とした。その結果をまとめると以下の表の通りとなる。
まず、条件11〜15に着目する。これらの条件では、非通紙部のタック力が100gで一定であり、通紙部のタック力が徐々に減少しており、スリップ発生温度は200℃と一定であった。このことから、通紙部のタック力はスリップには影響していないことが言える。しかし、紙粉汚れの発生という点では通紙部のタック力は小さいことが好ましく、本実験より5g未満が紙粉汚れ無しと確認できた。
次に、条件16〜20に着目する。これらの条件では、通紙部のタック力が5g未満で一定であり、非通紙部のタック力が徐々に減少している。この条件では、非通紙部のタック力が40g以上の場合はスリップ発生温度が高温で保たれているが、30g以下の場合はスリップ発生温度が低下していた。
図8は定着ローラ、メディア、加圧フィルムの位置関係を示した模式図である。定着ローラ51は、メディアと定着フィルムに接していない加圧ローラ52の非通紙部52dにおいて加圧ローラと直に接している。この部分の接触によって定着フィルムは加圧ローラの駆動を得て回転している。この部分のタック性が高い場合、定着フィルムへの駆動伝達力が強まり、定着フィルムのスリップが抑制される。本実験の結果より、タック力が40g以上の場合は十分に駆動伝達力が有るためスリップが発生しないが、それ以下の場合はスリップ発生温度が低下することが確認された。
本実験より、非通紙部のタック力は40g以上がスリップ防止には好ましく、通紙部の紙粉汚れを考慮すると通紙部のタック力は5g未満が好ましいと言える。
[本実施例における定着装置]
次に、本実施例における定着装置のスリップ発生について確認を行った。本実施例では、本実験には図6に示されるような定着装置を用いた。
次に、本実施例における定着装置のスリップ発生について確認を行った。本実施例では、本実験には図6に示されるような定着装置を用いた。
本実施例では加圧フィルム52として、通紙部のタック力が5g未満、非通紙部のタック力が40gとなるように電子線を照射した加圧ローラを用いた。また、従来例1として非通紙部にRz=10umの凹凸を付けた加圧ローラ、従来例2として耐熱グリスであるモリコートHP300(東レダウコーニング(株)製)を潤滑剤として塗布した定着装置を用いた。
また、メディアとしてCS-814(日本製紙(株)社製)を用い、シート上に1.2mg/cm2のトナー層を積載したサンプルを用いた。また、定着装置の条件としては、加圧力を30kgf、回転速度を200mm/sとした。この条件における通紙枚数とスリップ発生温度の関係を確認した。その結果をまとめると、以下の通りである。
従来例1では、耐久枚数が増えるに従って非通紙部の凹凸が小さくなり、30万枚以降はスリップ発生温度が大きく低下していった。また、従来例2では、潤滑剤のオイル成分の揮発によって、同様スリップ発生温度が低下していった。
これに対して本実施例では、タック力が長期に亘って維持されることで、50万枚通紙した条件においてもスリップ発生温度は初期同等で維持されていることが確認できた。このように、本実施例を用いることによって長期に亘ってスリップ発生を抑制することができることが確認できた。
10 画像形成部、11 感光ドラム、12 帯電器、13 レーザスキャナ、
14 現像器、15 クリーナ、17 一次転写ブレード、20 給紙カセット、
25 マルチ給紙トレイ、23 レジストローラ対、31 中間転写ベルト、
35 二次転写ローラ、40 定着器、41 定着フィルム、43 加熱体、
44 加圧ローラ、45 接触式サーミスタ、46 ヒータホルダ、
47 フィルム駆動手段、50 定着器、51 定着ローラ、52 加圧フィルム、
53 ハロゲンヒータ、54 加圧パッド、55 接触式サーミスタ、
99 電子線照射源、P シート、T トナー
14 現像器、15 クリーナ、17 一次転写ブレード、20 給紙カセット、
25 マルチ給紙トレイ、23 レジストローラ対、31 中間転写ベルト、
35 二次転写ローラ、40 定着器、41 定着フィルム、43 加熱体、
44 加圧ローラ、45 接触式サーミスタ、46 ヒータホルダ、
47 フィルム駆動手段、50 定着器、51 定着ローラ、52 加圧フィルム、
53 ハロゲンヒータ、54 加圧パッド、55 接触式サーミスタ、
99 電子線照射源、P シート、T トナー
Claims (9)
- 加熱体と、加熱体を保持する保持部材と、加熱体の表面を摺動回転するフィルムと、フィルムを介して前記加熱体と圧接してニップ部を形成する加圧ローラと、加圧ローラを回転させる駆動手段を有し、加圧ローラを回転させることによって前記加熱フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する定着装置において、
前記加圧ローラは少なくとも芯金と表層材料からなり、前記表層材料は最大のメディアサイズより外側にタック性を有することを特徴とする定着装置。 - 加熱体と、加熱体を保持する保持部材と、加熱体の表面を摺動回転するフィルムと、フィルムを介して前記加熱体と圧接してニップ部を形成する加圧ローラと、加圧ローラを回転させる駆動手段を有し、加圧ローラを回転させることによって前記加熱フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する定着装置において、
前記加圧ローラは少なくとも芯金と表層材料からなり、前記表層材料は最大のメディアサイズより外側にタック性を有し、最大メディアサイズより内側は前記外側よりもタック力が小さいことを特徴とする定着装置。 - 前記加圧ローラは、表層材料に電子線照射していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記加圧ローラの表面のタック力は、最大のメディアサイズより外側で40g以上、最大メディアサイズより内側で5g未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の定着装置。
- 熱源を有する加熱ローラと、加圧フィルムと、加圧フィルムを保持する保持部材と、加圧フィルムを介して前記加熱ローラと圧接してニップ部を形成する加圧部材と、加熱ローラを回転させる駆動手段を有し、加熱ローラを回転させることによって前記加圧フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する定着装置において、
前記加圧フィルムは少なくとも芯金と表層材料からなり、前記表層材料は最大のメディアサイズより外側にタック性を有することを特徴とする定着装置。 - 熱源を有する加熱ローラと、加圧フィルムと、加圧フィルムを保持する保持部材と、加圧フィルムを介して前記加熱ローラと圧接してニップ部を形成する加圧部材と、加熱ローラを回転させる駆動手段を有し、加熱ローラを回転させることによって前記加圧フィルムを従動回転させるとともに記録材をニップ部に挟持搬送し、記録材をニップ部で加熱加圧する定着装置において、
前記加圧フィルムは少なくとも芯金と表層材料からなり、前記表層材料は最大のメディアサイズより外側にタック性を有し、最大メディアサイズより内側は前記外側よりもタック力が小さいことを特徴とする定着装置。 - 前記加圧フィルムは、表層材料に電子線照射していることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の定着装置。
- 前記加圧フィルムの表面のタック力は、最大のメディアサイズより外側で40g以上、最大メディアサイズより内側で5g未満であることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか一項に記載の定着装置。
- 請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015128184A JP2017009941A (ja) | 2015-06-26 | 2015-06-26 | 加熱定着装置および画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015128184A JP2017009941A (ja) | 2015-06-26 | 2015-06-26 | 加熱定着装置および画像形成装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017009941A true JP2017009941A (ja) | 2017-01-12 |
Family
ID=57762432
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015128184A Pending JP2017009941A (ja) | 2015-06-26 | 2015-06-26 | 加熱定着装置および画像形成装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2017009941A (ja) |
-
2015
- 2015-06-26 JP JP2015128184A patent/JP2017009941A/ja active Pending
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