JP2017013183A - 研磨装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような高硬度材料からなるワークの研磨には、研磨効率を上げるため、定盤や研磨ヘッドを高速度で回転させる必要が生じる。通常、スラリーを用いる研磨では、定盤回転数は、60〜150rpm程度であるが、上記高硬度材料からなるワークの研磨では、定盤の回転数を200rpm以上、場合によっては400rpm以上の高速で回転させる必要が生じる。
ところで、定盤を高速回転させると、遠心力によって飛び出したスラリーがスラリー受の壁面に衝突し、ミスト化して飛散するという問題点がある。ミスト化して飛散したスラリーは、研磨室全体を覆うカバー内壁面等に付着し、結晶化しやすい。特に高硬度材料からなるワークの研磨では、研磨時間が長く研磨室内の温度も高くなる傾向にあるため、上記のカバー内壁面等に付着したスラリーが一層結晶化しやすく、結晶化したスラリーが研磨中に研磨パッド上へ脱落し、ワークに研磨スクラッチ等の欠陥を生じさせる不具合がある。
そこで、特許文献1に示される研磨装置では、定盤や研磨パッドの外周面に対向するスラリー受の内壁面を、断面が横向きの放物線状に湾曲する凹面に形成し、遠心力によって研磨パッドから外方に飛び出すスラリーを該凹面で柔らかく受け止めることによって、スラリーのミスト化を減少させるようにしている。
しかしながら、スラリー受の内壁面を凹面に形成したとしても、研磨パッドの外周上面と前記凹面の上端下面との間には上に開口する隙間が存在することから、多少ともミスト化したスラリーが研磨室内に飛散することは避けられない。特に、前記のように、高硬度材料からなるワークの研磨の場合には、定盤を高速度で回転させる必要があることから、スラリーが凹面に衝突した際に、やはりミスト化しやすいという課題がある。
本発明は、上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、スラリーのミストの飛散を防止でき、ワークの表面にスクラッチ等の欠陥を生じさせることなく、精度良く研磨を行える研磨装置を提供することにある。
すなわち、本発明に係る研磨装置は、ワークを保持する研磨ヘッドと、表面に研磨パッドが貼付された定盤と、前記研磨パッド上に研磨用のスラリーを供給するスラリー供給部と、前記定盤の外周に沿って設けられ、前記研磨パッドから流下するスラリーを受けるスラリー受と、前記研磨ヘッドと定盤とを相対的に運動させる運動機構とを備える研磨装置であって、前記研磨パッドの外周部上面との間に、前記スラリー供給部から前記研磨パッド上に供給されるスラリーが該研磨パッド上を外方に流れるだけの隙間を空けて前記研磨パッドの外周部上面を覆うと共に、前記スラリー受の上側開口部を覆うリング状をなすスラリー飛散防止用カバーを具備することを特徴とする。
あるいは、前記スラリー飛散防止用カバーを、その前記研磨パッドとの対向面の少なくとも一部が前記研磨パッドの上面に対してスラリー受側に向けて低くなるように1〜5°の範囲で傾斜するように設けることができる。
前記スラリー受内で生じたスラリーのミストが前記カバーの下面に付着し、前記カバー外に流出しないようにすることができる。
前記スラリー飛散防止用カバーを、取り外し可能に前記スラリー受に支持して設けることができる。
前記スラリー飛散防止用カバーを、前記研磨パッドの上面に対する高さを調整可能に設けるようにすることができる。
前記スラリー飛散防止用カバーにより、前記研磨パッドの外周側から前記研磨パッドの半径の1/3以上を覆うようにすることができる。
前記研磨パッドの外周側を前記スラリー受内に突出させるようにしてもよい。
前記スラリー飛散防止用カバーとは別に、前記研磨ヘッド、前記定盤を覆うカバーを設けるようにすることができる。
ワーク研磨時における前記定盤の回転数を、100rpm以上とすることができる。
SiC、GaN、サファイアもしくはダイヤモンドからなる高硬度材料からなるワークの研磨に好適に用いることができる。
スラリー飛散防止用カバーの少なくとも一部を光透過性を有する樹脂材料で形成すると好適である。
この場合に、前記スラリー飛散防止用カバーを、撥水性を有する材料、もしくは、表面処理剤による撥水コーティングを施した材料で形成すると好適である。
図1は研磨装置10の概略を示す説明図である。
図1において、12は定盤であり、駆動機構(運動機構)により回転軸14を中心に水平面内で回転する。定盤12の上面には、例えば発泡ポリウレタンを主材とする研磨パッド16が貼付されている。
18は研磨ヘッドであり、その下面側に研磨すべきワーク(半導体ウェーハ等)20が保持される。研磨ヘッド18は回転軸22を中心に回転される。また、研磨ヘッド18は、加圧シリンダ等の上下動機構により上下動可能となっている。
24は、スラリー供給部であり、ノズルからスラリー(研磨砥粒入り研磨液)を研磨パッド16上に供給するものである。
図2に明確なように、定盤12を囲むようにして、定盤12の外周に沿って樋状のスラリー受26が設けられている(図1ではスラリー受26の図示を省略している)。スラリー受26は、研磨パッド16上に供給されたスラリーが、定盤12が回転することによる遠心力によって、研磨パッド16上を外方に移動し、研磨パッド16から外方に流出するスラリーを受け取り、系外に排出するものである。なお、研磨装置10によっては、スラリー受26に排出されたスラリーを回収し、循環させて研磨パッド16上に再供給して、再利用するものもある。
研磨ヘッド18は公知の機構のものを採用し得るものであって、その構造は特に限定されるものではない。なお、本実施の形態における研磨ヘッド18は、その下面にワーク20を吸着機構によって吸着保持するようになっている。また、ヘッド本体19は、球軸受構造によって、水平面内で回動可能に固定部21に支持され、定盤12の動き(傾き)に追随して回動するようになっている。
カバー34は、第1リング31、第2リング32、第3リング33の3つのリング体が一体に積層されたリング状をなしている。カバー34は、第1リング31、第2リング32がスラリー受26の側壁部26aに嵌合し、第3リング33の外周部がスラリー受26の上端縁に載っており、これにより、スラリー受26に上方向に取り外し自在に支持されている。第3リング33の外周部が、カバー34がスラリー受26に係止する係止部36となる。係止部36はフック状に設けることもできる。このように、カバー34をスラリー受26から取り外し自在に設けることによって、研磨パッド16の貼り換えを容易に行うことができる。なお、カバー34は、作製の便宜上、第1〜第3のリング体で構成したが、リング体の数は特に限定されず、2つあるいは単体等のリング体で構成することもできる。
具体的には、第1リング31が、研磨パッド16との対向面が研磨パッド16の上面と平行になるように設けられて、研磨パッド16の外周部上面を覆う。
第1リング31は、さらにスラリー受26の上側開口部をも覆うようになっている。
あるいは、スラリー飛散防止用カバー34の第1リング31を、その研磨パッド16との対向面の少なくとも一部が研磨パッド16の上面に対してスラリー受26側に向けて低くなるように1〜5°の範囲で傾斜するように設けてもよい。例えば、第1リング31の研磨パッド16との対向面が、定盤12中央側の部位が研磨パッド16と平行で、スラリー受26側の部位がスラリー受26側に向けて低くなるように傾斜して設けることによって、当該傾斜面に付着したミストが凝縮し、スラリー受26内に流れ落ちるので、定盤12中央方向へのスラリー(ミスト)の飛散を良好に防止できる。
このように、カバー34の高さ調整を行うことによって、カバー34下面と研磨パッド16上面との間の前記隙間の大きさを最適に調整することができる。
また、カバー34は、研磨パッド16の外周側から研磨パッド16の半径の1/3以上を覆うようにすると好適である。このように、カバー34による研磨パッド16を覆う範囲が大きくなればなるほど、カバー34下面と研磨パッド16上面との間の隙間を大きくしても、ミストの定盤中央方向への飛散を防止できる。
その他、ミストの飛散防止のファクターとしては、スラリーの種類、定盤12の回転数が関係する。
定盤12の回転数は、一般的には前記のように、60〜150rpmであるが、ワーク材料が、SiC、GaN、サファイアもしくはダイヤモンドなどの高硬度材料の場合には、研磨効率を上げるため定盤12の回転数を大きくする必要がある。定盤12の回転数を大きくした場合には、前記のようにミストの飛散のおそれが大きくなる。本実施の形態では、上記のように、カバー34で定盤外周側を覆う範囲と上記隙間の大きさとの兼ね合いを調整することで、定盤12を400rpm以上の大きな回転数で回転させても、ミストの飛散を防止することができた。
また、スラリーの種類については、スラリーの種類に応じて、あらかじめカバー34で定盤外周側を覆う範囲と上記隙間の大きさとの兼ね合い(条件)を決定しておくとよい。
前記実施の形態と同一の部材は同一の符号をもって示し、その説明を省略する。
本実施の形態では、カバー34のうち、第1リング31で研磨パッド16(定盤12)の上方全体を覆うようにしている。そして、第1リング31の研磨ヘッド18に対応する位置には透孔40を設け、この透孔40に、研磨ヘッド18の側方を囲む筒状カバー42を設けている。筒状カバー42は第1リング31により支持されている。また、第1リング31に、スラリー供給部24からスラリーを研磨パッド16上に供給するための筒体44を設けている。
本実施の形態では、第1リング31により定盤12の上方全体を覆い、また筒状カバー42により研磨ヘッド18の側方を覆うようにしているので、万一ミストが定盤12の中央方向に漏れ出しても、ミストの外部への飛散を完全に防止できる。
本実施の形態は、図2、図3の実施の形態のものにおいて、さらに、研磨室全体を開閉自在に覆う扉式のカバー46を設けている。本実施の形態でも、ミストの外部への飛散を完全に防止できる。
また、図8に示すように、研磨パッド16の外周側をスラリー受26内に突出させるようにしてもよい。これにより、定盤12外で、カバー34により研磨パッド16を覆う範囲を確保できることから、リング状のカバー34の内径を大きくでき、研磨パッド16による研磨エリアを広く確保できる利点がある。
Claims (15)
- ワークを保持する研磨ヘッドと、表面に研磨パッドが貼付された定盤と、前記研磨パッド上に研磨用のスラリーを供給するスラリー供給部と、前記定盤の外周に沿って設けられ、前記研磨パッドから流下するスラリーを受けるスラリー受と、前記研磨ヘッドと定盤とを相対的に運動させる運動機構とを備える研磨装置であって、
前記研磨パッドの外周部上面との間に、前記スラリー供給部から前記研磨パッド上に供給されるスラリーが該研磨パッド上を外方に流れるだけの隙間を空けて前記研磨パッドの外周部上面を覆うと共に、前記スラリー受の上側開口部を覆うリング状をなすスラリー飛散防止用カバーを具備することを特徴とする研磨装置。 - 前記スラリー飛散防止用カバーが、前記研磨パッドとの対向面が前記研磨パッドの上面と平行になるように設けられていることを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
- 前記スラリー飛散防止用カバーが、前記研磨パッドとの対向面の少なくとも一部が前記研磨パッドの上面に対してスラリー受側に向けて低くなるように1〜5°傾斜させて設けられていることを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
- 前記スラリー受内で生じたスラリーのミストが前記カバーの下面に付着し、前記カバー外に流出しないことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の研磨装置。
- 前記スラリー飛散防止用カバーが、取り外し可能に前記スラリー受に支持されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の研磨装置。
- 前記スラリー飛散防止用カバーが、前記スラリー受の側壁部に係止する係止部を有することを特徴とする請求項5記載の研磨装置。
- 前記スラリー飛散防止用カバーが、前記研磨パッドの上面に対する高さを調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の研磨装置。
- 前記スラリー飛散防止用カバーが、前記研磨パッド上面からの高さが5mm以下の高さとなるように設けられていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の研磨装置。
- 前記スラリー飛散防止用カバーが、前記研磨パッドの外周側から前記研磨パッドの半径の1/3以上を覆うことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の研磨装置。
- 前記研磨パッドの外周側が前記スラリー受内に突出していることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の研磨装置。
- 前記スラリー飛散防止用カバーとは別に、前記研磨ヘッド、前記定盤を覆うカバーが設けられていることを特徴とする請求項1〜10いずれか1項記載の研磨装置。
- ワーク研磨時における前記定盤の回転数が、100rpm以上であることを特徴とする請求項1〜11いずれか1項記載の研磨装置。
- 研磨するワークが、SiC、GaN、サファイアもしくはダイヤモンドであることを特徴とする請求項1〜12いずれか1項記載の研磨装置。
- 前記スラリー飛散防止用カバーは、少なくとも一部が光透過性を有する樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜13いずれか1項記載の研磨装置。
- 前記スラリー飛散防止用カバーが、撥水性を有する材料、もしくは、表面処理剤による撥水コーティングを施した材料で形成されていることを特徴とする請求項14記載の研磨装置。
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