JP2017014006A - 乗客コンベア専用工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも、フロアプレート持ち上げの作業性が改善されていながら、ネジ栓の取り外しの作業性の低下を可能な限り抑制した乗客コンベア専用工具を提供すること。
【解決手段】乗客コンベア専用工具10を、第1のバー部12と、第1のバー部12の一端部12AからY字状に二股に分かれた第2および第3のバー部14,16と、を有し、第2のバー部14の先端部が、上記ネジ栓の契合凹部に契合する契合部としてマイナスドライバ部22に形成され、第3のバー部16の先端部には、上記ネジ栓が螺入されている雌ネジ部と螺合する雄ネジが形成された構成とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、乗客コンベア専用工具に関し、特に、乗客コンベアにおけるフロアプレートの開閉に用いられる工具に関する。
エスカレータなどの乗客コンベアにおいて、乗降口からその近傍の下方に亘って、機械室が設けられており、当該機械室の一部はフロアプレートで塞がれている。フロアプレートには、その厚み方向に雌ネジ部が、当該フロアプレートの開閉用として設けられている。乗客コンベアの使用中には、前記雌ネジ部を塞ぐ目的で、ねじ回し(ドライバ)が契合される契合凹部(例えば、マイナス溝)が一端部に形成された雄ネジが螺入されている。以下、この雄ネジを「ネジ栓」と称することとする。
機械室に設置された装置の点検等をする際には、当該機械室を塞いでいるフロアプレートを開ける必要がある。フロアプレート開閉用の一般的な専用工具が特許文献1の図20に開示されている。特許文献1に開示されている従来の工具は、第1のバーと第1のバーの長さ方向中央部から第1のバーに垂直に延出された第2のバーとを有し、全体的にT字状を成している。第1のバーの一端部には雄ネジ部が形成されており、第2のバーの先端部はマイナスドライバに形成されている。
上記従来の工具を用いてフロアプレートを開ける手順について説明すると、先ず、マイナスドライバを前記マイナス溝に契合させる。第1のバーをハンドルとし、第2のバーの軸心を中心に回転させて前記ネジ栓を緩め、前記雌ネジ部から取り外す。
次に、ネジ栓が取り外された雌ネジ部に前記雄ネジ部をねじ込み、工具をフロアプレートに固定する。そして、今度は、第2のバーをハンドルとして握り、第2のバーを握った手を持ち上げることで、フロアプレートを持ち上げて、機械室を開放する。
特開平9−193032号公報 特開2003−171079号公報
しかしながら、フロアプレートを持ち上げる作業では、ハンドルとなる第2のバーが、フロアプレートにねじ込まれた第1のバーの軸心から片側にしか延出されていないため(第1のバーの軸心に対し、ハンドルとなる第2のバーが偏っているため)、第2のバーは、その先端部が跳ね上がるように傾く。このため、当該第2のバーを握った手首に無理な力が掛かって作業性の低下を招いてしまう。
フロアプレート持ち上げの作業性を改善するためには、雄ネジ部とマイナスドライバの形成位置を入れ替えることが考えられる。すなわち、第2のバーの先端部に雄ネジ部を形成するのである。こうすることにより、フロアプレートの持ち上げ作業の際には、第1のバーがハンドルとして用いられる。このとき、中指と薬指とで、第2のバーを挟む形で第1のバーを握ることにより、フロアプレートにねじ込まれた第2のバーの軸心から両側に延びる第1のバー部分に均等に力が掛かることとなるため、ハンドルの偏りにより生じる上記無理な力が低減されることとなる。
ところが、第1のバーに形成されたマイナスドライバでネジ栓を取り外す作業では、第1のバーの軸心を中心に回転させる際にハンドルとなる第2のバーが第1のバーの軸心から片側にしか延出されていないためその作業性が大幅に低下してしまう。
本発明は、上記した課題に鑑み、上記従来の工具よりも、フロアプレート持ち上げの作業性が改善されていながら、ネジ栓の取り外しの作業性の低下を可能な限り抑制した乗客コンベア専用工具を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る乗客コンベア専用工具は、厚み方向に雌ネジ部が設けられ、一端部に契合凹部を有するネジ栓が前記雌ねじ部に螺入された、乗客コンベアにおけるフロアプレートの開閉に使用される乗客コンベア専用工具であって、第1のバー部と、前記第1のバー部の一端部からY字状に二股に分かれた第2および第3のバー部と、を有し、前記第2のバー部の先端部が、前記契合凹部に契合する契合部に形成され、前記第3のバー部の先端部には、前記雌ネジ部と螺合する雄ネジが形成されていることを特徴とする。
また、前記第1のバー部の前記一端部部分の軸心、第2および第3のバー部各々の軸心が等角度間隔を成すように、前記第2および第3のバー部が前記二股に分かれていることを特徴とする。
さらに、前記第1のバー部の前記一端部とは反対側の他端部部分は、鉤状に屈曲してなる鉤状部に形成されており、当該鉤状部が、前記乗客コンベアにおける移動手摺の着脱に使用されることを特徴とする。
上記の構成からなる乗客コンベア専用工具によれば、前記第3のバー部の先端部に形成された前記雄ネジをフロアプレートに設けられた雌ネジ部に螺合させた状態で行う、フロアプレート持ち上げ作業では、当該第3のバー部の前記先端部とは反対側の端部から二股に分かれている第1のバー部および第2のバー部をハンドルとし、これを握って持ち上げることができる。これにより、雌ネジ部が形成されたバーの片側にしかハンドルとなるバーが延出されていない上記従来の工具と比較して、手首に掛かる無理な負担が大幅に軽減されるため、当該従来の工具よりも、フロアプレート持ち上げの作業性が改善される。
また、前記第2のバー部の前記契合部をネジ栓の契合凹部に契合させ、当該第2のバー部を中心に回転させて行うネジ栓の取り外し作業では、前記第2のバー部の前記契合部とは反対側の端部から二股に分かれている第1のバー部および第3のバー部をハンドルとして、回転させることができる。これにより、契合部が形成されたバーの片側にしかハンドルとなるバーが延出されていない構成とした場合よりも、ネジ栓の取り外しの作業性は大幅に向上する。
すなわち、本発明に係る乗客コンベア専用工具によれば、上記従来の工具よりも、フロアプレート持ち上げの作業性が改善されていながら、ネジ栓の取り外しの作業性の低下を可能な限り抑制することができる。
実施形態に係る乗客コンベア専用工具の使用対象となるエスカレータの一例の概略構成を示す斜視図である。 (a)は、上記エスカレータのフロアプレートに設けられたネジ栓およびその近傍部分を示す平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A線断面図であり、(c)は、上記エスカレータを構成する欄干の一部を示す横断面図である。 上記乗客コンベア専用工具の、(a)は正面図であり、(b)は左側面図であり、(c)は平面図である。 (a)は、上記乗客コンベア専用工具を上記ネジ栓に契合させた状態を示す図であり、(b)は、上記乗客コンベア専用工具による上記フロアプレートの持ち上げ作業を説明するための図である。 上記乗客コンベア専用工具による移動手摺のガイドレールからの脱着手順を説明するための図である。 上記乗客コンベア専用工具による移動手摺のガイドレールからの脱着手順を説明するための図である。
以下、実施形態に係る乗客コンベア専用工具10について、図面を参照しながら説明する。乗客コンベア専用工具10(図3)を用いた作業対象である乗客コンベアには、エスカレータや動く歩道があるが、ここでは、エスカレータを例にして説明する。
〔エスカレータ〕
図1に示すように、エスカレータ100は、無端状に連結されて循環走行する複数の踏段102と、複数の踏段102の走行路の両側に当該走行路に沿って立設された欄干104,106を有する。エスカレータ100の乗客は、踏段102の踏面102Aに乗って、下(階下)から上(階上)、または、上から下へと搬送される。
エスカレータ100の乗降口には、コムプレート108が設置されている。また、コムプレート108に隣接して一または複数枚の(本例では、2枚の)のフロアプレート110,112が設置されている。コムプレート108、およびフロアプレート110,112の下方には、踏段102を走行駆動させるための各種装置が設置された機械室(不図示)が設けられている。コムプレート108は、簡単には開けられないように固定されている。一方、フロアプレート110,112は、前記各種装置の点検等の為に機械室を開放するため、開閉可能に設けられている。
この開閉のため、フロアプレート110,112には、厚み方向に設けられた雌ネジ部としてナット114(図1には現れていない)が固定されている。ナット114の固定態様は、フロアプレート110,112いずれも同様なので、フロアプレート110における固定態様を代表に説明する。
図2(a)、図2(b)に示すように、フロアプレート110には、貫通孔110Aが開設されており、図2(b)に示すように、フロアプレート110の裏側には、貫通孔110Aと同軸上にナット114が固定されている。この固定は、例えば、溶接による。
ナット114には、エスカレータ100の使用中に、貫通孔110Aとナット114を塞ぐ目的でネジ栓116が螺入されている。ネジ栓116は、その一端部に、ねじ回し(ドライバ)が契合される契合凹部としてのマイナス溝116Aを有している。
図1に戻り、フロアプレート110,112には、複数の(本例では、4個の)ネジ栓116各々と螺合したナット114(図1には現れていない)がそれぞれ設けられている。
次に、欄干104,106について説明する。なお、欄干104と欄干106とは、同様の構成なので、以下、欄干104および欄干104に関連する構成のみについて説明する。
欄干104は、走行路に沿って立設された複数の欄干パネル118を有する。本例の欄干パネル118はガラス製である。
欄干パネル118の下部には、踏段102側に張り出した内デッキ120、および踏段102とは反対側に張り出した外デッキ122が設けられている。また、踏段102と間隙を空けてスカートガード124が立設されている。
内デッキ120、外デッキ122、およびスカートガード124は、例えば、ステンレス鋼の板体からなる。内デッキ120、外デッキ122、およびスカートガード124は、それぞれ、踏段102の走行方向に沿って複数枚が列設されている。
欄干104は、欄干パネル118の外周に沿い、踏段102と同期した速度で周回走行する移動手摺126を有する。
移動手摺126は、無端ベルト状をしており、図に現れている略半周部分が、欄干パネル118の周縁部に設けられたガイドレール128(図2(c))に案内され、残りの半周部分が、欄干パネル118下端部(不図示)下方および内デッキ120の下方に敷設されたガイドレール(不図示)に案内されて周回走行する。欄干パネル118の上端縁に沿って走行する区間(乗客が掴む区間)では、ガイドレール128(図2(c))によって、水平方向に移動するように案内された後、斜行するように案内され、再び水平方向に案内される。
図2(c)に示すように、ガイドレール128は、「W」字様の横断面形状をした、金属材料(例えば、ステンレス鋼)の引き抜き材からなるガイドブラケット130を有する。ガイドブラケット130は、下方に開口したコ字断面の溝部130Aを有する。ガイドブラケット130は、溝部130Aが、ゴムシートからなるグリップ部材132を介して、欄干パネル118の上端縁部に嵌め込まれて、欄干パネル118に固定されている。また、ガイドブラケット130は、横断面において、溝部130Aの両側の、上方に開口したコ字断面の凹部130B,130Cの両端部から互いに反対向きに延出された庇部130D,130Eを有する。
ガイドレール128は、庇部130D,130E各々のほとんどを覆って貼着された摺接部材134,136を有する。摺接部材134,136は、ナイロンの押し出し材からなる。
ここで、ガイドレール128において、庇部130D,130Eおよびこれを覆う摺接部材134,136部分をフランジ部128A,128Bと称することとする。また、ガイドレール128において、符号130F,130Gで指し示す面を(ガイドレール128の)側面(側面130F,130G)と称することとする。後述するように、ガイドレール128において、フランジ部128A,128Bが、移動手摺126の幅方向における両端部が嵌めこまれる部分となる。なお、ガイドレールの種類によっては、摺接部材が設けられておらず、ガイドブラケットの庇部自体が、移動手摺が嵌めこまれるフランジ部となる場合がある。
移動手摺126は、合成ゴムあるいは合成樹脂からなり、横断面が偏平なC字状をしている。移動手摺126は、ガイドレール128に、前記C字断面の開口部を下方に向け、当該C字断面の両端部内面が左右のフランジ部128A,128Bを包囲するような形で嵌め込まれている。
移動手摺126の前記C字の一方の端である第1端126Aとガイドレール128の側面130Fとの間には、隙間C1が、もう一方の端である第2端126Bと側面130Gとの間には、隙間C2が開けられている。
〔乗客コンベア専用工具〕
図3に示す乗客コンベア専用工具10(以下、単に「工具10」と言う。)は、フロアプレート110,112の開閉作業やガイドレール128に対する移動手摺116の着脱作業(取り付けと取り外しの作業)に用いられる。
工具10は、第1のバー部12と、第1のバー部12の第1の端部12AからY字状に(図3(a)では、逆Y字状に見える)二股に分かれた第2のバー部14および第3のバー部16とを有する。第1のバー部12、第2のバー部14、および第3のバー部16は、いずれも、金属材料(例えば、鉄鋼材料)からなる。
第1のバー部12は、細長いテーパー状をした棒材が、主に屈曲加工されてなるものである。第1のバー部12は、第1の端部12Aとは反対側の第2の端部12B部分が、鉤状に(略L字状に)屈曲してなる鉤状部18に形成されている。また、鉤状部18の先端には、球状部20が形成されている。
第2のバー部14と第3のバー部16は、丸棒材がヘ字状に屈曲加工されてなるものである。この屈曲部外側に第1の端部12Aを突き合わせた状態で、第1の端部12Aおよびその近傍が前記丸棒材と隅肉溶接によって接合されている。
第1のバー部12において、第1の端部12Aから鉤状部18を成す屈曲部に至る部分の軸心X1(第1の端部12A部分の軸心X1)と第2のバー部14の軸心X2と第3のバー部16の軸心X3とが、図3(a)に示す正面視において、等角度間隔を成すように、前記丸棒材はへ字状に屈曲加工され、第1のバー部12が当該丸棒材に接合されている。前記等角度間隔は、図示の角度α,β,γがα=β=γ=120°の場合のみならず、工具10の製作上生じる誤差の範囲で、α、β、γがそれぞればらつく範囲も含むものとする。
また、軸心X1、軸心X2、および軸心X3は、同一の仮想平面に存することが好ましいが、若干、前記仮想平面から外れていても構わない。すなわち、第1のバー部12の第1の端部12A部分と第2のバー部14と第3のバー部16とが、前記仮想平面を含む範囲であれば、軸心X1、軸心X2、および軸心X3が同一の仮想平面上に無くても構わない。
第2のバー部14の先端部は、ネジ栓116のマイナス溝116A(図2(a)、図2(b))に契合する契合部として、マイナスドライバ部22に形成されている。
第3のバー部16の先端部には、ナット114(図2(b))と螺合する雄ネジ24が形成されている。
〔フロアプレート開閉作業〕
工具10を用いたフロアプレート110,112の開閉作業について、フロアプレート110の開閉作業を代表に、図4を参照しながら説明する。
先ず、図4(a)に示すように、第2のバー部14のマイナスドライバ部22の先端をネジ栓116のマイナス溝116Aに契合させる。
この状態で、第1のバー部12および第3のバー部16をハンドルとし、第2のバー部14(の軸心X2)を中心として、工具10を矢印Bの向きに回転させて、ネジ栓116をナット114から取り外す。
次に、ネジ栓116が取り外されたナット114に第3のバー部16の雄ネジ24を螺合させる(当該作業状況については不図示)。この場合、第1のバー部12および第2のバー部14をハンドルとし、工具10を第3のバー部16(の軸心X3)を中心として回転させることにより、雄ネジ24をナット114に螺合させることとなる。
雄ネジ24がナット114に螺合されると、図4(b)に示すように、第1のバー部12および第2のバー部14をハンドルとして、これを握り、握った手を上方へ持ち上げることにより、フロアプレートを持ち上げて機械室(不図示)を解放する。
この場合、図示例のように、中指と薬指とで、第3のバー部16を挟む形で、ハンドルとなる第1のバー部12および第2のバー部14を握ることにより、フロアプレート110に設けられたナット114にねじ込まれた第3のバー部16の軸心X3から両側に延びる第1のバー部12と第2のバー部14に均等に力が掛かることとなるため、ハンドルの偏りにより生じる、上述した無理な力が低減されることとなる。その結果、上記従来の工具よりも、フロアプレート持ち上げの作業性が改善されることとなる。
また、ネジ栓116の取り外し作業(図4(a))では、ハンドルとなる第1のバー部12と第3のバー部16が、回転の中心となる第2のバー部14(の軸心X2)から両側に延出されているため、片側にしか延出しない構成とした場合よりもその作業性は大幅に向上する。この場合、このハンドル全体が直線状をした上記従来の工具と比較しても、その作業性の低下は、ほとんどない。
以上の通り、実施形態に係る工具10は、上記従来の工具よりも、フロアプレート持ち上げの作業性が改善されていながら、ネジ栓の取り外しの作業性の低下を可能な限り抑制したものとなっている。
なお、フロアプレート110で機械室(不図示)を塞ぐ(閉じる)作業は、上記したのとは逆の作業となる。すなわち、ナット114に螺合したままの工具10を握って、フロアプレート110を持ち上げて運び、機械室(不図示)を蓋する。工具10をナット114から取り外した後、ナット114にネジ栓116を螺合させる。ネジ栓116をナット114に螺合させる際には、マイナスドライバ部22が用いられる。
〔移動手摺着脱作業〕
工具10を用いた、移動手摺126のガイドレール128に対する着脱手順について、図5、図6を参照しながら説明する。移動手摺126の着脱作業では、第2のバー部14および第3のバー部16(図3)がハンドルとして用いられる。ここで、移動手摺着脱作業において、ハンドルとして用いられる第2のバー部14と第3のバー部16を合わせてハンドル部26と称することとする。
ここでは、先ず、図1に示した、移動手摺126が斜行する区間を上から下まで脱着する場合(取り外す場合)について説明する。移動手摺126を脱着する作業者は、走行停止中の踏段102の踏面102Aに立って作業を行う。作業者は、最初に、上記斜行する区間における複数の踏段102の内、上段に位置する一または二の踏段102の踏面102Aに立つ。
作業者(不図示)は、片手で工具10のハンドル部26を持ち、もう一方の片手を鉤状部18に添えて、鉤状部18を、図5(a)に示すように、上方(矢印T1の向き)に移動させ、球状部20を先頭に、隙間C1から、球状部20および鉤状部18の先端部分を移動手摺126の内側に押し込む(図5(b))。
これにより、移動手摺126の第1端126Aを鉤状部18が引掛けた状態となる。作業者は、この引掛けた状態で、図5(b)に示すように、ハンドル部26を持った手を移動手摺126の長手方向と直交する略水平方向(矢印T2の向き)に引いた後、図5(c)に示すように、引いた状態を維持しながら(矢印T3)、工具10(鉤状部18)を矢印T4の向きに回転させつつ、工具10全体を上方に持ち上げて、移動手摺126の一部(鉤状部18で引掛けられた部分とその近傍)をガイドレール128のフランジ部128Aから外す(図5(d))。
次に、工具10全体を、鉤状部18の先端部分を中心に、移動手摺126の下方側へ倒して(回転させて)、図6に示すように、第1のバー部12の軸心X1(図3(a))を移動手摺126の長手方向と略平行にする。
鉤状部18の先端部分が、フランジ部128Aから外れた移動手摺126部分(以下、「離脱部分」と言う。)とフランジ部128Aとの間に挟まれている状態で、作業者は、踏段102(図1)を降りながらハンドル部26を持った手を鉤状部18側とは反対向き(矢印T5の向き)に、移動手摺126が斜行する区間に亘って引き続けることにより、前記離脱部分を起点として、連続的に、移動手摺126がフランジ部128Aから前記斜行する区間に相当する長さ分離脱することとなる。
一方のフランジ部128Aから離脱した移動手摺126部分は、他方のフランジ部128B(図2(c))に向かって、押圧することによって、当該部分がガイドレール128から脱着されることとなる。
上述したように、上記一連の移動手摺脱着作業のいくつかは、工具10のハンドル部26を握った手を(第1のバー部12の軸心X1方向に)引く作業(図5(b)の矢印T2、同図(c)の矢印T3、図6の矢印T5)となる。
この場合、中指と薬指とで、第1のバー部12を挟む形で、ハンドル部26となる第2のバー部14および第3のバー部16を握ることにより、鉤状部18が設けられた第1のバー部12の軸心X1から両側に延びる第2のバー部14と第3のバー部16に均等に力が掛かることとなる。
また、ハンドル部26となる第2のバー部14と第3のバー部16は、ヘ字状を成しているため、第2および第3のバー部14,16を握った手の人差し指から小指にかけて、第2関節の各々が山形に並ぶことになる。この場合の手は、図4(b)に示すのと同様の形となる。
この点に関し、移動手摺着脱のための専用工具として、特許文献2に開示されたものが知られている。特許文献2の専用工具は、工具10と同様、鉤状部を有しているが、ハンドル部は、工具10とは異なり、直線状をした細長い金属棒からなる。特許文献2の専用工具を用いた上記の引く作業は、前記金属棒を握り、握った手を当該金属棒の軸心と直交する方向に引くこととなる。
工具10を用いるにしても特許文献2の専用工具を用いるにしても、相当な厚みのある移動手摺を弾性変形させてガイドレールから脱着するには、大きな力を必要とし、工具を引く上記作業において、作業員は工具に体重を掛けることとなる。
この場合、直線状をしたハンドル部の特許文献2の工具よりも、ヘ字状をしたハンドル部16の工具10の方が指にかかる負担が軽減される。
なお、移動手摺126をガイドレール128に装着する場合(取り付ける場合)は、以下のように作業を行う。
先ずは、工具10を用いない手作業で、図2(c)に示すガイドレール128のフランジ部128Bに、移動手摺126の外れている部分全長に亘って、幅方向における対応する端部部分(第2端126B側端部部分)を嵌めこむ。
次に、片手で工具10のハンドル部26を持ち、鉤状部18の先端部分が上方に向き、かつ第1のバー部12の軸心X1が移動手摺126の長手方向と略平行となる姿勢で、当該先端部分を移動手摺126の第1端126Aに引掛ける。工具10をひねって(軸心X1を中心に回転させて)、引掛けた第1端126Aが、フランジ部128Aの先端かそれよりも外方に位置するまで、当該引掛けた部分を弾性変形(以下、この部分を「弾性変形部位」と言う。)させる。
そして、そのまま、ハンドル部26を握った手を第1のバー部12(鉤状部18)とは反対に引き続けると共に、反対の手で、前記弾性変形部位の近傍をフランジ部128Aに向かって押圧することによって、連続的に、移動手摺126がガイドレール128に嵌め込まれていくこととなる。
以上、説明したように、工具10は、フロアプレート110,112の開閉作業のみならず、移動手摺126の着脱作業にも用いることができる。すなわち、従来であれば、前記開閉作業と前記着脱作業のためには、特許文献1に記載された専用工具(開閉作業用)と特許文献2に記載された専用工具(着脱作業用)の二丁の工具が必要なところ、一丁の工具10でこの二つの作業を行うことができるのである。
以上、本発明に係る乗客コンベア専用工具を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態としても構わない。
(1)上記のネジ栓116の契合凹部はマイナス溝116A(図2(a)、図2(b))であり、ネジ栓116は、いわゆるマイナスネジであるため、工具10の第2のバー部14の先端部は、マイナスドライバ部22に形成した(図3)。しかし、契合凹部が十字穴に形成されたいわゆるプラスネジがネジ栓として用いられている場合には、第2のバー部14の先端部は、マイナスドライバ部22に代え、前記十字穴に契合する契合部としてプラスドライバに形成することとする。
(2)上記実施形態では、図3(a)に示す正面視で、第1のバー部12に対し、右側に第2のバー部14(マイナスドライバ部22)、左側に第3のバー部16(雄ネジ24)を配置したが、これに限らず、第2のバー部14と第3のバー部16を入れ替えた配置としても構わない。
(3)上記実施形態では、工具10によってフロアプレートを開閉したり移動手摺を着脱したりする乗客コンベアとして、エスカレータを例にしたが、工具10は、エスカレータに限らず、他の乗客コンベア、例えば、パレット式やゴムベルト式の動く歩道にも使用できる。すなわち、環状に連結された複数のパレットからなる無端搬送体やゴムベルトからなる無端搬送体を循環走行させて乗客を搬送する動く歩道の、乗降口近傍に設けられたフロアプレートの開閉や無端搬送体の走行路に沿って立設された欄干の移動手摺の着脱にも使用できる。
本発明に係る乗客コンベア専用工具は、例えば、エスカレータにおけるフロアプレートの開閉に好適に利用可能である。
10 乗客コンベア専用工具
12 第1のバー部
14 第2のバー部
16 第3のバー部
22 マイナスドライバ部
24 雄ネジ

Claims (3)

  1. 厚み方向に雌ネジ部が設けられ、一端部に契合凹部を有するネジ栓が前記雌ねじ部に螺入された、乗客コンベアにおけるフロアプレートの開閉に使用される乗客コンベア専用工具であって、
    第1のバー部と、
    前記第1のバー部の一端部からY字状に二股に分かれた第2および第3のバー部と、
    を有し、
    前記第2のバー部の先端部が、前記契合凹部に契合する契合部に形成され、
    前記第3のバー部の先端部には、前記雌ネジ部と螺合する雄ネジが形成されていることを特徴とする乗客コンベア専用工具。
  2. 前記第1のバー部の前記一端部部分の軸心、第2および第3のバー部各々の軸心が等角度間隔を成すように、前記第2および第3のバー部が前記二股に分かれていることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア専用工具。
  3. 前記第1のバー部の前記一端部とは反対側の他端部部分は、鉤状に屈曲してなる鉤状部に形成されており、
    当該鉤状部が、前記乗客コンベアにおける移動手摺の着脱に使用されることを特徴とする請求項1または2に記載の乗客コンベア専用工具。
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