JP2017014119A - 経口医薬組成物 - Google Patents

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希実 寺澤
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豊 奥田
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Abstract

【課題】オランザピン製剤において、類縁物質の生成を抑制する。【解決手段】経口医薬組成物は、オランザピンと塩基性添加剤とを含む。塩基性添加剤は水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、メグルミン、及びアルギニンからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、塩基性添加剤の配合割合は1〜5重量%の範囲内であることが好ましい。また、本発明に従った経口医薬組成物は、錠または口腔内崩壊錠であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、有効成分としてオランザピンを含有する経口医薬組成物に関する。
式(I)で示される2−メチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−10H−チエノ−[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピン(以下、オランザピンと称する。)は、統合失調症や双極性障害における躁症状の治療薬として広く用いられている。
Figure 2017014119
オランザピンは、単独では、比較的安定な化合物であると考えられている。しかし、オランザピンは、高湿度環境下あるいは溶液中では分解または変色を生じることが知られている。オランザピンの加水分解生成物としては例えば式(II)で表わされる類縁物質B、酸化生成物としては式(III)で表わされる類縁物質Cや類縁物質A、ラクタム体、チオラクタム体が知られている。
Figure 2017014119
Figure 2017014119
そこで、特表平11−502848号公報(特許文献1)では、湿気に敏感なオランザピンの褪色傾向に照らして改善された経口製剤が提案されている。特許文献1に記載の固形経口製剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、粉砕性を与えるための乾燥結合剤、および滑沢剤と十分混合された、オランザピンを含有する固形経口製剤であって、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ナアトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルアクリレート酸エステル共重合体、エチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、メチルセルロース、及びエチルセルロースからなる群から選択されるポリマーでコートされる。
また、特表2001−501207号公報(特許文献2)には、望ましくない変色現象を防ぐために、1つまたはそれ以上の製薬的に許容される賦形剤とともに、セチルアルコール、セチルエステル蝋、カルナウバ蝋、セラック、蜜蝋、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルアクリル酸エステル共重合体、エチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、メチルセルロースおよびエチルセルロースからなる群から選択される重合体でコーティングされているオランザピンを活性成分として含む固形経口用製剤が記載されている。
特開2014−058461号公報(特許文献3)には、長期間の保存においても類縁物質である4’−N−オキシド体の増加を抑制することを目的として、オランザピンと、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースまたは過酸化物含有量が80ppm未満のクロスポビドンもしくはそれらの混合物と、を含むことを特徴とするオランザピン含有製剤が記載されている。
国際公開WO2014/080784号(特許文献4)には、溶液中あるいは高湿度下で加水分解されるオランザピンの特性に照らして、オランザピンと水を含み、調整時のpHが7〜10の範囲内であることを特徴とする水性医薬製剤が記載されている。
特表平11−502848号公報 特表2001−501207号公報 特開2014−058461号公報 国際公開WO2014/080784号
オランザピン経口製剤の検討において、従来の特許文献1〜4の製剤では、オランザピンの加水分解生成物として上の式(II)で表わされる類縁物質B、及び酸化生成物として上の式(III)で表される類縁物質Cの生成は十分に抑制されていなかった。
すなわち、本発明は、オランザピン経口組成物において、塩基性添加剤を配合することで類縁物質の生成を抑制し、安定性を改善することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、オランザピン経口製剤において塩基性添加剤を用いることで、類縁物質B及びCの生成を抑制することができることを見出した。
以上の知見に基づいて、本願発明は次の構成を備える。すなわち、本願発明に従った経口医薬組成物は、オランザピンと塩基性添加剤とを含むことを特徴とする。
また、本発明に従った経口医薬組成物においては、塩基性添加剤は、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、メグルミン、及びアルギニンからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
さらに、本発明に従った経口医薬組成物においては、塩基性添加剤の配合割合は、1〜5重量%の範囲内であることが好ましい。
本発明に従った経口医薬組成物は、錠または口腔内崩壊錠であることが好ましい。
本発明は、オランザピン経口組成物において、塩基性添加剤を配合することで類縁物質の生成を抑制し、安定性を改善する。
実施例1−aのオランザピン口腔内崩壊錠を40℃、湿度75%の乾燥剤入りの密閉環境で保存した時の類縁物質量の変化を示す図(A)と、コントロールaのオランザピン口腔内崩壊錠を40℃、湿度75%の密閉環境で保存した時の類縁物質量の変化を示す図(B)である。 実施例1−a,2,3のオランザピン含有錠とコントロールaを60℃の密閉環境で21日間保存した時の類縁物質量を示す図である。 実施例1−b,4〜7のオランザピン含有錠とコントロールbの初期の類縁物質量を示す図(A)と、70℃の密閉環境で9日間保存した時の類縁物質量を示す図(B)である。
本発明に従った経口医薬組成物は、オランザピンと塩基性添加剤とを含む。
塩基性添加剤としては、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(オイドラギッドEPO(登録商標))、メグルミン、アルギニンがあげられる。また、塩基性添加剤としては、水酸化マグネシウムであることが好ましい。
また、本発明に従った経口医薬組成物は、塩基性添加剤を1〜5重量%含むことが好ましい。
また、本発明に従った経口医薬組成物は、錠または口腔内崩壊錠であることが好ましい。
本発明に従った経口医薬組成物には、上記成分以外にも、薬学的に許容される添加物を必要に応じて適宜配合することができる。具体的な添加物としては、乳糖水和物やD−マンニトールのような賦形剤、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースやカルメロースのような崩壊剤、アスパルテームやアセスルファムカリウムのような甘味剤、黄色三二酸化鉄のような着色剤、ステアリン酸マグネシウムやステアリン酸カルシウムのような滑沢剤等を配合することができる。
本発明に従った経口医薬組成物の製造方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、上記の各成分を混合した後、錠剤または口腔内崩壊錠として成形する方法等がある。
具体的には、以下に示す方法によってオランザピン口腔内崩壊錠を製造することができる。崩壊剤、賦形剤等を含む成分を用い、公知の造粒方法によって造粒し、その後整粒することで整粒末を得る。次いで、その整粒末と原薬であるオランザピンと塩基性添加剤を含むその他の添加物とを混合した後、滑沢剤を加えて打錠末を得る。その後、打錠末は、公知の方法で口腔内崩壊錠に打錠される。
以下、実施例等により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(安定性試験1)
実施例1−aのオランザピン口腔内崩壊錠とコントロールaのオランザピン口腔内崩壊錠の処方を表1に示す。
Figure 2017014119
実施例1−aとコントロールaの口腔内崩壊錠は、表1の処方で、以下の製造方法に従って製造された。すなわち、D−マンニトール、セルロース化合物、デンプン及びクロスポビドンからなる顆粒成分を用いて、流動層造粒法により顆粒を得た後、得られた顆粒を、整粒機を用いて整粒し整粒末を得た。次いで、この整粒末、オランザピン、塩基性添加剤として水酸化マグネシウム、セルロース化合物、軽質無水ケイ酸、甘味剤とをポリエチレン袋にて混合後、ステアリン酸マグネシウムを投入し混合することで打錠末を得た。そして、打錠末を打錠機(株式会社菊水製作所製、VELA5)で打錠し、目的の口腔内崩壊錠を得た。
上述のようにして調製されたオランザピン口腔内崩壊錠の安定性を以下のようにして確認した。
まず、各錠から採取した検体を液体クロマトグラフィーにより試験を行い、類縁物質量を測定した。検体を乾燥剤入りのポリエチレン瓶に収容し、40℃75%RHで所定の期間保存した後、液体クロマトグラフィーにより類縁物質量を測定した。
液体クロマトグラフィーの条件は次の通りであった。
検出器:紫外吸光光度計 (測定波長:220nm)
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5mmの液体クロマトグラフィー用オクチルシリル化シリカゲルを充填した。
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相流量:毎分1.2mL
サンプル注入量:10mL
移動相:溶液A及びBから構成された。
溶液A:水1000mLにリン酸二水素ナトリウム二水和物3.1gを加えて溶かし、薄めたリン酸を加えてpH 2.5に調整する。この液700mLにアセトニトリル300mLを加えて混和し、ラウリル硫酸ナトリウム2.0gを加えた。
溶液B:水1000mLにリン酸二水素ナトリウム二水和物3.1gを加えて溶かし、薄めたリン酸を加えてpH 2.5に調整する。この液300mLにアセトニトリル700mLを加えて混和し、ラウリル硫酸ナトリウム2.0gを加えた。
各検体のピーク面積を自動積分法により算出し、面積百分率法により各検体に含まれる類縁物質量を求めた。結果を図1((A)実施例1−a、(B)コントロールa)に示す。
図1に示すように、塩基性添加剤として水酸化マグネシウムを添加したことで、類縁物質B及びCの増加が大幅に抑制された。
(安定性試験2)
塩基性添加剤として、さらに水酸化マグネシウム1重量%(実施例2)、水酸化マグネシウム5重量%(実施例3)を用いた。総重量は実施例1−aと同じく135mgとし、全体量は顆粒成分で調整した。それぞれの錠剤は、水酸化マグネシウムの配合量を変化させた他は、上記実施例中に記載の製造方法に従って製造された。
上述のようにして調製されたオランザピン口腔内崩壊錠の安定性を以下のようにして確認した。
まず、各錠から採取した検体を液体クロマトグラフィーにより試験を行い、類縁物質量を測定した。検体をポリエチレン瓶に収容し、60℃で21日間保存した後、液体クロマトグラフィーにより類縁物質量を測定した。結果を図2に示す。
図2に示すように、塩基性添加剤の配合量を変化させたとしても、類縁物質B及びCの増加が十分に抑制された。
(安定性試験3)
実施例1−b,4〜7のオランザピン口腔内崩壊錠とコントロールbのオランザピン口腔内崩壊錠の処方を表2に示す。
Figure 2017014119
実施例1−b,4〜7とコントロールbの口腔内崩壊錠は、表2に示す処方で、以下の製造方法に従って製造された。すなわち、D−マンニトール、セルロース化合物、デンプン及びクロスポビドンからなる顆粒成分を用いて、流動層造粒法により顆粒を得た後、得られた顆粒を、整粒機を用いて整粒し整粒末を得た。次いで、この整粒末、オランザピン、D−マンニトール、塩基性添加剤、セルロース化合物、軽質無水ケイ酸、甘味剤とをポリエチレン袋にて混合後、ステアリン酸マグネシウムを投入し混合することで打錠末を得た。そして、打錠末を打錠機(株式会社菊水製作所製、VELA 5)で打錠し、目的の口腔内崩壊錠を得た。
塩基性添加剤としては、水酸化マグネシウム(実施例1−b)、酸化マグネシウム(実施例4)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(オイドラギットEPO(登録商標))(実施例5)、メグルミン(実施例6)、アルギニン(実施例7)を用いた。
上述のようにして調製されたオランザピン口腔内崩壊錠の安定性を以下のようにして確認した。まず、各錠から採取した検体を液体クロマトグラフィーにより試験を行い、類縁物質量を測定した。結果を図3(A)に示す。検体をポリエチレン瓶に収容し、70℃で9日間保存した後、液体クロマトグラフィーにより類縁物質量を測定した。結果を図5(B)に示す。
図3に示すように、塩基性添加剤の種類を変更したとしても、類縁物質の増加が十分に抑制された。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変形を含むものである。

Claims (4)

  1. オランザピンと塩基性添加剤とを含む、経口医薬組成物。
  2. 前記塩基性添加剤は、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、メグルミン、及びアルギニンからなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載の経口医薬組成物。
  3. 前記塩基性添加剤を1〜5重量%配合する、請求項1または2に記載の経口医薬組成物。
  4. 錠または口腔内崩壊錠である、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の経口医薬組成物。
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