JP2017014358A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポアソン比の低いタイヤ用ゴム組成物を提供することを課題とする。【解決手段】少なくとも、ジエンエラストマー;20phrと200phrとの間の可塑剤;50phrと150phrとの間の補強充填剤;及び15phrと150phrとの間の、縦方向及び横方向のポアソン比のいずれもが負である複数の紙片を含有する、タイヤ用ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物に関する。詳しくは、本発明は、タイヤのビードフィラーに使用するのに好適なタイヤ用ゴム組成物に関する。本発明はまた、前記タイヤ用組成物を含むタイヤ用トレッド、および前記トレッドを含むタイヤに関する。
地球温暖化やオゾン層の破壊などの環境問題が深刻になるにつれて、環境問題に対する取り組みの重要性が強まっている。その取り組みの一つとして、自動車の低燃費化がある。
自動車の低燃費化を達成する手段のひとつに、タイヤの転がり抵抗を低減することがあげられる。というのは、タイヤに荷重が負荷されてトレッド踏面が路面へ接地する際、トレッドゴムに圧縮変形及びせん断変形等が生じ、転がり抵抗が増加し、燃費が悪化するからである。タイヤの転がり抵抗の低減は、タイヤ用ゴム組成物の組成の変更(特許文献1)や、タイヤの構造の変更(特許文献2)など、種々の観点から行われている。
他方、新聞古紙やクラフト紙を細片化し、叩解して得られた紙繊維を含ませたタイヤ用ゴム組成物が知られている(特許文献3)。
国際公開第2013/018424号 特開2014-237392号公報 特開2009-143981号公報
本発明は、良好な転がり抵抗を有するタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的としてなされたものであり、具体的には、ポアソン比の低いタイヤ用ゴム組成物を提供することを課題とする。
本発明はまた、前記タイヤ用ゴム組成物を含むトレッドを提供することを課題とする。
本発明はまた、前記トレッドを含むタイヤを提供することを課題とする。
本発明により、以下のタイヤ用ゴム組成物を提供する。
〔1〕少なくとも、
ジエンエラストマー;
20phrと200phrとの間の可塑剤;
50phrと150phrとの間の補強充填剤;及び
15phrと150phrとの間の、縦方向及び横方向のポアソン比のいずれもが負である複数の紙片
を含有する、タイヤ用ゴム組成物。
〔2〕各紙片が、50μmと500μmとの間の厚さ、1mmと10mmとの間の幅、1mmと10mmとの間の長さを有する、〔1〕に記載のゴム組成物。
〔3〕ポアソン比が、-5.00と-0.25との間である〔1〕又は〔2〕に記載のゴム組成物。
〔4〕紙片の原料が、広葉樹及び針葉樹から誘導される木質繊維パルプ由来のセルロースである、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔5〕紙片がクラフト紙又は新聞紙である〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔6〕紙片の含有量が、20phrと140phrとの間、好ましくは30phrと120phrとの間である、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔7〕ジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔8〕ゴム組成物が、50phrと100phrとの間のスチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーと、0phrと50phrとの間の他の任意のジエンエラストマーとを含有する、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔9〕スチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーが、スチレン-ブタジエンコポリマー、スチレン-ブタジエン-イソプレンコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、〔8〕記載のゴム組成物。
〔10〕スチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーが、スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)である、〔8〕記載のゴム組成物。
〔11〕スチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーのガラス転移点が、-40℃より大きく、好ましくは-30℃〜+30℃の範囲内にある、〔8〕〜〔10〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔12〕他の任意のジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、〔8〕〜〔11〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔13〕他の任意のジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、シス-1,4-結合が90%を超えるイソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、〔8〕〜〔11〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔14〕補強充填剤が、カーボンブラック、シリカまたはカーボンブラックとシリカの混合物を含む、〔1〕〜〔13〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔15〕補強充填剤の量が、60phrと120phrの間、好ましくは70phrと100phrとの間である、〔1〕〜〔14〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔16〕可塑剤が、ポリオレフィンオイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、DAE(留出物芳香族抽出物)オイル、MES(中度抽出溶媒和物)オイル、TDAE(処理留出物芳香族抽出物)オイル、RAE(残留芳香族抽出物)オイル、TRAE(処理残留芳香族抽出物)オイル、SRAE(安全残留芳香族抽出物)オイル、鉱油、植物油、エーテル可塑剤、エステル可塑剤、ホスフェート可塑剤、スルホネート可塑剤およびこれらの化合物の混合物からなる群から選択される液体可塑剤を含有する、〔1〕〜〔15〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔17〕可塑剤が、シクロペンタジエンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5画分のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C9画分のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、α−メチルスチレンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびこれらの樹脂の混合物からなる群から選ばれる。より好ましくは、上記コポリマー樹脂の中でも、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、(D)CPD/C5画分コポリマー樹脂、(D)CPD/C9画分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C5画分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、C9画分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、およびこれらの樹脂の混合物からなる群から選ばれる炭化水素樹脂を含む、〔1〕〜〔16〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔18〕可塑剤の量が、30phrと180phrの間、好ましくは40phrと160phrとの間である、〔1〕〜〔17〕のいずれか1項記載のゴム組成物。
〔19〕〔1〕〜〔18〕のいずれか1項記載のゴム組成物を含むタイヤ用トレッド。
〔20〕〔19〕記載のタイヤ用トレッドを含むタイヤ。
本発明によれば、ポアソン比の低いタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。本発明によればまた、トレッドブロックの横剛性(剛性率)を低減することなく、柔らかいトレッドを得ることができる。柔らかいトレッドにより、タイヤと路面との接触によって発生する騒音を低減することもできる。本発明によればまた、操縦性の向上と、路面との接触による騒音の低減とを両立したタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。
1.定義
本明細書において、他に明示的に示されない限り、示されているすべてのパーセンテージ(%)は質量%である。
「phr」は、エラストマー(二種以上のエラストマーが存在する場合、全てのエラストマー)100部あたりの質量部を意味する。
「aとbとの間」という表現により表示される範囲は、aを超えてb未満までの範囲(すなわち、境界値aおよびbは除外される)を表すのに対し、「a〜b」という表現により表示される範囲は、aからbに及ぶ値の範囲(すなわち、境界値aおよびbを含む)を意味する。
「〜をベースとする」という表現は当然、使用される様々な構成成分の混合物、またはそれが適当であれば、これらの反応生成物を含む組成物を意味すると理解されるべきであり、これらの基礎となる構成成分の一部は、特に反応が可能であり、または組成物の製造の様々な段階中に、特にその架橋もしくは加硫中に、少なくともある程度互いに反応することが意図されている。
紙片の「縦方向」は紙片の「流れ方向(machine direction, MD)」を意味し、紙片の「横方向」は紙片の「幅方向(cross direction, CD)」を意味する。
2. 成分
2-1.ジエンエラストマー
本明細書において、ジエンエラストマー(またはゴム、この2つの用語は同義語である)は、少なくともある程度、ジエンモノマー(共役していてもいなくてもよい、2つの炭素-炭素二重結合を保持するモノマー)から生成されるエラストマー(すなわち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味する。
ジエンエラストマーは、「基本的に不飽和の」ものと、「基本的に飽和した」ものとの2つのカテゴリーに分類することができる。ブチルゴム、ならびに、例えば、EPDMタイプのジエンとα−オレフィンのコポリマーは、ジエン由来の構成単位含有量を有する(これは低くまたは極めて低く、常に15%(mol%)未満である)、基本的に飽和したジエンエラストマーのカテゴリーに入る。対照的に、基本的に不飽和のジエンエラストマーは、15%(mol%)を超えるジエン由来の(共役ジエン)構成単位含有量を有する、少なくともある程度共役ジエンモノマーから生成されたジエンエラストマーを意味すると理解される。「基本的に不飽和の」ジエンエラストマーのカテゴリーにおいて、「高度に不飽和の」ジエンエラストマーは、特に、50%を超えるジエン由来の(共役ジエン)構成単位含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解される。
高度に不飽和のタイプの少なくとも1つのジエンエラストマー、特に天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれるジエンエラストマーを使用することが好ましい。このようなコポリマーは、より好ましくは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)、イソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)およびこのようなコポリマーの混合物からなる群から選ばれる。
本発明のゴム組成物が、50phrと100phrとの間のスチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーと、0phrと50phrとの間の他の任意のジエンエラストマーとを含有するのが好ましい。
前記スチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーが、スチレン-ブタジエンコポリマー、スチレン-ブタジエン-イソプレンコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選ばれるのがより好ましい。
前記スチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーが、スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)であるのもまた好ましい。
前記スチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーのガラス転移点が、-40℃より大きく、好ましくは-30℃〜+30℃の範囲内にあるのもまた好ましい。
前記他の任意のジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれるのが好ましい。
前記他の任意のジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、シス-1,4-結合が90%を超えるイソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれるのもまた好ましい。
以下が好ましくは適切である:ポリブタジエン、特に4%と80%との間の1,2−単位含有量を有するもの、または80%を超えるcis−1,4−単位含有量を有するもの、ポリイソプレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、特に5質量%と50質量%との間の、より具体的には20%と40%との間のスチレン含有量、4%と65%との間のブタジエン部分の1,2−結合含有量および20%と80%との間のtrans−1,4−結合含有量を有するもの、ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に5質量%と90質量%との間のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のガラス転移温度(「Tg」−ASTMD3418−82に従い測定)を有するもの、またはイソプレン/スチレンコポリマー、特に5質量%と50質量%との間のスチレン含有量および−25℃と−50℃との間のTgを有するもの。
ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合、5質量%と50質量%との間の、より具体的には10%と40%との間のスチレン含有量、15質量%と60質量%との間、より具体的には20%と50%との間のイソプレン含有量、5質量%と50質量%との間の、より具体的には20%と40%との間のブタジエン含有量、4%と85%との間のブタジエン部分の1,2−単位含有量、6%と80%との間のブタジエン部分のtrans−1,4−単位含有量、5%と70%との間のイソプレン部分の1,2−プラス3,4−単位含有量、および10%と50%との間のイソプレン部分のtrans−1,4−単位含有量を有するもの、より一般には、−20℃と−70℃との間のTgを有する任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが特に適切である。
本発明の特に好ましい実施形態に従い、ジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、90%超のcis−1,4結合含有量を有するポリブタジエン、ブタジエン/スチレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる。
より特定のおよび好ましい実施形態に従い、使用されるジエンエラストマーは主に、すなわち50phr超(「phr」は、エラストマーまたはゴム100質量部当たりの質量部を意味することを覚えておかれたい)において、天然ゴム(NR)または合成ポリイソプレン(IR)である。より好ましくは、前記天然ゴムまたは合成ポリイソプレンは、次いで、好ましくは90%を超えるcis−1,4結合含有量を有するポリブタジエン(BR)とのブレンドとして使用される。
別の特定のおよび好ましい実施形態に従い、使用されるジエンエラストマーは主に、すなわち50phr超において、90%超のcis−1,4結合含有量を有するポリブタジエン(BR)である。次いで、より好ましくは、前記ポリブタジエンは、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンとのブレンドとして使用される。
別の特定のおよび好ましい実施形態に従い、使用されるジエンエラストマーは、NR(またはIR)およびBRの2成分ブレンド(混合物)、またはNR(またはIR)、BRおよびSBRの3成分ブレンドである。好ましくはこのようなブレンドの場合、組成物は、25phrと75phrとの間のNR(またはIR)と、75phrと25phrとの間のBRとを含み、これに、30phr未満、特に20phr未満の含有量での第3のエラストマー(3成分ブレンド)を伴ってもよく、伴わなくてもよい。この第3のエラストマーは好ましくは、SBRエラストマー、特に溶液SBR(「SSBR」)である。さらにより好ましくは、このようなブレンドの場合、組成物は、35〜65phrのNR(またはIR)と、65〜35phrのBRとを含む。使用されるBRは、好ましくは、90%超、より好ましくは95%超のcis−1,4結合含有量を有するBRである。
ジエンエラストマー以外の合成エラストマーは、実際に、エラストマー以外のポリマー、例えば熱可塑性物質ポリマーでさえも、微量な量で、本発明の組成物のジエンエラストマーと組み合わせることができる。
2-2.可塑剤
本発明において用いることのできる可塑剤としては、液体可塑剤と固体可塑剤とが挙げられる。
液体可塑剤は、周囲温度(23℃)で液体であるものをいう。この可塑剤の役割は、エラストマーおよび補強充填剤を希釈することによって、マトリクスを軟質化させることであり、そのTgは好ましくは−20℃未満、より好ましくは−40℃未満である。
芳香族または非芳香族性質の任意の伸展油、ジエンエラストマーに対するその可塑化特性で知られている任意の液体可塑剤を使用することができる。周囲温度(23℃)で、これらの可塑剤またはこれらのオイル(多かれ少なかれ粘性である)は、特に周囲温度で本来固体である可塑化炭化水素樹脂とは対照的に液体である(すなわち、念のために記述すると、最終的にこれらの容器の形状を取る能力を有する物質である)。
ポリオレフィンオイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、DAE(留出物芳香族抽出物(Distillate Aromatic Extracts))オイル、MES(中度抽出溶媒和物(Medium Extracted Solvates))オイル、TDAE(処理留出物芳香族抽出物(Treated Distillate Aromatic Extracts))オイル、RAE(残留芳香族抽出物(Residual Aromatic Extracts))オイル、TRAE(処理残留芳香族抽出物(Treated Residual Aromatic Extracts))オイル、SRAE(安全残留芳香族抽出物(Safety Residual Aromatic Extracts))オイル、鉱油、植物油、エーテル可塑剤、エステル可塑剤、ホスフェート可塑剤、スルホネート可塑剤およびこれらの化合物の混合物からなる群から選択される液体可塑剤が特に適切である。より好ましい実施形態によると、液体可塑剤は、MESオイル、TDAEオイル、ナフテン系オイル、植物油およびこれらのオイルの混合物からなる群から選択される。
本発明の好ましい実施形態によると、液体可塑剤、特に石油は、非芳香族タイプのものである。液体可塑剤は、この液体可塑剤が、可塑剤の総質量に対して、3質量%未満の多環式芳香族化合物の含有量(IP346法に従い、DMSO中での抽出物で求めた)を示す場合、非芳香族として記載される。したがって好ましくは、MESオイル、TDAEオイル、ナフテン系オイル(低いまたは高い粘性のもの、特に水素化したまたは非水素化したもの)、パラフィン系オイルおよびこれらのオイルの混合物からなる群から選択される液体可塑剤を使用し得る。RAEオイル、TRAEオイルおよびSRAEオイルまたはこれらのオイルの混合物は、低い含有量の多環式化合物を含有するが、これらもまた石油として適切である。
ホスフェート可塑剤として、例えば、12個と30個との間の炭素原子を含有するもの、例えばリン酸トリオクチルなどを挙げることができる。エステル可塑剤の例として、特に、トリメリテート、ピロメリテート、フタレート、1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート、アジペート、アゼレート、セバケート、グリセロールのトリエステル、およびこれらの化合物の混合物からなる群から選ばれる化合物を挙げることができる。上記トリエステルの中でも、好ましくは不飽和C18脂肪酸、すなわち、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびこれらの酸の混合物からなる群から選ばれる不飽和脂肪酸から主に(50質量%を超える、より好ましくは80質量%を超える量で)構成されるグリセロールトリエステルを挙げることができる。より好ましくは、合成由来または天然由来(この場合、例えば、ヒマワリまたはアブラナ植物油)に関わらず、使用される脂肪酸は、50質量%超、より好ましくはさらに80質量%のオレイン酸で構成される。高い含有量のオレイン酸を含むこのようなトリエステル(トリオレエート)は周知である;例えば、トリエステルは、出願WO02/088238において、タイヤ用トレッドにおける可塑剤として記載されている。
本発明の組成物中の液体可塑剤の含有量は、好ましくは40phrを超え、より好ましくは50〜100phrの範囲内に含まれる。
固体可塑剤は、周囲温度(23℃)で固体である。そのような可塑剤としては、例えば、WO2005/087859、WO2006/061064およびWO2007/017060などに記載されている、+20℃を超える、好ましくは+30℃を超えるTgを示す炭化水素樹脂を含むこともできる。
炭化水素樹脂は、当業者には周知のポリマーであり、炭素および水素を基本的にベースとする、したがって「可塑化する」として追加的に記載されている場合、ジエンエラストマー組成物中で本来混和性である。炭化水素樹脂は、例えば、"Hydrocarbon Resins"という表題の著作物であるR. Mildenberg, M. Zander and G. Collin (New York, VCH, 1997, ISBN 3-527-28617-9)(第5章はこれらの用途、特に、タイヤゴム分野に充てられている(5.5."Rubber Tires and Mechanical Goods"))に記載されている。炭化水素樹脂は、脂肪族もしくは芳香族または脂肪族/芳香族タイプであってよく、すなわち脂肪族および/または芳香族モノマーをベースとしてもよい。炭化水素樹脂は、天然または合成であってよく、石油ベース(このような場合、また石油樹脂の名称でも公知である)であってもよく、なくてもよい。炭化水素樹脂は、好ましくは独占的に炭化水素であり、すなわち炭化水素樹脂は、炭素および水素原子しか含まない。
好ましくは、可塑化炭化水素樹脂は、以下の特徴のうちの少なくとも1つ、より好ましくはすべてを示す:
− 20℃を超えるTg(より好ましくは、40℃と100℃との間);
− 400g/モルと2000g/モルとの間(より好ましくは500g/モルと1500g/モルとの間)の数平均分子量(Mn);
− 3未満、より好ましくは2未満の多分散指数(PI)(注:PI=Mw/Mn、Mwは質量平均分子量)。
この樹脂のTgは、規格ASTM D3418に従いDSC(示差走査熱量測定)により公知の方式で測定する。炭化水素樹脂のマクロ構造(Mw、MnおよびPI)は、立体排除クロマトグラフィー(SEC)で求める:溶媒テトラヒドロフラン;温度35℃;濃度1g/l;流量1ml/分;注入前に0.45μmの多孔度を有するフィルターを介して濾過した溶液;ポリスチレン標準物質によるムーア較正;直列3本の「Waters」カラムセット(「Styragel」HR4E、HR1およびHR0.5);示差屈折計による検出(「Waters 2410」)およびその関連操作ソフトウエア(「Waters Empower」)。
ある特定の好ましい実施形態に従い、可塑化炭化水素樹脂は、シクロペンタジエン(CPDと略記する)のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPDと略記する)のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5画分のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C9画分のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、α−メチルスチレンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびこれらの樹脂の混合物からなる群から選ばれる。より好ましくは、上記コポリマー樹脂の中でも、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、(D)CPD/C5画分コポリマー樹脂、(D)CPD/C9画分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C5画分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、C9画分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、およびこれらの樹脂の混合物からなる群から選ばれるものを使用する。
「テルペン」という用語は、ここでは、公知の方式で、α−ピネン、β−ピネンおよびリモネンモノマーを合わせたものであり;好ましくはリモネンモノマーを使用する。この化合物は、公知の方式で、3種の可能な異性体の形態で存在する:L−リモネン(左旋性エナンチオマー)、D−リモネン(右旋性エナンチオマー)、さもなければジペンテン、つまり右旋性エナンチオマーおよび左旋性エナンチオマーのラセミ体である。スチレン、α−メチルスチレン、オルト−、メタ−またはパラ−メチルスチレン、ビニルトルエン、パラ−(tert−ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、またはC9画分(またはより一般的にはC8−C10画分)由来の任意のビニル芳香族モノマーが、例えば、ビニル芳香族モノマーとして適切である。好ましくは、ビニル芳香族化合物は、スチレンまたはC9画分(またはより一般的にC8−C10画分)由来のビニル芳香族モノマーである。好ましくは、ビニル芳香族化合物は、対象のコポリマー中では、モル画分として発現するマイナーなモノマーである。
炭化水素樹脂の含有量は、好ましくは3phrと80phrとの間、より好ましくは5phr〜60phrの範囲内に含まれる。
可塑剤全体(すなわち、液体可塑剤と、それが適当であれば、固体炭化水素樹脂)の含有量は、好ましくは30phrと180phrとの間、より好ましくは40〜160phrの範囲内に含まれる。
2-3.補強充填剤
本発明で用いることのできる補強充填剤としては、タイヤの製造のために使用することができるゴム組成物を補強するその能力で知られているものであれば、特に制限なく使用することができる。具体的には、有機充填剤(例えばカーボンブラック)又は無機充填剤(例えばシリカ)を使用することができ、通常、これらにカップリング剤を組み合わせる。
このような補強充填剤は、通常、ナノ粒子からなり、その平均寸法(質量による)は500nm未満であるのが好ましく、一般的に20nmと200nmとの間であるのがより好ましく、特に好ましくは20nmと150nmとの間である。
あらゆるカーボンブラック、特に、タイヤ用トレッドに慣例的に使用される(「タイヤ等級」のブラック)HAF、ISAFまたはSAFタイプのブラックが、カーボンブラックとして適切である。後者の中でも、より具体的には、100、200または300シリーズの補強用カーボンブラック(ASTM等級)、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347またはN375ブラックなどが挙げられる。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形態でイソプレンエラストマーにすでに組み込まれていることもある(例えば、WO97/36724またはWO99/16600を参照されたい)。
カーボンブラック以外の有機充填剤の例として、WO−A−2006/069792、WO−A−2006/069793、WO−A−2008/003434およびWO−A−2008/003435に記載されているような官能化ポリビニル有機充填剤が挙げられる。
「補強用無機充填剤」という用語は、ここでは、その色およびその由来(天然または合成)の如何に関わらず、カーボンブラックとは対照的な「白色充填剤」または時には「透明充填剤」としても公知であり、任意の無機充填剤または鉱物充填剤を意味するものとして理解されたい。この補強用無機充填剤は、それ自体で、中間カップリング剤以外の手段を用いることなく、タイヤの製造を対象とするゴム組成物を補強することが可能であり、言い換えると、その補強用役割において、従来のタイヤ等級のカーボンブラックと置き換えることが可能である;このような充填剤は一般的に、公知の方式で、その表面におけるヒドロキシル(−OH)基の存在を特徴とする。
ケイ質タイプの鉱物充填剤、特にシリカ(SiO2)、またはアルミナ質タイプ、特にアルミナ(Al23)は補強用無機充填剤として特に適切である。使用するシリカは、当業者には公知の任意の補強用シリカ、特に、450m2/g未満、好ましくは30〜400m2/g、特に60m2/gと300m2/gとの間のBET比表面積とCTAB比表面積の両方を示す任意の沈降または焼成シリカであることができる。高度分散性の沈降シリカ(「HDS」と呼ばれる)として、例えば、Evonik社製のUltrasil 7000およびUltrasil 7005シリカ、Rhodia社製のZeosil 1165MP、1135MPおよび1115MPシリカ、PPG社製のHi−Sil EZ150Gシリカ、Huber社製のZeopol 8715、8745および8755シリカなどが挙げられる。補強用アルミナの例として、Baikowski社製のBaikalox A125またはBaikalox CR125アルミナ、Condea社製のAPA−100RDXアルミナ、Evonik社製のAluminoxid CアルミナまたはSumitomo Chemicals社製のAKP−G015アルミナを挙げることができる。
好ましくは、補強充填剤全体(カーボンブラックおよび/または補強用無機充填剤)の含有量は、60phrと120phrとの間、特に70phrと100phrとの間である。
特定の実施形態によると、補強充填剤は、主にカーボンブラックを含む;このような場合、カーボンブラックは、微量のシリカなどの補強用無機充填剤と組み合わせて、または組み合わせないで、好ましくは10phrを超える含有量で存在する。
別の特定の実施形態によると、補強充填剤は無機充填剤、特にシリカを主に含み;このような場合、無機充填剤、特にシリカは、微量なカーボンブラックと組み合わせてまたは組み合わせないで、好ましくは70phrを超える含有量で存在する;カーボンブラックは、存在する場合、20phr未満、より好ましくは10phr以下(例えば、0.1phr〜10phr)の含有量で好ましくは使用する。
融氷上での最適化されたグリップ性を探究する場合、シリカなどの補強用無機充填剤を非常に多く使用することもまた、湿ったまたは雪の地面上でのグリップ性の観点から有利である。
本発明の別の可能な実施形態によると、補強充填剤は、カーボンブラックと、シリカなどの補強用無機充填剤とのブレンドを含み;このような場合、無機充填剤、特にシリカの含有量、およびカーボンブラックの含有量は、好ましくはそれぞれ25phrと95phrとの間、5phrと15phrとの間であり、より具体的にはそれぞれ60phr〜80phr、7phr〜10phrである。
補強用無機充填剤をジエンエラストマーにカップリングさせるため、無機充填剤(その粒子表面)とジエンエラストマーの間に化学的および/または物理的性質の満足できる結合を得ることを意図する少なくとも二官能性のカップリング剤(または結合剤)を周知の方式で使用する。特に、二官能性のオルガノシランまたはポリオルガノシロキサンを使用する。
特に、例えば、WO03/002648(またはUS2005/016651)およびWO03/002649(またはUS2005/016650)に記載されているような、これらの特定の構造に応じて「対称的」または「非対称的」と呼ばれるシランポリスルフィドを使用する。
以下の一般式(I)に相当する「対称的」シランポリスルフィドは、下記定義によって限定されることなく、特に適切である。
(I)Z−A−Sx−A−Z、(式中:
− xは2〜8(好ましくは2〜5)の整数であり;
− Aは、二価の炭化水素基(好ましくは、C1−C18アルキレン基またはC6−C12アリーレン基、より具体的にはC1−C10、特にC1−C4、アルキレン、特にプロピレン)であり;
− Zは、以下の式のうちの1つに相当する:
Figure 2017014358

(式中:
− R1基は、非置換または置換であり、互いに同じであるかまたは異なり、C1−C18アルキル、C5−C18シクロアルキルまたはC6−C18アリール基(好ましくは、C1−C6アルキル、シクロヘキシルまたはフェニル基、特にC1−C4アルキル基、より具体的にはメチルおよび/またはエチル)を表し、
− R2基は、非置換または置換であり、互いに同じであるかまたは異なり、C1−C18アルコキシルまたはC5−C18シクロアルコキシル基(好ましくは、C1−C8アルコキシルおよびC5−C8シクロアルコキシルから選ばれる基であり、さらにより好ましくは、C1−C4アルコキシル、特にメトキシルおよびエトキシルから選ばれる基)を表す))
より具体的には、シランポリスルフィドの例として、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)またはビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドが挙げられる。特にこれらの化合物の中でも、TESPTと略記されるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、またはTESPDと略記されるビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを使用する。好ましい例として、特許出願WO02/083782(またはUS2004/132880)に記載されているような、ビス(モノ(C1−C4)アルコキシルジ(C1−C4)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド)、より具体的にはビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドが挙げられる。
特に、アルコキシシランポリスルフィド以外のカップリング剤として、例えば、特許出願WO02/30939(またはUS6774255)およびWO02/31041(またはUS2004/051210)などに記載されているような、二官能性POS(ポリオルガノシロキサン)またはヒドロキシシランポリスルフィド(上記式(I)においてR2=OH)、または例えば、特許出願WO2006/125532、WO2006/125533およびWO2006/125534などに記載されているようなアゾジカルボニル官能基を保持するシランもしくはPOSが挙げられる。
本発明によるゴム組成物において、カップリング剤の含有量は、好ましくは2phrと12phrとの間、より好ましくは3phrと8phrとの間である。
別の性質、特に有機の性質の補強充填剤を、本発明のセクションに記載されている補強用無機充填剤に相当する充填剤として使用することもできるが、ただし、この補強充填剤はシリカなどの無機層で覆われているか、さもなければ、その表面に官能基部位、特にヒドロキシルを含むので、充填剤とエラストマーとの間の結合を形成するためのカップリング剤の使用が必要となることが、当業者であれば理解されよう。
2-4. 負のポアソン比を有する複数の紙片
本発明のタイヤ用ゴム組成物に含まれる紙片は、縦方向及び横方向のポアソン比のいずれもが負(すなわちゼロより小さい)、好ましくは-5.00と-0.25との間であり、より好ましくは-4.20と-1.35との間である。縦方向及び横方向のポアソン比が負である紙片をゴム組成物に含ませることにより、ゴム組成物のポアソン比を有意に下げることができる。特に、ポアソン比が-5.00と-0.25との間にある紙片をゴム組成物に含ませることにより、圧縮歪みによる耐久性低下を抑制しながら、ゴム組成物のポアソン比をより有意に下げることができるので好ましい。特に、本発明のゴム組成物を、トレッドに用いることにより、本発明のタイヤは操縦性が向上し、騒音を低減することができる。
紙片のポアソン比は、Verma P, Shofner ML., Griffin AC (2014) “Deconstructing the auxetic behaviour of paper”, Physica Status Solidi B, 251(2), 289-296ページに記載された「引張試験中の紙厚みの試験」に準拠して測定した紙の厚みを測定し、CD及びMDそれぞれの軸歪みの関数として厚さ歪みをプロットし、内挿することにより求めることができる。
本発明のゴム組成物のポアソン比は、JIS K 7161:1994「引張特性の試験方法」に従って引張方向のひずみと,それに対応する引張方向と直交する二つの軸のいずれか一方のひずみとを測定することにより求めることができる。
また、JIS K 7181:2011「圧縮特性試験の方法」に従った圧縮測定をする際に、圧縮方向のひずみと、それに対応する圧縮方向と直交する二つの軸のいずれか一方のひずみとを測定することにより求めることができる。
各紙片は、50μmと500μmとの間の厚さ、1mmと10mmとの間の幅、1mmと10mmとの間の長さを有するのが好ましい。各紙片は、50μm〜130μmの厚さ、2mm〜8mmの幅、2mm〜8mmとの間の長さを有するのがより好ましい。このようなサイズの紙片をゴム組成物に含ませると、ゴム組成物中における紙片の分散を良好に維持することができるので好ましい。
紙片の含有量は、好ましくは20phrと140phrとの間、より好ましくは30phrと120phrとの間である。ゴム組成物の全体積を基準にした場合、5〜50体積%であるのが好ましく、10〜30体積%であるのがより好ましい。このような量で紙片を含ませると、ゴム組成物の物性均一性維持の観点で好ましい。
本発明で使用する紙の種類は特に制限されない。和紙でも洋紙でも良い。洋紙は、印刷・情報洋紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙を含み、具体的には、新聞紙、クラフト紙、グラビア用紙、ファンシーペーパー等があげられる。使用済コピー用紙、古新聞紙、古段ボール紙等の古紙を脱墨して得られる古紙でもよい。コート紙でもノンコート紙のいずれでも良い。機械パルプ、クラフトパルプ等の化学パルプ、或いはケナフ、バガス、竹、コットン又は海藻等を由来とする非木材パルプから得られる紙でもよい。これらを単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。物理的強度が比較的大きい紙繊維として、新聞古紙およびクラフト紙が好ましい。クラフト紙を構成する紙繊維の繊維長は特に限定されないが、長繊維であるのが好ましい。クラフトパルプとしては針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプのいずれも使用できるが、繊維長が比較的長いため、針葉樹クラフトパルプが好ましい。
2-5. 様々な添加剤
本発明のゴム組成物はまた、タイヤ用トレッド、特に冬タイヤ用トレッドの製造を対象とするエラストマー組成物において一般的に使用される通常の添加剤、例えば、保護剤、例えば、オゾン劣化防止ワックス、化学オゾン劣化防止剤、酸化防止剤など、補強用樹脂、メチレン受容体(例えばフェノールノボラック樹脂)またはメチレン供与体(例えばHMTまたはH3M)、硫黄または硫黄供与体および/または過酸化物および/またはビスマレイミドをベースとする架橋系、加硫促進剤または加硫活性化剤などのすべてまたは一部分を含む。
これらの組成物はまた、カップリング剤を使用する場合のカップリング活性化剤、無機充填剤の被覆用薬剤、または公知の方式で、ゴムマトリクス中での充填剤の分散性の改善、および組成物の粘性の低下によって、生状態におけるこれらの組成物の加工特性を向上することが可能なより一般的な加工助剤を含むこともできる;これらの薬剤は、例えば、加水分解性シラン、例えば、アルキルアルコキシシラン、ポリオール、ポリエーテル、アミン、またはヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサンなどである。
3. ゴム組成物およびトレッドの製造
本発明のゴム組成物は、適当な混合器内で、当業者には周知の一般的手順に従い、2つの連続する調製段階:130℃と200℃との間、好ましくは145℃と185℃との間の最高温度までの高温で熱機械的に作動させるまたは混練する第1段階(「非生産的」段階として記載されることもある)、続いて、通常120℃未満、例えば60℃と100℃との間の低い温度で、機械的に作動させる第2段階(「生産的」段階として記載されることもある)を使用して製造し、仕上げ段階において、架橋または加硫系を組み込む。
このような組成物の製造のために使用することができるプロセスは、例えばおよび好ましくは、以下のステップを含む:
− 混合器内で、ジエンエラストマー(またはジエンエラストマーの混合物)に、30phr超の液体可塑剤、50phrと150phrとの間の補強充填剤、2phrと40phrとの間の硫酸カリウム微小粒子を組み込み、これらのすべてを、1回または複数回、130℃と200℃との間の最高温度に到達するまで、熱機械的に混錬するステップ;
− 合わせた混合物を100℃未満の温度に冷却するステップ;
− 続いて架橋系を組み込むステップ;
− すべてを120℃未満の最高温度まで混練するステップ。
例として、第1の(非生産的)段階は、単一の熱機械的ステージで行い、その間にすべての必要な構成成分、任意選択の追加の被覆剤または加工助剤、および架橋系を除いた様々な他の添加剤を、通常の内部混合器などの適当な混合器内に導入する。第1の非生産的段階中にこうして得た混合物を冷却した後、次いで架橋系を一般的には、オープンミルなどの外部混合器内に低温で組み込む;次いですべてを数分間、例えば5分と15分との間の時間混合する(生産的段階)。
適切な架橋系は、好ましくは硫黄および1次加硫促進剤、特にスルフェンアミドタイプの促進剤をベースとする。この加硫系に、様々な公知の2次促進剤または加硫活性化剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)などを加え、第1の非生産的段階中におよび/または生産的段階中に組み込む。硫黄の含有量は、好ましくは0.5phrと3.0phrとの間であり、1次促進剤の含有量は好ましくは0.5phrと5.0phrとの間である。
促進剤として(1次または2次)、硫黄の存在下、ジエンエラストマーの加硫用の促進剤として作用することが可能な任意の化合物、特にチアゾールタイプの促進剤およびこれらの誘導体、チウラム、またはジチオカルバミン酸亜鉛タイプの促進剤を使用することができる。これらの促進剤はより好ましくは、2−メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(「MBTS」と略記する)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド(「CBS」と略記する)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「DCBS」)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「TBBS」)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド(「TBSI」)、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(「ZBEC」)およびこれらの化合物の混合物からなる群から選ばれる。
こうして得た最終組成物を、続いて、例えば、特に実験室での特徴付けのために、シートまたはプラークの形態にカレンダー加工するか、さもなければ、例えば、タイヤトレッドとして直接使用することができるゴムプロファイルされた要素の形態に押し出す。
加硫(または硬化)は、公知の方式で、一般的に130℃と200℃との間の温度で、特に硬化温度、利用される加硫系および対象の組成物の加硫速度に応じて、例えば、5分と90分との間で異なってもよい十分な時間で行う。
本発明のゴム組成物は、異なる配合のいくつかのゴム組成物から形成される複合タイプのトレッドの場合、本発明によるトレッドのすべてまたは一部分だけを構成することができる。
本発明は、生の状態(すなわち、硬化前)および硬化した状態(すなわち、架橋または加硫後)の両方における、ゴム組成物、上記記載のトレッド及び該トレッドを含むタイヤに関する。
<ゴム組成物・試験片の製造>
表1に示した組成に従い(単位phr)、加硫系(硫黄及び加硫促進剤)以外の成分を、充填率70%(体積%)で混合機(内部温度:約60℃)に投入し、密閉下、滴下温度が165℃に到達するまで約3〜4分間、熱機械的に加工した。得られた混合物を回収及び冷却し、前記加硫系を混合機に30℃において投入し、約5〜12分間混合した。
得られた組成物をカレンダー処理し、厚さ2〜3mmのシート状にして、一定の長さ、幅で切断した。機械的・手動的処理で切断した組成物を球状に変形させ、変形した組成物から直径 約2cm、高さ 約2cmの円柱の試験片及び約2cm×約2cm×約2cmの四角柱の試験片を作成した。円柱の試験片をポアソン比の測定に供し、四角柱の試験片を異方性の測定に供した。
<ポアソン比・異方性の測定>
ゴム組成物に含ませた紙片のポアソン比は、Verma P, Shofner ML., Griffin AC (2014) “Deconstructing the auxetic behaviour of paper”, Physica Status Solidi B, 251(2), 289-296ページに記載された「引張試験中の紙厚みの試験」に準拠して解像度0.001mmのマイクロメーターを用いて紙片の厚みを測定し、CD及びMDそれぞれの軸歪みの関数として厚さ歪みをプロットし、内挿することにより評価した。2もしくは3個の紙片の4点、つまり、計8点もしくは12点のポアソン比の平均を求めた。結果を表1の脚注に示す。
ゴム組成物のポアソン比は、JIS K 7181:2011に従って「圧縮方向(つまり、円柱の高さ方向)のひずみ」を測定し、同時に、非接触のひずみ計で「圧縮方向と直交する軸のひずみ」を測定し、更に、「圧縮方向と直交する二つの軸のひずみ」の平均値を「圧縮方向のひずみ」の値で除することにより算出した。各ゴム組成物について、3個以上の円柱の試験片から得たポアソン比の平均を求めた。結果を表2に示す。また、本発明の各ゴム組成物について、5個以上の四角柱の試験片を用いて、縦、横及および高さ方向の10%ひずみ時の圧縮応力をJIS K7181:2011に従って測定したところ、異方性を示す各圧縮応力の比(σx/σz、σy/σzおよびσx/σy)は、いずれも1±0.1内であった。
Figure 2017014358

Figure 2017014358
Figure 2017014358

Claims (20)

  1. 少なくとも、
    ジエンエラストマー;
    20phrと200phrとの間の可塑剤;
    50phrと150phrとの間の補強充填剤;及び
    15phrと150phrとの間の、縦方向及び横方向のポアソン比のいずれもが負である複数の紙片
    を含有する、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 各紙片が、50μmと500μmとの間の厚さ、1mmと10mmとの間の幅、1mmと10mmとの間の長さを有する、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. ポアソン比が、-5.00と-0.25との間である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 紙片の原料が、広葉樹及び針葉樹から誘導される木質繊維パルプ由来のセルロースである、請求項1〜3のいずれか1項記載のゴム組成物。
  5. 紙片がクラフト紙又は新聞紙である請求項1〜4のいずれか1項記載のゴム組成物。
  6. 紙片の含有量が、20phrと140phrとの間、好ましくは30phrと120phrとの間である、請求項1〜5のいずれか1項記載のゴム組成物。
  7. ジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項記載のゴム組成物。
  8. ゴム組成物が、50phrと100phrとの間のスチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーと、0phrと50phrとの間の他の任意のジエンエラストマーとを含有する、請求項1〜7のいずれか1項記載のゴム組成物。
  9. スチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーが、スチレン-ブタジエンコポリマー、スチレン-ブタジエン-イソプレンコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項8記載のゴム組成物。
  10. スチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーが、スチレン-ブタジエンコポリマー(SBR)である、請求項8記載のゴム組成物。
  11. スチレン及びブタジエンをベースとするコポリマーのガラス転移点が、-40℃より大きく、好ましくは-30℃〜+30℃の範囲内にある、請求項8〜10のいずれか1項記載のゴム組成物。
  12. 他の任意のジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、請求項8〜11のいずれか1項記載のゴム組成物。
  13. 他の任意のジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、シス-1,4-結合が90%を超えるイソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物からなる群から選ばれる、請求項8〜11のいずれか1項記載のゴム組成物。
  14. 補強充填剤が、カーボンブラック、シリカまたはカーボンブラックとシリカの混合物を含む、請求項1〜13のいずれか1項記載のゴム組成物。
  15. 補強充填剤の量が、60phrと120phrの間、好ましくは70phrと100phrとの間である、請求項1〜14のいずれか1項記載のゴム組成物。
  16. 可塑剤が、ポリオレフィンオイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、DAE(留出物芳香族抽出物)オイル、MES(中度抽出溶媒和物)オイル、TDAE(処理留出物芳香族抽出物)オイル、RAE(残留芳香族抽出物)オイル、TRAE(処理残留芳香族抽出物)オイル、SRAE(安全残留芳香族抽出物)オイル、鉱油、植物油、エーテル可塑剤、エステル可塑剤、ホスフェート可塑剤、スルホネート可塑剤およびこれらの化合物の混合物からなる群から選択される液体可塑剤を含有する、請求項1〜15のいずれか1項記載のゴム組成物。
  17. 可塑剤が、シクロペンタジエンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C5画分のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C9画分のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、α−メチルスチレンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびこれらの樹脂の混合物からなる群から選ばれる。より好ましくは、上記コポリマー樹脂の中でも、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、(D)CPD/C5画分コポリマー樹脂、(D)CPD/C9画分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C5画分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、C9画分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、およびこれらの樹脂の混合物からなる群から選ばれる炭化水素樹脂を含む、請求項1〜16のいずれか1項記載のゴム組成物。
  18. 可塑剤の量が、30phrと180phrの間、好ましくは40phrと160phrとの間である、請求項1〜17のいずれか1項記載のゴム組成物。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項記載のゴム組成物を含むタイヤ用トレッド。
  20. 請求項19記載のタイヤ用トレッドを含むタイヤ。
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