JP2017015182A - 変速機のパーキング構造および変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】意図しないパーキング状態を確実に防止することができる変速機のパーキング構造および変速機を提供すること。【解決手段】パーキングギヤ22によって掻き上げられた潤滑油によってパーキング規制部材26を回転する構成とすることにより、減速機1が作動して入力軸2や出力軸4が回転している間、即ち、当該減速機1を搭載した車両が加減速走行しているときのみならず、車両が定速走行しているときにおいても、パーキングポール24の係合部24aとパーキングギヤ22との係合を防止して、意図しないパーキング状態を確実に防止することができる。もとより、入力軸2や出力軸4が回転していないとき、即ち、当該減速機1を搭載した車両が停車しているときには、パーキングポール24の係合部24aとパーキングギヤ22との係合が許容され、パーキング状態を確立することができる。【選択図】図10

Description

本発明は、ケース部材に回転可能に支持された回転軸の回転を規制することによりパーキング状態を確立する変速機のパーキング構造および変速機に関する。
特開2010−47037号公報(特許文献1)には、変速機の出力軸と一体回転可能なように当該出力軸に固定された第1のパーキングギヤと、当該第1のパーキングギヤと僅かに間隔を隔てた状態で当該出力軸に対して回転自在に支持された第2のパーキングギヤと、第1および第2のパーキングギヤを回転方向において弾性的に接続する接続部材と、第1および第2のパーキングギヤの歯部に係合可能な係合部を有するパーキングポールと、を備える変速機のパーキング構造が記載されている。
当該変速機のパーキング構造では、出力軸の回転が停止しているとき、即ち、車両が停車しているときには、接続部材の弾性力によって第1および第2のパーキングギヤの両方の歯部が整合されて、パーキングポールの係合部と当該両方の歯部との係合が可能となりパーキング状態を確立することができる。一方、出力軸が加速ないし減速回転しているとき、即ち車両が加減速走行しているときには、第1および第2のパーキングギヤが接続部材の弾性力に抗して相対回転して両方の歯部の位相がずれるため、パーキングポールの係合部と両方の歯部との係合を防止することができ、以て車両加減速走行時の意図せぬパーキング状態の確立を回避することができる。
特開2010−47037号公報
しかしながら、上述した変速機のパーキング構造では、出力軸が等速回転しているとき、即ち、車両が定速走行しているときには、第1および第2のパーキングギヤに相対回転を生じさせるような外力が作用しないため、接続部材の弾性力によって第1および第2のパーキングギヤの両方の歯部が整合する場合があり、パーキングポールの係合部と第1および第2パーキングギヤの両方の歯部とが係合可能となり、意図せぬパーキング状態を確実に防止するという点において、なお改良の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、意図しないパーキング状態を確実に防止することができる変速機のパーキング構造および変速機を提供することを目的とする。
本発明の変速機のパーキング構造および変速機は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る変速機のパーキング構造の好ましい形態によれば、ケース部材に回転可能に支持された回転軸の回転を規制することによりパーキング状態を確立する変速機のパーキング構造が構成される。当該変速機のパーキング構造では、パーキングギヤと、パーキングポールと、パーキング規制部材と、を備えている。パーキングギヤは、少なくとも一部がケース部材に貯留された潤滑油に浸漬するように回転軸に固定されている。パーキングポールは、パーキングギヤに係合する係合部を有し、当該係合部がパーキングギヤに係合する係合位置と当該係合部がパーキングギヤから退避する退避位置との間で揺動可能なようにケース部材に支持されている。そして、パーキング規制部材は、回転軸が回転した際にパーキングギヤが掻き上げる潤滑油によって作動されて、係合部とパーキングギヤとの係合を防止するように構成されている。
本発明における「変速機」とは、動力源の出力軸の回転数を変化させて駆動軸に伝達する装置として規定され、当該回転数を段階的に変化させる有段変速機の他、当該回転数を連続的に変化させる無段変速機、当該回転数を減速させるのみの減速機、あるいは、当該回転数を増速させるのみの増速機を好適に包含する。
本発明によれば、回転軸が回転している間、即ち、車両が加減速走行しているときのみならず、車両が定速走行しているときにおいても、パーキングポールの係合部とパーキングギヤとが係合することを防止することができるため、意図しないパーキング状態を確実に防止することができる。もとより、回転軸が回転していないとき、即ち、車両が停車しているときには、パーキングギヤによる潤滑油の掻き上げが生じず、パーキング規制部材が作動しないため、パーキングポールの係合部とパーキングギヤとが係合することができ、パーキング状態を確立することができる。
本発明に係る変速機のパーキング構造の更なる形態によれば、パーキング規制部材は、パーキングギヤが掻き上げる潤滑油による油圧を受圧可能に構成された受圧部と、油圧が受圧部に作用したことに起因して係合部とパーキングギヤとの間に介在し係合部とパーキングギヤとの係合を防止するように構成された防止部と、を有している。
本形態によれば、回転軸が回転している間のパーキングポールの係合部とパーキングギヤとの係合を簡易な構成で防止することができる。
本発明に係る変速機のパーキング構造の更なる形態によれば、パーキング規制部材は、回転軸に回転自在に支持されている。また、防止部は、パーキングギヤの外周面の少なくとも一部を覆うように構成されている。そして、油圧が受圧部に作用したことに起因してパーキング規制部材が回転軸上を回転することにより防止部が係合部とパーキングギヤとの間に介在するように構成されている。
本形態によれば、パーキング規制部材を回転軸上で回転させることにより防止部を係合部とパーキングギヤとの間に介在させる構成であるため、回転軸が回転している間のパーキングポールの係合部とパーキングギヤとの係合を防止する構造を省スペースで実現することができる。
本発明に係る変速機のパーキング構造の更なる形態によれば、防止部は、切欠部を有している。そして、回転軸の回転が停止した際には、切欠部が係合部とパーキングギヤとの間に位置して係合部とパーキングギヤとの係合が許容されるように構成されている。
本形態によれば、防止部に切欠部を設けるのみの構成であるため、回転軸の回転が停止した際の係合部とパーキングギヤとの係合を許容する構造を簡易に確保することができる。
本発明に係る変速機のパーキング構造の更なる形態によれば、パーキング規制部材は、回転軸の回転が停止した際、自重によって切欠部が係合部とパーキングギヤとの間に位置するように構成されている。
本形態によれば、回転軸の回転が停止した際の係合部とパーキングギヤとの係合を許容する構造をより簡易に確保することができる。
本発明に係る変速機のパーキング構造の更なる形態によれば、防止部は、パーキング規制部材の中心を挟んで切欠部とは反対側において当該切欠部よりも大きく切り欠かれた第2切欠部を有している。
本形態によれば、第2切欠部を設けるのみの簡易な構成でパーキング規制部材の重心を切欠部寄りに設定することができる。また、第2切欠部を設けた分だけパーキング規制部材の軽量化を図ることができる。さらに、パーキングギヤが掻き上げた潤滑油を第2切欠部から排出することができるため、第2切欠部を有さない構成に比べてパーキングギヤの回転フリクションの低減を図ることができる。
本発明に係る変速機のパーキング構造の更なる形態によれば、係合部とパーキングギヤとの係合を許容する状態を維持するようにパーキングギヤ規制部材に弾性力を付与する弾性力付与部材をさらに備えている。そして、パーキング規制部材は、回転軸の回転が停止した際には、弾性力によって係合部とパーキングギヤとの係合を許容し、回転軸が回転した際には、受圧部に作用する油圧によって弾性力に抗して防止部を係合部とパーキングギヤとの間に介在させて係合部とパーキングギヤとの係合を防止するように構成されている。
本形態によれば、油圧が受圧部に作用したことに起因してパーキングポールの係合部とパーキングギヤとの間に介在した防止部を、回転軸の回転が停止した際に、パーキングポールの係合部とパーキングギヤとの間から退避させて、パーキングポールの係合部とパーキングギヤとが係合できる状態に確実に戻すことができる。
本発明に係る変速機の好ましい形態によれば、ケース部材と、回転軸と、パーキングギヤと、パーキングポールと、パーキング規制部材と、を備えるように構成されている。ケース部材は、底部に潤滑油を貯留可能に構成されている。回転軸は、当該ケース部材に回転可能に支持されている。パーキングギヤは、少なくとも一部が潤滑油に浸漬するように回転軸に固定されている。パーキングポールは、当該パーキングギヤに係合する係合部を有し、当該係合部が当該パーキングギヤに係合する係合位置と当該係合部が当該パーキングギヤから退避する退避位置との間で揺動可能なようにケース部材に支持されている。パーキング規制部材は、回転軸が回転した際にパーキングギヤが掻き上げる潤滑油によって作動されて、係合部とパーキングギヤとの係合を防止するように構成されている。そして、当該変速機は、上述したいずれかの態様の本発明に係る変速機のパーキング構造を用いて回転軸の回転を規制することによりパーキング状態を確立するように構成されている。
本発明によれば、上述したいずれかの態様の本発明に係る変速機のパーキング構造を用いて回転軸の回転を規制することによりパーキング状態を確立する構成であるため、本発明の変速機のパーキング構造が奏する効果と同様の効果、例えば、意図しないパーキング状態を確実に防止することができる効果などを奏することができる。
本発明によれば、意図しないパーキング状態を確実に防止することができる変速機のパーキング構造および変速機を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る減速機1の構成の概略を示す構成図である。 図1のA−A断面を示す断面図である。 図1のD部を拡大して示す拡大図である。 パーキング規制部材26の外観を示す斜視図である。 パーキング規制部材26を図4の左側から見た正面図である。 パーキング規制部材26を図5の右側から見た側面図である。 パーキング規制部材26を図4の下側から見た底面図である。 ケース部材10の構成の概略を示す構成図である。 パーキング状態を示す説明図である。 パーキングが規制された状態を示す説明図である。 変形例の減速機100におけるパーキング状態を示す説明図である。 変形例の減速機100におけるが規制された状態を示す説明図である。 変形例の減速機200におけるパーキング状態を示す説明図である。 変形例の減速機200におけるが規制された状態を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本実施の形態に係る減速機1は、図1に示すように、入力軸2と、当該入力軸2と減速ギヤ列RGMを介して接続された出力軸4と、当該出力軸4と出力ギヤ列OGMを介して接続されたディファレンシャル装置6と、入力軸2の回転を規制するパーキング機構20と、これらを収容するよう構成されたケース部材8と、を備えている。減速機1は、本発明における「変速機」に対応し、入力軸2は、本発明における「回転軸」に対応する実施構成の一例である。
入力軸2および出力軸4は、図1に示すように、ベアリングBを介してケース部材8に回転可能に支持されている。入力軸2は、電動機や内燃機関などの動力源90の出力軸(図示せず)に直接ないしクラッチやトルクコンバータなどを介して間接的に接続される。
減速ギヤ列RGMは、図1に示すように、入力軸2に一体形成された駆動ギヤGと、当該駆動ギヤGと噛合うように出力軸4に固定された被駆動ギヤG’と、から構成されている。被駆動ギヤG’は、駆動ギヤGよりも歯数が多く大径に形成されており、入力軸2の回転数を減速して出力軸4に伝達する。
出力ギヤ列OGMは、図1に示すように、出力軸4に一体形成された出力ギヤOGと、当該出力ギヤOGと噛合うようにディファレンシャル装置6に固定されたリングギヤRGと、から構成されている。
パーキング機構20は、図2および図3に示すように、入力軸2に一体形成されたパーキングギヤ22と、ケース部材8にピンPを介して支持されたパーキングポール24と、入力軸2に回転自在に支持されたパーキング規制部材26と、から構成されている。
パーキングギヤ22は、図2に示すように、その一部がケース部材8内に貯留された潤滑油に浸漬されている。パーキングポール24は、図2に示すように、長尺状に構成されており、長手方向の一端部にパーキングギヤ22と係合可能な係合部24aを有していると共に、長手方向のほぼ中央部にピンPを挿通するための挿通孔24bを有している。
また、パーキングポール24は、トーションバネTSPRによって係合部24aがパーキングギヤから離れる方向に付勢されている。パーキングポール24は、ピンPを支点として、係合部24aがパーキングギヤ22と係合する係合位置と、係合部24aがパーキングギヤ22から退避する退避位置と、の間で揺動可能なようにケース部材8に支持されている。
パーキング規制部材26は、図4ないし図7に示すように、大径円筒状部32と、小径円筒状部34と、を備えた略ハット状に構成されている。大径円筒状部32は、図4に示すように、周壁面32aと、底壁面32bと、を有しており、周方向の2箇所において切り欠かれた形状に構成されている。
周壁面32aの内径は、図2に示すように、パーキングギヤ22の外径よりも若干大きくなるように形成されており、周壁面32aの高さ(軸方向長さ、図3の左右方向長さ)は、図3に示すように、パーキングギヤ22の厚み(図3の左右方向長さ)よりも若干大きくなるように形成されている。これにより、パーキング規制部材26が入力軸2に支持された際には、パーキングギヤ22が大径円筒状部32の周壁面32a内に収容される。
大径円筒状部32の周方向の2箇所の切欠きは、図4および図5に示すように、小切欠部42と、当該小切欠部42よりも大きく切り欠かれた大切欠部44と、から構成されている。小切欠部42は、図5に示すように、周壁面32aから小径円筒状部34の中心に向かって所定量切り込むことによって略扇形状に形成されている。
これにより、周壁面32aおよび底壁面32bには、図4および図5に示すように、互いに対向する2つの対向端面42aが構成される。なお、小切欠部42の円周方向長さは、パーキングポール24の係合部24aが余裕をもって通過することができるように、例えば、パーキングギヤ22の隣接する歯二つ分に相当する長さに形成されている。
大切欠部44は、図5に示すように、後述する小径円筒状部34の内孔34aの中心を挟んで小切欠部42とは反対側、即ち、小切欠部42に対向する位置において、大径円筒状部32を弦状に直線的に切欠くことにより形成されている。
小径円筒状部34の内孔34aは、入力軸2の外径と同じか若干大きな径を有するように形成されている。なお、小径円筒状部34の内孔34aは、図4ないし図7に示すように、大径円筒状部32の底壁面32bまで貫通している。小径円筒状部34の内孔34aに入力軸2が挿通されることによりパーキング規制部材26が入力軸2に回転自在に支持される。なお、小径円筒状部34の内孔34aと入力軸2との間にベアリングやブッシュなどの軸受を介在させる構成とすることが好ましい。
また、小径円筒状部34の外周面には、図5および図6に示すように、径方向外方に向かって突出する突起34bが設けられている。突起34bは、図5に示すように、小径円筒状部34の外周面の周方向位置のうち大径円筒状部32の小切欠部42が形成された周方向位置と同じ位置であって、当該小切欠部42の周方向幅のほぼ中央に相当する位置に形成されている。
こうして構成されたパーキング規制部材26は、小径円筒状部34の内孔34aの中心を挟んで小切欠部42とは反対側に大切欠部44を有していること、および、小径円筒状部34の外周面の周方向位置のうち大径円筒状部32の小切欠部42が形成された周方向位置と同じ位置であって当該小切欠部42の周方向幅のほぼ中央に相当する位置に突起34bが形成されていることによって、小径円筒状部34の内孔34aの中心よりも小切欠部42寄りの位置にオフセットした位置に重心を有する構成となっている。
ケース部材8は、図8に示すように、取付穴8a,8bやボス部8c、ストッパー8dなどが形成されている。取付穴8aは、入力軸2を支持するベアリングBを取り付けるための孔である。取付穴8bは、出力軸4を支持するベアリングBを取り付けるための孔である。ボス部8cは、パーキングポール24を支持するピンPを取り付けるための部分である。ストッパー8dは、パーキング規制部材26の回転を規制する部分である。
ストッパー8dは、パーキング規制部材26が入力軸2上を、小切欠部42が鉛直下方を向いた状態から反時計回りに所定回転角度回転した際に、パーキング規制部材26の小径円筒状部34の突起34bが当接可能な位置に設けられている。ここで、所定回転角度は、パーキング規制部材26が、パーキングポール24の係合部24aとパーキング規制部材26の小切欠部42とが整合した状態、即ち、係合部24aが小切欠部42を通過可能な状態から、パーキングポール24の係合部24aとパーキング規制部材26の周壁面32aとが整合する状態、即ち、係合部24aが周壁面32aによってパーキングギヤ22と隔離された状態となるまで回転することができる角度に設定されている。
次に、こうして構成された減速機1の動作について説明する。まず、パーキング規制部材26がパーキング状態を許容する際の様子について説明をし、続いてパーキング規制部材26がパーキング状態を規制する際の様子について説明する。
当該減速機1を搭載した車両が停車しているとき、即ち、減速機1が作動しておらず、入力軸2や出力軸4が回転していないときには、パーキング規制部材26は、図9に示すように、自重によって小切欠部42が鉛直方向下方に位置した状態で停止する。このように、減速機1を搭載した車両が停車しているときにパーキング規制部材26が自重によって小切欠部42を鉛直方向下方に位置させて停止するのは、パーキング規制部材26が内孔34aの中心よりも小切欠部42寄りにオフセットした位置に重心を有しているためである。
これにより、パーキングポール24の係合部24aとパーキング規制部材26の小切欠部42とが整合して、係合部24aが小切欠部42を通過することができる状態となるため、係合部24aとパーキングギヤ22との係合が可能となり、パーキング状態が許容された状態となる。小切欠部42は、本発明における「切欠部」に対応する実施構成の一例である。
一方、当該減速機を搭載した車両が走行しているとき、即ち、減速機1が作動して入力軸2や出力軸4が回転しているときには、図10に示すように、入力軸2の回転(図2で反時計回り)に伴って回転するパーキングギヤ22によってケース部材8内に貯留された潤滑油が掻き上げられ、当該パーキングギヤ22が掻き上げた潤滑油によってパーキング規制部材26が回転(図10で反時計回り)される。
具体的には、パーキングギヤ22によって掻き上げられた潤滑油が、パーキングギヤ22と大径円筒状部32の周壁面32aとの間に流入し、その粘性によってパーキング規制部材26がパーキングギヤ22と同方向に連れ回わされる。
また、パーキングギヤ22によって掻き上げられる潤滑油の一部が、パーキング規制部材26の大径円筒状部32の対向端面42aのうちパーキング規制部材26の回転方向前側に位置する対向端面42a(図10の右側の対向端面42a)に衝突するため、パーキング規制部材26のパーキングギヤ22と同方向の連れ回わりが促進される。ここで、対向端面42aは、本発明における「受圧部」に対応する実施構成の一例である。
このように、パーキング規制部材26が回転されることによって、図10に示すように、パーキングポール24の係合部24aとパーキングギヤ22との間にパーキング規制部材26の周壁面32aが介在する。即ち、周壁面32aによって係合部24aとパーキングギヤ22とが隔離されて、係合部24aとパーキングギヤ22との係合が阻止される。これにより、パーキング状態が規制された状態となる。ここで、周壁面32aは、本発明における「防止部」に対応する実施構成の一例である。
なお、パーキング規制部材26の回転は、小径円筒状部34に設けた突起34bがケース部材8に設けたストッパー8dに当接することによって規制される。これにより、減速機1を搭載した車両が走行しているときに、係合部24aとパーキングギヤ22との係合を確実に防止して、パーキング状態となることを確実に防止することができる。
また、パーキングギヤ22によって掻き上げられパーキングギヤ22とパーキング規制部材26の周壁面32aとの間に流入した潤滑油は、大切欠部44から排出されるため、大切欠部44を有さない構成に比べてパーキングギヤ22の回転フリクションの低減を図ることができる。大切欠部44は、本発明における「第2切欠部」に対応する実施構成の一例である。
以上説明した本実施の形態の減速機1によれば、パーキング規制部材26がパーキングギヤ22によって掻き上げられた潤滑油によって回転されることによって、パーキング状態となることが規制される構成であるため、減速機1が作動して入力軸2や出力軸4が回転している間、即ち、当該減速機1を搭載した車両が加減速走行しているときのみならず、車両が定速走行しているときにおいても、パーキングポール24の係合部24aとパーキングギヤ22との係合を防止することができる。これにより、意図しないパーキング状態を確実に防止することができる。もとより、入力軸2や出力軸4が回転していないとき、即ち、当該減速機1を搭載した車両が停車しているときには、パーキングポール24の係合部24aとパーキングギヤ22との係合が許容され、パーキング状態を確立することができる。
本実施の形態では、減速機1を搭載した車両が停車しているときには、パーキング規制部材26が自重によって大径円筒状部32の小切欠部42が鉛直方向下方に位置した状態となる構成としたが、これに限らない。
例えば、図11および図12に例示する変形例の減速機100に示すように、減速機100を搭載したい車両が停車しているときには、パーキング規制部材26がバネ力によって大径円筒状部32の小切欠部42が鉛直方向下方に位置した状態となる構成としても良い。
減速機100では、図11に示すように、ケース部材8に設けたバネ止め突起8eと、パーキング規制部材26の小径円筒状部34に設けた突起34bと、がバネ部材SPRによって連結されている。バネ止め突起8eは、パーキング規制部材26の小径円筒状部34に設けた突起34bを挟んでパーキング規制部材26の回転方向(図11において反時計回り)後側に設けられている。バネ部材SPRは、本発明における「弾性力付与部材」に対応する実施構成の一例である。
これにより、減速機100を搭載した車両が停車しているときには、図11に示すように、パーキング規制部材26がバネ部材SPRのバネ力によって、大径円筒状部32の小切欠部42が鉛直方向下方に位置した状態に維持されてパーキングポール24の係合部24aとパーキングギヤ22との係合が許容された状態となり、減速機100を搭載した車両が走行しているときには、図12に示すように、パーキングギヤ22の回転によって掻き上げられる潤滑油によりバネ部材SPRのバネ力に抗してパーキング規制部材26が回転されて、大径円筒状部32の周壁面32aによってパーキングポール24の係合部24aとパーキングギヤ22との係合が規制された状態となる。
本実施の形態および上述した変形例では、パーキング規制部材26がパーキングギヤ22の掻き上げる潤滑油によって回転されることによって、パーキング状態の規制および規制の解除が行われる構成としたが、これに限らない。
例えば、図13および図14の変形例の減速機200に例示するように、パーキング規制部材226がパーキングギヤ22の掻き上げる潤滑油によって直線運動されることによって、パーキング状態の規制および規制の解除が行われる構成としても良い。
パーキング規制部材226は、長尺状の本体部226aと、当該本体部226aに直角に接続された折曲部226bと、を備えた断面略倒れL字状に形成されている。本体部226aには、開口242が形成されている。パーキング規制部材226は、ケース部材8に設けられたガイド壁8fに摺動可能に支持されており、折曲部226bとガイド壁8fとがバネ部材SPRによって接続されている。
本体部226aは、本発明における「防止部」に対応し、開口242は、本発明における「切欠部」に対応し、折曲部226bは、本発明における「受圧部」に対応する実施構成の一例である。また、バネ部材SPRは、本発明における「弾性力付与部材」に対応する実施構成の一例である。
これにより、減速機200を搭載した車両が停車しているときには、図13に示すように、パーキング規制部材226がバネ部材SPRのバネ力によって、本体部226aの開口242とパーキングポール24の係合部24aとが整合された状態とされ、減速機200を搭載した車両が走行しているときには、図14に示すように、パーキングギヤ22の回転によって掻き上げられる潤滑油が折曲部226bに当接することにより、バネ部材SPRのバネ力に抗してパーキング規制部材226が直線運動されて、本体部226aによってパーキングポール24の係合部24aとパーキングギヤ22との係合が規制された状態となる。
本実施の形態および上述した変形例では、減速機1,100,200におけるパーキング構造としたが、これに限らない。例えば、有段変速機や、無段変速機、増速機に適用しても良い。
本実施の形態および上述した変形例では、入力軸2にパーキングギヤ22を一体形成する構成としたが、これに限らない。例えば、出力軸4にパーキングギヤ22を一体形成する構成としても良い。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
1 減速機(変速機)
2 入力軸(回転軸)
4 出力軸
6 ディファレンシャル装置
8 ケース部材(ケース部材)
8a 取付孔
8b 取付孔
8c ボス部
8d ストッパー
8e バネ止め突起
8f ガイド壁
20 パーキング機構
22 パーキングギヤ(パーキングギヤ)
24 パーキングポール(パーキングポール)
24a 係合部(係合部)
24b 挿通孔
26 パーキング規制部材(パーキング規制部材)
32 大径円筒状部
32a 周壁面(防止部)
32b 底壁面
34 小径円筒状部
34a 内孔
34b 突起
42 小切欠部(切欠部)
42a 対向端面(受圧部)
44 大切欠部(第2切欠部)
90 動力源
100 減速機(変速機)
200 減速機(変速機)
226 パーキング規制部材(パーキング規制部材)
226a 本体部(防止部)
226b 折曲部(受圧部)
242 開口(切欠部)
RGM 減速ギヤ列
G 駆動ギヤ
G’ 被駆動ギヤ
OGM 出力ギヤ列
OG 出力ギヤ
RG リングギヤ
P ピン
TSPR トーションスプリング
SPR バネ部材(弾性力付与部材)

Claims (8)

  1. ケース部材に回転可能に支持された回転軸の回転を規制することによりパーキング状態を確立する変速機のパーキング構造であって、
    少なくとも一部が前記ケース部材に貯留された潤滑油に浸漬するよう前記回転軸に固定されたパーキングギヤと、
    該パーキングギヤに係合する係合部を有し、該係合部が該パーキングギヤに係合する係合位置と該係合部が該パーキングギヤから退避する退避位置との間で揺動可能なように前記ケース部材に支持されたパーキングポールと、
    前記回転軸が回転した際に前記パーキングギヤが掻き上げる潤滑油によって作動されて、前記係合部と前記パーキングギヤとの係合を防止するよう構成されたパーキング規制部材と、
    を備える変速機のパーキング構造。
  2. 前記パーキング規制部材は、前記パーキングギヤが掻き上げる潤滑油による油圧を受圧可能に構成された受圧部と、前記油圧が該受圧部に作用したことに起因して前記係合部と前記パーキングギヤとの間に介在し該係合部と該パーキングギヤとの係合を防止するよう構成された防止部と、を有している
    請求項1に記載の変速機のパーキング構造。
  3. 前記パーキング規制部材は、前記回転軸に回転自在に支持されており、
    前記防止部は、前記パーキングギヤの外周面の少なくとも一部を覆うよう構成されており、
    前記油圧が前記受圧部に作用したことに起因して前記パーキング規制部材が前記回転軸上を回転することにより前記防止部が前記係合部と前記パーキングギヤとの間に介在するよう構成されている
    請求項2に記載の変速機のパーキング構造。
  4. 前記防止部は、切欠部を有しており、前記回転軸の回転が停止した際には、該切欠部が前記係合部と前記パーキングギヤとの間に位置して該係合部と該パーキングギヤとの係合が許容されるよう構成されている
    請求項3に記載の変速機のパーキング構造。
  5. 前記パーキング規制部材は、前記回転軸の回転が停止した際、自重によって前記切欠部が前記係合部と前記パーキングギヤとの間に位置するよう構成されている
    請求項4に記載の変速機のパーキング構造。
  6. 前記防止部は、前記パーキング規制部材の中心を挟んで前記切欠部とは反対側において該切欠部よりも大きく切り欠かれた第2切欠部を有している
    請求項5に記載の変速機のパーキング構造。
  7. 前記係合部と前記パーキングギヤとの係合を許容する状態を維持するよう前記パーキングギヤ規制部材に弾性力を付与する弾性力付与部材をさらに備え、
    前記パーキング規制部材は、前記回転軸の回転が停止した際には、前記弾性力によって前記係合部と前記パーキングギヤとの係合を許容し、前記回転軸が回転した際には、前記受圧部に作用する前記油圧によって前記弾性力に抗して前記防止部を前記係合部と前記パーキングギヤとの間に介在させ該係合部と該パーキングギヤとの係合を防止するよう構成されている
    請求項2ないし4のいずれか1項に記載の変速機のパーキング構造。
  8. 底部に潤滑油を貯留可能に構成されたケース部材と、
    該ケース部材に回転可能に支持された回転軸と、
    少なくとも一部が前記潤滑油に浸漬するよう前記回転軸に固定されたパーキングギヤと、
    該パーキングギヤに係合する係合部を有し、該係合部が該パーキングギヤに係合する係合位置と該係合部が該パーキングギヤから退避する退避位置との間で揺動可能なように前記ケース部材に支持されたパーキングポールと、
    前記回転軸が回転した際に前記パーキングギヤが掻き上げる潤滑油によって作動されて、前記係合部と前記パーキングギヤとの係合を防止するよう構成されたパーキング規制部材と、
    を備え、
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載の変速機のパーキング構造によって前記回転軸の回転を規制することによりパーキング状態を確立するよう構成された変速機。
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