JP2017017796A - カーボンブラシ及びその製造方法 - Google Patents

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崇央 岡崎
Takao Okazaki
崇央 岡崎
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Toshihisa Shimo
俊久 下
弘文 藤原
Hirofumi Fujiwara
弘文 藤原
宏隆 曽根
Hirotaka Sone
宏隆 曽根
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Abstract

【課題】本発明は、耐摩耗性に優れたカーボンブラシ及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のカーボンブラシは、黒鉛粒子と、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子とを含むことを特徴とする。このカーボンブラシは、黒鉛粒子と、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子とを混合して成形した後、焼成することによって製造することができる。また、このカーボンブラシは、スリップリングのための摺動接点として用いるのに適している。
【選択図】なし

Description

本発明は、電動機や発電機のような回転電機の固定部から回転部に通電するための摺動接点として用いられるカーボンブラシ及びその製造方法に関する。特に、本発明は、自動車のスリップリングと接触して摺動しながら通電するカーボンブラシ及びその製造方法に関する。
カーボンブラシは、摺動接触により、回転電機の固定部から回転部に通電する機能を有する部材であるため、導電性、摺動性及び耐摩耗性がカーボンブラシに要求される。そこで、カーボンブラシは、一般に、導電性を確保するための銅粒子、摺動性及び耐摩耗性を確保するための黒鉛粒子、並びに銅粒子と黒鉛粒子とを結合させるためのバインダーを混合して成形した後、焼成することによって製造されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−299319号公報
近年、回転電機の小型化、大容量化、高出力化などの要請に伴い、カーボンブラシの摩耗が増大する傾向にある。特に、自動車のスリップリングは、高電流密度、高速度の過酷な条件下で用いられるため、カーボンブラシの耐摩耗性を向上させることが要求されている。カーボンブラシの摩耗は、一般に、機械的摩耗と電気的摩耗とに大別される。機械的摩耗は、カーボンブラシに含有される銅粒子の研磨作用、及びスリップリングなどの回転部とカーボンブラシとの間の摺動摩擦抵抗によって生じる。他方、電気的摩耗のメカニズムは未だ明確ではないが、カーボンブラシに含有される成分の酸化に伴い、スリップリングなどの回転部とカーボンブラシとの接触部分の電気抵抗が大きくなる結果、接触部分に火花が生じることによってカーボンブラシが摩耗すると考えられている。実際、銅粒子及び黒鉛粒子を含む従来のカーボンブラシでは、銅粒子が酸化することがあるため、カーボンブラシの摩耗を十分に抑制することができないという問題がある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、耐摩耗性に優れたカーボンブラシ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究した結果、銅粒子及び黒鉛粒子を含むカーボンブラシにおいて、銅粒子を導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆することにより、銅粒子の導電性を保持しつつ銅粒子の酸化を抑制し、カーボンブラシの耐摩耗性を向上させ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の第(1)項〜第(4)項である。
(1)黒鉛粒子と、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子とを含むことを特徴とするカーボンブラシ。
(2)前記導電性ダイヤモンドライクカーボン膜の厚さが1nm〜50nmであることを特徴とする第(1)項に記載のカーボンブラシ。
(3)スリップリングのための摺動接点として用いられることを特徴とする第(1)項又は第(2)項に記載のカーボンブラシ。
(4)黒鉛粒子と、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子とを混合して成形した後、焼成することを特徴とするカーボンブラシの製造方法。
本発明によれば、耐摩耗性に優れたカーボンブラシ及びその製造方法を提供することができる。
本発明のカーボンブラシは、黒鉛粒子と、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子とを含む。
ここで、本明細書において「カーボンブラシ」とは、電動機や発電機のような回転電機の固定部から回転部に通電するための摺動接点として用いられるブラシを意味し、「金属黒鉛ブラシ」とも称されることがある。
黒鉛粒子は、カーボンブラシに摺動性及び耐摩耗性を与える成分である。
黒鉛粒子は、六方晶の結晶構造を有する層状物質であり、層内は結合力の強い共有結合によって炭素同士が結合している一方、層と層との間(層間)は結合力の弱いファンデルワールス力によって結合している。そして、黒鉛粒子は、結合力の弱い層間で滑ることができるため(すなわち、潤滑性が良好であるため)、カーボンブラシに摺動性及び耐摩耗性を与えることができる。
黒鉛粒子としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。黒鉛粒子の例としては、天然黒鉛、人造黒鉛、電気黒鉛、膨張黒鉛などから形成される粒子が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
黒鉛粒子の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは1μm〜100μm、より好ましくは5μm〜50μmである。ここで、本明細書において「平均粒径」とは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。黒鉛粒子の平均粒径が100μmを超えると、摺動時にカーボンブラシから黒鉛粒子が脱離して火花が発生し易くなり、カーボンブラシが摩耗し易くなることがある。一方、黒鉛粒子の平均粒径が1μm未満であると、カーボンブラシの強度が低下してしまうことがある。
銅粒子は、カーボンブラシに導電性を与える成分である。
銅粒子としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。銅粒子の例としては、電解法によって製造された電解銅粒子、アトマイズ法によって製造されたアトマイズ銅粒子などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
銅粒子の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは1μm〜100μm、より好ましくは5μm〜50μmである。銅粒子の平均粒径が100μmを超えると、銅粒子の研磨作用が大きくなり、カーボンブラシが摩耗し易くなることがある。一方、銅粒子の平均粒径が1μm未満であると、カーボンブラシの強度が低下してしまうことがある。
また、銅粒子を被覆する導電性ダイヤモンドライクカーボン膜は、銅粒子の導電性を保持しつつ銅粒子の酸化を抑制する成分である。銅粒子を導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆することにより、カーボンブラシの摩耗(特に、電気的摩耗)を抑制することができる結果、カーボンブラシの耐摩耗性が向上する。
導電性ダイヤモンドライクカーボン膜としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。導電性ダイヤモンドライクカーボン膜の例としては、a−C:H構造を有するダイヤモンドライクカーボン膜(水素を含有するダイヤモンドライクカーボン膜)、ta−C構造を有するダイヤモンドライクカーボン膜(水素フリーのダイヤモンドライクカーボン膜)、金属元素をドープしたダイヤモンドライクカーボン膜などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ドープされる金属元素としては、Ti、Cr、Al、Fe、Ni、Cu、Ag、Mo、W、B、Siなどが挙げられる。これらの金属元素は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
導電性ダイヤモンドライクカーボン膜の密度は、特に限定されないが、好ましくは2.00g/cm以上、より好ましくは2.05g/cm〜3.00g/cm、さらに好ましくは2.10g/cm〜2.80g/cmである。
銅粒子を被覆する導電性ダイヤモンドライクカーボン膜の厚さは、特に限定されないが、好ましくは1nm〜50nm、より好ましくは10nm〜45nm、さらに好ましくは20nm〜40nmである。導電性ダイヤモンドライクカーボン膜の厚さが1nm未満であると、銅粒子の酸化が十分に抑制できないことがある。一方、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜の厚さが50nmを超えると、製造コストが上昇してしまうため、実用的でない。
本発明のカーボンブラシ中の黒鉛粒子と導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子との質量比は、特に限定されないが、好ましくは30:70〜90:10、より好ましくは35:60〜70:30、さらに好ましくは40:60〜60:40である。黒鉛粒子の割合が高すぎると、カーボンブラシの導電性が低下してしまうことがある。一方、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子の割合が高すぎると、カーボンブラシの摺動性及び耐摩耗性が低下してしまうことがある。
本発明のカーボンブラシは、成形性を高める観点から、カーボンブラシの製造時にバインダーが配合されることがある。そのため、本発明のカーボンブラシは、カーボンブラシの製造時(焼成工程時)に生成するバインダーの炭化物を含んでもよい。バインダーとしては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。バインダーの例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの各種熱硬化性樹脂が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のカーボンブラシにおけるバインダーの炭化物の含有量としては、特に限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲であればよい。
本発明のカーボンブラシは、潤滑性を向上させる観点から、固体潤滑剤を含んでもよい。固体潤滑剤としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。固体潤滑剤の例としては、二硫化モリブデン、二硫化タングステンなどが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のカーボンブラシにおける固体潤滑剤の含有量としては、特に限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲であればよい。
なお、本発明のカーボンブラシは、各種特性を向上させる観点から、本発明の効果を阻害しない範囲において上記以外の成分を含んでもよい。
上記のような成分を含む本発明のカーボンブラシは、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子を用いること以外は、当該技術分野において公知の方法に準じて製造することができる。すなわち、本発明のカーボンブラシは、黒鉛粒子と、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子とを混合して成形した後、焼成することによって製造することができる。
銅粒子を導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆する方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。当該方法の例としては、熱CVD法、スパッタリング法、プラズマCVD法などが挙げられる。その中でも、銅粒子を収容したバレルを回転させながらスパッタリングするバレルスパッタリング法、銅粒子を収容したバレルを回転させながらプラズマCVDを行うバレルプラズマCVD法を用いることが好ましい。これらの方法を用いることにより、均一な導電性ダイヤモンドライクカーボン膜を銅粒子に形成することができる。
なお、銅粒子を導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆する際の条件は、特に限定されず、使用する装置などに応じて適宜調整すればよい。
本発明のカーボンブラシの具体的な製造工程は、主に、黒鉛前処理工程、混合工程、成形工程、焼成工程及び仕上げ加工工程に分けられる。
黒鉛前処理工程では、黒鉛粒子とバインダーとを混合機によって混練し、乾燥器によって乾燥させた後、粉砕機によって粉砕する。粉砕後は、黒鉛粒子の粒径を調整するために、篩分けを行ってもよい。
混合工程では、上記の前処理が行われた黒鉛粒子と、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子とを混合機によって混合する。このとき、固体潤滑剤などの任意成分を配合してもよい。
成形工程では、混合工程で得られた混合物を所定の形状に成形する。成形は、粉末成形機を用いた加圧成形によって行うことができる。
焼成工程では、成形工程で得られた成形体を電気炉などの焼成炉によって焼成する。焼成雰囲気は、特に限定されないが、原料の酸化などを防止する観点から、還元雰囲気又は不活性雰囲気であることが好ましい。
仕上げ加工工程では、焼成工程で得られた焼成物に対して、切削、切断などの加工を行う。このとき、スポット溶接、半田端子の取り付けなどをカーボンブラシに対して行ってもよい。
上記のようにして製造される本発明のカーボンブラシは、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子を用いているため、銅粒子の導電性を保持しつつ銅粒子の酸化を抑制することができる結果、耐摩耗性を向上させることができる。したがって、本発明のカーボンブラシは、小型化、大容量化、高出力化などの要請が特に増大している自動車のスリップリングと接触して摺動しながら通電するカーボンブラシとして用いるのに適している。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
バレルスパッタリング装置を用い、平均粒径が30〜40μmの電解銅粒子を収容したバレルを2rpmで回転させながら、スパッタ出力を230W、スパッタ時間を32時間の条件としてスパッタリングすることにより、膜厚が30nmであり且つa−C:H構造を有する導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された電解銅粒子を得た。なお、形成された導電性ダイヤモンドライクカーボン膜は、電解銅粒子との界面付近で15原子%の水素を含有しており、密度が2.19g/cmであった。
次に、平均粒径が30μmの天然黒鉛粒子100質量部と、メタノール120質量部に溶解したノボラック型フェノール樹脂60質量部とを混合機によって10分間混練し、乾燥器によって乾燥させた後、粉砕機によって粉砕した。その後、212μmパスの篩で篩分けすることにより、ノボラック型フェノール樹脂で前処理された天然黒鉛粒子を得た。
次に、前処理された天然黒鉛粒子65質量部と、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された電解銅粒子65質量部とを混合機によって5分間混合した後、混合物を金型内に入れ、約3トン/cmの圧力で加圧成形を行った。次に、Nガス及びHガスを含む混合雰囲気下、700℃で成形体を焼成した後、所定の形状に加工することにより、カーボンブラシを得た。
(比較例1)
電解銅粒子を導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆しなかったこと以外は実施例1と同様にしてカーボンブラシを得た。
上記の実施例及び比較例で得られたカーボンブラシについて、以下のようにして耐摩耗性を評価した。
まず、直径が43mmのスリップリングに対して、2つのカーボンブラシを両側からバネ圧650gfで押圧して固定した後、スリップリングを回転させることにより、カーボンブラシをスリップリングと摺動接触させた。このとき、カーボンブラシからスリップリングへの供給電流を40A、摺動速度を18m/秒、摺動時間を24時間、摺動距離を1555kmとした。そして、スリップリングの回転前のカーボンブラシの寸法とスリップリングの回転後のカーボンブラシの寸法との差を測定し、当該差を摺動距離で除することにより、摩耗量(μm/km)を算出した。カーボンブラシの寸法は、スリップリングと摺動接触せず、位置が不変の面を基準面とし、レーザー距離計を用い、基準面から摺動面までの距離を測定することによって求めた。また、基準面から摺動面までの距離は、3点以上測定して平均をとった。
摩耗量の評価を行った結果、実施例1のカーボンブラシでは摩耗量が0.101μm/kmであったのに対し、比較例1のカーボンブラシでは摩耗量が0.131μm/kmであった。すなわち、実施例1のカーボンブラシは、比較例1のカーボンブラシに対して摩耗量を約23%低減することができた。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、耐摩耗性に優れたカーボンブラシ及びその製造方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. 黒鉛粒子と、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子とを含むことを特徴とするカーボンブラシ。
  2. 前記導電性ダイヤモンドライクカーボン膜の厚さが1nm〜50nmであることを特徴とする請求項1に記載のカーボンブラシ。
  3. スリップリングのための摺動接点として用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンブラシ。
  4. 黒鉛粒子と、導電性ダイヤモンドライクカーボン膜によって被覆された銅粒子とを混合して成形した後、焼成することを特徴とするカーボンブラシの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108253997A (zh) * 2016-12-28 2018-07-06 北京金风科创风电设备有限公司 用于测量滑环装置的磨损程度的方法、故障诊断方法和辅助测量装置
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