JP2017018409A - 冷温装具 - Google Patents

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三樹男 高野
Mikio Takano
三樹男 高野
恭平 小瀧
Kyohei Kotaki
恭平 小瀧
伸行 塩瀬
Nobuyuki Shiose
伸行 塩瀬
俊之 中務
Toshiyuki Nakatsukasa
俊之 中務
啓美 藤澤
Hiromi Fujisawa
啓美 藤澤
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Abstract

【課題】肩部、肘部、膝部等の関節を含む部位に対しても容易に装着可能な冷温装具を提供する。
【解決手段】本発明の冷温装具10は、インナー層20、複数のぺルチェ素子32を有する熱源部30、及び、熱源部30の熱を外気へ放熱するアウター層40が、熱源部30を挟んで積層されて成り、人体の肩部、肘部、膝部等の関節を含む部位に対しても容易に装着可能なシート構造となっている。また、本発明の冷温装具10は、熱源部30の熱を、アウター層40によって外気へ効率的に放熱できる構造となっている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、冷温装具に関し、特に、生体の所定の部位を局所的に冷却し、また、加温する冷温装具に関する。
スポーツの分野では、選手のボディケアや怪我の応急処置等を目的として、所定の部位の局所的な冷却(所謂、アイシング療法)や加温(所謂、ホットパック療法)が行われる。例えば、投手の場合、アイシング用装具を用いて肩部や上腕部のアイシングを行う。各種の運動選手(アスリート)の場合、サポーター類を用いて大腿部、脚部、腕部等のケアを行う。これらのアイシング用装具やサポーター類は、運動による局所的な筋肉の温度上昇を和らげる効果を有する。ところが、アイシング用装具やサポーター類は、所定の部位を局所的に冷却するための冷水やゲル状の保冷剤等の冷却媒体を事前に準備(用意)しておくことが不可欠である。そのため、現場(フィールド)での使用が制限される。
これに対して、ペルチェ素子を冷却源として用いることによって電子冷却を実現し、冷水やゲル状の保冷剤等の冷却媒体の事前準備を不要とする生体温熱冷却装置が提案されている(例えば、特開2011−152243号公報参照)。この特許公開公報に開示された生体温熱冷却装置にあっては、冷却源であるペルチェ素子の発熱側に冷却チャンバーを設け、冷却チャンバーによってペルチェ素子を冷却すると共に、冷却チャンバーのクーラント入口とクーラント出口を経由して循環する液体クーラントによって冷却チャンバーを除熱する。
特開2011−152243号公報
しかしながら、上記の特許公開公報に開示された生体温熱冷却装置では、例えば、肩部、肘部、膝部等の関節を含む部位への装着が困難である。
従って、本発明は、肩部、肘部、膝部等の関節を含む部位に対しても容易に装着可能で、電子冷却を実現することができる冷温装具を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の冷温装具は、
インナー層、
複数の熱電素子を有する熱源部、及び、
熱源部の熱を外気へ放熱するアウター層が、順次、積層されて成ることを特徴とする。
本発明の冷温装具は、インナー層及びアウター層が熱源部を挟んで積層されて成るシート状の構造となっているため、肩部、肘部、膝部等の関節を含む部位に対しても容易に装着することができると共に、電子冷却を実現することができる。尚、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、これに限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
図1は、人体の肩部及び上腕部に装着した状態の実施例1の冷温装具を示す概略正面図である。 図2Aは、実施例1の冷温装具の要部の断面構造の一例を示す模式的な一部断面図であり、図2Bは、実施例1の冷温装具の要部の断面構造の他の例を示す模式的な一部断面図である。 図3は、ペルチェ素子及び温度センサーの配置の一例を示す、図1に示す冷温装具の要部の模式的な展開図である。 図4Aは、図4Bの矢印A−Aに沿ったアウター層の放熱機構部の一例を示す模式的な断面図であり、図4Bは、アウター層の放熱機構部の一例を示す模式的な平面図である。 図5Aは、ペルチェ素子の構造を示す一部断面を含む概略斜視図であり、図5Bは、ペルチェ素子の原理図である。 図6は、制御ユニット(制御部)の構成の一例を、ペルチェブロック及び温度センサーブロックと共に示すブロック図である。 図7は、電流制御部による熱源部の温度の制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図8は、人体の膝の周りの部位に装着した状態の実施例2の冷温装具を示す概略斜視図である。 図9Aは、筒状の形状を有する実施例3の冷温装具を示す模式的な斜視図であり、図9Bは、人体の脚部に装着した状態の実施例3の冷温装具を示す模式的な斜視図である。 図10は、包帯状の実施例4の冷温装具を示す模式的な斜視図である。
以下、図面を参照して、実施例を基に本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。また、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
<本発明の冷温装具、全般に関する説明>
本発明の冷温装具において、熱電素子(熱電変換素子)は、熱と電気を関連付ける現象を利用した半導体素子である。本発明の冷温装具にあっては、熱電素子として、ペルチェ効果を利用したペルチェ素子を用いる構成とすることができる。ペルチェ効果は、異なる2種類の金属又は半導体(N型半導体とP型半導体)を接合して電流を流すとき、その接合部にジュール熱以外の吸熱及び発熱が発生する現象である。熱電素子としてペルチェ素子を用いることで、冷却と加温及び温度制御を自由に行うことができる。熱電素子としては、ペルチェ素子の他、ゼーベック効果を利用したゼーベック素子や、電気抵抗の温度変化を利用したサーミスター等のデバイスを用いることも可能である。
上述した好ましい構成を含む本発明の冷温装具において、インナー層は、布被覆層と熱伝導性シリコーンラバーとが積層されて成る構成とすることができる。布(例えば、フリース)から成る布被覆層によって、人体の冷却/加温対象の部位に対する優れた装着性を確保することができる。熱伝導性シリコーンラバーは、冷却/加温対象の部位の形状に合わせて密着した形で装着された状態で、熱源部の熱電素子と冷却/加温対象の部位との間での熱伝導を効率的に行う。インナー層は、布被覆層と熱伝導性シリコーンラバーとの2層構造の他にも、熱伝導性シリコーンラバーに対して高熱伝導性グラファイトが積層されて成る3層構造、具体的には、布被覆層、熱伝導性シリコーンラバー、及び、高熱伝導性グラファイトの3層構造とすることもできる。
更には、上述した好ましい構成を含む本発明の冷温装具において、アウター層は、外気に直接触れる熱伝導性シリコーンゲルと熱伝導性シリコーンラバーとが積層されて成る構成とすることができる。熱伝導性シリコーンゲル及び熱伝導性シリコーンラバーの積層構造から成るアウター層はクッション性に優れる。熱伝導性シリコーンラバーは、熱源部の熱を熱伝導性シリコーンゲルへ効率的に伝導する。アウター層は、熱伝導性シリコーンゲルと熱伝導性シリコーンラバーとの2層構造の他にも、熱伝導性シリコーンラバーに対して炭素繊維又は熱伝導性グラファイトが積層されて成る3層構造、具体的には、熱伝導性シリコーンゲル、熱伝導性シリコーンラバー、及び、炭素繊維又は熱伝導性グラファイトの3層構造とすることもできる。
更には、上述した好ましい構成を含む本発明の冷温装具において、熱伝導性シリコーンゲルは、放熱機構部を有する構成とすることが好ましい。放熱機構部を有することで、熱源部から熱伝導性シリコーンゲルに伝導された熱を効率的に外気へ放熱することができる。また、放熱機構部は、熱伝導性シリコーンゲルと同じ材料にて一体的に形成されることが好ましい。これにより、放熱機構部が熱伝導性シリコーンゲルと異なる材料で形成され、熱伝導性シリコーンゲルと放熱機構部との間の接合部に熱抵抗が存在する場合に比べて、熱伝導性シリコーンゲルから放熱機構部への熱伝導効率を高めることができる。加えて、放熱機構部を熱伝導性シリコーンゲルと同じ材料から構成することで、冷却/加温対象の部位の形状に合わせて容易に変形させることができる。
更には、上述した好ましい構成を含む本発明の冷温装具において、熱源部は、直流安定化電源に接続される、単一の熱電素子から成る複数の熱電素子ブロックから構成することができるし、あるいは又、直列接続された複数の熱電素子から成る複数の熱電素子ブロックが並列接続された構成とすることができる。
更には、上述した好ましい構成を含む本発明の冷温装具にあっては、複数の熱電素子ブロックの温度を制御する制御部を備える構成とすることができる。また、熱源部は、複数の温度センサーを有する構成とすることができる。そして、制御部は、複数の温度センサーの検知温度に基づいて複数の熱電素子ブロックの温度を制御する構成とすることができる。また、複数の温度センサーの検知温度の平均値を算出し、この算出した平均値に基づいて複数の熱電素子ブロックの温度を制御する構成とすることが好ましい。
更には、上述した好ましい構成を含む本発明の冷温装具において、制御部は、複数の熱電素子ブロックに対して断続的にパルス電流を供給する制御を行う構成とすることができる。また、制御部は、複数の熱電素子ブロックに流す電流の極性を反転することによって冷却/加温の切替え制御を行う構成とすることができる。
更には、上述した好ましい構成を含む本発明の冷温装具において、制御部は、予め標準的に定められた設定温度を基準として複数の熱電素子ブロックの温度制御を行う構成とすることができる。予め標準的に定められた設定温度は、変更可能である構成、具体的には、冷却/加温対象の部位の状態に応じて変更可能である構成とすることができる。
更には、上述した好ましい構成を含む本発明の冷温装具において、直流安定化電源は、商用電源の整流電源、車輛電源、又は、携帯可能な電池パック電源に基づいて動作する構成とすることができる。直流安定化電源を携帯可能な電池パック電源から構成することで、スペースに限りがある環境や屋外等の任意の場所での使用が可能になる。
実施例1は、本発明の冷温装具、具体的には、人体の肩部及び上腕部の冷却/加温、特に投手の肩部及び上腕部のアイシングに用いて好適な冷温装具に関する。図1は、人体の肩部及び上腕部に装着した状態の実施例1の冷温装具の概略正面図である。
図1に示すように、実施例1の冷温装具10は、例えば、右肩部及び右上腕部を覆うサポーターの形状を有しており、右肩から左胸にかけて延びる一方の端部11と背中を経た他方の端部12とが、例えば、左胸の近傍で互いに重ね合うようになっている。そして、一方の端部11と他方の端部12とは、例えば、面的に着脱可能な面ファスナー13にて簡単に結合できるようになっている。この結合部が面ファスナー13であることで、右肩部及び右上腕部に対する冷温装具10の装着/取り外しが容易な構成となっている。但し、一方の端部11と他方の端部12との結合部は、面ファスナー13を用いた構成に限られるものではなく、例えば、ホックやファスナー等を用いた構成とすることも可能である。
図2Aに、実施例1の冷温装具の要部の断面構造の一例を模式的に示す。図2Aに示すように、冷温装具10は、インナー層(インナーシェル/インナージャケット)20、複数の熱電素子を有する熱源部30、及び、熱源部30の熱を外気へ放熱するアウター層(アウターシェル/アウタージャケット)40が、順次、積層された3層構造(3層のサンドイッチ構造)となっている。そして、冷温装具10は、人体の所定の部位(本例では、肩部及び上腕部)に装着されて用いられる。具体的には、例えば、スポーツの分野では、選手のボディケアや怪我の応急処置等を目的として、所定の部位の一時的な冷却(アイシング療法)や加温(ホットパック療法)に用いられる。
図1に破線で示すように、熱源部30は、冷温装具10に対して部分的に設けられている。図2Aの模式的な一部断面図は、熱源部30を含む部分の断面構造を示している。インナー層20及びアウター層40は、冷温装具10の全体を構成している。また、図1に示すように、冷温装具10は、熱源部30の温度を制御する制御ユニット50を備えている。制御ユニット50は、冷温装具10の熱源部30に対してコード60を介して電気的に接続されている。
[インナー層]
図2Aにおいて、インナー層20は、吸熱用の装具であり、人体に直接接触する最内面側に、厚さが1mm程度の布(例えば、フリース)から成る布被覆層21を有することで、人体に対する優れた装着性を確保している。布被覆層21には、厚さが3mm程度のシート状の熱伝導性シリコーンラバー22が積層されている。
熱伝導性シリコーンラバー22は、シリコーンゴム特有の柔軟性を有し、熱伝導性に優れている。一般的なシリコーンゴムの熱伝導率は0.2W/m・K程度である。これに対して、熱伝導性シリコーンラバー22の熱伝導率は、シリコーンゴムやオイルに配合する熱伝導性粒子にもよるが、1.0W/m・K〜7.0W/m・K程度と、一般的なシリコーンゴムに比べて極めて熱伝導性に優れている。
布被覆層21とシート状の熱伝導性シリコーンラバー22とは、例えば、シリコーンゴム等から成る接着剤や放熱性接着剤によって接合することができる。放熱性接着剤は、優れた熱伝導性を有する機能性接着剤である。
先述した面ファスナー13は、インナー層20に取り付けられる。これにより、インナー層20は、面ファスナー付きインナー層となる。ここでは、インナー層20について、布被覆層21と熱伝導性シリコーンラバー22との2層構造としたが、熱伝導性シリコーンラバー22に対して高熱伝導性グラファイトを更に積層した、布被覆層21、熱伝導性シリコーンラバー22、及び、高熱伝導性グラファイトの少なくとも3層構造としてもよい。
[熱源部]
熱源部30は、インナー層20のシート状の熱伝導性シリコーンラバー22上に積層された接着層31を有する。接着層31は、両面粘着テープ等の接着剤から成る。両面粘着テープは、強固な接着が可能な接着剤である。熱源部30には、接着層31の上に複数の熱電素子、例えば、ペルチェ効果を利用したペルチェ素子32が配置されている。換言すれば、熱源部30は、インナー層20上に複数のペルチェ素子32が接着層31によって貼り付けられた構成を有する。
ペルチェ素子32の詳細については後述する。ペルチェ素子32とペルチェ素子32との間は、厚さが2mm程度の断熱性のセパレータ33によって熱的に仕切られた構造となっている。そして、セパレータ33によって仕切られた空間には、ペルチェ素子32の数に対して所定の割合で複数の温度センサー34が配されている。
図3に、ペルチェ素子32及び温度センサー34の配置の一例を示す。図3は、図1に示す冷温装具10の要部の模式的な展開図である。図3では、ペルチェ素子32を□印で図示し、温度センサー34を○印で図示している。
ペルチェ素子32及び温度センサー34は、人体のアイシング対象の部位(本例では、肩部及び上腕部)に対応して接着層31の上に配置される。具体的には、図3において、複数、例えば6個、直列に接続されたペルチェ素子32が、1つのペルチェブロック(熱電素子ブロック)35を構成している。そして、複数のペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)が平行に配置されている。このようなペルチェ素子32の配置により、アイシング対象の部位、即ち、肩部及び上腕部を全体的に冷却することができる。
温度センサー34は、ペルチェブロック35とペルチェブロック35との間の隙間に、適当な間隔をもって複数個ずつ配置され、温度センサーブロック36が構成されている。ここでは、ペルチェブロック35_i-1とペルチェブロック35_iとの間の隙間、及び、ペルチェブロック35_iとペルチェブロック35_i+1との間の隙間に、温度センサー34が3個ずつ配置されて成る2列分の温度センサーブロック36_i-1及び温度センサーブロック36_iを図示している。このような温度センサー34の配置により、熱源部30の温度、より具体的には、複数のペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)の温度を全体的に、的確に、検知することができる。
ペルチェ素子32の実装に当たっては、例えば、ペルチェブロック35の単位でフレキシブルプリント回路基板(フレキシブル基板)上に複数のペルチェ素子32を配置する構成とすることができる。フレキシブルプリント回路基板は、絶縁性を有する薄く柔らかいベースフィルム(ポリイミド等)と銅箔等の導電性金属とを貼り合わせた基材に電気回路を形成した基板であり、複数のペルチェ素子32の間の電気的接続を容易に実現することができる。更には、ペルチェ素子32が実装されたフレキシブルプリント回路基板上に、温度センサー34を実装することも可能である。
[アウター層]
図2Aにおいて、アウター層40は、放熱用の装具であり、外気に直接触れるシート状の熱伝導性シリコーンゲル41とシート状の熱伝導性シリコーンラバー42とが、熱伝導性シリコーンラバー42を内側にして熱源部30の上に積層された2層構造となっている。熱伝導性シリコーンゲル41は、後述する放熱機構部(図4A、図4B参照)を有しており、共通ベースの厚さは5mm程度であり、放熱フィン(放熱片)の概略の高さは5mm〜10mm程度であり、全体の概略の高さは10mm〜15mm程度である。そして、柔軟性を有し、且つ、熱伝導性に優れている。熱伝導性シリコーンゲル41の熱伝導率は、6.0W/m・K〜17.0W/m・K程度であり、一般的なシリコーンゴムの熱伝導率(0.2W/m・K程度)に比べて極めて高い。熱伝導性シリコーンラバー42は、厚さが3mm〜5mm程度である。熱伝導性シリコーンラバー42として、インナー層20の熱伝導性シリコーンラバー22と同じ材質のものを用いることができる。
ここでは、熱伝導性シリコーンゲル41と熱伝導性シリコーンラバー42との2層構造のアウター層40を例示したが、熱伝導性シリコーンラバー42に対して炭素繊維又は熱伝導性グラファイトを更に積層した、熱伝導性シリコーンゲル41、熱伝導性シリコーンラバー42、及び、炭素繊維又は熱伝導性グラファイトの少なくとも3層構造としてもよい。
熱伝導性シリコーンゲル41は、放熱面積を拡張した放熱機構部を有する構成とすることが好ましい。熱伝導性シリコーンゲル41が放熱機構部を有することにより、放熱面積を拡張することができるために、熱源部30から熱伝導性シリコーンゲル41に伝導された熱を効率的に外気へ放熱することができる、即ち、放熱効果を高めることができる。放熱機構部は、熱伝導性シリコーンゲル41と同じ材料にて一体的に形成されることが好ましい。これにより、放熱機構部が熱伝導性シリコーンゲル41と異なる材料で形成され、熱伝導性シリコーンゲル41と放熱機構部との間の接合部に熱抵抗が存在する場合に比べて、熱伝導性シリコーンゲル41から放熱機構部への熱伝導効率を高めることができる。加えて、放熱機構部を熱伝導性シリコーンゲル41と同じ材料から構成することで、人体のアイシング対象の部位の形状に合わせた変形が可能となる。
[放熱機構部]
アウター層40の放熱機構部の具体例を図4に示す。図4Aは、図4Bの矢印A−Aに沿ったアウター層40の放熱機構部の一例を示す模式的な断面図であり、図4Bは、アウター40層の放熱機構部の一例を示す模式的な模式的な平面図である。図4A及び図4Bに示すように、放熱機構部は、例えば、熱伝導性シリコーンゲル41と同じ材料にて、高さの低い円柱状、所謂イボ状の放熱片41Bが一体的に形成された構成となっている。
このように、熱伝導性シリコーンゲル41と同じ材料にて放熱片41Bを一体的に形成して成る放熱機構部によれば、加工の一元化が可能であると共に、熱伝導性シリコーンゲル41から放熱片41Bへの熱伝導効率を高めることができる。その結果、熱源部30から熱伝導性シリコーンゲル41に伝導された熱を、放熱片41Bを介して効果的に外気へ放熱することができる。
尚、上述したアウター層40の放熱機構部の構成(構造)は一例であって、これに限られるものではない。例えば、熱伝導性シリコーンゲル41と同じ材料にて放熱フィンを一体的に形成した構成や、放熱フィンとイボ状の放熱片41Bとを併用した構成など、熱源部30から熱伝導性シリコーンゲル41に伝導された熱を効率的に外気へ放熱することができるものであれば、その構成は問わない。
[ペルチェ素子]
ここで、熱電素子の一例であるペルチェ素子について説明する。ペルチェ素子は、直流電流を流すことによって一方の面から他方の面に熱を移動させる効果のあるデバイスであり、冷却と加温及び温度制御が可能な半導体素子である。
ペルチェ素子の原理について図5A及び図5Bを用いて具体的に説明する。図5Aは、ペルチェ素子の構造を示す一部断面を含む概略斜視図であり、図5Bは、ペルチェ素子の原理図である。
図5Aに示すように、ペルチェ素子32は、P型の熱電半導体素子321とN型の半導体素子322とを上側の銅電極323及び下側の銅電極324で接合し、これらを多数直列に接続し、好ましくは可撓性を有するセラミック基板325及びセラミック基板326によって上下から挟み込んだ構造となっている。そして、多数直列に接続されたP型の熱電半導体素子321及びN型の半導体素子322には、リード線327及びリード線328を通して直流電流が供給される。
図5Bに示すように、N型の半導体素子322の方から直流電流を流すと、図の上側の接合面から下側の接合面へ熱が運ばれる。このときに、下側の銅電極324から十分な放熱を行うと、上側の銅電極323で吸熱作用を連続的に得ることができる。また、電源部329の極性、即ち、直流電流の流れる方向を逆にすることにより、熱の移動方向が逆になるため、上側の銅電極323で放熱作用を連続的に得ることができる。従って、直流電流の流れる方向を変えることによって冷却(アイシング療法)/加温(ホットパック療法)を切り替えることができる。
[制御ユニット]
図1において、冷温装具10に装備される制御ユニット50は、熱源部30の温度、より具体的には、複数のペルチェブロック(熱電素子ブロック)35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)の温度を制御する制御部であって、コード60によって冷温装具10と電気的に接続されている。以下に、制御部である制御ユニット50の具体的な構成について、図6を用いて説明する。
図6は、制御ユニット(制御部)50の構成の一例を、ペルチェブロック35及び温度センサーブロック36と共に示すブロック図である。先述したように、冷温装具10には、ペルチェブロック35及び温度センサーブロック36がそれぞれ複数列ずつ内蔵されている。図6には、図3と同様に、ペルチェブロック35を3列分(35_i-1,35_i,35_i+1)及び温度センサーブロック36を2列分(36_i-1,36_i)図示している。
図6に示すように、ペルチェブロック35_iにおいて、n個のペルチェ素子32_1〜32_nは互いに直列に接続され、最終段に抵抗素子Rが接続されている。ペルチェブロック35_i-1,35_i+1についても、ペルチェブロック35_iと同様である。そして、複数のペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)は互いに並列に接続されている。また、複数のペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)の各出力端は、共通に接続されて接地されている。尚、ここでは、ペルチェブロック35が、直列接続された複数のペルチェ素子32_1〜32_nから構成されるとしたが、これに限られるものではなく、単一のペルチェ素子32から成る構成であってもよい。
ペルチェブロック35及び温度センサーブロック36と制御ユニット50との間では、コード60によりI/Oコネクタ18を介して信号の授受が行われる。具体的には、制御ユニット50からペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)に対して、温度を制御する直流電流(パルス電流)が供給される。また、温度センサーブロック36(・・・,36_i-1,36_i,・・・)から制御ユニット50に対して、個々の温度センサー34がペルチェブロック35の温度を検知した検知信号(検知温度の情報)が供給される。
図6に示すように、制御ユニット(制御部)50は、電流制御部51、極性制御部52、温度表示部53、及び、電源端子54を有する。電流制御部51には、電源部70から電源端子54を介して直流電流が供給される。電源部70は直流安定化電源である。この直流安定化電源から成る電源部70に対して、電流制御部51、コード60、及び、I/Oコネクタ18を介して、単一のペルチェ素子32又は直列接続された複数のペルチェ素子32_1〜32_nから成る複数のペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)が並列接続される。
直流安定化電源から成る電源部70は、商用電源(例えば、100ボルト/240ボルト)の整流電源、車輛電源、又は、携帯可能な電池パック電源に基づいて動作が可能である。これにより、屋内、屋外を問わず任意の場所において、冷温装具10による冷却(アイシング療法)/加温(ホットパック療法)が実現可能となる。
制御ユニット50において、電流制御部51は、複数のペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)に対して断続的にパルス電流を供給する制御を行うことによってペルチェブロック35の温度制御を行う。具体的には、電流制御部51は、温度センサーブロック36(・・・,36_i-1,36_i,・・・)の各温度センサー34の検知温度、より具体的には、各温度センサー34の検知温度の平均値を算出し、この算出した平均値に基づいてペルチェブロック35の温度制御を行う。
先述したように、ペルチェ素子32は、直流電流の流れる方向を変えることによって冷却/加温を切り替えることができる。そこで、電流制御部51は、極性制御部52による制御の下に、ペルチェブロック35に流す直流電流の極性(方向)を反転することによって冷却/加温を切り替える。この冷却/加温の切り替えによって、人体の所定の部位の冷却治療のみならず、必要に応じて、加温治療を行うこともできる。あるいは又、ペルチェブロック35の温度が、予め標準的に定められた設定温度の制御範囲から極端に逸脱した場合には、冷却/加温の切り替えによって、ペルチェブロック35の温度を制御範囲内に迅速に戻す制御を行うこともできる。
電流制御部51は、ペルチェブロック35にパルス電流を流す時間(パルス数)によって、冷却/加温効果を強めたり、弱めたりすることができる。そして、パルス電流によるデジタル制御であることにより、滑らかな温度制御を実現することができる。ここで、予め標準的に定められた設定温度については、冷却/加温対象の患部の状態、例えば、筋肉の温度の上昇の程度などに応じて変更することができるようにするとよい。
また、熱源部30の温度の制御についても、種々の制御手法をとることができる。一例として、アイシング治療の初期段階では、設定温度を極めて低く設定して冷却対象の部位(患部)を急冷し、段階的に設定温度を上げていき、最終的に、ペルチェブロック35の温度が、所定の温度範囲を制御範囲として、この制御範囲内を維持するように冷却温度を微調整する等のフィールドプログラマブルな制御を行うことができる。
尚、ここでは、自動制御によって患部の温度を制御範囲内に維持する場合を例に挙げて説明したが、これは一例に過ぎず、自動制御に限られるものではない。具体的には、患部の状態に応じて、適宜、自動制御を解除し、手動制御により、所定の温度範囲に対応する制御範囲よりも極めて低い温度を、患部の状態に適した冷却温度として設定して患部を急冷したり、あるいは、手動制御と自動制御とを組み合わせて実行することも可能である。
電流制御部51は、温度センサーブロック36の各温度センサー34の検知温度の平均値を算出した際に、その算出した平均値を示す温度信号を温度表示部53に供給する。これにより、各温度センサー34の検知温度の平均値が、複数のペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)の平均温度として温度表示部53に表示される。温度表示部53は、図1に示す制御ユニット50の本体上面あるいは本体前面に配置されることで、アイシング中の本人やトレーナー等に対して複数のペルチェブロック35の現在の平均温度を告知(提示)することができる。
(温度制御の処理手順)
制御ユニット(制御部)50の電流制御部51は、例えば、マイクロコンピュータ等によって構成される。ここで、電流制御部51による熱源部30の温度の制御の処理手順について、図7のフローチャートを用いて説明する。
図7は、電流制御部51による熱源部30の温度制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。本フローの一連の処理は、例えば、制御ユニット50に備えられている電源スイッチ(図示せず)の投入(電源オン)を受けて開始されるものとする。ここでは、冷却/加温対象の部位に冷温装具10を装着した段階で電源スイッチが投入される場合を例に挙げて説明する。また、熱源部30の温度の最終的な制御範囲を、冷却/加温対象の部位(患部)の温度が所定の温度範囲T±α゜Cとなるように制御する。従って、熱源部30の温度の制御範囲は、T±α゜Cの温度範囲に対応する。具体的には、制御範囲の上限値THighはT+α゜Cに対応し、下限値TLowはT−α゜Cに対応する。
冷却/加温対象の部位(患部)に冷温装具10が装着され、電源スイッチが投入されると、これを受けて電流制御部51は、ペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)に対して所定方向の直流電流(パルス電流)を連続的に供給することによって熱源部30を冷却状態とする(ステップS11)。次に、電流制御部51は、温度センサーブロック36(・・・,36_i-1,36_i,・・・)の各温度センサー34の検知温度を取り込み(ステップS12)、次いで、これらの検知温度の平均値を算出する(ステップS13)。
ここで、例えば、投手の試合後の肩部や、運動選手の競技後の大腿部、脚部、腕部等の患部の温度は、一般的に、平熱よりも高い状態にある。従って、患部の温度の影響を受けて、熱源部30の温度は上昇する傾向にある。そこで、電流制御部51は、検知温度の平均値が制御範囲の上限値THighを超えるか否かを判断する(ステップS14)。そして、電流制御部51は、検知温度の平均値が制御範囲の上限値THighを超えていれば、ステップS11に戻ってペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)に対して直流電流を連続的に供給し、冷却状態を継続する。
電流制御部51は、検知温度の平均値が制御範囲の上限値THighを超えていなければ、続いて、検知温度の平均値が制御範囲の下限値TLowを下回るか否かを判断する(ステップS15)。そして、電流制御部51は、検知温度の平均値が制御範囲の下限値TLowを下回っていれば、ペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)に対する直流電流の供給を停止する(ステップS16)。直流電流の供給を停止することで、熱源部30の冷却状態が解除される。これにより、熱源部30の温度が上昇し、検知温度の平均値が制御範囲内に入る。尚、検知温度の平均値が制御範囲の下限値TLowを下回った場合には、ペルチェブロック35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)に流す電流の向きを逆にし、熱源部30を加温状態にすることによって、検知温度の平均値を制御範囲内に迅速に戻す制御を行うことも可能である。
電流制御部51は、ステップS16の処理後、ステップS14に移行することで、検知温度の平均値が制御範囲の上限値THighを超えるか否かを再度判断する。そして、ステップS14からステップS16までの処理を繰り返すことで、検知温度の平均値が制御範囲内に維持される。電流制御部51は、検知温度の平均値が制御範囲内に維持され、ステップS15で検知温度の平均値が制御範囲の下限値TLowを下回らないと判断すると、続いて、制御停止か否か(制御停止の指令が発せられたか否か)を判断する(ステップS17)。制御停止の指令は、例えば、制御ユニット50に備えられている制御停止ボタン(図示せず)を、本人又はトレーナー等が操作することによって発せられる。そして、制御停止であれば、本フローの一連の処理を終了し、制御停止でなければ、ステップS14に戻ってステップS14からステップS17までの処理を繰り返して実行する。
上述した一連の温度制御により、投手や運動選手等の患部の温度を所定の温度範囲T±α゜C内に維持することができる。この温度制御において、温度を例えば、0.1゜C(α=0.1゜C)ステップで変化させるとした場合、リアルタイムで検知温度の平均値を算出して温度を制御することも可能であるが、一定期間(例えば、10秒)毎に検知温度の平均値を算出したり、あるいは、この一定期間における検知温度の平均値を算出したりして温度を制御する方が、安定した制御を行うことができるため好ましい。
以上に説明したように、実施例1の冷温装具10は、インナー層20及びアウター層40が、ペルチェ素子32を含む熱源部30を挟んで積層されたシート状の構造となっていることを特徴としている。そして、シート状であることで、例えば、投手の肩部及び上腕部を覆うように装着することができるため、この部位(患部)に対してより効果的にアイシングを行うことができる。これにより、実施例1の冷温装具10は、人体の肩部及び上腕部のアイシングに用いて好適なアイシング用装具となる。
また、実施例1の冷温装具10によれば、熱源部30の熱をアウター層40によって効率的に外気へ放熱することができるため、熱源部30の精密な温度管理、ひいては、冷却/加温対象の患部の精密な温度管理を実現することができる。その上で、制御ユニット(制御部)50が、熱源部30に設けられた温度センサー34の検知温度に基づいて、ペルチェブロック35に対して断続的にパルス電流を供給する制御を行うため、熱源部30の温度、ひいては、冷却/加温対象の患部を所望の温度範囲内に精度良く維持する制御を実現することができる。
尚、実施例1では、人体の肩部及び上腕部を覆うように冷温装具10を装着するに当たって、冷温装具10を単に平面的なシート状の構造としているが、所謂骨組構造を適用して肩部及び上腕部の形状に合わせた立体的な構造とすることも可能である。具体的には、図2Bに示すように、アウター層40の例えば熱伝導性シリコーンゲル41と熱伝導性シリコーンラバー42との間に、アルミニウムやカーボンファイバー(炭素繊維)等から成る骨組層43を例えば網目状に設ける。そして、骨組層43を、肩部及び上腕部の形状に合わせた立体的な形状に成形する。このように、冷温装具10を肩部及び上腕部の形状に合わせた立体的な構造とすることで、肩部及び上腕部によりフィットした状態で冷温装具10を装着することができるため、冷却/加温の効果をより高めることができる。
実施例2は、本発明の冷温装具、具体的には、人体の脚部の冷却/加温、特に運動選手の膝の周りの部位のアイシングに用いて好適な冷温装具に関する。図8は、人体の膝の周りの部位に装着した状態の実施例2の冷温装具を示す概略斜視図である。
図8に示すように、実施例2の冷温装具10は、膝の部位を露出させた状態で大腿部側及び脚部側を覆うサポーターの形状を有している。そして、冷温装具10は、大腿部側の装着部に取付片15A,15Bを、脚部側の装着部に取付片16A,16Bをそれぞれ有している。取付片15A,15Bは、互いに重なり合い、例えば、面ファスナー(図示せず)によって結合される。取付片16A,16Bも、取付片15A,15Bと同様の構成となっている。取付片15A,15B及び取付片16A,16Bの結合部は、面ファスナーを用いた構成に限られるものではなく、例えば、ホックやファスナー等を用いた構成とすることも可能である。
実施例2の冷温装具10の要部の基本的な構成は、図2Aに示した実施例1の冷温装具10と同様である。そして、実施例2の冷温装具10にあっては、例えば、大腿部側の表側装着部及び脚部側の脛側装着部に熱源部30が位置するように構成される。但し、熱源部30を配設する位置は、大腿部側の表側装着部及び脚部側の脛側装着部に限られるものではなく、必要に応じて、大腿部側の裏側装着部や脚部のふくらはぎ側装着部に熱源部30を配するようにしてもよい。
以上に説明したように、実施例2の冷温装具10は、インナー層20及びアウター層40が、ペルチェ素子32を含む熱源部30を挟んで積層されたシート状の構造となっており、周知の膝用サポーターの形状に形成することができる。そして、人体の脚部、特に運動選手の膝周りの部位に本冷温装具10を装着することで、運動選手の膝周りの部位のケアや怪我の応急処置等を目的として、この部位に対してアイシング療法やホットパック療法を行うことができる。
また、実施例2の冷温装具10は、膝周りの部位用の冷温装具としてのみならず、形状を変更することで、肘周りの部位用の冷温装具等として用いることもできる。
実施例3は、本発明の冷温装具、具体的には、使用状態で筒状の形状を有する冷温装具に関する。図9Aは、使用状態で筒状の形状を有する実施例3の冷温装具を示す模式的な斜視図であり、図9Bは、人体の脚部に装着した状態の実施例3の冷温装具を示す模式的な斜視図である。
図9A及び図9Bに示すように、使用状態で筒状の形状を有する実施例3の冷温装具10は、未使用状態で帯状の形状を有する。そして、使用状態において、実施例3の冷温装具10は、両端部17A,17Bが互いに重なり合い、例えば、面ファスナー13によって結合されるようになっている。但し、両端部17A,17Bの結合部は、面ファスナー13を用いた構成に限られるものではなく、例えば、ホックやファスナー等を用いた構成とすることも可能である。
実施例3の冷温装具10の要部の基本的な構成は、図2Aに示した実施例1の冷温装具10と同様である。そして、実施例3の冷温装具10にあっては、例えば、人体の脚部に装着する場合には、例えば、ふくらはぎに対応する部位に熱源部30が位置するように構成される。これにより、実施例3の冷温装具10は、脚部用の冷温装具となる。但し、熱源部30を配設する位置は、ふくらはぎに対応する部位に限られるものではない。
尚、ここでは、実施例3の冷温装具10を、図9Bに示すように、脚部用の冷温装具として用いる場合を例示したが、これに限られるものではなく、冷温装具10のサイズを適宜変更することにより、腕部用の冷温装具や腰部用の冷温装具等として用いることもできる。また、熱源部30については、使用状態で筒状の冷温装具10の全周に亘って設けてもよいし、冷却/加温対象の部位に対応して部分的に設けてもよい。
実施例3の冷温装具10によれば、帯状の形状の装具を、脚部、腕部、腰部等に巻き付けるだけでよいために、人体の所望の部位に対して冷却/加温を容易に行うことができる。
実施例4は、本発明の冷温装具、具体的には、包帯状の冷温装具に関する。図10は、包帯状の実施例4の冷温装具を示す斜視図である。
図10に示すように、実施例4の冷温装具10は、実施例3の冷温装具10、即ち、脚部や腕部の冷却/加温に用いる装具に比べて幅が狭く、且つ、全体の長さが長い包帯状の装具である。実施例4の冷温装具10の要部の基本的な構成は、図2Aに示した実施例1の冷温装具10と同様である。そして、実施例4の冷温装具10にあっては、装具の長さ方向の全体に亘って熱源部30が配置された構成となっている。
実施例4の冷温装具10によれば、包帯状の装具であり、人体に巻き付けて用いればよいため、人体の任意の部位に対して装着し、この部位に対して冷却/加温を容易に行うことができる。特に、関節を含む部位に対しても、膝や肘等を避けて冷温装具10を巻き付けることができる。従って、実施例1の冷温装具10や実施例2の冷温装具10のように、特別な形状に形成する必要がないため使い勝手のよい冷温装具となる。
<変形例>
以上、本発明を好ましい実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した冷温装具の構成、構造はあくまでも例示に過ぎず、適宜、変更することができる。例えば、実施例においては、野球の投手の肩部や上腕部、運動選手の大腿部、脚部、腕部等のケアや怪我の応急処置等のために冷温装具10を用いる場合を例示したが、人体のケアや怪我の応急処置等のための使用に限られるものではなく、例えば、馬等の動物の脚部等の生体のケアや怪我の応急処置等のために用いることもできる。
あるいは又、図2Bに示す冷温装具の要部の他の例の断面構造において、骨組層43の代わりに、空気注入口を有する空気層を設け、例えば、スポイト状の空気注入器を用いて空気注入口から適宜空気を注入する構成とすることもできる。空気層を有する冷温装具によれば、空気圧によって冷温装具を患部により密着させることができるために、冷却/加温効果をより高めることができる。尚、空気層を設ける層は、熱伝導性シリコーンゲル41と熱伝導性シリコーンラバー42との間の層に限られるものではない。また、空気注入器については、冷温装具と別体構造とすることもできるし、空気注入口とホースを介して接続された一体構造とすることもできる。
10・・・冷温装具、11・・・冷温装具の一方の端部、12・・・冷温装具の他方の端部、13・・・面ファスナー、15A,15B,16A,16B・・・取付片、17A,17B・・・冷温装具の両端部、18・・・I/Oコネクタ、20・・・インナー層(インナーシェル/インナージャケット)、21・・・布被覆層、22・・・熱伝導性シリコーンラバー、30・・・熱源部、31・・・接着層、32・・・ペルチェ素子、33・・・セパレータ、34・・・温度センサー、35(・・・,35_i-1,35_i,35_i+1,・・・)・・・ペルチェブロック(熱電素子ブロック)、36(36_i-1,36_i)・・・温度センサーブロック、40・・・アウター層(アウターシェル/アウタージャケット)、41・・・熱伝導性シリコーンゲル、41B・・・放熱片、42・・・熱伝導性シリコーンラバー、43・・・骨組層、50・・・制御ユニット(制御部)、51・・・電流制御部、52・・・極性制御部、53・・・温度表示部、54・・・電源端子、60・・・コード、70・・・電源部、321・・・P型の熱電半導体素子、322・・・N型の半導体素子、323,324・・・銅電極、325,326・・・セラミック基板、327,328・・・リード線、329・・・電源部

Claims (17)

  1. インナー層、
    複数の熱電素子を有する熱源部、及び、
    熱源部の熱を外気へ放熱するアウター層が、順次、積層されて成ることを特徴とする冷温装具。
  2. 複数の熱電素子は、ペルチェ素子から成ることを特徴とする請求項1に記載の冷温装具。
  3. インナー層は、布被覆層と熱伝導性シリコーンラバーとが積層されて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷温装具。
  4. インナー層は、熱伝導性シリコーンラバーに対して高熱伝導性グラファイトが積層されて成ることを特徴とする請求項3に記載の冷温装具。
  5. アウター層は、外気に直接触れる熱伝導性シリコーンゲルと熱伝導性シリコーンラバーとが積層されて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の冷温装具。
  6. アウター層は、熱伝導性シリコーンラバーに対して炭素繊維又は熱伝導性グラファイトが積層されて成ることを特徴とする請求項5に記載の冷温装具。
  7. 熱伝導性シリコーンゲルは、放熱機構部を有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の冷温装具。
  8. 放熱機構部は、熱伝導性シリコーンゲルと同じ材料にて一体的に形成されることを特徴とする請求項7に記載の冷温装具。
  9. 熱源部は、直流安定化電源に接続される、単一の熱電素子から成る複数の熱電素子ブロック、又は、直列接続された複数の熱電素子から成る複数の熱電素子ブロックが並列接続されて構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の冷温装具。
  10. 複数の熱電素子ブロックの温度を制御する制御部を備えていることを特徴とする請求項9に記載の冷温装具。
  11. 熱源部は、複数の温度センサーを有しており、
    制御部は、複数の温度センサーの検知温度に基づいて複数の熱電素子ブロックの温度を制御することを特徴とする請求項10に記載の冷温装具。
  12. 制御部は、複数の温度センサーの検知温度の平均値を算出し、この算出した平均値に基づいて複数の熱電素子ブロックの温度を制御することを特徴とする請求項11に記載の冷温装具。
  13. 制御部は、複数の熱電素子ブロックに対して断続的にパルス電流を供給する制御を行うことを特徴とする請求項12に記載の冷温装具。
  14. 制御部は、複数の熱電素子ブロックに流す電流の極性を反転することによって冷却/加温の切替え制御を行うことを特徴とする請求項13に記載の冷温装具。
  15. 制御部は、予め標準的に定められた設定温度を基準として複数の熱電素子ブロックの温度制御を行うことを特徴とする請求項9乃至請求項14のいずれか1項に記載の冷温装具。
  16. 予め標準的に定められた設定温度は、変更可能であることを特徴とする請求項15に記載の冷温装具。
  17. 直流安定化電源は、商用電源の整流電源、車輛電源、又は、携帯可能な電池パック電源に基づいて動作することを特徴とする請求項9乃至請求項16のいずれか1項に記載の冷温装具。
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