JP2017062004A - スラスト自動調心ころ軸受 - Google Patents

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翔悟 田畑
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Abstract

【課題】スラスト自動調心ころ軸受の軸軌道盤に形成された係止凹部と、打抜き保持器の抜止め凸部との接触による抜止め凸部の摩耗を防止する。【解決手段】抜止め凸部13は、係止凹部8の外径面8bと同方向に曲がり、かつ当該外径面8bよりも曲率の小さな凹曲面13aを有する。凹曲面13aは、係止凹部8の外径面8bおよび軸軌道盤1の鍔部6の外径面6aに沿う形状とする。抜止め凸部13は、凹曲面13aのみで係止凹部8の外径面8bと接触する。【選択図】図1

Description

この発明は、スラスト自動調心ころ軸受に関する。
従来、スラスト自動調心ころ軸受として、軸軌道盤と、球面ころを保持するかご形の打抜き保持器とを備え、打抜き保持器が軸軌道盤に軸方向に引っ掛かるように抜け止め構造を設けたものがある。その抜け止め構造は、軸軌道盤の外周に形成された係止凹部と、打抜き保持器の周方向複数個所に形成された抜止め凸部とで構成されている。係止凹部は、軸軌道盤の鍔部の外径面から径方向に凹んでおり、鍔部の外径面よりも小径な外径面を有する。一方、打抜き保持器は、係止凹部の外径面と径方向に向き合う外径側環部を有する。外径側環部は、鍔部の外径面よりも大径な外径縁部と、係止凹部に軸方向に引っ掛かるように外径縁部から内径側へ突き出た複数の抜止め凸部とを有する(例えば、特許文献1、非特許文献1)。
従来の抜止め凸部は、係止凹部の外径面に向かって内径側へ凹んだ凸曲面状、又は係止凹部の外径面に対して接線方向に真っ直ぐなストレート面状になっている。ストレート面状の場合、係止凹部と軸方向に引っ掛かる面積が凸曲面状の場合よりも多く、引っ掛り性に優れる。
実開昭61−35223号公報(特に第3、6、8、14図)
株式会社NTN リーフレット「ULTAGE スラスト自動調心ころ軸受」(CAT No.3034/J 第2頁)
軸軌道盤の係止凹部の外径面と、打抜き保持器の抜止め凸部との間の径方向のクリアランスを大きく取ることは困難であり、軸受運転中、係止凹部の外径面と抜止め凸部とが接触し得る。
しかしながら、従来の抜止め凸部と係止凹部の外径面の接触態様は、凸と凸同士又は凸とストレート面同士の接触になるので、特にその初期において、線状の接触となり、抜止め凸部が摩耗し易い問題がある。その摩耗が進むと、抜止め凸部と係止凹部の軸方向の引っ掛りが少なくなって打抜き保持器が脱落したり、抜止め凸部が破断したりする可能性がある。
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、スラスト自動調心ころ軸受の軸軌道盤に形成された係止凹部と、打抜き保持器の抜止め凸部との接触による抜止め凸部の摩耗を防止することにある。
上記の課題を達成するため、この発明は、軸軌道盤と、球面ころを保持する打抜き保持器とを備え、前記軸軌道盤が、前記球面ころを案内する鍔部と、前記鍔部の外径面から径方向に凹んだ係止凹部とを有し、前記打抜き保持器が、前記係止凹部の外径面と径方向に向き合う外径側環部を有し、前記外径側環部が、前記鍔部の外径面よりも大径な外径縁部と、前記係止凹部に軸方向に引っ掛かるように前記外径縁部から内径側へ突き出た複数の抜止め凸部とを有するスラスト自動調心ころ軸受において、前記抜止め凸部が、前記係止凹部の外径面と同方向に曲がり、かつ当該係止凹部の外径面よりも曲率の小さな凹曲面を有し、当該凹曲面のみで当該係止凹部の外径面と接触可能な形状になっている、という構成を採用したものである。
上記構成によれば、軸受運転中、抜止め凸部の凹曲面と、係止凹部の外径面とが接触することになる。その凹曲面は、係止凹部の外径面と同方向に曲がり、かつ当該係止凹部の外径面よりも曲率の小さな形状をもつため、抜止め凸部が凸曲面状やストレート面状で係止凹部の外径面に接触する場合に比して、抜止め凸部と係止凹部の外径面との接触面積が周方向に拡大される。すなわち、その接触圧力が抑えられ、抜止め凸部の摩耗が防止される。したがって、この発明は、スラスト自動調心ころ軸受の軸軌道盤に形成された係止凹部と、打抜き保持器の抜止め凸部との接触による抜止め凸部の摩耗を防止することができる。
この発明の実施形態に係るスラスト自動調心ころ軸受に備わる打抜き保持器の抜止め凸部付近を示す部分平面図 この発明の実施形態に係るスラスト自動調心ころ軸受を示す断面図 この発明の実施形態に係る打抜き保持器の平面図
以下、この発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。実施形態に係るスラスト自動調心ころ軸受は、図2に示すように、軸軌道盤1と、ハウジング軌道盤2と、球面ころ3を保持する打抜き保持器4とを備える。以下、このスラスト自動調心ころ軸受の軸受中心軸に沿った方向のことを単に「軸方向」といい、その軸受中心軸に直角な方向のことを単に「径方向」といい、その軸受中心軸周りの円周方向のことを単に「周方向」という。
軸軌道盤1は、球面軌道5と、球面ころ3を案内する鍔部6と、鍔部6の外径面6aから径方向に凹んだ係止凹部8とを有する。鍔部6の外径面6aは、軸軌道盤1の外径を規定する面となっている。
係止凹部8は、鍔部6の外径面6aの縁に連続し、径方向に沿った円環状の軸方向端面8aと、その軸方向端面8aから軸方向に沿った円筒面状の外径面8bとで構成されている。係止凹部8の外径面8bと、軸軌道盤1の背面とが面取りを介して接続されている。
一方、ハウジング軌道盤2は、球面軌道5に対応の球面軌道9を有する。球面軌道5,9間に介在する単列の球面ころ3は、打抜き保持器4の各ポケットに収容されている。
打抜き保持器4は、プレス加工によってかご形に形成されている。打抜き保持器4の材料は、例えば、鋼板である。
図3は、打抜き保持器4の平面図を示している。図2、図3に示すように、打抜き保持器4は、係止凹部8の外径面8bと径方向に向き合う外径側環部10を有する。外径側環部10は、各ポケットの外径側の辺縁を成すと共に鍔部6の外径面6aを取り囲む筒壁部11と、筒壁部11から軸方向に延びて鍔部6の外径面6aよりも大径な外径縁部12と、係止凹部8の軸方向端面8aに軸方向に引っ掛かるように外径縁部12から内径側へ突き出た複数の抜止め凸部13とで構成されている。
抜止め凸部13と筒壁部11との間には、周方向に沿った切れ目が形成されている。この切れ目は、抜止め凸部13を内径側へ押し出すプレス加工を容易にするための切り込みによる。
筒壁部11と鍔部6の外径面6aとの間には、径方向のクリアランスが設定されている。外径縁部12及び抜止め凸部13と、係止凹部8の軸方向端面8aとの間には、軸方向のクリアランスが設定されている。外径縁部12と係止凹部8の外径面8bとの間には、径方向のクリアランスが設定されている。抜止め凸部13と係止凹部8の外径面8bとの間には、外径縁部12及び外径面8b間、筒壁部11及び鍔部6の外径面6a間の各間よりも狭い径方向のクリアランスが設定されている。このため、抜止め凸部13と係止凹部8の外径面8bとが接触するとき、外径縁部12、筒壁部11が係止凹部8の外径面8b、鍔部6の外径面6aに接触できず、これにより、抜止め凸部13と係止凹部8の外径面8b以外での接触が避けられる。これは、軸受回転トルクの増大を抑制するためである。
抜止め凸部13は、周方向の複数個所に形成されている。その周方向配置は、特に限定されず、全ての抜止め凸部13と係止凹部8の軸方向端面8aとが接触するとき、打抜き保持器4が軸受中心軸に対して傾かないように適宜に決定すればよい。
図1、図3に示すように、抜止め凸部13は、係止凹部8の外径面8bと同方向に曲がり、かつ係止凹部8の外径面8bよりも曲率の小さな凹曲面13aを有し、その凹曲面13aのみで係止凹部8の外径面8bと接触可能な形状になっている。このため、抜止め凸部13が凹曲面13aにおいて係止凹部8の外径面8bと接触しているとき、その接触箇所は周方向一箇所で幅をもって生じ、その接触圧力が大きい程、周方向に接触面積の広がり易い接触態様となる。なお、図1中では、軸受運転中に生じる打抜き保持器4及び軸軌道盤1間の相対的な径方向移動によって抜止め凸部13と係止凹部8の外径面8bとが接触するときの一例として、軸軌道盤1の偏心によって係止凹部8の外径面8bが抜止め凸部13に接触したときの様子を二点鎖線で示している。
図示例の凹曲面13aは、係止凹部8の外径面8b及び鍔部6の外径面6aと実質的に同心な仮想円筒面(ただし、軸受中心軸を円筒軸線として鍔部6の外径面6aよりも小径かつ係止凹部8の外径面8bよりも大径な筒径)に沿った面形状になっている。抜止め凸部13の周方向幅Wは、実質的に凹曲面13aの周方向長さに相当している。凹曲面13aの周方向両端部は、抜止め凸部13の中で鍔部6の外径面6aから内径側に最も深く入り込んでおり、係止凹部8の軸方向端面8aとの間に軸方向に十分な引っ掛かりを確保することができる。
なお、凹曲面13aは、係止凹部8の外径面8bと同心な単一の円弧面状にした場合を例示したが、これに限定されず、鍔部6の外径面6aよりも内径側かつ係止凹部8の外径面8bよりも外径側に配置され、周方向一箇所のみで係止凹部8の外径面8bを凸曲面と視たときに外径面8bと周方向一箇所のみで接触可能な曲率をもった凹面状であればよい。例えば、凹曲面を複数の曲面で構成し、その周方向端部付近の曲率をその周方向中央部付近の曲率よりも小さくしたような複合面にすることも可能である。
係止凹部8の外径面8bの表面粗さRaは、0.5μm以下になっている。なお、係止凹部8の軸方向端面8aも同様であり、係止凹部8は、抜止め凸部13と接触し得る全域において摩耗防止に有効な滑らかな表面をもっている。ここで、表面粗さRaは、日本工業規格 「製品の幾何特性仕様(GPS)?表面性状:輪郭曲線方式?用語,定義及び表面性状パラメータ」(JIS B0601:2013)で規定の算術平均粗さのことをいう。
このスラスト自動調心ころ軸受は、上述のようなものであり、図1中に二点鎖線で例示したように、軸受運転中、抜止め凸部13の凹曲面13aと、係止凹部8の外径面8bとが接触することになる。その凹曲面13aは、係止凹部8の外径面8bと同方向に曲がり、かつ係止凹部8の外径面8bよりも曲率の小さな形状をもつため、抜止め凸部13が凸曲面状やストレート面状で係止凹部8の外径面8bに接触する場合に比して、抜止め凸部13と係止凹部8の外径面8bとの接触面積が周方向に拡大される。すなわち、その接触圧力が抑えられ、抜止め凸部13の摩耗が防止される。したがって、このスラスト自動調心ころ軸受は、係止凹部8と抜止め凸部13との接触による抜止め凸部13の摩耗を防止することができる。
また、このスラスト自動調心ころ軸受は、凹曲面13aが抜止め凸部13の周方向全幅に亘って係止凹部8の外径面8b及び鍔部6の外径面6aに沿う形状になっているので、抜止め凸部13の摩耗を防止しながら、凹曲面13aの周方向両端部で係止凹部8との軸方向の引っ掛かりを十分に、例えば、従来例のストレート面状と遜色ない程度に確保することができる。
また、このスラスト自動調心ころ軸受は、係止凹部8の外径面8bの表面粗さRaが0.5μm以下になっているので、抜止め凸部13の凹曲面13aが滑らかな外径面8bに接触することになり、凹曲面13aの一層の摩耗防止を図ることができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 軸軌道盤
3 球面ころ
4 打抜き保持器
6 鍔部
6a 外径面
8 係止凹部
8a 軸方向端面
8b 外径面
10 外径側環部
11 筒壁部
12 外径縁部
13 抜止め凸部
13a 凹曲面

Claims (3)

  1. 軸軌道盤と、球面ころを保持する打抜き保持器とを備え、
    前記軸軌道盤が、前記球面ころを案内する鍔部と、前記鍔部の外径面から径方向に凹んだ係止凹部とを有し、
    前記打抜き保持器が、前記係止凹部の外径面と径方向に向き合う外径側環部を有し、
    前記外径側環部が、前記鍔部の外径面よりも大径な外径縁部と、前記係止凹部に軸方向に引っ掛かるように前記外径縁部から内径側へ突き出た複数の抜止め凸部とを有するスラスト自動調心ころ軸受において、
    前記抜止め凸部が、前記係止凹部の外径面と同方向に曲がり、かつ当該係止凹部の外径面よりも曲率の小さな凹曲面を有し、当該凹曲面のみで当該係止凹部の外径面と接触可能な形状になっていることを特徴とするスラスト自動調心ころ軸受。
  2. 前記凹曲面が、前記抜止め凸部の周方向全幅に亘って前記係止凹部の外径面及び前記鍔部の外径面に沿う形状になっている請求項1に記載のスラスト自動調心ころ軸受。
  3. 前記係止凹部の外径面の表面粗さRaが、0.5μm以下になっている請求項1又は2に記載のスラスト自動調心ころ軸受。
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JP2023108804A (ja) * 2022-01-26 2023-08-07 株式会社不二越 スラスト自動調心ころ軸受の保持器

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