JP2017102003A - 線量割出装置、線量割出方法、線量割出プログラムおよび線量割出機能付き測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
求められる情報は、例えば、施設内の圧力、温度または施設内に溜まった液体の水位などの物理量に関する情報である。
検出される物理量は、多くの場合、検出器に電圧の形態で検出される。
検出された電圧の伝送方式は、電圧のまま伝送する方式と、電圧からV/I変換によって電流にして伝送する方式と、に大別される。
情報を電流の形態で伝送する方式は、伝送距離が長い場合には電圧のまま伝送するよりもノイズの影響が小さいという特徴がある。
そこで、一般に、検出器の設置時または設置後所定の期間ごとなど特定の時期で指示値の校正をする。
ゼロ点校正とは、V/I変換素子への電圧の入力がゼロのときに指示値がゼロになるようにする校正のことである。
なお、V/I変換素子への電圧の入力がゼロのときにV/I変換素子から出力される電流量を、以下「ゼロ点電流」という。
なお、付与された既知の電圧に対して、V/I変換素子が出力する電流値の真値からのずれ量を、以下「スパンずれ量」という。
特に、放射能汚染された施設内に設置される検出機器には、放射線量の取得の要求が高い。
放射線量の情報を取得することで、単に施設内の放射線量を把握することができるだけでなく、被ばく量に基づく検出機器の交換時期も把握することが可能になる。
〔測定装置10〕
まず、線量割出装置50(以下、単に「割出装置50」という)が適用される測定装置10について図1および図2を用いて説明する。
割出装置50が適用される測定装置10は、その検出器20が放射能汚染された施設内などに設置される。
測定装置10は、検出器20で電圧の形態で検出した物理量を電流に変換して、電流の形態で遠隔に伝送する。
以下の実施形態では、投込式水位計10Aを測定装置10の例にとって説明する。
ただし、放射線量の取得が求められる箇所に設けられて検出した情報を電流に変換して伝送するものであれば、投込式水位計10Aの例に限らず測定装置10になりうる。
変換部14は、例えば中央制御室内の表示部17に接続されている。
変換部14は、検出器20から受信した液体の水位に関する電流をI/V変換して、表示部17へ送信する。
検出器20は、図2に示されるように、一方の底面に入水孔24が設けられた筐体21によって、円筒状の外形を有している。
筐体21の内部には、入水孔24が設けられた底面の付近に圧力センサ22が筐体21を封止するように設置されている。
この圧力センサ22によって筐体21の内部は周囲の液体から隔離されて、圧力センサ22からさらに内部には液体は侵入しない。
中空ケーブル23は、信号線13および強化線18とともに被覆されて伝線29となって水上まで敷かれる。
中空ケーブル23は、通常時は、水上の開口部で大気開放されており、筐体21の内部を大気圧Patmに維持させている。
つまり、筐体21の内部に面する片面は大気圧Patmを受ける。
圧力センサ22は、例えば、隔膜にかかる圧力を電気信号の大きさに変換するダイヤフラム25を利用したものが広く使用されている。
ダイヤフラムとは、弾性のある隔膜のことであり、圧力による隔膜の膨張およびへこみの度合いが読み取られるものである。
この度合いを電気的に読み取る方法には、ダイヤフラム25に設置された圧電素子によって歪みを感知する半導体歪ゲ−ジ式または変位を感知する静電容量式などがある。
なお、ダイヤフラム25の利用に代えてばね(図示せず)を利用して水圧を計測するものも検出器20として同様に動作する。
V/I変換素子28から送信される差圧ΔPに基づく電気信号は、変換部14で電圧に変換されて、表示部17に液体の水位として表示される。
よって、所定の時期に基準圧側ダイヤフラム25a(25)に既知の圧力を印加して、指示値のゼロ点校正またはスパン校正などの校正がなされる。
印加される圧力は、例えば表示部17から印加部16に送信される作業員の指令に従って制御される。
印加部16は、三方弁19を介して中空ケーブル23に接続されている。
引き続き図1を用いて、割出装置50について説明する。
第1実施形態にかかる割出装置50は、図1に示されるように、記録部51、相関保持部52、第1推定部53、第2推定部54、比較部56、算出部57(図1中、線量算出部57)および警告部58を備える。
半導体であるV/I変換素子28に放射線が照射されると、V/I変換素子28から出力される電流が不可逆変化し、シフト量となる。
測定装置10において物理量の表示する表示機構の機械強度が十分な場合には、シフト量のうち表示機構の劣化によるものは無視することができる。
このようにシフト量を発生させる他の要素を無視または取り除くことができる場合、シフト量の発生は、放射線の照射に起因しているといえる。
そこで、記録部51は、例えば1月間隔で実施されるゼロ点校正およびスパン校正などの際に確認されたシフト量を記録して蓄積する。
ゼロ点シフトデータとは、放射線の積算照射量とゼロ点電流との相関関係を示すデータである。
スパンシフトデータとは、放射線の積算照射量とスパンずれ量との相関関係を示すデータである。
図3(A),(B)いずれも横軸は積算放射線量(kGy)である。
また、縦軸は、図3(A)はゼロ点電流、図3(B)はスパンずれ量である。
図3(A),(B)からわかるように、V/I変換素子28に用いられる半導体の特性として、シフト量はいずれも、積算放射線量に比例せずに変化する。
その後も、ゼロ点電流の絶対値は、いくつかの極値を有して変化する。
相関保持部52は、実際に用いられる半導体と同類の半導体について予め測定実験などによって取得したゼロ点シフトデータおよびスパンシフトデータを保持する。
なお、ゼロ点シフトデータおよびスパンシフトデータは、グラフデータではなく数値データであってもよい。
ここで、図4は、シフト量に基づく積算照射量の算出方法の説明図である。
第1推定部53は、ゼロ点電流およびゼロ点シフトデータに基づいてV/I変換素子28の積算照射量を少なくとも1つ推定する。
この場合A地点の検出器20の積算照射量は、図4において縦軸が−0.25の直線と、ゼロ点シフトデータとの交点である(1)、(3)または(4)の値と推定される。
このような手順で、第1推定部53は、積算照射量を(1)、(3)または(4)の値と推定する。
例えば、A地点に設置された検出器20で計測されたスパンずれ量が、−1.5(%)であったとする。
第2推定部54は、第1推定部53と同様の推定手順で、縦軸が−1.5の直線と、スパンシフトデータとの交点である(1)または(2)の値を積算照射量と推定する。
図4の例では、(1)〜(4)の推定値のうち(1)のみが共通の推定値であるので、比較部56は(1)の推定値を真の積算照射量として特定する。
特定された真の積算照射量は、算出部57に送られる。
図4の例では、真の積算照射量は1.2kGyである。
よって、検出開始からの期間が3カ月であるとすると、単位時間当たりの放射線量は、次式Mで算出される。
1.2kGy/(3カ月×30日×24時間)=0.55Gy/h (M)
算出された単位時間当たりの放射線量は、表示部17に表示されて運転員に確認される。
警告部58は、算出部57で特定した積算照射量が既定の閾値より大きい場合に警告をする。
測定装置10は、長期間の放射線の照射によって劣化して、正確な水位の検出ができなくなる。
そこで、積算照射量に閾値を設定して、積算照射量がこの閾値以上になったときを交換時期として表示部17に警告を表示する。
なお、閾値を複数設定して、積算照射量の段階に合わせて警告を変化させてもよい。
そして、第1推定部53および第2推定部54が、それぞれ記録部51および相関保持部52を参照する。
第1推定部53は、図4においては(1)、(3)および(4)の値を積算照射量として推定する。
また、第2推定部54は、記録されたスパンずれ量およびスパンシフトデータに基づいて、V/I変換素子28の積算照射量を少なくとも1つ推定する(第2推定ステップS13)。
第2推定部54は、図4においては(1)および(2)の値を積算照射量として推定する。
さらに、算出部57が、真の積算照射量から式Mのように単位時間当たりの放射線量を算出する(ステップS15)。
算出された単位時間当たりの放射線量は、表示部17に表示されて運転員に確認される。
また、算出部57で単位時間あたりの放射線量を算出して(ステップS18)、積算照射量とともに表示部17に表示する(ステップS19)。
算出部57で特定した積算照射量が既定の閾値以下の場合(ステップS16:YES)、警告はせずに単位時間あたりの放射線量および真の積算照射線量を表示部17に表示する(ステップS18,ステップS19:END)。
複数の検出器20または測定装置10が割出装置50を共有することで、複数の検出地点の監視および測定装置10の管理を一極に集中させることができる。
図6は、第2実施形態にかかる線量割出方法の説明図である。
第2実施形態にかかる割出装置50の第1推定部53は、図6に示されるように、記録時刻の異なる2以上のゼロ点電流によってゼロ点シフトデータの参照範囲を限定する。
ゼロ点シフトデータは測定実験の結果であることが多いので、多数の極値を有していることがある。
そこで、例えば図6に示されるように、検出開始から1カ月後および3カ月後の2つのゼロ点電流を用いて、区間を[A、B]に限定する。
この限定によって、(3)および(4)は積算照射量の推定値から除外されることになる。
また、図7は第2実施形態にかかる線量割出方法の変形例の説明図である。
上述の2以上の記録時刻に基づく区間の限定は、図7に示されるように、第2推定部54においてスパンシフトデータについて実施してもよい。
つまり、記録時刻の異なる2以上のスパンずれ量によってスパンシフトデータの参照範囲を限定することもできる。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
図8は、第3実施形態にかかる線量割出機能付き測定装置90(以下、「割出付き測定装置90」という)の概略構成図である。
また、図9は、第3実施形態にかかる割出付き測定装置90が備える補助測定部61の浸水部61a(バブラチューブ61a)が設けられた検出器20の一例を示す図である。
そして、計測した背圧Psを印加部16に送信して、中空ケーブル23を介して基準圧側ダイヤフラム25aへ印加させる。
なお、例えば開口端27と水圧側ダイヤフラム25bとの深度にずれがある場合、このずれは、計測部61bにおいて微修正されて、水圧Pwと完全に一致される。
従来では、表示部17の水位の指示値を校正する場合、検出器20を一度水面まで引き上げて、水圧側ダイヤフラム25bにかかる水圧Pwを大気圧Patmと一致させていた。
つまり、検出器20を完全に水上まで引き上げることで、図10(A)に示されるように、水圧Pwを降下させて(Pw→Patm)、指示値がゼロ点を示すか確認していた。
つまり、図10(B)に示されるように、基準圧側ダイヤフラム25aにかかる圧力を上昇させて(Patm→Ps)、基準圧側ダイヤフラム25aの圧力を水圧Pwに一致させる。
また、スパン校正をする際にも、この背圧Psを利用することができる。
すなわち、この背圧Psとの差圧ΔPが既定の値となるように印加部16から圧力を印加することで、検出器20を引き上げることなくスパン校正をすることができる。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
Claims (12)
- 放射能汚染された環境下に設置されて検出した特定の物理量をV/I変換素子で電圧から電流に変換して伝送する測定装置に実装される線量割出装置において、
前記放射能汚染による放射線の照射によって、前記V/I変換素子が前記電圧の非入力時に出力するゼロ点電流および付与された既知の電圧に対して出力する電流値の真値からのずれ量を記録する記録部と、
予め取得した前記放射線の積算照射量と前記ゼロ点電流との相関を示すゼロ点シフトデータ、および前記積算照射量と前記ずれ量との相関を示すスパンシフトデータを保持する相関保持部と、
前記記録部に記録された前記ゼロ点電流および前記ゼロ点シフトデータに基づいて前記V/I変換素子の積算照射量を少なくとも1つ推定する第1推定部と、
前記記録部に記録された前記ずれ量および前記スパンシフトデータに基づいて前記V/I変換素子の積算照射量を少なくとも1つ推定する第2推定部と、
前記第1推定部および前記第2推定部がそれぞれ推定した前記積算照射量を比較して共通する積算照射量を真の積算照射量として特定する比較部と、を備えることを特徴とする線量割出装置。 - 前記真の積算照射量を検出開始からの期間で除算して放射線量を算出する算出部を備える請求項1に記載の線量割出装置。
- 記録時刻の異なる2以上の前記ゼロ点電流によって前記ゼロ点シフトデータの参照範囲を限定する請求項1または請求項2に記載の線量割出装置。
- 記録時刻の異なる2以上の前記ずれ量によって前記スパンシフトデータの参照範囲を限定する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の線量割出装置。
- 特定した前記真の積算照射量が既定の閾値より大きくなった場合に警告をする警告部を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の線量割出装置。
- 放射能汚染された環境下に設置されて特定の物理量を電圧として検出する検出器と、
前記物理量を前記電圧から電流に変換するV/I変換素子と、
前記放射能汚染による放射線の照射によって、前記V/I変換素子が前記電圧の非入力時に出力するゼロ点電流および付与された既知の電圧に対して出力する電流値の真値からのずれ量を記録する記録部と、
予め取得した前記放射線の積算照射量と前記ゼロ点電流との相関を示すゼロ点シフトデータ、および前記積算照射量と前記ずれ量との相関を示すスパンシフトデータを保持する相関保持部と、
前記記録部に記録された前記ゼロ点電流および前記ゼロ点シフトデータに基づいて前記V/I変換素子の積算照射量を少なくとも1つ推定する第1推定部と、
前記記録部に記録された前記ずれ量および前記スパンシフトデータに基づいて前記V/I変換素子の積算照射量を少なくとも1つ推定する第2推定部と、
前記第1推定部および前記第2推定部がそれぞれ推定した前記積算照射量を比較して共通する積算照射量を真の積算照射量として特定する比較部と、を備えることを特徴とする線量割出機能付き測定装置。 - 前記検出器は、ダイヤフラム式圧力検出器またはばね式圧力検出器である請求項6に記載の線量割出機能付き測定装置。
- 前記検出器は複数設けられてそれぞれ異なる設置箇所に設置される請求項6または請求項7に記載の線量割出機能付き測定装置。
- 前記測定装置は、投込式水圧計である請求項6または請求項8に記載の線量割出機能付き測定装置。
- 前記検出器は、一部が液体中に開放された筐体の内部を圧力センサで封止して、前記圧力センサが液体から受ける水圧と前記筐体に接続された中空ケーブルによって前記内部から受ける大気圧との差圧を検出し、
前記検出器の外表面に固定されて前記検出器が受ける前記水圧を計測する計測部と、
前記計測部で計測された計測水圧を前記中空ケーブルから印加する印加部と、を備える請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の線量割出機能付き測定装置。 - 放射能汚染された環境下に設置されて検出した特定の物理量をV/I変換素子で電圧から電流に変換して伝送する測定装置を用いた線量割出方法において、
前記放射能汚染による放射線の照射によって、前記V/I変換素子が前記電圧の非入力時に出力するゼロ点電流および付与された既知の電圧に対して出力する電流値の真値からのずれ量を取得するステップと、
予め取得した前記放射線の積算照射量と前記ゼロ点電流との相関を示すゼロ点シフトデータ、および前記積算照射量と前記ずれ量との相関を示すスパンシフトデータを参照するステップと、
記録された前記ゼロ点電流および前記ゼロ点シフトデータに基づいて前記V/I変換素子の積算照射量を少なくとも1つ推定する第1推定ステップと、
記録された前記ずれ量および前記スパンシフトデータに基づいて前記V/I変換素子の積算照射量を少なくとも1つ推定する第2推定ステップと、
前記第1推定ステップおよび前記第2推定ステップで推定したそれぞれの積算照射量を比較して共通する積算照射量を真の積算照射量とするステップと、を含むことを特徴とする線量割出方法。 - 放射能汚染された環境下に設置されて検出した特定の物理量をV/I変換素子で電圧から電流に変換して伝送する測定装置に適用する線量割出プログラムにおいて、
コンピュータに、
前記放射能汚染による放射線の照射によって、前記V/I変換素子が前記電圧の非入力時に出力するゼロ点電流および付与された既知の電圧に対して出力する電流値の真値からのずれ量を取得するステップ、
予め取得した前記放射線の積算照射量と前記ゼロ点電流との相関を示すゼロ点シフトデータ、および前記積算照射量と前記ずれ量との相関を示すスパンシフトデータを参照するステップ、
記録された前記ゼロ点電流および前記ゼロ点シフトデータに基づいて前記V/I変換素子の積算照射量を少なくとも1つ推定する第1推定ステップ、
記録された前記ずれ量および前記スパンシフトデータに基づいて前記V/I変換素子の積算照射量を少なくとも1つ推定する第2推定ステップ、
前記第1推定ステップおよび前記第2推定ステップで推定したそれぞれの積算照射量を比較して共通する積算照射量を真の積算照射量とするステップ、を実行させることを特徴とする線量割出プログラム。
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