JP2017103126A - 燃料電池セル及び燃料電池セルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解質膜に加わる張力を抑制した燃料電池セル及び燃料電池セルの製造方法の提供。【解決手段】膜電極ガス拡散層接合体20と、膜電極ガス拡散層接合体を挟持する第1及び第2セパレータ33a、33cと、樹脂製であり枠状の基材41、基材の一方の面と第1セパレータとを接着した第1接着層42、及び基材の他方の面と第2セパレータ33cとを接着した第2接着層を有したシール部材40と、基材の前記一方の面の内周縁側41e、42eと、電解質膜11の周縁領域11eとを接着する接着部50と、を備え、第1及び第2接着層は、電解質膜の平面方向で接着部50から電解質膜の外側に離れており、電解質膜の平面方向で基材の内周縁41e,42eから第1及び第2接着層42までの間で、基材には接着部50以外に接着成分は設けられておらず、基材は、第1及び第2接着層のそれぞれよりも線膨張係数が小さい、燃料電池セル。【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池セル及び燃料電池セルの製造方法に関する。
電解質膜のカソード側の周縁領域を露出するように段部が設けられた膜電極ガス拡散層接合体と、膜電極ガス拡散層接合体を挟持する一対のセパレータと、一対のセパレータに挟持され電解質膜の周縁領域に接着されたシール部材とを備えた燃料電池セルが知られている。シール部材は、樹脂製の基材の両面に接着層が設けられており、接着層は一対のセパレータに接着されている。また、接着層の一方は、電解質膜に接着される(例えば特許文献1参照)。
シール部材の接着層は、例えば熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられて、セパレータと熱圧着される。接着層が熱可塑性樹脂の場合には、熱圧着後の冷却時に、セパレータや電解質膜に接着されていない接着層の一部分が収縮して、電解質膜に張力が加わる可能性がある。また、接着層が熱硬化性樹脂の場合にも、熱硬化後の冷却時に接着層の一部分が収縮して、同様の問題が生じる可能性がある。更に、このような燃料電池が低温環境下に置かれた場合にも、接着層の一部分が収縮して、同様の問題が生じる可能性がある。
そこで、本発明は、電解質膜に加わる張力を抑制した燃料電池セル及び燃料電池セルの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的は、電解質膜、前記電解質膜の一方の面に形成された第1触媒層、前記電解質膜の周縁領域を露出するように前記電解質膜の他方の面に形成された第2触媒層、前記第1触媒層に接合された第1ガス拡散層、及び前記周縁領域を露出するように前記第2触媒層に接合された第2ガス拡散層、を有する膜電極ガス拡散層接合体と、前記膜電極ガス拡散層接合体を挟持する第1及び第2セパレータと、樹脂製であり枠状の基材、前記基材の一方の面と前記第1セパレータとを接着した第1接着層、及び前記基材の他方の面と前記第2セパレータとを接着した第2接着層、を有したシール部材と、前記基材の前記一方の面の内周縁側と、前記電解質膜の前記周縁領域とを接着する接着部と、を備え、前記第1及び第2接着層は、前記電解質膜の平面方向で前記接着部から前記電解質膜の外側に離れており、前記電解質膜の平面方向で前記基材の内周縁から前記第1及び第2接着層までの間で、前記基材には前記接着部以外に接着成分は設けられておらず、前記基材は、前記第1及び第2接着層のそれぞれよりも線膨張係数が小さい、燃料電池セルによって達成できる。
基材の一方の面の内周縁側が電解質膜の周縁領域に接着部により接着され、第1及び第2接着層は電解質膜の平面方向で接着部から電解質膜の外側に離れており、電解質膜の平面方向で基材の内周縁から第1及び第2接着層までの間で基材には接着部以外の接着成分は設けられていない。このため、第1及び第2接着層の収縮に伴って基材が収縮することが抑制されている。また、基材は電解質膜の周縁領域に接着されているが、基材は第1及び第2接着層のそれぞれよりも線膨張係数が小さいため、基材自体の収縮も抑制されている。以上により、基材の収縮に伴って電解質膜に加わる張力が抑制される。
前記基材の線膨張係数は、57×10−6/K以下が好ましい。
前記第1及び第2接着層は、熱可塑性樹脂が好ましい。
また、上記目的は、電解質膜、前記電解質膜の一方の面に形成された第1触媒層、前記電解質膜の周縁領域を露出するように前記電解質膜の他方の面に形成された第2触媒層、前記第1触媒層に接合された第1ガス拡散層、及び前記周縁領域を露出するように前記第2触媒層に接合された第2ガス拡散層、を有する膜電極ガス拡散層接合体を準備する工程と、第1及び第2セパレータを準備する工程と、樹脂製であり枠状の基材、及び前記基材の一方の面及び他方の面にそれぞれ設けられた第1及び第2接着層、を有し、前記第1及び第2接着層は前記基材の平面方向で前記電解質膜よりも大きく、前記基材の平面方向で前記基材の内周縁から前記第1及び第2接着層までの間で前記基材には接着成分は設けられておらず、前記基材は前記第1及び第2接着層のそれぞれよりも線膨張係数が小さい、シール部材を製造する工程と、前記第1及び第2接着層が前記電解質膜の平面方向で前記電解質膜から離れるように、前記基材の前記一方の面の内周縁側を接着剤により前記電解質膜の前記周縁領域に接着させる工程と、前記膜電極ガス拡散層接合体及びシール部材を、前記第1及び第2セパレータで挟持させながら、前記第1及び第2接着層によりそれぞれ前記第1及び第2セパレータに接着させる工程と、を備えた、燃料電池セルの製造方法によっても達成できる。
前記シール部材を製造する工程は、長尺状の前記基材と長尺状の前記第1及び第2接着層とを準備する工程と、前記第1及び第2接着層に前記電解質膜よりも大きい開口をそれぞれ形成する工程と、前記開口の位置が互いに一致するように、前記第1及び第2接着層をそれぞれ前記基材の前記一方の面及び他方の面に貼り付ける工程と、前記開口よりも外側の位置で、前記第1及び第2接着層と共に前記基材を、矩形状に裁断する工程と、前記開口の内周縁から内側に間隔をあけて前記基材の中央部を、前記電解質膜の周縁領域の外周形状よりも小さく前記第2触媒層よりも大きい形状に裁断する工程と、前記開口よりも外側の位置でマニホールド用の孔を形成する工程と、を含む、構成であってもよい。
電解質膜に加わる張力を抑制した燃料電池セル及び燃料電池セルの製造方法を提供できる。
図1は、燃料電池セルである単セル60の分解斜視図である。燃料電池は、単セル60が複数積層されることで構成される。この燃料電池は、反応ガスとして燃料ガス(例えば水素)と酸化剤ガス(例えば酸素)の供給を受けて発電する固体高分子型燃料電池である。単セル60は、膜電極ガス拡散層接合体20(以下、MEGA(Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly)と称する)と、MEGA20を挟持するアノード側セパレータ33a及びカソード側セパレータ33c(以下、セパレータと称する)とを含む。MEGA20は、アノード側ガス拡散層22a及びカソード側ガス拡散層22c(以下、拡散層と称する)を有している。MEGA20の周縁領域には、詳しくは後述するが、略枠状であり絶縁性を有したシール部材40が設けられている。
セパレータ33aの2つの短辺の一方側には孔a1〜a3が形成され、他方側には孔a4〜a6が形成されている。同様に、セパレータ33cの2つの短辺の一方側には孔c1〜c3が形成され、他方側には孔c4〜c6が形成されている。シール部材の2つの短辺の一方側には孔s1〜s3が形成され、他方側には孔s4〜s6が形成されている。孔a1、s1、及びc1は連通してカソード入口マニホールドを画定する。同様に、孔a2、s2、及びc2は、冷媒出口マニホールドを、孔a3、s3、及びc3はアノード出口マニホールドを、孔a4、s4、及びc4はアノード入口マニホールドを、孔a5、s5、及びc5は冷媒入口マニホールドを、孔a6、s6、及びc6はカソード出口マニホールドを画定する。
MEGA20に対向するセパレータ33aの面には、アノード入口マニホールドとアノード出口マニホールドとを連通して燃料ガスが流れるアノード流路34aが形成されている。MEGA20に対向するセパレータ33cの面には、カソード入口マニホールドとカソード出口マニホールドとを連通して酸化剤ガスが流れるカソード流路34cが形成されている。セパレータ33aのアノード流路34aとは反対側の面、及びセパレータ33cのカソード流路34cとは反対側の面には、冷媒入口マニホールドと冷媒出口マニホールドとを連通し冷媒が流れる冷媒流路35a及び35cがそれぞれ形成されている。
図2は、燃料電池1の単セル60の部分断面図である。尚、図2では、一つの単セル60のみを図示し、その他の単セルについては省略してある。MEGA20は、上述した拡散層22a及び22cと、膜電極接合体(以下、MEAと称する)10とを含む。MEA10は、略矩形状の電解質膜11と、電解質膜11の一方の面(図2において、下側の面)及び他方の面(図2において、上側の面)にそれぞれ形成されたアノード側触媒層12a及びカソード側触媒層12c(以下、触媒層と称する)とを含む。電解質膜11は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜であり、例えばフッ素系のイオン交換膜である。電解質膜11は、周縁領域11eと、周縁領域11eに囲まれた中央領域11cとを有している。
触媒層12aは、電解質膜11の端部との位置が略揃うように形成されている。即ち、触媒層12aは、電解質膜11の周縁領域11e及び中央領域11cを含む、電解質膜11の一方の面の略全面にわたって形成されている。触媒層12cは、電解質膜11の他方の面の中央領域11cに形成され、周縁領域11eには形成されていない。触媒層12a及び12cは、それぞれ第1及び第2触媒層の一例である。触媒層12a及び12cは、例えば白金(Pt)などを担持したカーボン担体とプロトン伝導性を有するアイオノマとを、電解質膜11に塗布することにより形成される。
拡散層22a及び22cはそれぞれ、触媒層12a及び12cに接合されている。拡散層22a及び22cは、ガス透過性及び導電性を有する材料、例えば炭素繊維や黒鉛繊維などの多孔質の繊維基材で形成されている。拡散層22aは、触媒層12aに接合された第1ガス拡散層の一例である。拡散層22cは、その端部が触媒層12cの端部よりもやや内側に位置するか又は略揃う位置に設けられている。従って、拡散層22cは、触媒層12cを介して電解質膜11の中央領域11cに重なるが周縁領域11eには重ならないように設けられている。これにより、拡散層22cは、周縁領域11eを露出するように設けられている。従って、MEGA20の周縁部には、図2に示すように段部25が形成される。拡散層22cは、周縁領域11eを露出するように触媒層12cに接合された第2ガス拡散層の一例である。
拡散層22aも同様に、その端部が、触媒層12aの端部に略揃う位置に設けられるが、上述したように触媒層12aは電解質膜11の一方の面に略全面にわたって形成されている。このため、拡散層22aは、触媒層12aを介して中央領域11cのみならず周縁領域11eにも重なるように設けられている。このように周縁領域11eにも重なるように拡散層22aが設けられているため、MEA10は安定して支持されている。また、拡散層22a及び22cの双方とも、それぞれ触媒層12a及び12cに接合され、電解質膜11には直接接触しないように設けられている。このため、例えば拡散層22a又22cの繊維が電解質膜11に直接接触して電解質膜11に傷がつくことが防止されている。また、拡散層22cは拡散層22aよりも薄いため、カソードガスの拡散抵抗の増大が抑制されており、燃料電池1の発電効率の低下が抑制されている。尚、本実施例では、拡散層22cは拡散層22aよりも薄く形成されているが、これに限定されない。
シール部材40は、クロスリークや触媒電極同士の電気的短絡を防ぐための部材であり、枠状であり樹脂製である。シール部材40は、枠状であり樹脂製の基材41と、基材41の両面に設けられた接着層42とを含む。基材41の一方の面(図2において下側の面)に設けられた接着層42は、セパレータ33aと接着している。基材41の他方の面(図2において上側の面)に設けられた接着層42は、セパレータ33cと接着している。このように、シール部材40は、一対のセパレータ33a及び33cにより挟持されている。接着層42も、基材41と同様に、基材41の両面に枠状に設けられている。基材41の一方の面に設けられた接着層42は、第1接着層の一例であり、基材41の他方の面に設けられた接着層42は、第2接着層の一例である。
図2に示すように、2つの接着層42は、それぞれセパレータ33a及び33cと接着した部分にのみに設けられており、電解質膜11の平面方向で電解質膜11から外側に離れている。従って、接着層42の内周縁42eは、基材41の内周縁41eよりも外側に位置している。基材41の内周縁41e側は、接着剤50により電解質膜11の周縁領域11eに接着されている。尚、接着剤50は、基材41の内周縁41e側の一方の面(図2において下側の面)と電解質膜11の周縁領域11eとの間にあってもよい。接着剤50は、例えば熱硬化性樹脂であるが、紫外線硬化性樹脂であってもよい。接着剤50の塗布前の状態は、例えば、ゲル状、ジェル状、クリーム状の何れであってもよい。接着剤50は、基材41の一方の面の内周縁41e側と、電解質膜11の周縁領域11eとを接着する接着部の一例である。
また、電解質膜11の平面方向で基材41の内周縁41eと接着層42との間において、基材41には接着剤50以外の接着成分は設けられていない。詳細には、基材41の一方の面では、接着層42は電解質膜11の平面方向で接着剤50から電解質膜11の外側に離れており接着層42と接着剤50との間には接着成分が設けられていない。基材41の他方の面では、接着層42は電解質膜11の平面方向で接着剤50から電解質膜11の外側に離れており接着層42と接着剤50と間には、接着成分は設けられていない。即ち、電解質膜11の周縁領域11e周辺での基材41上には、接着剤50以外の接着成分は設けられていない。
基材41は、後述する単セル60の製造工程での熱圧着時の温度条件下でも構造が変化しない材料により形成されている。具体的には、基材41の材料は、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)等である。接着層42は、基材41とセパレータ33a及び33cとを接着してシール性を確保するために、他の物質との接着性が高く、熱圧着時の温度条件下で軟化し、基材41よりも粘度及び融点が低い性質を有する。具体的には、接着層42は、ポリエステル系や変性オレフィン系の熱可塑性樹脂であるが、変性エポキシ樹脂である熱硬化性樹脂であってもよい。
セパレータ33a及び33cは、MEGA20を挟持した一対のセパレータの一例であり、シール部材40をも狭持している。セパレータ33a及び33cは、ガス遮断性及び導電性を有する材料によって形成され、プレス成形されたステンレス鋼や、チタンやチタン合金といった金属によって形成される薄板状部材、又は緻密質カーボン等のカーボン製部材によって形成してもよい。
次に、本実施例とは異なる比較例で起こり得る問題について説明する。図3は、比較例の説明図である。尚、比較例については本実施例と同一の構成については同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。比較例の燃料電池1xの単セル60xでは、MEGA20xの拡散層22ax及び22cxの厚みは同じである。また、シール部材40xの基材41の両面側で、接着層42xの内周縁42eと基材41の内周縁41eとが揃っている。また、基材41の一方の面(図3で下側の面)に設けられた接着層42xが、接着剤50により電解質膜11に接着されている。また、接着層42xは、接着層42と同様に、熱可塑性樹脂である。
このような燃料電池1xでは、接着剤50によりシール部材40xが電解質膜11の周縁領域11eに接着した後に、熱圧着によりセパレータ33a及び33cとシール部材40xとが接着される。従って、セパレータ33a及び33cとシール部材40xとの熱圧着後の冷却時には、セパレータ33a及び33cにも接着されておらず接着剤50にも接着されていない接着層42xの一部分が収縮して、電解質膜11がその平面方向外側、即ち図3の矢印の方向に引っ張られる可能性がある。また、接着層42xが熱硬化性樹脂の場合であっても、熱硬化後の冷却時に接着層42xが収縮して、同様の問題が生じる可能性がある。更に、燃料電池1xが低温環境下に置かれた場合には、接着層42xが熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の何れの場合であっても、同様の問題が生じる可能性がある。このように電解質膜11に張力が加わることにより、電解質膜11が損傷する可能性がある。
そこで本実施例の燃料電池1では、上述したように、電解質膜11の周縁領域11e周辺での基材41上には、接着剤50以外の接着成分は設けられていない。このため、接着層42が収縮したとしても、接着層42と共に基材41が収縮することが抑制されている。このように、基材41が収縮することが抑制されているので、基材41に接着された電解質膜11に加わる張力も抑制されている。
また、基材41自体も収縮し難いように、接着層42よりも線膨張係数が小さい材料が採用されている。例えば、接着層42がポリエステル系の熱可塑性樹脂の場合にはその線膨張係数は200×10−6/Kであり、変性オレフィン系の熱可塑性樹脂の場合には300×10−6/K、変性エポキシ樹脂である熱硬化性樹脂の場合には180×10−6/Kである。これに対して、基材41がPENの場合には18×10−6/Kであり、PESの場合には57×10−6/Kであり、PETの場合には15×10−6/Kである。このように基材41の材料として収縮しにくいものが採用されているため、低温環境下でも基材41の収縮が抑制されている。尚、基材41の材料はこれらに限定されず、基材41の線膨張係数が57×10−6/K以下となる材料であることが好ましい。以上のように、基材41自体が収縮することも抑制されているため、電解質膜11に加わる張力が抑制されている。
次に、単セル60の製造方法について説明する。図4は、単セル60の製造方法を示すフローチャートである。まず、MEGA20とセパレータ33a及び33cとを準備して(ステップS10)、シール部材40を製造する(ステップS20)。次に、段部25で露出している電解質膜11の周縁領域11eに例えばディスペンサー等により接着剤50を塗布し、接着層42が電解質膜11の平面方向で電解質膜11から離れるように、基材41の内周縁41e側を電解質膜11の周縁領域11eに接着させる(ステップS30)。接着剤50の硬化は、接着剤50が紫外線硬化樹脂の場合には、紫外線を照射することにより行う。接着剤50が熱硬化樹脂の場合には、紫外線を照射する代わりに加熱する。尚、接着剤50が紫外線硬化樹脂の場合には、接着剤50を短時間で硬化でき、製造コストを低減できる。また、基材41と電解質膜11との接着の際には、基材41の内周縁41eが拡散層22cに接触しないように所定のクリアランスを空けて接着する。
次に、セパレータ33a及び33cをそれぞれ拡散層22a及び22c側に配置して、セパレータ33a及び33cによりMEGA20とシール部材40とを挟持させて(ステップS40)、セパレータ33a及び33cと接着層42とを熱圧着により接着させる(ステップS50)。このようにすることで、MEGA20の外周がシール部材40によりシールされた単セル60を得ることができる。この単セル60を積層することで、燃料電池1を製造することができる。尚、ステップS10及びS20については順序は問わず、同時に行ってもよい。
次に、シール部材40の製造方法について説明する。図5は、シール部材40の製造方法を示すフローチャートである。図6A〜図6C、図7A、及び図7Bは、シール部材40の製造方法の説明図である。まず、図6Aに示すように、長尺状の基材シート41aと2つの長尺状の接着シート42aとを準備する(ステップS21)。基材シート41a及び接着シート42aは、それぞれ、製造後のシール部材40の基材41及び接着層42を構成するものである。接着シート42aの材質は、熱可塑性樹脂であり、例えばポリエステル系樹脂や変性オレフィン系樹脂である。基材シート41aは、長尺状の基材41の一例である。接着シート42aは、長尺状の接着層42の一例である。
次に、図6Bに示すように、2つの接着シート42aのそれぞれに、長手方向に沿って矩形状の開口42dを複数形成する(ステップS22)。開口42dの内周縁42eは、上述した製造後のシール部材40の接着層42の内周縁42eに相当する。従って、開口42dの大きさは、電解質膜11よりも大きくなるように形成する。また、開口42dの大きさ及び形状は、セパレータ33a及び33cにより挟持される接着層42の位置をも考慮して設定する。具体的には、セパレータ33a及び33cのうちアノード流路34a及びカソード流路34cが形成されている部分と略同じ大きさ及び形状となるように、開口42dを形成する。
次に、図6Cに示すように、開口42dの内周縁42eの位置が一致するように、基材シート41aの両面にそれぞれ接着シート42aを貼付ける(ステップS23)。具体的には、ローラコンベヤで基材シート41aと2つの接着シート42aを搬送させながら、圧着ローラ等により接着シート42aを基材シート41aの両面に貼付ける。尚、ステップS23では、基材シート41aの両面に同時に接着シート42aを貼付けてもよいし、片面ずつ順に貼付けてもよい。
次に、図7Aに示すように、開口42dよりも外側で、セパレータ33a及び33cの外周形状と略同じ大きさ及び形状に、基材シート41a及び接着シート42aを略矩形状に裁断する(ステップS24)。尚、この際、開口42dからマニホールド用の孔s1〜s6を形成できる部分だけのスペースを空けて、基材シート41a及び接着シート42aを裁断する。図7Aには、裁断された裁断片40´を示している。
次に、ステップS24で裁断された裁断片40´について、開口42dの内周縁よりも所定の間隔を開けた基材シート41aの中央部を略矩形状に裁断する(ステップS25)。この際に、基材シート41aから裁断される中央部が、電解質膜11の周縁領域11eの外周形状よりも小さく、中央領域11cの外周形状、即ち触媒層12cよりも大きい形状に裁断する。これにより、電解質膜11の周縁領域11e上に内周縁41e側を配置可能な大きさの基材41が形成される。
次に、開口42dの外側で接着シート42a及び基材シート41aを裁断してマニホールド用の孔s1〜s6を形成する(ステップS26)。このようにして、枠状のシール部材40を製造できる。尚、ステップS24、S25、及びS26の順序は問わず、同時に行ってもよい。以上のようにして、図7Bに示すようにシール部材40が製造され、電解質膜11に加わる張力を抑制した単セル60を製造できる。尚、図7Bのシール部材40は、図7Aの裁断片40´よりも拡大して示している。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
尚、上記実施例では第1及び第2触媒層の一例としてそれぞれアノード側の触媒層12a及びカソード側の触媒層12cを示し、第1及び第2拡散層の一例としてそれぞれアノード側の拡散層22a及びカソード側のガス拡散層22cを示したが、これに限定されない。第1及び第2触媒層はそれぞれカソード側触媒層及びアノード側触媒層であり、第1及び第2拡散層はそれぞれカソード側のガス拡散層及びアノード側のガス拡散層であってもよい。
1 燃料電池
10 膜電極接合体
11 電解質膜
11e 周縁領域
11c 中央領域
12a アノード側触媒層(第1触媒層)
12c カソード側触媒層(第2触媒層)
22a アノード側ガス拡散層(第1ガス拡散層)
22c カソード側ガス拡散層(第2ガス拡散層)
33a アノード側セパレータ(第1セパレータ)
33c カソード側セパレータ(第2セパレータ)
40 シール部材
41 基材
41e、42e 内周縁
41a 基材シート
42 接着層(第1及び第2接着層)
42a 接着シート
50 接着剤(接着部)
60 単セル
10 膜電極接合体
11 電解質膜
11e 周縁領域
11c 中央領域
12a アノード側触媒層(第1触媒層)
12c カソード側触媒層(第2触媒層)
22a アノード側ガス拡散層(第1ガス拡散層)
22c カソード側ガス拡散層(第2ガス拡散層)
33a アノード側セパレータ(第1セパレータ)
33c カソード側セパレータ(第2セパレータ)
40 シール部材
41 基材
41e、42e 内周縁
41a 基材シート
42 接着層(第1及び第2接着層)
42a 接着シート
50 接着剤(接着部)
60 単セル
Claims (5)
- 電解質膜、前記電解質膜の一方の面に形成された第1触媒層、前記電解質膜の周縁領域を露出するように前記電解質膜の他方の面に形成された第2触媒層、前記第1触媒層に接合された第1ガス拡散層、及び前記周縁領域を露出するように前記第2触媒層に接合された第2ガス拡散層、を有する膜電極ガス拡散層接合体と、
前記膜電極ガス拡散層接合体を挟持する第1及び第2セパレータと、
樹脂製であり枠状の基材、前記基材の一方の面と前記第1セパレータとを接着した第1接着層、及び前記基材の他方の面と前記第2セパレータとを接着した第2接着層、を有したシール部材と、
前記基材の前記一方の面の内周縁側と、前記電解質膜の前記周縁領域とを接着する接着部と、を備え、
前記第1及び第2接着層は、前記電解質膜の平面方向で前記接着部から前記電解質膜の外側に離れており、
前記電解質膜の平面方向で前記基材の内周縁から前記第1及び第2接着層までの間で、前記基材には前記接着部以外に接着成分は設けられておらず、
前記基材は、前記第1及び第2接着層のそれぞれよりも線膨張係数が小さい、燃料電池セル。 - 前記基材の線膨張係数は、57×10−6/K以下である、請求項1の燃料電池セル。
- 前記第1及び第2接着層は、熱可塑性樹脂である、請求項1又は2の燃料電池セル。
- 電解質膜、前記電解質膜の一方の面に形成された第1触媒層、前記電解質膜の周縁領域を露出するように前記電解質膜の他方の面に形成された第2触媒層、前記第1触媒層に接合された第1ガス拡散層、及び前記周縁領域を露出するように前記第2触媒層に接合された第2ガス拡散層、を有する膜電極ガス拡散層接合体を準備する工程と、
第1及び第2セパレータを準備する工程と、
樹脂製であり枠状の基材、及び前記基材の一方の面及び他方の面にそれぞれ設けられた第1及び第2接着層、を有し、前記第1及び第2接着層は前記基材の平面方向で前記電解質膜よりも大きく、前記基材の平面方向で前記基材の内周縁から前記第1及び第2接着層までの間で前記基材には接着成分は設けられておらず、前記基材は前記第1及び第2接着層のそれぞれよりも線膨張係数が小さい、シール部材を製造する工程と、
前記第1及び第2接着層が前記電解質膜の平面方向で前記電解質膜から離れるように、前記基材の前記一方の面の内周縁側を接着剤により前記電解質膜の前記周縁領域に接着させる工程と、
前記膜電極ガス拡散層接合体及びシール部材を、前記第1及び第2セパレータで挟持させながら、前記第1及び第2接着層によりそれぞれ前記第1及び第2セパレータに接着させる工程と、を備えた、燃料電池セルの製造方法。 - 前記シール部材を製造する工程は、
長尺状の前記基材と長尺状の前記第1及び第2接着層とを準備する工程と、
前記第1及び第2接着層に前記電解質膜よりも大きい開口をそれぞれ形成する工程と、
前記開口の位置が互いに一致するように、前記第1及び第2接着層をそれぞれ前記基材の前記一方の面及び他方の面に貼り付ける工程と、
前記開口よりも外側の位置で、前記第1及び第2接着層と共に前記基材を、矩形状に裁断する工程と、
前記開口の内周縁から内側に間隔をあけて前記基材の中央部を、前記電解質膜の周縁領域の外周形状よりも小さく前記第2触媒層よりも大きい形状に裁断する工程と、
前記開口よりも外側の位置でマニホールド用の孔を形成する工程と、を含む、請求項4の燃料電池セルの製造方法。
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