JP2017105387A - 車両の操向制御システムおよび操向制御方法 - Google Patents

車両の操向制御システムおよび操向制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】停車中にハンドルが操作された場合に、意図しない超信地旋回が行なわれるのを防止することができる車両の操向制御システムおよび操向制御方法を提供する。
【解決手段】操向制御システムの制御装置50は、アクセルペダル52が操作されていない状態で超信地旋回モード切替スイッチ57がオフされている場合には、ハンドル56の操作によって旋回用油圧ポンプ7の流量が変化しないように、ハンドル56と旋回用油圧ポンプ7とが非連動状態となるように制御する。また、アクセルペダル52が操作されていない状態で超信地旋回モード切替スイッチ57がオンされている場合には、ハンドル56の操作量に応じてエンジン5の回転数と、旋回用油圧ポンプ7の流量とを変化させ、車両2の停車状態から超信地旋回を行なう。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両の走行方向を制御するための操向制御システムおよび操向制御方法に関する。
従来、凍土や泥濘地などで使用される運搬車両や不整地走行車両などの車両には、走行用油圧モータの動力によって車両を直進走行させる走行駆動系と、旋回用油圧モータの動力によって前記車両を旋回させる旋回駆動系と、走行用油圧モータおよび旋回用油圧モータを制御する操向制御システムとを備えるものが知られている。また、従来の運搬車両や不整地走行車両は比較的低速で走行するものが多かったが、近年は、時速30km以上の比較的速い速度で走行する車両も増えている。
比較的高速で操向する車両には、運転操作性を向上させるために、従来の農機具などで一般的な操向レバーではなく、乗用車と同様のアクセルペダルと、回転操作されるハンドルとを採用しているものがある(例えば、特許文献1参照)。このような車両の操向制御システムは、アクセルペダルの操作量に応じて走行用油圧モータを駆動する走行用油圧ポンプの流量と、走行用油圧ポンプを駆動するエンジンの回転速度とを調節し、ハンドルの操作量に応じて旋回用油圧モータを駆動する旋回用油圧ポンプの流量を調節する。
特開2003−040133号公報
ハンドルを備える車両では、運転者が乗降する際にハンドルに手を掛けて操作してしまったり、一般的な乗用車でハンドルを据え切りするのと同じような感覚で停車中にハンドルが操作されることが考えられる。しかしながら、従来の車両は、ハンドルの操作量に応じて旋回用油圧ポンプの流量が変化するため、車両の停車中に不用意にハンドルが操作されると、運転者の意図しない超信地旋回が行われてしまい危険な場合が考えられる。
本発明は、上記課題を解決するために、停車中にハンドルが操作された場合に意図しない超信地旋回が行なわれるのを防止することができる、車両の操向制御システムおよび操向制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、走行用油圧モータの動力によって車両を直進走行させる走行駆動系と、旋回用油圧モータの動力によって車両を旋回させる旋回駆動系とを備えた車両に設けられ、車両のアクセル操作手段の操作量に応じて、走行用油圧モータを駆動する走行用油圧ポンプの流量と、走行用油圧ポンプを駆動するエンジンの回転速度とを調節し、車両のハンドルの操作量に応じて、旋回用油圧モータを駆動する旋回用油圧ポンプの流量を調節する制御手段を備えた車両の操向制御システムである。この操向制御システムは、旋回駆動系により車両をその場で旋回させる超信地旋回を行うか否かを切り替える超信地旋回モード切替スイッチを備えており、制御手段は、アクセル操作手段の操作状態を検出し、アクセル操作手段が操作されていない状態で超信地旋回モード切替スイッチがオフされている第1の条件に該当する場合には、ハンドルの操作によって旋回用油圧ポンプの流量が変化しないように、ハンドルと旋回用油圧ポンプとを非連動状態とし、アクセル操作手段が操作されていない状態で超信地旋回モード切替スイッチがオンされている第2の条件に該当する場合には、ハンドルの操作量に応じて旋回用油圧ポンプの流量を調節し、車両を超信地旋回させる。
この発明によれば、車両の停車中に超信地旋回モード切替スイッチをオフにしておくことにより、ハンドルの操作によって旋回用油圧ポンプの流量が調節されない非連動状態となるので、超信地旋回は行なわれない。また、これとは逆に、車両の停車中に超信地旋回モード切替スイッチをオンにすることにより、ハンドルの操作量に応じて旋回用油圧ポンプの流量が調節されるので、超信地旋回が行なわれる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の操向制御システムにおいて、制御手段は、アクセル操作手段が操作されていない状態で超信地旋回モード切替スイッチがオンされている第2の条件に該当する場合には、ハンドルの操作量に応じて旋回用油圧ポンプの流量とともに、エンジンの回転速度を調節するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両の操向制御システムにおいて、車両の左右一対の車軸に左右一対の遊星歯車機構がそれぞれ連結されており、走行駆動系は、走行用油圧モータの動力を左右一対の遊星歯車機構の太陽ギヤに入力し、一対の車軸を同方向に同速度で回転させ、旋回駆動系は、旋回用油圧モータの動力を左右一対の遊星歯車機構のリングギヤに入力して互いに逆方向に回転させ、一対の車軸の回転速度に差を生じさせるものである。
請求項4に記載の発明は、走行用油圧モータの動力によって車両を直進走行させる走行駆動系と、旋回用油圧モータの動力によって前記車両を旋回させる旋回駆動系とを備えた車両に用いられ、車両のアクセル操作手段の操作量に応じて、走行用油圧モータを駆動する走行用油圧ポンプの流量と、走行用油圧ポンプを駆動するエンジンの回転速度とを調節し、車両のハンドルの操作量に応じて、旋回用油圧モータを駆動する旋回用油圧ポンプの流量を調節する車両の操向制御方法である。この操向制御方法は、旋回駆動系により車両をその場で旋回させる超信地旋回を行うか否かを切り替える超信地旋回モード切替スイッチの操作状態を検出するステップと、アクセル操作手段の操作状態を検出するステップとを備えており、アクセル操作手段が操作されていない状態で超信地旋回モード切替スイッチがオフされている第1の条件に該当する場合には、ハンドルの操作によって旋回用油圧ポンプの流量が変化しないように、ハンドルと旋回用油圧ポンプとを非連動状態とし、アクセル操作手段が操作されていない状態で超信地旋回モード切替スイッチがオンされている第2の条件に該当する場合には、ハンドルの操作量に応じて旋回用油圧ポンプの流量を調節し、車両を超信地旋回させる。
請求項1および請求項4に記載の発明によれば、アクセル操作手段が操作されていない状態で、超信地旋回モード切替スイッチがオフされている場合には、ハンドルの操作によって旋回用油圧ポンプの流量が調節されない非連動状態となるので、運転者が意図しない超信地旋回が不用意に行なわれるのを防止することができる。また、アクセル操作手段が操作されていない状態で、超信地旋回モード切替スイッチがオンされている場合には、ハンドルの操作量に応じて超信地旋回を行なうことができ、車両の操作性が向上する。
請求項2に記載の発明によれば、アクセル操作手段が操作されていない状態で超信地旋回モード切替スイッチがオンされている場合には、ハンドルの操作量に応じて旋回用油圧ポンプの流量とともにエンジンの回転速度を調節するので、旋回用油圧ポンプとエンジンとを統括的に制御して、動力効率よく車両を超信地旋回することができる。
請求項3に記載の発明によれば、左右一対の遊星歯車機構と、この遊星歯車機構に動力を伝達する走行駆動系および旋回駆動系とを備え、比較的高速で走行する車両において、不用意に超信地旋回が行われるのを防止することができる。
第1の実施の形態の走行駆動装置が取り付けられた車両のシャーシ部分を示す斜視図である。 第1の実施の形態の走行駆動装置の外観斜視図である。 第1の実施の形態の走行駆動装置の水平方向の断面図である。 第1の実施の形態の走行駆動装置の動力伝達ブロック図である。 第1の実施の形態の操向制御システムの構成を示す制御ブロック図である。 第1の実施の形態の旋回モードの切替手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態の走行駆動装置の動力伝達ブロック図である。
(実施の形態1)
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態の走行駆動装置1が取り付けられた車両2のシャーシ部分を示す斜視図である。車両2は、例えば、凍土や泥濘地などで使用される運搬車両や、不整地走行車両であり、農機具や工事用車両よりも比較的速い速度で走行する車両である。車両2は、図中右方が車両前部、図中左方が車両後部であり、車両2の両側方には、前後方向に沿って配されたシャーシ3L、3Rを備えている。シャーシ3L、3Rは、車両2の幅方向に配設された複数のフレーム(図示せず)によって一体化されている。走行駆動装置1は、車両後部に配置されており、左右一対の軸支部材4L、4Rと、走行駆動装置1の下部を支持する下部フレーム(図示せず)とによってシャーシ3L、3Rに固定されている。また、走行駆動装置1の動力源となるエンジン5と、このエンジン5によって駆動される走行用油圧ポンプ6および旋回用油圧ポンプ7(図5参照)は、車両2の前部側に配置されている。
車両2は、車両2を前方から見て、左右一対のクローラ8L、8Rを備える。左右一対のクローラ8L、8Rは、走行駆動装置1に設けられた左右一対の車軸9L、9R(図3参照)によって回転される一対の駆動輪10L、10Rと、車両2の後部でシャーシ3L、3Rに固定され、前方に向けて付勢された遊動輪(図示せず)と、駆動輪10L、10Rと遊動輪とに巻掛けられた履帯11L、11Rと、シャーシ3L、3Rに固定されて履帯11L、11Rの下側内周面を支持する複数個の下部転輪12L、12Rとを備える。車両2は、左右の駆動輪10L、10Rが同速度で回転することにより前方または後方に直進し、左右の駆動輪10L、10Rが異なる速度で回転することにより、前方または後方に左旋回もしくは右旋回する。また、車両2は、左右の駆動輪10L、10Rが互いに逆方向に回転することにより超信地旋回をする。
図2は、走行駆動装置1の外観斜視図、図3は、走行駆動装置1の水平方向の断面図、図4は、走行駆動装置1の動力伝達ブロック図である。走行駆動装置1は、1つのケース13に走行用入力シャフト14、旋回用入力シャフト15、および左右一対の遊星歯車機構16L、16Rなどの主要な構成部品を収容して一体化されている。ケース13は、大きく分けて、遊星歯車機構16L、16Rなどを収容する歯車ケース17と、走行用入力シャフト14および旋回用入力シャフト15などを収容するシャフトケース18と、後述するブレーキケース19と、左右一対の側面ケース20L、20R、および車軸ケース21L、21Rから構成されている。
ブレーキケース19は、シャフトケース18の車両前部側に取り付けられた略箱状のケースであり、走行用油圧モータ22および旋回用油圧モータ23が取り付けられる2つの取付インロー部19a、19bを備える。走行用油圧モータ22および旋回用油圧モータ23は、車両前部に配置された走行用油圧ポンプ6および旋回用油圧ポンプ7から供給された作動油によって回転する。また、ブレーキケース19内には、走行用油圧モータ22および旋回用油圧モータ23から走行用入力シャフト14および旋回用入力シャフト15への動力伝達を遮断する走行用ブレーキ24、および旋回用ブレーキ25が組み込まれている。
走行用ブレーキ24および旋回用ブレーキ25は、いわゆるネガティブブレーキと呼ばれるブレーキ装置であり、図示しないバネによりブレーキピストンを介して摩擦板およびセパレートプレートを押圧して制動力を発生し、ブレーキピストンに圧油が供給され、ブレーキピストンによりバネによる摩擦板およびセパレートプレートの押圧が解除された場合に制動力が開放される。走行用ブレーキ24は、車両2を超信地旋回させる際に作動される。また、旋回用ブレーキ25は、車両2を直進走行させる際に作動される。さらに、走行用ブレーキ24および旋回用ブレーキ25は、車両2の走行中に、運転者の操作に応じて速度を低下させるサービスブレーキの他、停車中の車両2を制動する駐車ブレーキとしても機能する。
走行用油圧モータ22、走行用ブレーキ24、走行用入力シャフト14は、走行駆動装置1において車両2を前進または後進させる走行駆動系1Aを構成する。走行用入力シャフト14は、走行用油圧モータ22の駆動力を遊星歯車機構16L、16Rに伝達する。走行用ブレーキ24と走行用入力シャフト14との間には、走行用油圧モータ22の駆動力を減速する変速機構33が設けられている。
また、旋回用油圧モータ23、旋回用ブレーキ25、旋回用入力シャフト15は、走行駆動装置1において車両2を左右に旋回させる旋回駆動系1Bを構成する。旋回用入力シャフト15は、旋回用油圧モータ23の駆動力を遊星歯車機構16L、16Rに伝達する。
走行用入力シャフト14および旋回用入力シャフト15は、同軸上に配置されており、走行用入力シャフト14は、円筒状に形成された旋回用入力シャフト15を貫通している。また、走行駆動系1Aおよび旋回駆動系1Bは、走行用入力シャフト14および旋回用入力シャフト15を挟むようにして、左右方向に並列に配置されている。
左右一対の遊星歯車機構16L、16Rは、走行用入力シャフト14および旋回用入力シャフト15に取り付けられた第1の走行用ベベルギヤ28Aおよび第1の旋回用ベベルギヤ29Aを左右方向から挟み込むように配置されている。なお、左右一対の遊星歯車機構16L、16Rは同構成であるため、図4では、右側の遊星歯車機構16Rの図示を省略している。
左右一対の遊星歯車機構16L、16Rは、太陽ギヤ44L、44Rと、ギヤホルダ45L、45Rに支持されて太陽ギヤ44L、44Rに噛合するそれぞれ3個の遊星ギヤ46L、46Rと、3個の遊星ギヤ46L、46Rに噛合する歯列が内面に設けられた円筒状のリングギヤ47L、47Rとから構成されている。左右のギヤホルダ45L、45Rには、左右一対の車軸9L、9Rがそれぞれ連結されている。ギヤホルダ45L、45Rおよびリングギヤ47L、47Rは、側面ケース20L、20Rの内部に設けられた軸受け部により、複数個のベアリングを介して回転自在に支持されている。
走行用入力シャフト14が回転すると、その回転は左右の太陽ギヤ44L、44Rに伝達される。太陽ギヤ44L、44Rの回転は、遊星ギヤ46L、46Rおよびギヤホルダ45L、45Rを介して車軸9L、9Rに伝達される。これにより、左右一対の車軸9L、9Rは同方向に同速度で回転するので、車両2は直進する。また、旋回用入力シャフト15が回転すると、その回転は左右のリングギヤ47L、47Rに伝達され、左右のリングギヤ47L、47Rは互いに逆方向に回転する。リングギヤ47L、47Rの回転は、遊星ギヤ46L、46Rを介して車軸9L、9Rに伝達されるので、左右の車軸9L、9Rの回転速度に差が生じ、車両2は回転速度が遅い側に旋回する。
図5は、操向制御システムの構成を示す制御ブロック図である。制御装置(制御手段)50は、CPU(Central Processing Unit)と、CPUによって処理されるプログラムが格納された記憶媒体とを備えるコンピュータであり、車両2の各部を統括的に制御する。制御装置50に接続されたデータバス51には、車両2の運転席に設けられたアクセルペダル(アクセル操作手段)52、前後進切替レバー53、変速レバー54、ブレーキペダル55、ハンドル56、および超信地旋回モード切替スイッチ57からの操作信号が入力される。
制御装置50は、データバス51に入力された操作信号に応じて、エンジン5、走行用油圧ポンプ6、旋回用油圧ポンプ7、走行用油圧モータ22、旋回用油圧モータ23、電磁切替弁58A、58B、58C、および電磁比例減圧弁60に指示信号を送信して制御する。より具体的には、制御装置50は、アクセルペダル52の操作量に応じてエンジン5の回転数と、走行用油圧モータ6の流量とを変化させ、車両2の直進速度を調整するオートモーティブ制御を行なう。また、制御装置50は、ハンドル56の操作量に応じて旋回用油圧ポンプ7の流量を変化させ、車両2の旋回速度と旋回量とを調整する。
本実施の形態の車両2は、従来の農機具などに比べて走行速度が速いので、運転操作性を向上させるために、従来の農機具などで一般的な操縦レバーではなく、一般的な乗用車と同様なアクセルペダル52およびハンドル56を採用している。そのため、車両2にハンドル56を設けた場合、例えば、車両2に乗降する際にハンドル56に手を掛けて操作してしまったり、一般的な乗用車でハンドルを据え切りするのと同じような感覚でハンドル56が操作されることが考えられる。しかしながら、車両2は、ハンドル56の操作量に応じて旋回用油圧ポンプ7の流量が変化するため、車両2の停車中にハンドル56が操作された場合に超信地旋回が行われてしまい、危険な場合が考えられる。
そこで、本実施の形態では、車両2が停車中にハンドル56が操作された場合に、運転者の意図しない超信地旋回が行なわれるのを防止するために、車両2の停車中に超信地旋回を行なうか否かを切り替えるための超信地旋回モード切替スイッチ57を備えている。
制御装置50は、図6のフローチャートに手順を示す操向制御方法のように、データバス51から入力される操作信号に基づいて、アクセルペダル52の操作の有無を特定する(ステップS1)。制御装置50は、アクセルペダル52が操作されている場合には(ステップS1でYES)、ハンドル56の操作量に応じて旋回用油圧ポンプ7の流量を調整する(ステップS2)。したがって、車両2の走行中には、ハンドル56の操作に応じて車両2の旋回方向および旋回速度が変化する。
また、制御装置50は、アクセルペダル52が操作されていない場合には(ステップS1でNO)、超信地旋回モード切替スイッチ57の操作状態を確認する(ステップS3)。超信地旋回モード切替スイッチ57がオンされている場合には(ステップS3でYES)、ハンドル56の操作量に応じてエンジン5の回転数と、旋回用油圧ポンプ7の流量とを変化させる(ステップS4)。これにより、車両2の停車状態から超信地旋回を行なうことができる。なお、アクセルペダル52が操作されて車両2が走行を開始した場合には、アクセルペダル52の操作量に応じてエンジン5の回転数が変化するように、制御状態を切り換える。
また、制御装置50は、超信地旋回モード切替スイッチ57がオフされている場合には(ステップS3でNO)、ハンドル56の操作によって旋回用油圧ポンプ7の流量が変化しないように、すなわち、ハンドル56と旋回用油圧ポンプ7とが非連動状態となるように制御する(ステップS5)。これにより、車両2の停車状態で不用意に超信地旋回が行なわれるのを防止することができる。
エンジン5は、例えば、低速回転時から高トルクが得られるディーゼルエンジンである。走行用油圧ポンプ6および旋回用油圧ポンプ7は、エンジン5に連結されて駆動される。走行用油圧ポンプ6は、閉回路用ポンプであり、吸込み口と吐出口とが逆転可能な両方向傾転機構を備えた可変容量型油圧ポンプである。走行用油圧ポンプ6は、前後進切替レバー53の前進位置Fまたは後進位置Rの切換指令に応じて、主管路61A、61Bにおける作動油の循環方向を切り換える。車両2が前進走行する場合には、走行用油圧ポンプ6は主管路61Aから作動油を吸込み、主管路61Bに作動油を吐出する。逆に車両2が後進走行する場合には、走行用油圧ポンプ6は主管路61Bから作動油を吸込み、主管路61Aに作動油を吐出する。
旋回用油圧ポンプ7は、同様に閉回路用ポンプであり、吸込み口と吐出口を逆転可能な両方向傾転機構を備えた可変容量型油圧ポンプである。旋回用油圧ポンプ7は、ハンドル56の操作指令に応じて、主管路62A、62Bにおける作動油の循環方向を切り換える。例えば、車両2が左旋回する場合には、旋回用油圧ポンプ7は主管路62Bから作動油を吸込み、主管路62Aに作動油を吐出する。逆に車両2が右旋回する場合には、旋回用油圧ポンプ7は主管路62Aから作動油を吸込み、主管路62Bに作動油を吐出する。
走行用油圧ポンプ6は、パイロットポンプを内蔵しており、その吐出口6aと電磁切替弁58A〜58Cとの間は、パイロット管路63によって接続されている。パイロット管路63には、車両2が停止時に電磁切替弁58A〜58Cからパイロットポンプへの作動油の漏れを防止するチェック弁64と、圧力を保持するためのアキュムレータ65とが設けられている。電磁切替弁58A、58B、58Cと、変速機構33、走行用ブレーキ24、および旋回用ブレーキ25との間は、変速用パイロット管路66、走行ブレーキ用パイロット管路(ブレーキ用パイロット管路)67、旋回ブレーキ用パイロット管路68によって接続されている。
次に、上記実施の形態1の作用について説明する。制御装置50は、エンジン5が始動されると、エンジン5を所定の回転数でアイドリング回転させ、走行用油圧ポンプ6および旋回用油圧ポンプ7をアイドリング回転に応じた流量で駆動する。なお、車両2は、駐車ブレーキとして機能している走行用ブレーキ24および旋回用ブレーキ25により制動されているので、アイドリング回転に基づく走行用油圧モータ22および旋回用油圧モータ23の流量では走行しない。
制御装置50は、アクセルペダル52が操作されると、電磁切替弁58Bを開いて走行用ブレーキ24に作動油を供給し、制動を解除する。また、制御装置50は、アクセルペダル52が操作の操作量に応じてエンジン5の回転数と、走行用油圧ポンプ6の流量とを調節し、走行用油圧モータ22を駆動する。走行用油圧モータ22の動力は、走行用減速機構26、走行用入力シャフト14、左右一対の遊星歯車機構16L、16Rを介して左右一対の車軸9L、9Rに伝達され、車軸9L、9Rは、同方向に同速度で回転するので、車両2は、アクセルペダル52の操作量に応じた速度で直進走行を開始する。
制御装置50は、車両2の走行中にハンドル56が操作されると、電磁切替弁58Cを開いて旋回用ブレーキ25に作動油を供給し、制動を解除する。また、その操作量に応じて旋回用油圧ポンプ7の流量を調節し、旋回用油圧モータ23を駆動する。旋回用油圧モータ23の動力は、旋回用減速機構27、旋回用入力シャフト15を介して左右一対の遊星歯車機構16L、16Rに伝達され、遊星歯車機構16L、16Rは互いに逆方向に同速度で回転する。これにより、車軸9L、9Rの回転速度に差が生じるので、車両2は、ハンドル56の操作量に応じた方向および速度で旋回を行う。
制御装置50は、車両2の停車中で、かつ超信地旋回モード切替スイッチ57がオフされている状態でハンドル56が操作された場合には、ハンドル56が操作されても旋回用油圧ポンプ7の流量が変化しないように、すなわち、ハンドル56と旋回用油圧ポンプ7とが非連動状態となるように制御する。これにより、車両2の停車状態で不用意に超信地旋回が行なわれるのを防止することができる。
また、制御装置50は、車両2の停車中で、かつ超信地旋回モード切替スイッチ57がオンされている状態でハンドル56が操作された場合には、ハンドル56の操作量に応じてエンジン5の回転数と、旋回用油圧ポンプ7の流量とを変化させる。これにより、車両2の停車状態から迅速に超信地旋回を行なうことができる。
以上で説明したように、本実施形態の車両2の操向制御システムおよび操向制御方法によれば、アクセルペダル52が操作されていない状態で超信地旋回モード切替スイッチ57がオフされている場合には、ハンドル56の操作によって旋回用油圧ポンプ7の流量が調節されない非連動状態となるので、運転者が意図しない超信地旋回が不用意に行なわれるのを防止することができる。また、アクセルペダル52が操作されていない状態で超信地旋回モード切替スイッチ57がオンされている場合には、ハンドル56の操作量に応じて超信地旋回を行なうことができるので、車両2の操作性が向上する。
また、アクセルペダル52が操作されていない状態で超信地旋回モード切替スイッチ57がオンされている場合には、ハンドル56の操作量に応じて旋回用油圧ポンプ7の流量とともにエンジン5の回転速度を調節するので、旋回用油圧ポンプ7とエンジン5とを統括的に制御して、動力効率よく車両2を超信地旋回することができる。
さらに、左右一対の遊星歯車機構16L、16Rと、この遊星歯車機構16L、16Rに動力を伝達する走行駆動系1Aおよび旋回駆動系1Bを備え、比較的高速で走行する車両2において、不用意に超信地旋回が行われるのを防止することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同部品については、同符号を用いて詳しい説明は省略する。図7は、第2の実施の形態を適用した走行駆動装置80の動力伝達ブロック図である。この走行駆動装置80は、第1の実施の形態の走行駆動装置1とは逆に、走行用入力シャフト14を円筒状とし、この走行用入力シャフト14に旋回用入力シャフト15を貫通させている。また、走行駆動装置1では、走行用入力シャフト14および旋回用入力シャフト15と、左右一対の遊星歯車機構16L、16Rとの連結に複数のベベルギヤ28A、28B、29A、29BL、29BRを用いたが、本実施の形態では、複数の平歯車と、左右のリングギヤ47L、47Rの外周に設けられた伝達ギヤ81L、81Rとを用いて、走行用入力シャフト14および旋回用入力シャフト15を左右一対の遊星歯車機構16L、16Rに連結している。
このように、走行用入力シャフト14および旋回用入力シャフト15は、いずれか一方を他方に貫通するように配置することができ、走行用入力シャフト14および旋回用入力シャフト15を1本分の入力シャフトの配置スペースに配置することができる。また、本発明は、ベベルギヤを使用しない走行駆動装置80にも適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
以上、この発明の各実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記実施の形態では、凍土や泥濘地などで使用される運搬車両や不整地走行車両を例に説明したが、農機具や工事用車両に適用してもよい。また、履帯敷きの車両2を例に説明したが、タイヤを用いる車両にも適用可能である。
1、80 走行駆動装置
1A 走行駆動系
1B 旋回駆動系
2 車両
5 エンジン
6 走行用油圧ポンプ
7 旋回用油圧ポンプ
8L、8R クローラ
9L、9R 車軸
13 ケース
14 走行用入力シャフト
15 旋回用入力シャフト
16L、16R 遊星歯車機構
22 走行用油圧モータ
23 旋回用油圧モータ
24 走行用ブレーキ
25 旋回用ブレーキ
33 変速機構
50 制御装置(制御手段)
52 アクセルペダル(アクセル操作手段)
55 ブレーキペダル
56 ハンドル
57 超信地旋回モード切替スイッチ

Claims (4)

  1. 走行用油圧モータの動力によって車両を直進走行させる走行駆動系と、旋回用油圧モータの動力によって前記車両を旋回させる旋回駆動系とを備えた車両に設けられ、前記車両のアクセル操作手段の操作量に応じて、前記走行用油圧モータを駆動する走行用油圧ポンプの流量と、前記走行用油圧ポンプを駆動するエンジンの回転速度とを調節し、前記車両のハンドルの操作量に応じて、前記旋回用油圧モータを駆動する前記旋回用油圧ポンプの流量を調節する制御手段を備えた車両の操向制御システムであって、
    前記旋回駆動系により前記車両をその場で旋回させる超信地旋回を行うか否かを切り替える超信地旋回モード切替スイッチを備えており、
    前記制御手段は、前記アクセル操作手段の操作状態を検出し、前記アクセル操作手段が操作されていない状態で、前記超信地旋回モード切替スイッチがオフされている第1の条件に該当する場合には、前記ハンドルの操作によって前記旋回用油圧ポンプの流量が変化しないように、前記ハンドルと前記旋回用油圧ポンプとを非連動状態とし、
    前記アクセル操作手段が操作されていない状態で、前記超信地旋回モード切替スイッチがオンされている第2の条件に該当する場合には、前記ハンドルの操作量に応じて前記旋回用油圧ポンプの流量を調節し、前記車両を超信地旋回させる、
    ことを特徴とする車両の操向制御システム。
  2. 前記制御手段は、前記第2の条件に該当する場合に、前記ハンドルの操作量に応じて、前記旋回用油圧ポンプの流量とともに、前記エンジンの回転速度を調節する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の操向制御システム。
  3. 前記車両は、左右一対の車軸に左右一対の遊星歯車機構がそれぞれ連結されており、
    前記走行駆動系は、前記走行用油圧モータの動力を前記左右一対の遊星歯車機構の太陽ギヤに入力し、前記一対の車軸を同方向に同速度で回転させ、
    前記旋回駆動系は、前記旋回用油圧ポンプの動力を前記左右一対の遊星歯車機構のリングギヤに入力して互いに逆方向に回転させ、前記一対の車軸の回転速度に差を生じさせる、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の操向制御システム。
  4. 走行用油圧モータの動力によって車両を直進走行させる走行駆動系と、旋回用油圧モータの動力によって前記車両を旋回させる旋回駆動系とを備えた車両に用いられ、前記車両のアクセル操作手段の操作量に応じて、前記走行用油圧モータを駆動する走行用油圧ポンプの流量と、前記走行用油圧ポンプを駆動するエンジンの回転速度とを調節し、前記車両のハンドルの操作量に応じて、前記旋回用油圧モータを駆動する前記旋回用油圧ポンプの流量を調節する車両の操向制御方法であって、
    前記旋回駆動系により前記車両をその場で旋回させる超信地旋回を行うか否かを切り替える超信地旋回モード切替スイッチの操作状態を検出するステップと、
    前記アクセル操作手段の操作状態を検出するステップと、
    を備えており、
    前記アクセル操作手段が操作されていない状態で、前記超信地旋回モード切替スイッチがオフされている第1の条件に該当する場合には、前記ハンドルの操作によって前記旋回用油圧ポンプの流量が変化しないように、前記ハンドルと前記旋回用油圧ポンプとを非連動状態とし、
    前記アクセル操作手段が操作されていない状態で、前記超信地旋回モード切替スイッチがオンされている第2の条件に該当する場合には、前記ハンドルの操作量に応じて前記旋回用油圧ポンプの流量を調節し、前記車両を超信地旋回させる、
    ことを特徴とする車両の操向制御方法。
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