JP2017105902A - 活性光線硬化型インクジェットインク及び画像形成方法 - Google Patents

活性光線硬化型インクジェットインク及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、硬化膜中の成分が表面に析出し難く、表面硬化性が良好な、活性光線硬化型インクジェットインク、及びこれを用いた画像形成方法を提供することにある。【解決手段】光重合性化合物、光開始剤、及びゲル化剤を含有する、活性光線硬化型インクジェットインクについて、前記光重合性化合物を、実質的に多官能光重合性化合物のみとし、前記光開始剤は、特定の一般式で表される化合物を含む、活性光線硬化型インクジェットインクとする。【選択図】なし

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインク及び画像形成方法に関する。
インクジェットによる画像の形成は、少量多品種生産対応が可能なことから、各種印刷分野で用いられている。インクジェットによる画像形成方法の一つとして、記録媒体に着弾させたインクジェットインクの液滴を、活性光線にて硬化させる方法(以下、「活性光線硬化型インクジェット記録法」とも称する)が挙げられる。活性光線硬化型インクジェット記録法によれば、吸水性や吸油性のない記録媒体にも、密着性の高い塗膜を形成できる。
ここで、活性光線硬化型インクジェットインクには、通常、光重合性化合物、光開始剤等が含まれる。そして、活性線硬化型インクジェットインクの硬化膜中には、未反応の光重合性化合物、未反応の光開始剤、光開始剤の残渣等が含まれやすい。そのため、活性光線効果型インクジェット記録法では、これらの化合物が、経時で硬化膜の表面に析出する(以下、当該現象を「マイグレーション」とも称する)との課題があった。
このような課題に対し、比較的高分子量の光開始剤と多官能光重合性化合物とを含む活性光線硬化型インクジェットインクが提案されている(特許文献1及び特許文献2)。当該インクでは、光重合性化合物の反応性を高めつつ、光開始剤等を硬化膜中で移動し難くすることで、マイグレーションの抑制を図っている。
特開2013−209518号公報 欧州特許出願公開第2604663号明細書
前述のように、活性光線硬化型インクジェット記録法によれば、各種記録媒体に印刷が可能である。そこで、活性光線硬化型インクジェット記録法を、食品パッケージ等の印刷に適用することも検討されている。しかしながら、食品パッケージには、食品の安全性や環境保護等の観点から、厳しい規制があり(例えば、Swiss Ordinance等)、インク硬化膜のマイグレーション量についても規制がある。そして、前述の特許文献1や特許文献2の活性光線硬化型インクジェットインクでは、ある程度マイグレーションの抑制が可能であるものの、例えば食品パッケージ等、種々の用途に適用するためには、さらなるマイグレーション量の低減が望まれている。また、特許文献1や特許文献2の活性光線硬化型インクジェットインクでは、表面硬化性が不十分な場合もあり、表面硬化性をさらに高めることも求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、硬化膜中の成分が表面に析出し難く、表面硬化性が良好な、活性光線硬化型インクジェットインク、及びこれを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の第一は、以下の活性光線硬化型インクジェットインクにある。
[1]光重合性化合物、光開始剤、及びゲル化剤を含有する、活性光線硬化型インクジェットインクであって、前記光重合性化合物が、実質的に多官能光重合性化合物のみからなり、前記光開始剤が、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする、活性光線硬化型インクジェットインク。
Figure 2017105902
(一般式(1)中、nは1以上30以下の整数を表す)
[2]前記光開始剤が、アシルホスフィン系化合物をさらに含むことを特徴とする、[1]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[3]前記光開始剤が、分子量300以上3000以下のチオキサントン系化合物をさらに含むことを特徴とする、[1]または[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[4]前記ゲル化剤が、下記一般式(G1)及び(G2)で表される化合物のうち、少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
Figure 2017105902
(一般式(G1)及び(G2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数12以上26以下の直鎖部分を含むアルキル基を表す)
[5]前記光重合性化合物が、プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物、及びエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物のうちいずれか一方を少なくとも含み、前記プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物及び前記エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の総量が、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
本発明の第二は、以下の画像形成方法にある。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインクをインクジェット記録装置のノズルから吐出して記録媒体に着弾させる工程と、前記記録媒体上に着弾した前記活性光線硬化型インクジェットインクに、活性光線を照射して、前記活性光線硬化型インクジェットインクを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする、画像形成方法。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクによれば、硬化膜中の成分が表面に析出し難く、さらに表面硬化性が高い硬化膜が得られる。
1.活性光線硬化型インクジェットインク
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合性化合物、光開始剤、及びゲル化剤を含む。本明細書において、「活性光線硬化型インクジェットインク」(以下、「インク」とも称する)とは、活性光線により硬化可能なインク組成物を意味し、「活性光線」とは、インク組成物中の光開始剤を活性化させて、インクを硬化させることが可能な光線を意味する。活性光線の例には、α線、γ線、X線、紫外線、電子線等が含まれる。本発明のインクを硬化させるための活性光線としては、光線照射装置の入手容易性や、インクの硬化性等の観点から、紫外線及び電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
前述のように、従来の活性光線硬化型インクジェットインクでは、硬化膜中に残存する未反応の光重合性化合物や光開始剤、光開始剤の残渣等が、マイグレーションするとの課題があった。そこで、前述の特許文献1や特許文献2の技術では、多官能の光重合性化合物と、比較的高分子量の光開始剤とを組み合わせることで、マイグレーション量を低減している。しかしながら、当該方法では、マイグレーションの抑制効果が不十分であり、マイグレーション量をさらに低減することが求められていた。また、硬化膜の表面硬化性をさらに高めることも望まれていた。
これに対し、本発明では、ゲル化剤、特定の構造を有する光開始剤、及び多官能光重合性化合物を組み合わせることで、マイグレーションを抑制している。具体的には、(i)硬化膜に含まれるマイグレーションしやすい成分の絶対量を低減し、さらに(ii)硬化膜内における各成分の移動を抑制することで、マイグレーション量を低減している。また同時に、インクの表面硬化性や内部硬化性も高めている。以下、これらについて説明する。
(i)一般的なラジカル活性光線硬化型インクジェットインクでは、活性光線照射時に、酸素がラジカル活性種と反応してしまい、光重合性化合物の重合が阻害されることがある。これに対し、本発明のインクにはゲル化剤が含まれるため、記録媒体に着弾後のインクがゲル化する。インクがゲル化すると、インクの粘度が高まり、酸素が塗膜中に拡散・侵入し難くなる。その結果、インクの塗膜表面で酸素阻害(硬化不良)が生じ難くなり、未反応の光重合性化合物や未反応の光開始剤が硬化膜に残存し難くなる。
また、本発明のインクには、光開始剤として、後述の一般式(1)で表される化合物が含まれる。当該化合物は、優れた分解性能を有しており、活性光線照射によって、効率良くラジカルを発生させる。したがって、光重合性化合物を十分に反応させることができ、未反応の光重合性化合物が硬化膜に残存し難くなる。また、一般式(1)で表される化合物には、その分子中に酸素をトラップして連鎖移動する構造(アミン)が含まれている。したがって、当該化合物が前述の酸素阻害を抑制することからも、未反応の光重合性化合物量を低減することができる。
加えて、本発明のインクには、光重合性化合物として、実質的に多官能光重合性化合物のみが含まれる。多官能光重合性化合物は、2個以上の反応性官能基を有することから、反応効率が高い。したがって、光重合性化合物が多官能光重合性化合物のみからなると、未反応の光重合性化合物が硬化膜に残存し難くなる。
つまり、本発明のインクでは、ゲル化剤、特定の構造を有する光開始剤、及び多官能光重合性化合物の組み合わせによって、インクの硬化膜に含まれる未反応の光重合性化合物、未反応の光開始剤(マイグレーションしやすい成分)の量を非常に少なくすることができる。また同時に、硬化膜の表面硬化性や内部硬化性が非常に良好となる。
(ii)一方、本発明のインクは、記録媒体に着弾後にゲル化するが、インクの硬化後も、当該ゲル化剤の作用によって、各成分の移動が抑制される。また、本発明のインクの硬化膜には、光重合性化合物の重合によって生じた二次元または三次元のネットワークが含まれる。したがって、硬化膜に未反応の光重合性化合物や、未反応の光開始剤、光開始剤の残渣等が含まれていたとしても、これらの移動が抑制され、硬化膜中の成分が表面に析出し難くなる。
さらに、前述の一般式(1)で表される光開始剤は、光重合性化合物やゲル化剤と親和性が高く、インクの硬化膜中においても、光重合性化合物の硬化物やゲル化剤と相互作用する。したがって、硬化膜中に含まれる未反応の光開始剤やその残渣は、硬化膜内を移動し難く、表面に析出し難い。またさらに、当該光開始剤は、比較的分子鎖が長いことから、光重合性化合物の硬化物等が形成するネットワークに捕捉されやすいことからも、硬化膜内を移動し難い。
つまり、本発明のインクでは、ゲル化剤、特定の構造を有する光開始剤、及び多官能光重合性化合物を組み合わせによって、インクの硬化膜に含まれる各種成分の移動を十分に抑制することができる。
以上を踏まえると、本発明のインクによれば、硬化膜表面に析出する成分の量を非常に少なくすることができ、さらに硬化膜の表面硬化性及び内部硬化性を非常に高めることができる。以下、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクが含む各成分について説明し、その後、当該インクの物性等について説明する。
(1)光重合性化合物
光重合性化合物は、活性光線の照射により架橋又は重合する化合物である。本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる光重合性化合物は、実質的に多官能光重合性化合物からなる。本明細書において、「多官能光重合性化合物」とは、光重合性官能基を二つ以上有する光重合性化合物を意味する。「実質的に」とは、光重合性官能基を一つのみ有する光重合性化合物(単官能光重合性化合物とも称する)が光重合性化合物全質量に対して、10質量%以下であることを意味する。単官能光重合性化合物の含有量は、光重合性化合物全質量に対し、5質量%以下であることがより好ましく、含まれないことが特に好ましい。
光重合性化合物が実質的に多官能光重合性化合物のみからなると、前述のように、インクの塗膜に活性光線を照射した際、光重合性化合物の反応効率が向上し、硬化膜中に未反応の光重合性化合物が残存し難くなる。
多官能光重合性化合物は、分子内に重合可能な基を2個以上(ただし、少なくともラジカル重合可能な基を1個以上)含む化合物であればよく、ラジカル重合可能な基を2個以上有する化合物であることが好ましい。ラジカル重合可能な基を2個以上有する多官能光重合性化合物の例には、分子内に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)等が含まれる。多官能光重合性化合物は、本発明のインク中に一種のみ含まれていてもよく、二種以上含まれていてもよい。
多官能重合性化合物は、より具体的には、分子内に2個以上の不飽和基を有する不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、分子内に2個以上6個以下の(メタ)アクリレート基を有する化合物(以下、「(メタ)アクリレート化合物」とも称する)であることがさらに好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、モノマーであってもよいが、これらが重合したオリゴマーや、モノマーとオリゴマーとの混合物であってもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート基」には、アクリレート基及びメタアクリレート基を含むものとする。
(メタ)アクリレート化合物の例には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジアクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロエトキシ)エチル等の二官能のアクリレートモノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上のアクリレートモノマー;
及びこれらのオリゴマーが含まれる。
ここで、多官能光重合性化合物は、上記(メタ)アクリレート化合物が、プロピレンオキサイドもしくはエチレンオキサイドで変性された、プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物またはエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物であることが特に好ましい。「プロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドで変性された」とは、分子鎖中にプロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドからなる繰返し単位が1以上導入されていることをいう。プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物またはエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物に含まれるプロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドからなる繰返し単位の数は、(メタ)アクリレート基1つに対して1以上14以下であることが好ましく、3以上14以下であることがより好ましい。プロピレンオキサイドもしくはエチレンオキサイド基からなる繰返し単位数が上記範囲であると、以下の効果が得られやすくなる。
後述する一般式(1)で表される光開始剤はエチレンオキサイド基を有している。そのため、多官能光重合性化合物がエチレンオキサイド基またはプロピレンオキサイド基を有すると、これらの親和性が非常に高くなり、インクの硬化膜内で、未反応の光開始剤や光開始剤の残渣が移動し難くなる。つまり、これらの化合物がマイグレーションし難くなる。
また、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物やプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物と、カードハウス構造を形成し得るゲル化剤とを組み合わせると、これらが相互作用してカードハウス構造を形成しやすくなり、インクのピニング性が非常に高くなる。また、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物及びプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、高温下で他の成分に溶解しやすい。またさらに、これらは硬化時に収縮し難いため、得られる印刷物にカールが生じ難くなる。
インク中に含まれるプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物及びエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の総量は、インクの全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましく、35質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上85質量%以下であることがさらに好ましい。プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物及びエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の含有量が30質量%以上であると、前述のマイグレーションの抑制効果等が得られやすくなる。一方、プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物及びエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の含有量が97質量%以下であると、相対的に光開始剤やゲル化剤の量が十分になり、インクの硬化性やピニング性等が高まりやすくなる。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の例には、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ヘキサンジオールジアクリレート等が含まれる。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の市販品の例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレートCD561(分子量358)、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR454(分子量429)、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR499(分子量560)、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートSR494(分子量529);新中村化学社製のポリエチレングリコール♯400ジアクリレート(NKエステルA−400(分子量508))、ポリエチレングリコール♯600ジアクリレート(NKエステルA−600(分子量742))、ポリエチレングリコールジメタクリレート(NKエステル9G(分子量536))、ポリエチレングリコールジメタクリレート(NKエステル14G(分子量770);大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレート(V#335HP(分子量302));等が含まれる。
一方、プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の例には、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等が含まれる。
プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の市販品の例には、Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(Photomer 4072(分子量471))、新中村化学社製のジプロピレングリコールジアクリレート(NKエステルAPG−100(分子量242))、トリプロピレングリコールジアクリレート(NKエステルAPG−200(分子量300))、ポリプロピレングリコール♯400ジアクリレート(NKエステルAPG−400(分子量533))、ポリプロピレングリコール♯700ジアクリレート(NKエステルAPG−700(分子量823))、Sartomer社製の6PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートCD501(分子量645)等が含まれる。
なお、多官能光重合性化合物は、上述した(メタ)アクリレート化合物と他の官能基を有する化合物とを重合したオリゴマーであってもよい。このようなオリゴマーの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等が含まれる。
上述の光重合性化合物の総量は、インクの全質量に対して1質量%以上97質量%以下であることが好ましく、30質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。光重合性化合物の総量が、1質量%以上であると、強度の高い硬化膜が得られる。一方、光重合性化合物の総量が97質量%以下であると、相対的に光開始剤やゲル化剤の量が十分となり、硬化性が良好であり、かつマイグレーション量の少ない硬化膜が得られやすくなる。
(2)光開始剤
本発明のインクには、光開始剤として、活性光線の照射により活性化して、ラジカルを発生させるラジカル開始剤が含まれる。当該光開始剤には、少なくとも下記一般式(1)で表される化合物が含まれる。
Figure 2017105902
上記一般式中、nは1以上30以下の整数を表す。なお、本発明のインクには、光開始剤として、nの値が異なる複数種類の一般式(1)で表される化合物が含まれていてもよい。上記一般式(1)で表される化合物の市販品の例には、Ominopol 910(IGM社製)が含まれる。
上記一般式(1)で表される化合物は、インクの全質量に対して、0.1質量%以上12質量%以下含まれることが好ましく、1質量%以上10質量%以下含まれることがより好ましく、2質量%以上8質量%以下含まれることがさらに好ましい。一般式(1)で表される化合物の量が0.1質量%以上であると、インクの表面硬化性が十分に高まりやすく、酸素阻害も抑制されやすい。また、上記化合物の量が12質量%以下であると、未反応の光開始剤量や、光開始剤の残渣の量を少なくすることができ、マイグレーションが抑制されやすくなる。
また、本発明のインクには、光開始剤としてアシルホスフィン系化合物及びチオキサントン系化合物がさらに含まれることが好ましい。これらの化合物が含まれると、インクの硬化性がさらに高まり、硬化物中に残存する未反応の光重合性化合物の量を低減することができる。
アシルホスフィン系化合物の例には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が含まれる。アシルホスフィン系化合物の市販品の例には、IRGACURE819(BASF社製)、DAROCURE TPO(BASF社製)が含まれる。本発明のインクには、アシルホスフィン系化合物が1種のみ含まれてもよく、二種以上含まれてもよい。上記化合物の中でも、マイグレーションの抑制及び表面硬化性の観点から、IRGACURE819が特に好ましい。
また、アシルホスフィン系化合物は、分子量(ただし、オリゴマーである場合には重量平均分子量)が210以上3000以下の範囲であることが好ましい。アシルホスフィン系化合物の分子量が310以上であると、インクの硬化膜において、アシルホスフィン系化合物やその残渣がマイグレーションし難くなる。一方、分子量が3000以下であると、アシルホスフィン系化合物とインク中の他の成分との相溶性が良好となる。前述のように、アシルホスフィン系化合物がオリゴマーである場合、その分子量は、重量平均分子量で判断するが、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算分子量である。
アシルホスフィン系化合物は、インクの全質量に対して0.01質量%以上12質量%以下含まれることが好ましく、1質量%以上10質量%以下含まれることがより好ましく、2質量%以上8質量%以下含まれることがさらに好ましい。アシルホスフィン系化合物の量が0.01質量%以上であると、インクの内部硬化性が十分に高まりやすく、硬化膜においてマイグレーションが抑制されやすい。また、アシルホスフィン系化合物の量が12質量%以下であると、硬化物に余剰の光開始剤が残存し難く、マイグレーション量が低減されやすくなる。
一方、チオキサントン系化合物の例には、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等が含まれる。チオキサントン系化合物の市販品の例には、SPEEDCURE 7010(Lambson社製)、SPEEDCURE CPTX(Lambson社製)、SPEEDCURE ITX(Lambson社製)等が含まれる。本発明のインクには、チオキサントン系化合物が一種のみ含まれてもよく、二種以上含まれてもよい。
チオキサントン系化合物の分子量(ただし、オリゴマーである場合には、重量平均分子量)は、マイグレーション量の抑制及び吐出安定性の観点から、300以上3000以下であることが好ましい。前述のように、チオキサントン系化合物がオリゴマーである場合、その分子量は、重量平均分子量で判断するが、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算分子量である。
チオキサントン系化合物は、インクの全質量に対して0.01質量%以上12質量%以下含まれることが好ましく、1質量%以上10質量%以下含まれることがより好ましく、2質量%以上8質量%以下含まれることがさらに好ましい。チオキサントン系化合物の量が0.01質量%以上であると、インクの表面硬化性が高まりやすい。また、チオキサントン系化合物の量が12質量%以下であると、硬化物に余剰の光開始剤が残存し難く、マイグレーションが抑制されやすい。
光開始剤の総量は、インクの全質量に対して0.1質量%以上12質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、1質量%以上10質量%以下であり、さらに好ましくは2質量%以上8質量%以下である。
(3)ゲル化剤
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、ゲル化剤が含まれる。本明細書において「ゲル化剤」とは、常温で固体、加熱すると液体となる有機物であって、インクを温度により可逆的にゾルゲル相転移させる機能を有する化合物、を意味する。
ここで、ゲル化剤は、インクのゲル化温度以下で、結晶化する化合物であることが好ましい。インクのゲル化温度とは、加熱によりゾル化または液体化したインクを冷却していったときに、ゲル化剤がゾルからゲルに相転移し、インクの粘度が急変する温度をいう。具体的には、ゾル化または液体化したインクを、粘弾性測定装置(たとえば、MCR300、Physica社製)で粘度を測定しながら冷却していき、粘度が急激に上昇した温度を、インクのゲル化温度とすることができる。
ゲル化剤がインク中で結晶化すると、板状に結晶化したゲル化剤によって形成された三次元空間に光重合性化合物が内包される構造が形成されることがある(このような構造を、以下「カードハウス構造」とも称する)。そして、カードハウス構造が形成されると、光重合性化合物が前記空間内に保持されるため、インク液滴がより濡れ広がりにくくなり、インクのピニング性が高まる。インクのピニング性が高まると、記録媒体に着弾したインク液滴同士が合一しにくくなり、より高精細な画像を形成することができる。
カードハウス構造内に光重合性化合物が保持されるためには、インク内で光重合性化合物とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。インク内で光重合性化合物とゲル化剤とが相分離していると、カードハウス構造内に光重合性化合物が保持されにくい場合がある。また、インクの液滴をインクジェット記録装置から安定に吐出するとの観点からも、光重合性化合物とゲル化剤との相溶性は良好であることが好ましい。
なお、ゲル化剤がカードハウス構造を形成すると、インクの硬化膜において、ゲル化剤からなるカードハウス構造も未反応の光重合性化合物や未反応の光開始剤、光開始剤の残渣等の移動を抑制するフィルターとして機能する。つまり、インクの硬化膜中に、前述の光重合性化合物の硬化物からなるネットワークの他に、さらにゲル化剤からなるフィルターが形成されるため、硬化膜内での成分の移動がさらに抑制されやすくなる。
ここで、ゲル化剤の例には、脂肪族ケトン化合物;脂肪族エステル化合物;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、及びホホバエステル等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン及び鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、及び水素化ワックス等の鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油又は硬化ヒマシ油誘導体;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体又はポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、及びエルカ酸等の高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;12−ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド等のN−置換脂肪酸アミド;N,N’−エチレンビスステアリルアミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、及びN,N’−キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;ドデシルアミン、テトラデシルアミン又はオクタデシルアミン等の高級アミン;ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(例えば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸のエステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等);ダイマー酸;ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等);ステアリン酸イヌリン等の脂肪酸イヌリン;パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等の脂肪酸デキストリン(千葉製粉社製 レオパールシリーズ等);ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル;ベヘン酸エイコサンポリグリセリル(日清オイリオ社製 ノムコートシリーズ等);N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−(2−エチルヘキサノイル)−L−グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノより入手可能);1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;特開2005−126507号公報、特開2005−255821号公報及び特開2010−111790号公報に記載の低分子オイルゲル化剤;等が含まれる。
ゲル化剤は、炭素数が12以上26以下の直鎖アルキル基を分子構造中に含むことが好ましく、前述の「カードハウス構造」が形成されやすい。なお、ゲル化剤の分子構造中には、分岐鎖を有していてもよい。
炭素数が12以上26以下の直鎖アルキル基を含むゲル化剤の具体例には、炭素数が12以上26以下の直鎖アルキル基を有する、脂肪族ケトン化合物、脂肪族エステル化合物、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸アミド等が含まれる。
ゲル化剤は、脂肪族ケトン化合物又は脂肪族エステル化合物であることがさらに好ましく、下記一般式(G1)又は(G2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2017105902
一般式(G1)及び(G2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数12以上26以下の直鎖部分を含むアルキル基を表す。R〜Rは、分岐部分を含んでもよい。
一般式(G1)おいて、R及びRで表されるアルキル基は、特に制限されないが、炭素数12以上26以下の直鎖部分を含むアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(G1)で表される脂肪族ケトン化合物の例には、18−ペンタトリアコンタノン(C17−C17)、ジリグノセリルケトン(C24−C24)、ジベヘニルケトン(C22−C22)、ジステアリルケトン(C18−C18)、ジエイコシルケトン(C20−C20)、ジパルミチルケトン(C16−C16)、ジミリスチルケトン(C14−C14)、ジラウリルケトン(C12−C12)、ラウリルミリスチルケトン(C12−C14)、ラウリルパルミチルケトン(C12−C16)、ミリスチルパルミチルケトン(C14−C16)、ミリスチルステアリルケトン(C14−C18)、ミリスチルベヘニルケトン(C14−C22)、パルミチルステアリルケトン(C16−C18)、バルミチルベヘニルケトン(C16−C22)、ステアリルベヘニルケトン(C18−C22)等が含まれる。
一般式(G1)で表される化合物の市販品の例には、18−Pentatriacontanon(AlfaAeser社製)、Hentriacontan−16−on(Alfa Aeser社製)、カオーワックスT1(花王株式会社製)等が含まれる。インクには、脂肪族ケトン化合物が一種のみ含まれてもよく、二種以上含まれてもよい。
一方、一般式(G2)おいて、R及びRで表されるアルキル基は、特に制限されないが、炭素数12以上26以下の直鎖部分を含むアルキル基であることが好ましい。
一般式(G2)で表される脂肪族エステル化合物の例には、ベヘニン酸ベヘニル(C21−C22)、イコサン酸イコシル(C19−C20)、ステアリン酸ステアリル(C17−C18)、ステアリン酸パルミチル(C17−C16)、ステアリン酸ラウリル(C17−C12)、パルミチン酸セチル(C15−C16)、パルミチン酸ステアリル(C15−C18)、ミリスチン酸ミリスチル(C13−C14)、ミリスチン酸セチル(C13−C16)、ミリスチン酸オクチルドデシル(C13−C20)、オレイン酸ステアリル(C17−C18)、エルカ酸ステアリル(C21−C18)、リノール酸ステアリル(C17−C18)、オレイン酸ベヘニル(C18−C22)、セロチン酸ミリシル(C25−C16)、モンタン酸ステアリル(C27−C18)、モンタン酸ベヘニル(C27−C22)、リノール酸アラキジル(C17−C20)、トリアコンタン酸パルミチル(C29−C16)等が含まれる。
一般式(G2)で表される脂肪族エステル化合物の市販品の例には、ユニスターM−2222SL(日油株式会社製)、エキセパールSS(花王株式会社製)、EMALEXCC−18(日本エマルジョン株式会社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業株式会社製)、エキセパールMY−M(花王株式会社製)、スパームアセチ(日油株式会社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン株式会社製)等が含まれる。これらの市販品は、二種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製してもよい。また、インクには、脂肪族エステル化合物が一種のみ含まれてもよく、二種以上含まれてもよい。
本発明のインクには、二種類以上のゲル化剤が含まれることが好ましく、特に下記の表1に示す化合物から選択されるゲル化剤が、二種以上含まれることが好ましい。
Figure 2017105902
ゲル化剤は、インクの全質量に対して0.5質量%以上10質量%以下含まれることが好ましく、1質量%以上5質量%以下含まれることがより好ましい。
2種類以上のゲル化剤を併用する場合の添加比率としては、ゲル化剤全質量に対して各々のゲル化剤が5質量%以上95質量%未満の比率、より好ましくは20質量%以上80質量%未満の比率となるように調整することが好ましい。
(4)その他の成分
本発明のインクには、必要に応じて、光重合性化合物、光開始剤、及びゲル化剤以外の成分が含まれてもよい。その他の成分の例には、色材、顔料分散剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が含まれる。
色材は、染料又は顔料でありうるが、インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料が好ましい。顔料は、特に限定されないが、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料又は無機顔料でありうる。
赤あるいはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
青又はシアン顔料の例には、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、50から選ばれる顔料又はその混合物が含まれる。黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
黒顔料の例には、Pigment Black 7、28、26から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
顔料の市販品の例には、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業製); KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学製);Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、ColortexBlue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素製);Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ製)、Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ製);Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製);カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学製)等が挙げられる。
インクに含まれる顔料粒子の体積平均粒子径は0.08〜0.5μmであることが好ましく、最大粒子径は0.3〜10μmであることが好ましく、0.3〜3μmであることがより好ましい。
色材の総量は、インクの全質量に対して0.1質量%以上20質量%以下含まれることが好ましく、0.4質量%以上10質量%以下含まれることがより好ましい。
また、インクに上記顔料が含まれる場合、インクには、当該顔料を分散させるための顔料分散剤が含まれてもよい。インクに顔料分散剤が含まれると、顔料の分散性が高まる。顔料分散剤の種類は特に制限されないが、主鎖に3級アミン構造を有する、くし型ブロックコポリマーであることが、顔料の分散性の観点から特に好ましい。なお、本明細書において、「くし型ブロックコポリマー」とは、主鎖を構成する繰返し単位に、複数種類のモノマーやポリマーがそれぞれグラフト重合しているコポリマーをいう。
上記くし型ブロックコポリマーの主鎖に3級アミン構造が含まれると、アミンが顔料表面の酸性基に強固に吸着し、インクジェット記録装置からのインクの吐出温度(例えば85℃程度)でも、くし型ブロックコポリマーが顔料から解離しにくくなる。一方で、くし型ブロックコポリマーの主鎖には、複数種類のモノマーやポリマーが結合していると、くし形ブロックコポリマーと光重合性化合物との相溶性が良好となる。したがって、インクに、くし型ブロックコポリマーからなる顔料分散剤が含まれると、顔料の分散性が非常に良好になる。なお、くし型ブロックコポリマーの3級アミンの窒素に結合する基は特に限定されないが、炭素数1又は2のアルキル基であることが好ましい。
くし型ブロックコポリマーの具体例には、ビックケミー社製のBYK−2164、BYK−168、BYK N−22024、アルタナ社製のBYK JET−9150、BYK JET−9151、BASF社製のEFKA 4310、EFKA 4320、EFKA 4401、Avecia社のSOLSPERSE 39000、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB−821等が含まれる。
また、2級又は1級のアミンを有するくし型ブロックコポリマーのアミンを3級化して、3級アミンを有するくし型ブロックコポリマーとしてもよい。2級または1級アミンを3級化する方法は公知の方法とすることができる。例えば2級アミン又は1級アミンを、還元触媒の存在下、デシルアルコール等のアルコールと反応させることで、3級アミンとすることができる。
顔料分散剤は、上記くし型ブロックコポリマー以外の化合物であってもよい。他の顔料分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及びステアリルアミンアセテート等が含まれる。顔料分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が含まれる。
本発明のインクには、必要に応じて分散助剤がさらに含まれていてもよい。分散助剤は、公知の化合物が、顔料に応じて適宜選択される。上記顔料分散剤及び分散助剤の総量は、顔料の全質量に対して1〜50質量%であることが好ましい。
またインクには、必要に応じて光開始助剤や重合禁止剤等がさらに含まれていてもよい。光開始助剤は、第3級アミン化合物とすることができ、特に芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミン及びN,N−ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。本発明のインクには、光開始助剤が、一種のみ含まれていてもよく、二種以上含まれていてもよい。光開始助剤の市販品の例には、Lambson社のSPEEDCURE7040等が含まれる。
光開始助剤の含有量は、インク全質量に対して0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。光開始助剤の量が上記範囲であると、インクの硬化性が良好になる。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。重合禁止剤の市販品の例には、BASF社のIrgastab UV10等が含まれる。
重合禁止剤の含有量は、インク全質量に対して0.001質量%以上0.2質量%以下であることが好ましい。重合禁止剤の量が上記範囲であると、インクの保存安定性が良好になる。
また、本発明のインクには、硬化膜の耐候性を高めるとの観点から、紫外線吸収剤や酸化防止剤等が含まれてもよい。紫外線吸収剤は公知の化合物を用いることができるが、耐光性やオゾン耐性の観点から、吸収波長の長波長側の端が410nm以下にあることが好ましい。紫外線吸収剤の吸収波長は、紫外可視吸収スペクトルを測定することにより求めることができる。紫外線吸収剤の含有量は、硬化性の観点から、インク全質量に対して2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。一方、照射された紫外線を吸収し、硬化膜の耐光性を高めるとの観点から、紫外線吸収剤の含有量は、インク全質量に対して0.1質量%以上であることが好ましい。
酸化防止剤も、公知の化合物を用いることができるが、その含有量は、硬化性の観点から、インク全質量に対して0.8質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。一方、インクの硬化膜に発生したラジカルを捕捉し、硬化膜の酸化を十分に抑制するとの観点から、酸化防止剤の含有量はインク全質量に対して0.05質量%以上であることが好ましい。
また、紫外線吸収剤と酸化防止剤の総量は、インクの吐出安定性や硬化性の観点から、インク全質量に対して2.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましい。
本発明のインクには、必要に応じて上記以外の各種添加剤や樹脂等がさらに含まれていてもよい。各種添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等が含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミン等の塩基性有機化合物等が含まれる。
界面活性剤等の各種添加剤の総量は、マイグレーション抑制との観点から、インク全質量に対して1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。
他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂等が含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、及びゴム系樹脂等が含まれる。
(5)活性光線硬化型インクジェットインクの調製方法
本発明のインクは、光重合性化合物、光開始剤、及びゲル化剤と、任意の各成分とを、加熱下において混合することにより得ることができる。得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。このとき、顔料及び分散剤を含む分散体をあらかじめ調製しておき、これに残りの成分を添加して加熱しながら混合してもよい。
なお、顔料の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、及びペイントシェーカー等により行うことができる。
(6)活性光線硬化型インクジェットインクの物性
本発明のインクは、温度により可逆的にゾルゲル相転移する。本発明のインクは、インクジェット記録装置からから吐出される際(通常80℃程度)にはゾルであり、記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。
本発明のインクは、インクジェット記録装置からの吐出性を高めるために、高温下におけるインクの粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、80℃におけるインクの粘度が3mPa・s以上20mPa・sであることが好ましく、6.0mPa・s以上15.0mPa・s以下であることがより好ましく、7.0mPa・s以上12.0mPa・s以下であることがさらに好ましい。一方、隣り合うインク滴同士の合一を抑制するためには、着弾後の常温下におけるインクの粘度が一定以上であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクの80℃における粘度、25℃における粘度及びゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。具体的には、インクを100℃に加熱し、剪断速度11.7(1/s)、降温速度0.1℃/sの条件で25℃まで冷却したときの、粘度の温度変化曲線を得る。そして、80℃における粘度と25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより、上記粘度を求めることができる。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPasとなる温度として求めることができる。
レオメータは、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズを用いることができる。コーンプレートの直径は75mm、コーン角は1.0°とすることができる。
2.画像形成方法
本発明の画像形成方法は、1)前述の活性光線硬化型インクジェットインクをインクジェット記録装置のノズルから吐出して記録媒体に着弾させる工程と、2)記録媒体上に着弾した前記活性光線硬化型インクジェットインクに、活性光線を照射して、活性光線硬化型インクジェットインクを硬化させる工程と、を含む。
(第1の工程)
第1の工程では、インクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体の、形成すべき画像に応じた位置に着弾させる。
インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式とコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型及びシェアードウォール型等の電気−機械変換方式、並びにサーマルインクジェット型及びバブルジェット(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型等の電気−熱変換方式等のいずれでもよい。
インク液滴は、加熱した状態でインクジェットヘッドから吐出することで、吐出安定性を高めることができる。吐出される際のインクの温度は、35℃以上100℃以下であることが好ましく、吐出安定性をより高めるためには、35℃以上80℃以下であることがより好ましい。特には、インクの粘度が7mPa・s以上15mPa・s以下、より好ましくは8mPa・s以上13mPa・s以下となるようなインク温度において出射を行うことが好ましい。
インクジェットヘッドからのインクの吐出性を高めるために、インクジェットヘッドに充填されたときのインクの温度を、当該インクのゲル化温度+10℃以上、ゲル化温度+30℃以下に設定することが好ましい。インクジェットヘッド内のインクの温度が、ゲル化温度+10℃未満であると、インクジェットヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インクの吐出性が低下しやすい。一方、インクジェットヘッド内のインクの温度がゲル化温度+30℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
インクの加熱方法は、特に制限されない。例えば、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプ及びヘッド直前の前室インクタンク等のインク供給系、フィルター付き配管並びにピエゾヘッド等の少なくともいずれかをパネルヒーター、リボンヒーター又は保温水等によって加熱することができる。
吐出される際のインクの液滴量は、記録速度及び画質の面から、2pL以上20pL以下であることが好ましい。
記録媒体は、特に制限されず、通常の非コート紙、コート紙等の他、合成紙ユポ、軟包装に用いられる各種プラスチック及びそのフィルムを用いることができる。各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PPフィルム、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムがある。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類等が使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。
食品包装用の記録媒体としては、用途に合わせて適宜選択されるが、例えばポリプロピレン等とすることができる。
なお、インク液滴が着弾する際の記録媒体の温度は、20℃以上40℃以下に制御されていることが、インクのゲル化の観点から好ましい。
(第2の工程)
第2の工程では、第1の工程で記録媒体に着弾させたインクに活性光線を照射して、インクの硬化膜からなる画像を形成する。
活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、及びエックス線等から選択することができるが、好ましくは紫外線であり、365nm以上405nm以下にピーク波長を有する光をLED光源から照射することが好ましい。LED光源の例として、Phoseon Technology社製の水冷LED(ピーク波長395nm)が挙げられる。LEDは従来の光源(例えばメタルハライドランプ等)と比較して、輻射熱が少ない。したがって、活性光線照射時に、インクが溶け難く、光沢ムラ等を生じさせ難い。
ここで、365nm以上405nm以下にピーク波長を有する光を照射する場合、記録媒体表面もしくはインク液滴表面におけるピーク照度を、0.5W/cm以上10.0W/cm以下とすることが好ましく、1.0W/cm以上5.0W/cm以下とすることが好ましい。
活性光線の照射は、インクが記録媒体に着弾してから0.001秒から1.0秒までの間に行うことが好ましく、高精細な画像を形成するためには、0.001秒から0.5秒までの間に行うことがより好ましい。
一方、活性光線の照射は、2段階に分けて行ってもよい。この場合、インクが記録媒体に着弾してから0.001秒から2.0秒までの間に活性光線を照射してインクを仮硬化させ、全印字終了後、さらに活性光線を照射してインクを本硬化させることができる。活性光線の照射を2段階に分けることで、インクの硬化収縮が生じ難くなる。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、これらの記載によって本発明の範囲は限定して解釈されない。
[シアン顔料分散液の調製]
以下の手順で、シアン顔料分散液を調製した。
顔料分散剤であるEFKA4130(BASF社製)を9質量%、多官能光重合性化合物であるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A−DCP:新中村化学社製)を71質量%、ステンレスビーカーに入れ、これを65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌した。
混合液を室温まで冷却し、さらに、顔料であるPigmentBlue15:4(大日精化社製)を20質量%加えた。この溶液を、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて5時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、シアン顔料分散液を得た。
[インクの調製]
下記の表2〜4に記載されたインク成分にしたがって、下記に示す各成分と上記顔料分散液とを混合して、80℃に加熱して攪拌した。その後、当該混合液を加熱しながら、ADVANTEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過を行い、インク試料1〜32を得た。なお、表の成分量は質量%である。
[ゲル化剤]
ステアリン酸ステアリル(エキセパールSS:花王社製、C17−C18)
ジステアリルケトン(カオーワックスT1:花王社製、C18−C18)
ラウリル酸アミド(ダイヤミッドY:日本化成社製、C12)
ジステアリン酸エチレングリコール(EMALEX EG−di−S:日本エマルジョン社製、C17−C17)
[光重合性化合物]
(多官能光重合性化合物)
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A−DCP:新中村化学社製)
6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499:SARTOMER社製)
4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494:SARTOMER社製)
PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(Photomer 4072:Cognis社製)
3−メチルペンタンジオールジアクリレート
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA:日本触媒製)
(単官能光重合性化合物)
テトラヒドロフルフリルアクリレート(V#150:大阪有機化学社製)
[光開始剤]
(一般式(1)で表される化合物)
Ominopol 910 (IGM社製)
(アシルホスフィン系化合物)
DAROCURE TPO (BASF社製、分子量348)
IRGACURE 819 (BASF社製、分子量418)
(チオキサントン系化合物)
SPEEDCURE CPTX(Lambson社製、分子量304)
SPEEDCURE 7010(Lambson社製、分子量1899)
SPEEDCURE ITX(Lambson社製、分子量254)
[光開始助剤]
SPEEDCURE7040(Lambson社製)
[重合禁止剤]
Irgastab UV10(BASF社製)
[界面活性剤]
KF−352(信越化学社製)
[画像形成方法]
表2〜4に記載の各インク試料を用いて、解像度が600dpiのピエゾヘッド2つを搬送方向に配置し、1200×1200dpiの記録解像度として、液滴量が4plとなるように駆動し、100%ベタ画像の描画を行った。
(露光方法)
フィルム−OTP3162(A4サイズ、ポリプロピレンシート、40μm)を30m/minの速度で走査させ、メタルハライドランプランプ(メタハラ、GSユアサ社製)120W/cm、画像表面での最高照度280mW/cm、400mJ/cm(365nmセンサー、岩崎電気UVPF−A1で測定)又は、深紫外線LEDランプ波長254nm(低波長LED、日機装株式会社製)、画像表面での最高照度1W/cm、400mJ/cm(254nmセンサー、岩崎電気UVPF−A1で測定)で硬化させた。
[評価方法]
(インクの表面硬化性)
ベタ画像部(100%印字部)を、25℃・60%RHの環境下に24時間放置した。その後、JIS−K−5400に準じて表面の鉛筆硬度を測定した。評価は下記の基準で行った。
◎:鉛筆硬度2H以上
○:鉛筆硬度B
△:鉛筆硬度F、H
×:鉛筆硬度2B以下
(マイグレーション量評価)
直径10cmの円状ベタ印刷物の裏面(フィルム面)に、水:エタノール=5:95混合液100mlを接液し、混合液が揮発しないように、混合液を金属密閉容器に入れた状態にして、60℃で10日間放置した。その後、水、エタノール混合溶液中に含有する、印刷物からの各光重合性化合物、開始剤、反応後の光開始剤残渣等の全マイグレーション量を算出し、4段階で評価を行った。
◎:マイグレーション量が10ppb未満
〇:マイグレーション量が10ppb以上50ppb未満
△:マイグレーション量が50ppb以上100ppb未満
×:マイグレーション量が100ppb以上
評価結果を下記表2〜4に示す。
Figure 2017105902
Figure 2017105902
Figure 2017105902
表2〜4に示されるように、活性光線硬化型インクジェットインクが、ゲル化剤を含まない場合(試料26、27、31、及び32)には、マイグレーションが生じやすく、表面硬化性も低くなりやすかった。これに対し、活性光線硬化型インクジェットインクが、ゲル化剤を含む場合には、マイグレーションが抑制され、さらに表面硬化性も向上した(試料1〜22)。ただし、活性光線硬化型インクジェットインクがゲル化剤を含んでいたとしても、光開始剤を含まない場合には、表面硬化性が悪く、マイグレーションも生じやすかった(試料28及び29)。また、光開始剤として、前述の一般式(1)で表される化合物以外の光開始剤を含む場合(試料30)には、表面硬化性が良好であったが、マイグレーションが生じやすかった。さらに、光重合性化合物として、単官能光重合性化合物を含む場合にもマイグレーションが生じやすかった(試料23〜25)。
これに対し、実質的に多官能光重合性化合物のみからなる光重合性化合物と、一般式(1)で表される光開始剤と、ゲル化剤と、を含む活性光線硬化型インクジェットインクでは、マイグレーションが抑制されやすく、さらに表面硬化性が高まりやすかった(試料1〜22)。
本発明に係る活性光線硬化型インクジェットインクによれば、成分が表面に析出し難く、表面硬化性が良好な硬化膜が得られる。したがって、各種記録媒体への画像方法に適用することができ、例えば食品包装用の記録媒体にも画像形成が可能である。

Claims (6)

  1. 光重合性化合物、光開始剤、及びゲル化剤を含有する、活性光線硬化型インクジェットインクであって、
    前記光重合性化合物が、実質的に多官能光重合性化合物のみからなり、
    前記光開始剤が、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする、
    活性光線硬化型インクジェットインク。
    Figure 2017105902
    (一般式(1)中、nは1以上30以下の整数を表す)
  2. 前記光開始剤が、アシルホスフィン系化合物をさらに含むことを特徴とする、
    請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  3. 前記光開始剤が、分子量300以上3000以下のチオキサントン系化合物をさらに含むことを特徴とする、
    請求項1または2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  4. 前記ゲル化剤が、下記一般式(G1)及び(G2)で表される化合物のうち、少なくとも一種の化合物を含むことを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
    Figure 2017105902
    (一般式(G1)及び(G2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数12以上26以下の直鎖部分を含むアルキル基を表す)
  5. 前記光重合性化合物が、プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物、及びエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物のうちいずれか一方を少なくとも含み、
    前記プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物及び前記エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の総量が、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクをインクジェット記録装置のノズルから吐出して記録媒体に着弾させる工程と、
    前記記録媒体上に着弾した前記活性光線硬化型インクジェットインクに、活性光線を照射して、前記活性光線硬化型インクジェットインクを硬化させる工程と、
    を含むことを特徴とする、画像形成方法。
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