JP2017106040A - 複合成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた不燃性を確保しつつ、比重および熱伝導率が低く抑えられた複合成形体を提供すること。【解決手段】連通した空隙を有し、空隙率が5〜60%である熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の前記空隙に、スメクタイトを含有するセメントの硬化物が充填されており、前記セメントの硬化物がエトリンガイトを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、断熱材や不燃建材等として有用な複合成形体に関する。
従来、複合成形体としては、外部と連通した空隙を有する熱可塑性樹脂発泡粒子成形体とこの熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙に充填された石膏とからなる複合成形体等が知られている(特許文献1)。この複合成形体は、成形容易性、不燃性を備えているため、断熱材や不燃建材としての利用が期待されている。
特開2012−236914号公報
しかしながら、特許文献1の複合成形体の場合、不燃性に優れ不燃建材として利用できるものの、さらに軽量な不燃建材が求められており、軽量性の観点からは課題を残すものであった。一方、特許文献1の複合成形体密度を低く抑え、軽量化しようとすると、発熱量が大きくなって、不燃性を確保することが難しい場合があった。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、優れた不燃性を有するとともに、成形体密度が低く抑えられた、不燃性と軽量性を併せ持つ複合成形体を提供することを課題としている。
本発明の複合成形体は、連通した空隙を有し、空隙率が5〜60%である熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の前記空隙に、スメクタイトを含有するセメントの硬化物が充填されており、前記セメントの硬化物がエトリンガイトを含有することを特徴としている。
この複合成形体では、スメクタイトが、モンモリロナイトを含有することが好ましい。
この複合成形体では、前記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙に前記セメントの硬化物が充填されていると共に、前記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の重量(W1)に対する、前記セメントの硬化物の重量(W2)の比(W2/W1)が3以上であることが好ましい。
この複合成形体では、前記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の密度が5〜30g/Lであることが好ましい。
この複合成形体では、複合成形体の密度が100〜300g/Lであることが好ましい。
本発明の複合成形体は、軽量性と、優れた不燃性を有する複合成形体である。したがって、不燃性と軽量性を併せ持つ特性が要求される断熱材や不燃建材等として極めて好適なものである。
本発明の複合成形体は、連通した空隙を有し、空隙率が5〜60%である熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の前記空隙に、スメクタイトを含有するセメントの硬化物が充填されている。
熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の基材樹脂としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂核粒子にスチレン系単量体を含浸、重合して得られる複合樹脂などを挙げることができるが、中でも、軽量性、耐水性、耐久性等の特性並びにコストの観点から、ポリスチレン系樹脂、或いはポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましく、特にはポリスチレン系樹脂を使用することが好ましい。
ポリスチレン系樹脂とは、スチレン系単量体を主成分とする樹脂であり、例えば、スチレン系単量体の重合体、又は、スチレン系単量体と該スチレン系単量体と共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。上記ポリスチレン系樹脂100質量%におけるスチレン系単量体成分の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%である。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−オクチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,4,6−トリブロモスチレン、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
スチレン系単量体以外の単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸の炭素数が1〜10のアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等のメタクリル酸の炭素数が1〜10のアルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有不飽和化合物等や、ジビニルベンゼン等の架橋性単量体が挙げられる。
熱可塑性樹脂成形体の構成成分である熱可塑性樹脂発泡粒子としては、例えば、ポリスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を基材樹脂とし、発泡剤が含浸された発泡性樹脂粒子を発泡させたもの等が好ましく用いられる。
この発泡性樹脂粒子を得る方法としては、一般的な懸濁重合法や押出ペレット法等の公知の方法により熱可塑性樹脂粒子を製造し、これに発泡剤を適宜含有させて発泡性樹脂粒子とする方法が挙げられる。また、熱可塑性樹脂粒子に発泡剤を含有させる方法としては、重合の途中または重合終了後に発泡剤を添加して含有させる方法、また、押出途中で発泡剤を添加して含有させる方法等が挙げられる。該発泡性樹脂粒子には、さらに必要に応じて可塑剤、その他公知の種々の助剤を添加することもできる。発泡剤の添加量は、使用する熱可塑性樹脂、発泡剤、助剤の種類によって異なるが、通常、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜2.0重量部の割合で添加される。
なお、発泡剤としては物理発泡剤が使用されるが、その中でも沸点が80℃以下の揮発性有機化合物が好ましい。沸点が80℃以下の揮発性有機化合物としては、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、シクロブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素化合物、メタノール、エタノールなどの低級アルコール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物などを用いることができる。これらの物理発泡剤は、単独で、又は2種以上の混合物で用いることができる。
また、熱可塑性樹脂発泡粒子の平均粒子径は0.5〜4.5mmであることが好ましい。発泡粒子の粒子径が上記範囲内であれば、セメント又は石膏の硬化物の充填性が良好となり、十分な不燃性を有する複合成形体が得られる。このような観点から、熱可塑性樹脂発泡粒子の平均粒子径は0.5〜2.5mmであることがより好ましい。
本発明で用いる熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙率は5〜60%である。発泡粒子成形体が連通した空隙を有することにより、セメントまたは石膏の充填が容易となり、十分な不燃性を有する複合成形体が得られる。発泡粒子成形体の空隙率が高すぎる場合には、セメントまたは石膏が充填され易くなり、複合成形体中のセメント又は石膏の含有量が多くなるために、軽量性が低下するおそれがある。一方、空隙率が低すぎる場合には、セメントまたは石膏が空隙に充填されにくくなり、不燃性を有する複合成形体が得られにくくなるおそれがある。このような観点から、本発明の熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙率は15〜50%であり、好ましくは20〜40%である。
なお、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙率Yは、例えば次のような方法により求めることができる。
温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置した熱可塑性樹脂発泡粒子成形体から直方体サンプルを切り出し、該サンプルの外形寸法より嵩体積Va[cm3]を求める。次いで該サンプルを温度23℃のエタノールの入ったメスシリンダー中に金網などの道具を使用して沈め、軽い振動等を加えることにより成形体中の空隙に存在している空気を脱気する。そして、金網などの道具の体積を考慮して水位上昇分より読みとられる該サンプルの真の体積Vb[cm3]を測定する。求められたサンプルの嵩体積Va[cm3]と真の体積Vb[cm3]から、次式により空隙率Y[%]を求めることができる。
空隙率Y[%]=〔(Va−Vb)/Va〕×100
このような連通した空隙を有する熱可塑性樹脂発泡粒子成形体を得るための方法としては、(i)熱可塑性樹脂発泡粒子を金型内に充填し、充填時の発泡粒子間の空隙がなくならないように発泡粒子を加熱して発泡粒子同士の一部を互いに融着させることにより発泡粒子間に連通した空隙を形成させる方法、(ii)貫通孔を有する熱可塑性樹脂発泡粒子を金型内に充填し、加熱することにより発泡粒子同士を融着させ、前記貫通孔による連通した空隙を形成させる方法や、(iii)これらの方法を組み合わせることによって、粒子間の空隙と貫通孔による空隙の両方を形成させる方法などが挙げられる。
なお、ここでいう「連通」とは、発泡粒子成形体の内部の空隙の全てが連続して通じているものに限定されるものではないが、発泡粒子成形体を構成する発泡粒子間に形成された空隙のうちの50%以上が連続しているものが好ましく、80%以上連続しているものがより好ましく、90%以上連続しているものがさらに好ましい。
また、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の密度は、5〜30g/Lであることが好ましい。前記密度が上記範囲内であれば、軽量性を有する複合成形体が得られやすくなるとともに、断熱性にも優れたものとなる。上記観点から、該密度は8〜25g/Lであることがより好ましい。なお、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の密度は、セメントまたは石膏を充填する前の発泡粒子成形体の重量を、発泡粒子成形体の外形寸法から求められた容積により割り算し、さらに[g/L]に単位換算することにより求めることができる。
本発明の複合成形体は、このような熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙に、スメクタイトを含有するセメントの硬化物、またはスメクタイトを含有する石膏の硬化物が充填されているものである。なお、スメクタイトを含有するセメントまたは石膏の硬化物は、必ずしも熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙の全てに充填されている必要はなく、空隙の一部に充填されていてもよい。なお、セメントまたは石膏は、水などの分散媒に分散させた分散液を発泡粒子成形体に含浸させてセメントまたは石膏を充填し、硬化させることにより複合・固定化することができる。
セメントとしては、各種の水硬性セメントを使用することができる。例えば、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、低硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等のポルトランドセメントや、水硬性石灰、ローマン・セメント、天然セメント、アルミナセメント、高炉セメント、シリカセメント、膨張セメント、着色セメントなどを例示することができる。
さらに、セメントの硬化物は、エトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2Oを含有することが好ましい。エトリンガイトは、セメント水和時にアルミネート相(カルシウムアルミネート)とセメント成分が反応して生成される水和物であり、複合成形体の発熱量を抑えるとともに強度を高めることができる。このようなセメントとしては、電気化学工業株式会社製 製品名コスミックなどが挙げられる。
一方、石膏としては、例えば、二水石膏(CaSO4・2H2O)、半水石膏(CaSO4・1/2H2O)、無水石膏(CaSO4)が挙げられるが、なかでも、充填性の観点から半水石膏(α型及びβ型を含む。)を好ましく例示することができる。
複合成形体を構成するセメントまたは石膏の硬化物は、スメクタイトを含有する。スメクタイトは、ベントナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト、サポナイトなどの粘土鉱物を好ましく例示することができる。スメクタイトを用いた場合には、複合成形体を形成する際、発泡粒子成形体にセメント又は石膏を充填させ易くなるので、より軽量な複合成形体を得ることができる。なお、スメクタイトは、予め原料のセメントまたは石膏に含有されているものを用いてもよく、また、原料のセメントまたは石膏の粉体に混合しても、セメントまたは石膏の分散液とした状態に混合してもよい。したがって、複合成形体を構成するセメントまたは石膏の硬化物にはスメクタイトが含有されることになる。上記観点からスメクタイトのなかでも、モンモリロナイトまたはモンモリロナイトを主成分として含有する粘土鉱物が好ましい。
モンモリロナイトを主成分として含有する粘土鉱物としては、ベントナイトが挙げられる。なお、ベントナイトは、シリカとアルミナとを主成分とする層状ケイ酸塩鉱物の1種であるモンモリロナイトを主成分とするものであり、副成分として、石英、クリストバライト、沸石、長石などを含むものである。
モンモリロナイトは、膨潤性や増粘性、懸濁安定性に優れるので、セメントまたは石膏を水に分散させる際に、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙への充填に適した分散液を形成することが可能となる。すなわち、セメントまたは石膏を水に分散させる際に、セメントまたは石膏の濃度を低くしても、分散液の分散安定性に優れるので、発泡粒子成形体にセメントまたは石膏の分散液を均一に含浸させ、発泡粒子成形体中にセメントまたは石膏を均一に充填することが可能となる。
また、セメントまたは石膏の分散液の分散安定性に優れるので、セメントまたは石膏が硬化する際にも、セメントまたは石膏と水溶媒とが分離することがなく、発泡粒子成形体の連通した空隙に充填されたセメントまたは石膏が均一な状態で硬化した複合成形体が得られる。
さらに、モンモリロナイトが配合されていることで、そのセメントまたは石膏の分散液は、膨潤されて、気泡を巻き込んだホイップクリーム状の分散液が形成されやすくなる。このような分散液を発泡粒子成形体に含浸した場合には、均一に気泡を巻き込んだ形でセメントまたは石膏が固化される。したがって、得られる複合成形体は、発泡粒子の気泡構造による軽量化と、分散液に巻き込まれた気泡による軽量化によって、従来にない軽量な複合成形体を形成することができる。また、均一に気泡を巻き込んだ形でセメントまたは石膏が固化されるので、発熱量の低減にもつながると考えられる。
なお、膨潤性や増粘性、懸濁安定性にさらに優れるという観点からは、上記の副成分の含有量が少ない、モンモリロナイトを用いることが好ましい。このような精製モンモリロナイトは、例えば、水簸などの工程により精製されたものとして得ることができる。
このような精製モンモリロナイトとしては、クニミネ工業株式会社製 製品名クニピアGなどを挙げることができる。また、精製モンモリロナイトはガスバリア効果を有するので、複合成形体の燃焼時に発熱量を低減させる効果も有すると考えられる。
以上の観点から、上記スメクタイトは、セメントまたは石膏100重量部に対して、0.1〜12重量部配合することが好ましく、0.2〜10重量部配合することが好ましい。
また、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙にセメントの硬化物が充填されている場合には、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の重量(W1)に対するセメントの重量(W2)の比(W2/W1)が3以上であることが好ましく、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙に石膏の硬化物が充填されている場合には、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の重量(W1)に対する石膏の重量(W3)の比(W3/W1)が3以上であることが好ましい。熱可塑性樹脂発泡粒子成形体と、セメントまたは石膏の硬化物が上記の関係を有する場合には、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙へセメントまたは石膏を容易に均一に充填することができ、軽量性と不燃性とに優れる複合成形体を得ることができる。上記観点から、該比は、5以上が好ましく、10以上がさらに好ましい。このような複合成形体は、上述のとおり、スメクタイトを含有するセメント又は石膏の分散液を原料として用いることにより得ることができ、セメント又は石膏の硬化物中にはスメクタイトが含有される。
本発明の複合成形体は、密度が100〜300g/Lであることが好ましく、105〜280g/Lであることがより好ましく、110〜250g/Lであることがさらに好ましく、115〜180g/Lであることがもっとも好ましい。複合成形体の密度が上記範囲内であると、軽量性に優れた不燃材料として使用することができる。
さらに、本発明の複合成形体は、建築基準法の新防火材料認定試験法ISO5660において不燃判定とされるコーンカロリーメーター試験についても、加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下に抑えられるものであることが好ましく、6MJ/m2以下であることがより好ましく、5MJ/m2以下であることがさらに好ましい。
また、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の連通した空隙の全体にわたって、セメントまたは石膏の硬化物を形成させる具体的な方法は特に限定されないが、例えば、水が添加されて適宜な粘度に調整されたセメントまたは石膏の分散液を、真空圧600〜780mmHgで発泡粒子成形体の空隙内へと吸引することにより含浸させる方法などを例示することができる。また、セメントまたは石膏を水に分散させた分散液の、JIS Z8803に準拠した振動粘度計による粘度(25℃)は、10〜500mPa・sであることが好ましく、15〜100mPa・sであることがより好ましく、20〜60mPa・sであることがさらに好ましい。このような粘度の分散液は、スメクタイトを配合することによって得ることができる。
また、底面に開口部を持つ型内に発泡粒子成形体を配置し、型内の空気圧を0.03〜0.10MPa(G)に高め、セメントまたは石膏の分散液を該発泡粒子成形体の空隙内へ圧入する方法により得ることもできる。
セメントまたは石膏を分散液として熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙に充填する場合には、該分散液は、気泡を巻き込んだホイップクリーム状のものとすることが好ましい。この際、セメントまたは石膏の配合量(a)とスメクタイトの配合量(b)の比(a/b)は、10〜400であることが好ましく、15〜300であることがさらに好ましい。一方、セメントまたは石膏の配合量(a)と水の配合量(c)との比(a/c)は、0.1〜2であることが好ましく、0.2〜1.5であることがより好ましく、0.3〜1.1であることがさらに好ましい。
さらに、セメントまたは石膏の分散液に気泡を巻き込む方法としては、例えば、分散液を混練する撹拌装置の撹拌子や撹拌羽根を気泡の発生しやすい形状としたり、分散液中に空気連行剤(AE剤)を添加するなどの方法が挙げられる。
なお、セメント、石膏の濃度、発泡粒子成形体への充填条件(圧力、時間)、さらには発泡粒子成形体の密度、空隙率などを調整することにより、複合成形体の密度を調整することができる。
このようにして得られた複合成形体は、不燃性に優れ、発泡粒子成形体の軽量性と成形容易性を備えつつ、熱伝導率も低く抑えられている。
本発明の複合成形体は、以上の形態に限定されることはない。
以下、本発明の複合成形体について、実施例とともにさらに詳しく説明する。
以下、本発明の複合成形体の実施例について説明するが、本発明は、何らこれらの実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例および比較例では、表1に示した材料を使用した。
Figure 2017106040
また、発熱量、熱伝導率および複合成形体密度は、以下の方法で算出した(以下、実施例2〜6、比較例1、2についても同様)。
(発熱量試験)
複合成形体を100×100×50mmにカットし、新防火材料認定試験法ISO5660に基づいてコーンカロリーメーター試験機(株式会社東洋精機社製「コーンカロリーメーターIII試験機」)で発熱量を測定した。なお、測定は、着火開始から20分後の総発熱量を測定した。
(熱伝導率)
複合成形体から切り出した縦200mm、横200mm、厚み50mmの試験片について、JIS A9511−4.7(1995年)の記載により、英弘精機株式会社製の熱伝導率測定装置「オートΛ HC−73型」を使用して、JIS A1412(1994年)記載の平板熱流計法(熱流計2枚方式、平均温度20℃)に基づいて測定した。
(複合成形体密度)
複合成形体の密度は、複合成形体の重量を、複合成形体の外形寸法から求められた容積により割り算し、さらに[g/L]に単位換算することにより求めた。
<1>実施例1
発泡性ポリスチレン粒子(株式会社ジェイエスピー製:スチロポール)をバッチ式予備発泡機(株式会社ダイセン工業製:DYH850)にて発泡させ、ポリスチレン発泡粒子を得た。このポリスチレン発泡粒子に対して流動パラフィンをポリスチレン発泡粒子100重量部に対して10重量部コーティングし、その後、ポリスチレン発泡粒子を24時間熟成させた。
熟成したポリスチレン発泡粒子を成形機(株式会社ダイセン工業製:VS−500)に充填し、スチームにより加熱して、発泡粒子間に空隙を有する状態で発泡粒子同士を融着させ、空隙率33%、成形体密度11g/Lの、おこし状のポリスチレン発泡粒子成形体を製造した。
表1に示すセメント1を用い、このセメント紛体220gと水440gを容器に入れて混合した。
また、精製モンモリロナイト(クニミネ工業社製「クニピアG」)を水に溶かして作製した4%水溶液220gを、前記容器に入れて混合して、表2の割合となるようにしてセメント分散液とした。
続いて、セメントを含浸・充填させるための金型として、上面開口部211mm×211mm、深さ52mmの空間を有し、底面に吸引孔を有する金型を用い、210mm×210mm×50mmのサイズに切り出した発泡粒子成形体を該金型内に押し込んだ。この時、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の上下面には、それぞれガラス繊維ネット(厚み0.4mm、坪量145g/m2)を敷き、さらに、下面にはポリエステル不織布(厚み0.24mm、坪量40g/m2)を貼り付けた。その後、側面をシールして、表1に示したセメント分散液を発泡粒子成形体の上に注ぎ、底面側から真空圧760mmHgで10秒間吸引することにより、セメントを発泡粒子成形体の空隙に含浸させた。その後、上面側に下面と同様のポリエステル不織布を貼り付けた。このポリエステル不織布は、セメントが外部に流出するのを抑制し、複合成形体の強度を高める目的で使用した。
そして、セメントの含浸が終了した複合成形体を40℃以下で乾燥した。表2に示すように、実施例1の複合成形体は、優れた不燃性を確保しつつ、成形体密度が低く抑えられていることが確認された。
<2>実施例2
表2に示す条件を変更し、ベントナイトを添加した以外は、実施例1と同様にして複合成形体を得た。表2に示すように、実施例2の複合成形体も、優れた不燃性を確保しつつ、成形体密度が低く抑えられていることが確認された。
<3>実施例3
実施例1に対して、原料の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして複合成形体を得た。表2に示すように、実施例3の複合成形体も、優れた不燃性を確保しつつ、成形体密度が低く抑えられていることが確認された。
<4>実施例4
原料として石膏を使用し、表2の条件とした以外は、実施例1と同様にして複合成形体を得た。表2に示すように、実施例4の複合成形体も、優れた不燃性を確保しつつ、成形体密度が低く抑えられていることが確認された。
<5>実施例5
実施例4に対して、石膏の添加量を変更し、表2に示す条件とした以外は、実施例4と同様にして複合成形体を得た。実施例5の複合成形体についても、優れた不燃性を確保しつつ、成形体密度が低く抑えられていることが確認された。
<6>実施例6
エトリンガイト非含有の原料を用いた以外は、実施例1と同様にして複合成形体を得た。表2に示すように、実施例6の複合成形体も、優れた不燃性を確保しつつ、成形体密度が低く抑えられていることが確認された。
<比較例1>
原料として、セメント2(一般セメント)を使用し、スメクタイトを添加しない以外は、実施例1と同様にして複合成形体を得た。表2に示すように、得られた複合成形体は、軽量性を満足するものではなかった。
<比較例2>
原料として、セメント2(一般セメント)を使用し、スメクタイトを使用しない以外は、実施例1と同様にして複合成形体を得た。表2に示すように、得られた複合成形体は、軽量性を満足するものではあったが、総発熱量が高く、不燃性に劣るものであった。
Figure 2017106040
(実施例7)
発泡粒子成形体については、実施例1と同様のものを使用し、表1に示すセメント1を用い、このセメント紛体207gと水456gおよび空気連行剤(AE剤;グレースケミカルズ社製 「AEA−S」)0.083gを容器に入れて混合した。セメント分散液としては、精製モンモリロナイト(クニミネ工業社製「クニピアG」)を水に溶かして作製した4%水溶液219gを、前記容器に入れて混合して、表3の割合となるようにしたものを用いた。
続いて、セメントを含浸・充填させるための金型として、上面開口部211mm×211mm、深さ75mmの空間を有し、底面に通気孔を有する金型を用い、210mm×210mm×50mmのサイズに切り出した発泡粒子成形体を該金型内に押し込んだ。この時、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の上下面には、それぞれガラス繊維ネット(厚み0.4mm、坪量145g/m2)を敷き、さらに、下面にはポリエステル不織布(厚み0.24mm、坪量40g/m2)を貼り付けた。その後、セメント分散液を発泡粒子成形体の上に注ぎ、最上面に下面と同様にポリエステル不織布を置き、さらに通気性の無いフィルムを配した後、金型を覆い気密性をもたせた蓋をかぶせた。分散液を覆うフィルムと蓋との間にできた空間に加圧空気を送り、型内の空気圧が0.03〜0.1MPa(G)となるようにして5秒間加圧することにより、セメントを発泡粒子成形体の空隙に含浸させた。その後、型内の圧力を開放した。得られた複合成形体を40℃以下で乾燥した。
Figure 2017106040

Claims (5)

  1. 連通した空隙を有し、空隙率が5〜60%である熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の前記空隙に、スメクタイトを含有するセメントの硬化物が充填されており、前記セメントの硬化物がエトリンガイトを含有することを特徴とする複合成形体。
  2. 前記スメクタイトが、モンモリロナイトを含有することを特徴とする請求項1に記載の複合成形体。
  3. 前記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の空隙に前記セメントの硬化物が充填されていると共に、前記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の重量(W1)に対する、前記セメントの硬化物の重量(W2)の比(W2/W1)が3以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の複合成形体。
  4. 前記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の密度が5〜30g/Lであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の複合成形体。
  5. 複合成形体の密度が100〜300g/Lであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の複合成形体。
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