JP2017110060A - 発光性構造体およびそれを用いた発光装置 - Google Patents

発光性構造体およびそれを用いた発光装置 Download PDF

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まみ 森下
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Abstract

【課題】半導体ナノ粒子蛍光体同士の凝集、表面修飾基の脱離などが起こることなく、高い発光効率を有する、半導体ナノ粒子蛍光体を用いた発光構造体を提供する。
【解決手段】細孔を有する透光性基材と、前記透光性基材の細孔中に保持された液体分散媒と、前記液体分散媒中に分散された半導体ナノ粒子蛍光体とを備える発光性構造体、ならびに、光源と、本発明の発光性構造体が透光性を有する媒体中に分散された波長変換部とを備える発光装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、細孔を有する透光性基材と、前記透光性基材の細孔中に保持された液体分散媒と、前記液体分散媒中に分散された半導体ナノ粒子蛍光体とを備える発光性構造体、ならびに、当該発光性構造体を用いた発光装置に関する。
半導体ナノ粒子蛍光体(量子ドットとも呼ばれる)は、量子サイズ効果によりサイズ可変な(size−tuneable)電子特性から、商業的関心が持たれている。サイズ可変な電子特性は、生体標識、太陽光発電、触媒作用、生体撮像、LED、一般的な空間照明、及び電子発光ディスプレイなどの様々な用途に利用できる。
たとえば、特開2014−56896号公報(特許文献1)には、ベース基板と、ベース基板上に設けられた発光素子と、発光素子上の少なくとも一部に形成される第1層封止部(透過性保護層)と、第1層封止部上の少なくとも一部に形成される第2層封止部(第1の蛍光層)とを備え、第2層封止部が2種類以上の半導体量子ドット(半導体ナノ粒子蛍光体)を有する発光デバイスが開示されている(特許文献1の請求項1、3)。特許文献1に記載された発明では、発光素子と、半導体ナノ粒子蛍光体を含む第2層封止部との間に、第1層封止部(透過性保護層)を介在させることで、発光素子の熱による半導体ナノ粒子蛍光体の劣化を緩和し、第2層封止部の安定化を図っている。
しかしながら、特許文献1に記載された発光デバイスでは、半導体ナノ粒子蛍光体を揮発性の溶媒に分散させた蛍光体溶液を、熱硬化性のエポキシ樹脂と混合し、第1層封止部上に滴下し、硬化させて第2層封止部を形成する(特許文献1の段落〔0075〕、〔0078〕)。このように溶媒中に分散させた半導体ナノ粒子蛍光体を、樹脂中に再分散させることで、再分散の際に半導体ナノ粒子蛍光体の凝集などが起こり、発光特性を劣化させてしまうという問題があった。
特開2014−56896号公報
半導体ナノ粒子蛍光体は、液体分散媒中に分散した状態で高効率な蛍光特性が得られる一方で、特許文献1に開示された発光デバイスのように樹脂材料と混合させると、発光効率が低下してしまう。これは、半導体ナノ粒子蛍光体同士の凝集、表面修飾基の脱離などの、樹脂中での半導体ナノ粒子蛍光体の周辺環境の変化に起因するものと考えられる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、半導体ナノ粒子蛍光体同士の凝集、表面修飾基の脱離などが起こることなく、高い発光効率を有する、半導体ナノ粒子蛍光体を用いた新規な発光構造体を提供することである。
本発明の発光性構造体は、細孔を有する透光性基材と、透光性基材の細孔中に保持された液体分散媒と、液体分散媒中に分散された半導体ナノ粒子蛍光体とを備えることを特徴とする。
本発明の発光性構造体は、液体分散媒が毛細管力により細孔中に保持されていることが好ましい。
本発明の発光性構造体において、透光性基材はポーラス構造を有することが好ましい。
本発明の発光性構造体において、透光性基材がカプセル状であることが好ましい。
本発明の発光性構造体において、透光性基材がキャピラリ状であることが好ましい。
本発明の発光性構造体は、細孔の開口を少なくとも覆う保護基材をさらに備えることが好ましい。
本発明の発光性構造体における透光性基材はガスバリア性を有することが好ましい。
本発明の発光性構造体における液体分散媒は不揮発性であることが好ましい。
また本発明の発光性構造体における液体分散媒はイオン性液体であることが好ましい。
本発明の発光性構造体における半導体ナノ粒子蛍光体の発光波長が380〜750nmの範囲内であることが好ましい。
本発明の発光性構造体は、複数の発光ピークを含むことが好ましい。
本発明はまた、光源と、上述した本発明の発光性構造体が透光性を有する媒体中に分散された波長変換部とを備える発光装置についても提供する。
本発明の発光装置において、光源がその凹部に搭載された枠体を有し、前記波長変換部が、光源ごと凹部が前記媒体により充填されていてもよい。
また本発明の発光装置において、光源がその凹部に搭載された枠体を有し、前記波長変換部が、凹部の開口の少なくとも一部を覆うフィルム状物であってもよい。
本発明によれば、樹脂硬化プロセスを使わずに、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させた液体分散媒を透光性基材の細孔内に保持しているため、半導体ナノ粒子蛍光体同士の凝集、表面修飾基の脱離など半導体ナノ粒子蛍光体の周辺環境の変化が起こりにくく、半導体ナノ粒子蛍光体が安定的に機能し得るように液体分散媒中に分散させたまま、発光特性の劣化が起こりにくい発光性構造体を提供することができる。また、本発明は、このような発光性構造体を利用した、発光装置についても提供する。
本発明の第1の実施態様の発光性構造体1を模式的に示す図である。 図1に示した構造の発光性構造体と、同じ半導体ナノ粒子蛍光体を同じ液体分散媒中に分散後、シリコーン樹脂と混合した場合との発光効率を比較して示すグラフである。 本発明の第2の実施態様の発光性構造体11を模式的に示す図である。 本発明の第3の実施態様の発光性構造体21を模式的に示す図である。 本発明の第4の実施態様の発光性構造体31を模式的に示す図である。 本発明の第5の実施態様の発光性構造体41を模式的に示す図である。 本発明の第6の実施態様の発光性構造体を模式的に示す図であり、図7(a)には、図4に示した例の発光性構造体21の変形例である発光性構造体21’、図7(b)には、図5に示した例の発光性構造体31の変形例である発光性構造体31’、図7(c)には、図6に示した例の発光性構造体41の変形例である発光性構造体41’をそれぞれ示している。 本発明の第7の実施態様の発光性構造体51を模式的に示す図である。 本発明の第8の実施態様の発光性構造体61を模式的に示す図である。 本発明の第9の実施態様の発光性構造体71を模式的に示す図である。 本発明の第10の実施態様の発光性構造体81を模式的に示す図である。 本発明の第11の実施態様の発光性構造体91,101,102を模式的に示す図である。 本発明の第12の実施態様の発光装置111を模式的に示す図である。 本発明の第13の実施態様の発光装置111を模式的に示す図である。
<発光性構造体>
(第1の実施態様の発光性構造体)
図1は、本発明の第1の実施態様の発光性構造体1を模式的に示す図である。本発明の発光性構造体1は、図1に示す例のように、細孔4を有する透光性基材3と、前記透光性基材3の細孔4中に保持された液体分散媒5と、前記液体分散媒5中に分散された半導体ナノ粒子蛍光体2とを備える。
本発明の発光性構造体によれば、樹脂硬化プロセスを使わずに、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させた液体分散媒を透光性基材の細孔内に保持しているため、半導体ナノ粒子蛍光体同士の凝集、表面修飾基の脱離など半導体ナノ粒子蛍光体の周辺環境の変化が起こりにくく、半導体ナノ粒子蛍光体が安定的に機能し得るように液体分散媒中に分散させたまま、発光特性の劣化が起こりにくい。また、透光性基材3が、液体分散媒に分散された状態の半導体ナノ粒子蛍光体2を取り囲むため、半導体ナノ粒子蛍光体2が空気・水分などに曝されにくく、このような観点からも、半導体ナノ粒子蛍光体の長期安定性が向上される。
ここで、図2は、図1に示した構造の発光性構造体(半導体ナノ粒子蛍光体として発光波長620nmのコアシェル型CdSe/ZnS、液体分散媒としてN,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、透光性基材としてダイソーゲル(ダイソーケミカル(株)製)を用いた場合)と、同じ半導体ナノ粒子蛍光体を同じ液体分散媒に分散後、シリコーン樹脂(OE−7620(Dow Corning製))と混合した場合との発光効率(C9920−02G(浜松ホトニクス(株)製)で測定)を比較して示すグラフであり、縦軸は発光効率である。図2のグラフ中、Aは本発明の発光性構造体、Bはシリコーン樹脂に混合した場合を示している。図2からも明らかなように、液体分散媒に分散時の半導体ナノ粒子蛍光体の効率を基準にすると、Bでは約0.3まで下がったのに対し、Aでは約0.7に留まった。このように、本発明の発光性構造体は、樹脂と混合する場合と比較して、半導体ナノ粒子蛍光体の発光特性の劣化が起こりにくいことが分かる。
なお、本発明の発光性構造体は、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させた液体分散媒を透光性基材の細孔内に「保持」する構成であり、たとえば中空状の外殻内に、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させた液体を「内包」する構成とは異なる。中空状の外殻内に「内包」するためには、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させるための液体に制限があるが、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させた液体分散媒を透光性基材の細孔内に「保持」する構成である本発明は、用いる液体分散媒は特に制限されない。
本発明における半導体ナノ粒子蛍光体2は、高い発光効率を有し、かつ発光線幅が非常に狭く、ナノ粒子サイズを調製することにより発光波長を制御できる特徴を有する。一般に液体分散媒中で分散性が良いとき高い発光効率を有するが、樹脂中など固体中に分散させたとき、凝集によりナノ粒子蛍光体間のエネルギー失活が生じて効率が低下する。また、半導体ナノ粒子蛍光体を用いることで、組成制御による発光波長の制御を精密に行なうことができるという利点がある。
半導体ナノ粒子蛍光体の原料としては、特に制限されるものではなく、半導体ナノ粒子蛍光体として従来より用いられるCdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、InN、InP、InAs、InSb、AlP、AlS、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、PbS、PbSe、Si、Ge、MgS、MgSe、MgTeから選ばれる少なくともいずれかであってよい。さらに、半導体ナノ粒子蛍光体は、当業者に知られている二成分コア型、三成分コア型、四成分コア型、コアシェル型またはコアマルチシェル型、ドープされた半導体ナノ粒子蛍光体または傾斜した半導体ナノ粒子蛍光体であってよい。
半導体ナノ粒子蛍光体は、その形状については特に制限されないが、球状、ロッド状、ワイヤ状など従来公知の適宜の形状の半導体ナノ粒子蛍光体を特に制限なく用いることができる。特に、形状制御による発光特性の制御の容易さという観点からは、球状の半導体ナノ粒子蛍光体を用いることが好ましい。
半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径は、原料および所望の発光波長に応じて適宜選択することができ、特に制限されないが、1〜20nmの範囲内であることが好ましく、2〜5nmの範囲内であることがより好ましい。半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径が1nm未満である場合には、体積に対する表面積の割合が増えることにより、表面欠陥が支配的となり効果が低下する傾向にあるためであり、また、半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径が20nmを超える場合には、分散状態が低下し、凝集・沈降が生じる傾向にあるためである。ここで、半導体ナノ粒子蛍光体の形状が球状である場合には、粒子径は、たとえば粒度分布測定装置により測定された平均粒径もしくは電子顕微鏡により観察された粒子の大きさを指す。また半導体ナノ粒子蛍光体の形状がロッド状である場合には、粒子径は、たとえば電子顕微鏡により測定された短軸および長軸の大きさを指す。さらに、半導体ナノ粒子蛍光体の形状がワイヤ状である場合には、粒子径は、たとえば電子顕微鏡により測定された短軸および長軸の大きさを指す。
本発明の発光性構造体において、半導体ナノ粒子蛍光体は、液体分散媒100重量部に対して0.00001〜100重量部の範囲内で分散しているのが好ましく、0.001〜50重量部の範囲内で分散しているのがより好ましい。半導体ナノ粒子蛍光体が、液体分散媒100重量部に対し0.00001重量部未満である場合、濃度が低く十分な発光強度が得られないという傾向にあるためであり、また、液体分散媒100重量部に対し100重量部を超える場合、分散性が悪く半導体ナノ粒子蛍光体同士が凝集しやすい傾向にあり、発光効率が低下するためである。
本発明の発光性構造体において、液体分散媒は、特に制限されないが、半導体ナノ粒子蛍光体を安定的に分散させ、良好な発光効率が得られる観点からは、トルエン、クロロホルム、ヘキサン、エタノール、メタノールなどの有機分散媒、もしくは水分散媒が好ましい。中でも、極性を持つ有機分散媒は、表面修飾された半導体ナノ粒子蛍光体を安定的に分散できることから、液体分散媒としてトルエンまたはクロロホルムを用いることが好ましい。
本発明の発光性構造体における透光性基材3は、透光性を有し、細孔4を有する。このような透光性基材3を形成するための材料としては、たとえば主成分の少なくとも一つとしてシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、SiO、Al、ZnO、In、SnO、TiOなどが挙げられる。なお、図1には、透光性基材3が有する細孔4が、少なくともその一部が互いに連通するように形成された例を示している。このような透光性基材3として、市販品を用いても勿論よく、たとえばダイソーゲル(ダイソーケミカル(株)製)などが好適な例として挙げられる。透光性基材3の外形状は特に制限されるものではなく、球状(真球状、楕円球状)、棒状、角柱状、膜状などが挙げられる。
本発明の発光性構造体1では、細孔4から透光性基材3の内部に液体分散媒を注入・保持させることができるため、液体分散媒に制限がなく、また、透光性基材の透光性により励起光および蛍光の取り込み・取り出しに際して発光効率を低下させずに高い発光効率と固体(粉末)としての取扱い性を両立させることができる。
(第2の実施態様の発光性構造体)
図3は、本発明の第2の実施態様の発光性構造体11を模式的に示す図である。なお、図3に示す例の発光性構造体11は、図1に示した例の発光性構造体1と一部を除き同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。
図3に示す例の発光性構造体11は、液体分散媒が毛細管力により細孔中に保持されている。このように、本発明の発光性構造体は、液体分散媒が毛細管力により細孔中に保持されていることが好ましい。これにより、発光性構造体からの液体分散媒の液漏れを防ぎ、取扱い性が向上する。
ここで、一般に、細孔を有する構造体は毛細管現象により液体分散媒を吸着、保持する働きを持つ。以下の関係式を満たすとき、毛細管現象により、内部の液体を保持することができる。
M×g<2πr×T
M:液体分散媒の質量[kg]
g:重力加速度[m/s
r:細孔の半径[m]
T:液体/側表面の表面張力[N/m]
液体分散媒の種類と保持量、構造体の細孔径が上記関係を成立させたとき、毛細管現象が発現し、細孔からの液漏れを防ぎ、発光性構造体を粉末として取り扱うことが容易になる。
(第3の実施態様の発光性構造体)
図4は、本発明の第3の実施態様の発光性構造体21を模式的に示す図である。なお、図4に示す例の発光性構造体21は、図1に示した例の発光性構造体1と一部を除き同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。図4に示す例の発光性構造体21における透光性基材22は、ポーラス構造を有する。ここで、ポーラス構造とは、透光性基材22の内部に多くの細孔を含むことを特徴とする構造である。
透光性基材22がポーラス構造を有することで、細孔を多く含むため、細孔内へ液体分散媒を多く保持することができるという利点がある。さらに、蛍光体ナノ粒子蛍光体を液体分散媒に分散させ、ポーラス構造を有する透光性基材に保持させることで、得られた発光性構造体を固体の蛍光部材として取り扱うことが可能となり、発光性構造体を樹脂中に再分散させることが容易に行えるようになる。
ポーラス構造を有する透光性基材22を得るためには、たとえば、透光性基材の形成材料として水中でゾルゲル前駆体(金属アルコキシドなど)と界面活性剤を混合し、水分解や縮合などによりシリカのネットワークを形成し、熱処理により有機鋳型を除去すると細孔を持つシリカを主成分とするポーラス構造を有する透光性基材が得られる。あるいは、ポーラス構造を有する透光性基材3として市販品を用いても勿論よく、たとえばダイソーゲル(ダイソーケミカル(株)製)、M.S.GEL(AGCエスアイテック(株)製)などが好適な例として挙げられる。
(第4の実施態様の発光性構造体)
図5は、本発明の第4の実施態様の発光性構造体31を模式的に示す図である。なお、図5に示す例の発光性構造体31は、図1に示した例の発光性構造体1と一部を除き同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。
本発明の発光性構造体31は、図5に示す例のように、カプセル状の透光性基材32を用いてもよい。この場合、透光性基材32は、内部空間に連通する細孔33を有し、その内部空間には、細孔33を介して注入された、半導体ナノ粒子蛍光体2を分散させた液体分散媒5が収容されている。このようなカプセル状の透光性基材32を用いることで、図1に示した実施態様と比較して、体積当たりの空孔容量が大きく、半導体ナノ粒子蛍光体の液体分散媒の保持量を多くすることが容易であるというような利点がある。
このようなカプセル状の透光性基材32は、たとえばシリカなどの材料で形成されたものを好適に用いることができる。またこのようなカプセル状の透光性基材32として市販品を用いても勿論よい。
(第5の実施態様の発光性構造体)
図6は、本発明の第5の実施態様の発光性構造体41を模式的に示す図である。なお、図6に示す例の発光性構造体41は、図1に示した例の発光性構造体1と一部を除き同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。
本発明の発光性構造体41は、図6に示す例のように、キャピラリ状(細孔を有する円筒状の構造体)の透光性基材43を備え、その内部空間(細孔)44に、半導体ナノ粒子蛍光体2を分散させた液体分散媒3を収容するように実現されてもよい。このようにキャピラリ状の透光性基材43を用いることで、図1に示した実施態様と比較して、アレイ化した励起光源とキャピラリを並べることで、エッジ型のディスプレイ用バックライトに容易に利用できるというような利点がある。
このようなキャピラリ状の透光性基材43は、たとえばシリカなどの材料で形成されたものを好適に用いることができる。またこのようなキャピラリ状の透光性基材43として市販品を用いても勿論よく、たとえばDURANキャピラリー(ショット日本(株)製)などが好適な例として挙げられる。
(第6の実施態様の発光性構造体)
図7は、本発明の第6の実施態様の発光性構造体を模式的に示す図であり、図7(a)には、図4に示した例の発光性構造体21の変形例である発光性構造体21’、図7(b)には、図5に示した例の発光性構造体31の変形例である発光性構造体31’、図7(c)には、図6に示した例の発光性構造体41の変形例である発光性構造体41’をそれぞれ示している。なお、図7(a),(b),(c)に示す例の発光性構造体21’,31’,41’は、それぞれ細孔の開口を少なくとも覆う保護基材24,34,45をさらに備えること以外は同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。
このように、半導体ナノ粒子蛍光体2を分散させた液体分散媒5を、細孔23,33,44を有する透光性基材の内部に保持させた後、少なくとも細孔23,33,44を塞ぐように保護基材24,34,45で覆うことで、細孔内へのガスの侵入を防ぎ、半導体ナノ粒子蛍光体の発光効率の長期安定化が向上されるという効果が奏される。また、保護基材23,34,45を備えることで、発光性構造体からの液体分散媒の液漏れを物理的に防ぐことができ、取扱い性が向上する。
さらに、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させた液体分散媒を直接保護基材で覆うことで保護基材内に内包させようとする場合には、内包させる液体分散媒に制限があり、たとえばコアセルベーション法など、内包させる方法も限られる。これに対し、図7に示した例の発光性構造体の場合、細孔を有する透光性基材に半導体ナノ粒子蛍光体を分散させた液体分散媒を保持させた状態で細孔の開口を少なくとも覆うように保護基材を設けるため、たとえば固体に膜を付ける要領で容易に保護基材を設けることができ、保護基材を設ける方法に特に制限はなく、また用いる液体分散媒の種類にも特に制限はない。
なお、保護基材は、少なくとも細孔を塞ぐように設けられていればよく、図7(a),(b)に示す例のように、発光性構造体の最外殻の全体を覆うように設けられていてもよいし、図7(c)に示す例のように、細孔のみを塞ぐように設けられていてもよい。
保護基材を形成する材料としては特に制限はなく、たとえば主成分の少なくとも一つとしてシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、SiO、Al、ZnO、In、SnO、TiOなどが挙げられる。中でも、加工性の良さと高い安定性から、シリコーン樹脂で形成された保護基材を用いることが好ましい。またこのような保護基材として市販品を用いても勿論よく、たとえばKER−2500(信越化学工業(株)製)などが好適な例として挙げられる。
(第7の実施態様の発光性構造体)
図8は、本発明の第7の実施態様の発光性構造体51を模式的に示す図である。なお、図8に示す例の発光性構造体51は、図1に示した例の発光性構造体1と一部を除き同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。
図8に示す例の発光性構造体51は、透光性基材52がガスバリア性を有する。ここで、「ガスバリア性」とは、クーロメトリック法、ガスクロマトグラフ法などの方法で測定された酸素透過率が10000cc/m/day以下(より好適には、0〜300cc/m/dayの範囲内)であることを指す。このようなガスバリア性を有する透光性基材52を用いることで、細孔53の開口以外の部分についてはガスが細孔内に侵入しにくく、このため半導体ナノ粒子蛍光体がガスにより劣化しにくく、半導体ナノ粒子蛍光体の発光効率の長期安定化を図ることができるという利点がある。
このようなガスバリア性を有する透光性基材52の形成材料としては、たとえば、主成分の少なくとも一つとして、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、SiO、Al、In、SnO、TiO、ZnOなどが挙げられる。中でも低酸素透過性を有することが好ましく、ガスバリア性を有する透光性基材として、変性シリコーン樹脂で形成された透光性基材を用いることが好ましい。また、このようなガスバリア性を有する透光性基材として市販品を用いても勿論よく、たとえばOE−7620(Dow Corning製)、SS−6503(サンユレック(株)製)などが好適な例として挙げられる。
(第8の実施態様の発光性構造体)
図9は、本発明の第8の実施態様の発光性構造体61を模式的に示す図である。なお、図9に示す例の発光性構造体61は、図1に示した例の発光性構造体1と一部を除き同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。
図9に示す例の発光性構造体61では、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させる液体分散媒62として不揮発性の液体分散媒を用いている。ここで、「不揮発性」とは、高い沸点(好適には100℃以上)を有する液体を指す。このような不揮発性の液体分散媒の好適な例として、たとえばイソブチルアルコール、トルエン、キシレン、エチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
本発明では、第8の実施態様の発光性構造体のように、不揮発性の液体分散媒を用いてもよい。このような不揮発性の液体分散媒を用いることで、発光性構造体の細孔に保持させた状態で液体分散媒が気化しにくくなり、細孔内に保持された状態を保つことが容易となり、また、液体分散媒の蒸発による半導体ナノ粒子蛍光体の劣化を防ぐことができるという利点がある。
(第9の実施態様の発光性構造体)
図10は、本発明の第9の実施態様の発光性構造体71を模式的に示す図である。なお、図10に示す例の発光性構造体71は、図1に示した例の発光性構造体1と一部を除き同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。
図10に示す例の発光性構造体71では、半導体ナノ粒子蛍光体を分散させる液体分散媒72としてイオン性液体を用いている。イオン性液体は蒸気圧をもたずほとんど気化することがない特徴を有し、不揮発性の液体分散媒よりさらに保持状態の保持が可能である。また、イオン性液体は半導体ナノ粒子蛍光体の表面を静電的に安定化させ凝集させずに安定分散させる効果があり、高い発光効率と輝度を示す発光性構造体が得られる。
イオン性液体としては、たとえば2−(メタクリロイロキシ)−エチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−(3−アクリロイロキシ−プロピル)−3−メチルイミダゾリウムエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−メチル−2−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−アリル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボラレート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスファートなどが挙げられる。これらの中でも、水など不純物を含むイオン性液体は半導体ナノ粒子蛍光体の長期安定性を低下させる傾向にあるため、イオン性液体として疎水性で水を容易に分離できるN,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いることが好ましい。
(第10の実施態様の発光性構造体)
図11は、本発明の第10の実施態様の発光性構造体81を模式的に示す図である。なお、図11に示す例の発光性構造体81は、図1に示した例の発光性構造体1と一部を除き同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。
図11に示す例では、発光波長が380〜750nmの範囲内である(すなわち、可視光を発するバンドギャップを有する)半導体ナノ粒子蛍光体82を用いている。このような発光波長を有する半導体ナノ粒子蛍光体を用いることで、青色LEDなどの励起光源との組み合わせにより任意の色味の光源を得ることができるという利点がある。発光波長が380nm未満もしくは発光波長が750nmを超える半導体ナノ粒子蛍光体を用いた場合には、可視光領域外のために殆ど黒く見えるため任意の色味の光源を得るための蛍光体として適さない。
上述のような発光波長を有する半導体ナノ粒子蛍光体82としては、InP、InN、InAs、InSb、InBi、ZnO、In、Ga、ZrO、In、Ga、InSe、GaSe、InTe、GaTe、CdSe、CdTe、CdSなどから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。なお、このような半導体ナノ粒子蛍光体82も、上述と同様に、球状、ロッド状、ワイヤ状など従来公知の適宜の形状の半導体ナノ粒子蛍光体を用いればよい。
(第11の実施態様の発光性構造体)
図12は、本発明の第11の実施態様の発光性構造体91,101,102を模式的に示す図である。なお、図11に示す例の発光性構造体91,101,102は、図1に示した例の発光性構造体1と一部を除き同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分については同一の参照符を付して説明を省略する。
複数の発光ピークを有するように発光性構造体を実現することで、目的とする発光スペクトルへの調整が容易であるという利点がある。たとえば、赤色の発光ピークと緑色の発光ピークを有する発光性構造体を用いることで、青色の励起光源と組み合わせた場合には、容易に演色性のよい白色光を実現することができる。複数の発光ピークを有するように発光性構造体を実現する方法としては、たとえば、図12(a)に示す例の発光性構造体91のように、互いに異なる発光ピークを有する2種類の半導体ナノ粒子蛍光体(たとえば、赤色を発光する半導体ナノ粒子蛍光体と緑色を発光する半導体ナノ粒子蛍光体)92,93を液体分散媒中に分散させるようにしてもよい。また、図12(b)に示す例のように、互いに異なる発光ピークを有する半導体ナノ粒子蛍光体(たとえば、赤色を発光する半導体ナノ粒子蛍光体と緑色を発光する半導体ナノ粒子蛍光体)92,93をそれぞれ分散させた液体分散媒を別の透光性基材3中に保持させた2種類の発光性構造体101,102を用いることで、複数の発光ピークを有する発光性構造体を実現するようにしてもよい。
<発光装置>
(第12の実施態様の発光装置)
ここで、図13は、本発明の第12の実施態様の発光装置111を模式的に示す図である。本発明は、光源113と、上述した第1〜第11の実施態様のいずれかの発光性構造体が透光性を有する媒体115中に分散された波長変換部112とを備える発光装置(LEDパッケージ)111についても提供する。本発明の発光性構造体は取扱い性(ハンドリング性)がよく、現在利用されている蛍光体と同程度の大きさに作製することによって、現在商業利用されている蛍光体と同じような形態で、現行のプロセスを変更することなく利用することができる。図13に示す発光装置において、発光性構造体以外の光源113、透光性を有する媒体115、枠体114、リード線などは、従来公知の適宜のものを特に制限なく用いることができる。図13に示す例の本発明の発光装置111は、光源113がその凹部に搭載された枠体114を有し、前記波長変換部が、光源ごと凹部が前記媒体により充填されている。
本発明の発光装置において、光源としては、特に制限されず、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)などを用いることができる。
本発明の発光装置41において、光源113および発光性構造体を封入するための透光性を有する媒体としては、特に制限されず、エポキシ、シリコーンおよび(メタ)アクリレート、シリカガラス、シリカゲル、シロキサン、ゾルゲル、ヒドロゲル、アガロース、セルロース、エポキシ、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリビニル、ポリジアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリスチレン、ポリピロール、ポリイミド、ポリイミダゾール、ポリスルホン、ポリチオフェン、ポリホスフェート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド、ポリペプチド、ポリサッカライドなどが挙げられる。これらを複数組み合わせて透光性を有する媒体として用いてもよい。
(第13の実施態様の発光装置)
ここで、図14は、本発明の第13の実施態様の発光装置121を模式的に示す図である。図14に示す例の発光装置121は、光源113がその凹部に搭載された枠体114を有し、前記波長変換部112が、凹部の開口の少なくとも一部を覆うフィルム状物122である。このようなフィルム状物122を波長変換部112として用いることで、図13に示したような、光源ごと凹部が前記媒体により充填されている場合と比較して、励起光源と波長変換部を、凹部内の空間を取り入れた配置にすることで励起光源からの熱の影響が緩和され、波長変換部に含まれる半導体ナノ粒子蛍光体の長期安定性が向上する効果が見込めるという利点がある。波長変換部として用いるフィルム状物は従来公知の適宜の材料、手法で製造することができ、その形成材料および製造方法は特に制限されるものではない。
1 発光性構造体、2 半導体ナノ粒子蛍光体、3 透光性基材、4 細孔、5 液体分散媒、11 発光性構造体、12 透光性基材、13 細孔、21 発光性構造体、22 透光性基材、23 細孔、31 発光性構造体、32 カプセル状の透光性基材、33 細孔、41 発光性構造体、43 キャピラリ状の透光性基材、44 細孔部、21’ 発光性構造体、24 保護基材、31’ 発光性構造体、34 保護基材、41’ 発光性構造体、45 保護基材、51 発光性構造体、52 透光性基材、53 細孔、61 発光性構造体、62 液体分散媒、71 発光性構造体、72 液体分散媒、81 発光性構造体、82 半導体ナノ粒子蛍光体、91 発光性構造体、92 半導体ナノ粒子蛍光体、93 半導体ナノ粒子蛍光体、101 発光性構造体、102 発光性構造体、111 発光装置、112 波長変換部、113 光源、114 枠体、115 媒体、121 発光装置、122 フィルム状物。

Claims (14)

  1. 細孔を有する透光性基材と、
    前記透光性基材の細孔中に保持された液体分散媒と、
    前記液体分散媒中に分散された半導体ナノ粒子蛍光体とを備える、発光性構造体。
  2. 前記液体分散媒が毛細管力により細孔中に保持されている、請求項1に記載の発光性構造体。
  3. 前記透光性基材がポーラス構造を有する、請求項1または2に記載の発光性構造体。
  4. 前記透光性基材がカプセル状である、請求項1または2に記載の発光性構造体。
  5. 前記透光性基材がキャピラリ状である、請求項1または2に記載の発光性構造体。
  6. 前記細孔の開口を少なくとも覆う保護基材をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光性構造体。
  7. 前記透光性基材がガスバリア性を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光性構造体。
  8. 前記液体分散媒が不揮発性である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光性構造体。
  9. 前記液体分散媒がイオン性液体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光性構造体。
  10. 前記半導体ナノ粒子蛍光体の発光波長が380〜750nmの範囲内である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光性構造体。
  11. 複数の発光ピークを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の発光性構造体。
  12. 光源と、請求項1〜11のいずれか1項に記載の発光性構造体が透光性を有する媒体中に分散された波長変換部とを備える、発光装置。
  13. 光源がその凹部に搭載された枠体を有し、前記波長変換部が、光源ごと凹部が前記媒体により充填されている、請求項12に記載の発光装置。
  14. 光源がその凹部に搭載された枠体を有し、前記波長変換部が、凹部の開口の少なくとも一部を覆うフィルム状物である、請求項12に記載の発光装置。
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