JP2017116014A - ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩耗粉が周囲に飛散する事を防止できる、ブレーキ装置の構造を実現する。【解決手段】回転側ディスク4と静止側ディスク5とを交互に配置すると共に、このうちの静止側ディスク5の側面に、MR流体7を多孔質部材32に含浸させて成るコンポジット材31を支持固定する。そして、制動時には、駆動装置34により、回転側ディスク4とコンポジット材31との間の隙間をゼロにする。そして、この状態で、印加装置8を構成する電磁コイル19に電流を通電し、ヨークとして機能するケーシング2に磁気回路を形成する。そして、多孔質部材32内のMR流体7に磁場を印加する事により、MR流体7の見かけ上の粘度を変化させ、回転側ディスク4に回転抵抗を付与する。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車やフォークリフト等の車両の制動を行う為に使用するブレーキ装置の改良に関する。
自動車や二輪車等の車両を走行中に制動したり、車両の停止状態を維持する為に、従来からディスクブレーキやドラムブレーキを利用した各種構造のブレーキ装置が広く使用されている。
このうちのディスクブレーキは、車輪と共に回転する円板状のロータの両側に配置した1対のパッドを、ピストンによりこのロータの側面に押し付け、ロータの表面とパッドのライニングとの間の摩擦力により制動力を発生させるものである。この様なディスクブレーキとしては、例えば対向ピストン型やフローティング型のディスクブレーキが広く知られている。一方、ドラムブレーキは、車輪と共に回転する円筒状のドラムの内側に配置した1対のシューを、ピストンによりこのドラムの内周面に押し付け、ドラムの内周面とシューのライニングとの間の摩擦力により制動力を発生させるものである。この様なドラムブレーキとしては、例えばリーディング・トレーリング型やツーリーディング型のドラムブレーキが広く知られている。
ところが、上述した様な従来から知られたディスクブレーキやドラムブレーキにより、車両の制動を行う場合には、何れの装置の場合にも、摩耗粉を発生させる。近年、環境保全の意識の高まりから、ブレーキ装置から発生する摩耗粉の大気への飛散を抑制し、環境への負荷を低減する事が考えられ始めている(例えば特許文献1参照)。例えば、この特許文献1には、ブレーキ装置及びロータ全体をカバーで覆う事で、摩耗粉が周囲に飛散するのを防止する構造が開示されている。但し、この様な従来構造の場合にも、摩耗粉の周囲への飛散を完全に防止する事はできない。
特開2008−196684号公報 特開2014−52044号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、摩耗粉の周囲への飛散を防止できる、ブレーキ装置の構造を実現すべく発明したものである。
本発明のブレーキ装置は、例えば自動車等の車両の制動を行う為に使用するもので、静止部材と、回転部材と、1乃至複数枚の回転側ディスクと、1乃至複数枚の静止側ディスクと、隙間調整手段と、機能性材料と、印加装置と、を備えている。
このうちの静止部材は、例えば車体を構成する懸架装置(ナックル)に支持固定され、使用状態でも回転しない。
前記回転部材は、前記静止部材と同軸上に配置され、使用状態で該静止部材に対し相対回転する。
前記回転側ディスクは、前記回転部材の周面に相対回転不能に支持されている。
前記静止側ディスクは、前記回転側ディスクに対し、隙間を介して軸方向に対向配置された状態で、前記静止部材の周面のうち、前記回転側ディスクの周面と径方向に対向する側の面に、相対回転不能に支持されている。
又、前記隙間調整手段は、前記静止側ディスクと前記回転側ディスクとの間の隙間の大きさを、例えば機械的、電気的又は磁気的に、調整する為のものである。
前記機能性材料は、例えばMR流体やER流体等が相当し、前記静止側ディスクと前記回転側ディスクとの少なくとも一方のディスクに、直接含浸されるか、又は、該少なくとも一方のディスクに支持された多孔質部材に含浸されており、磁場又は電場の印加により見かけ上の粘度(降伏せん断力)が調整可能である。本発明の場合には、前記機能性材料は、前記回転側、静止側各ディスクが収容される空間内に充填されていない。
前記印加装置は、前記機能性材料に磁場又は電場を印加する為のものである。
特に本発明のブレーキ装置の場合には、前記隙間調整手段により前記回転側ディスクと前記静止側ディスクとの間の隙間をゼロにすると共に、前記印加装置により前記機能性材料に磁場又は電場を印加し該機能性材料の見かけ上の粘度を高める事で、前記回転側ディスクに対し回転抵抗を付与するブレーキ手段を備えている。
上述した様な本発明を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記隙間調整手段を、弾性部材と、制動時に、該弾性部材を弾性変形させつつ、前記静止側ディスクと前記回転側ディスクとの少なくとも一方のディスクを軸方向に移動させ、これら静止側ディスクと回転側ディスクとの間の隙間をゼロにする駆動機構とを備えたものとしている。
又、上述した様な請求項2に記載した発明を実施する場合には、前記駆動機構を、ヨークと、該ヨーク内に収容された電磁コイルと、該ヨークに対し軸方向に対向した状態で軸方向変位を可能に支持されたアーマチュア(電機子)と、を備えたものとする事ができる。
そして、前記電磁コイルへの通電に基づき前記アーマチュアを前記ヨークに向けて近づく方向に移動させる事で、前記静止側ディスクと前記回転側ディスクとを互いに近づける事ができる。
或いは、前記駆動機構を、駆動側カム面を有する駆動側カムと、被駆動側カム面を有する被駆動側カムと、これら駆動側カム面と被駆動側カム面との間に配置された複数の転動体とを備えたものとする事ができる。
そして、前記駆動側カムを前記被駆動側カムに対して相対回転させる事で、該被駆動側カムを前記駆動側カムから離隔させ、前記静止側ディスクと前記回転側ディスクとを互いに近づける事ができる。
又、本発明を実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記多孔質部材を、例えば焼結金属等の金属製とする事ができる。
或いは、前記多孔質部材として、不織布を使用する事もできるし、紙製や合成樹脂製、ゴム製のものを使用する事もできる。
又、本発明を実施する場合には、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記静止側ディスクに、前記機能性材料を直接含浸するか、又は、該機能性材料を前記多孔質部材に含浸させて成るコンポジット材(MR流体と多孔質部材との複合材)を支持する事ができる。
又、本発明を実施する場合には、例えば請求項5に記載した発明の様に、前記コンポジット材を、前記ディスクの軸方向側面に支持する事ができる。
或いは、例えば請求項6に記載した発明の様に、前記コンポジット材を、前記ディスクの軸方向側面に形成された凹部内に支持する事ができる。
或いは、例えば請求項7に記載した発明の様に、前記コンポジット材を、前記ディスクを軸方向に貫通した貫通孔内に支持する事ができる。
又、前記コンポジット材(多孔質部材)の固定手段としては、接着剤を使用した接着や、嵌合(圧入)、ねじ止め固定等、種々の固定手段を採用できる。
又、本発明を実施する場合には、例えば請求項8に記載した発明の様に、前記機能性材料をMR流体とし、前記印加装置を磁場発生装置とする事ができる。
或いは、前記機能性材料をER流体とし、前記印加装置を電場発生装置とする事もできる。
上述の様な構成を有する本発明のブレーキ装置によれば、制動時に於ける摩耗粉の周囲への飛散を防止できる。
即ち、本発明のブレーキ装置の場合には、印加装置により機能性材料に磁場又は電場を印加し、該機能性材料の見かけ上の粘度を高める事で、回転側ディスクに回転抵抗を付与する。この為、本発明のブレーキ装置により制動を行う場合には、前記回転側ディスクに前記機能性材料により回転抵抗が付与される為、摩耗粉の発生自体を防止できる。
従って、本発明によれば、制動時に、摩耗粉が周囲に飛散する事を防止できる。
本発明の実施の形態の第1例のブレーキ装置を、転がり軸受ユニットに組み付けた状態で、軸方向外側から見た正投影図。 同じく図1のA−A断面図。 同じく図2の上半部拡大図。 同じく要部拡大図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図4と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図4と同様の図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、図4と同様の図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図2と同様の図。 同じく図3と同様の図。 同じく図4と同様の図。 本発明の実施の形態の第6例を示す、図3と同様の図。 本発明の実施の形態の第7例を示す、図3と同様の図。 本発明の実施の形態の第8例を示す、図3と同様の図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜4を参照しつつ説明する。本例のブレーキ装置1は、自動車の走行時及び必要に応じて駐車時に制動を行うもので、ケーシング2と、回転筒3と、複数枚(図示の例では3枚)の回転側ディスク4、4と、複数枚(図示の例では2枚)の静止側ディスク5、5と、隙間調整手段6と、MR流体(磁気粘性流体)7と、印加装置8とを備えており、懸架装置に対し車輪を回転自在に支持する為の転がり軸受ユニット9の周囲に設けられている。
前記転がり軸受ユニット9は、外輪10の内径側に、ハブ11を、軸方向に離隔して配置された1対の転がり軸受12、12により回転自在に支持する事により構成されている。このうちの外輪10は、略円筒状に構成されており、懸架装置を構成するナックルに支持固定されている。又、図示の転がり軸受ユニット9は、駆動輪用である為、前記ハブ11の中心部には、図示しない等速ジョイントを構成する駆動軸を挿通(係合)する為の結合孔13が設けられている。又、前記ハブ11の軸方向外端部(図2の左端部)で、前記外輪10の軸方向外端開口から突出した部分には、回転側フランジ14が設けられている。又、該回転側フランジ14には、車輪を構成するホイールを支持固定する為の複数本のスタッド15、15の基端部が支持固定されている。尚、本明細書中で、軸方向に関して外とは、車両への組み付け状態で幅方向外側になる側を言い、同じく内とは、幅方向中央側になる側を言う。
本例のブレーキ装置1を構成するケーシング2は、特許請求の範囲の静止部材に相当するもので、略円筒状に構成されており、前記転がり軸受ユニット9を構成する外輪10を介して前記ナックルに支持固定されている。本例の場合、前記ケーシング2は、それぞれが磁性金属(例えば鉄)から造られた左右1対の略円輪状のケーシング素子16a、16bを軸方向に重ね合わせ、外径側端部を複数本のボルト17により軸方向に結合する事により構成されている。前記両ケーシング素子16a、16b同士は、前記ボルト17により結合される外径側端部、及び、後述する静止側支持部30を除いて軸方向に離隔しており、前記回転側、静止側各ディスク4、5を収容する為のディスク収容空間18と、前記印加装置8を構成する電磁コイル19を収容する為のコイル収容空間20とを、径方向に重畳する状態で備えている。又、前記両ケーシング素子16a、16bのうち、軸方向内側(図2、3の右側)に配置されたケーシング素子16bの軸方向内端部内周面には、径方向内方に向け突出した取付フランジ21が設けられている。そして、該取付フランジ21を、前記外輪10に対して複数本の結合ボルト22により結合している。
前記回転筒3は、特許請求の範囲の回転部材に相当するもので、前記転がり軸受ユニット9を構成する回転側フランジ14に一体的に設けられている。具体的には、前記回転筒3は、前記回転側フランジ14の径方向外端部から軸方向内方に向け直角に折れ曲がる状態で設けられ、前記ケーシング2と同軸上に配置されており、略円筒状に構成されている。又、前記回転筒3の軸方向中間部には、軸方向両端部に比べ径方向外方に突出した回転側支持部23が設けられており、該回転側支持部23の外周面には雄スプライン溝24が形成されている。これに対し、前記回転筒3の外周面のうちの軸方向両端部を、円筒面状のシール面25、25としている。そして、本例の場合には、前記回転筒3のシール面25、25と、前記ケーシング2を構成するケーシング素子16a、16bの内周面との間に、それぞれが円環状の接触式のシールリング26、26を設置している。これにより、前記ディスク収容空間18を外部空間から密閉している。尚、後述する様に、本例のブレーキ装置1により、非摩擦ブレーキによる制動力しか作用させない場合には、前記両シールリング26、26を省略する事もできる。又、軸方向外側に配置されたシールリング26は、前記ケーシング素子16aの軸方向外側面に固定された円輪状のカバー部材64により外部から覆われている。尚、該カバー部材64の内周縁部は、前記回転筒3の外周面に対し近接対向しており、当該部分にラビリンスシールを形成している。
前記各回転側ディスク4、4及び前記各静止側ディスク5、5は、それぞれ円輪状に構成されており、軸方向に関して交互に配置されている。これら回転側、静止側各ディスク4、4、5、5のうち、回転側ディスク4、4としては、例えば鋼板等の金属製の母材(基材)の軸方向側面に、モールド系(例えばレジン)やウーブン系の有機材料系の摩擦材や、天然パルプや有機合成繊維を母材としフェノール樹脂や耐熱性樹脂等を含浸して成る紙製の摩擦材(ペーパ摩擦材)を固定したものを使用できる。又、摩擦材として、焼結金属等の金属製のもの、鉄材(鉄芯)製のもの、更には、セラミック溶射により成形したもの等を使用する事もできる。或いは、全体を低炭素鋼若しくは中炭素鋼製としたり、その表面に摩耗抑制の為の表面処理を施したもの等を使用する事もできる。これに対し、前記各静止側ディスク5、5としては、後述する様に、軸方向両側面にコンポジット材31、31(多孔質部材32、32)を支持固定する為、軸方向側面に、上述した様な摩擦材を備えないものを使用するか、或いは、上述した様な摩擦材のうち多孔質性のものを、前記コンポジット材31、31を構成する多孔質部材32、32として利用する。
又、前記回転側ディスク4、4は、前記回転筒3に対して、軸方向の相対変位を可能に且つ円周方向の相対変位を不能に支持されている。この為に、本例の場合には、前記各回転側ディスク4、4の内周縁部に設けた雌スプライン部27、27を、前記回転筒3の回転支持部23の外周面に設けた雄スプライン溝24に対してスプライン係合させている。これにより、前記各回転ディスク4、4を、前記転がり軸受ユニット9を構成するハブ11と同期して回転できる様にしている。
これに対し、前記各静止側ディスク5、5は、前記ケーシング2に対して、軸方向の相対変位を可能に且つ円周方向の相対変位を不能に支持されている。この為に、前記ケーシング素子16bのうち、前記ディスク収容空間18と前記コイル収容空間20との間部分に、仕切り壁として機能する静止側支持部28を設け、該静止側支持部28の内周面に雌スプライン溝29を形成している。そして、前記各静止側ディスク5、5の外周縁部に設けた雄スプライン部30、30を、前記雌スプライン溝29に対しスプライン係合させている。これにより、本例の場合には、前記各静止側ディスク5、5を、使用時にも回転しない様にしている。
特に本例の場合には、上述した静止側ディスク5、5の軸方向両側面に、特許請求の範囲に記載した機能性材料に相当するMR流体7を含浸したコンポジット材31、31を支持固定している。MR流体7は、例えば特許文献2等に記載され広く知られている様に、外部磁場に応じて見かけ上の粘度が変化する機能性流体の1種であり、粒子径1〜10μm程度の強磁性粒子(純鉄やカルボニル鉄など)を主に油系の溶媒中に分散させて成る混濁液である。
本例の場合には、この様な特性を有するMR流体7を、粉末治金法等により製造した焼結金属製の多孔質部材32、32に含浸させる事で、前記各コンポジット材31、31を構成している。そして、これら各コンポジット材31、31を、例えば接着剤による接着やねじ止めなどの固定手段により、前記各静止側ディスク5、5の軸方向側面に支持固定している。尚、図4中には、MR流体7を梨子地模様で表している。
前記隙間調整手段6は、前記各回転側ディスク4、4と前記各静止側ディスク5、5(コンポジット材31)との間の隙間の大きさを調整する為のものであり、特許請求の範囲に記載した弾性部材に相当するレリーズばね33、33と、駆動機構34とを備えている。このうちのレリーズばね33、33は、それぞれが皿ばね状で、前記各回転側ディスク4、4の内径寄り部分同士の間、及び、最も軸方向外側に配置された回転側ディスク4と前記ケーシング素子16aの軸方向内側面との間に設けられている。これにより、前記駆動機構34を駆動していない状態で、前記各レリーズばね33、33が発揮する弾力に基づいて、前記ケーシング素子16aの軸方向内側面を基準とする前記各回転側ディスク4、4の軸方向の位置決めを図ると共に、これら各回転側ディスク4、4同士を軸方向に互いに離隔させている。本例の場合には、前記各レリーズばね33、33により前記各回転側ディスク4、4を軸方向内側に移動させる際に、これら各回転側ディスク4、4により軸方向内側の静止側ディスク5、5を移動させる。この為、前記各回転側ディスク4、4の軸方向内側面と前記各静止側ディスク5、5の軸方向外側に支持されたコンポジット材31とは一時的に当接するが、前記各回転側ディスク4が回転する事に伴って、軸方向隙間が形成される。これに対し、前記各回転側ディスク4、4の軸方向外側面と、前記各静止側ディスク5、5の軸方向内側に支持されたコンポジット材31及びケーシング素子16aの軸方向内側面との間には、前記各レリーズばね33、33の作用により軸方向隙間が形成される。本例の場合には、上述の様にして、非制動時の状態で、前記各回転側ディスク4、4の軸方向側面と前記各コンポジット材31、31との間に、例えば0.1mm〜1.0mm程度の大きさの軸方向隙間を設ける。
前記駆動機構34は、制動時に、前記各レリーズばね33、33を弾性変形させつつ、前記各回転側ディスク4、4と前記各静止側ディスク5、5とを軸方向に移動させ、これら各回転側ディスク4、4の軸方向側面と、これら各静止側ディスク5、5の軸方向側面に支持されたコンポジット材31、31との間の隙間をゼロにするもので、本例の場合には、ボール・ランプ式の構造を採用している。この為、前記駆動機構34は、ランププレート35と、駆動レバー36と、3個のボール37と、被駆動側ステータとして機能するケーシング素子16bと、戻しばね38とを備えている。
前記ランププレート35は、略円輪板状に構成されており、前記ディスク収容空間18のうちの軸方向内端部に、前記ケーシング2に対する相対回転を可能に且つ軸方向変位を可能に配置されている。又、前記ランププレート35の軸方向内側面(ケーシング素子16bと対向する面)には、円周方向等間隔3個所に、駆動側ランプ軌道39、39が形成されている。これら各駆動側ランプ軌道39、39は、軸方向から見た形状が、前記ランププレート35の中心をその中心とする単一円弧上に存在する部分円弧状で、断面形状(母線形状)は円弧状である。そして、軸方向に関する高さが、円周方向に関して互いに同方向に漸次変化する。
前記ランププレート35は、前記駆動レバー36を回転操作する事により駆動される。該駆動レバー36は、カム部40と、軸部41と、レバー部42とを備えており、前記ケーシング素子16bに回転可能に支持されている。このうちのカム部40は、前記ランププレート35の円周方向一部と係合(例えば凹凸係合)している。又、前記軸部41は、前記ケーシング素子16bを軸方向に貫通する状態で形成された貫通孔43内に回転自在に支持されており、軸方向外端部が前記カム部40に結合されている。又、前記レバー部42は、前記軸部41のうち、前記ケーシング2(ケーシング素子16b)から外部に露出した軸方向内端部に結合固定されている。この様な構成を有する前記駆動レバー36を回転させると、前記カム部40により前記ランププレート35を前記ケーシング2に対して相対回転させる事ができる。
又、本例の場合には、前記ケーシング素子16bの軸方向外側面のうち、前記各駆動側ランプ軌道39、39と軸方向に対向する円周方向3個所位置に、被駆動側ランプ軌道44、44が形成されている。これら各被駆動側ランプ軌道44、44は、軸方向から見た形状が、前記ケーシング素子16bの中心をその中心とする単一円弧上に存在する部分円弧状で、断面形状(母線形状)は円弧状である。そして、軸方向に関する高さが、前記各被駆動側ランプ軌道44、44同士の間で円周方向に関して互いに同方向に、前記各駆動側ランプ軌道39、39とは逆方向に漸次変化する。
前記各ボール37、37は、軸方向に対向する状態で配置された前記各駆動側ランプ軌道39、39と前記各被駆動側ランプ軌道44、44との間に挟持されている。
又、前記戻しばね38を、前記ランププレート35と前記ケーシング素子16bとの間に設けている。これにより、前記ランププレート35に対し、前記ケーシング素子16bに近づく方向(軸方向内方)の弾力を付与し、前記駆動側、被駆動側各ランプ軌道39、44と前記各ボール37との間に隙間が生じる事を防止している。
又、本例の場合には、前記ランププレート35と、最も軸方向内側に設けられた回転側ディスク4との間に、円輪板状で、ステンレス鋼等の非磁性金属製の中間プレート45を介在させている。これにより、前記ランププレート35による軸方向の押圧力を、前記回転側ディスク4の軸方向内側面に均等に伝達し、該回転側ディスク4が軸方向外側に平行移動し易くしている。尚、中間プレート45は、必要に応じて省略する事もできる。
前記印加装置8は、前記多孔質部材32中のMR流体7に磁場を印加する為の磁場発生装置であり、電磁コイル19と、該電磁コイル19を収容するコイル収容空間20を構成しヨークとして機能する、前記ケーシング2とから構成されている。この様な構成を有する本例の印加装置8は、前記電磁コイル19に電流を通電する事で、図2中に実線αで示した様な磁気回路(磁場)を形成する。つまり、前記ディスク収容空間18を軸方向に横切る磁気回路を形成する。
本例のブレーキ装置1の場合には、上述した様に、非作動時の状態で、前記各回転側ディスク4、4と前記各静止側ディスク5、5(コンポジット材31、31)との間に、所定の軸方向隙間が設けられており、MR流体7等の部材は前記各回転側ディスク4、4と直接接触はしていない。この為、自動車の走行に伴って前記各回転側ディスク4、4が車輪と共に回転した場合にも、これら各回転側ディスク4、4には、MR流体7等による撹拌抵抗は一切作用しない。
上述の様な構成を有する本例のブレーキ装置1の場合、車輪に制動力を付与するには、例えば運転者の操作等に基づいて、前記駆動機構34を駆動し、駆動レバー36の回転操作に基づいてランプロータ35を回転させる。そして、駆動側ランプ溝39と被駆動側ランプ溝44と複数個のボール37との係合に基づいて、前記ランプロータ35を軸方向外側に移動させる。これにより、前記各回転側ディスク4、4と前記各静止側ディスク5、5とを、前記各レリーズばね33、33の弾力に抗して軸方向外側に移動させて、前記各回転側ディスク4、4の軸方向側面と、前記各静止側ディスク5、5の軸方向側面に支持されたコンポジット材31、31との間の隙間をゼロにする。
次いで、前記印加装置8を構成する電磁コイル19(図2、3参照)に電流を通電する。これにより、ヨークとして機能する前記ケーシング2に、実線αで示す様な磁気回路を形成する。そして、前記各多孔質部材32、32内に含浸されたMR流体7に軸方向(図2〜4の左右方向)の磁場を印加する。この様な方向の磁場が印加されると、前記MR流体7は、分散粒子が磁気分極する事により鎖状構造を形成し、見かけ上の粘度(降伏せん断力)が高まって半固体状となる。そして、それぞれが磁極として機能する前記回転側ディスク4、4と前記各静止側ディスク5、5との間に、粒子の鎖状構造を形成する。この状態で、前記各回転側ディスク4、4に対し、前記MR流体7の鎖状構造をせん断する事に対する抵抗力を付与する事ができる。又、この抵抗力(制動力)の大きさは、前記電磁コイル19に流れる電流を大小変化させる事で調整する事ができる。
この様に本例のブレーキ装置1によれば、前記MR流体7による非摩擦ブレーキ(MRブレーキ)により、車輪に制動力を付与する事ができる。
尚、上述した様な非摩擦ブレーキによる制動力を解除するには、前記電磁コイル19への通電を中止(ストップ)する。これにより、前記MR流体7は、見かけ上の粘度が下がり液体状に戻る為、前記各回転側ディスク4、4に作用する抵抗は十分に低くなり、制動力が解除される。
しかも、本例のブレーキ装置1の場合には、上述した様な非摩擦ブレーキにより制動力を得られるだけでなく、必要に応じて、次述する摩擦ブレーキによっても制動力を得る事もできる。即ち、摩擦ブレーキにより制動力を得るには、上述した様に、前記各回転側ディスク4、4の軸方向側面と前記各コンポジット材31、31との間の隙間をゼロにした状態から、前記駆動機構34を駆動させて、前記ランプロータ35を軸方向外側にさらに移動させる。これにより、前記各回転側ディスク4、4の軸方向側面と前記各静止側ディスク5a、5aの軸方向側面に支持されたコンポジット材31、31とを互いに押し付ける(強く接触させる)。又、この押し付け力は、前記駆動レバー36の操作量を調節する事で、調整する事ができる。この様に、本例のブレーキ装置1によれば、前記各回転側ディスク4、4と前記各コンポジット材31、31とを接触(摺接)させる摩擦ブレーキによっても、車輪に制動力を付与する事ができる。尚、この様に、摩擦ブレーキによる制動力を得る場合には、前記各コンポジット材31、31を構成する多孔質部材32、32として、前述した様な摩擦材としても使用可能なものを使用する。
又、制動力を解除するには、前記駆動レバー36を、制動力を付与する場合とは反対方向に回転させる。そして、前記ランプロータ35を回転させつつ、前記戻しばね38の弾力により軸方向内側に移動させる。又、前記各レリーズばね33、33をそれぞれ弾性復帰させて、前記各回転側ディスク4、4と前記各コンポジット材31、31との間にそれぞれ軸方向隙間を介在させる。これにより、制動力が解除される。
尚、本例のブレーキ装置1の場合には、前記各回転側ディスク4、4と前記各コンポジット材31、31とを摺接させる摩擦ブレーキにより制動力を得ている間も、前記電磁コイル19に電流を流し続ける事で、前記各回転側ディスク4、4に前記MR流体7から回転抵抗を付与する事もできる。つまり、摩擦ブレーキと非摩擦ブレーキとを同時に作動させる事ができる。但し、摩擦ブレーキを単独で作動させる必要がある場合には、前記電磁コイル19への通電を中止しておく。
又、上述した様な非摩擦ブレーキ及び摩擦ブレーキは、どの様な態様(用途)で使用しても良いが、例えば、非摩擦ブレーキは、走行時に制動する為のサービスブレーキとして使用する事ができる。又、摩擦ブレーキは、サービスブレーキとして、非摩擦ブレーキによる制動力を補完するのに利用できる他、作動に電力を必要としない事から駐車時に制動する為のパーキングブレーキとして使用する事もできる。更には、非摩擦ブレーキが故障した場合の予備ブレーキとして利用する事もできる。又、本例のブレーキ装置1は、パーキングブレーキ専用に用いるドラムブレーキ装置と組み合わせて使用する事もできる。この場合には、摩擦ブレーキは、使用しない(作動させない)か、サービスブレーキとして使用する。
以上の様な構成を有する本例のブレーキ装置1の場合には、制動時に於ける摩耗粉の周囲への飛散を防止できる。
即ち、本例のブレーキ装置1は、上述した様に、2種類のブレーキ手段により制動力を得る事ができるが、このうちの非摩擦ブレーキでは、前記MR流体7を利用して制動力を得る。この為、非摩擦ブレーキに基づき制動を行う場合には、摩耗粉の発生自体を防止できる。これに対し、摩擦ブレーキの場合には、前記各回転側ディスク4、4と前記各コンポジット材31、31とを摺接させて制動力を得る。この為、摩擦ブレーキに基づき制動を行う場合には、摩耗粉は発生するが、該摩耗粉を、外部空間から密閉された前記ディスク収容空間18内に留める事ができる。
従って、本例のブレーキ装置1によれば、何れのブレーキ手段により制動を行う場合にも、摩耗粉の周囲への飛散を防止できる。
又、本例の場合には、前記ディスク収容空間18内にMR流体を充填しなくて済む為、前記各回転側ディスク4、4にMR流体に基づく撹拌抵抗が作用する事を防止できる。この為、本例のブレーキ装置1によれば、非制動時に車輪に作用する抵抗を小さく抑える事ができ、自動車の燃費性能の向上を図る上で有利になる。又、本例の場合には、前記各コンポジット材31、31を、使用時にも回転しない前記各静止側ディスク5、5に支持している為、使用時に回転する前記各回転側ディスク4、4に設ける場合に比べて、前記各コンポジット材31、31の脱落防止を有効に図れる。又、これら各コンポジット材31、31から前記MR流体7が漏れ出す事も有効に防止できる。
又、非摩擦ブレーキによる制動力を得る場合には、前記電磁コイル19に流す電流の大きさを調整する事で、ブレーキの効き具合(フィーリング)を容易に調整する事もできる。又、非摩擦ブレーキにより制動力を得る場合には、各部材に摩耗を生じない為、メンテナンスを省略(メンテナンスフリー)又はメンテナンス間隔を長くする事ができる。又、非摩擦ブレーキにより制動力を得る場合には、ブレーキ装置1の振動を抑えられると共に、ノイズの発生を抑える事もできる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図5を参照しつつ説明する。本例のブレーキ装置1aの場合には、静止側ディスク5a、5aの軸方向側面に、軸方向に凹んだ取付凹部46、46を形成し、該取付凹部46、46内にコンポジット材31a、31aを支持固定している。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記各静止側ディスク5a、5aから前記各コンポジット材31a、31aを脱落しにくくする事ができる。又、摩擦ブレーキにより制動力を得る場合にも、前記各コンポジット材31a、31aの摩耗量を抑える面で有利になる。又、これら各コンポジット材31a、31aを構成する多孔質部材32a、32aの材料選択の幅を広げる事ができ、これら多孔質部材32a、32aとして、金属製のもの以外に、布製のものや、紙製、合成樹脂製、ゴム製のものを使用し易くできる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図6を参照しつつ説明する。本例のブレーキ装置1bの場合には、静止側ディスク5b、5bに、軸方向に貫通する取付孔47、47を形成し、該取付孔47、47内にコンポジット材31b、31bを内嵌固定している。
以上の様な構成を有する本例の場合にも、前記各静止側ディスク5b、5bから前記各コンポジット材31b、31bを脱落しにくくする事ができる。又、摩擦ブレーキにより制動力を得る場合にも、前記各コンポジット材31b、31bの摩耗量を抑える面で有利になる。又、これら各コンポジット材31b、31bを構成する多孔質部材32b、32bの材料選択の幅を広げる事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第2例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図7を参照しつつ説明する。本例のブレーキ装置1cの場合には、静止側ディスク5c、5cを、例えば粉末治金法により製造した焼結金属製とし、これら各静止側ディスク5c、5c自体を多孔質構造としている。そして、該静止側ディスク5c、5cにMR流体7を直接含浸している。
以上の様な構成を有する本例の場合には、コンポジット材を備えない為、該コンポジット材が脱落する事がない。又、コンポジット材を設ける場合に比べて、MR流体7の含浸量を増やす事もできる。又、コンポジット材を省略できる為、部品点数の低減を図る事ができ、組立コスト、及び、部品管理コストの低減を図れる。又、ブレーキ装置1cの軽量化も図れる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第2例の場合と同様である。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例に就いて、図8〜10を参照しつつ説明する。本例のブレーキ装置1dの特徴は、前述した実施の形態の第1例の構造に、アーマチュア48を有する第二の駆動機構49を追加した点にある。この為に、本例の場合には、ケーシング2aの形状を変更して、ディスク収容空間18aとコイル収容空間20aとを軸方向に隣接して配置している。即ち、本例の場合には、前記ケーシング2aを、ケーシング本体50と、該ケーシング本体50の外周面を覆った筒体51と、該筒体51の軸方向内端開口を塞ぐ状態で設けられた塞ぎ板52とから構成しており、これらケーシング本体50と筒体51と塞ぎ板52とにより三方を囲まれた部分を、前記ディスク収容空間18aとしている。
前記ケーシング本体50は、磁性金属製で、断面略コ字形に構成されており、その内側を前記コイル収容空間20aとしている。又、前記筒体51のうち、前記ディスク収容空間18aの外周面を構成する軸方向内半部内周面には、雌スプライン溝29aが形成されている。又、前記塞ぎ板52は、断面クランク形に構成されており、その内周縁部を、転がり軸受ユニット8を構成する外輪10に対し複数本のボルト22により結合している。
又、本例の場合には、前記ディスク収容空間18aに、回転側ディスク4、4と静止側ディスク5、5とを軸方向に関して交互に配置すると共に、これら回転側、静止側各ディスク4、5の軸方向内側に、磁性金属(例えば鉄)板製のアーマチュア48と、ボール・ランプ式の駆動機構34(の一部)とをそれぞれ配置している。このうちのアーマチュア48は、前記ディスク収容空間18a内に、前記ケーシング2a及び回転筒3に対する軸方向の相対変位を可能に配置されており、前記各回転側、静止側各ディスク4、5を挟んで、前記ケーシング本体50と軸方向に対向している。又、前記コイル収容空間20aには、電磁コイル19aを配置している。
又、本例の場合には、前記電磁コイル19a及び前記ケーシング本体50を、印加装置8aとして使用するだけでなく、前記第二の駆動機構49としても使用する。より具体的には、前記印加装置8aを、前記電磁コイル19aと、該電磁コイル19aをその内側に収容した前記ケーシング本体50とにより構成している。又、前記第二の駆動機構49を、前記電磁コイル19aと、前記ケーシング本体50と、前記アーマチュア48とにより構成している。そして、何れの場合にも、前記ケーシング本体50を、磁気回路を形成する為のヨークとして機能させる。又、本例の場合には、前記駆動機構34を構成するランププレート35aを、ステンレス鋼等の非磁性材料製としている。これにより、前記電磁コイル19aに通電した際に、前記ランププレート35aが前記ケーシング本体50側(軸方向外側)に吸引されるのを防止している。
上述の様な構成を有する本例のブレーキ装置1dの場合にも、車輪に制動力を付与するには、駆動機構34を駆動し、駆動レバー36の回転操作に基づいてランプロータ35aを回転させる。そして、駆動側ランプ溝39と被駆動側ランプ溝44と複数個のボール37との係合に基づいて、前記ランプロータ35aを軸方向外側に移動させる。これにより、回転側ディスク4、4と静止側ディスク5、5とを、レリーズばね33、33の弾力に抗して軸方向外側に移動させて、前記各回転側ディスク4、4の軸方向側面と、前記各静止側ディスク5、5の軸方向側面に支持されたコンポジット材31、31との間の隙間をゼロにする。
次いで、印加装置8aを構成する電磁コイル19a(図8、9参照)に電流を通電する事により、前記各多孔質部材32、32内に含浸されたMR流体7に軸方向の磁場を印加する。これにより、前記回転側ディスク4、4と前記各静止側ディスク5、5との間に、粒子の鎖状構造を形成する。この状態で、前記各回転側ディスク4、4に対し、前記MR流体7の鎖状構造をせん断する事に対する抵抗力を付与する事ができる。又、この抵抗力(制動力)の大きさは、前記電磁コイル19aに流れる電流を大小変化させる事で調整する事ができる。この様に本例のブレーキ装置1dによれば、非摩擦ブレーキ(MRブレーキ)により、車輪に制動力を付与する事ができる。
又、本例のブレーキ装置1dの場合にも、上述した様な非摩擦ブレーキにより制動力を得られるだけでなく、必要に応じて、次述する摩擦ブレーキによっても制動力を得る事もできる。即ち、摩擦ブレーキにより制動力を得るには、上述した様に、前記各回転側ディスク4、4の軸方向側面と前記各コンポジット材31、31との間の隙間をゼロにした状態から、非摩擦ブレーキにより制動力を得る場合よりも、前記電磁コイル19aに通電する電流を大きくする。これにより、第二の駆動機構49を構成するアーマチュア48により、前記各回転側ディスク4、4の軸方向側面と前記各静止側ディスク5、5の軸方向側面に支持されたコンポジット材31、31とを互いに押し付ける(強く接触させる)。又、この押し付け力は、前記電磁コイル19aに流れる電流を大小変化させる事で調整する事ができる。
又、本例の場合には、前記駆動機構34を駆動する事により実現される摩擦ブレーキを、駐車時に制動する為のパーキングブレーキとして使用する。
尚、本例の場合には、上述の様に前記第二の駆動機構49を利用した摩擦ブレーキにより制動力を得る場合には、前記MR流体7から前記各回転側ディスク4、4に回転抵抗が付与される。つまり、摩擦ブレーキと非摩擦ブレーキとが同時に作用する事になる。但し、摩擦ブレーキを単独で作用させる必要がある場合には、前記実施の形態の第1例の場合と同様に、前記電磁コイル19aへの通電を中止し、前記駆動機構34を駆動させれば、摩擦ブレーキを単独で作用させる事ができる。又、必要に応じて、前記第二の駆動機構49と共に前記駆動機構34を駆動して、前記ランプロータ35aにより、前記各回転側ディスク4、4の軸方向側面と前記各コンポジット材31、31の軸方向側面とを互いに押し付ける事もできる。この様に、前記駆動機構34と前記第二の駆動機構49とを同時に駆動させれば、何れかを単独で駆動する場合よりもより大きな制動力を得る事ができる。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記電磁コイル19aに流れる電流の大きさを調整するだけで、制動力を得る為のブレーキの種類(非摩擦ブレーキのみ、又は非摩擦ブレーキ及び摩擦ブレーキ)を容易に切り替える事ができ、制動力の大きさを十分に大きくする事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第6例]
本発明の実施の形態の第6例に就いて、図11を参照しつつ説明する。本例のブレーキ装置1eの特徴は、駆動機構34aとして電磁ソレノイド53を使用した点にあり、その他の構成に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。特に本例の場合には、前記電磁ソレノイド53を構成するソレノイド本体部54を、ケーシング2bを構成するケーシング素子16bの軸方向内側面に支持固定している。そして、該ケーシング素子16bに軸方向に貫通する状態で形成された貫通孔43a内に、前記電磁ソレノイド53を構成するプランジャ55を挿通し、該プランジャ55の軸方向外端部を、中間プレート45に対し軸方向に対向させている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、摩擦ブレーキにより制動力を得る場合に、前記ソレノイド本体部54内の図示しないコイルに通電する。これにより、該コイルを周囲に巻回した図示しない固定磁極を磁化し、前記プランジャ55を軸方向外側に向けて移動させる。そして、前記中間プレート45を介して、回転側ディスク4、4とコンポジット材31、31との間の隙間をゼロにしたり、これら両部材4、31を必要に応じて強く押し付ける。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第7例]
本発明の実施の形態の第7例に就いて、図12を参照しつつ説明する。本例のブレーキ装置1fの特徴は、駆動機構34bとして、流体(油圧、空圧、水圧)によって駆動されるピストン装置56を使用した点にあり、その他の構成に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。特に本例の場合には、ケーシング2cを構成するケーシング素子16bに形成されたピストン収容空間57に、前記ピストン装置56を収容している。又、該ピストン装置56には、前記ケーシング素子16bを貫通する状態で形成された流路58を通じて作動流体を供給する様にしている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、第二のブレーキ手段である摩擦ブレーキにより制動力を得る場合に、外部に配置された流体供給部から、前記流路58を通じて前記ピストン装置56に作動流体を供給する。これにより、該ピストン装置56を構成するピストン59を軸方向外側に向けてに移動させる。そして、該ピストン59の軸方向外端面により、前記中間プレート45を介して、回転側ディスク4、4とコンポジット材31、31との間の隙間をゼロにしたり、これら両部材4、31を必要に応じて強く押し付ける。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第8例]
本発明の実施の形態の第8例に就いて、図13を参照しつつ説明する。本例のブレーキ装置1gの特徴は、駆動機構34cとして、電動モータ60と、電動モータ60の出力軸の回転運動を直線運動に変換する為の変換機構であるボールねじ機構(送りねじ)61とを備えたものを使用した点にあり、その他の構成に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。特に本例の場合には、前記ボールねじ機構61を構成するボールナット62を、ケーシング2dを構成するケーシング素子16bの軸方向外側面に支持固定している。そして、該ケーシング素子16bに軸方向に貫通する状態で形成された貫通孔43b内に、前記ボールねじ機構61を構成するボールスクリュー(直動部材)63を挿通し、該ボールスクリュー63の軸方向外端部を、中間プレート45に対し軸方向に対向させている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、第二のブレーキ手段である摩擦ブレーキにより制動力を得る場合に、前記ケーシング2dの外部に配置された前記電動モータ60に通電する。これにより、前記ボールねじ機構61を構成するボールスクリュー63を軸方向外側に向けて移動させる。そして、前記中間プレート45を介して、回転側ディスク4、4とコンポジット材31、31との間の隙間をゼロにしたり、これら両部材4、31を必要に応じて強く押し付ける。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明を実施する場合に、使用する回転側、静止側各ディスクの枚数は、前述した実施の形態の各例の構造に限定されず、必要とする制動力の大きさに応じて適宜設定する事ができる。又、同様に、回転側ディスクと静止側ディスクの外径(ディスク径)、及び、回転側ディスクと静止側ディスクとの間の軸方向隙間の大きさ、電磁コイルの巻数、コイル線径なども、必要とする制動力の大きさに合わせて適宜設定する事ができる。又、本発明を実施する場合には、回転側ディスク同士の間に限らず、静止側ディスク同士の間にもレリーズばねを配置する事ができる。
又、上述した実施の形態の各例の構造は、適宜組み合わせて実施する事ができる。
又、本発明のブレーキ装置は、超小型モビリティや普通乗用車等の車両の制動に使用できる他、自転車や車椅子などの車輪の制動、身障者補助装具やリハビリ装置を構成する回転部材の制動に利用する事もできるし、ビル免震ダンパ等として利用する事もできる。
1、1a〜1g ブレーキ装置
2、2a〜2d ケーシング
3 回転筒
4 回転側ディスク
5、5a〜5c 静止側ディスク
6 隙間調整手段
7 MR流体
8、8a 印加装置
9 転がり軸受ユニット
10 外輪
11 ハブ
12 転がり軸受
13 係合孔
14 回転側フランジ
15 スタッド
16a、16b ケーシング素子
17 ボルト
18、18a ディスク収容空間
19、19a 電磁コイル
20、20a コイル収容空間
21 取付フランジ
22 結合ボルト
23 回転側支持部
24 雄スプライン溝
25 シール面
26 シールリング
27 雌スプライン部
28 静止側支持部
29、29a 雌スプライン溝
30 雄スプライン部
31、31a、31b コンポジット材
32、32a、32b 多孔質部材
33 レリーズばね
34、34a〜34c 駆動機構
35、35a ランププレート
36 駆動レバー
37 ボール
38 戻しばね
39 駆動側ランプ軌道
40 カム部
41 軸部
42 レバー部
43、43a、43b 貫通孔
44 被駆動側ランプ軌道
45 中間プレート
46 取付凹部
47 取付孔
48 アーマチュア
49 第二の駆動機構
50 ケーシング本体
51 筒体
52 塞ぎ板
53 電磁ソレノイド
54 ソレノイド本体部
55 プランジャ
56 ピストン装置
57 ピストン収容空間
58 流路
59 ピストン
61 電動モータ
61 ボールねじ機構
62 ボールナット
63 ボールスクリュー

Claims (8)

  1. 静止部材と、
    該静止部材と同軸上に配置され、該静止部材に対し相対回転する回転部材と、
    該回転部材の周面に相対回転不能に支持された1乃至複数枚の回転側ディスクと、
    該回転側ディスクに対し隙間を介して軸方向に対向配置された状態で、前記静止部材の周面に相対回転不能に支持された1乃至複数枚の静止側ディスクと、
    該静止側ディスクと前記回転側ディスクとの間の隙間の大きさを調整する為の隙間調整手段と、
    前記静止側ディスクと前記回転側ディスクとの少なくとも一方のディスクに、直接含浸されるか、又は、該少なくとも一方のディスクに支持された多孔質部材に含浸された、磁場又は電場の印加により見かけ上の粘度を調整可能な機能性材料と、
    該機能性材料に磁場又は電場を印加する為の印加装置と、を備えており、
    前記隙間調整手段により前記回転側ディスクと前記静止側ディスクとの間の隙間をゼロにすると共に、前記印加装置により前記機能性流体に磁場又は電場を印加し該機能性材料の見かけ上の粘度を高める事で、前記回転側ディスクに回転抵抗を付与する
    ブレーキ装置。
  2. 前記隙間調整手段が、弾性部材と、制動時に、該弾性部材を弾性変形させつつ、前記静止側ディスクと前記回転側ディスクとの少なくとも一方のディスクを軸方向に移動させ、これら静止側ディスクと回転側ディスクとの間の隙間をゼロにする駆動機構とを備えている、請求項1に記載したブレーキ装置。
  3. 前記多孔質部材が、金属製である、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したブレーキ装置。
  4. 前記静止側ディスクに、前記機能性材料が直接含浸しているか、又は、該機能性材料を前記多孔質部材に含浸させて成るコンポジット材が支持されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したブレーキ装置。
  5. 前記機能性材料を前記多孔質部材に含浸させて成るコンポジット材が、前記ディスクの軸方向側面に支持されている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したブレーキ装置。
  6. 前記機能性材料を前記多孔質部材に含浸させて成るコンポジット材が、前記ディスクの軸方向側面に形成された凹部内に支持されている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したブレーキ装置。
  7. 前記機能性材料を前記多孔質部材に含浸させて成るコンポジット材が、前記ディスクを軸方向に貫通した貫通孔内に支持されている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したブレーキ装置。
  8. 前記機能性材料がMR流体であり、前記印加装置が磁場発生装置である、請求項1〜7のうちの何れか1項に記載したブレーキ装置。
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