JP2017122207A - キノフタロン系化合物、キノフタロン系化合物を含むインク及び該インクを含むディスプレイ - Google Patents

キノフタロン系化合物、キノフタロン系化合物を含むインク及び該インクを含むディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】耐光性が良好でかつ、溶媒への溶解性も高い新たなエレクトロウェッティングディスプレイ(EWD)用の色素化合物の提供。【解決手段】測定周波数1kHzにおける22℃での比誘電率が3以下であり、かつ25℃における水に対する溶解度は20mg/L以下である溶媒および、下記一般式(1)で表されるキノフタロン系化合物を含むインク。(R1〜R6は夫々独立にH、置換/非置換のアルキル基、ハロゲン基又はヒドロキシル基;R1〜R6の内少なくとも1つはヒドロキシル基;R7〜R10は夫々独立にH、置換/アルキル基、COOR11基、CONR12R13基、SO2R14基又はSO2NR15R16基;R11〜R16は置換/非置換の直鎖/分岐アルキル基)【選択図】なし

Description

本発明は、キノフタロン系化合物及びキノフタロン系化合物を含むインクに関し、さらに詳しくは、特定の化学構造を有するキノフタロン系化合物と、該化合物を含みディスプレイ材料又は光シャッター用として有用なインクとに関する。
エレクトロウェッティングディスプレイ(以下、EWDと記載)は、基板上に水性媒体と油性着色インクの2相で満たされた複数のピクセルを配し、ピクセルごとに電圧印加のon−offによって水性媒体/油性着色インクの界面の親和性を制御し、油性着色インクを基板上に展開/凝集させることによって行う画像表示形式である(非特許文献1)。EWDに用いられるインクに含まれる色素化合物には、低極性溶媒への高い溶解性および耐光性等が求められる(特許文献1)。
上記特許文献1では、感熱転写記録材料として広く知られているアゾ系色素化合物に工夫を加え、EWD用インクの色素化合物としている。
一方で、感熱転写記録材料としては、アゾ系色素化合物以外にも、キノフタロン系の色素化合物(特許文献2)等、多くの色素化合物が知られている。
国際公開第2009/063880号 日本国特開平06−145540号公報
"Nature"、(英国)、2003年、Vol.425、p.383−385
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1に記載されたEWD用インクに用いる色素化合物は未だ耐光性の点で十分ではなく、特許文献2に記載された色素化合物では、低極性溶媒に対する溶解性が低く、そのまま適用することが困難であることが判った。
本発明は上記事情を鑑み、耐光性が良好でかつ、溶媒への溶解性も高い新たなEWD用の色素化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、EWD用インクの色素化合物として、キノフタロン系の色素化合物を改良することにより、高い溶解性と良好な耐光性を兼ね備える化合物を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、以下に存する。
(1)測定周波数1kHzにおける22℃での比誘電率が3以下であり、かつ25℃における水に対する溶解度は20mg/L以下である溶媒および、下記一般式(1)で表されるキノフタロン系化合物を含むインク。
Figure 2017122207
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、ハロゲン基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシル基を表すが、R〜Rの内少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、R〜R10は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、COOR11基、CONR1213基、SO14基又はSONR1516基を表し、R11〜R16は、置換基を有していても良い直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。)
(2)前記R〜Rが、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、ハロゲン基又はヒドロキシル基であって、前記R11〜R16が、置換基を有していても良い分岐アルキル基を表す、(1)に記載のインク。
(3)前記R〜Rのいずれかがアルキルチオ基、アルキルオキシ基又はアルキルアミノ基である、(1)に記載のインク。
(4)前記Rがアルキルチオ基であって、該アルキルチオ基のアルキル部分が、置換基を有していても良い炭素数が4以上の分岐アルキルである、(3)に記載のインク。
(5)R〜R10の内少なくとも1つが、COOR11基又はCONR1213基である、(1)乃至(4)のいずれか1に記載のインク。
(6)前記ハロゲン基が臭素原子である、(1)乃至(5)のいずれか1に記載のインク。
(7)前記R11〜R16が、炭素数が4以上の置換基を有していても良い分岐アルキル基である、(1)乃至(6)のいずれか1に記載のインク。
(8)(1)乃至(7)のいずれか1に記載のインクを含むエレクトロウエッティングディスプレイ。
(9)下記一般式(1)で表されるキノフタロン系化合物。
Figure 2017122207
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、任意の置換基を有していても良いアルキル基、ハロゲン基又はヒドロキシル基を表すが、R〜Rの内少なくとも一つはヒドロキシル基を表し、R〜R10は、それぞれ独立に水素原子、任意の置換基を有するアルキル基、COOR11基、CONR1213基、SO14基又はSONR1516基を表すが、R〜R10の内少なくとも一つはCOOR11基もしくはCONR
1213基を表し、R11〜R16は、置換基を有していても良い直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。)
(10)前記R〜Rが、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、ハロゲン基又はヒドロキシル基であって、前記R11〜R16が、置換基を有していても良い炭素数が4以上の分岐アルキル基を表す、(9)に記載のキノフタロン系化合物。
(11)前記R〜Rのいずれかがアルキルチオ基、アルキルオキシ基又はアルキルアミノ基である、(9)に記載のキノフタロン系化合物。
(12)前記Rがアルキルチオ基であって、該アルキルチオ基のアルキル部分が、置換基を有していても良い炭素数が4以上の分岐アルキルである、(11)に記載のキノフタロン系化合物。
(13)前記ハロゲン基が臭素原子である、(9)乃至(12)のいずれか1に記載のキノフタロン系化合物。
本発明のキノフタロン系化合物、及び該キノフタロン系化合物を含むインクは、特に低極性の溶媒への高い溶解性を有し、かつ耐光性に優れるため、ディスプレイ及び光シャッター用に用いられるインクに有用である。ディスプレイとしては、インクを含む表示部位を有し、表示部位の電圧印加を制御することで画像を表示するディスプレイ、電圧印加によって着色状態を変化させることにより画像を表示するディスプレイ、表示部位に電気泳動粒子又は水性媒体を用いて表示をさせるディスプレイ及びEWDに特に有用である。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
本発明のインクは、周波数1kHz及び温度22℃で測定した比誘電率が3.0以下であり、かつ25℃における水に対する溶解度が20mg/L以下である溶媒、及び、下記一般式(1)で表されるキノフタロン系化合物を含むインクである。
Figure 2017122207
上記式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、ハロゲン基又はヒドロキシル基を表すが、R〜Rの内少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、R〜R10は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、COOR11基、CONR1213基、SO14基又はSONR1516基を表し、R11〜R16は、置換基を有していても良い直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。
(溶媒)
本発明のインクが適用されるディスプレイや光シャッターは低極性の溶媒をインクの溶媒として用いる。本発明のインクは、例えば水層、油層などの層を有し、層の分裂(br
eak up)又は層の移動(move aside)に基づいた表示装置に用いることができる。表示を鮮明にするためには、インクが含まれる油層が水層と混合せず、安定的に分裂又は移動することが必要であるため、溶媒は、水との相溶性が低く、低極性であること等が求められる。本発明は特定の溶媒とアゾ系化合物をインクに含むことによって、油層が安定的に分裂又は移動することが可能となる。
また、溶媒中で電気泳動粒子を用いて表示させる装置において、溶液の誘電率が大きいと駆動の妨げとなる場合がある。本発明の特定の溶媒とアゾ系化合物を用いることによって、粒子の移動を妨げることなく溶液の着色が可能になる。
本発明で用いる溶媒は、周波数1KHz及び22℃で測定した比誘電率が3.0以下である。好ましくは2.5以下、より好ましくは2.2以下である。比誘電率の下限は特に制限されないが、通常1.5以上、好ましくは1.8以上が適当である。溶媒の比誘電率の測定方法は実施例に示す方法により測定される。また、複数の溶媒を混合してインクの溶媒として用いる場合、上記比誘電率は、混合した溶媒全体の比誘電率を指す。
インクが含まれる層の比誘電率が上記範囲にあることで、表示装置が支障なく駆動できる傾向にある。例えば、インクが含まれない他の層が、水、塩類溶液など電気導電性又は有極性などの液体の場合、インクが含まれる層に用いられる溶媒の比誘電率が上記範囲にあることで、層が混合しない傾向にある。
本発明における溶媒の比誘電率の測定方法を以下に示す。
LCRメータを用いたインピーダンスメーター法により測定する。溶媒を、電極間隔30μmで対向させた平行平板のITO電極付きガラス基板で挟持した後、室温(25℃)、測定周波数(1kHz)にて、テスト信号電圧0.1Vを印加したときの等価並列容量を測定し、下式による計算で比誘電率を決定する。
比誘電率=等価並列容量×電極間隔/電極面積/真空の誘電率(ε0)
本発明で用いる溶媒は、25℃における水に対する溶解度が20mg/L以下である。好ましくは10mg/L以下、より好ましくは5mg/L以下である。水に対する溶解度が上記特定の値以下であることで、例えば油層が水層と混合せず表示装置が支障なく駆動できる傾向にある。
本発明に係る溶媒の水に対する溶解度の測定方法は以下の通りである。
純水30gと溶媒8gを110mlのバイアル瓶に入れ、25℃の恒温槽内で200回/分で4時間振盪する。振盪後の液を遠心分離し(6000×g、5分間)、水層をサンプリングして、溶解している溶媒の濃度をガスクロマトグラフィーで定量する。
なお、使用されている溶媒種が不明な場合は、質量分析法等によって溶媒種を同定することによって、上記の方法で水に対する溶解度を測定することができる。また、複数の溶媒を混合して溶媒として用いる場合は、上記水への溶解度は、混合した溶媒全体の溶解度を指す。
また、複数の溶媒を混合してインクの溶媒として用いる場合、上記水への溶解度は、混合した溶媒全体の溶解度を指す。
本発明の溶媒の沸点は特に限定されないが、120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがさらに好ましく、170℃以上であることが特に好ましい。また、300℃以下であることが好ましい。沸点が高すぎないことで、溶媒の融点および粘度が高くなり過ぎず、表示装置に用いた際に駆動が円滑になる傾向にある。また、沸点が低すぎないことで、揮発し難くなり、安定性及び安全性が得られる傾向にある。
本発明で用いる溶媒の粘度は、特に限定されないが、溶媒温度が25℃のときの粘度が0.1mPa・s以上であることが好ましい。また、10000mPa・s以下であるこ
とが好ましく、1000mPa・s以下であることがさらに好ましく、100mPa・s以下であることが特に好ましい。溶媒の粘度が大きすぎないことで、化合物等が溶解し易く、さらに、表示装置に用いた際に駆動が円滑となる傾向にある。
溶媒は、単独あるいは混合して用いることができる。具体例としては、炭化水素系溶媒、フルオロカーボン系溶媒、フッ素系不活性液体及びシリコーンオイル等が挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば、直鎖状又は分岐の脂肪族炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒及び石油ナフサなどが挙げられる。
脂肪族炭化水素系溶媒としては、例えば、n−デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、イソアルカン類等が挙げられる。
脂環式炭化水素系溶媒としては、例えば、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(登録商標、エクソン・モービル株式会社製)、IPソルベント(登録商標、出光石油化学株式会社製)、ソルトール(フィリップス石油株式会社製)などの市販品が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、アルキルナフタレン及びテトラリン等が挙げられる。
石油ナフサ系溶媒としては、例えば、シェルS.B.R.、シェルゾール70、シェルゾール71(シェル石油化学株式会社製)、ペガゾール(エクソン・モービル社製)及びハイソゾール(日本石油株式会社製)などが挙げられる。 フルオロカーボン系溶媒としては、主にフッ素置換された炭化水素であり、例えば、C16、C18などのC2n+2で表されるパーフルオロアルカン類が挙げられる。市販品としては、例えば、フロリナートPF5080、フロリナートPF5070(住友3M社製)等が挙げられる。
フッ素系不活性液体としては、例えば、フロリナートFCシリーズ(住友3M社製)等、フルオロカーボン類としては、例えば、クライトックスGPLシリーズ(登録商標、デュポンジャパンリミテッド社製)、フロン類としては、例えば、HCFC−141b(ダイキン工業株式会社製)、F(CFCHCHI、F(CFI等のヨウ素化フルオロカーボン類としては、例えば、I−1420、I−1600(ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、低粘度の合成ジメチルポリシロキサンが挙げられ、市販品としては、例えば、KF96L(信越シリコーン製)、SH200(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)等が挙げられる。
これらの溶媒の内、本発明が適用されるディスプレイの使用において、水層との混合を防ぐ観点から脂肪族炭化水素系溶媒が好ましく、更に好ましくはテトラデカン、デカリン又はn−デカンであり、特に好ましくはn−デカンである。
また、上記溶媒とは異なる種類の溶媒を含む混合溶媒としてもよいが、その場合、炭化水素系溶媒、フルオロカーボン系溶媒及びシリコーンオイルからなる群より選ばれた少なくとも1つを含むことが好ましい。前記好ましい溶媒の含有量は通常、溶媒全体の50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。
本発明において混合溶媒を使用する場合は、溶媒間の相互作用が比較的小さいものとみなし、混合溶媒の比誘電率は、混合溶媒を構成する各溶媒の比誘電率に各々の体積分率を乗じて総計した値で近似することとする。また、同様に、混合溶媒の水に対する溶解度は
、混合溶媒を構成する各溶媒の水に対する溶解度に各々のモル分率を乗じて総計した値で近似することとする。
本発明のインクは、上述の特定の溶媒とキノフタロン系化合物とを含むものであり、キノフタロン系化合物および必要に応じて用いるその他の化合物や添加剤等を、溶媒に溶解することにより得られる。
ここで、溶解とは、キノフタロン系化合物が溶媒に完全に溶解している必要はなく、キノフタロン系化合物が0.1ミクロン程度のフィルターを通過し、かつ吸光係数が測定可能な程度の状態であればよく、化合物の微粒子が分散している状態であってもよい。
(一般式(1)で表されるキノフタロン系化合物)
本発明の一般式(1)で表される構造を有するキノフタロン系化合物について以下に説明する。
Figure 2017122207
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシル基を表すが、R〜Rの内少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、R〜R10は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、COOR11基、CONR1213基、SO14基又はSONR1516基を表し、R11〜R16は、置換基を有していてもよい直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。)
<R〜R
〜Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシル基を表すが、R〜Rの内少なくとも1つはヒドロキシル基を表す。また、R〜Rのいずれかは、アルキルチオ基、アルキルオキシ基又はアルキルアミノ基であることが好ましい。これらの置換基にすることにより、光による分解が抑制されるため、耐光性が向上する効果が見られる。
〜Rの置換基を有していてもよいアルキル基としては、直鎖状又は分岐のいずれでもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、等が挙げられる。中でも、置換基を含めた全体の炭素数が1〜8であるのが好ましく、さらには炭素数1〜6であるのが好ましい。これは、本発明に使用する溶媒に対する溶解性を向上させることができるためである。
置換基としては、ハロゲン基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルスルホニルアミド基、アリールスルホニルアミド基、トリアルキルシリル基、トリアルコ
キシシリル基、チオアルキル基等が挙げられる。
上記R〜Rのアルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基のアルキル基としては、直鎖状又は分岐のいずれでもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルブチル基、イソペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2−メチルヘプタン基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルオクチル基、2−メチルヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−n−オクチルドデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−ヘプチルウンデシル基、2−メチルヘキサデシル基、2−ヘキサデシルオクタデシル基、2−メチルシクロヘキシル基、1−シクロヘキシルー1−ブチル基等が挙げられる。中でも置換基部分を含めて炭素数の合計が30以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましく、20以下であることが最も好ましい。これにより、適切な溶解度を有する化合物を提供することが可能である。
また、これらのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルスルホニルアミド基、アリールスルホニルアミド基、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基、チオアルキル基等が挙げられる。
〜Rのハロゲン基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。最も好ましいのは臭素原子である。これにより、吸収波長のスペクトル形状をより急峻にできるためである。
〜Rの内少なくとも1つはヒドロキシル基である。これは、ヒドロキシル基と分子構造に含まれるケトン基が水素結合を形成することにより、化合物単体および溶液中での耐光性が向上するためである。ヒドロキシル基の置換数として、より好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下、最も好ましくは1である。
特にRは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基又はアルキルアミノ基のいずれかが好ましく、さらに好ましくは、水素原子、ハロゲン基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基のいずれかであり、より好ましくは水素原子、ハロゲン基、アルキルチオ基のいずれかであり、最も好ましくはハロゲン基もしくはアルキルチオ基のいずれかである。これらにより、光分解が抑制され、耐光性が向上する傾向が見られる。
また、Rがアルキルチオ基であって、該アルキルチオ基のアルキル部分が、置換基を有していてもよい炭素数が4以上の分岐アルキルであることが好ましい。
<<R〜Rの組み合わせ>>
〜Rの組み合わせとしては、表1及び表2のような組み合わせが考えられる。この中でEntry1−01、1−02、1−04、1−05、1−09、1−17、1−18、1−20、1−21、1−25、1−33、1−34、1−36、1−37、1−41、1−49、1−50、1−51、1−57、1−58、1−59、1−65、1−66、1−67が好ましく、Entry1−01、1−05、1−17、1−21、1−33、1−37、1−49、1−51、1−59、1−65、1−67がより好ましい。これにより、良好な耐光性と良好な溶解度を両立することが可能となる。
Figure 2017122207
Figure 2017122207
<R〜R10
〜R10は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、COOR11基、CONR1213基、SO14基又はSONR1516基を表し、R11〜R16は、置換基を有していてもよい直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。
また、R〜R10のうちいずれか1つは、COOR11基、CONR1213基、SO14基又はSONR1516基であることが好ましく、より好ましくは、COOR11基又はCONR1213基である。これにより、分子の電子状態を適切に制御することができるために、極大吸収波長を適切に調整できるためである。
〜R10の置換基を有していてもよいアルキル基としては、直鎖状又は分岐のいずれでもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エ
チルヘキシル基等が挙げられる。上記アルキル基は、無置換であることが好ましい。置換基を有する場合、その置換基は、ハロゲン基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等が挙げられる。中でも炭素数1〜8であるのが好ましく、より好ましくは炭素数1〜6であるのが好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
<<R11〜R16>>
11〜R16は、置換基を有していてもよい直鎖もしくは分岐アルキル基を表すが、分岐アルキル基であることがより好ましい。直鎖アルキル基の炭素数の上限として、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下であり、最も好ましくは12以下である。これにより、良好な耐光性を有することが可能となる。分岐アルキルの炭素数の上限として、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下である。また、炭素数の下限として、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上、最も好ましくは6以上である。これにより、良好な溶解度を有することが可能となる。
また、前記R〜Rが、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン基又はヒドロキシル基である場合、即ち、前記R〜Rがアルキルチオ基、アルキルオキシ基及びアルキルアミノ基のいずれも含まない場合は、R11〜R16は、置換基を有していてもよい分岐アルキル基であることが好ましく、炭素数が4以上であることがさらに好ましい。これにより、溶媒との親和性が向上するため、適切な溶解度を有することが可能である。
分岐アルキル基の例としては、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルブチル基、イソペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2−メチルヘプタン基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルオクチル基、2−メチルヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−n−オクチルドデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−ヘプチルウンデシル基、2−メチルヘキサデシル基、2−ヘキサデシルオクタデシル基、2−メチルシクロヘキシル基、1−シクロヘキシルー1−ブチル基、が挙げられる。より好ましくは、2−エチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2−メチルヘプタン基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルオクチル基、2−メチルヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−n−オクチルドデシル基、2−ヘキシルドデシル基、2−ヘプチルウンデシル基、2−メチルヘキサデシル基であり、さらに好ましくは、溶解性を良好にする観点から、2−エチルヘキシル基、2−ヘキシルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2−n−オクチルドデシル基である。中でも、置換基を含めた全体の炭素数1〜8であるのが好ましく、さらには炭素数1〜6であるのが好ましい。これは、本発明に使用する溶媒に対する溶解性を向上させることができるためである。
直鎖アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−イコシル基、等が挙げられる。
上記直鎖もしくは分岐アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルスルホニルアミド基、アリールスルホニルアミド基、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基、チオアルキル基等が挙げられる。
<R〜RおよびR〜R10の組み合わせ>
先述したR〜RおよびR〜R10の組み合わせとしては下記の表3のような組み合わせが考えられる。この中でEntry2−01、2−02、2−07、2−08、2−11、2−12、2−17、2−18、2−21、2−22、2−27、2−28、2−31、2−32、2−37、2−38、2−41、2−42、2−43、2−44が好ましく、Entry2−07、2−08、2−11、2−12、2−17、2−18、2−21、2−22、2−27、2−28、2−31、2−32、2−41、2−42、2−43、2−44がより好ましい。これにより、良好な耐光性と良好な溶解度を両立することが可能となる。なお、R〜Rに示す数字は先述の表1及び表2のEntryに対応している。
Figure 2017122207
<分子量>
本発明のキノフタロン系化合物は、置換基を有する場合は置換基を含めて、その分子量が1500以下であることが好ましく、1000以下であることがさらに好ましい。また通常400以上である。分子量が上記範囲にあることで、良好なグラム吸光係数を得るこ
とができる。
<一般式(1)で表されるキノフタロン系化合物の具体例>
一般式(1)で示されるキノフタロン系化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2017122207
Figure 2017122207
Figure 2017122207
Figure 2017122207
Figure 2017122207
Figure 2017122207
Figure 2017122207
Figure 2017122207
Figure 2017122207
Figure 2017122207
Figure 2017122207
<一般式(1)で表されるキノフタロン系化合物の合成方法>
本発明のキノフタロン化合物の製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適宜利用することができる。以下、キノフタロン化合物の製造方法の一実施形態を記載する。
まず、下記化学式で示されるように、2−メチルキノリン誘導体とフタル酸無水物誘導体を反応させることにより、キノフタロン誘導体を合成することができる。
Figure 2017122207
キノリン骨格上にハロゲン等を導入する場合、あらかじめキノリン骨格上に導入しておくことも可能である。また、キノフタロン誘導体を合成後に、ヨウ素、臭素、塩素やN−ブロモスクシンイミド等のハロゲン化試薬を用いて、導入することも可能である。
キノフタロン誘導体がカルボン酸基を有する場合は、所望のアルコール誘導体、アミン誘導体を反応させることによりエステル基、アミド基を有する化合物を合成することができる。この方法としては、酸触媒による縮合反応等が挙げられる。また、キノフタロン誘導体が有するカルボン酸を塩化チオニル等で酸ハライドに変換してから、アルコール誘導体、アミン誘導体と反応させることもできる。
<一般式(1)で表されるキノフタロン系化合物の溶解度>
本発明のキノフタロン系化合物は、溶媒への溶解性、特に周波数1KHz及び22℃で測定した比誘電率が3.0以下かつ25℃における水に対する溶解度が20mg/L以下である溶媒への溶解性に優れることを特徴とする。
本発明のキノフタロン系化合物は、5℃におけるn−デカンに対する溶解度が、通常0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上である。溶解度は高ければ高いほど好ましいが、通常80質量%以下程度である。溶解度が特定値以上であることで、ディスプレイなどの表示装置の表示が可能となる場合がある。
本発明のキノフタロン系化合物の、n−デカンに対する溶解度の測定は、後述する実施例に記載の方法で測定可能である。
なお、本発明のキノフタロン系化合物は、EWDに用いる場合、原理的に水不溶性であることが好ましい。本発明における「水不溶性」とは、25℃、1気圧の条件下における水に対する溶解度が、0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下であることを指す。
また、モル吸光係数は10000(L・mol−1・cm−1)以上であることが好ましく、15000(L・mol−1・cm−1)以上であることが好ましく、20000(L・mol−1・cm−1)以上であることが表示装置の性能を満たすために特に好ましい。
さらに、本発明のキノフタロン系化合物のn−デカン溶液での吸収極大波長におけるモル吸光係数ε(L・mol−1・cm−1)と、5℃における前記キノフタロン系化合物のn−デカンに対する飽和濃度C(mol・L−1)との積εCの値が、好ましくは100cm−1以上、さらに好ましくは200cm−1以上、より好ましくは400cm−1以上である。εC値が高いほど着色性が高いため好ましく、上限は特にないが、通常100000cm−1以下である。
(本発明のインクの組成等について)
本発明のインク中におけるキノフタロン系化合物の濃度については、その目的に応じて任意の濃度で調製される。例えば、EWD用インクの色素として用いる場合、通常1質量%以上の濃度で、必要とされる濃度に応じて溶媒に希釈して用いられるが、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。また、通常80質量%以下程度が好
ましい。
本発明のインクは上記キノフタロン系化合物を単独で含んでいてもよく、他の化合物を含む2種以上を任意の組合せ及び比率で含んでいてもよい。
本発明のキノフタロン系化合物は、溶媒への溶解性に優れ、高い吸光係数を有することから、光シャッター用材料、ディスプレイ材料、特にエレクトロウェッティングディスプレイ材料、電気泳動法ディスプレイ材料として有用である。
本発明のインク温度が25℃時のインク粘度は、通常0.1mPa・s以上であることが好ましい。また、10000mPa・s以下であることが好ましく、1000mPa・s以下がさらに好ましく、100mPa・s以下であることが特に好ましい。インクの粘度が大きすぎると、表示装置の駆動に支障をきたす場合がある。
本発明に係る溶媒と、該溶媒と色素などを含むインクの比誘電率や粘度は、溶媒とインクの値の差が小さい方が、表示装置などで用いる際の駆動特性への影響が小さくなり好ましい。従って、本発明のインクは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、また各用途に適した任意の添加剤を含んでいてもよいが、溶媒の特性を大きく変化させないようにすることが好ましい。
(本発明のインクに含まれてもよい他の化合物について)
本発明のインクは、上記キノフタロン系化合物単体で用いてもよく、所望の色調とするために他の色素化合物を含んでいてもよい。例えば、本発明のキノフタロン系化合物に、黄色、赤色、青色、紫色、橙色等の複数の色の化合物を混合して黒色等の各色にしてもよい。
本発明のインクに含まれてもよい他の化合物としては、使用する溶媒に対して溶解性・分散性を有する化合物の中から、本発明の効果を損なわない範囲で任意に選択することが可能である。
本発明のインクをEWD用に用いる場合、他の化合物としては、任意の化合物を選択して用いることができる。例えば、ニトロソ化合物、ニトロ化合物、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、トリアゾ化合物、ポリアゾ化合物、スチルベン化合物、カロテノイド化合物、ジアリールメタン化合物、トリアリールメタン化合物、キサンテン化合物、アクリジン化合物、キノリン化合物、メチン化合物、チアゾール化合物、イソチアゾール化合物、インダミン化合物、インドフェノール化合物、アジン化合物、オキサジン化合物、チアジン化合物、ヘテロ環化合物、硫化染料、ラクトン化合物、ヒドロキシケトン化合物、アミノケトン化合物、アントラキノン化合物、インジゴ化合物、フタロシアニン化合物、ピラゾール系化合物、シアノビニル化合物、天然染料、酸化染料、無機顔料、金属錯体類、カーボンブラック等が挙げられる。
具体的には、例えば、Oil Blue N(アルキルアミン置換アントラキノン)、Solvent Green、Solvent Blue、Sudan Blue、Sudan Red、Sudan Yellow、Sudan Black、Disperse Violet、Disperse Red、Disperse Blue、Disperse Yellow等が挙げられる。
また、本発明のインクは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、また各用途に適した任意の添加剤を含んでいてもよい。
(本発明のEWD)
<本発明のEWDの構成>
本発明のエレクトロウェッティングディスプレイの構成は、従来公知の構成を適宜採用すればよい。一例を挙げると以下のとおりである。基板上にITO等の透明電極を有し、
その上に撥水性(疎水性)の絶縁膜を有し、その上に格子状の隔壁を有する。隔壁で囲まれた部分は本発明のインクを含む着色オイルで満たされており、その上方は水で満たされて透明電極が形成された対向基板と貼り合わされている。
<本発明のEWDの製造方法>
本発明のエレクトロウェッティングディスプレイの製造方法も、従来公知の製造方法を適宜採用すればよい。一例を挙げると以下のとおりである。スパッタ法で成膜したITOなどの透明電極を有する基板上に、適当な樹脂材料を塗布形成後、フォトリソグラフィーによりパターニングし、疎水性の絶縁膜と隔壁部材を形成する。隔壁で囲まれた部分に本発明のインクを含む着色した疎水性インクを添加し、さらに親水性液体を添加する。さらにITOなどの透明電極を有する対向基板を貼り合わせることにより、EWDを製造する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限りこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1に用いた本発明のキノフタロン系化合物である色素1を以下のように合成した。
Figure 2017122207
3−ヒドロキシルー2−メチルー4−キノリンカルボン酸(20.0g)、無水トリメリット酸(20.4g)および1,2,4−トリクロロベンゼン(194 mL)の混合溶液を170℃で3時間加熱撹拌し、さらに205℃まで昇温し、10時間加熱撹拌した。放冷後に濾過をし、得られた固体をメタノールで洗浄することにより、上記化合物1a(28.8g)を得た。
Figure 2017122207
上記化合物1a(333g)のo―ジクロロベンゼン溶液(3230mL)を120℃まで昇温し、撹拌した。臭素(192g)を滴下し、そのまま8時間加熱撹拌した。その後放冷してメタノールを添加し、2時間撹拌した後、濾過をした。メタノールおよび水で洗浄することにより、上記化合物2(335g)を得た。
Figure 2017122207
上記化合物2(103mg)のo−ジクロロベンゼン(3.5mL)の混合溶液を70℃まで加熱し、塩化チオニル(65mg)を添加した。そのまま4時間加熱撹拌し、さらにジ(2−エチルヘキシル)アミン(266mg)を添加し、2時間加熱撹拌した。放冷後、水(10mL)で3回分液操作を実施し、溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜2/1)にて精製し、得られた固体をメタノールにて洗浄した。乾燥することにより、本発明のキノフタロン化合物である上記色素1(47mg)を得た。
[実施例2]
実施例2に用いた本発明のキノフタロン系化合物である色素2を以下のように合成した。
Figure 2017122207
水酸化カルシウム(3.3g)水溶液(140mL)を内温50℃に加熱し、化合物3
(4.8g)を添加した。80℃に昇温後、クロロアセトン(3.1g)を添加し、内温90℃にて6時間加熱攪拌した。氷冷し、1M塩酸水溶液を用いてpH=2.0にした。濾過をおこない、水で洗浄することにより化合物4(5.0g)を得た。
Figure 2017122207
化合物4(4.3g)、無水トリメリット酸(3.8g)および1,2,4−トリクロロベンゼン(40mL)の混合溶液を170℃で13.5時間加熱撹拌した。放冷後に濾過をし、得られた固体をメタノールで洗浄することにより、上記化合物1b(5.4g)を得た。
Figure 2017122207
化合物1b(1.5g)のo−ジクロロベンゼン(13mL)の混合溶液を70℃まで加熱し、塩化チオニル(1.2g)を添加した。そのまま2時間加熱撹拌し、さらにジ(2−エチルヘキシル)アミン(4.2g)を添加し、1.5時間加熱撹拌した。放冷後、水で分液操作を実施し、溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜5/1)にて精製することにより、本発明のキノフタロン化合物である上記色素2(0.80g)を得た。
[実施例3]
実施例3に用いた本発明のキノフタロン系化合物である色素3を以下のように合成した。
Figure 2017122207
化合物5(1.49g)、炭酸カリウム(228mg)のNMP混合溶液(21mL)に2−エチル−1−ヘキサンチオール(1.32g)を添加し、内温80〜85℃で8時間加熱撹拌をした。放冷後に、トルエン(20mL)および水(20mL)を添加し、撹拌した。トルエン(20mL)で1回、水(30mL)で3回分液操作をおこない、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2.5/1)で精製することにより、上記色素3(1.52g)を得た。
[実施例4]
実施例4に用いた本発明のキノフタロン系化合物である色素4を以下のように合成した。
Figure 2017122207
化合物5(1.12g)、炭酸カリウム(171mg)のNMP溶液(16 mL)に2−オクチル−1−デシルチオール(1.75g)を添加し、内温80〜85℃で8時間加熱撹拌をした。放冷後に、トルエン(20mL)および水(20mL)を添加し、撹拌した。水(15mL)で3回分液操作をおこない、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンのみ〜トルエン/酢酸エチル =20/1)で精製することで上記色素4(1.40g)を得た。
[実施例5]
実施例5に用いた本発明のキノフタロン系化合物である色素5を以下のように合成した。
Figure 2017122207
化合物2(4.12g)、炭酸カリウム(760mg)のNMP混合溶液(70mL)に2−エチル−1−ヘキサンチオール(4.40g)を添加し、80〜85℃で12.5時間加熱撹拌をした。放冷後に、水(20mL)を添加し、1M塩酸水溶液を用いて、pH=4になるように調整した。その後ろ過をおこない、メタノールで洗浄することで、上記化合物6(4.26g)を得た。
Figure 2017122207
化合物6(1.5g)のo−ジクロロベンゼン(13mL)の混合溶液を70℃まで加
熱し、塩化チオニル(1.2g)を添加した。そのまま2時間加熱撹拌し、さらにジ(2−エチルヘキシル)アミン(4.1g)を添加し、1時間加熱撹拌した。放冷後、水で分液操作を実施し、溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜5/1)にて精製することにより、本発明のキノフタロン化合物である上記色素5(1.60g)を得た。
[実施例6]
実施例6に用いた本発明のキノフタロン系化合物である色素6を以下のように合成した。
Figure 2017122207
上記化合物2(1.24g)のo−ジクロロベンゼン(10mL)の混合溶液を70℃まで加熱し、塩化チオニル(535mg)を添加した。そのまま4時間加熱撹拌し、さらに2−ヘキシル−1−デカノール(873mg)を添加し、4時間加熱撹拌した。放冷後、水(20mL)で3回分液操作を実施し、溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜5/1)にて精製し、得られた固体をメタノールにて洗浄した。乾燥することにより、本発明のキノフタロン化合物である上記色素6(650mg)を得た。
[比較例1]
比較例1に用いた色素化合物である比較色素1を以下のように合成した。
実施例1の合成方法において、ジー(2−エチルヘキシル)アミンをジプロピルアミンに変更した以外は同様の方法を用いて下記の比較色素1を合成した。
Figure 2017122207
[比較例2]
比較例2に用いたアゾ系色素化合物である比較色素2は、特許文献1の実施例2に相当するアゾ色素であり、特許文献1に記載の方法で合成した。
Figure 2017122207
[色素溶液の評価]
実施例1〜6および比較例1で合成した各色素1mgを、n−デカン100mLに溶解した。得られた溶液を測定光路長10mmの石英セルに加え、日立分光光度計U−4100にて吸収スペクトルの測定を行った。得られたスペクトルから吸収極大波長λmax[nm]とモル吸光係数ε[L・mol−1・cm−1]を求めた。
[飽和濃度の測定]
各色素のn−デカンに対する飽和濃度Cを次の通り測定した。
n−デカンに、実施例1〜6および比較例1で合成した各色素をそれぞれ溶解残存分が生じるまで添加し、30℃で30分間超音波処理をした。添加後、それぞれを30℃で30分間超音波処理をした。5℃で24時間放置後、超小型遠心機を用い、0.1ミクロンのフィルターで遠心濾過した(遠心力5200×g)。得られた飽和溶液を適当な濃度に希釈して、測定光路長10mmの石英セルを使用して、日立分光光度計U−4100にて吸収スペクトルの測定を行い、吸収極大波長吸収極大波長λmax[nm]における吸光度とあらかじめ測定したモル吸光係数ε[L・mol−1・cm−1]との関係から各化合物の濃度を求め、飽和濃度C[mol・L−1]を計算した。またモル吸光係数ε[L・mol−1・cm−1]と飽和濃度C[mol・L−1]の積εCの値を求めた。評価結果を表4に示す。
Figure 2017122207
表4に示すように、本発明の化合物は低極性溶媒であるデカンに溶解し、モル吸光係数εとの積εCは大幅に向上することがわかった。これは、光シャッター用材料、ディスプレイ材料、特にエレクトロウェッティングディスプレイ材料、電気泳動法ディスプレイ材料として有用であることを示している。
[耐光性試験]
実施例1〜6および比較例2で合成した各色素化合物を用いて、0.2重量%のn−デカン溶液を調製し、光路長10μmのセルに入れエポキシ樹脂を用いて封止した耐光性測定用のサンプルをそれぞれ作製した。これらのサンプルに対し、ウェザーメーター(アト
ラス Ci4000)を用いてキセノン光(340nm 0.55W/m放射照度)を40時間光照射した。照射中、ウェザーメーターの試験槽内温度を33℃に保った。各色素化合物の残存率を下式で算出した。結果を表5に示す。
Figure 2017122207
Figure 2017122207
この結果、実施例1〜6の色素残存率はいずれも97%以上と非常に高い数値である一方、比較例2の色素残存率は90%であった。すなわち、本発明のキノフタロン化合物は、従来のアゾ系化合物よりも良好な耐光性を有していることがわかった。
本発明のキノフタロン系化合物は、低極性溶媒への溶解性に優れるとともに、優れた耐光性を有するため、EWD等の色素化合物として有用である。

Claims (13)

  1. 測定周波数1kHzにおける22℃での比誘電率が3以下であり、かつ25℃における水に対する溶解度は20mg/L以下である溶媒および、下記一般式(1)で表されるキノフタロン系化合物を含むインク。
    Figure 2017122207
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシル基を表すが、R〜Rの内少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、R〜R10は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、COOR11基、CONR1213基、SO14基又はSONR1516基を表し、R11〜R16は、置換基を有していてもよい直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。)
  2. 前記R〜Rが、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン基又はヒドロキシル基であって、前記R11〜R16が、置換基を有していてもよい分岐アルキル基を表す、請求項1に記載のインク。
  3. 前記R〜Rのいずれかがアルキルチオ基、アルキルオキシ基又はアルキルアミノ基である、請求項1に記載のインク。
  4. 前記Rがアルキルチオ基であって、該アルキルチオ基のアルキル部分が、置換基を有していてもよい炭素数が4以上の分岐アルキルである、請求項3に記載のインク。
  5. 〜R10の内少なくとも1つが、COOR11基又はCONR1213基である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
  6. 前記ハロゲン基が臭素原子である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインク。
  7. 前記R11〜R16が、炭素数が4以上の置換基を有していてもよい分岐アルキル基である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインク。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクを含むエレクトロウエッティングディスプレイ。
  9. 下記一般式(1)で表されるキノフタロン系化合物。
    Figure 2017122207
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、任意の置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン基、アルキルチオ基、アルキルオキシ基、アルキルアミノ基又はヒドロキシル基を表すが、R〜Rの内少なくとも一つはヒドロキシル基を表し、R〜R10は、それぞれ独立に水素原子、任意の置換基を有するアルキル基、COOR11基、CONR1213基、SO14基又はSONR1516基を表すが、R〜R10の内少なくとも一つはCOOR11基もしくはCONR1213基を表し、R11〜R16は、置換基を有していてもよい直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。)
  10. 前記R〜Rが、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン基又はヒドロキシル基であって、前記R11〜R16が、置換基を有していてもよい炭素数が4以上の分岐アルキル基を表す、請求項9に記載のキノフタロン系化合物。
  11. 前記R〜Rのいずれかがアルキルチオ基、アルキルオキシ基又はアルキルアミノ基である、請求項9に記載のキノフタロン系化合物。
  12. 前記Rがアルキルチオ基であって、該アルキルチオ基のアルキル部分が、置換基を有していてもよい炭素数が4以上の分岐アルキルである、請求項11に記載のキノフタロン系化合物。
  13. 前記ハロゲン基が臭素原子である、請求項9乃至12のいずれか1項に記載のキノフタロン系化合物。
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