JP2017122247A - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低鉄損の方向性電磁鋼板を安定して製造する方法を提案する。【解決手段】mass%で、C:0.002〜0.10%、Si:2.5〜6.0%、Mn:0.01〜0.8%、Al:0.010〜0.050%およびN:0.003〜0.020%を含有するスラブを熱間圧延し、熱延板焼鈍し、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延し、脱炭焼鈍して鋼板表面にサブスケールを形成した後、鋼板表面にMgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する方向性電磁鋼板の製造方法において、上記中間焼鈍の加熱過程における700−900℃間の平均昇温速度を10℃/s以下、かつ、均熱過程の雰囲気の酸素ポテンシャル(PH2O/PH2)を0.20〜0.80とし、上記脱炭焼鈍の加熱過程における酸素ポテンシャル(PH2O/PH2)を0.20以上とする方向性電磁鋼板の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、方向性電磁鋼板の製造方法に関し、特に、鉄損特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法にするものである。
電磁鋼板は、変圧器やモーターの鉄心材料等として広く用いられている軟磁性材料であり、中でも方向性電磁鋼板は、結晶方位がGoss方位と呼ばれる{110}<001>方位に高度に集積していることで、優れた磁気特性を示すため、主として大型変圧器の鉄心材料等として使用されている。そのため、従来における方向性電磁鋼板の主な開発課題は、変圧器の無負荷損(エネルギーロス)を低減するため、鋼板を励磁した際に生じる損失すなわち鉄損を低減するということにあった。
方向性電磁鋼板の製造方法としては、AlNやMnS、MnSeまたはCuSなどのインヒビタと呼ばれる微細な析出物を利用する方法が一般的である。この方法は、上記インヒビタを鋼中に微細に分散させ、仕上焼鈍時の粒成長を抑制することによって、Goss方位のみを優先的に二次再結晶させるものである。
ところで、方向性電磁鋼板の製造方法では、一般に、素材鋼板中のCを磁気時効を起こさないレベルまで低減する脱炭焼鈍が行われている。この脱炭焼鈍では、焼鈍雰囲気を酸化性としているため、鋼板表面下には、SiやFeの酸化物を主体とする酸化物層が形成される(以降、この酸化物層を「サブスケール」と呼ぶ)。このサブスケールが形成された鋼板表面に、MgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布した後、仕上焼鈍を施すことで、上記サブスケールとMgOとが反応して鋼板表面にフォルステライト(MgSiO)層が形成される。このフォルステライト層は、製品板を積層して使用するときの絶縁被膜として、また、鋼板表面に引張張力を付与して鉄損を低減するなどの重要な役割を果たす。
また、サブスケールは、仕上焼鈍中に、焼鈍雰囲気中に含まれる窒素が鋼中へ侵入するのを抑制するバリア作用を持つ。前述したインヒビタとしてAlNを用いる場合には、上記のバリア作用が弱いと、鋼中に窒素が容易に侵入し、高温でのAlNの分解が抑制されるため、Goss方位の二次再結晶が適正な温度で生じず、しかも、Goss方位からずれた粒も二次再結晶するようになるため、製品板の磁気特性が劣化してしまう。従って、インヒビタとしてAlNを用いる場合には、サブスケールを緻密にして、窒素の侵入に対するバリア作用を高めておくことが望ましい。
サブスケールの形態を制御する方法としては、例えば、特許文献1には、中間焼鈍の雰囲気のPH2O/PH2を0.4〜2.0(酸化性)とすることで、Siの板厚方向のSi濃度勾配を抑制することで、続く脱炭焼鈍で形成されるサブスケール中のSiOの割合が安定して高められるため、均一で密着性の良好なフォルステライト被膜が得られるこことが開示されている。
また、特許文献2には、最終冷間圧延前の鋼板表面の脱珪層を5μm以上100μm未満とし、脱炭焼鈍の雰囲気のPH2O/PH2の最大値を0.15以上0.60未満とし、脱炭焼鈍中の雰囲気の酸化性のPH2O/PH2の上昇量を0以上0.15未満として緻密なサブスケールを形成することによって、焼鈍中の局所的な追加酸化が抑制されて、均一なフォルステライト被膜が得られることが開示されている。
しかしながら、これらの中間焼鈍の雰囲気や脱炭焼鈍の雰囲気を制御することでサブスケールの緻密さを制御する技術は、主としてフォルステライト被膜を均一に形成させることを目的とした技術であり、AlNのようなインヒビタの分解挙動を制御して磁気特性を向上させるものではない。
また、特許文献3には、脱炭焼鈍前の鋼板表面に脱珪層を形成させ、この脱珪層につき板厚中心部のSi濃度に対するSi濃度の比を、最終冷延板の状態で鋼板表面から厚み方向1μmまでの領域では0.90以下に、かつ該Si濃度の比が0.98以下である領域を表面から厚み方向5μmまでに調整すること、および、上記脱炭焼鈍を、その均熱過程における雰囲気のPH2O/PH2を0.70未満で、かつ昇温過程における雰囲気のPH2O/PH2を上記均熱過程よりも低い値で行う技術が開示されている。この技術によれば、焼鈍分離剤に含まれるHOによる仕上焼鈍中におけるインヒビタの酸化・分解挙動が抑止され、被膜特性および磁気特性に優れる方向性電磁鋼板が得られるとされている。
特開平07−041861号公報 特開平11−152517号公報 特開平10−060533号公報
しかしながら、上記特許文献3に開示の技術は、インヒビタとしてAlNの他にMnSやMnSeなどを利用する場合において、インヒビタの仕上焼鈍中における酸化・分解挙動を制御する技術であり、AlNを主たるインヒビタとして用いる場合に、仕上焼鈍中に窒素が鋼中に侵入してAlNの分解に悪影響を及ぼす問題に対しては有効ではない。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、脱炭焼鈍後のサブスケールの形態を適正に制御し、仕上焼鈍中における窒素の鋼中への侵入を抑制することによって、安定して優れた鉄損特性を得ることができる方向性電磁鋼板の製造方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題の解決に向け、仕上焼鈍中に窒素が鋼中に侵入するのを防止するのに有効なサブスケールの形態に着目して鋭意検討を行った。その結果、脱炭焼鈍において、鋼板表面下に緻密なサブスケールが形成されて、鋼板内部への窒素の侵入が抑制され、良好な鉄損特性が得られること、また、上記緻密なサブスケールを形成するためには、最終冷延前の中間焼鈍の加熱過程において、適正な酸化性雰囲気下で鋼板表面に脱珪層を形成することが有効であることを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、C:0.002〜0.10mass%、Si:2.5〜6.0mass%、Mn:0.01〜0.8mass%、Al:0.010〜0.050mass%およびN:0.003〜0.020mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるスラブを熱間圧延し、熱延板焼鈍し、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延し、脱炭焼鈍して鋼板表面にサブスケールを形成した後、鋼板表面にMgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、上記中間焼鈍の加熱過程における700−900℃間の平均昇温速度を10℃/s以下、かつ、均熱過程の雰囲気の酸素ポテンシャル(PH2O/PH2)を0.20〜0.80の範囲とし、上記脱炭焼鈍の加熱過程における酸素ポテンシャル(PH2O/PH2)を0.20以上とすることを特徴する方向性電磁鋼板の製造方法を提案する。
本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法は、上記脱炭焼鈍後の鋼板表面をグロー放電発光分析したときに得られる板厚方向のFe発光強度プロファイルが鋼板表面下にFe欠乏領域を有し、かつ、上記Fe欠乏領域のFe発光強度の最小値をImin、バルク領域のFe発光強度をImax、上記IminとImaxの間で、Fe発光強度がImin+0.5×(Imax−Imin)となるまでの分析開始からの時間をt50(s)、Fe発光強度がImin+0.95×(Imax−Imin)となるまでの分析開始からの時間をt95(s)としたとき、上記t50とt95が、
50/t95≦0.75
の関係を満たすことを特徴とする。
また、本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法は、上記脱炭焼鈍の加熱過程における500−700℃間の平均昇温速度を80℃/s以上とすることを特徴とする。
また、本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法に用いる上記スラブは、上記成分組成に加えてさらに、S:0.002〜0.03mass%およびSe:0.002〜0.03mass%のうちから選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする。
また、本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法に用いる上記スラブは、上記成分組成に加えてさらに、Cr:0.01〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Ni:0.01〜1.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Sn:0.005〜0.50mass%、Mo:0.005〜0.100mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Nb:0.0010〜0.0100mass%およびV:0.001〜0.01mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
本発明によれば、低鉄損の方向性電磁鋼板を安定して提供することが可能となる。
GDS分析で得られたFe発光強度のプロファイルの一例を示す図である。 時間比(t50/t95)が鉄損特性に及ぼす影響を示すグラフである。 中間焼鈍の700−900℃間の昇温速度が時間比(t50/t95)に及ぼす影響を示すグラフである。 脱炭焼鈍の500−700℃間の雰囲気のPH2O/PH2が時間比(t50/t95)に及ぼす影響を示すグラフである。
まず、本発明を開発する契機となった実験について説明する。
C:0.06mass%、Si:3.0mass%、Mn:0.05mass%、Al:0.020mass%およびN:0.006mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを1400℃の温度に再加熱した後、熱間圧延して板厚2.2mmmの熱延板とし、1100℃×60秒の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延して板厚1.5mmとし、1100℃×80秒の中間焼鈍を施し、2回目の冷間圧延で最終板厚0.23mmの冷延板とした。
なお、上記中間焼鈍では、加熱過程における700−900℃間の平均昇温速度を1〜50℃/sの範囲で種々に変化させ、また、均熱過程の雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2を0.001〜3.0の範囲で種々に変化させた。
次いで、上記冷延板を、酸素ポテンシャルPH2O/PH2=0.40(一定)としたHとNの混合湿潤雰囲気中で850℃の温度に120秒熱間保持する一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した。
なお、上記脱炭焼鈍では、加熱過程における500−700℃間の平均昇温速度を20℃/s(一定)とし、かつ、上記温度区間における雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2を0.01〜1.0の範囲で種々に変化させた。
斯くして得た脱炭焼鈍後の鋼板の板幅中央部からサンプルを採取し、高周波グロー放電発光分析法GDSで、板厚方向のFe発光強度のプロファイルを得た。なお、上記GDS分析は、リガク製System3860を用い、放電電流:20mA、パージガスの流量:200ml/minの条件で行なった。
図1に、Fe発光強度プロファイルの測定結果の一例を示した。この図からわかるように、Fe発光強度は、最表面では低いが、深さが増すにつれて急激に増大して極大ピークを示した後、減少して最小値を示し、その後、徐々に増大して強度が一定のバルク領域に至る変化を示す。なお、本発明では、上記Fe発行強度の極大ピークから強度がバルク領域に至るまでのFe発光強度が低い領域を「Fe欠乏領域」と称することとする。
ここで、上記Fe発光強度プロファイルにおいて、Fe欠乏領域におけるFe発光強度の最小値をImin、バルク領域におけるFe発光強度の収束値をImaxと定義し、上記Imaxは以下のように定める。
Fe欠乏領域において、Fe発光強度がIminとなる測定開始からの時間をtmin、時間t>tminを満たす領域での時間tにおけるFe発光強度をI(t)、時間t〜t+(1/4)tminの間のFe発光強度の標準偏差をσ(t)としたとき、σ(t)/I(t)<0.01を満たす最小の時間tにおけるFe発光強度をImaxと定義する。
また、時間t>tminを満たす領域で、Fe発光強度がImin+0.50×(Imax−Imin)となる時間をt50、Imin+0.95×(Imax−Imin)となる時間をt95と規定し、両者の時間比を(t50/t95)で表すこととする。
次いで、上記脱炭焼鈍後の鋼板表面に、MgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布し、乾燥した後、二次再結晶焼鈍と、1150℃で6時間保持する純化処理からなる仕上焼鈍を施した。
斯くして得た仕上焼鈍後の鋼板から試験片を採取し、JIS C2550に準拠し、磁束密度1.7T、励磁周波数50Hzにおける鉄損W17/50を測定した。
上記測定の結果を図2に示す。この図から、時間比(t50/t95)が小さくなるにつれて、鉄損W17/50が低減する傾向にあり、W17/50≦0.82W/kgの良好な鉄損が得られるのは、時間比(t50/t95)が0.75以下であることがわかる。
時間比(t50/t95)を0.75以下に低減することで、良好な鉄損が得られる理由について、発明者らは以下のように考えている。
脱炭焼鈍板のGDS分析から得られるFe発光強度のプロファイルに存在するFe欠乏領域は、脱炭焼鈍中に鋼中のSiが内部酸化によってSiOを主体とするサブスケールを形成したことに由来する。ここで、時間t95はサブスケールのほぼ全厚に対応し、t50はFeの欠乏量の大きさ、すなわち、SiOが主体として存在する領域の厚さに対応すると考えることができる。
そして、同一のt95に対してt50が小さいということは、同一厚みのサブスケールにおいて、SiOが局所的に形成されている、すなわち、緻密なサブスケールが形成されているということを、逆に、t50が大きいということは、SiOが広い領域で形成されている、すなわち、デンドライト状SiOのように粗いサブスケールが形成されていることを示していると考えられる。
ここで、仕上焼鈍中にサブスケールを介して窒素が鋼中に侵入するのを防止し、良好な鉄損特性を得るためには、緻密なサブスケールの方が望ましい。そのため、t50/t95≦0.75となる条件で良好な鉄損が得られたと考えられる。
次に、発明者らは、上記のような緻密なサブスケールを形成するための製造条件について検討した。
図3は、上記の実験で得られた脱炭焼鈍板の時間比(t50/t95)に及ぼす中間焼鈍の加熱過程の700−900℃間における昇温速度と、均熱過程の雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2の影響を示したものである。この図から、中間焼鈍の雰囲気のPH2O/PH2が0.20〜0.80の範囲、かつ、700−900℃間の昇温速度が10℃/s以下の範囲で、時間比(t50/t95)が、本発明で目標としている0.75以下となることがわかる。
また、図4は、同じく上記の実験で得られた脱炭焼鈍板の時間比(t50/t95)に及ぼす脱炭焼鈍の加熱過程における500−700℃間の雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2の影響を示したものである。この図から、脱炭焼鈍における500−700℃間の雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2を0.20以上とすることで、時間比(t50/t95)を本発明が目標とする0.75以下になることがわかる。
中間焼鈍や脱炭焼鈍を上記条件にすることで、緻密なサブスケールを形成することができる理由について、発明者らは以下のように考えている。
脱炭焼鈍後に緻密なサブスケールを形成するためには、脱炭焼鈍の前に、鋼板表層にSi濃度が低下した脱珪層を形成することが望ましい。その理由は、脱珪層は、脱炭焼鈍中の内部酸化によるサブスケール形成を緩やかとし、ラメラ状の緻密なサブスケールの形成を促進するからである。そのためには、中間焼鈍時の雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2を高めて酸化性とし、鋼板表層のSiを選択的に酸化させて脱珪層を形成することが望ましい。ただし、雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2を高め過ぎると、中間焼鈍中にFeの酸化も促進されて外部スケールが成長するため、脱炭焼鈍時の内部酸化の妨げとなり、緻密なサブスケールが形成され難くなると考えられる。
また、脱珪反応は、700−900℃間で進行し易い。そのため、脱珪層の形成を促進して緻密なサブスケールを形成させ、仕上焼鈍中に窒素が鋼中に侵入するのを抑制するためには、上記温度区間に滞留する時間を十分に確保することが好ましいと考えられる。そのため、中間焼鈍の加熱過程における700−900℃間の平均昇温速度を10℃/s以下とすることで、脱珪が十分に進行することが可能となる。
また、脱炭焼鈍の加熱過程における雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2を0.20以上の酸化性とすることで、磁気特性が改善される理由については、加熱途中の酸化挙動が関係しているものと考えている。
すなわち、サブスケールの形成は、脱炭焼鈍の加熱過程における500℃以上の温度で進行するが、このとき、雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2が十分に高いと、鋼板表層に緻密な初期酸化層が形成されて、800〜900℃程度の均熱温度での内部酸化の進行が抑制されるため、脱炭焼鈍後に緻密なサブスケールが形成される。一方、加熱過程における雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2が低いと、緻密な初期酸化層が形成されず、均熱温度で急速に内部酸化が進行するために、デンドライト状の粗いサブスケールが形成される。
本発明は上記の新規な知見に基づき開発したものである。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の素材に用いる鋼素材(スラブ)の成分組成について説明する。
C:0.002〜0.10mass%
Cは、0.002mass%を下回ると、Cによる粒界強化効果が失われ、スラブ割れが生じるなどして、製造に支障をきたすようになる。一方、0.10mass%を超えると、脱炭焼鈍で、Cを磁気時効が起こらない0.005mass%以下に低減することが困難となる。よって、Cは0.002〜0.10mass%の範囲とする。好ましくは0.01〜0.08mass%の範囲である。
Si:2.5〜6.0mass%
Siは、鋼の比抵抗を高め、鉄損を低減するのに必要な元素である。上記効果は、2.5mass%未満では十分ではなく、一方、6.0mass%を超えると、加工性が低下し、圧延して製造することが困難となる。よって、Siは2.5〜6.0mass%の範囲とする。好ましくは、2.9〜5.0mass%の範囲である。
Mn:0.01〜0.8mass%
Mnは、鋼の熱間加工性を改善するために必要な元素である。上記効果は、0.01mass%未満では十分に得られず、一方、0.8mass%を超えると、製品板の磁束密度が低下するようになる。よって、Mnは0.01〜0.8mass%の範囲とする。好ましくは0.02〜0.50mass%の範囲である。
Al:0.010〜0.050mass%、N:0.003〜0.020mass%
AlとNは、ともにインヒビタ形成元素として必要な元素である。いずれの元素も、上記下限値より少ないと、インヒビタ効果が十分に得られず、一方、上記上限値を超えると、固溶温度が高温化し、スラブ再加熱時に未固溶のまま残存するため、インヒビタ効果が十分に発現せずに磁気特性が劣化する。よって、Alは0.010〜0.050mass%、Nは0.003〜0.020mass%の範囲とする。好ましくは、Alは0.015〜0.035mass%、Nは0.005〜0.015mass%の範囲である。
なお、本発明に用いる鋼素材は、上記成分に加えてさらに、インヒビタ形成元素としてS:0.002〜0.03mass%およびSe:0.002〜0.03mass%のいずれか1種以上を含有することができる。それぞれ含有量が、上記下限値より少ないと、インヒビタ効果が十分に得られず、一方、上記上限値を超えると、固溶温度が高くなり、スラブ再加熱時に未固溶のまま残存し、磁気特性を劣化させる。
また、本発明に用いる鋼素材は、鉄損を低減する目的で、上記成分に加えてさらに、Cr:0.01〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%およびP:0.005〜0.50mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することができる。それぞれの添加量が、上記下限値より少ないと、鉄損低減効果が小さく、一方、上記上限値を超えると、二次再結晶粒の発達が阻害され、却って磁気特性が低下するので、添加する場合は上記の範囲とすることが好ましい。
また、本発明に用いる鋼素材は、磁束密度を向上する目的で、上記成分に加えてさらに、Ni:0.01〜1.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Sn:0.005〜0.50mass%、Mo:0.005〜0.100mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Nb:0.0010〜0.0100mass%およびV:0.001〜0.01mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することができる。それぞれの元素の含有量が上記下限値より少ない場合には、磁束密度向上効果が小さく、一方、上記上限値を超えると、二次再結晶粒の発達が阻害され、却って磁気特性が低下するので、添加する場合は上記範囲とすることが好ましい。
本発明に用いる鋼素材は、上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、本発明の効果を害しない範囲内であれば、他の成分の含有を拒むものではない。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
前述した成分組成を有する鋼を常法の精錬プロセスで溶製した後、常法の造塊−分塊圧延法または連続鋳造法で鋼素材(スラブ)を製造してもよい。あるいは、直接鋳造法で100mm以下の厚さの薄鋳片を製造してもよい。上記スラブは、常法に従い、1400℃程度の温度に再加熱した後、熱間圧延に供する。なお、薄鋳片の場合には、熱間圧延を省略してそのまま以降の工程に進めてもよい。
次いで、上記熱間圧延後の鋼板(熱延板)は、必要に応じて熱延板焼鈍を施す。この熱延板焼鈍は、良好な磁気特性を得るため、均熱温度を800〜1150℃の範囲とするのが好ましい。800℃未満では、熱間圧延で形成されたバンド組織が残留し、整粒の一次再結品組織を得ることが難しくなり、二次再結晶粒の成長が阻害される。一方、1150℃を超えると、熱延板焼鈍後の粒径が粗大化し過ぎて、やはり、整粒の一次再結晶組織を得ることが難しくなるからである。
熱間圧延後あるいは熱延板焼鈍後の鋼板は、その後、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により最終板厚の冷延板とする。上記中間焼鈍の焼鈍温度は、900〜1200℃の範囲とするのが好ましい。900℃未満では、中間焼鈍後の再結品粒が細かくなり、さらに、一次再結晶後の組織におけるGoss核が減少して製品板の磁気特性が低下する。一方、1200℃を超えると、熱延板焼鈍と同様、結晶粒が粗大化し過ぎて、整粒の一次再結晶組織を得ることが難しくなる。
ここで、上記中間焼鈍で重要なことは、加熱過程の700−900℃間の平均昇温速度を10℃/s以下とし、かつ、焼鈍時の雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2を0.20〜0.80の範囲(酸化性雰囲気)とする必要がある、ということである。
700−900℃間の平均昇温速度を10℃/s以下とする理由は、昇温速度が10℃/sより大きいと、脱珪が進行しやすい上記温度域での滞留時間が短くなって脱珪が不十分となり、脱炭焼鈍中に緻密なサブスケールを形成することができなくなることから、脱珪を十分に進行させるためである。好ましい昇温速度は7℃/s以下である。
また、焼鈍時の雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2を0.20〜0.80の範囲とするのは、鋼板表面に脱珪層を形成し、脱炭焼鈍時における内部酸化を緩やかに進行させることで、ラメラ状の密なサブスケールが形成するためである。PH2O/PH2が0.20未満では、脱珪が十分に進行せず、脱炭焼鈍時に緻密なサブスケールを形成することができない。一方、PH2O/PH2が0.80を超えて高くなり過ぎると、外部スケールが成長して、続く酸洗工程でのスケール除去が困難となったり、脱炭焼鈍で緻密なサブスケールを形成させたりすることが困難となる。好ましくは0.3〜0.6の範囲である。
次いで、最終板厚に圧延した冷延板は、均熱温度が700〜900℃の範囲の一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施す。なお、鋼素材のC含有量が0.005mass%未満では、脱炭は不要であるが、サブスケールを形成させるために脱炭焼鈍を施す必要がある。
上記脱炭焼鈍の加熱過程における雰囲気は、酸素ポテンシャルPH2O/PH2が0.20以上の酸化性とする必要がある。加熱時の雰囲気を酸化性とすることで、鋼板表層に内部酸化層が形成され、この内部酸化層は、続く均熱過程における鋼板の内部酸化を急速に進行させるため、デンドライト状の粗いサブスケールが形成されるのを抑制する。PH2O/PH2が0.20未満であると、加熱過程で内部酸化層が十分に形成されないため、均熱過程で内部酸化が急速に進行し、粗いサブスケールが形成され、良好な鉄損が得られない。好ましくは0.3以上である。なお、PH2O/PH2の上限値は規定しないが、外部酸化によって鋼板表面にFeOやFeなどのスケールが形成されるのを防止するため、1.2以下とするのが好ましい。
なお、上記脱炭焼鈍における均熱過程の雰囲気の酸素ポテンシャルは、緻密なサブスケールを形成する観点から、0.2〜1.2の範囲(酸化性雰囲気)とするのが好ましい。
また、本発明に用いる鋼素材がCを0.005mass%以上含有している場合には、製品板が磁気時効を起こして磁気特性が劣化するのを防止するため、この脱炭焼鈍で脱炭し、Cを0.005mass%未満まで低減する必要がある。この脱炭処理は、700〜900℃の温度で水素窒素混合の湿潤雰囲気下で行うことが望ましく、斯かる観点からは酸素ポテンシャルPH2O/PH2は0.10〜0.70の範囲とするのが好ましい。
なお、この脱炭焼鈍は、一次再結晶焼鈍の均熱処理と兼ねて行ってもよいし、一次再結晶焼鈍と独立した工程として行っても良い。
また、上記の脱炭焼鈍では、良好な磁気特性を得るためには、加熱過程の500−700℃間の平均昇温速度を80℃/s以上とするのが好ましい。500−700℃間の平均昇温速度を80℃/s以上とすることで、一次再結晶集合組織中のGoss方位が増大し、二次再結晶後の結晶粒が微細化して鉄損が改善される。より好ましくは100℃/s以上である。
なお、脱炭焼鈍の昇温速度を高めることは、加熱過程の500−700℃間の滞留時間が短縮されるため、初期酸化層の形成には不利となるが、中間焼鈍における脱珪層の形成と、脱炭焼鈍の加熱過程の雰囲気を酸化性とすることを組み合わせることで、上記の問題点は解消される。
上記のようにして脱炭焼鈍した鋼板の表面下形成されたサブスケールは、GDS分析したときのFe発光強度のプロファイルにおける時間比(t50/t95)が0.75以下であること好ましい。前述したように時間比(t50/t95)は、サブスケールの粗密を表す指標であり、上記時間比が0.75より大きいと、粗いサブスケールであるため、仕上焼鈍中に窒素が鋼板中に侵入して良好な鉄損が得られなくなるからである。より好ましくは、0.72以下である。なお、上記GDS分析装置の機種は特に限定されるものではない。
上記、脱炭焼鈍を施した鋼板は、鉄損特性やトランスの騒音を重視する場合には、MgOを主体とする焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布、乾燥した後、仕上焼鈍を施して、Goss方位に高度に集積した二次再結晶組織を発達させるとともに、フォルステライト被膜を形成させるのが好ましい。一方、打抜加工性を重視し、フォルステライト被膜を形成させない場合には、焼鈍分離剤を適用しないか、あるいは、シリカやアルミナ等を主体とした焼鈍分離剤を用いて仕上焼鈍を施すのが好ましい。なお、フォルステライト被膜を形成させない場合には、焼鈍分離剤の塗布に、水分を持ち込まない静電塗布を用いて行うことも有効である。また、焼鈍分離剤の塗布に代えて、耐熱無機材料(シリカ、アルミナ、マイカ)のシートを、コイル巻取り時に鋼板間に巻き込んでもよい。
ここで、上記仕上焼鈍は、フォルステライト被膜を形成させない場合には、再結晶が起こる850〜950℃の温度域で数時間以上保持するだけで、焼鈍を完了することができる。一方、フォルステライト被膜を形成させる場合や、鉄損特性を重視し、純化処理を施す場合には、上記二次再結晶を起こさせた後、さらに、1200℃程度の温度まで昇温するのが好ましい。
上記仕上焼鈍後の鋼板は、その後、水洗やブラッシング、酸洗等で、鋼板表面に付着した未反応の焼鈍分離剤を除去した後、平坦化焼鈍を施して形状矯正することが、鉄損の低減には有効である。これは、通常、仕上焼鈍はコイル状態で行うため、コイルの巻き癖が原因で、鉄損測定時に特性が劣化するのを防止するためである。
さらに、製品板の用途として、鋼板を積層して使用する場合には、上記平坦化焼鈍において、あるいは、その前工程または後工程において、鋼板表面に絶縁被膜を被成するのが有効である。特に、鉄損低減のためには、絶縁被膜として、鋼板に張力を付与する張力付与被膜を適用するのが好ましい。張力付与被膜の形成には、バインダを介して張力被膜を塗布する方法や、物理蒸着法、化学蒸着法等を用いて無機物を鋼板表層に蒸着させる方法を採用すると、被膜密着性に優れ、かつ、鉄損低減効果が大きい絶縁被膜を形成することができる。
C:0.070mass%、Si:3.20mass%、Mn:0.09mass%、Al:0.025mass%およびN:0.012mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを連続鋳造法で製造し、1420℃の温度に再加熱した後、熱間圧延して板厚2.4mmの熱延板とし、1000℃×50秒の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延して1.5mmの中間板厚とし、1100℃×20秒の中間焼鈍を施した後、2回目の冷間圧延して最終板厚0.23mmの冷延板とした。この際、上記中間焼鈍では、加熱過程の700−900℃間の昇温速度と、均熱過程の雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2を種々に変化させた。
次いで、上記冷延板に、840℃の温度で100秒間脱炭を行う、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した。この際、加熱過程における500−700℃間の昇温速度を種々に変化させるとともに、上記加熱過程における雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2を種々に変化させた。なお、均熱時の雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2は0.35とした。
上記のようにして得た脱炭焼鈍後の鋼板の板幅中央部からサンプルを採取し、GDS分析を行い、板厚方向のFe発光強度のプロファイルを採取し、前述した方法で時間比(t50/t95)を求めた。
次いで、上記脱炭焼鈍後の鋼板表面にMgOを主体とした焼鈍分離剤を塗布、乾燥した後、二次再結晶焼鈍と1200℃×10時間の純化処理からなる仕上焼鈍を施した。なお、上記仕上焼鈍の雰囲気は、純化処理の1200℃保定時はH、その他の昇温時(二次再結晶焼鈍を含む)および降温時はNとした。
上記のようにして得た仕上焼鈍後の鋼板から、鋼板幅方向に幅100mm×長さ280mmの試験片を各条件で10枚ずつ採取し、JIS C2556に記載の方法で鉄損W17/50を各試験片について測定し、平均値を求めた。
上記測定の結果を、中間焼鈍条件、脱炭焼鈍条件、時間比(t50/t95)の測定結果とともに、表1に示した。この表から、本発明に適合する条件で製造した方向性電磁鋼板は、優れた鉄損特性を有していることがわかる。
Figure 2017122247
Figure 2017122247
表2に記載した各種成分組成を有する鋼を溶製し、連続鋳造法で鋼スラブとした後、1400℃の温度に再加熱した後、熱間圧延して板厚2.2mmの熱延板とし、1050℃×30秒の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延して1.5mmの中間板厚とし、1100℃×20秒の中間焼鈍を施した。この際、上記中間焼鈍の加熱過程は、700−900℃間の昇温速度を3℃/s、均熱過程の雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2を0.40の酸化性とした。その後、2回目の冷間圧延して最終板厚0.23mmの冷延板とした。
次いで、850℃の温度で150秒間脱炭を行う、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施した。この際、加熱過程における500−700℃間の昇温速度を20℃/s、100℃/sおよび200℃/sの3水準に変化させた。また、上記加熱過程における雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2は0.40の酸化性とし、続く均熱過程における雰囲気の酸素ポテンシャルPH2O/PH2は0.40とした。
上記のようにして得た脱炭焼鈍後の鋼板の板幅中央部からサンプルを採取し、GDS分析を行ってFe発光強度のプロファイルを採取し、先述した方法で時間比(t50/t95)を求めたところ、いずれの鋼板も0.60〜0.70の範囲内であった。
次いで、上記脱炭焼鈍後の鋼板表面にMgOを主体とした焼鈍分離剤を塗布、乾燥した後、二次再結晶焼鈍と1200℃×10時間の純化処理からなる仕上焼鈍を施した。なお、上記仕上焼鈍における雰囲気は、純化処理する1200℃保定時はH、昇温時(二次再結晶焼鈍を含む)および降温時はNとした。
上記のようにして得た仕上焼鈍後の鋼板から、鋼板幅方向に幅100mm×長さ280mmの試験片を各条件で10枚ずつ採取し、JIS C2556に記載の方法で、それぞれの試験片の鉄損W17/50を測定し、平均値を求めた。その結果を表2に併記した。同表から、本発明に適合する成分組成の方向性電磁鋼板は、鉄損特性に優れていること、特に、脱炭焼鈍で80℃/s以上の急速加熱を行った方向性電磁鋼板は、より鉄損特性に優れていることがわかる。
Figure 2017122247

Claims (5)

  1. C:0.002〜0.10mass%、Si:2.5〜6.0mass%、Mn:0.01〜0.8mass%、Al:0.010〜0.050mass%およびN:0.003〜0.020mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるスラブを熱間圧延し、熱延板焼鈍し、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延し、脱炭焼鈍して鋼板表面にサブスケールを形成した後、鋼板表面にMgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布し、仕上焼鈍する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
    上記中間焼鈍の加熱過程における700−900℃間の平均昇温速度を10℃/s以下、かつ、均熱過程の雰囲気の酸素ポテンシャル(PH2O/PH2)を0.20〜0.80の範囲とし、
    上記脱炭焼鈍の加熱過程における酸素ポテンシャル(PH2O/PH2)を0.20以上とすることを特徴する方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 上記脱炭焼鈍後の鋼板表面をグロー放電発光分析したときに得られる板厚方向のFe発光強度プロファイルが鋼板表面下にFe欠乏領域を有し、かつ、上記Fe欠乏領域のFe発光強度の最小値をImin、バルク領域のFe発光強度をImax、上記IminとImaxの間で、Fe発光強度がImin+0.5×(Imax−Imin)となるまでの分析開始からの時間をt50(s)、Fe発光強度がImin+0.95×(Imax−Imin)となるまでの分析開始からの時間をt95(s)としたとき、上記t50とt95が、
    50/t95≦0.75
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 上記脱炭焼鈍の加熱過程における500−700℃間の平均昇温速度を80℃/s以上とすることを特徴とする請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 上記スラブは、上記成分組成に加えてさらに、S:0.002〜0.03mass%およびSe:0.002〜0.03mass%のうちから選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. 上記スラブは、上記成分組成に加えてさらに、Cr:0.01〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Ni:0.01〜1.50mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Sn:0.005〜0.50mass%、Mo:0.005〜0.100mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Nb:0.0010〜0.0100mass%およびV:0.001〜0.01mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。

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