JP2017123363A - 太陽電池モジュール用封止材及び太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用封止材及び太陽電池モジュール Download PDF

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斉 杉山
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Abstract

【課題】太陽電池モジュールの製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことを抑制でき、また気泡発生を抑制できる太陽電池モジュール用封止材及び太陽電池モジュールの提供を目的とする。【解決手段】太陽電池セル11と、太陽電池セルを挟持する受光面側封止材12及び背面側封止材13とを備え、受光面側封止材12が、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有量が全単位に対して28〜33質量%であり、かつ融点が71℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)を含有し、背面側封止材13が、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有量が全単位に対して3〜25質量%であり、かつ融点が80〜120℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(B)を含有する、太陽電池モジュール10。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュール用封止材及び太陽電池モジュールに関する。
近年、環境問題への関心の高まりに伴い、太陽電池モジュールを用いた太陽光発電の普及が急速に拡大している。太陽電池モジュールとしては、発電素子である複数の太陽電池セルが電気的に接続された状態で一対のシート状の太陽電池モジュール用封止材に挟持され、さらにこれらが保護材としてのガラス板とバックシートに挟持されたものが広く用いられている。柔軟性を有する太陽電池モジュール用封止材によって太陽電池セルが挟持されることで、緩衝作用によって太陽電池セルが破損することが抑制される。また太陽電池セルが外気と接触して発電性能が低下することが抑制される。
太陽電池モジュール用封止材としては、透明性、加工性、架橋性に優れる点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分としたものが広く使用されている(例えば、特許文献1)。太陽電池モジュールにおいて用いられる太陽電池モジュール用封止材には、太陽電池セルの受光面側を封止する受光面側封止材と、太陽電池セルの背面側を封止する背面側封止材とがある。太陽発電モジュールにおいては、より一層の発電効率の向上が要求されている。そこで、背面側封止材として光反射性に優れる白色等の有色の封止材を用い、太陽電池モジュールに入射して太陽電池セルの間を通過した光を背面側封止材において反射させ、その利用効率を高めることが提案されている(例えば、特許文献2)。
太陽電池モジュールの製造方法としては、太陽電池セルを挟んだ一対の封止材を保護材とバックシートで挟み、加熱してこれらをラミネートする方法が広く採用されている。しかし、この製造方法では、ラミネート時に背面側封止材の一部が押し出されて太陽電池セルの受光面側に回り込むことがある。背面側封止材が有色である場合、背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むと、受光面側から入射してきた光が太陽電池セルに到達する前に反射してしまうため、太陽電池セルの発電性能が充分に発揮されなくなる。また、太陽電池モジュールの外観も悪化する。
背面側封止材の太陽電池セルの受光面側への回り込みを抑制する太陽電池モジュール用封止材としては、150℃で特定の時間加熱したときの受光面側封止材のゲル分率を40〜60%とし、背面側封止材のゲル分率を10%以下とするものが提案されている(特許文献3)。しかし、該太陽電池モジュール用封止材を用いる場合でも、背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことがある。
また、前記した太陽電池モジュールの製造においては、太陽電池モジュール用封止材と太陽電池セルとの間に存在していた空気がラミネート時に完全に脱気されずに気泡が生じることがある。このような気泡の発生も太陽電池セルの発電性能が充分に発揮されなくなる要因となる。
特開2000−174296号公報 特開平6−177412号公報 特開2014−3118号公報
本発明は、太陽電池モジュールの製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことを抑制でき、太陽電池モジュール内の気泡の発生を抑制できる太陽電池モジュール用封止材及び太陽電池モジュールの提供を目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]太陽電池モジュールにおける太陽電池セルの受光面側を封止する透明な受光面側封止材と、前記太陽電池セルの背面側を封止する背面側封止材とからなる太陽電池モジュール用封止材であって、前記受光面側封止材が、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有量が全単位に対して28〜33質量%であり、かつ融点が71℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)を含有し、前記背面側封止材が、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有量が全単位に対して3〜25質量%であり、かつ融点が80〜120℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(B)を含有する、太陽電池モジュール用封止材。
[2]前記受光面側封止材が、さらに架橋剤、架橋助剤、接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有する、[1]に記載の太陽電池モジュール用封止材。
[3]前記背面側封止材が、さらに着色剤、接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有し、架橋剤及び架橋助剤を含有しない、[1]又は[2]に記載の太陽電池モジュール用封止材。
[4]太陽電池セルと、前記太陽電池セルを挟持した[1]〜[3]のいずれかに記載の太陽電池モジュール用封止材と、を備えた太陽電池モジュール。
本発明の太陽電池モジュール用封止材を用いれば、太陽電池モジュールの製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことを抑制することができ、また太陽電池モジュール内の気泡の発生を抑制することができる。
本発明の太陽電池モジュールにおいては、製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことが抑制され、また太陽電池モジュール内の気泡の発生が抑制されている。
本発明の太陽電池モジュールの一例を示した断面図である。
[太陽電池モジュール用封止材]
本発明の太陽電池モジュール用封止材は、太陽電池モジュールにおける太陽電池セルの受光面側を封止する透明な受光面側封止材と、前記太陽電池セルの背面側を封止する背面側封止材とからなる。受光面側封止材と背面側封止材は、いずれもシート状である。
本発明において、受光面側封止材が透明であるとは、受光面側封止材に太陽光の透過を阻害する着色剤が含有されていないことを意味する。受光面側封止材の全光線透過率は、入射光の利用効率がより高くなることから、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。全光線透過率は、JIS K7105に従って測定される値である。
(受光面側封止材)
受光面側封止材は、酢酸ビニルに由来する構成単位(以下、酢酸ビニル単位ともいう。)の含有量が全単位に対して28〜33質量%であり、かつ融点が71℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)(以下、単に共重合体(A)ともいう。)を含有する。受光面側封止材は、共重合体(A)に加えて、さらに架橋剤、架橋助剤、接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、架橋剤、架橋助剤、接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有することがより好ましい。
<共重合体(A)>
共重合体(A)中の酢酸ビニル単位の含有量は、全単位(100質量%)に対して、28〜33質量%であり、28〜30質量%が好ましい。酢酸ビニル単位の含有量が前記範囲内であれば、太陽電池モジュールの製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことを抑制できる。酢酸ビニル単位の含有量が下限値以上であれば、受光面側封止材の透明性、接着性をより高くできる。酢酸ビニル単位の含有量が上限値以下であれば、受光面側封止材のブロッキングを抑制できる。
受光面側封止材に含有される共重合体(A)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
共重合体(A)の融点は、71℃以下である。これにより、太陽電池モジュールの製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことを抑制できる。共重合体(A)の融点は、59〜71℃が好ましく、62〜71℃がより好ましい。共重合体(A)の融点が下限値以上であれば、封止材としての基本性能を確保しやすい。
なお、本発明において、重合体の融点は、示差熱分析等によって測定される。
共重合体(A)のメルトマスフローレート(以下、MFRという。)は、15〜40g/10分が好ましく、20〜30g/10分がより好ましい。共重合体(A)のMFRが下限値以上であれば、受光面側封止材の加工性がより高くなる。共重合体(A)のMFRが上限値以下であれば、背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことを抑制しやすい。共重合体(A)のMFRは、例えば、共重合体(A)の質量平均分子量によって調整することができ、質量平均分子量が小さいほどMFRが大きくなる。
なお、本発明におけるMFRは、JIS K6924−2:1997に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定した値である。
<架橋剤>
架橋剤としては、太陽電池モジュール用封止材に用いられる公知のものを使用できる。架橋剤の具体例としては、例えば、有機過酸化物(パーオキシケタール類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類等)、光増感剤等が挙げられる。受光面側封止材に含有される架橋剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
受光面側封止材中の架橋剤の含有量は、共重合体(A)の100質量部に対して、0.1〜2.0質量部が好ましく、0.2〜1.0質量部がより好ましい。架橋剤の含有量が下限値以上であれば、共重合体(A)を充分に架橋でき、高い耐熱性が得られやすい。架橋剤の含有量が上限値以下であれば、熱加工後の残渣よる変色が抑えられる。
<架橋助剤>
架橋助剤は、重合性不飽和基(ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロキシ基等)を2つ以上有する化合物であり、太陽電池モジュール用封止材に用いられる公知のものを使用できる。架橋助剤の具体例としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられる。受光面側封止材に含有される架橋助剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
受光面側封止材中の架橋助剤の含有量は、共重合体(A)の100質量部に対して、0質量部超5質量部以下が好ましく、0質量部超2質量部以下がより好ましい。架橋助剤の含有量が多いほど架橋助剤の効果が充分に得られやすい。架橋助剤の含有量が上限値以下であれば、未反応の架橋助剤の残存量を低減しやすく、コスト面でも有利である。
<接着補助剤>
接着補助剤としては、太陽電池モジュール用封止材に用いられる公知のものを使用できる。接着補助剤の具体例としては、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。受光面側封止材に含有される接着補助剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
シランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
受光面側封止材中の接着補助剤の含有量は、共重合体(A)の100質量部に対して、0.05〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.5質量部がより好ましい。接着補助剤の含有量が下限値以上であれば、受光面側封止材の接着性が充分に得られやすい。接着補助剤の含有量が上限値以下であれば、コスト的に有利である。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤としては、太陽電池モジュール用封止材に用いられる公知のものを使用できる。紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤等が挙げられる。受光面側封止材に含有される紫外線吸収剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
受光面側封止材中の紫外線吸収剤の含有量は、共重合体(A)の100質量部に対して、0質量部超1.0質量部以下が好ましく、0質量部超0.5質量部以下がより好ましい。紫外線吸収剤の含有量が多いほど紫外線による受光面側封止材の劣化を抑制しやすい。紫外線吸収剤の含有量が上限値以下であれば、封止材からのブリードによる外観の低下を抑制できる。
<光安定剤>
光安定剤としては、太陽電池モジュール用封止材に用いられる公知のものを使用できる。光安定剤の具体例としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。受光面側封止材に含有される光安定剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
受光面側封止材中の光安定剤の含有量は、共重合体(A)の100質量部に対して、0質量部超1.0質量部以下が好ましく、0質量部超0.5質量部以下がより好ましい。光安定剤の含有量が多いほど紫外線による受光面側封止材の劣化を抑制しやすい。光安定剤の含有量が上限値以下であれば、封止材からのブリードによる外観の低下を抑制できる。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、太陽電池モジュール用封止材に用いられる公知のものを使用できる。酸化防止剤の具体例としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤等が挙げられる。受光面側封止材に含有される酸化防止剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
受光面側封止材中の酸化防止剤の含有量は、共重合体(A)の100質量部に対して、0〜1.0質量部が好ましく、0.01〜0.5質量部がより好ましい。酸化防止剤の含有量が下限値以上であれば、受光面側封止材の酸化劣化を抑制しやすい。酸化防止剤の含有量が上限値以下であれば、封止材からのブリードによる外観悪化を抑制できる。
<厚み>
受光面側封止材の厚みは、作製する太陽電池モジュールに応じて、例えば0.1〜1mmの範囲内で適宜設定することができる。受光面側封止材の厚みが0.1mm以上であれば、太陽電池セルを充分に封止しやすい。受光面側封止材の厚みが1mm以下であれば、太陽電池モジュールを薄型化できる。
<受光面側封止材の製造方法>
受光面側封止材の製造方法としては、公知の方法を利用することができ、例えば、共重合体(A)と、必要に応じて用いる架橋剤、架橋助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤とを混合して樹脂組成物を調製し、該樹脂組成物を成形してシート化する方法が挙げられる。シート化方法としては、例えば、Tダイを用いた押出成形法、プレス成形法等が挙げられる。また、離型シートに樹脂組成物の溶液を塗工し、乾燥することにより、シート化することもできる。
(背面側封止材)
背面側封止材は、酢酸ビニル単位の含有量が全単位に対して3〜25質量%であり、かつ融点が80〜120℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(B)(以下、単に共重合体(B)ともいう。)を含有する。背面側封止材は、共重合体(B)に加えて、さらに着色剤、接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、着色剤、接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有することがより好ましい。
背面側封止材は、架橋剤及び架橋助剤を含有しないことが好ましい。背面側封止材が架橋剤及び架橋助剤を含有しないことで、背面側封止材の製造時に架橋剤及び架橋助剤が加工機内で分解して架橋が進行することがなく、背面側封止材の製造時に加工温度を厳密に管理する必要がなくなる。そのため、加工機内での架橋の進行に由来する、溶融粘度の上昇による製膜不良、ゲル発生による太陽電池モジュールの外観悪化、セル割れの発生等のおそれがない。
<共重合体(B)>
共重合体(B)中の酢酸ビニル単位の含有量は、全単位(100質量%)に対して、3〜25質量%であり、12〜20質量%が好ましい。酢酸ビニル単位の含有量が下限値以上であれば、背面側封止材の接着性が充分に得られやすい。酢酸ビニル単位の含有量が上限値以下であれば、太陽電池モジュールの製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことを抑制できる。
背面側封止材に含有される共重合体(B)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
共重合体(B)の融点は、80〜120℃であり、90〜120℃が好ましい。共重合体(B)の融点が下限値以上であれば、太陽電池モジュールの製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことを抑制できる。共重合体(B)の融点が上限値以下であれば、モジュールの外観が良好となりやすい。
共重合体(A)の融点と共重合体(B)の融点の差は、10〜45℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。融点の差が下限値以上であれば、太陽電池モジュールの製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことを抑制できる。融点の差が上限値以下であれば、モジュールの外観が良好となりやすい。
共重合体(B)のMFRは、3〜10g/10分が好ましく、3〜8g/10分がより好ましい。共重合体(B)のMFRが下限値以上であれば、背面側封止材の加工性がより高くなる。共重合体(B)のMFRが上限値以下であれば、背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことを抑制しやすい。共重合体(B)のMFRは、例えば、共重合体(B)の質量平均分子量によって調整することができ、質量平均分子量が小さいほどMFRが大きくなる。
<着色剤>
着色剤としては、太陽電池モジュール用封止材に用いられる公知のものを使用できる。着色剤の具体例としては、例えば、顔料、染料等が挙げられ、酸化チタン、酸化亜鉛等の封止材を白色にできるものが好ましい。背面側封止材に含有される着色剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
背面側封止材中の着色剤の含有量は、共重合体(B)の100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。着色剤の含有量が下限値以上であれば、背面側封止材が充分に着色されやすくなり、背面側封止材での反射光による発電性能の向上効果がより高くなる。着色剤の含有量が上限値以下であれば、コスト的に有利である。
<接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤>
背面側封止材に含有される接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤としては、太陽電池モジュール用封止材に用いられる公知のものを使用でき、例えば、受光面側封止材で挙げたものと同じものが挙げられる。背面側封止材に含有される接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤は、それぞれ1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
背面側封止材中の接着補助剤の含有量は、受光面側封止材の場合と同様の理由から、共重合体(B)の100質量部に対して、0.05〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.5質量部がより好ましい。
背面側封止材中の紫外線吸収剤の含有量は、受光面側封止材の場合と同様の理由から、共重合体(B)の100質量部に対して、0質量部超1.0質量部以下が好ましく、0質量部超0.5質量部以下がより好ましい。
背面側封止材中の光安定剤の含有量は、受光面側封止材の場合と同様の理由から、共重合体(B)の100質量部に対して、0質量部超1.0質量部以下が好ましく、0質量部超0.5質量部以下がより好ましい。
背面側封止材中の酸化防止剤の含有量は、受光面側封止材の場合と同様の理由から、共重合体(B)の100質量部に対して、0〜1.0質量部が好ましく、0.01〜0.5質量部がより好ましい。
<厚み>
背面側封止材の厚みは、作製する太陽電池モジュールに応じて、例えば0.1〜1mmの範囲内で適宜設定することができる。背面側封止材の厚みが0.1mm以上であれば、太陽電池セルを充分に封止しやすい。背面側封止材の厚みが1mm以下であれば、太陽電池モジュールを薄型化できる。
<背面側封止材の製造方法>
背面側封止材の製造方法としては、公知の方法を利用することができる。例えば、共重合体(B)と、必要に応じて用いる着色剤、接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤とを混合して得た樹脂組成物を用いる以外は、受光面側封止材で挙げた方法と同様の方法で背面側封止材を製造できる。
以上説明したように、本発明の太陽電池モジュール用封止材においては、共重合体(A)を含有する受光面側封止材と、共重合体(B)を含有する背面側封止材とが組み合わせている。これにより、太陽電池モジュールの製造時には、背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことが抑制される。そのため、本発明の太陽電池モジュール用封止材を用いた太陽電池モジュールにおいては、発電性能が低下したり、外観が悪化したりすることが抑制される。このような効果が得られる要因としては、以下のように考えられる。背面側封止材に含有される共重合体(B)が、受光面側封止材の共重合体(A)に比べて、酢酸ビニル単位の含有量が少なく、融点が高いことで、ラミネート時に背面側封止材が受光面側封止材よりも固化しやすく流動しにくい。そのため、背面側封止材が受光面側封止材側に向かって流動しにくく、背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込みにくくなると考えられる。
また、本発明の太陽電池モジュール用封止材を用いれば、太陽電池モジュール内に気泡が発生することも抑制される。
[太陽電池モジュール]
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池セルと、太陽電池セルを挟持した本発明の太陽電池モジュール用封止材と、を備えている。本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池セルの受光面側を前記した受光面側封止材で封止し、太陽電池セルの背面側を前記した背面側封止材で封止する以外は、公知の態様を採用することができる。
以下、本発明の太陽電池モジュールの一例について図1に基づいて説明する。本実施形態の太陽電池モジュール10は、図1に示すように、複数の太陽電池セル11,11・・・と、受光面側封止材12と、背面側封止材13と、透明保護材14と、バックシート15とを備えている。
複数の太陽電池セル11,11・・・は、導線及び半田接合部を備えたタブストリング16を介して電気的に直列に接続されている。また、それら複数の太陽電池セル11,11・・・は、受光面側に配置された受光面側封止材12と、背面側に配置された背面側封止材13とに挟持されて固定されている。透明保護材14は、受光面側封止材12における背面側封止材13と反対側に配置されている。バックシート15は、背面側封止材13における受光面側封止材12と反対側に配置されている。すなわち、受光面側封止材12、太陽電池セル11及び背面側封止材13は、透明保護材14とバックシート15で挟まれている。
受光面側封止材12及び背面側封止材13は、前記した本発明の太陽電池モジュール用封止材における受光面側封止材及び背面側封止材が用いられる。
(太陽電池セル)
太陽電池セルとしては、太陽電池モジュールに用いられる公知のものを使用することができ、例えば、p型とn型の半導体を接合した構造を有するpn接合型太陽電池素子が挙げられる。pn接合型太陽電池素子としては、例えば、シリコン系(単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、アモルファスシリコン系等)、化合物系(GaAs系、CIS系、CdTe−CdS系)等が挙げられる。
(透明保護材)
透明保護材としては、太陽電池モジュールの表面(受光面)側を保護するために通常使用さていれる部材が使用でき、例えば、ガラス板、樹脂板等が挙げられる。ガラス板としては、光透過性の点から、表面に凹凸を形成した型板ガラスが好ましい。型板ガラスの材料としては、鉄分の少ない白板ガラス(高透過ガラス)が好ましい。
(バックシート)
バックシートとしては、太陽電池モジュールのバックシートとして通常使用されているものが使用できる。バックシートの材料としては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリオレフィン(ポリエチレン等)、ガラス、金属(アルミニウム等)等が挙げられる。バックシートは、単層であってもよく、複層であってもよい。
(太陽電池モジュールの製造方法)
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、本発明の太陽電池モジュール用封止材を用いる以外は公知の製造方法を採用できる。例えば、太陽電池モジュール10の製造方法としては、以下の方法が挙げられる。
タブストリング16を用いて電気的に接続した複数の太陽電池セル11,11・・・を、受光面側封止材12と背面側封止材13で挟み、さらに受光面側封止材12側に透明保護材14を配置し、背面側封止材13側にバックシート15を配置して挟み込む。次いで、加熱して、受光面側封止材12と背面側封止材13、受光面側封止材12と透明保護材14、背面側封止材13とバックシート15とをそれぞれ接着する。
受光面側封止材12に架橋剤が含有される場合は該架橋剤の分解温度以上に加熱する。架橋剤の分解温度以上に加熱すれば、受光面側封止材12に含まれる共重合体(A)が架橋剤によって架橋され、受光面側封止材12の耐久性が向上する。
以上説明した本発明の太陽電池モジュールにおいては、本発明の太陽電池モジュール用封止材を用いているため、製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことが抑制される。そのため、発電性能が低下したり、外観が悪化したりすることが抑制される。また、本発明の太陽電池モジュールでは、モジュール内に気泡の発生することも抑制される。
なお、本発明の太陽電池モジュールは、前記した太陽電池モジュール10には限定されない。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[使用原料]
本実施例に使用した原料を以下に示す。
(共重合体(A))
A−1:商品名「DQDJ3269」(エチレン−酢酸ビニル共重合体、日本ユニカー社製、酢酸ビニル単位の含有量:28質量%、MFR:20g/10分、融点:69℃)。
A−2:商品名「VF023」(エチレン−酢酸ビニル共重合体、TPC社製、酢酸ビニル単位の含有量:28質量%、MFR:40g/10分、融点:68℃)。
(共重合体(B))
B−1:商品名「EV550」(エチレン−酢酸ビニル共重合体、三井化学社製、酢酸ビニル単位の含有量:14質量%、MFR:15g/10分、融点:89℃)。
B−2:商品名「LV1511」(エチレン−酢酸ビニル共重合体、日本ポリエチレン社製、酢酸ビニル単位の含有量:3質量%、MFR:1.5g/10分、融点:113℃)。
(添加剤)
架橋剤:商品名「カヤヘキサAD」(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、化薬アクゾ社製)。
架橋助剤:商品名「TAIC」(トリアリルイソシアヌレート、日本化成社製)。
接着補助剤:商品名「KBM−503」(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン社製)。
紫外線吸収剤:商品名「ケミソーブ81」(2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、BASFジャパン社製)。
光安定剤:商品名「JF−95」(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、城北化学工業社製)。
酸化防止剤:商品名「イルガフォス162」(BASF社製)。
着色剤:商品名「タイピュア」(酸化チタン、デュポン社製)。
[実施例1]
共重合体(A−1)100質量部、架橋剤0.5質量部、架橋助剤0.5質量部、接着補助剤0.3質量部、紫外線吸収剤0.3質量部、光安定剤0.05質量部及び酸化防止剤0.01質量部を混合して樹脂組成物(I)を得た。次いで、該樹脂組成物(I)をプレス成形して厚み500μmのシート状の受光面側封止材を得た。
共重合体(B−1)100質量部、接着補助剤0.3質量部、紫外線吸収剤0.3質量部、光安定剤0.05質量部、酸化防止剤0.01質量部及び着色剤5質量部を混合して樹脂組成物(II)を得た。次いで、該樹脂組成物(II)をプレス成形して厚み500μmのシート状の背面側封止材を得た。
[実施例2]
実施例1と同様にしてシート状の受光面側封止材を得た。また、樹脂組成物(II)の組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてシート状の背面側封止材を得た。
[比較例1、2]
実施例1と同様にしてシート状の受光面側封止材を得た。また、樹脂組成物(II)の組成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてシート状の背面側封止材を得た。
Figure 2017123363
[評価方法]
(太陽電池モジュールの作製)
各例で得た受光面側封止材と背面側封止材とを用いて、タブストリングを固定した多結晶シリコン系太陽電池セル1枚を挟み、さらに受光面側封止材側にガラス板、背面側封止材側にポリフッ化ビニル及びポリエステルからなるバックシートを配置して挟み込んで積層体を得た。該積層体を樹脂製の袋に入れ、袋内部を真空にすると共に150℃に加熱してラミネートし、太陽電池モジュールを得た。
(背面側封止材の回り込み)
ガラス板側から太陽電池セルの周辺部を目視で観察し、背面側封止材(白色)が太陽電池セルの受光面側(表側)に回り込んでいるかを確認した。太陽電池セルの端部が真直ぐシャープに観察される場合を合格(○)、蛇行して観察される場合を不合格(×)とした。
(気泡の発生)
太陽電池モジュール内の気泡の有無を目視で確認した。太陽電池モジュール内に気泡が見られない場合を合格(○)、気泡が見られる場合を(×)とした。
結果を表2に示す。
Figure 2017123363
表2に示すように、共重合体(A)を含有する受光面側封止材と、共重合体(B)を含有する背面側封止材との組み合わせである実施例1、2では、製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込むことが抑制されていた。また、太陽電池モジュール内に気泡が発生しなかった。
一方、背面側封止材が含有する共重合体の酢酸ビニル単位の含有量が25質量%超で、融点が80℃未満である比較例1、2では、製造時に背面側封止材が太陽電池セルの受光面側に回り込んでいた。
10 太陽電池モジュール
11 太陽電池セル
12 受光面側封止材
13 背面側封止材
14 透明保護材
15 バックシート
16 タブストリング

Claims (4)

  1. 太陽電池モジュールにおける太陽電池セルの受光面側を封止する透明な受光面側封止材と、前記太陽電池セルの背面側を封止する背面側封止材とからなる太陽電池モジュール用封止材であって、
    前記受光面側封止材が、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有量が全単位に対して28〜33質量%であり、かつ融点が71℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)を含有し、
    前記背面側封止材が、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有量が全単位に対して3〜25質量%であり、かつ融点が80〜120℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(B)を含有する、太陽電池モジュール用封止材。
  2. 前記受光面側封止材が、さらに架橋剤、架橋助剤、接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有する、請求項1に記載の太陽電池モジュール用封止材。
  3. 前記背面側封止材が、さらに着色剤、接着補助剤、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有し、架橋剤及び架橋助剤を含有しない、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用封止材。
  4. 太陽電池セルと、前記太陽電池セルを挟持した請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用封止材と、を備えた太陽電池モジュール。
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