JP2017124552A - 調湿性カバー材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】防水性に優れ、使用者の身体から発汗することで生じる蒸れ感を防ぎ、さらに布帛で覆われる中材の雑菌増殖及び臭い移り等を防止でき、安全衛生面にも優れた調湿性布帛を提供する。【解決手段】身体が接触する面を表面層とすると、表面層に透湿性フィルム、中間層に調湿性フィルム、及び、裏面層に非透湿性フィルムを順に積層する少なくとも3層からなる多層構造を有する調湿性カバー材であって、前記透湿性フィルムが無孔構造であり、前記調湿性フィルムが、吸湿剤及び合成樹脂を含有し、少なくとも表面に複数の孔を有する調湿性カバー材。【選択図】なし

Description

本発明は、マットレス、ベッド、座布団、ソファ、自動車座席、椅子等の着座物品、布団等の中材を覆うために用いられる調湿性カバー材に関し、特にはマットレス用調湿性カバー材に関する。
従来、例えばマットレスにおいては、防水性を向上するために、布帛上にフィルムを貼り合わせたカバー材が用いられている。しかし、フィルムにより透湿性が制限されるため、身体から発汗等によって生じる水蒸気により蒸れ感が発生し、就寝中の不快を感じることがあった。
近年、使用者の快適性を向上させるため、例えば、特許文献1には、多孔質フィルムの少なくとも片面に保護布を積層したカバー材が開示されており、これによれば、身体からの発汗等によって生じる水蒸気がカバー材を通って逃散でき、蒸れ感が軽減される。しかしながら、カバー材を通った水蒸気が中材まで到達し、こもることで、中材中で雑菌が増殖するおそれがあり、また、中材へのアンモニア、ノネナール等の臭い移り等も問題視されてきた。
上記問題を解消するため、例えば特許文献2には、透湿防水性マットレス被覆布とエアセルに排気孔を設け、排気孔と反対側に換気用空気を流す手段を備えたマットレスが開示されており、これによれば発汗して内部にこもった水蒸気、又は、臭気を強制的に排気(換気)することができ、安全衛生面は確保できる。しかしながら、マットレス内の水蒸気を排気するために排気用機器が必要になり、費用が高額となるほか、排気用機器のメンテナンス等に手間と時間を割かれることとなった。
特開平05−23237号公報 特開2005−006956号公報
本発明は、前述の問題を解決するものであり、防水性に優れ、使用中の蒸れ感を軽減し、さらにカバー材で覆われる中材における雑菌増殖及び臭い移り等を軽減でき、安全衛生面にも優れた調湿性布帛を提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するために鋭意検討した結果なされたものである。すなわち、本発明は、身体が接触する面を表面層とすると、表面層に透湿性フィルム、中間層に調湿性フィルム、及び、裏面層に非透湿性フィルムを順に積層する少なくとも3層からなる多層構造を有する調湿性カバー材であって、前記透湿性フィルムが無孔構造であり、前記調湿性フィルムが、吸湿剤及び合成樹脂を含有し、少なくとも表面に複数の孔を有することを特徴とする調湿性カバー材である。
前記調湿性フィルムの厚さが、50〜400μmであることが好ましい。
前記調湿性フィルムの表面に構成される孔の径が20〜200μmであることが好ましい。
前記吸湿剤の粒径が0.1〜20μmであることが好ましい。
前記透湿性フィルムの水膨潤率が3%以下であることが好ましい。
前記調湿性カバー材の透湿度が1300g/m/24hr以下であることが好ましい。
前記調湿性カバー材の吸湿量が1g/m以上であることが好ましい。
前述する調湿性カバー材の製造方法であって、
前記透湿性フィルムに、前記調湿性フィルムを積層する工程と、
前記調湿性フィルムに、非透湿性フィルムを積層する工程と、
を備える調湿性カバー材の製造方法である。
本発明は防水性に優れ、使用中の蒸れ感を軽減でき、さらに布帛で覆われる中材の雑菌増殖及び臭い移り等を防止でき、安全衛生面にも優れた効果を奏する。
本発明の調湿性カバー材は、身体が接触する面を表面層とすると、表面層に透湿性フィルム、中間層に調湿性フィルム、及び、裏面層に非透湿性フィルムを順に積層する少なくとも3層からなる多層構造を有する調湿性カバー材であって、前記透湿性フィルムが無孔構造であり、前記調湿性フィルムが、吸湿剤及び合成樹脂を含有し、少なくとも表面に複数の孔を有する。尚、本明細書でいう「孔」とは、調湿性フィルムを貫通する貫通孔、又は/及び、貫通しない穴隙を示す。
前記調湿性カバー材は、身体が接触する面から順に透湿性フィルム、調湿性フィルム、及び、非透湿性フィルムが積層される少なくとも3層からなる多層構造となっていることが肝要であり、これにより身体からの発汗等によって生じる水蒸気が透湿性フィルムを透過し、調湿性フィルムにより吸湿されることで蒸れ感を軽減できる。さらに中材側に非透湿性フィルムを設けることで、中材への水蒸気及び臭気の透過を抑え、雑菌増殖や臭い移りを防止できる。
また、身体が接触する面である透湿性フィルムが無孔構造であるため、優れた防水性が発揮でき、表面に水分が付着した場合でも体圧負荷により中材まで到達することがなく、布巾等で清拭可能となる。
以下、調湿性カバー材の各構成部材について詳細に示す。
まずは、表面層である前記透湿性フィルムについて説明する。
前記透湿性フィルムは無孔構造であり、透湿性を有していれば、特に限定されるものではない。前記透湿性フィルムが透湿性を有する無孔構造であることにより、カバー材の上に付いた水分は中材まで通すことがなく、発汗で生じる水蒸気は下層の前記調湿性フィルムまで送ることができる。
前記透湿性フィルムの形成に用いられる透湿性樹脂基材としては、例えば、透湿性ポリウレタン樹脂、透湿性ポリアミド樹脂、透湿性ポリエステル樹脂等を挙げることができる。より具体的には、透湿性ポリウレタン樹脂としては、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系のポリウレタン樹脂や、アミノ酸等と共重合した各系のポリウレタン樹脂等を挙げることができ、透湿性ポリアミド樹脂としては、ポリエーテルブロックアミド共重合体を有するポリアミド樹脂等を挙げることができ、透湿性ポリエステル樹脂としては、ブロック共重合体を有するポリエステル樹脂等から選ばれた少なくとも1種からなる樹脂が挙げられる。なかでも、耐摩耗性、弾性回復性、柔軟性、透湿性等の点から透湿性ポリウレタン樹脂が好ましく用いられ、その中でもさらに透湿性の点からポリエーテル系ポリウレタン樹脂がより好ましく用いられる。
前記透湿性フィルムの製造方法としては、公知の種々の方法を採用することができ、例えば前述した透湿性樹脂基材をTダイ法、インフレーション法、キャスト法等により成膜する製造方法が挙げられる。
前記透湿性樹脂基材を溶媒により溶解させた樹脂基材溶液を用いて成膜を行う場合、溶媒としては特に限定されず、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン(TOL)、ヘキサン(HEX)、メチルエチルケトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン等が挙げられ、場合によっては、貧溶媒である水、低級アルコール類が挙げられる。また、上記溶媒を2種以上からなる混合液を用いても良い。
前記透湿性フィルムの透湿度が2500g/m/24hr以上であることが好ましい。2500g/m/24hr以上であれば、身体から発する水蒸気を下層へと充分に通過させることができ、蒸れ感を抑えることができる。
また、水膨潤率が3%以下であることが好ましく、3%以下であれば、殺菌消毒作業における薬品浸漬や清拭作業において、フィルムの浮き、変形等が少なく形状安定性を向上させる。
次に、中間層である前記調湿性フィルムについて説明する。
前記調湿性フィルムが、吸湿剤及び合成樹脂を含有し、少なくとも表面に複数の孔を有することが肝要である。
これにより、含有した前記吸湿剤が、外表だけでなく内部にある前記孔の表面にも露出ことができ、前記透湿性フィルムを通過した水蒸気が、フィルム全体に存在する前記吸湿剤と接し、優れた吸湿性を発揮する。
前記調湿性フィルムの形成に用いられる調湿性樹脂基材としてはポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、NBR(ゴム)樹脂等が挙げられ、弾力性や伸び等からポリウレタン樹脂が好ましい。
また、前記調湿性フィルムの製造方法としては、吸湿剤と合成樹脂を混練した基材を、機械発泡させ発生した複数の気泡を連通した連続気泡を有するように成膜する方法や、連続油相成分中に水相成分が分散させたW/O系エマルションを成膜する方法、湿式法により成膜する方法等が挙げられる。また、吸湿剤と合成樹脂とを混練した基材をTダイ法、インフレーション法、キャスト法等により成膜し、その後パンチング加工等により孔を構成させても良い。なかでも、孔の成形性、生産性の観点から機械発泡を用いる方法が好適に用いられる。
前記調湿性樹脂基材を溶媒により溶解させた樹脂基材溶液を用いて成膜を行う場合、溶媒としては特に限定されず、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン(TOL)、ヘキサン(HEX)、メチルエチルケトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン等が挙げられ、場合によっては、貧溶媒である水、低級アルコール類が挙げられる。また、上記溶媒を2種以上からなる混合液を用いても良い。
機械発泡を用いる方法で前記調湿性フィルムの成膜を行う場合は、調湿性基材としては、特に限定されるものではないが、水系樹脂が好ましく用いられる。水系樹脂としては、従来公知の水系ポリウレタン樹脂、水系ポリアミド樹脂、水系ポリエステル樹脂、水系アクリル樹脂等を挙げることができる。より具体的には、水系ポリウレタン樹脂としては、カルボキシル基、スルホン酸基等のアニオン性基、又はポリオキシエチレングリコール鎖等のポリオキシアルキレングリコール鎖を含むノニオン性基を含有する、自己乳化型の水系ポリウレタン樹脂; ノニオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、又はノニオンアニオン性乳化剤を用いて機械乳化して得られる乳化剤分散型の水系ポリウレタン樹脂; 及びこれらの水系ポリウレタン樹脂の複合型あるいはブレンド型の水系ポリウレタン樹脂が挙げられる。また、前述した水系樹脂を2種以上配合することで発泡性や孔の成型性が向上する。
また、本発明の目的を阻害しない程度であれば、増粘剤、発泡剤、架橋剤、整泡剤、顔料等の添加剤が配合されても良い。
前記調湿性フィルムの厚みが50〜400μmであることが好ましい。50μm以上であれば、摩耗等の強度面を十分に満足することができる。また、400μm以下であれば、マットレス材料としての風合い、弾力性を向上させる。
前記調湿性フィルムの表面に構成される孔の径が20〜200μmであることが好ましい。20μm以上であれば、前記調湿性フィルムの含有された吸湿剤を露出させることができ、吸湿性が向上する。また、200μm以下であれば、耐摩耗性が向上し、また加工中の破泡を軽減する。
また、前記調湿性フィルムの空隙率としては、20〜80%の範囲が好ましい。また、20%以上であれば、吸湿剤の性能を充分に発揮でき、80%以下であれば、充分な強度が得られ、耐摩耗性を向上させる。
前記吸湿剤としては、特に限定されるものではないが、例えば有機系材料のアクリルニトリル系共重合体微粒子、無機系材料のスメクタイト、ゼオライト等が挙げられる。なかでも、吸湿量の観点からアクリルニトリル共重合体が好ましく用いられる。
前記吸湿剤は、1〜40g/mの範囲で含有させることが好ましい。1g/m以上であれば、吸湿剤が表面に容易に露出させることができ、調湿性が向上する。また、40g/m以下であれば、充分な強度が得られ、耐摩耗性を向上させる。
前記吸湿剤の平均粒径が、0.1〜20μmであることが好ましい。0.1μm以上であれば、前記吸湿剤を容易に露出することができ、吸湿性が向上する。また、20μm以下であれば、充分な強度が得られ、耐摩耗性が向上する。
次に、裏面層である前記非透湿性フィルムについて説明する。
前記非透湿性フィルムは、透湿性を抑え、かつ防水性に優れていれば、特に限定しない。前記非透湿性フィルムが裏面層に配されることにより、中材への水蒸気及び臭気の侵入を防ぎ、安全衛生面が確保できる。また、防水性も確実となり、中材への水分の浸透を防ぐことができる。
前記非透湿性フィルムの形成に用いられる非透湿性樹脂基材としては、特に限定するものではなく、例えば非透湿性ポリウレタン、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂その他の公知の防水用合成樹脂、天然ゴム、及びクロロスルホン化ポリエチレンゴム(ハイパロン)、シリコンゴム、ネオプレンゴム、PVCグラフトマー(エチレル−酢ビ−PVC三元重合体)その他の公知の合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなる樹脂が挙げられる。なかでも、耐摩耗性、弾性回復性、柔軟性等の点から非透湿性ポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。
また、前記非透湿性フィルムの製造方法としては、公知の種々の方法を採用することができる。例えば、Tダイ法、インフレーション法、キャスト法等が挙げられる。
前記非透湿性樹脂基材を溶媒により溶解させた樹脂基材溶液を用いて成膜を行う場合、溶媒としては特に限定されず、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン(TOL)、ヘキサン(HEX)、メチルエチルケトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン等が挙げられ、場合によっては、貧溶媒である水、低級アルコール類が挙げられる。また、上記溶媒を2種以上からなる混合液を用いても良い。
前記非透湿性フィルムの透湿度は1300g/m/24hr以下であることが好ましい。1300g/m/24hr以下であれば、カバー材に覆われる中材へ水蒸気及び臭気が透過するのを抑えることができ、また雑菌増殖や臭い移りを抑制できる。
調湿性カバー材の製造方法としては、まず、前記透湿性フィルムに、前記調湿性フィルムを積層する工程を備える。ここでの積層方法としては、前記透湿性フィルムと前記調湿性フィルムの間で水蒸気の通過を妨げない方法を用いれば、特に限定されるものではない。例えば、前記透湿性フィルムにコンマコーティング法、ダイコーティング法、グラビアコーティング法等を用い、前記調湿性樹脂基材溶液を直接に塗布する積層方法や、独立した前記透湿性フィルム及び調湿性フィルムをホットメルト樹脂等の接着剤を用いスプレーラミネート法による積層方法等が挙げられる。なかでも、透湿性、生産性の観点からコンマコーティング法により前記調湿性樹脂基材溶液を直接に塗布する積層方法が好ましく用いられる。
前述の工程により積層された前記調湿性フィルムに、非透湿性フィルムを積層する工程を備える。ここでの積層方法としては、公知の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、調湿性フィルムにコンマコーティング法、ダイコーティング法、グラビアコーティング法等を用い、無孔質樹脂基材溶液を直接に塗布する積層方法やドライラミネート法、ウェットラミネート法、ホットメルトラミネート法等の接着剤を用いる積層方法、熱ラミネート法が挙げられるが、なかでも生産性の観点からコンマコーティング法で無孔質樹脂基材を直接に塗布する積層方法が好ましく用いられる。
前記調湿性カバー材は、物理的外力による裂け、破れを軽減するために、補強シートを積層することが好ましい。補強シートとしては編物、織物、不織布等の繊維布帛、フィルム等が挙げられるが、縫製による二次加工を考慮すると繊維布帛が好ましく、伸縮性の面から編物がより好ましい。
前記調湿性カバー材と前記補強シートの積層方法としては、公知の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ホットメルトラミネート法等の接着剤を用いる積層方法、熱ラミネート法、ダイコーティング法等が挙げられるが、なかでも、生産性を考慮すると接着剤を用いる積層方法が好適に用いられる。
積層方法に前記接着剤を用いる場合、前記接着剤としては、特に限定されるものではない。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、アクリル、エポキシ等が挙げられ、なかでも伸縮性を有するポリウレタン樹脂が好ましい。
その他、本発明の前記調湿性カバー材に求められる特性として、吸湿量、透湿度、耐水圧等が挙げられ、これらの諸特性を最適化することが好ましい。
前記調湿性カバー材の吸湿量は、1g/m以上であることが好ましい。1g/m以上であれば、充分な吸湿性が得られ、使用者の快適性が向上する。
前記調湿性カバー材の透湿度は1300g/m/24hr以下であることが好ましい。1300g/m/24hr以下であれば、カバー材に覆われる中材への水蒸気及び臭気の透過を抑え、雑菌増殖や臭い移りを抑制できる。
前記調湿性カバー材の耐水圧は20kPa以上であることが好ましい。20kPa以上が好ましく、より好ましくは100kPa以上である。20kPa以上であれば、消毒液等の清拭作業による浸水が抑えられ、さらに表面に付着した水分が体圧負荷により中材まで到達することを抑制できる。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもその実施例に限定されるものではない。
実施例1乃至7及び比較例1又は2の各試料(カバー材)は、下記の測定方法で物性等を測定した。また、下記の方法で性能評価を行った。結果を表1に示す。
<測定方法及び評価方法>
(1)水膨潤率
任意の5箇所において、表面層を5cm×5cmにカットしたものを水中に20分間浸漬後、水中での対角線上の距離を測定し、平均値を求めた。尚、水膨潤率は次の式にて求めた。
水膨潤率(%)=(浸漬後の距離−浸漬前の距離)/浸漬前の距離 ×100
(2)厚み
任意の5箇所において、得られた試料における表面層、中間層、裏面層の断面をマイクロスコープにより100倍で観察し、厚みを測定し、平均値を求めた。
(3)透湿度
任意の5箇所において、JIS規格 L 1099 A−1法(塩化カルシウム法)にのっとり、表面層、裏面層、試料のそれぞれの透湿度(g/m・24hr)を測定し、平均値を求めた。
(4)孔径
任意の10箇所において、得られた試料における中間層の断面をマイクロスコープにより100倍で観察し、フィルムの表面に構成された孔の径を測定し、平均値を求めた。
(5)吸湿剤の平均粒径
レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD(登録商標)−200V)を用い、水を分散媒として測定し、体積基準で表した粒子径分布から、体積平均粒子径を求めた。
(6)空隙率
任意の5箇所において、得られた試料における中間層の断面をマイクロスコープにより100倍で観察し、孔部分の占める面積を求め、空隙率を測定し、平均値を求めた。尚、空隙率は次の式にて求めた。
空隙率(%)=(断面積−孔部分の合計面積)/断面積 ×100
(7)吸湿量
任意の5箇所において、試料サイズ10cm×10cmを秤量瓶に入れ、温度25℃、湿度65%の恒温恒湿機に2時間調温・調湿後の重量を測定した。その後、温度25℃、湿度90%の恒温恒湿機に2時間調温・調湿後の重量を測定、この差重量より吸湿量を測定し、平均値を求めた。尚、吸湿量は次の式にて求めた。
吸湿量(g/m)=(90%調湿後重量−65%調湿後重量)×100
(8)防水性
任意の5箇所において、JIS L1092 7.1 B法(高水圧法)にのっとり、試料の表面層側からの耐水圧を測定し、平均値を求めた。
(9)吸湿性
任意の5箇所において、温度25℃に調整された恒温機にて、湿度50%の容量500mlの容器に、試料サイズ5cm×5cmを静置し、その表面にガラスフィルターをのせ、そこへ蒸留水20μlを添加し、この容器中の1時間後の湿度を温湿度計にて測定し、平均値を求めた。
〇:湿度65%未満、試料表面が乾燥している。
△:湿度65%以上、80%未満、試料表面がやや湿潤している。
×:湿度80%以上、試料表面が湿潤している。
(10)耐薬品性
任意の5箇所において、試料をエタノール70%溶液に全体を1時間浸漬し、表面層の表面状態を観察した。
〇:外観変化なく、試料の膨潤が認められない。
△:若干膨潤が認められるが、乾燥後、回復する。
×:膨潤が認められ、フィルムの浮きが生じる。
(11)耐摩耗性
任意の5箇所において、JIS L1021−11 テーバー摩耗試験方法にのっとり、摩耗輪CS−10、荷重500g、1000回転後の表面層の状態で判定した。
〇:試料に摩耗の形跡、及び破れが認められない。
△:試料に僅かに摩耗の形跡が認められる。
×:試料に破れが認められる。
[実施例1]
まず、離型紙上に下記の透湿性樹脂基材溶液をコンマコーターで塗布し、100℃で乾燥後、厚みが20μmの膨潤率1%の透湿性フィルムを形成した。
(表面層/透湿性フィルム)
透湿性ウレタン樹脂(エーテル系ポリウレタン樹脂) 100部
溶剤(DMF/TOL) 50部
顔料(酸化チタン) 5部
次に、この透湿性フィルムの上に、下記の調湿性樹脂基材溶液である水系樹脂を機械発泡にて2.6倍に発泡した樹脂をコンマコートで塗布し、120℃で乾燥後、厚みが200μm、表面に構成された孔の径が30μmの調湿性フィルムを形成した。
(中間層/調湿性フィルム)
水系ウレタン樹脂(DIC社製 ハイドランHW−930) 100部
吸湿剤(粒径10μm、アクリルニトリル共重合体) 5部
発泡剤(DIC社製 DICNAL M−20) 3部
増粘剤(DIC社製 DICNAL MX) 0.5部
次に、この調湿性フィルムの上に、下記の非透湿性樹脂基材溶液をコンマコーターで塗布し、100℃で乾燥後、厚みが20μmの非透湿性フィルムを形成した。
(裏面層/非透湿性フィルム)
非透湿性ウレタン樹脂(エステル系ポリウレタン樹脂) 100部
溶剤(DMF/TOL) 50部
次に、この非透湿性フィルムの上から、接着剤溶液をコンマコートで塗布し、120℃で乾燥、ドライラミネート法にて編地と貼り合わせした。
(接着剤)
ウレタン樹脂(接着剤用エステル系ポリウレタン樹脂) 100部
溶剤(DMF) 50部
架橋剤(ポリイソシアネート) 5部
架橋促進剤 1部
[実施例2]
表面層で用いる透湿性フィルムの水膨潤率が3%であること以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例3]
表面層で用いる透湿性フィルムの厚みを30μmにすること以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例4]
中間層で用いる調湿性フィルムの発泡倍率を2倍に調整し、乾燥後の厚みを50μm、表面に構成された孔の径を20μmに変更した。加えて、裏面層で用いる非透湿性フィルムの乾燥後の厚みを30μmに変更した以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例5]
中間層で用いる調湿性フィルムの発泡倍率を4倍に調整し、乾燥後の厚みを400μm、表面に構成された孔の径を200μmに変更した以外は実施例1と同様に実施した。
[実施例6]
中間層で用いる調湿性フィルムの調湿性樹脂基材が下記に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(中間層/調湿性フィルム)
水系ウレタン樹脂(DIC社製 ハイドランHW−930) 100部
吸湿剤(粒径0.1μm、アクリルニトリル共重合体) 1部
発泡剤(DIC社製 DICNAL M−20) 3部
増粘剤(DIC社製 DICNAL MX) 1部
[実施例7]
中間層で用いる調湿性フィルムの調湿性樹脂基材が下記に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
(中間層/調湿性フィルム)
水系ウレタン樹脂(DIC社製 ハイドランHW−930) 100部
吸湿剤(粒径20μm、アクリルニトリル共重合体) 20部
発泡剤(DIC社製 DICNAL M−20) 3部
増粘剤(DIC社製 DICNAL MX) 1部
[比較例1]
まず、離型紙上に下記の透湿性樹脂基材溶液をコンマコーターで塗布し、100℃で乾燥後、厚みが20μm、膨潤率3%の透湿性フィルムを形成した。
(表面層/透湿性フィルム)
透湿性ウレタン樹脂(エーテル系ポリウレタン樹脂) 100部
溶剤(DMF/TOL) 50部
顔料(酸化チタン) 5部
吸湿剤(粒径10μm、アクリルニトリル共重合体) 5部
次に、この透湿性フィルムの上に、下記の非透湿性樹脂基材溶液をコンマコーターで塗布し、100℃で乾燥後、厚みが20μmの非透湿性フィルムを形成した。
(裏面層/非透湿性フィルム)
非透湿性ウレタン樹脂(エステル系ポリウレタン樹脂) 100部
溶剤(DMF/TOL) 50部
次に、実施例1と同様の手法にて裏面層の上から接着剤を塗布し、ドライラミネーションにより編地と貼り合わせた。
[比較例2]
表面層に下記の非透湿性樹脂基材溶液をコンマコーターで塗布し、100℃で乾燥後、厚みが20μmの非透湿性フィルムを形成した以外は実施例1と同様に実施した。
(表面層/非透湿性フィルム)
非透湿性ウレタン樹脂(ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)100部
溶剤(DMF/TOL) 50部
顔料(酸化チタン) 5部
Figure 2017124552

Claims (8)

  1. 身体が接触する面を表面層とすると、表面層に透湿性フィルム、中間層に調湿性フィルム、及び、裏面層に非透湿性フィルムを順に積層する少なくとも3層からなる多層構造を有する調湿性カバー材であって、前記透湿性フィルムが無孔構造であり、前記調湿性フィルムが、吸湿剤及び合成樹脂を含有し、少なくとも表面に複数の孔を有することを特徴とする調湿性カバー材。
  2. 前記調湿性フィルムの厚みが50〜400μmであることを特徴とする請求項1に記載の調湿性カバー材。
  3. 前記調湿性フィルムの表面に構成される孔の径が20〜200μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の調湿性カバー材。
  4. 前記吸湿剤の粒径が0.1〜20μmであることを特徴とする請求項1乃至3にいずれかに記載の調湿性カバー材。
  5. 前記透湿性フィルムの水膨潤率が3%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の調湿性カバー材。
  6. 前記調湿性カバー材の透湿度が1300g/m/24hr以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の調湿性カバー材。
  7. 前記調湿性カバー材の吸湿量が1g/m以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の調湿性カバー材。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の調湿性カバー材の製造方法であって、
    前記透湿性フィルムに、前記調湿性フィルムを積層する工程と、
    前記調湿性フィルムに、非透湿性フィルムを積層する工程と、
    を備える、調湿性カバー材の製造方法。
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