JP2017128706A - 重合体微粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、表面に凹凸を有するのみならず、有機溶剤と混合した場合の成分の溶出が高度に抑制された重合体微粒子を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の重合体微粒子は、表面に収縮痕を有し、前記収縮痕の短径と、重合体微粒子の直径Dの比率(収縮痕の短径/重合体微粒子直径D)が、0超、1未満であり、ケイ素原子の含有量が3質量%以上であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、表面に凹凸を有する重合体微粒子に関する。
球形粒子表面に凹凸を形成した粒子、碁石状粒子、凸レンズ状粒子、扁平状粒子等の非球状の粒子が提案されている。これらの粒子は、特徴的な形状に由来した機械的特性や、光学的特性を有することから、各種の樹脂用添加剤や各種の基材として注目を集めている。
特許文献1には、ミクロンオーダーの粒径を有しながら異形であり、耐溶剤性に優れた異形分散粒子が記載されている。また特許文献2には、粒子表面に多数のくぼみ或いは鋭い突起状凸部を有する異形高分子微粒子が記載されている。
特開2010−168464号公報 特開2006−143968号公報
ところが、これらの微粒子を有機溶剤と混合した場合に、成分の溶出が十分に抑制されない場合があった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、表面に凹凸を有するのみならず、有機溶剤と混合した場合の成分の溶出が高度に抑制された重合体微粒子を提供することを目的とする。
本発明者らは、表面全体に凹凸を有しつつ、成分の溶出が抑制された重合体微粒子を提供するため鋭意検討した結果、ケイ素を一定量以上含有し、表面に特有の凹凸形状を有する重合体微粒子を見出し、この重合体微粒子では、意外にも成分の溶出を抑制できていることを見出して、本発明を完成した。
すなわち本発明に係る重合体微粒子は、表面に収縮痕を有し、前記収縮痕の短径と、重合体微粒子の直径Dの比率(収縮痕の短径/重合体微粒子直径D)が、0超、1未満であり、ケイ素原子の含有量が3質量%以上であることを特徴とする。
前記重合体微粒子のBET法により測定した比表面積(S1)と下記式で求められる理論比表面積(S0)との比率(S1/S0)は1.1以上、20以下であることが好ましい。
理論比表面積(S0)(m2/g)=6/(重合体微粒子の真比重(g/cm3)×重合体微粒子の体積平均粒子径(μm))
前記重合体微粒子の体積平均粒子径は0.1μm以上、20μm以下であることが好ましい。
また、前記重合体微粒子の体積平均粒子径が1μm以上、20μm以下であり、かつ比表面積が3m2/g以上であることが好ましい。
前記重合体微粒子を形成する単量体中、架橋性単量体の割合は10質量%以上であることが好ましい。
前記重合体微粒子の粒子径の変動係数は、15%以下であることが好ましい。
本発明の重合体微粒子は、表面に凹凸を有し、かつケイ素原子の含有量が3質量%以上であり、有機溶剤に対する成分の溶出が抑制されたものとなる。
図1は、製造例1の重合体微粒子の走査型電子顕微鏡像(拡大倍率30,000倍)を表す。 図2は、製造例2の重合体微粒子の走査型電子顕微鏡像(拡大倍率30,000倍)を表す。 図3は、製造例3の重合体微粒子の走査型電子顕微鏡像(拡大倍率37,000倍)を表す。 図4は、製造例4の重合体微粒子の走査型電子顕微鏡像(拡大倍率37,000倍)を表す。 図5は、製造例5の重合体微粒子の走査型電子顕微鏡像(拡大倍率27,000倍)を表す。
1.重合体微粒子
本発明の重合体微粒子は、表面に特有の凹凸形状を有する。この凹凸により、重合体微粒子の表面積が増大している。
本発明の重合体微粒子の凹凸形状は、粒状又は筋状の収縮痕であることが好ましい。この収縮痕は、見かけの形状を指し、実際に収縮によって形成されている必要はない。すなわち、周囲が収縮することで粒状又は筋状の痕跡が残った様に見える形状であれば、実際には他のプロセスを経て形成される形状であっても、本発明の収縮痕に含まれる。表面に粒状又は筋状の収縮痕を有することで、光拡散性が向上するとともに、樹脂からの脱落が抑制されている。
前記収縮痕は、周囲に対して凸になっており、走査型電子顕微鏡像では、その高低差に由来して明暗が生じ、この明暗の差から、収縮痕の境界線を認識することができる。収縮痕は、(境界線を他の収縮痕と共有せず)独立して存在していてもよく、(境界線の一部を他の収縮痕と共有し)重なりあいながら、存在していてもよい。また前記収縮痕は、重合体微粒子の全体に存在していることが好ましい。
前記収縮痕の短径と、重合体微粒子の直径Dの比率(収縮痕の短径/重合体微粒子の直径D)は、0超であり、0.01以上であることが好ましく、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.09以上であり、1未満であり、0.6以下であることが好ましく、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.2以下である。収縮痕の短径がこの範囲にあると、光散乱能が良好であり、樹脂と混合した場合にもその脱落を抑制することができる。粒状収縮痕の短径は、収縮痕の境界に基づいて測定することができる。前記重合体微粒子の直径Dとしては、重合体微粒子の体積平均粒子径を用いることができる。
前記収縮痕の短径は、重合体微粒子表面を観察した拡大倍率10,000倍以上、50,000倍以下の走査型電子顕微鏡像において、各収縮痕(すなわち周囲に対して凸になっている部分(凸部))の最狭部の幅を5以上測定し、その測定値を平均した値を意味するものとする。
本発明の重合体微粒子の比表面積は、表面の収縮痕により高められており、その比表面積(S1)と、理論比表面積(S0)との比率(S1/S0)は、1.1以上、20以下であることが好ましく、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.5以上であり、10以下であることがより好ましく、さらに好ましくは5以下、特に好ましくは3以下である。
前記理論比表面積(S0)は、粒子形状に真球を仮定し、粒子の表面積と質量の比率(表面積/質量)に基づいて算出される値であり、具体的には、下記式に基づいて算出される値とする。
理論比表面積(S0)(m2/g)=6/(真比重(g/cm3)×体積平均粒子径(μm))
また本発明の重合体微粒子の比表面積は、例えば1.8m2/g以上であることが好ましく、より好ましくは2m2/g以上、さらに好ましくは2.5m2/g以上であり、50m2/g以下であることが好ましく、より好ましくは30m2/g以下、さらに好ましくは20m2/g以下である。
重合体微粒子の比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置〔日本ベル(株)製、商品名:BELLSORPMini−II〕により測定することができる。
本発明の重合体微粒子の体積平均粒子径は、0.1μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上であり、20μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。
なお重合体微粒子の体積平均粒子径は、コールターカウンター法により測定された値であり、コールター原理を利用した精密粒度分布測定装置(例えば、ベックマンコールター(株)製「コールターマルチサイザーIII型」)により測定できる。
本発明の重合体微粒子の粒子径の変動係数は、30%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下であり、例えば3%以上であることが好ましい。なお、粒子径の変動係数とは、コールター原理を利用した精密粒度分布測定装置により測定される粒子の体積平均粒子径と、粒子径の標準偏差とを下記式に当てはめて得られる値である。
粒子径の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/体積平均粒子径)
重合体微粒子の真比重は、0.1g/cm3以上であることが好ましく、より好ましくは0.2g/cm3以上であり、2g/cm3以下であることが好ましく、より好ましくは1.5g/cm3以下である。
重合体微粒子の真比重は、気体置換法により求めることができる。測定装置としては、真比重計〔例えば、アキュピックII1340(島津製作所製)を用いることができる。
本発明の重合体微粒子は、上記のように特有の凹凸形状を有しつつ、ケイ素原子の含有量が3質量%以上であり、成分の溶出が抑制されている。ケイ素原子の含有量は、3質量%以上であり、より好ましくは3.1質量%以上であり、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは8質量%以下である。
前記ケイ素原子の含有量は、重合体微粒子を空気などの酸化性雰囲気中、950℃で焼成したときの灰分質量(これをSiO2量とする)からケイ素原子に相当する質量を算出し、該ケイ素原子量を焼成処理に供した重合体微粒子の質量で除すことにより求めることができる。灰分質量からSi分に相当する質量を算出するには、灰分質量に0.4672(ケイ素原子量/SiO2式量)を乗じることによって求めることができる。
シロキサン結合とSi−C結合とを有する重合体は、ケイ素原子にエチレン性不飽和結合を有する有機基とアルコキシ基とが結合した化合物(重合性有機アルコキシシラン)を、ビニル単量体と共に重合することで得ることができる。
前記重合性有機アルコキシシランとしては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するジ又はトリアルコキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等のビニル基(エテニル基)を有するジ又はトリアルコキシシラン;等が挙げられる。中でも、(メタ)クリロイル基を有するジ又はトリアルコキシシランが好ましい。
重合性有機アルコキシシランは、重合体微粒子を形成する全単量体中10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。
また、本明細書において、「ビニル基」には、炭素−炭素二重結合(エテニル基)のみならず、(メタ)アクリロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような、官能基と重合性炭素−炭素二重結合から構成される置換基も含まれる。
前記ビニル単量体としては、アリル(メタ)アクリレート等のアリル(メタ)アクリレート類;アルカンジオールジ(メタ)アクリレート(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート等)、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族炭化水素系架橋剤(好ましくはジビニルベンゼン等のスチレン系多官能モノマー);N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のヘテロ原子含有架橋剤;等のエチレン性不飽和結合を2個以上有するビニル単量体、
(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有するビニル単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基含有スチレン類等のヒドロキシ基を有するビニル単量体;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類等のアルコキシ基を有するビニル単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するビニル単量体;等のエチレン性不飽和結合と有機官能基を有するビニル単量体、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類;スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン基含有スチレン類;等のエチレン性不飽和結合を1個有するビニル単量体等が挙げられる。
前記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類は、エポキシ基を有するビニル単量体と組み合わせてもよい。この場合、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類は、1つの単量体における反応点(重合性官能基)が2つ以上となり、架橋構造を形成しうる。
ビニル単量体としては、エチレン性不飽和結合を2個以上有するビニル単量体、及びエチレン性不飽和結合を1個有するビニル単量体が好ましく、エチレン性不飽和結合を2個以上有するビニル単量体と、エチレン性不飽和結合を1個有するビニル単量体の両方を含むことが好ましい。
エチレン性不飽和結合を2個以上有するビニル単量体としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート類(多官能(メタ)アクリレート)や、芳香族炭化水素系架橋剤(特にスチレン系多官能モノマー)が好ましい。前記1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート類の中でも、前記1分子中に2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートが特に好ましい。前記スチレン系多官能モノマーの中では、ジビニルベンゼンのように1分子中に2個のビニル基を有する単量体が好ましい。
また、エチレン性不飽和結合を1個有するビニル単量体としては、アルキルスチレン類、ハロゲン基含有スチレン類等のスチレン系単官能モノマーや、アルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、必要により、その他のシラン単量体を共重合させてもよい。
このようなシラン単量体としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルシラン等のジアルキルジアルコキシシラン;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルモノアルコキシシラン;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するジ又はトリアルコキシシラン;ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン等の2つ以上のビニル基を有するシラン化合物;等が挙げられる。
本発明の重合体微粒子において、ビニル単量体は、重合体微粒子を形成する全単量体中、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
ビニル単量体とシラン単量体の比率は、質量基準で、1.5倍以上であることが好ましく、より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは2.5倍以上であり、10倍以下であることが好ましく、より好ましくは7倍以下、さらに好ましくは5倍以下である。
また、本発明の重合体微粒子は、架橋性単量体を用いて形成されることが好ましい。架橋性単量体は、架橋構造を形成しうる単量体であり、アルコキシ基又はエチレン性不飽和結合等の重(縮)合性官能基を1分子中に2個以上有する単量体を意味する。重合体微粒子を形成する全単量体に占める架橋性単量体の割合は、重合体微粒子を形成する全単量体中、20質量%以上であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは55質量%以上、よりいっそう好ましくは65質量%以上、特に好ましくは70質量%以上であり、100質量%以下であることが好ましい。架橋性単量体の割合が大きいほど、光拡散能や弾性変形、復元力等に優れる傾向がある。
本発明の重合体微粒子は、その特性を損なわない程度に、他の成分を含んでもよい。この場合、重合体微粒子を形成する単量体には、重合性有機アルコキシシラン及びビニル単量体が85質量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは95質量%以上、さらに98質量%以上含まれることが好ましい。
2.重合体微粒子の製造方法
本発明の重合体微粒子は、重合性有機アルコキシシランを加水分解・重縮合してシロキサン粒子(シード粒子)を形成し、前記シロキサン粒子にビニル単量体を吸収させた後、水溶性重合開始剤を用いて重合し、乾燥することにより製造することができる。アルコキシシランの重縮合で形成されたネットワークにビニル単量体を重合させていく時、その開始を水溶性重合開始剤で実施すると、ビニル単量体の重合密度の薄い箇所が部分的に生じて形状変化を起こす部分が発生する一方、元のシロキサンネットワークによって形状を維持する部分も残る為か、表面に粒状又は筋状の収縮痕が形成されて比表面積が大きくなり、かつ溶出が抑制される。
前記シラン単量体を加水分解・重縮合する際の反応溶媒は、少なくとも水を含んでいればよく、1種又は2種以上の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
前記水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;等を挙げられる。中でも水溶性有機溶媒としては、アルコール類が好ましく、メタノール又はエタノールがより好ましく、メタノールが特に好ましい。
前記水溶性有機溶媒は、反応溶媒中50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下であり、20質量%以上であることが好ましい。
また、シラン単量体を加水分解・重縮合する際、触媒を共存させてもよい。触媒としては、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の塩基性触媒を用いることができる。
触媒は、反応溶媒100質量部に対して、0.05質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.2質量部以上であり、2質量部以下である事が好ましく、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
加水分解・重縮合の際、反応温度は0〜50℃の範囲にあることが好ましい。
さらに、得られたシロキサン粒子にビニル単量体を吸収させる際、シロキサン粒子は溶媒に分散させておくことが好ましい。シロキサン粒子を分散させる溶媒としては、水又は水を主成分とする有機溶媒が好ましく、シロキサン粒子調製時の反応溶媒であってもよい。
またビニル単量体は、ビニル単量体を水に乳化させた乳化液とし、この乳化液をシロキサン粒子に添加することが好ましい。
前記乳化液は、乳化剤を含んでいてもよい。乳化剤を共存させることで、粒子の分散状態を安定化させやすくなる。
前記乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンスチレン化アリールエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等のノニオン性界面活性剤;等が挙げられ、アニオン性界面活性剤が好ましい。
ビニル単量体をシロキサン粒子に吸収させる際には、攪拌しておくことが好ましい。
シロキサン粒子にビニル単量体を吸収させた後の重合方法としては、好ましくは、ラジカル重合が挙げられる。重合の際の反応温度は、40℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上であり、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。反応温度を高めることによりエチレン性不飽和結合の重合度を高めることができ、反応温度を抑制することで、重合体微粒子の凝集を抑制できる。また、重合時間は、5〜600分が好ましく、より好ましくは10〜300分である。
重合開始剤としては、水溶性重合開始剤を用いることが好ましい。
前記水溶性重合開始剤としては、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジスルフィド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキエチル)プロピオンアミド]等の水溶性アゾ重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;等が挙げられる。
水溶性重合開始剤は、ビニル単量体100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上であり、3質量部以下であることが好ましく、より好ましくは2質量部以下、さらに好ましくは1.5質量部以下である。
水溶性重合開始剤を追加する際には、水に溶解させておくことが好ましい。水は、水溶性重合開始剤1質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは15質量部以上であり、100質量部以下であることが好ましく、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
(導電性微粒子)
本発明の重合体微粒子は、導電性微粒子の基材として用いることができる。本発明の重合体微粒子は、表面に凹凸を有するため比表面積が大きく、特にこの凹凸の凸部が電極に食い込みやすいいため、この重合体微粒子を導電性微粒子の基材とすると、電気的接続をより確実なものとして、接続抵抗を低減することが容易となる。
このような導電性微粒子では、上記重合体微粒子(基材粒子)の表面に少なくとも一層の導電性金属層が形成されている。
導電性金属層を構成する金属としては、例えば、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、錫が導電性に優れた導電性微粒子となることから好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Au、Ni−Pd、Ni−Pd−Au、Ni−Ag、Ni−P、Ni−B、Ni−Zn、Ni−Sn、Ni−W、Ni−Co、Ni−W、Ni−Ti);銅、銅合金(CuとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg、Ni、Sn、Znとの合金);銀、銀合金(AgとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg−Ni、Ag−Sn、Ag−Zn);錫、錫合金(たとえばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Cu−Ag、Sn−Zn、Sn−Sb、Sn−Bi−Ag、Sn−Bi−In、Sn−Au、Sn−Pb等)等が好ましい。中でもニッケル、ニッケル合金が好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル−金、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金、ニッケル−銀等の組合せが好ましく挙げられる。
前記導電性金属層の厚さは、0.01μm以上が好ましく、より好ましくは0.03μm以上、さらに好ましくは0.05μm以上であり、0.3μm以下が好ましく、より好ましくは0.25μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下、いっそう好ましくは、0.15μm以下である。基材とする重合体微粒子は、比表面積が所定範囲となるような凹凸をその表面に有しており、導電性金属層の厚さが上記範囲内であれば、導電性微粒子とした後でも、その表面に重合体微粒子の表面形状に対応した凹凸が形成され、接続安定性が良好となる。
なお、前記導電性金属層は、重合体微粒子表面の少なくとも一部を被覆していればよいが、導電性金属層の表面には、実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面が存在しないことが好ましい。ここで、「実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面」とは、走査型電子顕微鏡(倍率1000倍)を用いて任意の10000個の導電性微粒子の表面を観察したときに、導電性金属層の割れ、および、重合体微粒子表面の露出が、実質的に目視で観察されないことを意味する。
本発明の導電性微粒子の体積平均粒子径は、1.1μm以上が好ましく、より好ましくは1.6μm以上、さらに好ましくは2.1μm以上であり、51μm以下が好ましく、より好ましくは41μm以下、さらに好ましくは36μm以下、より一層好ましくは31μm以下である。体積平均粒子径がこの範囲内であれば、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。また、導電性微粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、10.0%以下が好ましく、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下、一層好ましくは4.5%以下、特に好ましくは4.0%以下である。
なお、導電性微粒子の体積平均粒子径としては、フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて求めた、3000個の粒子の体積基準の平均粒子径を採用することが好ましい。
本発明の導電性微粒子は、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有することもできる。つまり、前記導電性金属層の表面にさらに絶縁性樹脂層を設けた態様であってもよい。このように表面の導電性金属層にさらに絶縁性樹脂層が積層されていると、高密度回路の形成時や端子接続時などに生じやすい横導通を防ぐことができる。
前記絶縁性樹脂層としては、導電性微粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力及び/又は加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート重合体および共重合体;ポリスチレン;等の熱可塑性樹脂やその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂等)等の熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂およびこれらの混合物;等が挙げられる。但し、基材粒子(重合体微粒子)に比べて絶縁性樹脂層が硬過ぎる場合には、絶縁性樹脂層の破壊よりも先に基材粒子(重合体微粒子)自体が破壊してしまうおそれがある。したがって、絶縁性樹脂層には、未架橋または比較的架橋度の低い樹脂を用いることが好ましい。
前記絶縁性樹脂層は、単層であっても、複数の層からなるものであってもよい。例えば、単一又は複数の皮膜状の層が形成されていてもよいし、絶縁性を有する粒状、球状、塊状、鱗片状その他の形状の粒子を導電性金属層の表面に付着させた層であってもよいし、さらには、導電性金属層の表面を化学修飾することにより形成された層であってもよく、または、これらが組み合わされたものであってもよい。絶縁性樹脂層の厚さは0.01μm以上、1μm以下が好ましく、より好ましくは0.02μm以上、0.5μm以下、さらに好ましくは0.03μm以上、0.4μm以下である。絶縁性樹脂層の厚さが前記範囲内であれば、導電性微粒子による導通特性を良好に維持しつつ、粒子間の電気絶縁性が良好となる。
導電性金属層の形成方法および絶縁性樹脂層の形成方法は特に限定されないが、例えば導電性金属層は、基材表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により形成できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
(異方性導電材料)
本発明の異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子とバインダー樹脂とを含み、導電性微粒子がバインダー樹脂に分散している。異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基板同士や電極端子間に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサーおよびその組成物)も含まれる。異方性導電材料の好適な用途としてはタッチパネルの入力用、LED用などが挙げられ、特にタッチパネルの実装用に好適に用いられる。
前記バインダー樹脂は絶縁性の樹脂であり、例えば、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの熱可塑性樹脂;グリシジル基を有する単量体やオリゴマーおよびイソシアネートなどの硬化剤との反応により硬化する硬化性樹脂組成物;光や熱により硬化する硬化性樹脂組成物;等が挙げられる。
なお、本発明の異方性導電材料は、前記バインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を分散させ、所望の形態とすることで得られるが、例えば、バインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用し、接続しようとする基材間や電極端子間に導電性微粒子をバインダー樹脂とともに存在させることによって接続してもかまわない。
本発明の異方性導電材料において、導電性微粒子の含有量は、用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、異方性導電材料の全量中1体積%以上が好ましく、より好ましくは2体積%以上、さらに好ましくは5体積%以上であり、50体積%以下が好ましく、より好ましくは30体積%以下、さらに好ましくは20体積%以下である。導電性微粒子の含有量が少なすぎると、充分な電気的導通が得られ難い場合があり、一方、導電性微粒子の含有量が多すぎると、導電性微粒子同士が接触してしまい、異方性導電材料としての機能が発揮され難い場合がある。
本発明の異方性導電材料におけるフィルム膜厚、ペーストや接着剤の塗工膜厚、印刷膜厚等については、使用する本発明の導電性微粒子の粒子径と、接続すべき電極の仕様とを考慮し、接続すべき電極間に導電性微粒子が挟持され、且つ接続すべき電極が形成された接合基板同士の空隙がバインダー樹脂層により充分に満たされるように、適宜設定することが好ましい。
本発明の重合体微粒子は、表面に収縮痕を有し、かつ有機溶剤に対する成分の溶出が抑制されている。従って、アンチブロッキング剤、光拡散剤等の各種樹脂用添加剤;艶消し剤、トナー用添加剤、粉体塗料、水分散型塗料、化粧板用添加剤、人工大理石用添加剤、化粧品用充填剤、クロマトグラフィーのカラム充填剤等に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
溶出成分量
計量した1gの粒子を、トルエン100ml中に入れ、得られた分散液を180℃で24時間還流させる。還流後の粒子を、フィルターを用いて吸引ろ過を行なうことで取り出し、粒子を130℃で3時間乾燥させる。乾燥後の粒子を計量しA(g)とする。以下の式にAを代入することでトルエンに対する溶出成分量を算出する。
溶出成分量(%)=(1−A)×100
溶出成分量が3%以下のものを○、5%を超えるものを×とする。
体積平均粒子径、粒子径の変動係数
精密粒度分布測定装置(商品名「コールターマルチサイザーIII型」、ベックマンコールター株式会社製)を用いて、重合体微粒子の30000個の粒子の粒子径を測定し、体積基準での平均粒子径、標準偏差を測定した。また、得られた測定結果から、下記式を用いて重合体微粒子の粒子径の変動係数を算出した。
変動係数(%)=100×(標準偏差/平均粒子径)
比表面積
得られた重合体微粒子の比表面積を自動比表面積/細孔分布測定装置〔日本ベル(株)製、商品名:BELLSORPMini−II〕を用いて測定した。
真比重
得られた重合体微粒子の真比重をアキュピックII1340(島津製作所製)を用いて測定した。
ケイ素含有量
ケイ素含有量は、重合体微粒子1gを空気雰囲気下で950℃で焼成したときの灰分質量(これをSiO量とする)からSi分に相当する質量を算出し、該Si量を焼成処理に供した重合体微粒子の質量で除すことにより求めた。灰分質量からSi分に相当する質量は、灰分質量に0.4672(Si原子量/SiO式量)を乗じることによって求めた。
重合体微粒子の表面形状観察
走査型電子顕微鏡(SEM、日立社製「S−3500N」)を用いて、各重合体微粒子に存在する各収縮痕の最狭部の幅を5以上測定し、その測定値を平均して、各重合体微粒子の収縮痕の短径とした。この方法により重合体微粒子20個について、その短径を算出し、その平均を各製造例の重合体微粒子の収縮痕の短径とした。
(製造例1)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水286部と、25%アンモニア水4部、メタノール141部を入れ、攪拌下、滴下口からシラン単量体としてMPTMS(信越化学工業社製、「KBM503」)30部を添加して、MPTMSの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有するシロキサン粒子(重合性ポリシロキサン粒子)の乳濁液を調製した。反応開始から2時間後、得られたポリシロキサン粒子の乳濁液をサンプリングし、粒子径を測定したところ、体積平均粒子径は1.72μmであった。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製、「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液2部をイオン交換水90部で溶解した溶液に、ビニル単量体としてのDVB(新日鉄住金化学社製「DVB960」)90部を加え、乳化分散させてビニル単量体を含む乳化液を調製した。
得られた乳化液をポリシロキサン粒子の乳濁液に加え、一時間撹拌した後、さらに、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液6部と、2,2’−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン)(和光純薬工業社製、「VA−57」)1部をイオン交換水30部で溶解した溶液を加え、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、120℃で2時間真空乾燥させて、重合体微粒子(1)を得た。得られた重合体微粒子の収縮痕の短径の測定結果は、表1に示す通りであった。また、重合体微粒子の粒子径、各物性は表2に示すとおりであった。
(製造例2〜6)
シラン単量体、イオン交換水、メタノール、アンモニア水の量を適宜変更して表2に示す通りの体積基準の平均粒子径のポリシロキサン粒子(シード粒子)を作製し、ビニル単量体、重合開始剤の種類と使用量を表2に示す通りに変更したこと以外は製造例1と同様にして、重合体微粒子(2)〜(6)を得た。重合体微粒子の収縮痕の短径の測定結果は、表1に示す通りであった。また、重合体微粒子(2)〜(6)の粒子径、各物性は表1、2に示すとおりであった。
なお表2中、KPSは過硫酸カリウムを表し、V−65は2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,6−HXは1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを表す。
本発明の重合体微粒子は、表面に収縮痕を有し、かつ有機溶剤に対する成分の溶出が抑制されている。従って、アンチブロッキング剤、光拡散剤等の各種樹脂用添加剤;艶消し剤、トナー用添加剤、粉体塗料、水分散型塗料、化粧板用添加剤、人工大理石用添加剤、化粧品用充填剤、クロマトグラフィーのカラム充填剤等に用いることができる。

Claims (6)

  1. 表面に収縮痕を有し、前記収縮痕の短径と、重合体微粒子の直径Dの比率(収縮痕の短径/重合体微粒子直径D)が、0超、1未満であり、
    ケイ素原子の含有量が3質量%以上である重合体微粒子。
  2. BET法により測定した比表面積(S1)と下記式で求められる理論比表面積(S0)との比率(S1/S0)が1.1以上、20以下である請求項1に記載の重合体微粒子。
    理論比表面積(S0)(m2/g)=6/(重合体微粒子の真比重(g/cm3)×重合体微粒子の体積平均粒子径(μm))
  3. 体積平均粒子径が、0.1μm以上、20μm以下である請求項1又は2に記載の重合体微粒子。
  4. 体積平均粒子径が1μm以上、20μm以下であり、比表面積が3m2/g以上である請求項1〜3のいずれかに記載の重合体微粒子。
  5. 重合体微粒子を形成する単量体中、架橋性単量体の割合が10質量%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の重合体微粒子。
  6. 粒子径の変動係数が、15%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の重合体微粒子。
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