JP2017135357A - 印刷配線板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】物性の異なる2種以上の絶縁材料からなるビルドアップ層を形成した印刷配線板に関して、ビルドアップ層におけるスルーホールの形成が容易であり、かつ積層時にスルーホール断線が発生しない印刷配線板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁体1に導体回路2を形成したコア層10と、このコア層10の少なくとも一方の面に積層した第1の樹脂からなるビルドアップ層3と、第1ビルドアップ層3の表面に積層した、キャビティ6または貫通孔60を有する第2の樹脂からなる第2ビルドアップ層30と、キャビティ6または貫通孔60内を通り、コア層10と第1および第2ビルドアップ層3,30とを貫通するスルーホール5とを備え、前記キャビティ6または貫通孔60には、前記第1の樹脂が充填されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気特性、機械特性、加工性などの物性が異なる2種以上の絶縁材料を用いたハイブリッド構造を有する印刷配線板およびその製造方法に関する。
近年、電子機器の高機能化および高性能化に伴い、これに用いられる印刷配線板の高密度実装化と薄形化が求められている。そこで、高耐熱・低熱膨張基材と、高熱伝導基材の組み合わせによる半導体実装に適合した高性能ビルドアップ基板の開発・実用化が進んでいる。
このような印刷配線板としては、電気特性、機械特性、加工性などの物性が異なる2種以上の絶縁材料を用いたハイブリッド構造基板が挙げられる。
従来、ハイブリッド構造基板の製造は、各機能基板を分割製造後に特殊な接着剤で張り合わせて行われている。このような製造方法としては、例えば、部品を実装し実装部品間を接続する配線が形成された通常の機能の基板と、アンテナ基板とを、別々に製造後、最後に張り合わせて一体化し1枚の基板を製造する方法が挙げられる。
あるいは、物性の異なる2種以上の絶縁材料を用い、一体成形によって製造する方法も挙げられる。このような方法は、まず、それぞれの材料種別に例えば4層板、2層板などの複数層からなる積層板を形成する。次に、それぞれの積層板をどちらか一方の材料として使用している樹脂、または全く別の熱硬化型樹脂で張り合わせて一体化する。その後、スルーホール孔あけ、めっき、サブトラクティブ工法でパターン形成を行うか、またはスルーホール孔あけ後にMSAPなどのパターンめっき工法を用いてパターン形成を行ってハイブリッド構造を有する印刷配線板を製造する。
このようなハイブリッド構造を有する印刷配線板を図9に示す。図9に示す印刷配線板100’は、絶縁体1’に導体回路2’を形成したコア層10’と、このコア層10’の表面に形成したビルドアップ層3’と、このビルドアップ層3’と異なる絶縁材料(樹脂)からなる最外ビルドアップ層30’とを含む。この印刷配線板100’の表裏面を貫通するスルーホール5’を設ける。このスルーホール5’の内壁面および開口部周辺には導体層(スルーホールめっき)7’を設ける。
このうち、ビルドアップ層3’と最外ビルドアップ層30’とは、異なる樹脂が用いられる。特に、最外ビルドアップ層30’としては、低誘電材である液晶ポリマー(LCP)などが使用される。
しかしながら、物性の異なる2種以上の絶縁材料を用いた印刷配線板において、スルーホール5’を加工する場合、物性の異なる2種以上の絶縁材料に対する無電解めっきプロセス(樹脂粗化含む)の問題、また熱膨張係数の違いによるスルーホール断線の問題などがある。
すなわち、図9に示すビルドアップ層3’および最外ビルドアップ層30’のそれぞれの樹脂によって、デスミアを含む粗化の耐性(耐過マンガン酸性や耐プラズマ性)などに差がある。そのため、加工性(樹脂の粗化のされやすさ)に差異が発生し、粗化後の樹脂表面の凹凸に差が出てしまう。この樹脂表面の凹凸が少ないと無電解めっきの密着が悪くなり、結果的にスルーホール下孔の内壁面へ電解めっきの密着も悪くなり、めっきが剥がれたりして、スルーホール5’の接続信頼性を劣化させてしまう。
樹脂が異なると熱膨張係数も異なるため、物性の異なる2種以上の絶縁材料を用いると、スルーホールの縦方向の樹脂の境界から熱膨張係数が変わる。部品実装時や部品実装後装置として稼働時の装置全体の発熱による樹脂の膨張収縮で、この樹脂の境界にストレスが集中する。そのため、導体層7’にクラックが入るか、または樹脂の境界部に樹脂クラックが発生して導体層7’にクラックが入り、スルーホール断線が発生してしまう。
このような問題に対して、例えば、特許文献1には、二重構造スルーホールビアと一重構造スルーホールビアの物性値の差異を無くし、片方のスルーホールビアに応力が集中しないようにすることで、スルーホールビアのクラックを防止することが記載されている。
しかしながら、物性の異なる2種以上の絶縁材料を使用したとき、スルーホール断線の発生を防ぐために、導体層7’の厚みが厚く(30μm以上)なり、サブトラクティブ工法では微細配線が形成できない。サブトラクティブ工法とMSAPなどのパターンめっき工法を併用すれば微細配線形成は可能だが、製造工程が増えて作業が煩雑になり、製造にコストがかかってしまう。
特開2013−089902号公報
本発明は、物性の異なる2種以上の絶縁材料からなるビルドアップ層を形成した印刷配線板に関して、ビルドアップ層におけるスルーホールの形成が容易であり、かつ積層時にスルーホール断線が発生しない印刷配線板およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するべく完成されたものであって、以下の構成からなる。
(1)絶縁体に導体回路を形成したコア層と、コア層の少なくとも一方の面に積層した第1の樹脂からなる少なくとも1層の第1ビルドアップ層と、第1ビルドアップ層の表面に積層した、キャビティまたは貫通孔を有する第2の樹脂からなる第2ビルドアップ層と、キャビティまたは貫通孔内を通り、コア層と第1および第2ビルドアップ層とを貫通するスルーホールとを備え、キャビティまたは貫通孔には、第1の樹脂が充填されていることを特徴とする印刷配線板。
(2)コア層の絶縁体を形成する樹脂と第1ビルドアップ層を形成する第1の樹脂とが、同じ樹脂である上記(1)に記載の印刷配線板。
(3)前記第2ビルドアップ層において、前記スルーホールの開口部周辺に、導体が充填された複数のフィルドビアが配置されている(1)または(2)に記載の印刷配線板。
(4)前記フィルドビアが、前記スルーホールの開口部の少なくとも一部を囲むように配置されている(3)に記載の印刷配線板。
(5)前記フィルドビアが、前記スルーホールを中心にして同一円周上に配置されている(4)に記載の印刷配線板。
(6)絶縁体に導体回路を形成してコア層を得る工程と、コア層の少なくとも一方の面に、第1の樹脂からなる少なくとも1層の第1ビルドアップ層およびキャビティまたは貫通孔を有する第2の樹脂からなる第2ビルドアップ層を、この順で積層させる工程と、キャビティまたは貫通孔内を通り、コア層と第1および第2ビルドアップ層とを貫通するスルーホールを形成する工程とを含み、前記第1ビルドアップ層および前記第2ビルドアップ層を積層させる工程が、コア層の少なくとも一方の面に、少なくとも1層の第1のプリプレグおよびキャビティまたは貫通孔を有する半硬化樹脂層または硬化樹脂層をこの順で重ねて、熱プレスに供することによって行われ、前記第1のプリプレグの溶融した樹脂が、前記キャビティまたは貫通孔内に充填されることを特徴とする印刷配線板の製造方法。
(7)前記キャビティを有する半硬化樹脂層または硬化樹脂層の一方の面に銅箔が形成されており、前記キャビティの開口部が、前記第1のプリプレグ側に位置している(6)に記載の印刷配線板の製造方法。
(8)前記コア層の絶縁体を形成する樹脂と前記第1のプリプレグを形成する樹脂とが、同じ樹脂である(6)または(7)に記載の印刷配線板の製造方法。
(9)前記キャビティが、レーザ加工によって形成される(6)〜(8)のいずれかに記載の印刷配線板の製造方法。
(10)前記第2ビルドアップ層において、スルーホールの開口部周辺に、導体が充填されたフィルドビアを複数形成する工程を、さらに含む(6)〜(9)のいずれかに記載の印刷配線板の製造方法。
本発明によれば、スルーホールが形成されるキャビティに、第1ビルドアップ層を形成する第1の樹脂が充填されている。そのため、スルーホールの無電解めっきプロセス(樹脂粗化)が容易であり、かつスルーホール内壁面のめっき厚が比較的薄くても熱膨張係数の差によるスルーホール断線が発生せず、スルーホール接続信頼性が向上する。
さらに、印刷配線板の製造時において熱プレスの際に、スルーホールが形成されるキャビティに、溶融した第1の樹脂が充填される。そのため、樹脂の熱膨張係数の差を緩和させ、接続信頼性が向上したスルーホールを容易に形成することができる。
本発明に係る印刷配線板の一実施形態を示す説明図である。 (a)〜(d)は、本発明に係る印刷配線板の製造方法の一実施形態を示す工程説明図である。 (e)〜(f)は、本発明に係る印刷配線板の製造方法の一実施形態を示す工程説明図である。(f’)は、本発明に係る印刷配線板の製造方法の一実施形態の変形例を示す説明図である。 (a)〜(d)は、本発明に係る印刷配線板の製造方法の別の実施形態を示す工程説明図である。 (e)〜(f)は、本発明に係る印刷配線板の製造方法の別の実施形態を示す工程説明図である。(f’)は、本発明に係る印刷配線板の製造方法の別の実施形態の変形例を示す説明図である。 (a)は本発明に係る印刷配線板のさらに別の実施形態を示す説明図であり、(b)は(a)の破線で囲んだ領域Xを矢印Y方向から見た第2ビルドアップ層の最下部の平断面図である。 本発明に係る印刷配線板のさらに別の実施形態を示す説明図である。 スルーホールの開口部周辺に配置された複数のフィルドビアの一例を示す説明図である。 従来の印刷配線板を示す説明図である。
印刷配線板100は、図1に示すように、絶縁体1上に導体回路2を形成したコア層10と、このコア層10の両面に絶縁材料となる樹脂及び導体回路で形成した第1ビルドアップ層3と、この第1ビルドアップ層3の表面に形成した第2ビルドアップ層30と、スルーホール5とを含む。
スルーホール5は、コア層10、第1ビルドアップ層3、および第2ビルドアップ層30を貫通している。スルーホール5の内部に樹脂は充填されず、かつ内壁面にスルーホールめっきとして、銅めっきなどの金属めっきからなる導体層7を有する。
また、印刷配線板100には、コア層10の導体回路2と接続するビア4や、導体回路20と接続し、印刷配線板100の最外層に設けられるビア40、このビア40を保護するためのソルダーレジスト層9などを適宜設置してもよい。
絶縁体1は、絶縁性を有する素材で形成されていれば特に限定されない。このような絶縁性を有する素材としては、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂などの有機樹脂などが挙げられる。これらの有機樹脂は2種以上を混合して用いてもよい。
絶縁体1として有機樹脂を使用する場合、有機樹脂に補強材を配合して使用するのが好ましい。補強材としては絶縁性布材、例えば、ガラス繊維、ガラス不織布、アラミド不織布、アラミド繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。これらの補強材は2種以上を併用してもよい。絶縁体1は、好ましくはガラス繊維などのガラス材入り有機樹脂から形成される。さらに、絶縁体1には、シリカ、硫酸バリウム、タルク、クレー、ガラス、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機充填材が含まれていてもよい。また、絶縁体1は、絶縁性布材を有していてもよい。絶縁体1は単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
絶縁体1の両面には、導体回路2が形成される。導体回路2は、他の部品や基材と電気的に接続する導電回路であれば特に制限はなく、例えば、導電性樹脂や金属めっき等が挙げられるが、エッチング等の加工のしやすさから銅めっきであるのが特に好ましい。この銅めっきは、化学銅めっき(無電解銅めっき)でもよいが、電解銅めっきであるのがよい。
この導体回路2は、例えば、ドリル加工またはレーザ加工によって絶縁体1に孔部を形成し、この孔部にめっき処理にて導体を設けて形成してもよく、また、めっき処理後、孔内を必要に応じて樹脂で充填してもよい。
コア層10は、絶縁体1上に導体回路2を形成したものである。このコア層10の両面には第1ビルドアップ層3が設けられる。この第1ビルドアップ層3は絶縁樹脂からなる層及び導体回路を積層したものである。図1に示す実施形態では、第1ビルドアップ層3は2層構造を有しており、同じ絶縁樹脂層31、32及び導体回路20,21から形成されている。
絶縁樹脂層31は、コア層10の導体回路2と電気的に接続されるビア4を備える。ビア4は穴部の内壁面に導体材料を被着または充填することによって形成される。絶縁樹脂層32は、絶縁樹脂層31上に設けた導体回路20と接続するビア40を備える。このビア40は、穴部に導体材料を被着または充填して形成される。
第1ビルドアップ層3(絶縁樹脂層31、32)を形成する第1の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。第1ビルドアップ層3とコア層10を形成する絶縁体1とは、好ましくは同じ樹脂(第1の樹脂)で形成される。なお、ビア4およびビア40の形成位置や個数は限定されず、第1ビルドアップ層3のいずれかに適宜設けて良い。
第1ビルドアップ層3には、キャビティ6を有する第2ビルドアップ層30が設けられる。この第2ビルドアップ層30は、第1ビルドアップ層3とは異なる樹脂(第2の樹脂)で形成される。この第2の樹脂は第1の樹脂と異なれば特に限定されず、例えば、低誘電性を有する樹脂など所望の特性に応じて適宜選択される。このような第2の樹脂としては、例えば液晶ポリマー(LCP)、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリフェニレンオキシド(PPO)樹脂などが挙げられる。
スルーホール5は、コア層10、第1ビルドアップ層3および第2ビルドアップ層30のキャビティ6内を通り、印刷配線板100の上下面を貫通するものである。スルーホール5の内壁面および開口部には、例えば、銅めっきなどの金属めっきからなる導体層7が形成される。この導体層7は印刷配線板100の上下面にある図示しない配線パターンに接続される。
スルーホール5が貫通するキャビティ6には、第1ビルドアップ層3を形成している第1の樹脂が充填されている。すなわち、キャビティ6において、スルーホール5の内壁面に形成された導体層7は、第2ビルドアップ層30の樹脂ではなく、第1ビルドアップ層3を形成している第1の樹脂と接する。キャビティ6の設置数および設置場所は、スルーホール5の数および場所に対応する。なお、キャビティ6の形状は特に限定されず、例えば、図1に示すように、コア層10側から表面側に向けて狭くなるテーパー状に形成される。
第2ビルドアップ層30は、絶縁樹脂層32上の導体回路21と接続するビア41を備えてもよい。このビア41は、上記したビア4、40と同様に穴部に導体材料を被着または充填して形成される。図1に示すように、必要に応じて、このビア41及び図示しない配線パターンを保護するためのソルダーレジスト層9が形成されていてもよい。
図6(a)に示す印刷配線板104では、第2ビルドアップ層30において、スルーホール5の開口部周辺に、複数のフィルドビア44が配置されている。フィルドビア44は、リベットのように働き、第2ビルドアップ層30を固定する、すなわちコア層10側に押さえつける作用を有する。そのため、印刷配線板104が高温環境下に曝された場合であっても、例えば大きな熱膨張係数を有する第2の樹脂の熱膨張を抑制することができる。その結果、スルーホールの内壁面および開口部周辺に形成される導体層7の厚みが薄くても、導体層7のコーナクラックの発生がより抑制される。フィルドビア44は電気的に独立しており、配線パターン(図示せず)などに接続されていない。
フィルドビア44に充填されている導体は特に限定されず、例えば、第2の樹脂よりも小さい熱膨張係数を有する導体が好ましい。このような導体としては、例えば銅、アルミニウム、金、銀、コバルト、鉄、パラジウムなどが挙げられる。しかし、コストまたはスルーホール5および配線パターンの形成に主に用いる銅表面を汚染しないために、この導体は銅であることが好ましい。フィルドビア44の開口部の径は限定されない。例えば、スルーホール5の開口部の径よりも小さい。印刷配線板104の大きさにもよるが、フィルドビア44の開口部の径は、好ましくはスルーホール5の開口部の径の2〜4割程度の大きさである。
フィルドビア44の配置については、図6(b)に示すように、スルーホール5の壁面と各フィルドビア44の壁面との距離dが一定となるように配置されるのが好ましい。このように距離dが一定となるように、すなわちフィルドビア44が、スルーホール5を中心にして同一円周上に配置されると、リベットとしての効果がより強く発揮される。その結果、第2の樹脂の熱膨張をより効率よく抑制することができる。図6(b)では、1つのスルーホール5に対して、8個のフィルドビア44を形成している。しかし、2個以上、好ましくは3個以上であれば、第2の樹脂の熱膨張を抑制することができる。
スルーホール5とフィルドビア44との距離は特に限定されない。スルーホール5とフィルドビア44とは、少なくとも0.3mmの壁面間の距離(図6(b)の場合、距離d1)を設けて配置されるのが好ましい。少なくとも0.3mmの壁面間の距離を設けることによって、リベットとしての効果がより強く発揮され、第2の樹脂の熱膨張をより効率よく抑制することができる。上限については、スルーホール5周辺部に存在するスペースや、第1の樹脂および第2の樹脂の種類などにもよるが、好ましくは0.5mm程度である。
隣接するフィルドビア44間の距離は特に限定されない。隣接するフィルドビア44は、少なくとも0.3mmの壁面間の距離(図6(b)の場合、距離d2)を設けて配置されるのが好ましい。少なくとも0.3mmの壁面間の距離を設けることによって、リベットとしての効果がより強く発揮され、第2の樹脂の熱膨張をより効率よく抑制することができる。上限については、スルーホール5周辺部に存在するスペースや、第1の樹脂および第2の樹脂の種類などにもよるが、好ましくは0.5mm程度である。
上述したキャビティ6は、図7に示す印刷配線板101のように下側ランド8が形成される領域より大きくしても良い。キャビティ6の領域を下側ランド8より大きくすることで、下側ランド8が第2ビルドアップ層の樹脂(硬化樹脂)30cに接しなくなる。つまり、下側ランド8は第1ビルドアップ層3を形成している第1の樹脂のみと接する。下側ランド8の形成箇所においても、無電解めっきプロセス(樹脂粗化)が容易になり、ランド剥がれが発生せず、スルーホール接続信頼性が更に向上する。また、この印刷配線板101にも、第2ビルドアップ層の樹脂30cにおいて、スルーホール5の開口部周辺に、導体が充填されたフィルドビア44を複数形成すれば、スルーホールコーナ部へのストレスから起こるコーナクラックの発生がより抑制され、スルーホール接続信頼性が更に向上する。
次に、本発明に係る印刷配線板の製造方法を説明する。本発明に係る印刷配線板の製造方法は、下記の工程(I)〜(III)を含む。
(I)絶縁体に導体回路を形成してコア層を得る工程。
(II)コア層の少なくとも一方の面に、第1の樹脂からなる少なくとも1層の第1ビルドアップ層およびキャビティを有する第2の樹脂からなる第2ビルドアップ層を、この順で積層させる工程。
(III)キャビティ内を通り、コア層と第1および第2ビルドアップ層とを貫通するスルーホールを形成する工程。
本発明に係る印刷配線板の製造方法の一実施形態を、図2および3に基づいて説明する。なお、上述した部材についての説明は省略する。
まず、導体(銅箔)を形成済みの絶縁体1に公知の方法でエッチングレジストであるドライフィルム(図示せず)を貼付して露光および現像し、導体をエッチング後、導体回路2を形成した場所のドライフィルムを剥離すると、図2(a)に示すような導体回路2を有するコア層10となる。なお、導体層が内壁面に被着された孔部1aは、導体(銅箔)を形成済みの絶縁体1にドリル加工またはレーザ加工により貫通させて、絶縁体1全体をめっきすることによって、孔部に導体を設けて形成する。
次に、図2(b)に示すように、コア層10の両面に、絶縁樹脂層31を形成する。絶縁樹脂層31を形成する絶縁樹脂は、上述の第1の樹脂であり、好ましくは、コア層10の絶縁体1を形成している樹脂と同じである。この絶縁樹脂層31の表面に、さらに導体回路20を形成する。導体回路20の形成方法は、上記したコア層10の導体回路2と同様に行えばよい。この絶縁樹脂層31には、コア層10の導体回路2と電気的に接続するビア4が形成される。
次に、図2(c)に示すように、コア層10の上面側に形成された絶縁樹脂層31の表面に、絶縁樹脂層32を形成する第1のプリプレグ32’と、銅箔21aをレイアップする(それぞれ位置を合わせつつ、順に載せる)。
さらに、コア層10の下面側に形成された絶縁樹脂層31の表面には、絶縁樹脂層32を形成する第1のプリプレグ32’と、後述のキャビティ6に対応した位置に孔6aを予めレーザ加工やドリル加工などで形成した銅箔21aと、キャビティ6を形成した樹脂付き銅箔30aとをレイアップする。この孔6aは、好ましくはキャビティ6の開口部とほぼ同じ径になるように設けられる。
樹脂付き銅箔30aは、銅箔30dの一方の面に、第1のプリプレグ32’の樹脂とは異なる樹脂(半硬化樹脂)30bを被着して、一体化したものである。樹脂付き銅箔30aには、例えば、レーザでトレパニングすることによって、銅箔30dを貫通しないようにキャビティ6が形成されている。このとき、ドリル加工などの機械加工では、銅箔30dを貫通したり、銅箔30dに樹脂残渣が残る恐れがある。また、薬品などにより樹脂を溶かして除去すると、除去部分以外の樹脂が変質する恐れがある。そのため、レーザ加工が好ましい。
この樹脂付き銅箔30aの樹脂(半硬化樹脂)30bは、熱プレス後に第2ビルドアップ層30となる。このような樹脂付き銅箔30aとしては、R−F705T(パナソニック株式会社製)などを使用してもよい。
レイアップ後の積層板を熱プレスに供することによって、図2(d)に示すように、コア層10、第1ビルドアップ層3および第2ビルドアップ層30を含む積層板11が得られる。このとき、第1のプリプレグ32’に含まれる樹脂が熱により溶融し、図2(d)に示すように、この溶融した樹脂がキャビティ6の内部に充填される。さらに、ビア4内も同時に第1のプリプレグ32’に含まれる樹脂により充填される。
(変形例)
キャビティ6に換えて、貫通孔60としても良い。加工方法は、レーザだけでなく、ドリル加工、金型による打ち抜きなど、選択肢が増える。
この場合、樹脂付き銅箔30aの下面に離型フィルム(旭硝子株式会社製アフレックス25MW等)をレイアップすることで、熱プレス時に、第1のプリプレグ32’の溶融した樹脂が、樹脂付き銅箔30aの下面の銅箔30d表面に過剰に広がることを防止する。
熱プレス後、貫通孔60から銅箔30dの表面にやや広がった第1のプリプレグ32’の樹脂を切除あるいは研磨し、銅箔30dの表面と同じ高さになるように加工する。
次に、図3(e)に示すように、キャビティ6内を通って積層板11の上下面を貫通するように、スルーホール下孔5aをドリル加工またはレーザ加工により形成する。このとき、絶縁樹脂層31の導体回路20と電気的に接続するビア40形成用の穴部40aを、絶縁樹脂層32にレーザ加工により形成する。このレーザ加工で用いられるレーザ光としては、例えば、CO2レーザ、UV−YAGレーザなどが挙げられる。
なお、ドリル加工またはレーザ加工により形成したスルーホール下孔5aおよび穴部40aの開口部周縁や内壁面などに、開口時の樹脂の残渣(図示せず)が残ることがある。その場合は、デスミア処理により残渣を除去する。
次に、スルーホール下孔5aおよび穴部40aのそれぞれの孔(穴)内および積層板11の両面に導体材料にて導体層を形成する(めっき処理)。この導体材料としては、ビア4を形成したものと同じものが好ましく、例えば、銅めっきがよく、銅めっきは化学銅めっき(無電解銅めっき)でもよく、電解銅めっきでもよい。
穴部40aおよびスルーホール下孔5aをめっき処理した後、積層板11の表面に、公知の方法でドライフィルムを貼付する。その後、露光および現像し、穴部40aおよびスルーホール下孔5aの形成位置以外のドライフィルムを除去する。導体をエッチング後に導体回路等を形成した場所のドライフィルムを剥離すると、導体回路20と電気的に接続したビア40と、積層板11の上下面を貫通し、開口部周縁および内壁面に導体層7を形成したスルーホール5とを得ることができる。この導体層7の厚みは15μm以上であれば特に限定されないが、30μm未満であるのがよい。
最後に、第2ビルドアップ層30の表面に、絶縁樹脂層としてソルダーレジスト層9を形成し、表面処理を行うと、図3(f)に示す印刷配線板100が完成する。
また、図3(f’)に示す印刷配線板102が、変形例による完成図である。
なお、本実施形態では、第2ビルドアップ層30は印刷配線板100の片面のみに設けたが、これに限定されず、両面に第2ビルドアップ層30を設けることもできる。その場合、両側の第2ビルドアップ層30のスルーホール5の形成領域にキャビティ6を設ければよい。
本発明に係る印刷配線板の製造方法は、上記の工程(I)〜(III)に加え、下記の工程(IV)を、さらに含んでいてもよい。
(IV)第2ビルドアップ層において、スルーホールの開口部周辺に、導体が充填されたフィルドビアを複数形成する工程。
フィルドビア44を形成するには、図3(e)に示す樹脂付き銅箔30aにおいて、スルーホール下孔5aの開口部周辺に、フィルドビア44形成用の穴部を、例えば上述のレーザ加工により複数形成する。この穴部は、ビア40形成用の穴部40aの形成と同時に形成してもよい。次に、スルーホール下孔5aの内壁面および開口部周辺に、めっきによって導体(銅など)を被着させて導体層7を形成する。上記したビア40と同様に、めっきによって導体(銅など)がフィルドビア44形成用の穴部に充填され、フィルドビア44が形成される。なお、この後、ソルダーレジスト層9を形成し、表面処理を行うと、図6(a)に示すような印刷配線板104が形成される。
これまで第2ビルドアップ層として樹脂付き銅箔による実施形態で説明してきたが、樹脂付き銅箔に限るものではなく、2層基板を用いても良い。2層基板による実施形態を、図4、図5に基づいて説明する。なお、図4(a)、(b)は、上述の通りなので説明を省略する。
図4(c)に示すように、コア層10の上面側に形成された絶縁樹脂層31の表面に、絶縁樹脂層32を形成する第1のプリプレグ32’と、銅箔21aをレイアップする。
さらに、コア層10の下面側に形成された絶縁樹脂層31の表面には、絶縁樹脂層32を形成する第1のプリプレグ32’と、2層基板35aとをレイアップする。
2層基板35aは、レイアップに先立ち、以下の加工を施しておく必要がある。
まず、2層基板35aの上下面を貫通するように、ビア45の下孔をドリル加工またはレーザ加工により形成する。このレーザ加工で用いられるレーザ光としては、例えば、CO2レーザ、UV−YAGレーザなどが挙げられる。
なお、ドリル加工またはレーザ加工により形成したビア45の下孔の開口部周縁や内壁面などに、開口時の樹脂の残渣(図示せず)が残ることがある。その場合は、デスミア処理により残渣を除去する。
2層基板35aは、導体(銅箔)を形成済みの絶縁体35を用いるのが良い。
次に、ビア45の下孔の孔内および2層基板35aの両面に導体材料を被着または充填することによって導体層を形成する(めっき処理)。この導体材料としては、ビア4を形成したものと同じものが好ましく、例えば、銅めっきがよく、銅めっきは化学銅めっき(無電解銅めっき)でもよく、電解銅めっきでもよい。
さらに、ビア45をめっき処理した後、2層基板35aの両面に公知の方法でドライフィルムを貼付する。マスク(図示せず)は2層基板35aの上面にのみ貼り付け、露光および現像する。つまり、2層基板35aの上面のビア4のランド(図示せず)、導体回路25の形成位置および後述のキャビティ6に対応した位置の開口6b以外、並びに、2層基板35aの下面全面にドライフィルムを形成する。導体をエッチング後に導体回路等を形成した場所のドライフィルムを剥離すると、導体回路25及び導体回路25と電気的に接続したビア45、開口6bとを得ることができる。この導体回路25及び導体35dの厚みは15μm以上であれば特に限定されないが、30μm未満であるのがよい。
次に、2層基板35aの上面の開口6bの位置に、キャビティ6を形成する。キャビティ6は、例えば、レーザでトレパニングすることによって、導体35dを貫通しないように形成する。
この2層基板35aを構成する材料としては、RO3003(Rogers Corporation製)、NPC−F275(日本ピラー工業株式会社製)、R−5785(パナソニック株式会社製)、Astra MT(Isola社製)などを使用してもよい。
レイアップ後の積層板を熱プレスに供することによって、図4(d)に示すように、コア層10、第1ビルドアップ層3および2層基板35aを含む積層板12が得られる。このとき、第1のプリプレグ32’に含まれる樹脂が熱により溶融し、図4(d)に示すように、この溶融した樹脂がキャビティ6の内部に充填される。さらに、ビア4内も同時に第1のプリプレグ32’に含まれる樹脂により充填される。
2層基板35aにフィルドビア44を形成してもよい。この場合フィルドビア44形成用の穴部を、例えば上述のレーザ加工により形成する。この穴部は、スルーホールが形成される周辺、すなわち、スルーホールの開口部周辺に複数設けられる。穴部の開口部周辺や内壁面などに、開口時の樹脂の残渣(図示せず)が残ることがある。その場合は、デスミア処理により残渣を除去する。穴部に、上述のめっきによって導体(銅など)が充填され、フィルドビア44が形成される。なお、フィルドビア44は、この段階で形成しなくてもよく、例えば、2層基板35bを図4(d)に示すように熱プレスした後、フィルドビア44形成用の穴部を形成し、次いでこの穴部に導体を充填して形成してもよい。
(変形例)
キャビティ6に換えて、貫通孔60としても良い。加工方法は、レーザだけでなく、ドリル加工、金型による打ち抜きなど、選択肢が増える。
この場合、2層基板35aの下面に離型フィルム(旭硝子株式会社製アフレックス25MW等)をレイアップすることで、熱プレス時に、第1のプリプレグ32’の溶融した樹脂が、2層基板35aの下面の導体35d面に過剰に広がることを防止する。
熱プレス後、貫通孔60から導体35dの表面にやや広がった第1のプリプレグ32’の樹脂を切除あるいは研磨し、導体35dの表面と同じ高さになるように加工する。
最後に、図5(e)、(f)に示す製造工程を経て、印刷配線板110が完成する。図5(e)、(f)は、図3(e)、(f)の通りなので説明を省略する。また、図5(f’)に示す印刷配線板112が、変形例による完成図である。なお、2層基板で説明したが、層数は2層に限定するものではなく、2層を超える多層であっても適用できることは言うまでもない。
以上のように、この印刷配線板の製造方法によると、熱プレスの際に、スルーホールが形成されるキャビティに、溶融した第1の樹脂が充填される。そのため、無電解めっきプロセス(樹脂粗化)が容易であり、かつスルーホール内壁面のめっき厚が比較的薄くても熱膨張係数の差によるスルーホール断線が発生せず、スルーホール接続信頼性が向上する。また、サブトラクティブ法だけで製造できるので、製造工程が増えず、コストダウンにつながる。
本発明の一実施形態に係る印刷配線板は、上述の実施形態に限定されない。例えば、図6(a)および(b)に示す実施形態では、第2ビルドアップ層30は印刷配線板104の片面のみに設けられている。しかし、両面に第2ビルドアップ層30が設けられていてもよい。その場合、上下面両方の第2ビルドアップ層30において、スルーホール5の開口部周辺に、複数のフィルドビア44が形成されてもよい。
さらに、上述の実施形態では、図6(b)に示すように、1つのスルーホール5の開口部を複数のフィルドビア44が囲むように配置されている。しかし、複数のスルーホール5が集中して形成されているような場合、図8に示すように、複数のスルーホール5をまとめて、複数のフィルドビア44で囲んでもよい。
1 絶縁体
1a 孔部
2、20、21、25 導体回路
21a 銅箔
3、3’ ビルドアップ層
30 第2ビルドアップ層
30’ 最外ビルドアップ層
31 絶縁樹脂層
32 絶縁樹脂層
32’ 第1のプリプレグ
30a 樹脂付き銅箔
30b 樹脂(半硬化樹脂)
30c 樹脂(硬化樹脂)
30d 銅箔
35 絶縁体
35a 2層基板
35d 導体
4、40、41、45 ビア
4a、40a 穴部
44 フィルドビア
5、5’ スルーホール
5a スルーホール下孔
6 キャビティ
6a 孔
6b 開口
60 貫通孔
7、7’ 導体層
7a 導体
8 下側ランド
9 ソルダーレジスト層
10 コア層
11、12 積層板
100、101、102、104、110、112、100’ 印刷配線板

Claims (10)

  1. 絶縁体に導体回路を形成したコア層と、
    コア層の少なくとも一方の面に積層した第1の樹脂からなる少なくとも1層の第1ビルドアップ層と、
    第1ビルドアップ層の表面に積層した、キャビティまたは貫通孔を有する第2の樹脂からなる第2ビルドアップ層と、
    キャビティまたは貫通孔内を通り、コア層と第1および第2ビルドアップ層とを貫通するスルーホールとを備え、
    前記キャビティまたは貫通孔には、前記第1の樹脂が充填されていることを特徴とする印刷配線板。
  2. 前記コア層の絶縁体を形成する樹脂と前記第1ビルドアップ層を形成する第1の樹脂とが、同じ樹脂である請求項1に記載の印刷配線板。
  3. 前記第2ビルドアップ層において、前記スルーホールの開口部周辺に、導体が充填された複数のフィルドビアが配置されている請求項1または2に記載の印刷配線板。
  4. 前記フィルドビアが、前記スルーホールの開口部の少なくとも一部を囲むように配置されている請求項3に記載の印刷配線板。
  5. 前記フィルドビアが、前記スルーホールを中心にして同一円周上に配置されている請求項4に記載の印刷配線板。
  6. 絶縁体に導体回路を形成してコア層を得る工程と、
    コア層の少なくとも一方の面に、第1の樹脂からなる少なくとも1層の第1ビルドアップ層およびキャビティまたは貫通孔を有する第2の樹脂からなる第2ビルドアップ層を、この順で積層させる工程と、
    キャビティまたは貫通孔内を通り、コア層と第1および第2ビルドアップ層とを貫通するスルーホールを形成する工程とを含み、
    前記第1ビルドアップ層および前記第2ビルドアップ層を積層させる工程が、コア層の少なくとも一方の面に、少なくとも1層の第1のプリプレグおよびキャビティまたは貫通孔を有する半硬化樹脂層または硬化樹脂層をこの順で重ねて、熱プレスに供することによって行われ、前記第1のプリプレグの溶融した樹脂が、前記キャビティまたは貫通孔内に充填されることを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  7. 前記キャビティを有する半硬化樹脂層または硬化樹脂層の一方の面に銅箔が形成されており、前記キャビティの開口部が、前記第1のプリプレグ側に位置している請求項6に記載の印刷配線板の製造方法。
  8. 前記コア層の絶縁体を形成する樹脂と前記第1のプリプレグを形成する樹脂とが、同じ樹脂である請求項6または7に記載の印刷配線板の製造方法。
  9. 前記キャビティが、レーザ加工によって形成される請求項6〜8のいずれかに記載の印刷配線板の製造方法。
  10. 前記第2ビルドアップ層において、スルーホールの開口部周辺に、導体が充填されたフィルドビアを複数形成する工程を、さらに含む請求項6〜9のいずれかに記載の印刷配線板の製造方法。
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