JP2017137261A - 軟体動物用忌避材 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの食害を防ぐ方法として、パラホルムアルデヒドやメタアルデヒドを有効成分とする合成薬剤が知られている。しかし、この薬剤は、害虫の駆除、殺虫を目的としたもので、薬効が強い反面、植物に付着した場合、植物を傷める可能性があること、散布に際しては、安全性の面から人体や家畜、ペットなどへの影響を避ける必要性があること、散水や降雨によって洗い流され効果が持続しないこと、などの多くの問題がある。
1.サポニンを含有する生分解性プラスチックフィルムからなることを特徴とする軟体動物用忌避材。
2.生分解性プラスチックが脂肪族ポリエステル系縮重合体であることを特徴とする上記の軟体動物用忌避材。
3.生分解性プラスチックがコハク酸と1,4−ブタンジオールを主成分とする共重合体であることを特徴とする上記の軟体動物用忌避材。
4.生分解性プラスチックがポリ乳酸と脂肪族ポリエステル系縮重合体とからなる樹脂組成物であることを特徴とする上記の軟体動物用忌避材。
5.生分解性プラスチックフィルムの厚さが3〜80μmであることを特徴とする上記の軟体動物用忌避材。
6.生分解性プラスチックフィルムのいずれかの面に粘着剤層が設けられていることを特徴とする上記の軟体動物用忌避材。
7.上記の軟体動物用忌避材が基材層上に積層されていることを特徴とする軟体動物用忌避材。
8.基材層が紙であることを特徴とする上記の軟体動物用忌避材。
9.基材層の厚さが10〜150μmであることを特徴とする上記の軟体動物用忌避材。
10.基材層に粘着剤層が設けられていることを特徴とする上記の軟体動物用忌避材。
11.幅が0.5〜30cmのテープ状であることを特徴とする上記の軟体動物用忌避材。
12.上記のテープ状の軟体動物用忌避材を果菜類の幹又は枝に巻き付けることを特徴とす軟体動物用忌避材の使用方法。
また、風による飛散や土中への埋没による薬効の低下が起きることがなく、更に、散水や降雨によってサポニンが洗い流されることがないので、薬効が長時間に亘って持続する。
生分解性プラスチックは、化学合成系、微生物生産系、天然物系に分類される。化学合成系としては、とうもろこし、ジャガイモ、サトウキビから得られる糖類や澱粉を発酵させて得た乳酸を重合させたポリ乳酸樹脂(例えば、ユニチカ株式会社製テラマック、三井化学社製レイシア)、澱粉から製造されるコハク酸と1,4−ブタンジオールを原料とするポリブチレンサクシネート(例えば三菱化学社製GS Pla)、ひまし油を原料とするポリアミド11(例えばアルケマ社製リルサンB)が挙げられる。微生物生産系としては、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸(例えば三菱ガス化学社製ビオグリーン)、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸の共重合体(例えばカネカ社製PHBH)が挙げられる。天然物系としては、酢酸セルロース(例えばダイセル化学社製セルグリーンPCA)、エステル化澱粉(例えば日本コーンスターチ社製コーンポール)、キトサン/セルロース/澱粉(例えばアイセロ化学社製ドロンCC)、澱粉/変性ポリビニルアルコール(例えばノバモント社製Mater−Bi)等が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じ、2種以上組み合わせて用いられる。特に、二酸化炭素を増加させないカーボンニュートラルが達成される環境型材料として注目されているバイオマスプラスチックが好ましい。
このような生分解性プラスチックとしては、例えば、ポリ乳酸系としてユニチカ株式会社製「テラマック TE−1070(1400MPa)」、ポリブチレンサクシネート系(コハク酸、1,4−ブタンジオール、乳酸の3成分の縮重合体)として三菱化学株式会社製 GS Pla FZ91PN(650MPa)、AZ91TN(550MPa)、AD92WN(300MPa)等が挙げられる。
サポニンを含有する樹脂に充填剤を配合することにより、フィルム中からのサポニンの透過、移行、放出を調節し、忌避効果を発揮する期間を調節することができる。このような充填剤としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、珪藻土、シリカ、タルク、セリサイト等があげられる。
基材層としては、紙、ポリエチレン、生分解性プラスチック、バイオマスプラスチックなどのプラスチック製フィルム、プラスチック製フィルムの発泡体、天然繊維又は合成繊維製布帛、不織布などが使用可能であるが、これらの中では、紙、布帛、不織布が好ましく、特に、紙はサポニンを含有する樹脂との押出ラミネート加工性が良好である点で好ましい。これらを基材層とすることにより、繊維と繊維との隙間からサポニンが放出されるので、基材層と接する側からも忌避効果が得られるとともに、テープ状の忌避材の場合は、これを果菜類の幹や枝に巻き付けて使用する場合は、幹や枝の成長に合わせて、これらの基材層も伸張するので、幹や枝への追従姓が良好である。
また、サポニンを含有する生分解性プラスチックフィルムの幅は特に制限されないが、テープ状忌避材の場合は、余り大きすぎても余り小さすぎても、忌避材の地表面や果菜類の幹や枝への馴染み性が低下し、また、忌避材の幹や枝への巻き付けが困難となる傾向がある。従って、通常、0.5〜30cm程度が好ましく、2〜30cm程度がより好ましい。また、予め大きめの幅として、忌避材を敷設する地表面の広さや巻き付ける幹や枝に合わせて適宜切断できるようにミシン目を入れておくのも好ましい。
また、基材層の厚みも余り厚すぎると忌避材の地表面や果菜類の幹や枝への馴染み性が低下し、また、果菜類の幹や枝への巻き付け性が低下し、テープ状の忌避材の場合は幹や枝への巻き付けが困難となり、一方、余り薄すぎると強度が不十分となるので、通常、10〜150μm程度が好ましく、より好ましくは10〜130μmである。
細孔は、サポニンと炭酸カルシウム等の充填剤を含有する生分解性プラスチックフィルムを延伸して充填剤を除去することにより細孔を設けたり、針で孔を開ける等により設けることができる。細孔は余り大きすぎると徐放性が期待できず、また、降雨や散水後に薬効が劣化し、忌避効果の持続性に問題が生じる虞れがある。従って、細孔は小さいほうが良く、通常、細孔の平均径は0.02〜5μm程度が好ましく、0.1〜2μm程度がより好ましい。
粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系等のいずれでも良くこれらの中では分解性が良い点でゴム系又はウレタン系が好ましい。
粘着剤層の厚さは、余り薄すぎると粘着力が不十分となり、一方、余り厚すぎると、たとえば、忌避テープを所望の形状に打ち抜くの際に粘着剤のはみ出しや打ち抜き不良が起こりやすく加工性が劣る傾向がある。従って、通常、2〜30μm程度が好ましく、2〜20μm程度がより好ましい。
塗布法としては、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ディッピング法、スプレー法等が採用される。また、粘着剤層の上に、更に剥離紙などを積層して使用上の便宜を図ることができる。
なお、忌避材の忌避効果については、シート状忌避材、テープ状忌避材のそれぞれについて、下記の試験方法により評価した。
40cm×40cm×(高さ)30cmの木製の箱の底に排水口を設け、その中央部に30cm×30cmのシート状忌避材のサンプルを置いた。箱の中央部に軟体動物の誘引剤として約10gの市販の菜種油の搾油粕を置いた。箱の中のサンプルの周りに10匹のナメクジを置き、温度25℃、相対湿度65%で6時間放置した。試験開始後3時間の時点で園芸用のジョウロで散水した。試験開始から12時間経過後に誘引剤上にいるナメクジの数を数えた。なお、ナメクジは農家のハウス畑の中で採取したものを用いた。
40cm×40cm×30cm(高さ)の木製の箱の底に排水口を設け、その中央部に長さ30cm×幅5cmのテープ状の忌避材を用いて外側長さが30cm、内側長さが20cmで幅5cmの四角形枠状(ロ字状)の忌避材を配置した。該枠状テープ状忌避材の内側中央部には、軟体動物の誘引剤として約10gの市販の菜種油の搾油粕を置いた。また、該枠状のテープ状忌避材の外側には10匹のナメクジを置き、温度25℃、相対湿度65%で6時間放置した。試験開始後3時間の時点で園芸用のジョウロで散水した。試験開始から12時間経過後に、該枠状のテープ状忌避材の内側中央部に置いた誘引剤上にいるナメクジの数を数えた。なお、ナメクジは農家のハウス畑の中で採取したものを用いた。
ポリブチレンサクシネート系生分解性プラスチック(三菱化学株式会社製 GS Pla AD92WN、曲げ弾性率:300MPa)にサポニン(東京化成工業株式会社製 商品名:サポニン)を5重量%配合しペレット化した後、T-ダイ押し出し機を用いてダイス温度150℃で厚さ約20μmのフィルムを押し出し、フィルム単体からなる軟体動物用忌避材を作製した。
ポリブチレンサクシネート系生分解性プラスチック(三菱化学株式会社製 GS Pla AD92WN、曲げ弾性率:300MPa)にサポニン(東京化成工業株式会社製 商品名:サポニン)を10重量%配合しペレット化した後、坪量84g(厚さ約110μm)の未晒しクラフト紙にサポニン配合の前記樹脂組成物をT-ダイ押し出し機を用いてダイス温度150℃で押し出し、前記クラフト紙の片面にコロナ処理をしながら、ラミネート厚さ約20μmになるようラミネートし、フィルムと基材層の積層体からなる軟体動物用忌避材を作製した。
サポニン(東京化成工業株式会社製 商品名:サポニン)を15重量%配合しペレット化した以外は、実施例2と同様にして、フィルムと基材層の積層体からなる軟体動物用忌避材を作製した。
ポリ乳酸(A)(ユニチカ株式会社製、テラマックTE−2000C)100重量部に対して、コハク酸と1,4−ブタンジオール各100モル%に対して乳酸2モル%(0.86重量%)を共縮合させた乳酸系脂肪族ポリエステル(B)(三菱化学株式会社製、GS Pla FZ81PD)を25重量部混合した樹脂組成物にサポニン(東京化成工業株式会社製 商品名:サポニン)を20重量%配合しペレット化した以外は、実施例1と同様にして、未晒しクラフト紙にサポニン配合の樹脂組成物をT-ダイ押し出し機を用いてダイス温度210℃で押し出し、前記クラフト紙の片面にコロナ処理をしながら、ラミネート厚さ約20μmになるようラミネートし、フィルムと基材層の積層体からなる軟体動物用忌避材を作製した。
ポリブチレンサクシネート系生分解性プラスチック(三菱化学株式会社製、GS Pla FZ91PN、曲げ弾性率:650MPa)を用い、サポニン(東京化成工業株式会社製 商品名:サポニン)を30重量%配合しペレット化し、未晒しクラフト紙にサポニン配合の樹脂組成物をT-ダイ押し出し機を用いてダイス温度160℃で押し出した以外は実施例2と同様にして、フィルムと基材層の積層体からなる軟体動物用忌避材を作製した。
サポニン(東京化成工業株式会社製 商品名:サポニン)を重量比で40重量%配合しペレット化した以外は、実施例5と同様にして、フィルムと基材層の積層体からなる軟体動物用忌避材を作製した。
実施例4において、未晒しクラフト紙を用いず、樹脂組成物にサポニンを20重量%配合し、T-ダイ押し出し機を用いてダイス温度210℃で厚さ30μmのフィルムを押出し、フィルム単体からなる軟体動物用忌避材を作製した。
樹脂組成物にサポニンを配合しなかった他は実施例4と同様にして、フィルムと基材層の積層体からなる軟体動物用忌避材を作製した。
上記実施例1〜7及び比較例1で得られた軟体動物用忌避材シートを長さ30cm×幅5cmにスリットしたテープ状忌避材より作製した実施例8〜14及び比較例2の上記四角形枠状の忌避材を用い、上記テープ状忌避材の試験方法にしたがって試験を行った。試験結果を表2に示す。
上記実施例1〜7及び比較例1で得られた軟体動物用忌避シートからサンプル(10cm×10cm)を得て、トマトの土の表面に近い幹(茎)(直径約2cm)に10cmの幅(長さ)で巻き付け、ホッチキスで止めた。
1カ月経過後にナメクジの忌避効果を調べたところ、上記忌避試験と同様の結果が得られた。
また、風による飛散や土中への埋没による薬効の低下や、散水や降雨による薬効の低下がないので薬効が長時間に亘って持続し、また、柔軟性に富むので、地表面への馴染み性が良好であるばかりでなく、果菜類の幹や枝に巻き付けることができ、薬効が効果的に発揮される。
また、基材層と積層した場合には、製造が容易で強度が向上し、更に、基材層として紙やポリエチレン不織布等の繊維を含む基材層を用いた場合は、繊維と繊維との隙間からサポニンが放出されるので、基材層と接する側からも忌避効果が得られる。また、忌避材を果菜類の幹や枝に巻き付けて使用する場合は、幹や枝の成長に合わせて、これらの基材層も伸張するので、幹や枝への追従姓が良好である。
Claims (12)
- サポニンを含有する生分解性プラスチックフィルムからなることを特徴とする軟体動物用忌避材。
- 生分解性プラスチックが脂肪族ポリエステル系縮重合体であることを特徴とする請求項1記載の軟体動物用忌避材。
- 生分解性プラスチックがコハク酸と1,4−ブタンジオールを主成分とする共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の軟体動物用忌避材。
- 生分解性プラスチックがポリ乳酸と脂肪族ポリエステル系縮重合体とからなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の軟体動物用忌避材。
- 生分解性プラスチックのフィルムの厚さが3〜80μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の軟体動物用忌避材。
- 生分解性プラスチックフィルムのいずれかの面に粘着剤層が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の軟体動物用忌避材。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の軟体動物用忌避材が基材層上に積層されていることを特徴とする軟体動物用忌避材。
- 基材層が紙であることを特徴とする請求項7記載の軟体動物用忌避材。
- 基材層の厚さが10〜150μmであることを特徴とする請求項7又は8記載の軟体動物用忌避材。
- 基材層に粘着剤層が設けられていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の軟体動物用忌避材。
- 幅が0.5〜30cmのテープ状であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の軟体動物用忌避材。
- 請求項11に記載のテープ状の軟体動物用忌避材を果菜類の幹又は枝に巻き付けることを特徴とす軟体動物用忌避材の使用方法。
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