JP2017137620A - プレキャストコンクリート製分割式基礎 - Google Patents

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Abstract

【課題】現場での人力による運搬、組立を目的としたプレキャストコンクリート製分割式基礎について、更なる軽量化を図るとともに、基礎のひび割れを防止でき、基礎の安定性、剛結一体性および施工性にも優れたプレキャストコンクリート製分割式基礎を提供する。【解決手段】コンクリートポール用のプレキャストコンクリート製の基礎の形状を、上下方向の連結部の凹凸くさび連結形状に加え、水平方向の連結部も凹凸くさび連結形状として剛結一体化性能を向上させる。更なる軽量化を目的として、12分割(4パーツ/段×3段)として、1パーツの重量を約20kgと約25%軽量化させる。また、基礎全体の総重量は、約240kgに増加させ、基礎の安定性能を向上させる。更に、連結方法については、従来の横締めを上下方向の縦締めに変更することで、基礎部材のひび割れ防止および剛結一体性能を向上させるとともに、施工性能を向上させる。【選択図】 図8

Description

本発明は、鉄道用のコンクリートポールなどを設置するに際して、台風などによる風圧力および豪雪地帯での法面圧雪すべり圧力や除雪車両による雪圧力を受けても転倒しないことを目的に取り付けるプレキャストコンクリート製の基礎製品であって、基礎を分割することで1人力で持ち運びが可能であり、コンクリートポールへの取付け組立て設置も容易であるプレキャストコンクリート製分割式基礎に関するものである。
従来から、鉄道沿線の信号機や電気機器の設置に使用されているコンクリートポールは、新規に設置する際には、地中部に転倒を防止する目的で小型のプレキャストコンクリート製の根枷を取り付けている。しかし、近年、情報化の進展に伴い、信号機や電気機器に比べて寸法が大きなケーブル接続箱や踏切制御子箱などが、コンクリートポールに取付けられることが多くなってきている。
この結果、コンクリートポールの設置の際には、取付けられたケーブル接続箱や踏切制御子箱などの面積が大きくなって、台風などで発生する風圧力および法面圧雪すべり圧力や除雪車両による廃雪衝撃力が大きくなることで、従来使用されているプレキャストコンクリート製の根枷では転倒を防止することが困難になっている。
この結果、コンクリートポールに面積が大きいケーブル接続箱などを設置する際は、根枷でなく新規に風圧力や雪圧力に対して転倒しない大きさのコンクリート基礎を設置することが必要となった。しかし、コンクリート基礎の現場打ち基礎設置工事では、生コンクリートによる現場打設となることから、鉄道沿線での距離が離れた場所での施工が生コンクリートの輸送供給において大きな障害となっている。
その結果、コンクリートポールに面積が大きいケーブル接続箱や踏切制御子箱などを設置する際は、1人力で持ち運びが可能でありコンクリートポールへの取付け組立て設置も容易であるプレキャストコンクリート製の基礎の開発が求められている。
先行技術としては、特許文献1記載の分割式プレキャストコンクリート基礎及びその組立方法がある。特許文献1記載の発明では、コンクリートポール用のプレキャストコンクリート製分割式基礎の重量は、1人力で持ち運びおよび取付け設置を可能にするために、1つのパーツの重量を27kgとしていた。
特開2014−125830号公報
本基礎全体の大きさは、寸法が0.9×1.25mのケーブル接続箱をコンクリートポールに取付けた場合を条件とすると、台風などで発生する設計風速40m/秒の風圧力を水平荷重として受けても転倒しないためには、許容抵抗曲げモーメントによる構造計算の結果、高さ0.75m、幅0.45×0.45mの角柱とする必要がある。この寸法における本基礎の重量は、現場打ち基礎とすると、普通コンクリートの単位容積質量を2.3kg/lとして算出すると約350kgとなる。
上述の特許文献1記載の発明では、基礎の形状を、単純な角柱形状から、許容抵抗曲げモーメント力を維持しながら軽量化するために、断面を切り欠いた切欠き形状化としていた。その結果、特許文献1記載の発明では、6分割((2パーツ/段)×3段)の基礎とし、総重量が約160kgとなり、水平方向に3段目と1段目を各段2本のボルトで連結固定するものであった。
しかし、1パーツの重量は27kgあり、現場での人力組立における運搬および施工性を向上させるため、更なる軽量化が求められた。また、横締め連結時においては、コンクリートポールの建込みを容易にするため、基礎部材の円形孔部に隙間があることから、締め過ぎると基礎部材にひび割れが発生する課題があった。さらに、横方向に連結横締めすることから、掘削断面において作業員が横方向連結ボルトの締付け作業するスペースが必要となり、作業効率および施工性の向上から掘削面積の削減が求められていた。
また、豪雪地帯では、台風等による風圧力よりも法面圧雪すべり圧力および除雪車両による雪圧力により、コンクリートポールが傾く事例が増えている。先行技術の基礎の施工実績より、豪雪地帯で頻繁に毎年続くポールの傾斜を防止することを目的として、先行技術よりも優れた基礎の安定性能および剛結一体化性能の向上が求められていた。
本発明はこのような現場での人力による運搬、組立を目的としたプレキャストコンクリート製分割式基礎について、更なる軽量化を図るとともに、基礎のひび割れを防止でき、基礎の安定性、剛結一体性および施工性にも優れたプレキャストコンクリート製分割式基礎を提供することを目的としたものである。
本発明は、プレキャストコンクリート製の複数のパーツを鉛直方向に複数段積み上げて構成され、中央にポールを立て付けるためのポール固定用孔が形成された分割式プレキャストコンクリート基礎において、それぞれの段は、前記ポール固定用孔位置で分割され水平一方向に延びる2パーツと、前記ポール固定用孔位置で分割され前記2パーツと水平面内で直角に交差し水平方向に延びる2パーツの合計4パーツで構成され、前記2パーツどうしが交差する位置に上下に嵌合し合う凹部と凸部が形成されており、前記パーツのそれぞれに上下方向の貫通孔が設けられており、複数段積み上げられた状態で、前記貫通孔に貫通させた上下方向の縦締め連結ボルトにより連結一体化されていることを特徴とするものである。
すなわち、本発明では、各段を4パーツのプレキャストコンクリートで構成し、ポール固定用孔を挟んで2分割された一方向の2パーツと、これと直角に交差し同様にポール固定用孔を挟んで2分割された位置方向の2パーツどうしを交差位置で上下に嵌合させるとともに、これを複数段積み上げで縦締め連結ボルトで一体化するものである。
この場合、上下方向の縦締め連結ボルトに各パーツのボルト穴を軸として差し込み、凹部と凸部の嵌合による連結部に差し込むことで、組立てが容易であると共に、横締め方式による基礎部材のひび割れを防止することができる。
すなわち、連結方法については、先行技術(特許文献1)の横締めを上下方向の縦締めに変更させることで、基礎部材のひび割れ防止および剛結一体性能が向上するとともに、施工性能も向上する。
本発明のコンクリートポール用のプレキャストコンクリート製分割式基礎の製造に使用されるコンクリートは、特に限定されないが、一般に使用されている設計基準強度が24N/mm2以上の普通コンクリートを適用することができる。
また、水平方向に交差する2パーツどうしの嵌合部分の凹凸形状をくさび連結形状とすることで、剛結一体化性能をさらに向上させることができる。例えば、連結部の構造を凸部のオス側の突起部が直線状にエッジを有する形状とし、凹部のメス側も直線状にエッジを有する固定溝としてくさび状にかみ合い構造とすれば、容易に連結固定することができる。
剛結一体化性能を向上させることで、豪雪地帯での法面圧雪すべりおよび除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対して傾斜せず、許容抵抗曲げモーメントが作用して構造上耐える基礎構造とすることができる。
基礎の安定性能を向上させるために、例えば基礎全体の総重量を先行技術(特許文献1)の約160kgから約240kgと約50%増加させた場合において、上下方向の段数は、軽量化の目的から3段以上が望ましい。基礎全体の総重量が240kgの場合で、12分割((4パーツ/段)×3段)とすると、1パーツの重量は20kgとなり、約25%の軽量化となり、1人力で持ち運びが十分可能であり、コンクリートポールへの取付け組立て設置も容易である。
以上より、本発明では、複数のパーツの総重量が240kg以上であり、4パーツからなる段が3段以上で、合計12パーツ以上のプレキャストコンクリート製のブロックで構成されるようにすることが望ましい。また、プレキャストコンクリート製のブロック1つの重量は20kg以下とすることが望ましい。
本発明のコンクリートポール用のプレキャストコンクリート製分割式基礎においては、各段を4パーツのプレキャストコンクリートで構成し、ポール固定用孔を挟んで2分割された一方向の2パーツと、これと直角に交差し同様にポール固定用孔を挟んで2分割された位置方向の2パーツどうしを交差位置で上下に嵌合させるとともに、これを複数段積み上げで縦締め連結ボルトで一体化する構造となっており、組立てが容易であると共に、各パーツを構成するブロックを上下方向の縦締めで一体化することでひび割れ防止および剛結一体性能が向上するという効果を有し、さらに施工性能も向上する。
また、剛結一体化性能の向上により、コンクリートポールに面積が大きいケーブル接続箱などを設置する際に、台風などで発生する設計風速40m/秒の風圧力の水平荷重が作用しても転倒しないこと、豪雪地帯での法面圧雪すべりおよび除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対して傾斜せず、許容抵抗曲げモーメントが作用して構造上耐えることといったコンクリートポール用の基礎に求められる条件を容易にクリアさせることができる。
また、基礎の安定性能を向上させるために基礎全体の総重量を増加させつつ、1パーツの重量を低減させることで、1人力で持ち運びが十分可能となり、コンクリートポールへの取付け組立て設置も容易となる。
コンクリートポールに幅0.9m、高さ1.25mのケーブル接続箱を取付けた場合において、風圧力(ここでは、40m/sを考慮)を受けることによって発生する水平荷重および曲げモーメントを示した概念図である。 コンクリートポールに幅0.515m、高さ0.495mの信号制御箱を取付けた場合において、雪圧力(豪雪地帯での2.05mの積雪を考慮)を受けることによって発生する水平荷重および曲げモーメントを示した概念図である。 コンクリートポールの転倒防止に、従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷を示したもので、左側は正面図および平面図、右側はコンクリートポールに根枷を2枚、連結ボルトで取り付けた概念図である。 コンクリートポールに幅0.9m、高さ1.25mのケーブル接続箱を取付けた場合において、風圧力(ここでは、40m/sを考慮)を受けることによって発生する水平荷重および曲げモーメントを受けた場合の概念図である。左側は従来使用されているプレキャストコンクリート製の根枷では、風圧力から発生する曲げモーメントに対して、許容抵抗曲げモーメントが小さく、その結果転倒してしまう様を示す概念図である。右側は本発明および現場打ちコンクリート基礎では、風圧力から発生する曲げモーメントに対して、許容抵抗曲げモーメントが大きく、その結果転倒しない様を示す概念図である。 コンクリートポールに幅0.515m、高さ0.495mの信号制御箱を取付けた場合において、雪圧力(ここでは、豪雪地帯での2.05mの積雪を考慮)を受けることによって発生する水平荷重および曲げモーメントを受けた場合の概念図である。左側は従来使用されているプレキャストコンクリート製の根枷では、雪圧力から発生する曲げモーメントに対して、許容抵抗曲げモーメントが小さく、その結果転倒してしまう様を示す概念図である。右側は本発明および現場打ちコンクリート基礎では、雪圧力から発生する曲げモーメントに対して、許容抵抗曲げモーメントが大きく、その結果転倒しない様を示す概念図である。 特許文献1の分割式プレキャストコンクリート基礎と現場打設コンクリート基礎を比較した概念図である。 特許文献1の分割式プレキャストコンクリート基礎の1つのパーツのプロックを示す斜視図である。 本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の図である。左側は本発明のプレキャストコンクリート製分割式基礎分割式基礎を設置した場合の全体像の斜視図、右側は本発明のコンクリートポール用のプレキャストコンクリート製分割式基礎の立面および平面を示したものである。 本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の1つのパーツのブロックを示す図である。 本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の分割基礎の施工における掘削面積の比較の概要を示した図である。 本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の法面圧雪すべりに対する転倒防止性能実証実験の実験方法の概要を示した図である。 法面圧雪すべりに対する転倒防止性能実証実験において、水平荷重を載荷した状態での水平移動距離および傾斜角度を計測する方法を示した図である。 比較例として、従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷の法面圧雪すべりに対する転倒防止性能実証実験の実験方法の概要を示した図である。 実施例および比較例として、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の法面圧雪すべりに対する転倒防止性能実証実験の実験結果を示した図である。 実施例として、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対する法面圧雪すべりに対する転倒防止性能実証実験の実験方法の概要を示した図である。 比較例として、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対する法面圧雪すべりに対する転倒防止性能実証実験の実験方法の概要を示した図である。 除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対する転倒防止性能実証実験において、水平荷重を載荷した状態での傾斜角度を計測する方法を示した図である。 実施例および比較例として、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対する転倒防止性能実証実験の実験結果を示した図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
A.分割式基礎の使用材料
本発明のコンクリートポール用のプレキャストコンクリート製分割式基礎は、セメント、普通細骨材、普通粗骨材と高性能減水剤、必要に応じて添加される消泡剤等からなるものであり、一般に製造されているプレキャストコンクリート製品と同様である。
〔構成材料〕
(1)セメント
本発明で用いるセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメントである。
(2)細骨材
本発明で用いる細骨材は、従来からコンクリートに使用されているものでよく、川砂、陸砂等の天然砂、砕砂、珪砂等である。細骨材の細骨材率は40〜55%が好ましい。細骨材率を上記範囲にすることにより、流動性や強度といったコンクリートの基本性能を低下させることなく、表面気泡(アバタ)や色むらといったコンクリート表面の美観問題の解決が図れる。
(3)粗骨材
本発明で用いる粗骨材は、従来からコンクリートに使用されているものでよく、川砂利、等の天然砂利、砕石等である。
(4)高性能減水剤
本発明でも、従来のコンクリートと同様、高性能減水剤を用いる。高性能減水剤の種類は特に限定されないが、ポリカルボン酸系のものが好ましい。添加量はセメントに対して、0.5〜1.2%程度である。
(5)消泡剤
本発明では、必要に応じて消泡剤を添加する。本発明のコンクリートは、いずれも高い流動性と優れた強度発現が得られるが、配合によっては、連行空気量が多くなったりコンクリート表面に微細な気泡が発生したりすることがある。このような場合に消泡剤を使用すると、表面が滑らかなコンクリートが得られる。消泡剤の種類は、従来からコンクリートに使用されているものであれば特に限定されない。
(6)混練水
本発明では、混練水の単位水量は185kg/m3以下であり、水/セメントの比率は55%以下であるのが好ましい。単位水量が185kg/m3を超えるとブリージング水が発生し易くなったり必要強度が確保し難くなったりする。また、水/セメントの比率が上記範囲をはずれると、設計基準強度を確保することが難しくなる。より好ましい単位水量は、170〜180kg/m3である。
B.風圧力および豪雪地域での雪圧力に対するコンクリートポールの基礎安定
図1、図2、図3、図4、図5は、コンクリートポールが風圧力および雪圧力を受けることによって発生する水平荷重および曲げモーメントに対して、従来使用されている根枷では転倒するが、コンクリート基礎では転倒しないことを示すものである。
図1は、コンクリートポールに幅0.9m、高さ1.25mのケーブル接続箱を取付けた場合において、風圧力(ここでは、40m/sを考慮)を受けることによって発生する水平荷重および曲げモーメントを示した概念図である。
表1は、コンクリートポールに幅0.9m、高さ1.25mのケーブル接続箱を取付けた場合において、風圧力(ここでは、40m/sを考慮)を受けることによって発生する水平力および曲げモーメントを計算した表である。計算の結果、水平力はH=0.139tonf、曲げモーメントはM=0.1351tonf・mとなる。
図2は、コンクリートポールに幅0.515m、高さ0.495mの踏切制御子箱を取付けた場合において、雪圧力(豪雪地帯での2.05mの積雪を考慮)を受けることによって発生する水平荷重および曲げモーメントを示した概念図である。
表2は、コンクリートポールに幅0.515m、高さ0.495mの踏切制御子箱を取付けた場合において、雪圧力(ここでは、豪雪地帯での2.05mの積雪を考慮)を受けることによって発生する水平力および曲げモーメントを計算した表である。計算の結果、水平力はH=0.117tonf、曲げモーメントはM=0.1623tonf・mとなる。
図3は、コンクリートポールの転倒防止に従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷を示したものである。左側の図は形状を示し、右側の図はコンクリートポールに2枚連結ボルトで取り付けた概念図である。
図4は、コンクリートポールに幅0.9m、高さ1.25mのケーブル接続箱を取付けた場合において、風圧力(ここでは、40m/sを考慮)を受けることによって発生する水平荷重および曲げモーメントを受けた場合の概念図である。
左側は従来使用されているプレキャストコンクリート製の根枷では、風圧力から発生する曲げモーメントに対して、許容抵抗曲げモーメントが小さく、その結果転倒してしまう様を示す概念図である。右側は、コンクリート基礎では、風圧力から発生する曲げモーメントに対して、許容抵抗曲げモーメントが大きく、その結果転倒しない様を示す概念図である。
表3は、コンクリートポールに幅0.9m、高さ1.25mのケーブル接続箱を取付けた場合において、風圧力(ここでは、40m/sを考慮)を受けることによって発生する水平力および曲げモーメントに対して、根入れ長が0.75m、根入れ幅が0.45mのコンクリート基礎を設置した場合について安定計算を実施した表である。
その結果、根入れ長が0.75m、根入れ幅が0.45mのコンクリート基礎を設置すると、風速(ここでは、40m/sを考慮)による水平力による曲げモーメントを受けても許容でき、転倒しないことが確認できた。
図5は、コンクリートポールに幅0.515m、高さ0.495mの踏切制御子箱を取付けた場合において、雪圧力(ここでは、豪雪地帯での2.05mの積雪を考慮)を受けることによって発生する水平荷重および曲げモーメントを受けた場合の概念図である。
左側は従来使用されているプレキャストコンクリート製の根枷では、雪圧力から発生する曲げモーメントに対して、許容抵抗曲げモーメントが小さく、その結果転倒してしまう様を示す概念図である。
右側はコンクリート基礎では、雪圧力から発生する曲げモーメントに対して、許容抵抗曲げモーメントが大きく、その結果転倒しない様を示す概念図である。
表4は、コンクリートポールに幅0.515m、高さ0.495mの踏切制御子箱を取付けた場合において、雪圧力(ここでは、豪雪地帯での2.05mの積雪を考慮)を受けることによって発生する水平力および曲げモーメントに対して、根入れ長が0.75m、根入れ幅が0.45mのコンクリート基礎を設置した場合について安定計算を実施した表である。
その結果、根入れ長が0.75m、根入れ幅が0.45mのコンクリート基礎を設置すると、雪圧力(ここでは、豪雪地帯での2.05mの積雪を考慮)による水平力による曲げモーメントを受けても、許容でき転倒しないことが確認できた。
C.分割式基礎の形状および構造
特許文献1(先行技術)のコンクリートポール用のプレキャストコンクリート製分割式基礎の形状および構造は、図6、図7に示すものである。図6の左側は現場打ち基礎を示し、右側は特許文献1のプレキャストコンクリート製分割式基礎を示す。
本発明のコンクリートポール用のプレキャストコンクリート製分割式基礎の形状および構造は、図8、図9に示すものである。
図8は、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の図である。図8の左側は本発明のプレキャストコンクリート製分割式基礎分割式基礎を設置した場合の全体像を示し、右側は本発明のコンクリートポール用のプレキャストコンクリート製分割式基礎の立面および平面を示したものである。
図9は、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の各パーツブロックである。本パーツのプロックの重量は、20kg以下であり、先行技術(特許文献1)より25%の軽量化を行い、1人力で持ち運びが可能でコンクリートポールへの取付け組立て設置も容易である。
本基礎は、3段積みで12のパーツを組立てて縦方向の連結ボルトで連結固定する仕様としている。プレキャストコンクリート製分割式基礎の組立て方法は、上下方向の縦締め連結ボルトに各パーツのボルト穴を軸として差し込み、上下方向および水平方向の凹凸くさび連結部にはめ込んで連結とすることで、組立てが容易であることを特徴とする基礎である。
また、先行技術での課題として、横締め連結時においては、コンクリートポールの建込みを容易にするため、基礎部材の円形孔部に隙間があることから、図7の1aのボルトを締めすぎると基礎部材の図7の1cにひび割れが発生することがあった。これに対して、本発明では、図9の1aのボルトで締めつけて、縦方向に連結締付けとすることで、基礎部材のひび割れを防止することを特徴とする基礎である。
図10は、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の分割基礎の施工における掘削面積の比較の概要を示した図である。先行技術(特許文献1)での課題として、横方向に連結横締めすることから、掘削面積は、作業員が横方向連結ボルトの締付け作業するスペースが必要となり、作業効率および施工性の向上から掘削面積の削減が求められていたことに対して、縦方向に連結ボルト締付けすることから、横方向連結ボルトの締付けでの余分な作業スペースが不要となり、大幅な掘削面積の削減が可能となった。
すなわち、本発明では、掘削面積を、従来技術の1.35m2から0.81m2と40%削減することができ、作業効率および施工性を大幅に向上させた。
表5は、現場打ちコンクリート基礎、先行技術(特許文献1)の分割式プレキャストコンクリート基礎および本発明の分割式プレキャストコンクリート基礎の比較を示したものである。
現場打ちコンクリート基礎は、型枠を組んで生コンクリートを打設するもので、総重量は350kgとなる。また、型枠工、コンクリートの打設工、締め固め工および養生工が必要となり、コンクリートが所定強度に達するまで供用開始できない。
一方、先行技術(特許文献1)の分割式プレキャストコンクリート基礎は、プレキャストコンクリート製品なので、コンクリートの打設が必要なくなり、現場までの運搬と組立てで構築できることから、省力化・コスト低減に寄与できる。また、施工後即日に供用開始できる。
更に、本発明の分割式プレキャストコンクリート基礎は、同左に加えて、
(1) 上下の連結部および水平方向の連結部を凹凸くさび連結形状として剛結一体化性能を向上させた。
(2) 12分割(4パーツ/段×3段)として、1パーツの重量を約20kgと約25%軽量化させ、運搬および施工性を向上させた。
(3) 本基礎の構造は、12分割(4パーツ/段×3段)であり、総重量を240kgとして安定性を向上させた。
(4) 連結方法は、上下方向にボルトで連結とすることで、組立てが容易であると共に、先行技術での横締め方式による基礎部材のひび割れ発生を防止した。
(5) 横方向連結ボルトの締付け作業スペースが不要となり、掘削面積を40%削減でき、大幅な作業効率および施工性の向上を可能とした。
〔実施例〕
A.法面圧雪すべりに対する転倒防止性能実証実験
本考案の実施例について図面を参照して説明すると、図11および図12は実施例として、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の法面圧雪すべりに対する転倒防止性能実証実験の実験方法の概要を示したものである。また、性能比較として現場打ち基礎についても同様の実験を実施した。分割式プレキャストコンクリート基礎は、現状地盤が河川砂利混じり土砂であったので、掘削してS3.3mのコンクリートポールに、重量が20kgパーツのブロックを、容易に1人力で持ち運び、取付け組立て設置した後、現場掘削土(関東ローム)で埋め戻して人力転圧した。
法面圧雪すべりでの水平荷重は、雪圧力(ここでは、豪雪地帯での2.05mの積雪を考慮)を受けることによって発生する水平荷重および曲げモーメトンと同一として、反力用の基礎として大型トラック(積載済み)に取付けた滑車とワイヤーを使用して、張線器により水平荷重作用させた。
実施例における分割式プレキャストコンクリート基礎の転倒防止性能実証実験の実験では、図11および図12に示すとおり、最大0.138 tonf(138kg)の水平荷重を、S3.3mのコンクリートポールに作用させて、その変位量を測定した。変位量は、載荷荷重毎にポールの積載箇所と反力用の基礎として、大型トラックの距離をレーザー距離計を使用して、水平移動距離を測定した。
図12は、法面圧雪すべりに対する実証実験において、水平荷重を載荷した状態での傾斜角度を計測する方法を示したものである。
表6は、法面圧雪すべりに対する実証実験結果の実験結果であり、実施例として、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の法面圧雪すべりに対する実証実験結果を示したものである。
図14は実施例として、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の転倒防止性能実証実験の実験結果であり、水平荷重により傾いた状態での傾斜角度を示したものである。
本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎12分割(4パーツ/段×3段)は、水平荷重が最も大きく作用(最大138kg)したが、各位置での水平移動距離および傾斜角度は小さく、現場打ち基礎「形状寸法同等品」と同等以上の性能が実証でき、最も性能が良かった。
また、最大水平移動距離は0.059m、最大傾斜角度は、1.6°と最も小さく(5回目実験結果では、2.0°となっているが、これはコンクリートポールに発生したひび割れの影響であり、本結果には採用していない)、除荷後は、水平移動距離−0.004m、角度0゜となり完全復旧した。
〔結果の考察〕
本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎は、S3.3mのコンクリートポールに容易に1人力で持ち運び取付け組立て設置が可能であり、現場掘削土(関東ローム)で埋め戻して人力転圧実施した場合でも、法面圧雪すべりに対する雪圧力(ここでは、豪雪地帯での2.05mの積雪を考慮)を受けることによって発生する水平荷重に対して、ほとんど傾斜せず除荷後も完全復旧でき、転倒の危険性はまったくないことが確認できた。
B.除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対する転倒防止性能実証実験
本考案の実施例について図面を参照して説明すると、図15は実施例として、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対する実証実験の実験方法の概要を示したものである。また、性能比較として現場打ち基礎についても同様の実験を実施した。
除雪車両の上部からの廃雪による衝撃での水平荷重は、雪圧力(ここでは、廃雪衝撃)を受けることによって発生する水平荷重および曲げモーメントと同一として、反力用の基礎としてコンクリート架台(約650kg)に取付けた滑車とワイヤーを使用して、コンクリート錘(99kg)をフォークリフトにより持ち上げて、落下高さを5、10、15cmの3段階として、急落下させることにより衝撃的な水平荷重作用させた。
図17は、転倒防止性能実証実験において、水平荷重を載荷した状態での傾斜角度を計測する方法を示したものである。
表7は、除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対する実証実験の実験結果であり、実施例として、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の転倒防止性能実証実験の実験結果を示したものである。
図18は実施例として、本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎の転倒防止性能実証実験の実験結果であり、衝撃的な水平荷重により傾いた状態での傾斜角度を示したものである。
本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎12分割(4パーツ/段×3段)は、落下衝撃力の最大値(1697N)を受けても、コンクリートポールの傾斜角度は1.6°と最も小さく、現場打ち基礎「形状寸法同等品」と同等以上の性能が実証でき、最も性能が良かった。また、除荷後は、角度0゜となり完全復旧した。
〔結果の考察〕
本発明に係る分割式プレキャストコンクリート基礎は、S3.3mのコンクリートポールに容易に1人力で持ち運び取付け組立て設置が可能であり、現場掘削土(関東ローム)で埋め戻して人力転圧実施した場合でも、除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対する雪圧力(ここでは、1697Nの衝撃力)を受けることによって発生する水平荷重に対して、ほとんど傾斜せず除荷後も完全復旧でき、転倒の危険性はまったくないことが確認できた。
〔比較例〕
A.法面圧雪すべりに対する転倒防止性能実証実験
図13は比較例として、従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷の法面圧雪すべりに対する実証実験の実験方法の概要を示したものである。実験方法および実験条件は、実施例と同一として実験を実施した。
前述の表6は、法面圧雪すべりに対する実証実験結果の実験結果であり、比較例として、従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷の転倒防止性能実証実験の実験結果も示している。
図14には比較例として、従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷の転倒防止性能実証実験の実験結果も示し、試験方法は実施例と同様とした。
従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷は、転倒防止性能実証実験の結果、水平荷重が最も小さく作用(最大119kg)したが、最大水平移動距離は0.081m、最大傾斜角度は、2.1°と最も大きく、除荷後は、水平移動距離0.012m、角度0.8゜となり完全復旧しなかった。
〔結果の考察〕
従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷は、現場掘削土(関東ローム)で埋め戻して人力転圧実施した場合では、法面圧雪すべりに対する雪圧力(ここでは、豪雪地帯での2.05mの積雪を考慮)を受けることによって発生する水平荷重に対して、傾斜してしまい除荷後も完全復旧できず、転倒の危険性があることが確認された。
B.除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対する転倒防止性能実証実験の実験
図16は比較例として、従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷の除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対する実証実験の実験方法の概要を示したものである。実験方法および実験条件は、実施例と同一として実験を実施した。
前述の表7は、転倒防止性能実証実験の実験結果であり、比較例として、従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷の転倒防止性能実証実験の実験結果も示している。
従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷は、転倒防止性能実証実験の結果、落下衝撃力の最大値(1697N)を受けると、コンクリートポールの傾斜角度は3.4°と最も大きく、最も性能が悪かった。また、除荷後は、角度1.6゜となり完全復旧しなかった。
〔結果の考察〕
従来より使用されているプレキャストコンクリート製の根枷は、現場掘削土(関東ローム)で埋め戻して人力転圧実施した場合では、除雪車両の上部からの廃雪による衝撃に対する雪圧力(ここでは、1697Nの衝撃力)を受けることによって発生する水平荷重に対して、傾斜してしまい除荷後も完全復旧できず、転倒の危険性があることが確認された。
1 …分割式基礎の1パーツのブロックの連結ボルトのボルト差込側
1a…ボルト連結穴
1b…軽量化用の断面切欠き部1
1c…軽量化用の断面切欠き部2
1d…軽量化用の断面切欠き部3
1e…軽量化用の断面切欠き部4
1f…軽量化用の断面切欠き部5
1g…ブロックの上下方向の連結用の凹部メス側の直線状にエッジを有した固定溝
2 …分割式基礎の1パーツのブロックの連結ボルトのナット側
2a…ボルトインサート
2b…軽量化用の断面切欠き部1
2c…軽量化用の断面切欠き部2
2d…軽量化用の断面切欠き部3
2e…軽量化用の断面切欠き部4
2f…軽量化用の断面切欠き部5
2g…ブロックの上下方向の連結用の凸部オス側の直線状にエッジを有した突起部

Claims (4)

  1. プレキャストコンクリート製の複数のパーツを鉛直方向に複数段積み上げて構成され、中央にポールを立て付けるためのポール固定用孔が形成された分割式プレキャストコンクリート基礎において、それぞれの段は、前記ポール固定用孔位置で分割され水平一方向に延びる2パーツと、前記ポール固定用孔位置で分割され前記2パーツと水平面内で直角に交差し水平方向に延びる2パーツの合計4パーツで構成され、前記2パーツどうしが交差する位置に上下に嵌合し合う凹部と凸部が形成されており、前記パーツのそれぞれに上下方向の貫通孔が設けられており、複数段積み上げられた状態で、前記貫通孔に貫通させた上下方向の縦締め連結ボルトにより連結一体化されていることを特徴とするプレキャストコンクリート製分割式基礎。
  2. 請求項1記載のプレキャストコンクリート製分割式基礎において、前記複数のパーツの総重量が240kg以上であり、4パーツからなる段が3段以上で、合計12パーツ以上のプレキャストコンクリート製のブロックで構成されていることを特徴とするプレキャストコンクリート製分割式基礎。
  3. 請求項2記載のプレキャストコンクリート製分割式基礎において、前記プレキャストコンクリート製のブロック1つの重量が20kg以下であることを特徴とするプレキャストコンクリート製分割式基礎。
  4. 請求項1、2または3記載のプレキャストコンクリート製分割式基礎において、前記各パーツに設けられた凹部と凸部はくさび連結形状に形成されていることを特徴とするプレキャストコンクリート製分割式基礎。
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