JP2017145233A - ケイ酸塩と鉱泉水を応用した界面活性剤不使用化粧用クリーム - Google Patents

ケイ酸塩と鉱泉水を応用した界面活性剤不使用化粧用クリーム Download PDF

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Abstract

【課題】界面活性剤及び合成高分子による乳化及び増粘作用を使用しないで天然物からの素材を使用、低分子天然素材のケイ酸分使用による乳化作用及び又はその補助作用と鉱泉水を活用してなめらか且つベトツキ感のないクリームを得ることを課題とする。【解決手段】水溶性ケイ酸分の界面活性力と鉱泉水を利用して原料水中のpHを少しずつ適性pHに近づけることによりゲル化及び粘性増加が起こることによる補助力を化粧品に使用の天然素材等自体での乳化力と併せて活用することにより課題を解決することが出来る。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明は化粧用クリームに関し、特にケイ酸分及び鉱泉水使用による乳化物の作成保持により界面活性剤及び化学反応高分子不使用の化粧用クリームに関するものである。
化粧用クリームは美的感覚付与の他に皮膚の保護も必要な所から水性原料及び油性原料を乳化保持し広く多くの有用素材を含んでいる。乳化保持するために広く界面活性剤が使用されるが近年化学合成界面活性剤(非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、両性イオン性)は嫌われ天然の素材に基づいた乳化剤が肌にやさしいとして好まれるようになってきている。又常時肌に付与するものであるだけに人為作用の加わった化学反応物は避ける方向にある。本願はこれらの界面活性剤や合成高分子は使用せずケイ酸分及び鉱泉水を使用するが、このようなニーズに対する技術及び関係技術として以下のような技術が開示されている。
(1)特許第3604232号
(2)特表2005−529976
(3)特開平9−202713
特許第3604232号は「界面活性剤を含有しない化粧用クリーム及び乳液の製造方法」であり、合成界面活性剤は不使用であるが合成であるカルボキシビニルポリマーを用いており増粘剤として合成高分子の使用であり、製品としてはベトツキ感を免れない。
特表2005−529976は「ケイ酸カルシウムを含む化粧用組成物」でありケイ酸塩を使用しているが不溶解粒子であり皮脂を吸収する為のものであり性状も目的も全く異なる。併せて環状シロキサンを使用しているがケイ酸カルシウムコーティングの為でありも本願目的及び使用とは全く異なる。
特開平9−202713は「化粧クリームの製造方法」であり乳化剤及び増粘剤に天然物使用しているが寒天使用であって本願とは製造法が全く異なる。
発明が解決しようとする課題
このように動向を踏まえた試みはいろいろなされているが成分、性状等いずれも不十分である。本発明者は界面活性剤及び合成高分子による乳化及び増粘作用を使用しないで天然物からの素材を使用、低分子天然素材のケイ酸分使用による乳化作用及び又はその補助作用を活用してなめらか且つベトツキ感のないクリームを得ることを目的とする。
課題を解決するための手段
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、水溶性ケイ酸分の界面活性力と原料水中のpHを少しずつ適性pHに近づけることによりゲル化及び粘性増加が起こることによる補助力を、有機酸或いはその塩、アルコール、エステル等これら自体での乳化力と併せて活用することにより、界面活性剤及び合成高分子を使用しないで乳化物を容易に得ることを知り、本発明を完成するに至った。
ここで油相とは酸性鉱泉水に油性原料、好ましくはステアリン酸、セタノール、ステアリン酸グリセリルを混合したものであり、水相とは精製水或いは中性又はアルカリ性鉱泉水に水性成分を溶解させたものであり、ケイ酸ソーダ水とは中性又はアルカリ性鉱泉水にケイ酸ナトリウム水溶液を混合したものをいう。乳化とは本来の乳化の他にゲル化や粘性増加による乳化物作成維持等も含めて言う。又適性pHとは皮膚のpHは4.5〜6.0とされいずれでもよいが好ましくは5.5〜6.5とする
即ち酸性鉱泉水をステアリン酸、セタノール、ステアリン酸グリセリル混合物に混入し、酸性を帯びた乳化状態の油相を作成し、それに中性又はアルカリ性の鉱泉水及び又は水溶性ケイ酸濃縮水を加えたケイ酸ソーダ水を加えて段階的に適性pHに近づける。他方水溶性成分を溶解した水相に前記ケイ酸ソーダ水を加えて有機成分含有の水相にもケイ酸分をいきわたらせてから前記油相に混合し油相中の残り酸性を適性pHにすることにより乳化作成と保持が行える。しかも各素材は低分子であるためなめらかであると共にべたつきがない。
界面活性剤は前記非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、両性イオン性のものをいい天然の化合物は除く。又、合成高分子はカルボキシメチルセルロース等化学反応高分子もふくまれる。但しナノセルロースは化学反応物でないので含まれない。
又、鉱泉水とは自然の湧水であって、水中にミネラル分及びケイ酸分を多く含有するものが好ましい。井戸からくみ上げる水や温泉も含むが海水は含まない。ケイ酸分とは水溶性ケイ酸又はケイ酸イオンであり濃度やアルカリとのモル比等によってモノマーからいわゆるポリマー、水溶性からコロイド状といろいろであるがそれらを総合していう。鉱泉水には硫酸根等陰イオンも含まれておりpHも幅が有り、ここでいう酸性鉱泉水とはpH2〜4.5、好ましくは2〜4のものを指す。実施例として使用する酸性鉱泉水は山梨県産の金峰水でpH2.4〜2.6である。又中性或いはアルカリ性鉱泉水とはpH7〜12のものである。実施例で使用の奥飛騨原水はpH7.4であり水溶性ケイ酸濃縮液(商品名umo濃縮溶液:APAコーポレイション製)はpH10〜12である。
本願で油性成分に併せて使用する前記酸性鉱泉水は山梨県で湧出する金峰水として知られるが数多くのミネラル分を含有するとともに表1に示す如く水溶性ケイ酸を多く含んでいる。
Figure 2017145233
又、酸性を示す陰イオンは硫酸イオンが406.7mg/kg、硫酸水素イオンが57.1mg/kgと多く含まれている。日本には硫黄泉といわれる硫黄含有量ひいては硫酸分を多く含んだ酸性鉱泉水が多く存在するがこれらはpH値が合うものは全て使用可能である。
水相としては精製水或いは中性又はアルカリ性の鉱泉水を使用し、ケイ酸ソーダ水としては中性又はアルカリ性鉱泉水に濃縮ケイ酸水の混合水を使用するがこの鉱泉水としては実施例においてはpH7.4の奥飛騨原水‐生水を使用している。奥飛騨原水‐生水の界面活性力は水道水よりも強い。フーリエ変換型核磁気共鳴装置(日本電子JNM−EX400型FT−NMR)でサラダ油の水に溶け込んだ量を調べた所本試料水の9.35mMOLに対し武蔵野水道水は6.08mMOLでその差3.27mMOLと本試料の方が1.53倍大であった。又この奥飛騨原水‐生水は酸化還元電位が+127mVと他の水道水、ミネラルウォーターに比べて低い値を示した。
濃縮ケイ酸水としては水晶石を2000℃で燃焼し純水に溶解して作成した水溶性珪素濃縮溶液を使用することができる。使用した水溶性珪素濃縮溶液(商品名umo濃縮溶液)のpHは10〜12、含有珪素量は8730ppmであった。
ケイ酸分に乳化力があることは知られているが、ゲル化、粘性増加等化学的性質は非常に複雑でケイ酸ナトリウム溶液に酸が加わるとアルカリの中和につれてpHが低下し粘度が上昇し、さらに進むとゲル状に硬化する。酸性からの中和につれても同様複雑である。ケイ酸ナトリウム溶液はCa,Mg,Al等多価金属イオンと反応してゲル化したり、又有機エステルはアルカり存在下酸を生成しゲル化促進したりする。粘度の上昇、ゲル化の速度はケイ酸ナトリウム純系であっても酸の種類、量、濃度、温度によって異なるが、本願の場合鉱泉水からくる多価金属との反応や更に多くの有機成分の乳化が同時に絡むので、実施による状態から結果的に良し悪しを判断することができる。
親油性のもの例えばスクワラン、ホホバオイル、オリーブ油等は添加量が少ないので油相、水層、或いはケイ酸ソーダ水に添加しても良い。他の保湿材、安定材、防腐材、皮膚軟化材、増粘材、香料、補助剤等の添加量が少ない添加材も同様添加することができる。
上記各工程の混合は前後しても良いが酸性の油相にアルカリ性の水相を加えて微酸性に持っていく方が好ましい。本願は酸性、アルカリ性の溶液を混合反応によってゲル化・増粘をもたらしていくので、当初から適性pH値の両溶液を作り混合するのは好ましくない。
本願発明における油相製造工程において使用するステアリン酸は植物由来の高級脂肪酸であり化粧品クリームの基本原料であり、セタノールは乳化を安定させる成分で皮膚になじんで被膜を作り乾燥を防ぎ、ステアリン酸グリセリルは皮膚をしなやかにして柔軟性を保ついずれも化粧クリームに常用の成分である。この油分2に対し酸性鉱水泉1の割合で添加、均一に混合して油相とする。鉱泉水は全国各地に得られるが各地の温泉がそれぞれ微妙に異なるように各種のミネラル含有も微妙に異なりそれぞれの特色があり、油相作成行程ではステアリン酸と一部塩を形成することにより乳化保持と鉱泉独自のミネラル配分を提供することにもつながる。
水相としては精製水及び又は鉱泉水を使用し、ベトツキの少ないサラッとした保湿成分である1,3‐ブチレングリコール、他化粧クリームに常用のグリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、コラーゲン、ヒアルロン酸等の常用の水溶性分をそれぞれ所定量溶解することができる。
その他の添加剤で親水性のものもここで加えることができる。
別の工程として鉱泉水1に濃縮ケイ酸水1の割合で混合ケイ酸ソーダ水を作成する。分割してそれぞれ先に製造した油相と水相に緩やかに撹拌しながら少量ずつ添加しながらそれぞれの均一相を作成する。
上記油相に上記水相同量配合する。乳化剤作成温度は78〜90℃の範囲で好ましくは80℃で上記油相に同温の上記水相を低速撹拌しながら徐々に加えエマルジョンになったのを目視で確認後同温で更に30分間撹拌続けた後冷却する。20℃に下がったら同温で撹拌を5〜10分つづけた後48時間静置する。
このように各工程作成の中でケイ酸分を分散して配合することにより、滑らかでさらりとしたきめ細かい乳化クリームを得ることができる。撹拌は高速でなく低速でゲル状を保持しつつ且つ均一になるよう行うことが望ましい。冷却により油分が固化するので油相は温度を保持したまま次の工程に移っても良い。
以下本発明の実施例を説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。尚表中配合量は全て重量%である。
1)配合原料(油相)の作成
Figure 2017145233
予めaの鉱泉水(金峰水)15w%を80℃に加温し保存しておく。次いでb群のステアリン酸、セタノール、ステアリン酸グリセリル及びc群を表2に記した量で80℃に加温し、20分低速撹拌混合する。次いでこの混合油分にaの鉱泉水を少量ずつ添加80℃で25分低速撹拌を続ける。均一になった液体を室温に冷却して電解質となる鉱泉を含む油相を得る。
2)配合原料(水相)の作成
Figure 2017145233
80℃に加温した精製水dに1,3‐ブチレングリコール他e群、,f群の水溶性成分を低速撹拌しつつ加え25分間撹拌して均一の水溶液を得る。
3)ケイ酸ソーダ水の作成と配分
鉱泉水(奥飛騨原水‐生水)11.2部を80℃に加温し、同温の水溶性珪素濃縮溶液(商品名umo濃縮溶液)7.5部を混合する。この液を等分に分け先に作成した油相と水相にそれぞれ加えケイ酸分を双方に均等にいきわたらせる。
4)乳化行程
ケイ酸ソーダ水を加えた上記油相にケイ酸ソーダ水を加えた上記水相を低速撹拌しつつ加え30分撹拌を続ける。目視で充分良好な乳化状態になったのを確認後冷却する。20℃に冷却ご更に低速撹拌を5〜10分つづけた後48時間静置して乳化クリームを完成する。
以上の結果得られたケイ酸ナトリウム配合化粧クリームの成分と量は以下の如くなる。
Figure 2017145233
実施例2
水相における精製水に変えて鉱泉水(奥飛騨原水・生水)を使用したほかは実施例1と同様にした。結果は同じく滑らかで良い乳化物が得られた。
実施例3
ケイ酸ソーダ水を加えた水相に同様に加えた油相を少量づつ低速撹拌しつつ加えていき同様に乳化作成を行った。途中部分的に固化程度の異なる状況も見られたが撹拌続けるうちに均一化され滑らかな乳化状態のものが得られた。
比較例1
油相に水相を添加混合し更にケイ酸水ソーダ水を全量加えて撹拌混合試作した所滑らかな乳化状態とならず不十分な状態のものであった。
発明の効果
飽和脂肪酸及び高級アルコール等処方されている化粧品成分及び電解質が、ケイ酸分の乳化力及び鉱泉水利用段階的中和によるゲル化等の作用により、更に鉱泉水中の溶解ケイ酸分の効果も加わって、界面活性剤及び合成高分子不使用で乳液状の製剤となり、しかも通常の乳液とは異なったベトツキ感のないシットリした感触の乳液クリームが得られた。

Claims (5)

  1. 化粧用油性原料及び化粧用水性原料にケイ酸分及び鉱泉水を含む水溶液を配合した後混合して界面活性剤及び合成高分子無しで乳化することを特徴とする化粧用クリーム。
  2. 前記化粧用油性原料がステアリン酸、セタノール、ステアリン酸グリセリルを含むものであり、水性原料が1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、コラーゲン、ヒアルロン酸ナトリウム、天然カプリル酸グリセリルの1種或いは2種以上を含む水溶液であり、ケイ酸ナトリウム水を鉱泉水に混合した液を分割して油性原料、水性原料に配合した後混合乳化したことを特徴とする請求項1の化粧用クリーム。
  3. ステアリン酸、セタノール、ステアリン酸グリセリルを78〜90℃に加温撹拌しながら同一温度に加温した酸性鉱泉水を加えて撹拌均一混合化して油相を作成する工程、精製水及び又は中性乃至アルカリ性の鉱泉水に1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、コラーゲン、ヒアルロン酸ナトリウム、天然カプリル酸グリセリルの1種或いは2種以上を溶解して水相を作成する工程、ケイ酸ナトリウム水を中性又はアルカリ性鉱泉水に混合するケイ酸ソーダ水の作成行程、前記工程物すべてを78〜90℃好ましくは80℃に加温しつつ前記ケイ酸ソーダ水を分割して油相、水相それぞれに撹拌しつつ加え、その後その油相部分に水相部分を撹拌しながら加え乳化することを特徴とする化粧用クリームの製造方法。
  4. スクワラン、ホホバオイル、オリーブ油を油相或いはケイ酸ソーダ水に添加混合する請求項3の化粧用クリームの製造方法。
  5. 油相40〜50部にケイ酸ソーダ水を7〜10部添加した液に、水相30〜40部にケイ酸ソーダ水を7〜10部添加した溶液を加えて混合乳化することを特徴とする請求項3、請求項4の化粧用クリームの製造方法。
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