JP2017145444A - 焼結体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧粉成形体の機械的強度を高め、焼結前の圧粉成形体に対する機械加工が容易であり、生産性に優れる焼結体の製造方法を提供する。【解決手段】金属粉末と、潤滑剤と、液体の熱硬化性樹脂及び常温硬化性樹脂の少なくとも一方の硬化性樹脂がマイクロカプセルに内包された硬化性樹脂マイクロカプセルとを含有する原料粉末を用意する準備工程と、前記原料粉末を加圧成形して圧粉成形体を作製する成形工程と、前記圧粉成形体中の前記硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、前記硬化工程の後、前記圧粉成形体を機械加工する加工工程と、前記加工工程の後、前記圧粉成形体を焼結する焼結工程と、を備える焼結体の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、金属粉末を加圧成形した圧粉成形体を焼結する焼結体の製造方法に関する。特に、圧粉成形体の機械的強度を高め、焼結前の圧粉成形体に対する機械加工が容易であり、生産性に優れる焼結体の製造方法に関する。
鉄粉などの金属粉末を加圧成形して焼き固めた焼結体(焼結合金)が、自動車部品や機械部品などに利用されている。焼結体を利用した部品(焼結部品)としては、例えばスプロケット、ロータ、ギア、リング、フランジ、プーリー、ベーン、軸受けなどが挙げられる。一般に、焼結体は、金属粉末を含有する原料粉末を金型で加圧成形して圧粉成形体を作製し、これを焼結することで製造されている。原料粉末には、金属粉末の流動性を高めたり、圧粉成形体の型抜き性を良くしたりするため、潤滑剤が含まれている。
焼結部品の中には、穴や凹凸を有するなど複雑な形状しているものもあり、金型を用いた加圧成形のみでは所望の形状が得られない場合がある。そこで、従来、複雑な形状を有する焼結体は、焼結後に機械加工を行って、所定の形状に加工している。しかし、焼結体は、金属粉末の粒子同士が焼結によって強固に結合しているため、硬い。そのため、焼結体に対する機械加工は困難で、加工に時間がかかる上、工具寿命も短くなるなど、加工コストが高く、生産性が低いという問題がある。
焼結前の圧粉成形体に機械加工を行って、所定の形状に加工した圧粉成形体を焼結することが考えられる。焼結前の圧粉成形体は、焼結体に比べて硬度が低いため、加工コストの低減が期待できる。しかし、単に加圧成形のみした圧粉成形体は脆く、機械的強度が低いため、機械加工の際に欠けや亀裂が発生し易いなど、切削加工性の点で問題がある。よって、圧粉成形体に対する機械加工も実際問題として困難である。
焼結体の製造方法に関する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1には、金属粉末を加圧成形した成形体を仮焼成し、仮焼成した仮焼成体を機械加工した後、本焼成することが記載されている。特許文献1の製造方法によれば、成形体を仮焼成した仮焼成体は、仮焼成前の成形体に比較して機械的強度が高く、機械加工した際に欠け難くなり、機械加工が容易になる。また、仮焼成体は、本焼成後の焼結体に比較して硬度が低く、機械加工が容易になる。つまり、特許文献1の製造方法では、圧粉成形体を仮焼成して機械的強度を高め、仮焼成体に対して機械加工を行うことにより、機械加工性の問題を解決することを提案している。
特開2007−77468号公報
圧粉成形体の機械的強度を高め、圧粉成形体の切削加工性を改善することが望まれる。これにより、焼結前の圧粉成形体に対する機械加工が容易になり、加工コストを低減でき、生産性を改善できる。特に、圧粉成形体にドリルで穴あけ加工する場合、切削速度を速くしたり、加工穴の周囲が薄肉になるように穴あけ加工すると、加工穴の周囲に欠けや薄肉部に亀裂が発生し易く、このような加工条件でも欠け等が生じないことが望まれる。
特許文献1の製造方法では、圧粉成形体を仮焼成することによって、金属粉末の粒子同士の焼結がある程度進んでいる。そのため、仮焼成体は、本焼成後の焼結体に比べて硬度が低いとはいうものの、ある程度の硬さを有していると考えられ、機械加工を容易にする点で改善の余地がある。特許文献1の製造方法では、仮焼成によって、潤滑剤が除去されている。
そこで、本発明の目的の一つは、圧粉成形体の機械的強度を高め、焼結前の圧粉成形体に対する機械加工が容易であり、生産性に優れる焼結体の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様に係る焼結体の製造方法は、準備工程と、成形工程と、硬化工程と、加工工程と、焼結工程とを備える。
前記準備工程は、金属粉末と、潤滑剤と、液体の熱硬化性樹脂及び常温硬化性樹脂の少なくとも一方の硬化性樹脂がマイクロカプセルに内包された硬化性樹脂マイクロカプセルとを含有する原料粉末を用意する。
前記成形工程は、前記原料粉末を加圧成形して圧粉成形体を作製する。
前記硬化工程は、前記圧粉成形体中の前記硬化性樹脂を硬化させる。
前記加工工程は、前記硬化工程の後、前記圧粉成形体を機械加工する。
前記焼結工程は、前記加工工程の後、前記圧粉成形体を焼結する。
上記焼結体の製造方法は、圧粉成形体の機械的強度を高め、焼結前の圧粉成形体に対する機械加工が容易であり、生産性に優れる。
実施形態1に係る焼結体の製造方法を工程順に示す製造工程図である。
本発明者は、圧粉成形体の機械的強度を高め、圧粉成形体の切削加工性を改善する方法について、鋭意検討を行った。その方法の一つとして、金属粉末を含有する原料粉末に接着剤となる熱硬化性樹脂や常温硬化性樹脂の硬化性樹脂を添加すると共に、加圧成形後に圧粉成形体中の硬化性樹脂を硬化させることを考えた。これにより、金属粉末の粒子同士を硬化性樹脂によって接着して粒子同士の結合力を高め、機械加工が容易になる程度に圧粉成形体の機械的強度を高めることができる。
熱硬化性樹脂や常温硬化性樹脂には、固体のものと液体のものとがあり、原料粉末に対する硬化性樹脂の添加方法としては、液体の場合はそのまま混合したり、固体の場合は粉末にして混合したりすることが挙げられる。液体の硬化性樹脂を用いた場合は、金属粉末の粒子同士が凝集するなど、金属粉末の流動性の低下を招き、却って生産性の低下を招く懸念がある。一方、硬化性樹脂の粉末を用いる場合は、原料粉末中に硬化性樹脂の粉末を均一に分散させ易くするため、硬化性樹脂の粉末の粒径を小さく、例えば平均粒径を100μm以下、更には60μm以下とする必要がある。しかし、粒径を小さくすると、原料粉末の流動性の低下を招く虞がある。逆に、粒径を大きくすれば、原料粉末中に硬化性樹脂の粉末が均一に分散せず、圧粉成形体の機械的強度を全体的に高めることが難しい。例えば、硬化性樹脂の粉末が圧粉成形体の外周面まで行き渡らず、圧粉成形体の外周面近傍の強度が局所的に低くなる場合がある。
したがって、液体や固体の硬化性樹脂をそのまま用いたとしても、生産性を十分に改善することが難しい。そこで、本発明者は、液体の硬化性樹脂をマイクロカプセルに内包した硬化性樹脂マイクロカプセルを用いることを考えた。硬化性樹脂マイクロカプセルであれば、液体の硬化性樹脂であっても、マイクロカプセル化することにより、見かけ上、固体として取り扱うことができる。よって、硬化性樹脂マイクロカプセルを用いた場合、原料粉末に混ぜても、液体の硬化性樹脂のように金属粉末の粒子同士の凝集を招くことがなく、流動性の問題を解決できる。また、硬化性樹脂マイクロカプセルは、原料粉末を加圧成形する際の圧力によってカプセルが破壊され、カプセル内の液体の硬化性樹脂が流出する。その際、液体の硬化性樹脂は、金属粉末の粒子間に浸透すると共に、粒子間の隙間を通って圧粉成形体の全体に亘って拡散することになる。そのため、液体の硬化性樹脂が圧粉成形体の外周面まで行き渡り、圧粉成形体の機械的強度が局所的に低くなることも少ない。よって、硬化性樹脂マイクロカプセルを用いた場合、硬化性樹脂の粉末に比べて硬化性樹脂の分散性が高く、圧粉成形体中に硬化性樹脂を均一に分散させることができ、分散性の問題を解決できる。
また、硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用い、圧粉成形体を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる場合に、加熱温度を潤滑剤の脱ろう温度未満とすることで、樹脂硬化後の圧粉成形体において、潤滑剤を除去せずに残存させることができる。潤滑剤は、機械加工する際の潤滑剤として機能し、圧粉成形体の切削加工性の向上に寄与することが期待される。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものである。最初に、本発明の実施形態を列挙して説明する。
[本発明の実施形態の説明]
(1)本発明の一態様に係る焼結体の製造方法は、準備工程と、成形工程と、硬化工程と、加工工程と、焼結工程とを備える。
前記準備工程は、金属粉末と、潤滑剤と、液体の熱硬化性樹脂及び常温硬化性樹脂の少なくとも一方の硬化性樹脂がマイクロカプセルに内包された硬化性樹脂マイクロカプセルとを含有する原料粉末を用意する。
前記成形工程は、前記原料粉末を加圧成形して圧粉成形体を作製する。
前記硬化工程は、前記圧粉成形体中の前記硬化性樹脂を硬化させる。
前記加工工程は、前記硬化工程の後、前記圧粉成形体を機械加工する。
前記焼結工程は、前記加工工程の後、前記圧粉成形体を焼結する。
上記焼結体の製造方法によれば、原料粉末に硬化性樹脂マイクロカプセルを含有することで、硬化性樹脂(熱硬化性樹脂及び常温硬化性樹脂の少なくとも一方)によって、原料粉末を加圧成形した圧粉成形体の機械的強度を高めることができ、圧粉成形体の切削加工性を改善できる。上記焼結体の製造方法は、焼結前の圧粉成形体に対する機械加工が容易であり、生産性に優れる。
硬化性樹脂マイクロカプセルは、液体の硬化性樹脂(熱硬化性樹脂及び常温硬化性樹脂の少なくとも一方)をマイクロカプセル化することにより、見かけ上、固体として取り扱うことができる。そのため、原料粉末に混ぜても、金属粉末の粒子同士の凝集が生じ難く、原料粉末の流動性を確保できる。また、硬化性樹脂マイクロカプセルは、成形工程において、原料粉末を加圧成形する際にその圧力によってカプセルが破壊され、カプセル内の液体の硬化性樹脂が流出する。流出した液体の硬化性樹脂は、金属粉末の粒子間に浸透して、圧粉成形体の全体に亘って拡散することになる。そのため、後の硬化工程で圧粉成形体中の硬化性樹脂を硬化させることによって、圧粉成形体の機械的強度を全体的に高めることができ、樹脂硬化後の圧粉成形体は局所的に強度が低い部分が少ない。したがって、機械加工した際に欠けや亀裂が発生し難く、機械加工が容易になる。
硬化工程において、圧粉成形体中に含まれる硬化性樹脂を硬化させることで、硬化性樹脂によって金属粉末の粒子同士を接着して粒子同士の結合力を高めることができる。そして、機械加工が容易になる程度に圧粉成形体の機械的強度を高めることができる。硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、硬化工程で圧粉成形体を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる。また、硬化工程において、圧粉成形体を潤滑剤の脱ろう温度未満に保持しながら硬化性樹脂を硬化させることで、圧粉成形体中の潤滑剤が除去されず、樹脂硬化後の圧粉成形体に潤滑剤を残存させることができる。圧粉成形体が潤滑剤を含有することにより、後の加工工程において、潤滑剤が機械加工する際の潤滑剤として機能し、圧粉成形体の切削加工性の向上が期待できる。
加工工程における機械加工は、代表的には切削加工であり、切削加工としては、例えば、転削加工、旋削加工が挙げられる。転削加工には、フライスやエンドミルを用いた加工やドリルを用いた穴あけ加工が挙げられる。
(2)上記焼結体の製造方法の一形態として、上記記硬化工程では、上記圧粉成形体を、上記潤滑剤の脱ろう温度未満の温度範囲で加熱して、上記硬化性樹脂を硬化させることが挙げられる。
硬化工程において、圧粉成形体を加熱することで、圧粉成形体中の硬化性樹脂の硬化を促進させることができる。硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、加熱温度を熱硬化性樹脂の硬化温度以上とすることで、圧粉成形体中の熱硬化性樹脂を硬化させることができる。また、加熱温度を潤滑剤の脱ろう温度未満とすることで、圧粉成形体中の潤滑剤が除去されず、樹脂硬化後の圧粉成形体に潤滑剤を残存させることができる。一方で、硬化性樹脂が常温硬化性樹脂である場合は、加熱しなくても常温で硬化させることが可能であり、圧粉成形体を加熱しなくてもよく、圧粉成形体の加熱を省略することができる。加熱しないことで、潤滑剤の脱ろう温度未満に保持されるので、圧粉成形体に潤滑剤が残存することになる。硬化性樹脂が常温硬化性樹脂である場合であっても、圧粉成形体を加熱してもよく、脱ろう温度未満の温度範囲で加熱することで、樹脂の硬化を促進させ、硬化時間を短縮できる場合がある。
(3)上記焼結体の製造方法の一形態として、上記硬化性樹脂がエポキシ樹脂であることが挙げられる。
液体の熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂が挙げられ、液体の常温硬化樹脂としては、例えば、2液タイプの常温硬化性エポキシ樹脂が挙げられる。2液タイプの場合、本剤と硬化剤とをそれぞれマイクロカプセル化して組み合わせて用いるとよい。中でも、金属粉末粒子との接着性に優れる点でエポキシ樹脂が好ましい。硬化性樹脂をエポキシ樹脂とすることで、圧粉成形体の機械的強度を十分に高めることができ、適度な機械的強度を有する圧粉成形体を得易い。
(4)上記焼結体の製造方法の一形態として、上記金属粉末に対する上記硬化性樹脂の添加量が1.0質量%以下であることが挙げられる。
焼結工程において、硬化性樹脂は除去される。硬化性樹脂の添加量を1.0質量%以下とすることで、焼結前の圧粉成形体に含まれる金属粉末の割合を多くでき、焼結体の密度を高めることができる。そして、焼結体の機械的強度を高めることができる。硬化性樹脂の添加量の下限は、特に限定されないが、圧粉成形体の全体に行き渡るように、例えば0.05質量%以上とすることが挙げられる。
(5)上記焼結体の製造方法の一形態として、上記硬化性樹脂マイクロカプセルの平均粒径が100μm超であることが挙げられる。
硬化性樹脂マイクロカプセルの平均粒径は、硬化性樹脂マイクロカプセルの製造上の観点から、例えば、20μm以上300μm以下とすることが挙げられる。硬化性樹脂マイクロカプセルの平均粒径を100μm超とすることで、原料粉末の流動性の低下を抑制し易い。硬化性樹脂マイクロカプセルの平均粒径の上限は、原料粉末の混合のし易さなどの観点から、300μm以下が好ましい。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る焼結体の製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。実施形態に係る焼結体の製造方法の特徴の1つは、原料粉末に硬化性樹脂マイクロカプセルを含有する点にある。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
<焼結体の製造方法>
実施形態1に係る焼結体の製造方法を図1に示す。実施形態1の製造方法は、準備工程(S1)と、成形工程(S2)と、硬化工程(S3)と、加工工程(S4)と、焼結工程(S5)とを備える。以下、各工程の概要について最初に説明し、次いで、各工程の詳細について説明する。
1.準備工程(S1):金属粉末と、潤滑剤と、液体の熱硬化性樹脂及び常温硬化性樹脂の少なくとも一方の硬化性樹脂がマイクロカプセルに内包された硬化性樹脂マイクロカプセルとを含有する原料粉末を用意する。
2.成形工程(S2):原料粉末を加圧成形して圧粉成形体を作製する。
3.硬化工程(S3):圧粉成形体中の硬化性樹脂を硬化させる。
4.加工工程(S4):硬化工程(S3)の後、圧粉成形体を機械加工する。
5.焼結工程(S5):加工工程(S4)の後、圧粉成形体を焼結する。
(1.準備工程(S1))
〈金属粉末〉
金属粉末は、焼結体を構成する主たる材料であり、金属粉末としては、例えば、鉄又は鉄を主成分とする鉄合金、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金などの各種金属の粉末が挙げられる。金属粉末には、代表的には、純鉄粉や鉄合金粉を用いることが挙げられる。ここで、「主成分とする」とは、構成成分として、当該元素を50質量%超、好ましくは80質量%以上、更に90質量%以上含有することを意味する。鉄合金としては、Cu,Ni,Sn,Cr,Mo及びCから選択される少なくとも1種の合金化元素を含有するものが挙げられる。上記合金化元素は、鉄系焼結体の機械的特性の向上に寄与する。上記合金化元素のうち、Cu,Ni,Sn,Cr及びMoの含有量は、合計で0.5質量%以上5.0質量%以下、更に1.0質量%以上3.0質量%以下とすることが挙げられる。Cの含有量は、0.2質量%以上2.0質量%以下、更に0.4質量%以上1.0質量以下とすることが挙げられる。また、金属粉末に鉄粉を用い、これに上記合金化元素の粉末(合金化粉末)を添加してもよい。この場合、原料粉末の段階では金属粉末の構成成分が鉄であるが、後の焼結工程(5)で焼結することによって鉄が合金化元素と反応して合金化される。原料粉末における金属粉末(合金化粉末を含む)の含有量は、例えば、90質量%以上、更に95質量%以上とすることが挙げられる。金属粉末には、例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、カルボニル法、還元法などにより作製したものを利用できる。
〈金属粉末の粒径〉
金属粉末の平均粒径は、例えば、20μm以上200μm以下、更に50μm以上150μm以下とすることが挙げられる。金属粉末の平均粒径を上記範囲内とすることで、取り扱い易く、後の成形工程(S2)において加圧成形し易い。更に、金属粉末の平均粒径を20μm以上とすることで、原料粉末の流動性を確保し易い。金属粉末の平均粒径を200μm以下とすることで、緻密な組織の焼結体を得易い。金属粉末の平均粒径は、金属粉末を構成する粒子の平均粒径のことであり、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した体積粒度分布における累積体積が50%となる粒径(D50)とする。
〈潤滑剤〉
潤滑剤は、主として、金属粉末の流動性や圧粉成形体の離型性を改善するものであり、公知のものを利用できる。潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸リチウムなどの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アミドやエチレンビスステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミドなどが挙げられる。また、潤滑剤は、後の加工工程(S4)において、機械加工する際の潤滑剤としても機能し、圧粉成形体の切削加工性の向上に寄与する。潤滑剤の配合量は、例えば、0.1質量%以上2.0質量%以下、更に0.5質量%以上1.0質量%以下とすることが挙げられる。潤滑剤の配合量は、金属粉末と潤滑剤との合計量を100質量%としたときの合計量に対する潤滑剤の割合である。
〈硬化性樹脂マイクロカプセル〉
硬化性樹脂マイクロカプセルは、液体の硬化性樹脂(熱硬化性樹脂及び常温硬化性樹脂の少なくとも一方)をマイクロカプセル化したものである。硬化性樹脂は、後の成形工程(S2)・硬化工程(S3)を経て、圧粉成形体の機械的強度を高め、圧粉成形体の切削加工性を改善するものである。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。常温硬化性樹脂としては、例えば、2液タイプの常温硬化性エポキシ樹脂などが挙げられる。特に、金属粉末粒子との接着性に優れる点でエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂を用いることで、後の硬化工程(S3)で樹脂硬化後の圧粉成形体の機械的強度を十分に高めることができ、適度な機械的強度を有する圧粉成形体を得易い。エポキシ樹脂の場合、1液タイプでも2液タイプでもよく、2液タイプの場合は、本剤と硬化剤とをそれぞれマイクロカプセル化して組み合わせて用いるとよい。2液タイプの常温硬化性エポキシ樹脂の場合は、成形後の硬化工程で加熱しなくてもよく、圧粉成形体の加熱を省略することも可能である。熱硬化性樹脂の硬化温度は、樹脂の成分にもよるが、エポキシ樹脂の場合100℃〜150℃程度、不飽和ポリエステル樹脂の場合90℃〜130℃程度である。
〈硬化性樹脂の添加量〉
金属粉末に対する硬化性樹脂の添加量は、例えば、1.0質量%以下とすることが挙げられる。硬化性樹脂の添加量を少なくすることで、原料粉末に含まれる金属粉末の割合を多くでき、後の成形工程(S2)において金属粉末の割合が多い圧粉成形体を作製できる。そのため、焼結体の密度を高めることができ、焼結体の機械的強度を高めることができる。硬化性樹脂の添加量は、後の成形工程(S2)において、金属粉末の粒子間に浸透して、圧粉成形体の全体に亘って拡散できる量であればよい。硬化性樹脂の添加量の下限は、特に限定されないが、圧粉成形体の全体に行き渡るように、例えば0.05質量%以上とすることが挙げられる。より好ましい硬化性樹脂の添加量は、0.1質量%以上0.5質量%以下である。硬化性樹脂の添加量は、金属粉末を100質量%としたときの金属粉末に対する硬化性樹脂の割合である。
硬化性樹脂マイクロカプセルは、公知のものを利用したり、公知の製法で作製できる。1液タイプの熱硬化性エポキシ樹脂がマイクロカプセル化されたエポキシ樹脂マイクロカプセルとしては、例えば、ケミテックアドバンス株式会社や株式会社スリーボンドなどから入手可能である。硬化性樹脂マイクロカプセルの製法としては、公知のマイクロカプセル化法、例えば、水溶液系からの相分離法(コアセルベーション法)、有機溶液系からの相分離法、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法(オリフィス法)、液中乾燥法、融解分散冷却法などを利用できる。硬化性樹脂を内包するカプセルの皮膜材料には、例えば、ゼラチン、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂などを使用できる。カプセルの皮膜材料や皮膜の厚さは、後の成形工程(S2)で加圧成形した際にその圧力によって破壊されるように選択するとよい。
〈硬化性樹脂マイクロカプセルの粒径〉
硬化性樹脂マイクロカプセルの平均粒径は、硬化性樹脂マイクロカプセルの製造上の観点から、例えば、20μm以上300μm以下とすることが挙げられる。硬化性樹脂マイクロカプセルの平均粒径は、金属粉末の平均粒径と同等程度であることが好ましい。硬化性樹脂マイクロカプセルの平均粒径が金属粉末の平均粒径と同等レベルであれば、金属粉末の流動性に影響を与えることが少ない。特に、硬化性樹脂マイクロカプセルの平均粒径を100μm超とすることが好ましく、これにより、原料粉末の流動性の低下を抑制し易い。硬化性樹脂マイクロカプセルの平均粒径の上限は、原料粉末の混合のし易さなどの観点から、300μm以下が好ましい。硬化性樹脂マイクロカプセルの平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した体積粒度分布における累積体積が50%となる粒径(D50)とする。
〈原料粉末の混合〉
原料粉末は、金属粉末と潤滑剤と硬化性樹脂マイクロカプセルとを混合して調整する。原料粉末の混合は、公知の方法を利用でき、市販の混合装置や撹拌装置を用いて行うことができる。原料粉末の混合は、硬化性樹脂マイクロカプセルのカプセル(皮膜)が破壊されないように混合するとよい。
〈その他〉
原料粉末には、成形助剤として有機バインダーなどを含有してもよい。有機バインダーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、パラフィン、各種ワックスなどが挙げられる。成形助剤(有機バインダー)は、必要に応じて添加すればよく、添加しなくてもよい。
(2.成形工程(S2))
〈加圧成形の圧力〉
原料粉末の加圧成形は、公知の方法で行えばよく、金型を用いて行うことができる。具体的には、原料粉末を金型に充填し、プレス装置により加圧して所定の形状に成形する。原料粉末を加圧成形することによって、圧粉成形体が得られる。加圧成形の圧力は、例えば、100MPa以上1500MPa以下、更に250MPa以上800MPa以下とすることが挙げられる。
原料粉末を加圧成形する際の圧力によって、原料粉末に含まれる硬化性樹脂マイクロカプセルのカプセルが破壊され、カプセル内の液体の硬化性樹脂が流出する。流出した液体の硬化性樹脂は、金属粉末の粒子間に浸透して、圧粉成形体の全体に亘って拡散することなる。液体の硬化性樹脂は、粒子間の隙間を通って圧粉成形体の外周面まで行き渡ることができる。
(3.硬化工程(S3))
〈加熱温度〉
圧粉成形体中に含まれる硬化性樹脂を硬化させる。これにより、硬化性樹脂によって金属粉末の粒子同士を接着して粒子同士の結合力を高めることができ、後の加工工程(S4)において、機械加工が容易になる程度に圧粉成形体の機械的強度を高めることができる。必要に応じて、圧粉成形体を加熱して、圧粉成形体中の硬化性樹脂を硬化させることが好ましい。具体的には、硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である場合、圧粉成形体を、熱硬化性樹脂の硬化温度以上、且つ、潤滑剤の脱ろう温度未満の温度範囲で加熱して、熱硬化性樹脂を硬化させることが挙げられる。加熱温度を熱硬化性樹脂の硬化温度以上とすることで、熱硬化性樹脂を硬化させることができる。また、加熱温度を潤滑剤の脱ろう温度未満とすることで、圧粉成形体中の潤滑剤が除去されず、樹脂硬化後の圧粉成形体に潤滑剤を残存させることができる。圧粉成形体が潤滑剤を含有することにより、後の加工工程(S4)において、潤滑剤が機械加工する際の潤滑剤として機能し、圧粉成形体の切削加工性の向上が期待できる。上述したように、硬化性樹脂が、例えば2液タイプの常温硬化性エポキシ樹脂など、加熱しなくても室温で硬化可能な常温硬化性樹脂である場合は、圧粉成形体を加熱しなくてもよい。
ここで、「潤滑剤の脱ろう温度」とは、潤滑剤が気化して潤滑剤が除去される温度のことであり、「潤滑剤の脱ろう温度未満」とは、潤滑剤が除去されない温度範囲のことを意味する。潤滑剤の脱ろう温度は、一般に、脂肪酸金属塩の場合350℃以上、脂肪酸アミドの場合350℃以上である。また、硬化工程の加熱温度は、硬化性樹脂の熱分解温度未満とすることが挙げられ、加熱温度の上限は、潤滑剤の脱ろう温度と硬化性樹脂の熱分解温度のうち低い方の温度未満とすることが挙げられる。熱硬化性樹脂の熱分解温度は、樹脂の成分にもよるが、エポキシ樹脂の場合280℃以上、不飽和ポリエステル樹脂の場合270℃以上である。
加熱時間は、硬化性樹脂が十分硬化するように、適宜設定すればよい。上記温度範囲内で加熱温度が高いほど、硬化性樹脂の硬化反応が進み、硬化時間が短くなるので、加熱時間を短くできる。
(4.加工工程(S4))
〈機械加工〉
樹脂硬化後の圧粉成形体に機械加工を行う。機械加工は、代表的には切削加工であり、切削工具を用いて所定の形状に圧粉成形体を加工する。切削加工としては、例えば、転削加工、旋削加工などが挙げられ、転削加工には、穴あけ加工が含まれる。切削工具には、穴あけ加工の場合、ドリルやリーマ、転削加工の場合、フライスやエンドミル、旋削加工の場合、バイトや刃先交換型切削チップなどを用いることが挙げられる。
(5.焼結工程(S5))
〈焼結条件〉
機械加工後の圧粉成形体を焼結する。圧粉成形体を焼結することによって、金属粉末の粒子同士が接触して結合された焼結体が得られる。圧粉成形体の焼結は、金属粉末の組成に応じた公知の条件を適用できる。例えば、金属粉末が鉄粉や鉄合金粉の場合、焼結温度は、例えば、1100℃以上1400℃以下、更に1200℃以上1300℃以下とすることが挙げられる。焼結時間は、例えば、15分以上150分以下、更に20分以上60分以下とすることが挙げられる。
焼結によって、潤滑剤や硬化性樹脂(カプセルの皮膜材料も含む)が除去される。更に、焼結工程の後、焼結体に熱処理や表面研磨などの仕上げ処理を施してもよい。
<焼結体の製造方法の作用効果>
実施形態1の焼結体の製造方法は、次の効果を奏する。
(1)原料粉末に硬化性樹脂マイクロカプセルを含有することで、硬化性樹脂によって、圧粉成形体の機械的強度を高め、圧粉成形体の切削加工性を改善できる。よって、焼結前の圧粉成形体に対する機械加工が容易であり、生産性に優れる。例えば、金型を用いた加圧成形のみでは成形することが困難な複雑な形状を有する焼結部品を効率良く製造できる。
(2)硬化性樹脂マイクロカプセルは、見かけ上、固体として取り扱うことができ、原料粉末に混ぜても、金属粉末の粒子同士の凝集が生じ難く、原料粉末の流動性を確保できる。また、硬化性樹脂マイクロカプセルは、成形工程で原料粉末を加圧成形する際の圧力によってカプセルが破壊され、カプセル内の液体の硬化性樹脂が流出することで、硬化性樹脂を圧粉成形体の全体に行き渡らせることができる。そして、後の硬化工程で圧粉成形体中の硬化性樹脂を硬化させることによって、圧粉成形体の機械的強度を全体的に高めることができ、圧粉成形体の機械加工が容易になる。
(3)硬化工程において、圧粉成形体を加熱することで、圧粉成形体中の硬化性樹脂の硬化を促進させることができる。硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、加熱温度を熱硬化性樹脂の硬化温度以上とすることで、熱硬化性樹脂を硬化させることができる。圧粉成形体を加熱する場合は潤滑剤が除去されない温度範囲(潤滑剤の脱ろう温度未満)で加熱することで、樹脂硬化後の圧粉成形体に潤滑剤を残存させることができる。これにより、後の加工工程で潤滑剤が機械加工する際の潤滑剤として機能し、圧粉成形体の切削加工性の向上が期待できる。
[試験例1]
金属粉末と潤滑剤とを含有する原料粉末に、硬化性樹脂マイクロカプセルを混合した試料No.1、熱硬化性樹脂粉末を混合した試料No.10、並びに、熱硬化性樹脂を混合しない試料No.100を用意した。そして、各原料粉末を用いて圧粉成形体を作製し、各圧粉成形体の切削加工性について評価した。
(試料No.1)
銅粉を2.0質量%、黒鉛(C)を0.8質量%の割合で添加した鉄粉(平均粒径:100μm)と、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛(脱ろう温度:350℃以上)とを用意し、鉄粉にステアリン酸亜鉛を0.8質量%の割合で配合して、原料粉末を調整した。更に、硬化性樹脂マイクロカプセルとして、市販のエポキシ樹脂マイクロカプセル(株式会社スリーボンド製M300T)を用意し、原料粉末にエポキシ樹脂マイクロカプセルを添加した。エポキシ樹脂マイクロカプセルは、1液タイプの熱硬化性エポキシ樹脂(硬化温度:140℃〜150℃、熱分解温度:280℃以上)をマイクロカプセル化したものであり、平均粒径(D50)が150μmである。エポキシ樹脂マイクロカプセルは、金属粉末に対するエポキシ樹脂の添加量が合計で0.1質量%となるように添加した。原料粉末を混合して混合粉とした。この原料粉末を試料No.1とする。
試料No.1の原料粉末を金型に充填し、プレス装置で加圧成形して、長さ30mm×幅12mm×厚さ6mmの角柱状の圧粉成形体を作製した。加圧成形の圧力(面圧)は392MPa(4000kg/cm)とした。その後、圧粉成形体を大気中、200℃で20分間加熱して、圧粉成形体に含まれるエポキシ樹脂を硬化させた。そして、エポキシ樹脂カプセルを含有する試料No.1の原料粉末を用いた圧粉成形体を作製した。
(試料No.10)
試料No.1と同じように、銅粉を2.0質量%、黒鉛(C)を0.8質量%の割合で添加した鉄粉にステアリン酸亜鉛を0.8質量%の割合で配合して、原料粉末を調整した。更に、硬化性樹脂粉末として市販のエポキシ樹脂粉末(住友ベークライト株式会社製)を用意し、原料粉末にエポキシ樹脂粉末を添加した。エポキシ樹脂粉末は、固体の熱硬化性エポキシ樹脂(硬化温度:180℃〜190℃、熱分解温度:300℃以上)の粉末であり、平均粒径(D50)が50μmである。エポキシ樹脂粉末は、金属粉末に対するエポキシ樹脂の添加量が合計で0.1質量%となるように添加した。その後、原料粉末を混合して混合粉とした。この原料粉末を試料No.10とする。
試料No.1と同じように、試料No.10の原料粉末を加圧成形して、長さ30mm×幅12mm×厚さ6mmの角柱状の圧粉成形体を作製した。加圧成形の圧力(面圧)は392MPa(4000kg/cm)とした。その後、圧粉成形体を大気中、200℃で20分間加熱して、圧粉成形体に含まれるエポキシ樹脂を硬化させた。そして、エポキシ樹脂粉末を含有する試料No.10の原料粉末を用いた圧粉成形体を作製した。
(試料No.100)
試料No.1と同じように、銅粉を2.0質量%、黒鉛(C)を0.8質量%の割合で添加した鉄粉にステアリン酸亜鉛を0.8質量%の割合で配合して、原料粉末を調整した。原料粉末を混合して混合粉とした。この原料粉末を試料No.100とする。
試料No.1と同じように、試料No.100の原料粉末を加圧成形して、長さ30mm×幅12mm×厚さ6mmの角柱状の圧粉成形体を作製した。加圧成形の圧力(面圧)は392MPa(4000kg/cm)とした。その後、圧粉成形体を大気中、200℃で20分間加熱した。そして、硬化性樹脂を含有しない試料No.100の原料粉末を用いた圧粉成形体を作製した。
試料No.1,10,100の各原料粉末を用いて作製した各圧粉成形体について、以下の条件で切削加工(穴あけ加工)を行い、それぞれの切削加工性について評価した。
〈切削条件〉
切削加工は、ドリル径φが5mmのドリルを用い、圧粉成形体の長さ30mm×幅12mmの面を上下面にして、圧粉成形体の上面の中心にドリルの中心軸を一致させ、圧粉成形体の厚さ方向に貫通孔を形成した。回転速度を1800rpmとし、送り量を変えて、それぞれの送り量で穴あけ加工を行った。送り量は0.3mm/revの低送りと1.5mm/revの高送りとした。
〈評価〉
切削加工後の圧粉成形体を観察し、圧粉成形体の側面(外周面)に亀裂が発生したか否かを調べた。そして、切削加工性の評価は、亀裂が発生していない場合を「A」、亀裂が発生した場合を「B」とした。その結果を表1に示す。
Figure 2017145444
硬化性樹脂を含有しない試料No.100の原料粉末を用いた圧粉成形体では、回転速度が1800rpmの高速で、送り量が0.3mm/revの低送り、1.5mm/revの高送りのいずれの場合も亀裂が発生していた。一方、エポキシ樹脂粉末を含有する試料No.10の原料粉末を用いた圧粉成形体では、低送りの場合に亀裂が発生しなかったが、高送りの場合に亀裂が発生していた。これに対し、エポキシ樹脂マイクロカプセルを含有する原料粉末を用いた試料No.1の圧粉成形体では、低送り、高送りのいずれの場合も亀裂が発生しなかった。
試料No.100と試料No.1,10との比較から、試料No.100は、硬化性樹脂(エポキシ樹脂)を含有していないため、圧粉成形体の機械的強度が十分ではなく、ドリル加工の際の負荷に耐えられず、亀裂が生じたものと推察される。試料No.10と試料No.1との比較から、高送りの場合に試料No.10に亀裂が発生した理由は次のように推察される。試料No.10では、固体のエポキシ樹脂粉末を用いているため、液体のように圧粉成形体の全体に亘って拡がるようなことがない。そのため、圧粉成形体の機械的強度を全体的に高められず、局所的に強度が低い部分があるため、負荷がより大きい高送りの場合に亀裂が生じたものと推察される。これに対し、試料No.1では、エポキシ樹脂マイクロカプセルを用いており、加圧成形の際の圧力によってカプセルが割れ、液体のエポキシ樹脂が流出して圧粉成形体の全体に亘って拡散することになる。そのため、圧粉成形体の機械的強度を全体的に高めることができ、負荷がより大きい高送りの場合でも亀裂が生じなかったものと推察される。したがって、試料No.1は、試料No.10に比較して切削加工性が高く、加工時間をより短縮したり、エポキシ樹脂の添加量を少なくしたりすることが可能であると考えられる。
試験例1の結果から、本発明の実施形態に係る焼結体の製造方法は、圧粉成形体の切削加工性を改善でき、圧粉成形体に機械加工(切削加工)を行っても、その際に欠けや亀裂などが発生し難い。したがって、焼結前の圧粉成形体に対する機械加工が容易であり、生産性を大幅に改善できることが分かる。
本発明の焼結体の製造方法は、金型を用いた加圧成形のみでは成形することが困難な複雑な形状を有する焼結部品の製造に好適に利用可能である。

Claims (5)

  1. 金属粉末と、潤滑剤と、液体の熱硬化性樹脂及び常温硬化性樹脂の少なくとも一方の硬化性樹脂がマイクロカプセルに内包された硬化性樹脂マイクロカプセルとを含有する原料粉末を用意する準備工程と、
    前記原料粉末を加圧成形して圧粉成形体を作製する成形工程と、
    前記圧粉成形体中の前記硬化性樹脂を硬化させる硬化工程と、
    前記硬化工程の後、前記圧粉成形体を機械加工する加工工程と、
    前記加工工程の後、前記圧粉成形体を焼結する焼結工程と、を備える焼結体の製造方法。
  2. 前記硬化工程では、前記圧粉成形体を、前記潤滑剤の脱ろう温度未満の温度範囲で加熱して、前記硬化性樹脂を硬化させる請求項1に記載の焼結体の製造方法。
  3. 前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1又は請求項2に記載の焼結体の製造方法。
  4. 前記金属粉末に対する前記硬化性樹脂の添加量が1.0質量%以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の焼結体の製造方法。
  5. 前記硬化性樹脂マイクロカプセルの平均粒径が100μm超である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の焼結体の製造方法。
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