JP2017149077A - ヘッドユニット - Google Patents

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稔仁 ▲高▼木
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Abstract

【課題】集積回路を回路基板に実装した後に、増幅器における増幅率等を、比較的簡易な構成で変更可能にする。
【解決手段】ヘッドユニット3は、駆動信号の印加により変位する圧電素子を含み、当該圧電素子の変位により液体を吐出する吐出部と、電素子が駆動信号によって変位された後に、当該吐出部の残留振動を検出し、当該残留振動を示す残留振動信号を出力する残留振動検出部と、残留振動信号を所定の増幅率で増幅して出力する増幅器と、増幅率を規定する調整端子と、を含む集積回路と、を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ヘッドユニットに関する。
画像や文書を印刷するインクジェットプリンター(印刷装置)には、インクなどの液体を吐出する吐出部に、圧電素子(例えばピエゾ素子)を用いたものが知られている。圧電素子は、複数のノズルのそれぞれに対応して設けられ、それぞれが駆動信号にしたがって駆動されることによって、ノズルから所定のタイミングで所定量のインク(液体)を吐出させる構成となっている。
このような印刷装置においては、圧電素子に印加する集積回路を、可撓性を有する回路基板に実装するととともに、当該回路基板を、吐出部を有するアクチュエーター基板に接続し、ヘッドユニットとして構成することが提案されている(例えば特許文献1参照)。ここで、当該集積回路は、複数の駆動信号のうち一の駆動信号を選択して、または、一の駆動信号のうち一部区間を選択して、圧電素子に印加する。また、このようなヘッドユニットのうち、上記集積回路に、各種の信号を増幅する増幅器やタイミング調整器などを内蔵させる構成も提案されつつある。
特開2012−206283号公報
ところで、上記集積回路を回路基板に実装した後に、増幅器における増幅率や遅延時間などを変更したい、という要求がある。このような要求を満たす方策としては、例えば次のような構成が考えられる。詳細には、集積回路に、増幅率等を規定するデータを不揮発で書換可能に記憶するメモリー機能を持たせて、増幅率等を変更する場合には当該データを書き換える構成が考えられる。
しかしながら、不揮発性で書換可能なメモリーは、集積回路において広いスペースを必要とするだけでなく、構成の複雑化、高コスト化等を招き、さらには、誤ったデータが書き込まれないようにする機能を持たせる必要がある。
また、回路基板に設けられる外部接続端子を介してデータを規定する構成も考えられるが、端子数が増えるので、回路基板の実装面積の増大、構成の複雑化等を招く。
本発明のいくつかの態様の目的の一つは、集積回路を回路基板に実装した後に、増幅器における増幅率等を、比較的簡易な構成で変更可能な技術を提供することにある。
上記目的の一つを達成するために、本発明の一態様に係るヘッドユニットは、駆動信号の印加により変位する圧電素子を含み、当該圧電素子の変位により液体を吐出する吐出部と、前記圧電素子に印加される駆動信号を調整する調整器と、前記調整された駆動信号を、前記圧電素子に印加するか否かを選択する選択部と、前記調整器での調整値を規定する調整端子と、を含む集積回路と、を有することを特徴とする。上記一態様に係るヘッドユニットによれば、調整端子によって圧電素子に印加される駆動信号の調整値を適宜変更することできる。なお、ここでいう調整値とは、例えば遅延時間や、位相、増幅率などである。
また、本発明の別態様に係るヘッドユニットは、駆動信号の印加により変位する圧電素子を含み、当該圧電素子の変位により液体を吐出する吐出部と、前記圧電素子が前記駆動信号によって変位された後に、当該吐出部の残留振動を検出し、当該残留振動を示す残留振動信号を出力する残留振動検出部と、前記残留振動信号を所定の増幅率で増幅して出力する増幅器と、前記増幅率を規定するための調整端子と、を含む集積回路とを有することを特徴とする。上記一態様に係るヘッドユニットによれば、調整端子によって残留振動信号の増幅率を適宜変更することできる。
上記一または別態様に係るヘッドユニットにおいて、前記増幅器は、前記調整端子に入力されたデジタル信号に応じた増幅率で増幅する構成としても良い。
この構成において、前記調整端子は複数である構成が好ましい。
また、前記集積回路は、前記デジタル信号のHレベルおよびLレベルの電圧端子を有し、前記調整端子は、前記HレベルまたはLレベルの電圧端子の一方に、抵抗素子を介して接続されるとともに、前記HレベルまたはLレベルの他方に、前記集積回路を実装する回路基板の配線を介して接続されても良い。
さらに、前記配線を電気的に切断したときに、前記調整端子は、前記Hレベルまたは前記Lレベルの一方のレベルから他方のレベルに変化する構成としても良い。
ヘッドユニット(その1)を含む印刷装置の概略構成を示す図である。 ヘッドユニットにおけるノズルの配列等を示す図である。 ノズルの配列を示す図である。 ヘッドユニットにおける要部構成を示す断面図である。 印刷装置の電気的な構成を示すブロック図である。 駆動信号の波形等を説明するための図である。 選択制御部の構成を示す図である。 デコーダーのデコード内容を示す図である。 選択部の構成を示す図である。 選択部から圧電素子に供給される駆動信号を示す図である。 残留振動信号の波形等を説明するための図である。 増幅器および入力部の構成を示す図である。 増幅器の動作を説明するための図である。 増幅器の構成を示す等価回路図である。 増幅器の動作を説明するための図である。 ヘッドユニット(その2)を含む印刷装置の概略構成を示す図である。 入力部の他の例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
<印刷装置>
図1は、実施形態に係るヘッドユニットを含む印刷装置の概略構成を示す図である。
この印刷装置1は、液体としてのインクを吐出することによって、紙などの媒体Pにインクドット群を形成し、これにより、画像(文字、図形等を含む)を印刷する、というものである。
図1に示されるように、印刷装置1は、キャリッジ20を、主走査方向(X方向)に移動(往復動)させる移動機構6を備える。
移動機構6は、キャリッジ20を移動させるキャリッジモーター61と、両端が固定されたキャリッジガイド軸62と、キャリッジガイド軸62とほぼ平行に延在し、キャリッジモーター61により駆動されるタイミングベルト63と、を有している。
キャリッジ20は、キャリッジガイド軸62に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト63の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター61によりタイミングベルト63を正逆走行させると、キャリッジ20がキャリッジガイド軸62に案内されて往復動する。
キャリッジ20には、印刷ヘッド22が搭載されている。この印刷ヘッド22は、媒体Pと対向する部分に、インクを個別にZ方向に吐出する複数のノズルを有する。なお、印刷ヘッド22は、カラー印刷のために、概略的に4個のブロックに分かれている。個々のブロックには、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクカートリッジが装着されるとともに、各色のインクをノズルからそれぞれ吐出する。
なお、キャリッジ20には、フレキシブルフラットケーブル190を介してメイン基板(この図では省略)から駆動信号を含む各種の信号やデータ等が供給される構成となっている。
印刷装置1は、媒体Pを、プラテン80上で搬送させる搬送機構8を備える。搬送機構8は、駆動源である搬送モーター81と、搬送モーター81により回転して媒体Pを副走査方向(Y方向)に搬送する搬送ローラー82と、を備える。
このような構成において、キャリッジ20の主走査に合わせて印刷ヘッド22のノズルから印刷データに応じてインクを吐出させるとともに、媒体Pを搬送機構8によって搬送する動作を繰り返すことで、媒体Pの表面に画像が形成される。
なお、本実施形態において主走査は、キャリッジ20を移動させることで実行されるが、媒体Pを移動させることで実行しても良く、キャリッジ20と媒体Pとの双方を移動させても良い。要は、媒体Pとキャリッジ20(印刷ヘッド22)とが相対的に移動する構成であれば良い。
図2Aは、印刷ヘッド22におけるインクの吐出面を媒体Pからみた場合の図である。この図に示されるように、印刷ヘッド22は、4個のヘッドユニット3を有する。4個のヘッドユニット3の各々は、それぞれブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に対応し、主走査方向であるX方向に沿って配列している。
図2Bは、1個のヘッドユニット3におけるノズルの配列を示す図である。
この図に示されるように、1個のヘッドユニット3では、複数のノズルNが、2列で配列する。ここで、説明の便宜上、この2列をそれぞれノズル列Na、Nbとする。
ノズル列Na、Nbでは、それぞれ複数のノズルNが、Y方向に沿ってピッチP1で配列する。また、ノズル列Na、Nb同士は、Y方向にピッチP2だけ離間する。ノズル列Naに属するノズルNとノズル列Nbに属するノズルNとは、Y方向に、ピッチP1の半分だけシフトした関係となっている。
このようにノズルNを、ノズル列Na、Nbの2列で、Y方向にピッチP1の半分だけシフトして配置させることにより、Y方向の解像度を、1列の場合と比較して実質的に倍に高めることができる。
なお、1個のヘッドユニット3におけるノズルNの個数を便宜的にm(mは2以上の整数)とする。
ヘッドユニット3は、次に説明するアクチュエーター基板に、可撓性の回路基板が接続されるとともに、当該可撓性の回路基板に駆動IC(集積回路)が実装された構成となっている。そこで次に、アクチュエーター基板の構造について説明する。
図3は、アクチュエーター基板の構造を示す断面図である。詳細には図2Bにおけるg−g線で破断した場合の断面を示す図である。
図3に示されるように、アクチュエーター基板40は、流路基板42のうち、Z方向の負側の面上に圧力室基板44と振動板46とが設けられる一方、Z方向の正側の面上にノズル板41が設置された構造体である。
アクチュエーター基板40の各要素は、概略的にはY方向に長尺な略平板状の部材であり、例えば接着剤を利用して互いに固定される。また、流路基板42および圧力室基板44は、例えばシリコンの単結晶基板で形成される。
ノズルNは、ノズル板41に形成される。ノズル列Naに属するノズルに対応する構造と、ノズル列Nbに属するノズルに対応する構造とは、Y方向にピッチP1の半分だけシフトした関係にあるが、それ以外では、略対称に形成されるので、以下においてはノズル列Naに着目してアクチュエーター基板40の構造を説明することにする。
流路基板42は、インクの流路を形成する平板材であり、開口部422と供給流路424と連通流路426とが形成される。供給流路424および連通流路426は、ノズル毎に形成され、開口部422は、複数のノズルにわたって連続するように形成されるとともに、対応する色のインクが供給される構造となっている。この開口部422は、液体貯留室Srとして機能し、当該液体貯留室Srの底面は、例えばノズル板41によって構成される。具体的には、ノズル板41は、流路基板42における開口部422と各供給流路424と連通流路426とを閉塞するように流路基板42の底面に固定される。
圧力室基板44のうち流路基板42とは反対側の表面に振動板46が設置される。振動板46は、弾性的に振動可能な平板状の部材であり、例えば酸化シリコン等の弾性材料で形成された弾性膜と、酸化ジルコニウム等の絶縁材料で形成された絶縁膜との積層で構成される。振動板46と流路基板42とは、圧力室基板44の各開口部422の内側で互い間隔をあけて対向する。各開口部422の内側で流路基板42と振動板46とに挟まれた空間は、インクに圧力を付与するキャビティ442として機能する。各キャビティ442は、流路基板42の連通流路426を介してノズルNに連通する。
振動板46のうち圧力室基板44とは反対側の表面には、ノズルN(キャビティ442)毎に圧電素子Pztが形成される。
圧電素子Pztは、振動板46の面上に形成された複数の圧電素子Pztにわたって共通の駆動電極72と、当該駆動電極72の面上に形成された圧電体74と、当該圧電体74の面上に圧電素子Pzt毎に形成された個別の駆動電極76とを包含する。このような構成において、駆動電極72、76によって圧電体74を挟んで対向する領域が圧電素子Pztとして機能する。
圧電体74は、例えば加熱処理(焼成)を含む工程で形成される。具体的には、複数の駆動電極72が形成された振動板46の表面に塗布された圧電材料を、焼成炉内での加熱処理により焼成してから圧電素子Pzt毎に成形(例えばプラズマを利用したミーリング)することで圧電体74が形成される。
なお、ノズル列Nbに対応する圧電素子Pztも同様に、駆動電極72と、圧電体74と、駆動電極76とを包含した構成である。
また、この例では、圧電体74に対し、共通の駆動電極72を下層とし、個別の駆動電極76を上層としたが、逆に駆動電極72を上層とし、駆動電極76を下層とする構成としても良い。
後述するように、圧電素子Pztの一端である駆動電極76には、吐出すべきインク量に応じた駆動信号が個別に印加される一方、圧電素子Pztの他端である駆動電極72には、電圧VBSの保持信号が共通に印加される。そして、圧電素子Pztは、駆動電極72、76に印加された電圧に応じて、上または下方向に変位する。詳細には、駆動電極76を介して印加される駆動信号の電圧が低くなると、圧電素子Pztにおける中央部分が両端部分に対して上方向に撓む一方、当該電圧Voutが高くなると、下方向に撓む構成となっている。
ここで、上方向に撓めば、キャビティ442の内部容積が拡大(圧力が減少)するので、インクが液体貯留室Srから引き込まれる一方、下方向に撓めば、キャビティ442の内部容積が縮小(圧力が増加)するので、縮小の程度によっては、インク滴がノズルNから吐出される。このように、圧電素子Pztに適切な駆動信号が印加されると、当該圧電素子Pztの変位によって、インクがノズルNから吐出される。このため、圧電素子Pzt、キャビティ442、ノズルNによってインクを吐出する吐出部が構成されることになる。
次に、印刷装置1の電気的な構成について説明する。
図4は、第1実施形態に係るヘッドユニット3を含む印刷装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
なお、印刷装置1では、4個のヘッドユニット3が設けられ、メイン基板100が、当該4個のヘッドユニット3をそれぞれ独立に制御する。4個のヘッドユニット3では、吐出するインクの色以外において異なることがないので、以下においては便宜的に1個のヘッドユニット3に対する制御について説明することにする。
図4に示されるように、印刷装置1は、メイン基板100およびヘッドユニット3を含み、メイン基板100にヘッドユニット3がフレキシブルフラットケーブル190(図4では省略)を介して接続された構成となっている。ヘッドユニット3は、COF30とアクチュエーター基板40とに大別される。COF30は、可撓性を有するフィルム状の回路基板に駆動IC50が実装されるとともに、フレキシブルフラットケーブル190およびアクチュエーター基板40にそれぞれ接続された構成となっている。
図4に示されるように、メイン基板100は、制御部110および判定部130を含む。このうち、制御部110は、CPUや、RAM、ROMなどを有する一種のマイクロコンピューターであり、媒体Pに形成すべき画像を規定する画像データがホストコンピューター等から供給されたときに、所定のプログラムを実行する。
具体的には、制御部110は、第1に、移動機構6および搬送機構8に対する制御に同期して、ヘッドユニット3の駆動IC50に各種の制御信号を供給する。なお、ヘッドユニット3に供給される制御信号には、ノズルNから吐出させるインクの量を規定する印刷データSI、当該印刷データの転送に用いるクロック信号Sck、信号LAT、CH等が含まれる。
なお、制御部110は、移動機構6および搬送機構8を制御するが、このような構成については既知であるので省略する。
制御部110は、第2に、駆動IC50に、駆動信号COM−Aの波形を規定するためのデータdAと、駆動信号COM−Bの波形を規定するためのデータdBとをそれぞれ供給する。なお、後述するように、駆動信号COM−A、COM−Bの波形は、それぞれ台形波形であって周期性を有するので、制御部110は、これらの台形波形を規定するデータdA、dBを、各部に対する制御に同期してそれぞれ繰り返して供給する。
なお、印刷装置1は、例えばインクの種類毎にデータdA、dBのセットを記憶しておく一方で、印刷ヘッド22に装着されたインクカートリッジのインクの種類に対応したセットのデータdA、dBを選択して、駆動IC50に供給する構成となっている。
一方、判定部130は、駆動IC50から供給されたデータDd(詳細には後述するように残留振動を示す信号をデジタル変換したデータ)を、例えばFFT(Fast Fourier Transform)などによって解析して、吐出部の状態、とりわけインクの吐出状態を判定する。なお、判定部130は、例えばFFTによって得られる結果(スペクトラム)について、正常、ノズル詰まり、気泡発生などの典型的な状態を予め記憶しておくとともに、データDdの処理結果を記憶した状態と比較して、一致または近い状態のものを吐出部の状態と判定して、制御部110に通知する。
ヘッドユニット3は、上述したようにアクチュエーター基板40に駆動IC50を実装するCOF30が接続された構成となっている。このうち、駆動IC50は、DAC501、502と、増幅器503、504と、選択制御部510と、圧電素子Pztに一対一に対応した選択部520、530の対と、増幅器540と、入力部545と、ADC550と、を有する。
このうち、DAC(Digital Analog Converter)501は、データdAをアナログ信号に変換する。増幅器503は、DAC501により変換されたアナログ信号を電圧増幅し、駆動信号COM−Aとして出力する。同様に、DAC502は、データdBをアナログ信号に変換し、増幅器503は、当該DAC502により変換されたアナログ信号を電圧増幅し、駆動信号COM−Bとして出力する。
本実施形態において、動作は、印刷データSIにしたがって印刷する印刷モードと、選択したノズルの状態を判定する検査モードとの2つのモードと、を有している。なお、動作モードを2つに分けて説明するが、分けることなく、画像印刷時のインク吐出後にノズルの状態を判定しても良い。
選択部520、530の各々における選択をそれぞれ制御する。詳細には、選択制御部510は、印刷モードにおいて、制御部110からのクロック信号Sckに同期して供給される印刷データSIを、ヘッドユニット3のノズル(圧電素子Pzt)の数のm個分、一旦蓄積するとともに、各選択部520に対し、印刷データにしたがって駆動信号COM−A、COM−Bの選択を、タイミング信号で規定される印刷周期の開始タイミングで指示する。
各選択部520は、選択制御部510による指示にしたがって、駆動信号COM−A、COM−Bのいずれかを選択し(または、いずれも選択せずに)、電圧Outの駆動信号として、対応する圧電素子Pztの一端に印加する。
アクチュエーター基板40には、上述したようにノズル毎に圧電素子Pztが1個ずつ設けられる。圧電素子Pztの各々における他端は共通接続されて、当該他端には電圧VBSが印加される。
本実施形態において、1つのドットは、印刷モードにて1つのノズルNからインクを最多で2回吐出させることで、大ドット、中ドット、小ドットおよび非記録の4階調を表現させる。この4階調を表現するために、本実施形態では、2種類の駆動信号COM−A、COM−Bを用意するとともに、各々の1周期にそれぞれ前半パターンと後半パターンとを持たせている。そして、1周期のうち、前半・後半において駆動信号COM−A、COM−Bを、表現すべき階調に応じた選択して(または選択しないで)、圧電素子Pztに供給する構成となっている。
そこで先に、駆動信号COM−A、COM−Bについて説明し、その後に駆動信号COM−A、COM−Bを選択するための選択制御部510および選択部520の詳細な構成について説明する。
図5は、駆動信号COM−A、COM−Bの波形等を示す図である。
図に示されるように、駆動信号COM−Aは、印刷周期Ptのうち、信号LATが出力されて(立ち上がって)から信号CHが出力されるまでの期間Pt1に配置された台形波形Adp1と、印刷周期Ptのうち、信号CHが出力されてから次の信号LATが出力されるまでの期間Pt2に配置された台形波形Adp2とを繰り返す波形となっている。
本実施形態において台形波形Adp1、Adp2とは、互いにほぼ同一の波形であり、仮にそれぞれが圧電素子Pztの一端である駆動電極76に供給されたとしたならば、当該圧電素子Pztに対応するノズルNから所定量、具体的には中程度の量のインクをそれぞれ吐出させる波形である。
駆動信号COM−Bは、期間Pt1に配置された台形波形Bdp1と、期間Pt2に配置された台形波形Bdp2とを繰り返す波形となっている。本実施形態において台形波形Bdp1、Bdp2とは、互いに異なる波形である。このうち、台形波形Bdp1は、ノズルN付近のインクを微振動させてインクの粘度の増大を防止するための波形である。このため、仮に台形波形Bdp1が圧電素子Pztの一端に供給されたとしても、当該圧電素子Pztに対応するノズルNからインク滴が吐出されない。また、台形波形Bdp2は、台形波形Adp1(Adp2)とは異なる波形となっている。仮に台形波形Bdp2が圧電素子Pztの一端に供給されたとしたならば、当該圧電素子Pztに対応するノズルNから上記所定量よりも少ない量のインクを吐出させる波形である。
台形波形Adp1、Adp2、Bdp1、Bdp2の開始タイミングでの電圧と、終了タイミングでの電圧とは、いずれも電圧Vcenで共通である。すなわち、台形波形Adp1、Adp2、Bdp1、Bdp2は、それぞれ電圧Vcenで開始し、電圧Vcenで終了する波形となっている。
説明を図4に戻して選択制御部510について説明する。
図6は、駆動IC50における選択制御部510の構成を示す図である。
この図に示されるように、選択制御部510には、クロック信号Sck、印刷データSI、信号LAT、CHが供給される。選択制御部510では、シフトレジスタ(S/R)512とラッチ回路514とデコーダー516との組が、圧電素子Pzt(ノズルN)のそれぞれに対応して設けられている。
印刷データSIは、印刷周期Ptにわたって、着目しているヘッドユニット3において、すべてのノズルNによって形成すべきドットを規定するデータである。本実施形態では、非記録、小ドット、中ドットおよび大ドットの4階調を表現するために、ノズル1個分の印刷データは、上位ビット(MSB)および下位ビット(LSB)の2ビットで構成される。
印刷データSIは、クロック信号Sckに同期してノズルN(圧電素子Pzt)毎に、媒体Pの搬送に合わせて供給される。当該印刷データSIを、ノズルNに対応して2ビット分、一旦保持するための構成がシフトレジスタ512である。
詳細には、m個の圧電素子Pzt(ノズル)の各々に対応した計m段のシフトレジスタ512が縦続接続されるとともに、図において左端に位置する1段のシフトレジスタ512に供給された印刷データSIが、クロック信号Sckにしたがって順次後段(下流側)に転送される構成となっている。
なお、図では、シフトレジスタ512を区別するために、印刷データSIが供給される上流側から順番に1段、2段、…、m段と表記している。
ラッチ回路514は、シフトレジスタ512で保持された印刷データSIを信号LATの立ち上がりでラッチする。
デコーダー516は、ラッチ回路514によってラッチされた2ビットの印刷データSIをデコードして、信号LATと信号CHとで規定される期間Pt1、Pt2ごとに、選択信号Sa、Sbを出力して、選択部520での選択を規定する。
図7は、デコーダー516におけるデコード内容を示す図である。
この図において、ラッチされた2ビットの印刷データSIについては(MSB、LSB)と表記している。デコーダー516は、例えばラッチされた印刷データSIが(0、1)であれば、選択信号Sa、Sbの論理レベルを、期間Pt1ではそれぞれH、Lレベルで、期間Pt2ではそれぞれL、Hレベルで、出力するということを意味している。
なお、選択信号Sa、Sbの論理レベルについては、クロック信号Sck、印刷データSI、信号LAT、CHの論理レベルよりも、レベルシフター(図示省略)によって、高振幅論理にレベルシフトされる。
図8は、図4における選択部520の構成を示す図である。
この図に示されるように、選択部520は、インバーター(NOT回路)522a、522bと、トランスファーゲート524a、524bとを有する。
デコーダー516からの選択信号Saは、トランスファーゲート524aにおいて丸印が付されていない正制御端に供給される一方で、インバーター522aによって論理反転されて、トランスファーゲート524aにおいて丸印が付された負制御端に供給される。同様に、選択信号Sbは、トランスファーゲート524bの正制御端に供給される一方で、インバーター522bによって論理反転されて、トランスファーゲート524bの負制御端に供給される。
トランスファーゲート524aの入力端には、駆動信号COM−Aが供給され、トランスファーゲート524bの入力端には、駆動信号COM−Bが供給される。トランスファーゲート524a、524bの出力端同士は、共通接続されるとともに、対応する圧電素子Pztの一端に接続される。
トランスファーゲート524aは、選択信号SaがHレベルであれば、入力端および出力端の間を導通(オン)させ、選択信号SaがLレベルであれば、入力端と出力端との間を非導通(オフ)させる。トランスファーゲート524bについても同様に選択信号Sbに応じて、入力端および出力端の間をオンオフさせる。
図5に示されるように、印刷データSIは、ノズル毎に、クロック信号Sckに同期して供給されて、ノズルに対応するシフトレジスタ512において順次転送される。そして、クロック信号Sckの供給が停止すると、シフトレジスタ512のそれぞれには、各ノズルに対応した印刷データSIが保持された状態になる。
ここで、信号LATが立ち上がると、ラッチ回路514のそれぞれは、シフトレジスタ512に保持された印刷データSIを一斉にラッチする。図5において、L1、L2、…、Lm内の数字は、1段、2段、…、m段のシフトレジスタ512に対応するラッチ回路514によってラッチされた印刷データSIを示している。
デコーダー516は、ラッチされた印刷データSIで規定されるドットのサイズに応じて、期間Pt1、Pt2のそれぞれにおいて、選択信号Sa、Saの論理レベルを図7に示されるような内容で出力する。
すなわち、第1に、デコーダー516は、当該印刷データSIが(1、1)であって、大ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間Pt1においてH、Lレベルとし、期間Pt2においてもH、Lレベルとする。第2に、デコーダー516は、当該印刷データSIが(0、1)であって、中ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間Pt1においてH、Lレベルとし、期間Pt2においてL、Hレベルとする。第3に、デコーダー516は、当該印刷データSIが(1、0)であって、小ドットのサイズを規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間Pt1においてL、Lレベルとし、期間Pt2においてL、Hレベルとする。第4に、デコーダー516は、当該印刷データSIが(0、0)であって、非記録を規定する場合、選択信号Sa、Sbを、期間Pt1においてL、Hレベルとし、期間Pt2においてL、Lレベルとする。
図9は、印刷モードにおいて印刷データSIに応じて選択され、圧電素子Pztの一端に供給される駆動信号の電圧波形を示す図である。
印刷データSIが(1、1)であるとき、選択信号Sa、Sbは、期間Pt1においてH、Lレベルとなるので、トランスファーゲート524aがオンし、トランスファーゲート524bがオフする。このため、期間Pt1において駆動信号COM−Aの台形波形Adp1が選択される。選択信号Sa、Sbは期間Pt2においてもH、Lレベルとなるので、選択部520は、駆動信号COM−Aの台形波形Adp2を選択する。
このように期間Pt1において台形波形Adp1が選択され、期間Pt2において台形波形Adp2が選択されて、駆動信号として圧電素子Pztの一端に供給されると、当該圧電素子Pztに対応したノズルNから、中程度の量のインクが2回にわけて吐出される。このため、媒体Pにはそれぞれのインクが着弾し合体して、結果的に、印刷データSIで規定される通りの大ドットが形成されることになる。
印刷データSIが(0、1)であるとき、選択信号Sa、Sbは、期間Pt1においてH、Lレベルとなるので、トランスファーゲート524aがオンし、トランスファーゲート524bはオフする。このため、期間Pt1において駆動信号COM−Aの台形波形Adp1が選択される。次に、選択信号Sa、Sbは期間Pt2においてL、Hレベルとなるので、駆動信号COM−Bの台形波形Bdp2が選択される。
したがって、ノズルから、中程度および小程度の量のインクが2回にわけて吐出される。このため、媒体Pには、それぞれのインクが着弾して合体して、結果的に、印刷データSIで規定された通りの中ドットが形成されることになる。
印刷データSIが(1、0)であるとき、選択信号Sa、Sbは、期間Pt1においてともにLレベルとなるので、トランスファーゲート524a、524bがオフする。このため、期間Pt1において台形波形Adp1、Bdp1のいずれも選択されない。トランスファーゲート524a、524bがともにオフする場合、当該トランスファーゲート524a、524bの出力端同士の接続点から圧電素子Pztの一端までの経路は、電気的にどの部分にも接続されないハイ・インピーダンス状態になる。ただし、圧電素子Pztの両端では、自己が有する容量性によって、トランスファーゲートがオフする直前の電圧(Vcen−VBS)が保持される。
次に、選択信号Sa、Sbは期間Pt2においてL、Hレベルとなるので、駆動信号COM−Bの台形波形Bdp2が選択される。このため、ノズルNから、期間Pt2においてのみ小程度の量のインクが吐出されるので、媒体Pには、印刷データSIで規定された通りの小ドットが形成されることになる。
印刷データSIが(0、0)であるとき、選択信号Sa、Sbは、期間Pt1においてL、Hレベルとなるので、トランスファーゲート524aがオフし、トランスファーゲート524bがオンする。このため、期間Pt1において駆動信号COM−Bの台形波形Bdp1が選択される。次に、選択信号Sa、Sbは期間Pt2においてともにLレベルとなるので、台形波形Adp2、Bdp2のいずれも選択されない。
このため、期間Pt1においてノズルN付近のインクが微振動するのみであり、インクは吐出されないので、結果的に、ドットが形成されない、すなわち、印刷データSIで規定された通りの非記録になる。
このように、選択部520は、選択制御部510による指示にしたがって駆動信号COM−A、COM−Bを選択し(または選択しないで)、圧電素子Pztの一端に印加する。このため、各圧電素子Pztは、印刷データSIで規定されるドットのサイズに応じて駆動されることになる。
なお、図5に示した駆動信号COM−A、COM−Bはあくまでも一例である。実際には、上述したようにインクの種類だけでなく、媒体Pの性質や搬送速度などに応じて、予め用意された様々な波形の組み合わせが用いられる。
また、ここでは、圧電素子Pztが、電圧の低下に伴って上方向に撓む例で説明したが、駆動電極72、76に印加する電圧を逆転させると、圧電素子Pztは、電圧の低下に伴って下向に撓むことになる。このため、圧電素子Pztが、電圧の低下に伴って下方向に撓む構成では、図に例示した駆動信号COM−A、COM−Bが、電圧Vcenを基準に反転した波形となる。
再び説明を図4に戻すと、選択部530は、圧電素子Pztの各々に対応して設けられ、検査モードにおいて、入力端と出力端との間でオンオフが選択制御部510により制御されるスイッチである。選択部530において、入力端は、対応する圧電素子Pztの一端に接続され、出力端は、共通接続されるとともに増幅器540の入力端に接続されている。
検査モードにあっては複数の選択部530のうち、検査対象に選定された吐出部に対応する選択部のみが、後述する特定の期間においてオンに制御される。なお、印刷モードにおいては、複数の選択部530はそれぞれオフに制御される。また、選択部530の出力端の信号、すなわち増幅器540に入力される信号を便宜的にAmp-inと表記している。
駆動IC50は、端子T0、T1、T2、Taを含み、このうち、端子T0、T1、T2(調整端子)は、電源低位側のグラウンドGndに、COF30の回路基板に形成された配線を介して接地され、端子Taには、当該回路基板に形成された別の配線を介して電源高位側の電圧Vddが印加されている。なお、電源のグラウンドGnd、電圧Vddについては、駆動IC50の他の各部にも供給されるが、図示を省略している。端子T0、T1、T2は、入力部545を介して増幅器540に接続されている。
増幅器540は、駆動IC50の端子T0、T1、T2の電圧状態で規定される増幅率(ゲイン)で電圧増幅して、信号Amp-outとして出力する。なお、初期状態では、端子T0、T1、T2は、グラウンドGndのLレベルである。
ADC(Analog to Digital Converter)550は、信号Amp-outをデジタルのデータDdに変換してメイン基板100の判定部130に供給する。
説明の便宜上、検査モードにおいてノズルの状態を判定する動作について説明する。
検査モードにおいて、制御部110は、例えば検査対象とする吐出部(ノズル)への印刷データSIを(0、0)で出力し、それ以外の(検査対象ではない)吐出部への印刷データSIを(1、1)で出力するとともに、印刷周期Ptにおいて、駆動信号COM−Aを電圧Vcenで一定(または微振動させる台形波形Bdp1の繰り返し)とさせるデータdAを出力し、駆動信号COM−Bを次のような波形とさせるデータdBを出力する。
図10は、検査モードでの駆動信号COM−Bの波形の一例を示す図である。
この図に示されるように、駆動信号COM−Bは、印刷周期Ptにおける期間Pt1の途中で電圧Vcenから下降し、平坦になった後、当該期間Pt1の終了点で電圧Vaまで上昇し、期間Pt2の途中まで電圧Vaを維持して、電圧Vcenまで下降して戻る、という波形となっている。
検査対象にされた吐出部の圧電素子Pztの一端には、当該駆動信号COM−Bが印加される。これは、当該吐出部に対応する印刷データが(0、0)であるので、期間Pt1では、当該吐出部に対応するトランスファーゲート524bがオンするためである。
このような駆動信号COM−Bの印加によって、当該圧電素子Pztは、電圧の下降に伴って上方向に撓んで、インクをキャビティ442に引き込んだ後、電圧上昇に伴って下方向に撓んでインクをノズルNから吐出させる。
なお、この際、キャリッジ20を所定の地点に移動させて、吐出されたインクを回収または吸収させるようにしても良い。
駆動信号COM−Bは、期間Pt2の当初において電圧Vaに維持されるが、検査対象にされた吐出部の圧電素子Pztの一端には、駆動信号COM−A、COM−Bのいずれも印加されない。これは、当該吐出部に対応する印刷データ(0、0)であるので、期間Pt2では、当該吐出部に対応するトランスファーゲート524a、524bがともにオフするためである。
一方、吐出部においてノズルNからインクが吐出された直後では、一部のインクがキャビティ442に戻ろうとする。このとき、キャビティ442において、正しくインクが充填されていれば、粘性のあるインクの振動が直ちに収まらず、減衰しながら残留することになる。一方で、キャビティ442において気泡が生じていたりして、インクが正しく充填されていなければ、上記とは異なる振動となる。
このように、圧電素子Pztにより変位を加えた後に生じる、キャビティ442内の振動を残留振動と称している。
一般に、圧電素子Pztは、電圧が外部から印加された場合には、当該電圧に応じて変位するアクチュエーターとして機能するが、外部から変位が加えられた場合には、当該変位に応じた電圧信号を出力するセンサとして機能する。そこで、本件では、上記残留振動を圧電素子Pztで検出することにしている。すなわち、圧電素子Pztは、吐出部の一部としてだけでなく、残留振動信号を出力する残留振動検出部としても機能する。
期間Pt2においては、検査対象の吐出部に対応する圧電素子Pztの一端は選択部520から切り離されており、他端は電圧VBSに保持されている。また、検査対象の吐出部に対応する選択部530はオンに制御されている。このため、増幅器540の入力端に供給される信号Amp-outの電圧は、当該圧電素子Pztの一端の電圧であって、図10に示されるように、キャビティ442での残留振動に応じた電圧波形となる。
増幅器540は、信号Amp-inを増幅して信号Amp-outとして出力し、ADC550は、信号Amp-outをデジタルのデータDdに変換して判定部130に出力する。
判定部130は、データDdを解析して、検査対象となった吐出部の状態を制御部110に通知する。
なお、このような検査は、例えばノズル番号が「1」から「m」までの吐出部を所定の順番に選定して実行される。これにより、ヘッドユニット3におけるすべての吐出部の状態を判定することができる。
また、検査対象とされていない吐出部については、印刷データが(1、1)であるので、期間Pt1、Pt2にわたって電圧Vcenで一定の駆動信号COM−Aが圧電素子Pztに印加される。このため、検査対象とされていない吐出部についてはインクが吐出されず、残留振動も発生しない。なお、検査対象とされていない吐出部については、インクを吐出させたり、微振動させたりしても良い。この理由は、検査対象とされていない吐出部の選択部530についてはオフに制御されるので、微振動させたり、インクを吐出させたりしても、信号Amp-inに影響を与えないからである。
ところで、上述したようにインクの粘性などの特性はインクの種類毎に異なる。このため、ヘッドユニット3において、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)にわたって、COF30における増幅器540の増幅率が同じであると、ある色については、判定部130で吐出部の状態を正しく判定できるが、他の色については、信号Amp-inの振幅が過大または過小となって、判定部130で吐出部の状態を正しく判定できなくなる可能性がある。
COF30それ自体は、接続されるアクチュエーター基板40の色を考慮することなく製造される場合が多いので、増幅器540の増幅率については、駆動IC50を回路基板に実装したCOF30の状態であって、アクチュエーター基板40に接続する前の段階で、設定することができることが好ましいといえる。
そこで、本実施形態では、次のような増幅器540、入力部545によって、COF30の状態において回路基板における配線の一部を例えば穿孔によってしてカットすることで、増幅率を設定することができるようになっている。
図11は、増幅器540および入力部545の構成を示す図である。
この図に示されるように、入力部545において、グラウンドGndのLレベルに接地された端子T0、T1、T2は、それぞれ電圧VddのHレベルの端子Taとは、それぞれ抵抗素子Ruを介して電気的に接続されている。したがって、この状態では、端子T0、T1、T2の電圧レベルは、それぞれLレベルである。
増幅器540は、後に説明するように端子T0、T1、T2の電圧レベルでゲインが規定されるので、端子T0、T1、T2の電圧レベルを順に表したもの括弧書きで示してゲインデータと称することにする。例えば、端子T0、T1、T2の電圧レベルがそれぞれLレベルであれば、ゲインデータは(L、L、L)となる。
一方、例えば図11において破線で示されるポイントU0、詳細には、COF30の回路基板の配線のうち、グラウンドGndから端子T0までを導く配線の途中のポイントU0を、穿孔などによってカットすると、端子T0はHレベルにプルアップされるので、ゲインデータは(H、L、L)となる。
同様に、COF30の回路基板の配線のうち、グラウンドGndから端子T1までを導く配線の途中のポイントU1や、グラウンドGndから端子T2までを導く配線の途中のポイントU2をカットすると、端子T1、T2はHレベルにプルアップされる。
このようにしてポイントU0、U1、U2の3箇所のそれぞれをカットするか、残すかで規定される組み合わせは、8(=2)通りとなる。
増幅器540は、演算増幅器542と、デコーダー544と、スイッチSw0〜Sw7、抵抗素子R0〜R8とを含む。
増幅器540の入力される信号Amp-inは、演算増幅器542の正入力端(+)に供給される一方、演算増幅器542の出力端から信号Amp-outとして出力される構成となっている。
演算増幅器542の出力端には、抵抗素子R0の一端が接続され、抵抗素子R0の他端は、スイッチSw0の一端と抵抗素子R1の一端とに接続されている。抵抗素子R1の他端は、スイッチSw1の一端と抵抗素子R2の一端とに接続されている。以下同様にして、抵抗素子R7の他端は、スイッチSw7の一端と抵抗素子R8の一端とに接続されている。すなわち、iを0から7までの整数とした場合に、抵抗素子Riの他端は、スイッチSwiの一端と抵抗素子R(i+1)の一端とに接続されている。なお、抵抗素子R8の他端は、一定の電位、例えばグラウンドGndに接地されている。
このため、演算増幅器542の出力端は、抵抗素子R0〜R8の直列接続を介してグラウンドに接地された構成となっている。
一方、スイッチSw0〜Sw7の他端は、演算増幅器542の負入力端(−)に共通接続される。
ここで、スイッチSw0は、一端と他端との間においてデコーダー544から出力される信号D000がHレベルであればオンし、Lレベルであればオフするスイッチである。同様に、スイッチSw1〜Sw7は、デコーダー544から出力される信号D001、D010、D011、D100、D101、D110、D111によってそれぞれオンオフが制御される。
デコーダー544は、入力部545を介した端子T0、T1、T2で規定されるゲインデータをデコードして、8つの信号D000、D001、D010、D011、D100、D101、D110、D111のうち、いずれか1つのみをHレベルに、他をLレベルにする。
図12は、デコーダー544において、ゲインデータに対する8つの信号の出力状態を示す図である。例えば、デコーダー544は、ゲインデータが(H、L、L)であれば、信号D100のみをHレベルとする、ということを意味している。
デコーダー544から出力される8つの信号のうち、いずれか1つのみがHレベルとなるということは、スイッチSw0〜Sw7のいずれか1つのみがオンとなり、他はオフとなるということである。また、スイッチSw0〜Sw7のいずれか1つのみがオンとなるということは、抵抗素子R0〜R8のうち、抵抗素子同士の接続点の1箇所のみが、オンしたスイッチを介して演算増幅器542の負入力端(−)に帰還される、ということである。
図13は、増幅器540における演算増幅器542周辺の等価回路を示す図である。
この図に示されるように、演算増幅器542の出力端は、抵抗Raおよび抵抗Rbの直列接続を介してグラウンドに接地されるとともに、抵抗Ra、Rbの接続点が演算増幅器542の負入力端(−)に帰還された構成となる。
このため、増幅器540による増幅率G、すなわち、信号Amp-inの電圧に対する信号Amp-outの電圧の比は、次のような式で表すことができる。
G=1+(Ra/Rb)
ここで、抵抗Raは、抵抗素子R0〜R8のうち、演算増幅器542の出力端からオンするスイッチの一端までの直列抵抗成分であり、抵抗Rbは、抵抗R0〜R8のうち、オンするスイッチの一端からグラウンドまでの直列抵抗成分である。
なお、ゲインデータで規定される8つの状態に対する抵抗Ra、Rbは、図12に示される通りである。上述の例でいえば、ゲインデータが(H、L、L)であれば、信号D100のみをHレベルとなり、スイッチSw4のみがオンするので、抵抗Raは、抵抗素子R0から抵抗素子R4までの直列抵抗成分となり、抵抗Rbは、抵抗素子R5から抵抗素子R8までの直列抵抗成分となる。
このような増幅器540によれば、ゲインデータにしたがって増幅率が8段階で変化する。ここで、図14に示されるように、例えば信号Amp-inが示される場合に、信号Amp-outは、ゲインデータで規定される増幅率が比較的大きい場合には実線で示されるものとなる一方、増幅率が比較的小さい場合には破線で示されるものとなる。
増幅率については、ポイントU0、U1、U2において配線をカットする、または、残すことによって規定することができるので、本実施形態によれば、駆動IC50が回路基板に実装されたCOF30の状態で、当該駆動IC50に設けられた増幅器540の増幅率を比較的簡易な構成で、変更することができる。
上述したように、インクの粘性などの特性は、インクの種類毎に異なるので、残留振動の程度も色毎に異なる。このため、増幅率については色毎に設定する必要がある。
本実施形態では、色毎に適切な増幅率が求まれば、COF30をヘッドユニット3に接続する際に、上記ポイントU0、U1、U2を当該増幅率に応じてカットする工程を、色毎に設ければ、増幅率については色毎に適切に設定することができる。
図4に示した第1実施形態では、残留振動信号の増幅率について、COF30における回路の配線のうち、グラウンドから、入力部545に対応する端子T0、T1、T2に至るまでの配線をカット等することによって規定する構成としたが、他の増幅率にも適用可能である。
図15は、第2実施形態に係るヘッドユニット3を含む印刷装置1の電気的な構成を示すブロック図である。この第2実施形態では、増幅器503、504のそれぞれに対応して入力部545を設けて、同様にグラウンドから当該入力部545に対応する端子に至るまでの配線をカット等することによって規定される。
なお、増幅率ではなく、増幅器503、504のそれぞれにおける遅延時間や、位相、などの調整値を規定するようにしても良い。このため、増幅器503(504)が、調整器に相当することになる。
また、増幅器503、504の調整値については、第1実施形態のように色毎に異ならせる必要がない。すなわち、各色にわたって適切な調整値が求まれば、当該調整値で統一して規定することができる。
COFは、一般にロール・ツー・ロール(roll to roll)方式で製造される。このため、ロール状から個別にCOFを切り出す際の金型に、グラウンドから入力部545に対応する端子に至るまでの配線を穿孔するための突起を所望の調整値に応じて設ければ良い。
なお、第1実施形態における増幅率、および、第2実施形態における調整値をともに設定できるようにしても良い。
第1実施形態および第2実施形態では、入力部545に対応する端子の電圧レベルを、配線をカットしない状態でLレベルとしたが、図16に示されるように、電圧Vddが印加された端子T0、T1、T2を、それぞれグラウンドGndに接地された端子Tbと、それぞれ抵抗Rd介して電気的に接続して、ポイントU0、U1、U2で配線をカットしない状態でHレベル、配線をカットした状態でLレベルとする構成としても良い。
また、端子数については「3」に限られず、「1」以上であれば良い。ただし、端子数が「1」では、2段階でしか変更できないので、「2」以上であることが好ましい。
1…印刷装置、3…ヘッドユニット、30…COF、40…アクチュエーター基板、50…駆動IC(集積回路)、100…メイン基板、110…制御部、130…判定部、503、504、540…増幅器、542…演算増幅器、544…デコーダー、545…入力部、T0、T1、T2、Ta、Tb…端子、Pzt…圧電素子、N…ノズル。

Claims (7)

  1. 駆動信号の印加により変位する圧電素子を含み、当該圧電素子の変位により液体を吐出する吐出部と、
    前記圧電素子に印加される駆動信号を調整する調整器と、
    前記調整された駆動信号を、前記圧電素子に印加するか否かを選択する選択部と、
    前記調整器での調整値を規定する調整端子と、
    を含む集積回路と、
    を有するヘッドユニット。
  2. 駆動信号の印加により変位する圧電素子を含み、当該圧電素子の変位により液体を吐出する吐出部と、
    前記圧電素子が前記駆動信号によって変位された後に、当該吐出部の残留振動を検出し、当該残留振動を示す残留振動信号を出力する残留振動検出部と、
    前記残留振動信号を所定の増幅率で増幅して出力する増幅器と、
    前記増幅率を規定する調整端子と、
    を含む集積回路と、
    を有するヘッドユニット。
  3. 前記増幅器は、
    前記調整端子に入力されたデジタル信号に応じた増幅率で増幅する
    ことを特徴とする請求項2に記載のヘッドユニット。
  4. 前記調整端子は複数である
    ことを特徴とする請求項3に記載のヘッドユニット。
  5. 前記集積回路は、
    前記デジタル信号のHレベルおよびLレベルの電圧端子を有する
    ことを特徴とする請求項3または4に記載のヘッドユニット。
  6. 前記調整端子は、
    前記HレベルまたはLレベルの電圧端子の一方に、抵抗素子を介して接続されるとともに、前記HレベルまたはLレベルの他方に、前記集積回路を実装する回路基板の配線を介して接続される
    ことを特徴とする請求項3または4に記載のヘッドユニット。
  7. 前記増幅率は、前記配線の電気な切断によって可変である
    ことを特徴とする請求項6に記載のヘッドユニット。

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