以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
本願明細書(特許請求の範囲でも同様)においては、底部シートと天面シートとが対向する方向を「上下方向」とし、一対の胴部シートが積層される方向を容器の「表裏方向」とし、上下方向および表裏方向と直交する方向を容器の「幅方向」とする。
以下では、まず、図1〜図3を参照して、本実施形態のスパウト装着装置を含む製造システムで製造されるパウチ容器10について説明し、その後で、パウチ容器の製造システム及び本実施形態のスパウト装着装置について説明する。
図1は、内容物を充填した後のパウチ容器10の一実施形態を示す斜視図である。図2は、内容物の充填前において折り畳まれた状態にあるパウチ容器10の(a)表面図と(b)裏面図である。また、図3は、図2(a)に示したパウチ容器を矢印A方向から見た側面図である。
図1および図2に示すように、パウチ容器10は、一対の胴部シートのうちの一方側の胴部シートである表面シート11と、一対の胴部シートのうちの他方側の胴部シートである裏面シート12と、底部シート13と、天面シート14とを備える。このパウチ容器10は、内容物の充填により底部シート13が展開して自立可能になるスタンディングパウチである。表面シート11および裏面シート12は、容器の表面部および裏面部をそれぞれ構成するシート材であり、底部シート13は、表面シート11と裏面シート12との間に折り込まれて挿入され、底ガセット部を構成するシート材である。底部シート13は、幅方向に沿って形成された折り目線15により、容器の内部側に向かって山折りに折り返されている。天面シート14は、容器の上面部を構成するシート材である。
パウチ容器10は、互いに重ね合わされた表面シート11と裏面シート12との間に、底部シート13を折り畳んだ状態で各シート材の端縁同士を接合するシール部を形成し、内容物が充填される容器内部空間である充填部17を密閉した袋状の構造を有する。
詳しくは、パウチ容器10は、上記シール部として、トップシール部20と、ボトムシール部21と、サイドシール部22とを有する。トップシール部20は、天面シート14の端縁に略八角形をなす枠状に形成されるシール部であり、天面シート14と外周端縁と表面シート11および裏面シート12の各上端部11a,12aとが接合されて形成される。また、ボトムシール部21は、底部シート13の端縁に形成されるシール部であり、底部シート13と表面シート11および裏面シート12の各下端部とが接合されて形成される。また、底部シート13には、幅方向両端に三角形状の未シール部16が形成されており、この未シール部16に対応する幅方向縁部に半円状の切欠き18が形成されている。この底部シート13の切欠き18を介して表面シート11と裏面シート12とが直接接合されている。
サイドシール部22は、表面シート11および裏面シート12の幅方向端縁同士を直接接合して幅方向両端にそれぞれ形成される。サイドシール部22は、他のシール部と同様に、充填部17を密閉するための端縁シール部である。サイドシール部22は、上下方向に沿って延びるように形成されている。また、サイドシール部22は、上端部および下端部を除いて一定の幅Wで形成されている。このように各シール部20,21,22を構成することによって、容器内部空間である充填部17を密閉する。充填部17に充填される内容物としては、特に限定されず、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、洗剤等の生活用各種ケア製品やスポーツドリンク等の飲料が挙げられる。内容部は、液体に限らず、粘性物や粉状物であってもよい。
表面シート11および裏面シート12は、いずれも上下方向にやや長く延びた略矩形状を呈する。底部シート13も略矩形状を呈し、例えば、表面シート11および裏面シート12の下端から表面シート11等の上下方向全長に対して1/5程度の範囲に設けられる。天面シート14は、略八角形状を呈し、表面シート11および裏面シート12の上端に設けられる。なお、天面シート14は、略八角形のものに限定されず、例えば、四角形、六角形等の他の多角形形状であってもよいし、あるいは、円形、楕円形、菱形等の形状であってもよい。
パウチ容器10では、ボトムシール部21とサイドシール部22との境界部に下部スポットシール19aが形成され、トップシール部20とサイドシール部22の境界部に上部スポットシール19bが形成されている。これらの下部および上部スポットシール19a,19bは、各シール部20,21,22が形成された後に、別途形成される。下部スポットシール19aは、図2及び図3に示すように、表面シート11および裏面シート12と底部シート13との間に形成されるシール境界部23のシール強度を増加させるために局部的に形成される。また、上部スポットシール19bは、表面シート11および裏面シート12と天面シート14との間に形成されるシール境界部24のシール強度を増加させるために局部的に形成される。
各シート11〜14を形成するシート材は、パウチ容器10の壁面部を構成するシート状部材であって、通常、樹脂フィルムから構成される。シート材を構成する樹脂フィルムには、耐衝撃性、耐磨耗性、および耐熱性など、包装体としての基本的な性能を備えることが要求される。また、シール部は、通常、ヒートシールにより形成されるので、シート材には、ヒートシール性も要求される。シート材としては、ベースフィルム層と、ヒートシール性を付与するシーラント層とを有する複層シート材が好適であり、高いガスバリア性が要求される場合には、ベースフィルム層とシーラント層との間にガスバリア層を設けることが好適である。シート材の厚みは、例えば10μm〜300μmであり、好ましくは20μm〜200μmである。
ここで、ベースフィルム層、シーラント層、およびガスバリア層の構成材料を例示する。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーションなどにより行うことができる。
ベースフィルム層を構成するフィルムとしては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)など)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66など)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびポリエーテルスルフォン(PES)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。ベースフィルム層の厚みは、例えば10μm〜200μmであり、好ましくは10μm〜100μmである。
シーラント層を構成するフィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等から構成される一層又は二層以上の延伸又未延伸フィルムが例示できる。シーラント層の厚みは、例えば20μm〜200μmであり、好ましくは30μm〜180μmである。
ガスバリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、ベースフィルム層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを蒸着(又はスパッタリング)したフィルムが例示できる。ガスバリア層の厚みは、例えば0.1μm〜20μmであり、好ましくは0.2μm〜10μmである。
シート材には、内容物の商品名や原材料・使用上の注意事項等の商品説明、その他各種デザインなどを表示するための印刷層(図示せず)を設けることができる。例えば、印刷層は、グラビア印刷等の公知の方法により、ベースフィルム層の内側の面に形成できる。
シール部は、ヒートシールにより形成されることが好適である。ヒートシールによるシール部は、各シート材のシーラント層が容器の内側となるように重ね合わせて熱圧着することで形成できる。
図1に示すように、パウチ容器10には、天面シート14の中央部に、内容物を充填および取り出すための口栓30が設けられている。口栓30は、天面シート14に固定されるスパウト31と、スパウト31の外周に形成されたネジ部に螺合されたキャップ32とで構成される。
スパウト31は、天面シート14から外側に突出する円筒状の筒部31aと、筒部31aの一端部外周から径方向外側に張り出したフランジ部31bとを有する。スパウト31は、例えばポリエチレン等の樹脂材料によって構成されている。本実施形態では、フランジ部31bは略矩形状を呈し、天面シート14の内面(すなわち充填部17側の面)にフランジ部31bがヒートシールされて取り付けられている。フランジ部31bの形状は、略矩形状に限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、長円形、多角形等の他の形状であってもよい。
図3に示すように、スパウト31の筒部31aは、その外周面上に2つのフランジf1,f2を有する。これら2つのフランジf1,f2は、略同一の形状および大きさに形成されている。一方のフランジf1は、他方のフランジf2に対してスパウト31の軸方向に間隔をおいて形成されている。また、スパウト31の外周側面には、上記2つのフランジf1,f2の間に、それぞれ長方形状をなす4つの平面部g1,g2,g3,g4が形成されている。図2(a)において、各平面部g1,g2,g3,g4は、フランジf1,f2の外周よりも奥まって位置している。4つの平面部g1,g2,g3,g4のうちで一対の平面部g1,g2は略平行な状態で対向しており、残りの一対の平面部g3,g4は略平行な状態で対向している。
スパウト31からパウチ容器10の充填部17に内容物を充填すると、底部シート13が展開して表面シート11および裏面シート12が互いに離間し、図1に示すように胴部が膨らんだ形態となる。この状態で、キャップ32をスパウト31に締めこんで、パウチ容器10内に内容物を封入する。こうして、パウチ容器10の自立性が発現する。パウチ容器10では、天面シート14を設けたことにより、図1に示すように容器の上部も膨らんで、あたかもボトルのような形態となる。
次に、図4以降を参照して、上述したパウチ容器10の製造システム1について説明する。
図4は、本発明の一実施形態であるスパウト装着装置を含むパウチ容器の製造システム1を示す概略図である。図4(図8も同様)において、シート材Mの搬送方向(すなわちパウチ容器10の製造工程進行方向)が矢印Xで示される。この製造システム1は、後述するスパウト装着装置およびスポットシール装置を除いて、上記特許文献1(特許第5456416号公報)に記載されるパウチ容器製造装置と略同様に構成できる。
図4に示すように、製造システム1は、パウチ容器10が幅方向に多数連なった容器連続体を製造する製造装置40と、容器連続体を切断して個々のパウチ容器10に分離する切断装置50とを備える。
容器連続体の製造装置40は、リールユニット41、アキュームユニット42、孔形成ユニット43、折目線形成ユニット44、折りユニット45、スパウト装着装置46、メインシール装置47、切除ユニット48、および、スポットシール装置49を含む。
リールユニット41は、長尺帯状のシート材Mが巻き付けられているリールが回転可能に支持されており、このリールからシート材Mが連続的に繰り出されるようになっている。
アキュームユニット42は、リールユニット41から繰り出されたシート材Mをある程度の長さの余裕を持って蓄積している。これにより、シート材Mを下流側ユニットに安定的に供給できる。
孔形成ユニット43は、天面シート14となるシート部分にスパウト31の筒部31a(図2(a)、図3参照)を挿通するための貫通孔であるスパウト装着孔をパンチングにより形成する。また、孔形成ユニット43は、個々のパウチ容器10に分離されたときに半円状の切欠き18となる円形の貫通孔をパンチングにより形成する。
折目線形成ユニット44は、シート材Mに長手方向に沿って複数の折目線を平行に形成する。複数の折目線は、薄い折目線形成ローラを回転させながらシート材Mに当接させる等によって形成することができる。これらの折目線は、後工程の折りユニット45において各折目線でシート材Mが折られることで、表面シート11、底部シート13、裏面シート12、および、天面シート14となるシート部分を区画するものである。
折りユニット45は、シート材Mを上記複数の折目線に沿って折り曲げる。図5は、折り畳まれたシート材からなる容器連続体の天面シート部分に3つのスパウト31が装着される様子を示す斜視図である。折りユニット45では、シート材Mが、図5に示すように、折目線形成ユニット44によって形成された6本の折目線L1〜L6で折り曲げられる。これにより、表面シート11を構成する表面シート部分S1、裏面シート12を構成する裏面シート部分S2、底部シート13を構成する底部シート部分S3、および、天面シート14を構成する天面シート部分S4が区画形成される。天面シート部分S4には、上述した孔形成ユニット43によって形成されたスパウト装着孔51が所定ピッチPで配置されている。ここで、隣接するスパウト装着孔51のピッチPは、パウチ容器10の全幅に一致する。なお、図5では、個々のパウチ容器10に分離されたときに半円状の切欠き18となる円形の貫通孔の図示が省略されている。
図4及び図5に示すように、スパウト装着装置46は、天面シート部分S4に形成されたスパウト装着孔51にスパウト31の筒部31aを挿通した状態でフランジ部31bを天面シート部分S4にヒートシールして装着する。スパウト装着装置46の詳細については後述する。
メインシール装置47は、図5に示すように折り畳まれたシート材Mの天面シート部分S4にスパウト31がヒートシールによって装着されたものに、加熱されたシールバーを押し当ててパウチ容器10のトップシール部20、ボトムシール部21およびサイドシール部22となるシール部分を形成する。
切除ユニット48は、パウチ容器10の天面外形形状を成形するために不要部分を切除する。具体的には、天面シート14となるシート部分S4の両側縁部を略三角状に切除する。これにより、個々のパウチ容器10に分離されたときに天面シート14が略八角形状になる。
図6は、切除ユニット48を通過した容器連続体2を示す平面図である。容器連続体2は、個々のパウチ容器10に切断されたときに、トップシール部20となるシール部分20A、ボトムシール部21となるシール部分21A、および、サイドシール部22となるシール部分22Aが上記のメインシール装置47によって形成されている。サイドシール部22となるシール部分22Aの幅方向中央に、上下方向に延びる切断予定線CLが示されている。また、容器連続体2において天面シート14となるシート部分は、それぞれ両側縁部が上記の切除ユニット48によって略三角状に切除されて略八角形状に形成されている。
スポットシール装置49は、パウチ容器10における下部および上部スポットシール19a,19b(図2参照)を形成するために、図6に示すように、サイドシール部22になるシール部分22Aとボトムシール部21になるシール部分21Aとの境界部に、先端面が長方形状をなす加熱されたスポットシールバー52を表裏方向に押圧するとともに、サイドシール部22になるシール部分22Aとトップシール部20になるシール部分20Aとの境界部に、先端面が長方形状をなす加熱されたスポットシールバー53を表裏方向に押圧する。これにより、個々のパウチ容器10に分離されたときに下部および上部スポットシール19a,19bのそれぞれ2つ分に相当する大きさのスポットシールが形成される。その結果、個々のパウチ容器10として分離されたときに、サイドシール部22と底部シール部21およびトップシール部20とのシール境界部23,24(図3参照)のシール強度が増加し、パウチ容器10の落下時等の破袋強度が増大する。
パウチ容器の製造システム1における切断装置50は、スポットシール装置49を通過した容器連続体2を切断予定線CLで切断して個々のパウチ容器10に分離する。図7は、容器連続体2が切断されて個々のパウチ容器10が生成された状態を示す。切断装置50の態様は、どのようなものであってもよく、例えば、はさみ型の切断装置や、固定刃および可動刃を含む切断装置等が挙げられる。このようにしてパウチ容器10が連続的に製造される。
次に、図8および図9を参照して、本実施形態のスパウト装着装置46について詳細に説明する。図8は、スパウト装着装置46の要部を概略的に示す正面図である。図9は、スパウト装着ヘッドを示す(a)正面図、(b)下面図、および(c)側面図である。
スパウト装着装置46は、図5を参照して上述したように、折り畳まれたシート材Mにおける天面シート部分S4に形成されたスパウト装着孔51にスパウト31の筒部31aを挿入し、スパウト31のフランジ部31bをスパウト装着孔51の周縁にヒートシールすることによって装着する装置である。図8に示すように、折り畳まれたシート材Mの搬送方向(矢印X方向)に沿って順に設置された、第1シールステーション46a、第2シールステーション46b、および、冷却ステーション46cを含む。
スパウト装着装置46の第1シールステーション46aには、スパウト装着ヘッド60が設置されている。スパウト装着ヘッド60は、スパウト31を搬送、挿入、および接合する機能を有する。詳しくは、スパウト装着ヘッド60は、所定の取出位置に供給されたスパウトを保持して搬送し、折り畳まれたシート材Mの天面シート部分S4にあるスパウト装着孔51にスパウト31の筒部31aを挿入し、後述する加熱部材との間にスパウト31のフランジ部31bとスパウト装着孔51の周縁のシート部分とを挟んで押圧および加熱することによりスパウト31を天面シート部分S4に接合する。
図9に示すように、スパウト装着ヘッド60は、ロボットアーム等の移動機構61に連結されたヘッド本体62と、ヘッド本体62の下面に突出して設けられた3つのスパウト保持部63とを有する。スパウト装着ヘッド60は、移動機構61によってスパウト31が供給されるスパウト取出位置(所定の取出位置)αと、シート材Mのスパウト装着孔51にスパウト31を挿入するスパウト装着位置β(図10参照)との間を往復移動する。
3つのスパウト保持部63は、シート材Mの天面シート部分S4に形成されるスパウト装着孔51と等ピッチPで並んで配置されている。また、各スパウト保持部63は、外形が略円柱状に形成されている。さらに、各スパウト保持部63は、例えばシリコン等の材料で形成されている。そして、スパウト保持部63の下端面の中央部には、略円錐台状をなす突起64が突設されている。
突起64の基部の直径d4は、スパウト31の筒部31aの内径d3(図5参照)よりも僅かに小さく形成されている。スパウト装着ヘッド60でスパウト31を吸引保持するときに突起64の基部が略隙間なく筒部31aに嵌め込まれることによって、フランジ部31bに反りや歪みが有る場合に生じる筒部31b内からの空気吸引(空気漏れ)を抑制できる。その結果、スパウト保持部63の吸引面によるスパウト31の吸引保持をより確実に行うことができる。また、突起64は、所定の取出位置において、突起64がフランジ部31bの側から筒部31aに挿入されたとき、スパウト保持部63に対してスパウト31を同心状に位置決めする機能を併せて果たすこともできる。ただし、突起64は、空気漏れおよびスパウト位置決めのいずれか一方の機能だけを果たしてもよい。
スパウト保持部63において、突起64の周囲には、円環状をなす平坦な吸引面65が形成されている。上記の通りスパウト保持部63は、弾性材料で形成されている。そのため、後述するようにスパウト保持部63がスパウト31のフランジ部31bを吸引保持したとき、フランジ部31bの表面に波打ち状の反りや歪みがある場合にも、吸引面65がその歪みに追従するように密接して吸引保持することができる。
スパウト保持部63の吸引面65には、複数の吸引孔66が周方向に均等配置で設けられている。本実施形態では、4つの吸引孔66が90度ピッチで形成されている例が示される。スパウト保持部63の外周面には、図示しない吸引源に接続される吸引管67が接続されている。吸引管67は、スパウト保持部63内の空間を介して、吸引孔66に連通している。これにより、スパウト取出位置αにおいて、突起64が筒部31a内に挿入されたとき、吸引孔66に作用する負圧によってスパウト31のフランジ部31bが吸引されて平坦な吸引面65に密接した状態に保持される。その結果、スパウト31のフランジ部31bに反りが生じている場合でも、スパウト保持部63によってフランジ部31bを平坦な状態で保持することができる。
また、スパウト31は、例えば樹脂射出成形によって製造されるが、その際、樹脂注入口であるゲートが対向するフランジ部31bの部分で反りや歪みが生じ易い。そのため、上記のような空気漏れを生じ難くするには、スパウト保持部63の吸引孔66の位置は、フランジ部31bにおけるゲート対向部分から外れた位置となるように配置するのが好ましい。
吸引面65を含むスパウト保持部63は、スパウト31を構成する樹脂材料よりも低い温度に加熱されてもよい。これにより、吸引面に吸引保持されたスパウト31のフランジ部31bが予備加熱されるので、天面シート部分S4へのヒートシールをより短時間で行うことができ、スパウト装着装置46、ひいては、パウチ容器製造装置1の稼働をより高速化できる。
また、スパウト保持部63の吸引面65に形成された複数の吸引孔66は、後述する第1加熱部材71の筒部収容凹部74の内周縁よりも径方向内側に対応する位置に配置されているのが好ましい。これにより、吸引面65と第1加熱部材71との間にフランジ部31bとスパウト装着孔51の周縁シート部分とを挟んで押圧および加熱したときに、押圧力の低下と吸引による温度低下を抑制できるので、吸引孔66の跡が天面シート部分S4の表面に残ることがなく、フランジ部31bに対するシール部を美麗に仕上げることができる。
再び図8を参照すると、スパウト装着装置46は、スパウト装着ヘッド60の下方位置に昇降ステージ70を備える。昇降ステージ70は、図示しない駆動機構によって、昇降移動可能になっている。昇降ステージ70上であって第1シールステーション46aには、スパウト装着ヘッド60のスパウト保持部63に対応して3つの第1加熱部材(加熱部材)71が配置されている。
第1加熱部材71は、図示しないヒータによって加熱されている。第1加熱部材71の温度は、シート材Mのシーラント層の融点よりも高く、かつ、シート材Mを構成するベースフィルム層の融点(例えばPETフィルムの場合は260℃)よりも低い温度に加熱されているのが好ましい。また、第1加熱部材71は、スパウト31の筒部31aを収容可能な円筒形状の筒部収容凹部74を有しており、その先端面がシート材Mの天面シート部分S4に形成されたスパウト装着孔51の周縁に当接可能な形状および大きさに形成されている。これにより、昇降ステージ70が上昇移動したとき、スパウト保持部63に吸引保持されたスパウト31のフランジ部31bとシート材Mのスパウト装着孔51の周縁とが、第1加熱部材71の先端面とスパウト保持部63の平坦な吸引面65との間に挟持されて押圧および加熱されるようになっている。
スパウト装着装置46の昇降ステージ70上には、第2シールステーション46bに対応して3つの第2加熱部材72が配置され、冷却ステーション46cに対応して3つの冷却部材73が配置されている。本実施形態では、第2加熱部材72は第1加熱部材71と略同一に形成され、冷却部材73は第1加熱部材71よりも大きく形成されている。また、第1加熱部材71、第2加熱部材72および冷却部材73は、折り畳まれたシート材Mの搬送方向(矢印X方向)に沿って直線状に所定ピッチPで配列されている。これにより、折り畳まれたシート材Mがパウチ容器10の3個分の全幅に対応する距離(すなわちP×3)ごとに間欠搬送されることで、第1シールステーション46aでスパウト装着孔51に装着されたスパウト31の筒部31aが第2シールステーション46bおよび冷却ステーション46cにおいて第2加熱部材72および冷却部材73の内部に嵌り込むことができる。
スパウト装着装置46の第2シールステーション46bには、例えばプレート状の当接部材68が3つの第2加熱部材72の上方に対向して配置されている。当接部材68は、昇降ステージ70が上昇移動したとき、第2加熱部材72の先端面との間にスパウト31のフランジ部31bおよびシート材Mの天面シート部分S4におけるスパウト装着孔51の周縁を挟持して押圧する。これにより、スパウト31のフランジ部31bが、天面シート部分S4に対してより確実にヒートシールされる。
スパウト装着装置46の冷却ステーション46cには、例えば扁平筐体状をなす水冷式の冷却装置69が3つの冷却部材73に対向して配置されている。冷却装置69は、昇降ステージ70が上昇移動したとき、冷却部材73の先端面との間にスパウト31のフランジ部31bおよびシート材Mの天面シート部分S4におけるスパウト装着孔51の周縁を挟持する。これにより、スパウト31のフランジ部31bが天面シート部分S4にヒートシールされた部分が冷却されるようになっている。
次に、図10〜図12を参照して、スパウト装着装置46に含まれるスパウトフィーダ80について説明する。図10は、スパウトフィーダ80を示す平面図である。図11は、スパウトフィーダ80のスパウト供給部83を示す拡大平面図である。また、図12(a)において、(a)1本のスパウト供給部83のスパウト取出位置α近傍を拡大して示す平面図であり、(b)は(a)中のB矢視図であり、(c)は(a)中のC−C断面図である。
図10に示すように、本実施形態のスパウト装着装置46は、スパウトフィーダ80を備える。スパウトフィーダ80は、上述したスパウト装着ヘッド60によるスパウト取出位置αにスパウト31を供給する装置である。スパウトフィーダ80は、多数のスパウト31を収容可能なホッパー81と、ホッパー81の出口82とスパウト取出位置αとの間の連絡するスパウト供給部83とを有する。
ホッパー81は、平面視で略渦巻き状をなす容器であり、例えば振動を加えることによって内部に投入された多数のスパウト31を出口へ向けて整列させつつ移動させることができる。また、本実施形態では、スパウト装着ヘッド60が3つのスパウト保持部63を備えていることから、これに対応してホッパー81とスパウト取出位置αとの間には3本のスパウト供給部83が設けられている。
なお、本実施形態では1つのホッパー81を設けた例について説明するが、これに限定されるものではなく、パウチ容器10の製造システム1の生産能力等に応じて、複数のホッパーを用いてスパウト取出位置αにスパウト31を供給してもよい。
図11および図12(a)に示すように、各スパウト供給部83は、少なくともスパウト取出位置αの近傍では、互いに隣接して平行に配置されている。各スパウト供給部83は、所定の間隔Kを空けて平行に配置された一対のガイド部材84a,84bを備える。一対のガイド部材84a,84bは、例えば細長い金属製の板状部材によって形成される。また、一対のガイド部材84a,84bは、それらの対向する縁部が図12(b)に示すように、スパウト31の筒部31aのフランジ部f1,f2間に嵌まり込んで、スパウト31を整列状態に支持している。
各スパウト供給部83の上方には、エアノズル88が斜め下方に向けて配置されており、ガイド部材84a,84b間に整列したスパウト31に向けてエアが吹き付けられるようになっている。これにより、各スパウト31がスパウト取出位置αに向けて前進する推進力が与えられる。
一対のガイド部材84a,84bの下方には、整列されたスパウト31を1つずつスパウト取出位置αに送り出す各一対の上流側ストッパ部材85a,85bおよび下流側ストッパ部材86a,86bが配置されている。図12(b)に示すように、上流側ストッパ部材85a,85bおよび下流側ストッパ部材86a,86bは、下端部で揺動可能に軸支された略V字状のレバー部材で構成され、各先端部がスパウト31の筒部31aに近接して位置している。この状態から、上流側ストッパ部材85a,85bは、各先端部が互いに接近するように駆動されることによって、一対のガイド部材84a,84b間で整列しているスパウト31間に入り込んで堰き止める機能を有する。この機能は、下流側ストッパ部材86a,86bについても同様である。
また、スパウト取出位置αには、一対の固定ガイド87a,87bが間隔を空けて配置されている。一対のガイド部材84a,84bによって送られてきたスパウト31は、一対の固定部材87a,87bの間に受け取られる。
図10および図12(b)に示すように、スパウト31がホッパー81の出口82において一対のガイド部材84a,84b間に筒部31aが進入するとき、各ガイド部材84a,84bの各対向縁部が筒部31aのフランジf1,f2間であって筒部31aの径方向に対向する2つの平面部g3,g4またはg1,g2(図2(a)参照)に対向した状態で間に嵌り込む。ここで、図12(a),(b)に示すように、一対のガイド部材84a,84bの間隔Kは、筒部31aのフランジf1,f2の直径より狭く、且つ、筒部31aに形成された対をなす2つの平面部g3,g4間の寸法d2(平面部g1,g2間の寸法も同じ)(図2参照)よりも広く設定されている。このようにスパウト31の筒部31aの平面部g3,g4等が一対のガイド部材84a,84bの縁部に沿って搬送されることで、ガイド部材84a,84b間でスパウト31が回転しないように規制される。これにより、スパウト供給部83では、スパウト31の略矩形状をなすフランジ部31bの向きが揃った状態で整列するようになっている。なお、スパウトのフランジ部が円形状の場合、スパウトを整列させるときの向きは問わないため、スパウト31の筒部31aのフランジf1,f2間に平面部を設けなくてもよい。
図12(a),(c)に示すように、スパウト取出位置αでは、上述したように、一対の固定ガイド87a,87bが間隔を空けて配置されており、スパウト31のフランン部31bの両側端部が一対の固定ガイド87a,87b上に載ることによって支持される。また、一対の固定ガイド87a,87bの下方には、矢印方向に開閉駆動される開閉ガイド88a,88bが配置されている。開閉ガイド88a,88bが閉位置にあるとき、フランジf1,f2間に嵌まり込んでいるため、スパウト31は上方向への移動が規制される。他方、スパウト装着ヘッド60によってスパウト31をスパウト取出位置αから取り出すとき、開閉ガイド88a,88bが開位置へと移動してフランジf1,f2間から抜け出る。これにより、スパウト装着ヘッド60で保持されたスパウト31を上方へ取り出すことが可能になる。
ここで、図12(c)に示すように、スパウト供給部83において一対の固定ガイド87a,87bがスパウト31のフランジ部31bに接触しているため、一対の固定ガイド87a,87bを図示しないヒータでスパウト31を構成する樹脂材料の融点よりも低い温度に加熱しておいてもよい。このようにすれば、スパウト31のフランジ部31bがスパウト取出位置αにおいて予備加熱されるので、スパウト保持部63によるフランジ部31bの予備加熱の場合と同様に、スパウト31のヒートシールの短時間化に寄与できる。
図12(a)に示すように、一対のガイド部材84a,84b間に整列したスパウト31は、互いに接近した破線の位置に移動した上流側ストッパ部材85a,85bによって、スパウト取出位置αに向けての前進が止められる。そのため、ホッパー81から上流側ストッパ部材85a,85bに至るまでの間に位置する多数のスパウト31は、フランジ部31bが互いに重なり合った状態で貯留されている。この状態で、下流側ストッパ部材86a,86bが破線で示す離間した位置に移動すると、上流側ストッパ部材85a,85bと下流側ストッパ部材86a,86b間に保持されていたスパウト31がエア吹き付けによる推進力によってスパウト取出位置αへ送り出されて図示しないストッパ部によって止められる。このような動作が繰り返されることにより、スパウト供給部83においてスパウト31がスパウト取出位置αに連続的に供給される。
続いて、図13および図14を参照して、スパウト31の装着動作を説明する。図13において、(a)スパウト装着ヘッド60に吸引保持されたスパウト31が容器連続体2の天面シート部分S4に装着される直前の状態を示す図、(b)は同スパウト31が同天面シート部分S4に装着されたときの状態を示す図である。また、図14は、スパウト装着ヘッドにおいて、フランジ部に反りが生じているスパウトを筒部の内側で保持した状態を示す図である。
上記のようにスパウト供給部83によってスパウト取出位置αに供給されたスパウト31は、スパウト装着ヘッド60の3つのスパウト保持部63に吸引されて保持される。このとき、スパウト保持部63の突起64がスパウト31の筒部31a内にフランジ部31bの側から挿入されることで、スパウト保持部63に対してスパウト31が同心状に正確に位置決めされる。また、スパウト31のフランジ部31bは、スパウト保持部63の平坦な吸引面65に密着した状態に吸引保持されるため、スパウト31のフランジ部31bに反りが生じている場合にも、その反りが解消された状態でシート材Mのスパウト装着孔51にスパウト31を挿入することができる。また、スパウト保持部63は、スパウト31を構成する樹脂材料よりも低い温度に加熱されていれば、フランジ部31bが予備的に加熱されて、後のシール工程をより短時間で行うことができる。
スパウト装着ヘッド60は、図13(a)に示すように、スパウト31を吸引保持した状態で、移動機構61によってスパウト装着位置βに移動する。そして、スパウト装着ヘッド60は、スパウト装着位置βにおいて下降移動する。これにより、スパウト31の筒部31aが、折り畳まれたシート材Mの天面シート部分S4に形成されたスパウト装着孔51に上方から挿入される。
また、これと同時に、スパウト装着装置46の昇降ステージ70が上昇移動する。これにより、昇降ステージ70の第1シールステーション46aに設置された円筒状の第1加熱部材71の先端面71aとスパウト保持部63の吸引面65との間に、スパウト31のフランジ部31bとシート材Mの天面シート部分S4に形成されたスパウト装着孔51の周縁とが挟まれて押圧および加熱される。その結果、天面シート部分S4の上面にあるシーラント層が溶融してフランジ部31bが接合される。
このようにしてスパウト31が天面シート部分S4に仮接合されると、スパウト装着ヘッド60は上昇移動するとともに第1加熱部材71が下降移動する。その後、折り畳まれたシート材Mは、パウチ容器10の3個分に相当する距離(P×3)だけ移動して停止する。そして、上述したように、第2シールステーション46bにおいて第2加熱部材72および当接部材68によって第1シールステーション46aと同様に挟み込むことで、フランジ部31bが天面シート部分S4にしっかりとヒートシールされる。そして、続く冷却ステーション46cにおいて冷却部材73および冷却装置69によってフランジ部31bのシール部分が冷却される。
図14は、スパウト装着ヘッド60Aにおいて、フランジ部31bに反りが生じているスパウト31を筒部31aの内側で保持した状態を示す図である。このようにスパウト31を筒部31aの内側で保持して装着するスパウト装着ヘッド60Aでは、フランジ部31bの反りが生じていると天面シート部分S4への接合時に熱が第1および第2加熱部材71,72から天面シート部分S4を介してフランジ部31bに伝わりにくく、接合不良が生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態のスパウト装着装置46では、スパウト31のフランジ部31bに反りが生じている場合でも、スパウト保持部63の平坦な吸引面65に密着して吸引保持されることで平坦な状態に矯正することができる。このとき、スパウト31のフランジ部31bがスパウト保持部63やスパウト供給部83の固定ガイド87a,87bによって予備加熱されていれば、フランジ部31bの反り解消により効果がある。このようにスパウト31のフランジ部31bの反りや歪みが解消されることで、第1シールステーション46aにおけるスパウト31の仮接合、および、第2シールステーション46bにおける本接合を、いずれも良好に行うことが可能になる。
なお、本発明は、上述した実施形態およびその変形例の構成に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲で種々の改良や変更が可能である。
例えば、上記では第1シールステーション46aにおいてスパウト31の仮接合、第2シールステーション46bにおいてスパウト31の本接合を行う場合について説明したが、これに限定されるものでなく、1度のヒートシール工程でスパウト31のフランジ部31bをシート材Mの天面シート部分S4に接合してもよい。
また、上記においてはスパウト装着ヘッド60が3つのスパウト31を吸引保持する例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、1つ、2つ又は4つ以上のスパウト31を吸引保持できるように構成してもよい。
また、パウチ容器の製造システムは、パウチ容器10の幅(または整列ピッチ)Pを変更できるように構成してもよい。その場合、スパウト装着ヘッド60におけるスパウト保持部63の配列ピッチPを可変とする移動機構が設けられる。また、それに対応させて、第1加熱部材71、第2加熱部材72、冷却部材73の各配列ピッチPを可変とする調整機構が設けられる。これらの移動機構および調整機構は、例えばラックアンドピニオン機構などによってそれぞれ構成できる。
さらに、上記のパウチ容器の製造システム1においては、1枚のシート材Mからパウチ容器10の各シート部分が形成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複数枚のシート材を用いてパウチ容器が製造されてもよい。