JP2017165152A - タイヤ滑り止め具 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤへの装着のし易さ或いは装着の自由度を高めることが可能となるタイヤ滑り止め具を提供する。【解決手段】車輪に設けたタイヤに装着されるタイヤ滑り止め具であって、前記タイヤのトレッド面上に長手方向を巻き付けるように配置される部材であり、当該長手方向へ並ぶように複数の硬質部材が設けられた滑り止め部を備え、前記車輪の軸方向外側において前記硬質部材それぞれが引張られ、当該硬質部材が前記タイヤを挟んで締め付けることにより、前記タイヤへ装着されるタイヤ滑り止め具とする。【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤに装着されるタイヤ滑り止め具に関する。
従来、車両が雪道等を走行する際のスリップ防止を目的として、車両のタイヤに滑り止め具を装着することが行われている。滑り止め具として代表例としてはタイヤチェーンがあるが、その他にもタイヤへの装着作業を容易とする種々の滑り止め具が提案されている。
例えば特許文献1には、タイヤのトレッド面をまたぐ滑り止め本体と、当該滑り止め本体の一端部に設けられた内方環状連結体と、他端部に設けられた緊締具と、を備えたタイヤ滑り止め具が開示されている。そして、この従来のタイヤ滑り止め具は、上記内方環状連結体をホイールのリムの内方係止突起に係合させると共に、上記緊締具に設けられた外方環状連結体をリムの外方係止突起に係合させることで、タイヤに装着される。
しかしながら従来の滑り止め具では、タイヤへの装着のし易さや自由度に問題があった。例えば上記特許文献1のタイヤ滑り止め具では、ホイールに係止突起といった特別な構成が備えられている必要があり、ホイールの仕様が限定されるので、タイヤへの装着の自由度が低いという問題があった。
上記問題点に鑑み、本発明は、タイヤへの装着のし易さ或いは装着の自由度を高めることが可能となるタイヤ滑り止め具の提供を目的とする。
本発明に係るタイヤ滑り止め具は、車輪に設けたタイヤに装着されるタイヤ滑り止め具であって、前記タイヤのトレッド面上に長手方向を巻き付けるように配置される部材であり、当該長手方向へ並ぶように複数の硬質部材が設けられた滑り止め部を備え、前記車輪の軸方向外側において前記硬質部材それぞれが引張られ、当該硬質部材が前記タイヤを挟んで締め付けることにより、前記タイヤへ装着される構成とする。
本構成によれば、タイヤへの装着のし易さ或いは装着の自由度を高めることが可能となる。なお本願において、軸方向とは車軸(車輪の軸)の伸びる方向を指し、軸方向外側(向き)は、軸方向のうち車体から離れる側(向き)を指す。例えば一般的な四輪車の場合、左側の車輪については、左側が軸方向外側であり、右側が軸方向内側である。
また上記構成としてより具体的には、前記硬質部材は、前記タイヤのトレッド面上に配されるトレッド面配置部と、前記トレッド面配置部の軸方向外側縁近傍から径方向内向きに延出し、前記タイヤの軸方向外側側面に当接する第1延出部と、を有する構成としてもよい。
本構成によれば、引張りによってトレッド面配置部がトレッド面から離れようとしても、第1延出部がタイヤの軸方向外側側面に押し付けられて移動を規制されるので、硬質部材がタイヤから外れることを抑制できる。また本願において、径方向は車輪の径方向を指し、径方向内向きは、径方向のうち車輪の中央に近づく向きを指す。
また上記構成としてより具体的には、前記硬質部材は、前記トレッド面配置部の軸方向内側縁近傍から径方向内向きに延出し、前記タイヤの軸方向内側側面に当接する第2延出部を有する構成としてもよい。本構成によれば、第2延出部によって、硬質部材が軸方向外向きへ移動することが規制されるので、硬質部材のタイヤからの外れを抑制できる。
また上記構成としてより具体的には、前記トレッド面配置部は、前記タイヤのトレッド面に食い込む突起を有する構成としてもよい。本構成によれば、タイヤに装着されたタイヤ滑り止め具の位置をより安定させることが可能となる。
また上記構成としてより具体的には、前記硬質部材は、前記タイヤのトレッド面上に配されるトレッド面配置部と、前記トレッド面配置部の軸方向内側縁近傍から径方向内向きに延出し、前記タイヤの軸方向内側側面に当接する第2延出部と、を有し、前記第2延出部は、前記タイヤの軸方向内側側面に食い込む突起を有する構成としてもよい。本構成によれば、タイヤへの当該突起の食い込みによって、硬質部材がタイヤから外れることを抑制できる。
また上記構成としてより具体的には、前記滑り止め部は、帯状に形成されたシート部材と、当該シート部材の長手方向へ並ぶように設けられた複数の前記硬質部材と、を有する構成としてもよい。本構成によれば、滑り止め効果に優れたシート部材を採用して、高機能なタイヤ滑り止め具を実現することが可能となる。
また上記構成としてより具体的には、前記車輪の軸方向外側において前記硬質部材同士を結合する結合部を備え、前記結合部が、前記硬質部材それぞれを径方向内向きへ引張る状態とする構成としてもよい。更に当該構成において、前記結合部は、径方向へ弾性的に伸縮するように形成されており、弾性力を用いて前記硬質部材それぞれを径方向内向きへ引張る構成としてもよい。本構成によれば、結合部の弾性力を利用して、各硬質部材をより容易かつ安定的に引張ることが可能となる。
また上記構成としてより具体的には、前記結合部は、前記硬質部材それぞれの側から径方向内向きへ伸びる紐状部を有し、当該紐状部を用いて前記結合がなされる構成としてもよい。本構成によれば、各紐状部を用いて各硬質部材に引張り力を付与し、各硬質部材をトレッド面に押し付けて固定することができる。
また上記構成としてより具体的には、前記紐状部の途中部分に、当該紐状部の分離と係合を可能とする係合部を設けた構成としてもよい。本構成によれば、例えば、タイヤ滑り止め具のタイヤへの装着時に紐状部を分離状態とし、装着作業をより一層行い易くすることが可能となる。
また上記構成としてより具体的には、放射状に伸びる複数のスポークを有した車輪に設けたタイヤに装着される上記構成のタイヤ滑り止め具であって、前記紐状部それぞれが前記スポークそれぞれに沿って伸びるようにして、当該タイヤに装着可能である構成としてもよい。本構成によれば、紐状部が軸方向内側に撓むことがスポークによって規制されるので、紐状部の破断を抑制することが可能となる。
本発明に係るタイヤ滑り止め具によれば、タイヤへの装着のし易さ或いは装着の自由度を高めることが可能となる。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ滑り止め具50の外観概略斜視図である。図1に示すタイヤ滑り止め具50は、、滑り止めシート部1と結合部2を備える。
滑り止めシート部1は、シート状部材11および複数の硬質部材12を有している。シート状部材11は、長手方向に伸びる帯状に形成されたシート状の部材であり、柔軟性を有している。シート状部材11は、タイヤのトレッド面上に長手方向を巻き付けるように配置されることにより、タイヤの滑り止め機能を主に発揮する部材である。シート状部材11としては、例えばポリエステル等の繊維を織ることで製造される布状の部材などが採用され得る。このような繊維によって、タイヤと氷雪面との間に存在する滑りの原因となる水膜を吸収し、タイヤのグリップ力を高めることができる。
なおシート状部材11の具体的形態はこれに限らず、例えばゴム材質で形成した部材としても良く、滑り止め効果を高めるための特殊な表面加工が施された部材としても良い。またシート状部材11の長手方向両端近傍には、タイヤのトレッド面上に巻き付けられた状態で一方を他方に接続できる機構(例えば、一方に小突起を設け、他方に当該小突起を嵌め込む孔を設けた機構)が設けられても良い。これにより、シート状部材11を無端状またはこれに近い状態として、タイヤへの装着状態をより安定させることが可能となる。
硬質部材12は、シート状部材11の長手方向に沿って並ぶように複数配置されてシート状部材11と一体化される部材である。なお図1に示す硬質部材12は、一例として、10個のものが当該長手方向に等間隔に配列されるようにしている。硬質部材12は、例えば硬質プラスチック(ポリプロピレン等)や金属等から構成され、側面視で略コの字状となっている。より具体的には、硬質部材12は、トレッド面配置部121と、第1延出部122と、第2延出部123と、を有している。
トレッド面配置部121は、シート状部材11の一方の面に固定される平板部であり、固定は例えば接着剤による接着により行われる。トレッド面配置部121は、タイヤ滑り止め具50をタイヤに装着した場合に、タイヤのトレッド面上に配置される。またトレッド面配置部121は、トレッド面へより一層フィットするように、トレッド面の曲面に合わせた形状(例えば側方視で少し撓んだ形状)とされても良い。なお本実施形態では、トレッド面配置部121は、シート状部材11の裏側の面(タイヤと近接する面)に配置されている。これにより、シート状部材11の表面を出来るだけ多く露出させ、シート状部材11によるタイヤの滑り止め効果が最大限に得られる。但し、トレッド面配置部121は、シート状部材11の表側の面に配置されても良い。この場合は、シート状部材11がタイヤとトレッド面配置部121の間に挟みこまれる格好となり、シート状部材11をタイヤへ安定的に固定することが容易となる。
トレッド面配置部121においてシート状部材11の短手方向(長手方向に直交する方向)の一端部からは、シート状部材11から離れる方向へ略垂直に起立するよう第1延出部122が設けられる。また、第1延出部122と対向するように、トレッド面配置部121の他端部から略垂直に起立して第2延出部123が設けられる。
複数の硬質部材12同士を結ぶ結合部2は、複数の紐状部21と、輪状部22と、を有している。各紐状部21は、各硬質部材12と輪状部22とを結ぶ。紐状部21は、互いに着脱可能である第1紐部211と、第2紐部212と、を有している。
第1紐部211は、一端側に二股に分かれる形状を有した二股部211Aを備える。二股部211Aの各端部は、硬質部材12の第1延出部122に固定されている。第2紐部212の一端側は、輪状部22に固定されている。第2紐部212の他端側と、第1紐部211の二股部211Aとは反対側の一端側には、それぞれ係合部CNが設けられている。係合部CNによる係合によって、第1紐部211と第2紐部212は一体化され、係合を解くことで一体化を解除することもできる。なお係合部CNは、紐状部21の途中部分に設けられ、当該紐状部21の分離と係合を可能とする部分と見ることが出来る。
係合部CNの具体的形態については、タイヤ滑り止め具50の使用中に第1紐部211と第2紐部212が容易に離れないようになっている限り、種々の形態が採用され得る。また係合部CNにおいて、紐状部21の長さを変えて第1紐部211と第2紐部212を係合できるようになっていれば、当該係合の際に紐状部21の長さ調節を併せて行うことができるため好ましい。なお係合部CNの代わりに、分離せずに紐状部21の伸縮調節を可能とする他の機構(例えば公知のコードストッパーの原理を応用した機構)が設けられても良い。
係合部CNの具体的形態の一例について、図2および図3を用いて説明する。図2は、第1紐部211と第2紐部212の一体化を解除した状態での係合部付近の拡大図を示す。図2に示すように、第1紐部211の二股部211Aとは反対側の一端側には、第1係合部211Bが設けられる。また、第2紐部212の一端側には、シート部212A、第2係合部212Bおよび突起部212Cが設けられる。
第1係合部211Bには一方の面に、側面視で三角状の歯部Th1が複数並んで配置される。第2係合部212Bの一方の面には、側面視で三角状の歯部Th2が複数並んで配置され、他方の面には、突起部212Cと、突起部の212Cの近傍に一端が固定されたシート部212Aが設けられる。
第1紐部211と第2紐部212を一体化する際は、図3に示すように、第1係合部211Bの歯部Th1に対して第2係合部212Bの歯部Th2を噛み合わせるようにする。そして、シート部212Aを第2係合部212Bおよび第1係合部211Bに巻きつけるようにし、シート部212Aの孔部Hを突起部212Cに嵌合させる。第1紐部211と第2紐部212との一体化の解除は、シート部212Aの孔部Hと突起部212Cとの嵌合を解除することで容易に行うことができる。
各第2紐部212の一端側が固定される輪状部22は、円環状の部材とされている。なお各第2紐部212の一端は、例えば輪状部22を通すリング状に形成されることで、輪状部22に沿ってスライド自在となっていても良い。輪状部22は円環状に限られず、デザイン性などを考慮して種々の形状が採用され得る。
次に、タイヤ滑り止め具50のタイヤへの装着形態および装着方法について、詳細に説明する。図4は、タイヤ滑り止め具50をタイヤに装着したところを車体60の側方から見た図である。図5は、タイヤ滑り止め具50をタイヤに装着したところをトレッド面S1と正対するように見た図である。但し図5において、タイヤ滑り止め具50については、図4の破線Zで切断した場合の断面を表示している。図4および図5において、θはタイヤの周方向、Rはタイヤの径方向、Xは車軸の伸びる方向をそれぞれ示す。また図5に示すように、タイヤの位置を基準として、車軸601側(図5での左側)がタイヤの内側(軸方向内側)、その反対側(図5での右側)がタイヤの外側(軸方向外側)である。
車輪55は、車体60(例えば一般的な自動四輪車)に回動可能に固定されており、タイヤ551とホイール552を有する。タイヤ551は、ホイール552のリムに取付けられている。ホイール552の中央に配される車軸601が固定される固定部からは、複数のスポーク552Aが径方向外側のリムに向かって放射状に延びている。
タイヤ滑り止め具50をタイヤ551に装着する際、まずは図6に示すように、タイヤ滑り止め具50をタイヤ551に仮止めすると良い。なお以下の説明では、前後上下の各方向は図6に示す通りとし、前方が車体の進行方向であるとする。
上記仮止めの作業時には、各第1紐部211と各第2紐部212の一体化を解除している状態において、各硬質部材12をタイヤ551を挟み込むように配置する。これにより各硬質部材12は、タイヤ551の周方向へ略等間隔に並ぶように配されることとなる。またこの状態で、シート状部材11は、タイヤのトレッド面S1上に長手方向を巻き付けるように配置されている。
そして、タイヤ551の周方向へ並んだ各硬質部材12に対応する係合部CNを係合状態とすることにより、タイヤ滑り止め具50がタイヤ551に仮止めされる。この係合の作業の際、特に輪状部22を挟んで対向する硬質部材12がある箇所(図6の例では、上側の2箇所を除く部分)については、対向する硬質部材12同士がタイヤを十分な力で挟み込むように、第1紐部211と第2紐部212を互いに近づける方向へ引張りながら係合することが好ましい。
なおタイヤ551の下部は地面に接触しているため、この部分に硬質部材12を配置することは難しい。そのため図6に示すように、タイヤ551下部の前寄り部分から後寄り部分にかけて、主にタイヤ551の上側にシート状部材11を巻き付けるように、各硬質部材12が配置される。この際にタイヤ551の周方向へ配置されずに余っている各硬質部材12(タイヤ551の下部に配置されるべき硬質部材12)は、タイヤ551の後方に残っている。図6に示すようにタイヤ滑り止め具50をタイヤ551へ仮止めする作業は、タイヤ551下部が地面に接触していても容易に行うことができ、車体60をジャッキアップする等の面倒な作業は不要である。
上記のようにしてタイヤ滑り止め具50を仮止めした後、車体60を僅かに前方へ動かすと(1/4周程度だけタイヤ551を前方へ転がすと)、硬質部材12が配置されていないタイヤ551の下部であった部分は、タイヤ551の後部へ移行する。そこでこのタイヤ551の後部へ、残っていた各硬質部材12を配置し、上記と同様にしてこれらに対応する係合部CNを係合状態とすれば、タイヤ滑り止め具50のタイヤ551への装着は完了する。装着完了後の状態(図4や図5に示す状態)において各硬質部材12には、径方向内向き、すなわち硬質部材12をタイヤ551のトレッド面S1に押し付ける方向に、引張り力Fが紐状部21によって加えられる。
従って、結合部2が各硬質部材12を引張る状態とし、各硬質部材12がタイヤ511を挟んで締め付けることにより、タイヤ滑り止め具50はタイヤ511へ装着される。このように本実施形態のタイヤ滑り止め具50であれば、ホイールが係止突起などの特別な構成を備えておらずともタイヤ551に装着することが可能であり、タイヤへの装着の自由度が高くなっている。
またタイヤ滑り止め具50をタイヤ511へ装着する際、使用者は、滑り止めシート部1をトレッド面S1へ巻き付けるように配置した後、結合部2を用いて各硬質部材12がタイヤ511を挟んで締め付けるようにするだけで良い。結合部2は車輪55の軸方向外側にあり、使用者側に露出するため、使用者にとって結合部2の取り扱いは容易である。
なおタイヤ滑り止め具50の装着方法は、上述した方法に限られず、使用者の好み等に応じて他の方法が用いられても構わない。上述したタイヤ滑り止め具50の装着方法は、車体60のジャッキアップ作業等を不要とする点で優れているが、ジャッキによって車体60を持ち上げて車輪55を地面から浮かした状態としてから、タイヤ滑り止め具50を装着するようにしても構わない。
図5に示すように、タイヤ滑り止め具50をタイヤ551に装着した状態で、硬質部材12のトレッド面配置部121は、トレッド面S1上に配置される。そして、第1延出部122は、トレッド面配置部121の軸方向外側縁近傍から径方向内向きに延出し、タイヤ551の外側サイドウォール面S2(タイヤ551の軸方向外側側面)に当接する。これにより、硬質部材12に引張り力Fが加わることでトレッド面配置部121がトレッド面S1から離れる方向へ持ち上がろうとしても、第1延出部122がサイドウォール面S2に押し付けられ移動が規制されるので、硬質部材12がタイヤ551から外れることを抑止できる。
また第2延出部123は、トレッド面配置部121の軸方向内側縁近傍から径方向内向きに延出し、タイヤ551の内側サイドウォール面S3(タイヤ551の軸方向内側側面)に当接する。これにより、硬質部材12が軸方向外向きへずれることを抑止することができる。なお、第2延出部123はあまり長く延出して形成すると、車体60とタイヤ551との隙間に硬質部材12を挿入し難くなるため、第2延出部123の延出量はその機能を発揮できる範囲で必要最小限とされることが望ましい。例えば第2延出部123の長さは、内側サイドウォール面S3の領域内に収まる程度であることが望ましい。
なお、硬質部材12のタイヤ551への取付けを容易とするために、第2延出部123を省略した構成の硬質部材12も採用可能である。この場合、トレッド面配置部121に、タイヤ551のトレッド面S1に食い込む突起(例えば長さ数mm〜1cm程度で、トレッド面S1を傷付けない程度に尖った突起)を一又は複数設けるようにすれば、当該突起の食い込みによって硬質部材12が軸方向外向きへずれることを抑えることが出来る。なお第2延出部123を省略することなく、トレッド面配置部121にこのような突起を設けるようにしても良い。タイヤ551はゴム材質で形成されているため、これに食い込むような突起を設けることは比較的容易である。
また第2延出部123に、タイヤ551の内側サイドウォール面S3に食い込む突起(例えば長さ数mm〜1cm程度で、内側サイドウォール面S3を傷付けない程度に尖った突起)を一又は複数設けるようにすれば、当該突起の食い込みによって硬質部材12が径方向外向きへずれることを抑えることが出来る。この場合、第1延出部122を省略した構成の硬質部材12も採用しても、硬質部材12がタイヤ551から外れないようにすることが容易となる。第1延出部122を省略した構成の硬質部材12も採用する場合は、トレッド面配置部121の軸方向外側縁近傍に結合部2の一端を固定すれば良い。
また、第1係合部211Bと第2係合部212Bとを噛み合わせる位置を調節することで、第1紐部211と第2紐部212から成る紐状部21の伸縮調節を可能としている。これにより、径の異なる車輪に応じて紐状部21を伸縮調節することもでき、適切な引張り力Fが得られるようにすることが可能である。
また図4に示すように、各紐状部21は、径方向において互いに対向するよう配置されている(例えば紐状部21Aと紐状部21Bが対向している)。これにより、各紐状部21にかかる引張り力を略均等にすることが可能となる。
また、輪状部22を円環状とすることにより、輪状部22の任意の箇所から車輪55の外縁(トレッド面S1)までの径方向距離を同一とすることができるので、硬質部材12および紐状部21の寸法を各々同一に設計することが可能となる。従って、タイヤ滑り止め具50の製造を容易にすることができる。
また、図4に示すように、タイヤ滑り止め具50をタイヤ551に装着した状態で、輪状部22はホイール552の中央に位置し、輪状部22から放射状に伸びる各紐状部21は、各スポーク552A上に配される。これにより、紐状部21が軸方向内側にたわむことがスポーク552Aによって規制されるので、紐状部21の破断を抑制することが可能となる。更に、紐状部21それぞれがスポーク552Aそれぞれに沿って伸びているため、車輪55にタイヤ滑り止め具50を装着したことによる外観上の違和感も少なく、車体60の美感が損なわれ難い。
以上のように、本実施形態に係るタイヤ滑り止め具50は、タイヤ551のトレッド面S1上に長手方向に巻き付けるように配置されるシート状の部材であり、当該長手方向へ並ぶように複数の硬質部材12が設けられた滑り止めシート部1と、車輪の軸方向外側において硬質部材12同士を結ぶ結合部2と、を備え、結合部2が硬質部材12それぞれを引張る状態とし、硬質部材12がタイヤ551を挟んで締め付けることにより、タイヤ551へ装着される構成としている。
このようにタイヤ滑り止め具50は、トレッド面S1に配置されて滑り止め効果を発揮する滑り止めシート部1を、結合部2を用いてタイヤ511に装着可能となるよう構成されている。結合部2は、使用者側に露出する車輪55の軸方向外側でトレッド面S1に引掛けておいた各硬質部材12を引張り、タイヤが締め付けられるようにする。このような原理でタイヤへ装着可能とされたことにより、タイヤへの装着のし易さが向上するとともに、装着可能なホイールの仕様の制限等を少なくし、タイヤへの装着の自由度を高めることができる。
なお本実施形態のタイヤ滑り止め具50は結合部2も備えているが、結合部2を備える代わりに、当該結合部に相当する部品を別途取付け可能である構成としても良い。例えば、各硬質部材12の軸方向外側縁近傍に、一般的なコイルバネ(結合部に相当する部品)の一端を取付けるための取付け部(コイルバネの先端を引掛けることが可能な孔など)が設けられた構成としても良い。この場合は、使用者等がコイルバネを別途用意し、当該コイルバネの両端を、トレッド面S1に対向配置された硬質部材12同士の取付け部それぞれに取付ければ、当該硬質部材12同士が径方向内向きへ引張られるように結合される。対向配置された硬質部材12が複数組ある場合には、その分だけコイルバネを用意し、各組に対して当該作業を行えば良い。結合部に相当する部品としてはコイルバネに限らず、伸縮調節可能な棒状部材など、車輪55の軸方向外側において硬質部材12を適切に引張ることが可能な種々の部品が採用され得る。
また本実施形態では、タイヤのトレッド面S1上に長手方向を巻き付けるように配置される部材として、シート状の部材が採用されている。但し当該部材の形態はこれに限られず、長手方向へ並ぶように複数の硬質部材を設けることが出来る形態であれば、他の形態が採用されても構わない。例えば当該部材として、長手方向へ伸びる一又は複数本のベルトやチェーン等が採用されても構わない。特に硬質部材自体が滑り止めの効果を有する場合は、このような形態が採用されても、タイヤ滑り止め具としての機能を十分に発揮し得る。
また本実施形態では、各紐状部21の途中部分に当該紐状部21の分離と係合を可能とする係合部CNを設けたため、タイヤ滑り止め具50の装着が行い易くなっている。但し紐状部21が分離しない構成を採用しても、例えば各紐状部21を十分に伸縮可能とすることにより、タイヤ滑り止め具50の装着性を良好に保つことが可能である。なお分離せずに紐状部21を伸縮可能とする機構としては、公知のコードストッパー或いはこれに準じた原理のもの等、種々の機構が採用され得る。
また、結合部2が硬質部材12それぞれを引張る状態を容易に実現するため、結合部2の全部又は一部を弾性材質(ゴム材質等)で形成しても良い。これにより、結合部2の弾性力を利用して、硬質部材12それぞれを引張る状態とすることができる。また本実施形態のように結合部2の要素として紐状部21が用いられる場合、紐状部21は、径方向へ弾性的に伸縮するように形成されても良い。例えば紐状部21として、十分な強度を有するゴム紐やコイルバネ等を用いれば、径方向へ弾性的に伸縮するように形成可能である。なお一般的なタイヤはゴム材質で形成されているため、結合部2に弾性材質を用いない場合であっても、タイヤ自体の弾性力を利用して結合部2が硬質部材12それぞれを引張る状態とすることは可能である。
ここで図7(図4に対応する図)に、上記実施形態の変形例に係るタイヤ滑り止め具50’をタイヤ551へ装着した状態を示す。タイヤ滑り止め具50’は、滑り止めシート部1’と、結合部2’と、を備える。
滑り止めシート部1’は、シート状部材11’と、シート状部材11’の長手方向に3つ並んで配された硬質部材12’と、を有している。結合部2’は、3つの紐状部21’と、輪状部22’と、を有している。輪状部22’は三角形環状としており、その各頂点と各硬質部材12’とを結ぶよう各紐状部21’が設けられる。各紐状部21’は、上記実施形態と同様に伸縮調節可能となっている。
このように上記実施形態に比べて硬質部材12’の個数を3つと少なくしても、輪状部22’に各紐状部21’によってかかる各引張り力F1〜F3の合成した力を略ゼロとして、輪状部22’を安定した位置に維持させることができる(輪状部22’を円環状にした場合も同様である)。当該形態も、硬質部材がタイヤを挟んで締め付ける形態に該当する。
また、輪状部22’を三角形環状とすることで、各紐状部21’の端部を容易に輪状部22’の各頂点へ接続することができ、タイヤ滑り止め具50’の製造時における各紐状部21’の端部の位置決めが容易となる。なお、このような効果は三角形環状を含む多角形形状の輪状部であれば享受できる。例えば、輪状部を八角形環状とすれば、各紐状部を径方向において互いに対向させる位置に配することも同時に可能となる。
また本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本発明は、車輪に設けたタイヤに装着される滑り止め具等に利用することができる。
1 滑り止めシート部
11 シート状部材
12 硬質部材
121 トレッド面配置部
122 第1延出部
123 第2延出部
2 結合部
21 紐状部
211 第1紐部
211A 二股部
211B 第1係合部
212 第2紐部
212A シート部
212B 第2係合部
212C 突起部
22 輪状部
50 タイヤ滑り止め具
55 車輪
551 タイヤ
552 ホイール
552A スポーク
60 車体
601 車軸
CN 係合部
Th1、Th2 歯部
H 孔部
S1 トレッド面
S2 外側サイドウォール面
S3 内側サイドウォール面
11 シート状部材
12 硬質部材
121 トレッド面配置部
122 第1延出部
123 第2延出部
2 結合部
21 紐状部
211 第1紐部
211A 二股部
211B 第1係合部
212 第2紐部
212A シート部
212B 第2係合部
212C 突起部
22 輪状部
50 タイヤ滑り止め具
55 車輪
551 タイヤ
552 ホイール
552A スポーク
60 車体
601 車軸
CN 係合部
Th1、Th2 歯部
H 孔部
S1 トレッド面
S2 外側サイドウォール面
S3 内側サイドウォール面
Claims (11)
- 車輪に設けたタイヤに装着されるタイヤ滑り止め具であって、
前記タイヤのトレッド面上に長手方向を巻き付けるように配置される部材であり、当該長手方向へ並ぶように複数の硬質部材が設けられた滑り止め部を備え、
前記車輪の軸方向外側において前記硬質部材それぞれが引張られ、当該硬質部材が前記タイヤを挟んで締め付けることにより、前記タイヤへ装着されることを特徴とするタイヤ滑り止め具。 - 前記硬質部材は、
前記タイヤのトレッド面上に配されるトレッド面配置部と、
前記トレッド面配置部の軸方向外側縁近傍から径方向内向きに延出し、前記タイヤの軸方向外側側面に当接する第1延出部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ滑り止め具。 - 前記硬質部材は、
前記トレッド面配置部の軸方向内側縁近傍から径方向内向きに延出し、前記タイヤの軸方向内側側面に当接する第2延出部を有することを特徴とする請求項2に記載のタイヤ滑り止め具。 - 前記トレッド面配置部は、前記タイヤのトレッド面に食い込む突起を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のタイヤ滑り止め具。
- 前記硬質部材は、
前記タイヤのトレッド面上に配されるトレッド面配置部と、
前記トレッド面配置部の軸方向内側縁近傍から径方向内向きに延出し、前記タイヤの軸方向内側側面に当接する第2延出部と、を有し、
前記第2延出部は、前記タイヤの軸方向内側側面に食い込む突起を有することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ滑り止め具。 - 前記滑り止め部は、
帯状に形成されたシート部材と、当該シート部材の長手方向へ並ぶように設けられた複数の前記硬質部材と、を有することを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のタイヤ滑り止め具。 - 前記車輪の軸方向外側において前記硬質部材同士を結合する結合部を備え、
前記結合部が、前記硬質部材それぞれを径方向内向きへ引張る状態とすることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のタイヤ滑り止め具。 - 前記結合部は、
径方向へ弾性的に伸縮するように形成されており、弾性力を用いて前記硬質部材それぞれを径方向内向きへ引張ることを特徴とする請求項7に記載のタイヤ滑り止め部。 - 前記結合部は、前記硬質部材それぞれの側から径方向内向きへ伸びる紐状部を有し、
当該紐状部を用いて前記結合がなされることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のタイヤ滑り止め具。 - 前記紐状部の途中部分に、当該紐状部の分離と係合を可能とする係合部を設けたことを特徴とする請求項9に記載のタイヤ滑り止め具。
- 放射状に伸びる複数のスポークを有した車輪に設けたタイヤに装着される、請求項9または請求項10に記載のタイヤ滑り止め具であって、
前記紐状部それぞれが前記スポークそれぞれに沿って伸びるようにして、当該タイヤに装着可能であることを特徴とするタイヤ滑り止め具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016050106A JP2017165152A (ja) | 2016-03-14 | 2016-03-14 | タイヤ滑り止め具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016050106A JP2017165152A (ja) | 2016-03-14 | 2016-03-14 | タイヤ滑り止め具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017165152A true JP2017165152A (ja) | 2017-09-21 |
Family
ID=59909425
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016050106A Pending JP2017165152A (ja) | 2016-03-14 | 2016-03-14 | タイヤ滑り止め具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2017165152A (ja) |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61241207A (ja) * | 1985-04-17 | 1986-10-27 | Bridgestone Corp | 車両用タイヤ滑り止め装置 |
| JPS62275809A (ja) * | 1986-02-03 | 1987-11-30 | Toshiomi Suzuki | 帶タイヤ |
| JPH02182509A (ja) * | 1989-01-10 | 1990-07-17 | Bridgestone Corp | タイヤ滑り止め装置 |
| JP2009522164A (ja) * | 2006-01-03 | 2009-06-11 | ボズクルト,エムラー | 滑り止め装置のための中央締め付けシステムおよびこれを有する滑り止め装置 |
-
2016
- 2016-03-14 JP JP2016050106A patent/JP2017165152A/ja active Pending
Patent Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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