JP2017165580A - クレーンの運転支援方法、及びクレーンの運転支援装置 - Google Patents

クレーンの運転支援方法、及びクレーンの運転支援装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、手動運転中の任意の状態から、トロリーを停止させると共に停止時に吊り荷の振れ止めを行う自動停止制御を実行可能なクレーンの運転支援方法及びクレーンの運転支援装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 仮のロープ長等に基づいて、トロリーを停止させると共に停止時に吊り荷の振れ止めを行うためのトロリーの加速度パターンを参照パターン記憶部に記憶させておき、トロリーの手動運転中に、自動停止制御の開始条件が満たされたと判定すると、参照パターン記憶部が記憶している加速度パターンの一部を、自動停止制御のためのトロリーの加速度パターン(停止用パターン)とし、その停止用パターンに従ってトロリーが制御された場合に発生が予測される吊りロープの振れ角速度パターンと実際の振れ角速度との偏差に基づき停止用パターンを補償し、補償後の停止用パターンに基づいてトロリーの目標速度を逐次生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、クレーンの運転支援方法、及びクレーンの運転支援装置に関する。
従来、クレーンの振れ止め制御の技術としては、例えば、非特許文献1に記載の技術がある。この非特許文献1に記載の技術では、吊りロープで吊り荷を懸垂して目標位置まで搬送すると共に、吊り荷が目標位置に到達したときに吊り荷の振れが止まるように、トロリーの速度パターンを生成し、生成した速度パターンでトロリーを制御している。これにより、横行・走行の終了時に吊り荷の残留振れを抑制するようになっている。
しかし、上記非特許文献1に記載の技術では、手動運転中の任意の状態から、振れ止め制御、つまり、トロリーを停止させると共に停止時に吊り荷の振れ止めを行うための制御を行うことができない。このような問題は特許文献1〜3に記載の技術にも存在する。
特開平9−301677号公報 特開平11−79663号公報 特開2005−187209号公報
大川登志男、山口収、関根宏著「天井クレーンの自動化」NKK技法No.149、1995年
本発明は、上記のような点に着目し、手動運転中の任意の状態から、トロリーを停止させると共に停止時に吊り荷の振れ止めを行う自動停止制御を実行可能なクレーンの運転支援方法、及びクレーンの運転支援装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、クレーンのオペレータの運転支援を行う運転支援装置で実行され、吊りロープで吊り荷を懸垂しているトロリーの速度パターンと吊りロープの実際の振れ角のフィードバックとに基づきトロリーの停止時に吊り荷の振れ止めを行う方法であって、仮のロープ長または仮の振れ周期に基づいて算出され、トロリーを停止させると共に停止時に吊りロープでトロリーが懸垂している吊り荷の振れ止めを行うための、トロリーの加速度パターンである参照パターンを参照パターン記憶部に記憶させておき、トロリーの手動運転中に、トロリーを停止させると共に停止時に吊り荷の振れ止めを行う自動停止制御の開始条件が満たされたと判定すると、参照パターン記憶部が記憶している参照パターンの一部を、自動停止制御のためのトロリーの加速度パターンである停止用パターンとし、その停止用パターンに従ってトロリーが制御された場合に発生が予測される吊りロープの振れ角速度パターンと実際の振れ角速度との偏差に基づき停止用パターンを補償し、補償後の停止用パターンに基づきトロリーの目標速度を逐次生成することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、オペレータが、トロリーの手動運転中に、自動停止制御の開始条件を満たす操作を行うだけで、トロリーを停止させると共に停止時に吊り荷の振れ止めを行うための目標速度を生成できる。それゆえ、目標速度に従ってトロリーの速度を制御させることで、手動運転中の任意の状態、つまり、任意のトロリー速度、任意の吊りロープの振れ角、任意の吊りロープの振れ角等から、自動停止制御を実行できる。
クレーンの概略構成を表す概念図である。 目標速度演算処理を表すフローチャートである。 参照パターンと、振れ角及び振れ角速度の位相面軌道とを表す図である。 シミュレーション結果を表すグラフである。 シミュレーション結果を表すグラフである。 シミュレーション結果を表すグラフである。 シミュレーション結果を表すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本実施形態は、本発明を、クレーン1のオペレータの運転支援を行う運転支援装置8であって、吊りロープ11で吊り荷12を懸垂しているトロリー2の速度パターンと吊りロープ11の実際の振れ角のフィードバックとに基づきトロリー2の停止時に吊り荷の振れ止めを行う運転支援装置8に適用したものである。この運転支援装置8では、トロリー2の手動運転中に、トロリー2を停止させると共に停止時に吊り荷12の振れ止めを行う自動停止制御の開始条件が満たされると、自動停止制御のための目標速度を生成する。なお、本実施形態では、理解を容易にするため、トロリー2の横行にのみ着目して説明する。
また、本実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の形状、構造、及び配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(構成)
図1に示すように、本実施形態のクレーン1は、トロリー2と、ホイスト3と、速度検出部4と、振れ角検出装置5と、オペレータ操作端6と、ホイスト制御装置7と、運転支援装置8と、トロリー制御装置9とを備える。
トロリー2は、ガーダ10上に配置され、吊りロープ11で吊り荷12を懸垂する。また、トロリー2は、走行用モータ210で駆動され、ガーダ10に沿って移動する。
ホイスト3は、トロリー2に搭載されている。ホイスト3は、巻上用モータ310で駆動され、吊りロープ11の巻き上げ及び巻き下げ、つまり、ロープ長の変更を行う。
速度検出部4は、ガーダ10に沿った方向のトロリー2の速度(以下、「トロリー速度」とも呼ぶ)を検出する。そして、速度検出部4は、検出結果(計測値)を運転支援装置8とトロリー制御装置9とに出力する。速度検出部4としては、例えば、トロリー2の位置を検出し、そのトロリー2の位置を基にトロリー速度を検出するものを採用できる。
振れ角検出装置5は、吊りロープ11の振れ角を検出する。そして、検出結果(計測値)を運転支援装置8に出力する。振れ角検出装置5としては、例えば、吊り荷12の撮影画像からマーカの動作を検出し、その動作を基に振れ角を検出するものを採用できる。
オペレータ操作端6は、上げ・下げ操作部6aと、加減速操作部6bとを備える。
上げ・下げ操作部6aは、クレーン1のオペレータの操作により、吊りロープ11の巻上げ・巻き下げの指令(以下、「上げ・下げ指令」とも呼ぶ)が入力される。そして、上げ・下げ操作部6aは、入力された上げ・下げ指令をホイスト制御装置7に出力する。
加減速操作部6bは、クレーン1のオペレータの操作により、トロリー2の横行の加減速の指令(以下、「加減速指令」とも呼ぶ)が入力される。そして、加減速操作部6bは、入力された加減速指令を運転支援装置8とトロリー制御装置9とに出力する。
また、加減速操作部6bは、クレーン1のオペレータの操作により、クレーン1の制御モードの切替指令(以下、「制御モード切替指令」とも呼ぶ)を生成する。制御モードとしては、オペレータが減速操作等を行うと、自動停止制御を実行する「自動モード」と、減速操作等を行っても、自動停止制御を実行しない「手動モード」とを採用できる。そして、加減速操作部6bは、生成した制御モード切替指令を運転支援装置8に出力する。
ホイスト制御装置7は、上げ・下げ操作部6aが出力した上げ・下げ指令に従ってモータ速度指令を生成する。そして、ホイスト制御装置7は、生成したモータ速度指令を巻上用モータ310に出力する。これにより、巻上用モータ310は、モータ速度指令に従って回転速度を制御し、吊りロープ11のロープ長を上げ・下げ指令どおりに変化させる。
運転支援装置8は、トロリー2の手動運転中に、自動停止制御の開始条件が満たされると、自動停止制御のためのトロリー2の目標速度を生成する。具体的には、運転支援装置8は、参照パターン記憶部810と、条件判定部820と、速度取得部830と、振れ角取得部840と、目標速度生成部850とを備える。また、目標速度生成部850は、停止用パターン生成部851と、振れ角速度パターン生成部852と、補償量算出部854及び目標速度算出部855を有する速度生成実行部853とを備える。
参照パターン記憶部810は、トロリー2を停止させると共に停止時に吊り荷12の振れ止めを行うための、トロリー2の加速度パターン(加速度の時系列パターン。以下、「参照パターン」とも呼ぶ)を記憶している。参照パターンの作成や、作成した参照パターン記憶部810への書き込みは、運転開始時に行うが、複数の仮ロープ長に対応するパターンを作成するのならば、運転支援装置8のメーカーや購入者によって行なっても良い。 参照パターンは、仮のロープ長または仮の振れ周期に基づいて算出される。仮のロープ長としては、例えば、クレーン1の運用時に使用が想定されるロープ長を10[cm]刻みで複数仮定する。また、巻き・下ろしによりロープ長に変化がある場合には、その中間値が採用できる。仮の振れ周期としては、仮のロープ長に対応した振れ周期を用いる。
参照パターンとしては、例えば、トロリー2の速度(トロリー速度)が予め定めた最高速度(例えば、2[m/s])にあり、且つ吊りロープ11の振れ角及び振れ角速度のそれぞれが「0」であるときに減速を開始し、トロリー2の停止時に吊り荷12の振れ止めを行うためのトロリー2の理想的な減速パターンを含む加速度パターンを採用できる。このような加速度パターンは、公知の加速度パターンが多数存在する。
この初期パターンとして、非特許文献1や特開平6−305686号公報に記載された加速度パターンを、図3(a)に示す。
なお、後述する本実施形態のシミュレーション結果では、参照加速度パターンとして、特開平9−30776に記載された加速度のパターン、つまり、加速開始時に生じる吊り荷12の振れが加速完了時に消失するようにトロリー2の加速を二段階で行い、減速開始時に生じる吊り荷12の振れが減速完了時に消失するように減速を二段階で行う加速度パターン(以下、「2段加速パターン」とも呼ぶ)を採用している。
また、参照パターン記憶部810は、参照パターンに従ってトロリー2が制御された場合に発生が予測される吊りロープ11の振れ角速度パターン(振れ角速度の時系列パターン。以下、「振れ角速度参照パターン」とも呼ぶ)も記憶している。この算出は、(1)式に従う。
d2θ/dt2+(g/L)・θ=−d2X/dt2 /L ………(1)
ここで、θは吊りロープ11の振れ角、gは重力加速度、Lは仮のロープ長、Xはトロリー2のガーダ10に沿った方向(横行方向)の移動量である。
また、条件判定部820、速度取得部830、振れ角取得部840及び目標速度生成部850は、目標速度演算処理を実行する。目標速度演算処理では、条件判定部820等は、トロリー2の手動運転中に、自動停止制御の開始条件が満たされると、自動停止制御のためのトロリー2の目標速度を生成する。目標速度演算処理の詳細については後述する。
トロリー制御装置9は、加減速操作部6bから加減速指令が入力されると、入力された加減速指令と、速度検出部4が出力したトロリー速度の計測値とを基に、モータ速度指令を生成する。そして、トロリー制御装置9は、生成したモータ速度指令を走行用モータ210に出力する。続いて、走行用モータ210は、モータ速度指令に従って回転速度を制御し、トロリー2を加減速指令どおり、つまり、オペレータの操作どおりの加減速に制御する。これにより、オペレータの手動操作に従い、トロリー2の手動運転が実行される。
一方、トロリー制御装置9は、運転支援装置8から目標速度が入力されると、加減速操作部6bから出力される加減速指令に代えてこの目標速度を用い、速度検出部4が出力したトロリー速度の計測値とを基にモータ速度指令を生成する。そして、トロリー制御装置9は、生成したモータ速度指令を走行用モータ210に出力する。続いて、走行用モータ210は、モータ速度指令に従って回転速度を制御し、トロリー2を目標速度どおりに制御する。これにより自動停止制御が実行される。
(目標速度演算処理)
次に、条件判定部820、速度取得部830、振れ角取得部840及び目標速度生成部850が実行する目標速度演算処理について説明する。目標速度演算処理は、予め定めたサンプリング周期(例えば、100[ms])が経過するたびに実行される。なお、各回の目標速度演算処理は、サンプリング周期が経過する前に終了する。
図2に示すように、条件判定部820は、まず、ステップS101において、運転支援装置8から出力される制御モード切替指令を基にクレーン1の制御モードを設定する。
続いてステップS102に移行して、トロリー2の手動運転中に、自動停止制御の開始条件が満たされたかを判定する。具体的には、制御モードが「自動モード」であり、且つ加減速操作部6bが出力している加減速指令が減速を表すと判定した場合に、トロリー2の手動運転中に、自動停止制御の開始条件が満たされたと判定する。そして、開始条件が満たされていると判定した場合には(Yes)、ステップS103に移行する。一方、開始条件が満たされていないと判定した場合には(No)、ステップS106に移行する。
ステップS103では、制御状態が「未制御」であるか否かを判定する。なお、制御状態は、初期状態、つまり、運転支援装置8への電源投入直後に「未制御」に設定される。そして、制御状態が「未制御」であると判定した場合には(Yes)、ステップS104に移行する。一方、制御状態が「未制御」ではないと判定した場合には(No)、ステップS105に移行する。
ステップS104では、制御状態を「制御開始」に設定(変更)した後、ステップS106に移行する。
一方、ステップS105では、制御状態を「未制御」に設定(変更)した後、ステップS106に移行する。
ステップS106では、制御状態が「未制御」、「制御開始」、及び「制御中」のいずれであるかを判定する。そして、制御状態が「未制御」であると判定した場合には(未制御)、この演算処理を終了する。一方、制御状態が「制御開始」であると判定した場合には(制御開始)、ステップS107に移行する。また一方、制御状態が「制御中」であると判定した場合には(制御中)、ステップS110に移行する。
ステップS107では、速度取得部830は、速度検出部4が出力した検出結果(トロリー速度の計測値)を取得する。
続いてステップS108に移行して、目標速度生成部850(停止用パターン生成部851)は、参照パターン記憶部810が記憶している参照パターンの一部を、自動停止制御のためのトロリー2の加速度パターン(加速度の時系列パターン。以下、「停止用パターン」とも呼ぶ)とする。具体的には、停止用パターン生成部851は、図3(a)に示すように、参照パターンの減速区間のうちから、トロリー2の速度が「0」となる終了点を含む部分で且つ加速度の時間積分の積分結果(図3(a)の斜線部の面積)がステップS107で取得したトロリー速度の計測値と等しくなる部分を切り出して、停止用パターンとする。
なお、本実施形態では、参照パターンのうちから停止用パターンを切り出して、停止用パターンとする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、参照パターン記憶部810が記憶している参照パターンのうちから、トロリー2の速度が「0」となる終了点を含む部分で且つ加速度の時間積分の積分結果がステップS107で取得したトロリー速度の計測値と等しくなる部分の開始点を特定し、停止用パターンの使用時に、特定した開始点からその加速度パターンを読みだして、停止用パターンとして用いてもよい。
また、目標速度生成部850(振れ角速度パターン生成部852)は、停止用パターンに従ってトロリー2が制御された場合に発生が予測される吊りロープ11の振れ角速度パターン(振れ角速度の時系列パターン)を生成する。具体的には、振れ角速度パターン生成部852は、参照パターン記憶部810が記憶している振れ角速度参照パターンのうちから、停止用パターンの切出範囲と同じ範囲を切り出して、振れ角速度パターンとする。
続いてステップS109に移行して、停止用パターン生成部851は、制御状態を「制御中」に変更した後、ステップS103に戻る。
一方、ステップS110では、振れ角取得部840は、振れ角検出装置5から検出結果(振れ角の計測値)を取得する。
続いてステップS111に移行して、目標速度生成部850(補償量算出部854)は、ステップS110で取得した振れ角の計測値を基に振れ角速度を算出する。続いて、補償量算出部854は、算出した振れ角速度と、ステップS108で生成した振れ角速度パターンとの偏差に基づき、停止用パターンの補償量を算出する。
具体的には、補償量算出部854は、ステップS108で生成した振れ角速度パターンから、開始点の振れ角速度を取得する。なお、制御状態が「制御中」に変更されてから、このステップが1回以上行われている場合には、前回このステップで振れ角速度を取得した位置からサンプリング周期分(100[ms])進めた位置の振れ角速度を取得する。
続いて、補償量算出部854は、取得した振れ角速度と、算出した振れ角速度、つまり、現在の実際の振れ角速度との偏差を算出する。続いて、補償量算出部854は、算出した偏差にゲインを乗算し、乗算結果を補償量とする。
その際、補償量算出部854は、偏差の絶対値が大きいときには、小さいときに比べ、ゲインの絶対値を小さくする。具体的には、補償量算出部854は、偏差が予め定めた閾値より大きい場合に、閾値以下である場合に比べ、ゲインを小さくする。また、例えば、偏差が大きいほどゲインを小さくする構成としてもよい。これにより、補償量の増大を抑制でき、目標速度の増大を抑制できる。それゆえ、目標速度がトロリー2の最大速度を超えることを防止することができる。
続いてステップS112では、目標速度生成部850(目標速度算出部855)は、ステップS108で生成した停止用パターンから、開始点の位置(経過時間0の位置)のトロリー2の加速度を取得する。なお、制御状態が「制御中」に変更されてから、このステップが1回以上行われている場合には、前回このステップで加速度を取得した位置からサンプリング周期分(100[ms])進めた位置の加速度を取得する。続いて、目標速度算出部855は、取得した加速度に、ステップS109で算出した補償量を加算し、加算結果を補償後の停止用パターンを構成する加速度とする。
続いてステップS113に移行して、目標速度算出部855は、ステップS112で算出した補償後の停止用パターンの加速度に基づきトロリー2の速度を算出する。速度の算出方法としては、例えば、停止用パターンの加速度を時間積分する方法を採用できる。続いて、目標速度算出部855は、算出した速度を目標速度としてトロリー制御装置9に出力した後、この演算処理を終了する。
この目標速度の生成は、逐次行われ、また、振れ角速度をフィードバックしているため、停止用パターンの開始点に対応する振れ角及び振れ角速度と、自動停止制御開始時の実際の振れ角及び振れ角速度とに偏差がある場合には、この偏差を徐々に低減できる。図3(b)にこの位相面を示すが、自動停止制御中の振れ角及び振れ角速度の軌道は、振れ角速度参照パターンによる振れ角及び振れ角速度の軌道に徐々に近づくような軌道となる。
なお、トロリー2の減速中に、オペレータが、目的とする停止位置よりも手前でトロリー2が停止すると判断して、加減速操作部6bを操作し、加速操作を行ったとする。すると、条件判定部820が、自動停止制御の開始の条件が満たされていないと判定し(図2のステップS102「No」)、制御状態を「未制御」に設定する(図2のステップS105)。そして、条件判定部820が、制御状態が「未制御」であると判定する(図2のステップS107「未制御」)。これにより、運転支援装置8が、目標速度の出力を中止し、自動停止制御が中止され、トロリー制御装置9が、オペレータの手動操作(加速操作)に応じたモータ速度指令を走行用モータ210に出力し、トロリー2が再度加速する。
その後、トロリー2が目的とする停止位置に近づいたときに、オペレータが、加減速操作部6bで再度減速操作を行ったとする。すると、運転支援装置8が、目標速度の出力を再開し、自動停止制御を実行する。これにより、オペレータは、自動停止制御の実行・停止を切り替えることができる。
これにより、吊り荷12の積み地や降し地の座標が不明または精度が悪いときにも、トロリー2の減速停止と停止位置での吊り荷12の振れ止めとを容易に行うことができる。
また、自動停止制御中に、振れ角速度のフィードバック制御を行うようにしたため、ロープ長等から演算される振れ周期に誤差があっても、振れ角パターンを追従できる。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る発明は、次のような効果を奏する。
(1)本実施形態に係る運転支援方法、及び運転支援装置8によれば、オペレータが、トロリー2の手動運転中に、自動停止制御の開始条件を満たす操作を行うだけで、トロリー2を停止させると共に停止時に吊り荷12の振れ止めを行うための目標速度を生成できる。それゆえ、目標速度に従ってトロリーの速度を制御させることで、手動運転中の任意の状態、つまり、任意のトロリー速度、任意の吊りロープ11の振れ角、任意の吊りロープ11の振れ角等から、自動停止制御を実行できる。
(2)本実施形態に係る運転支援装置8では、振れ角速度の偏差が大きいときには、小さいときに比べ、ゲインを小さくする。これにより、補償量が大きくなり過ぎることを抑制でき、目標速度がトロリー2の最大速度を超えることを防止することができる。
(3)本実施形態に係る運転支援装置8では、参照パターンは、加速開始時に生じる吊り荷12の振れが加速完了時に消失するようにトロリー2の加速を二段階で行い、減速開始時に生じる吊り荷12の振れが減速完了時に消失するように減速を二段階で行う加速度パターン(2段加速パターン)とした。この2段加速パターンは、台形頂部の長さ(時間)を任意に設定できるため、トロリー2が最高速度になるパターンを生成できる。このため、最高速度より小さい任意の速度に合わせたパターンを減速パターンとして生成(切り出し)することができる。
(変形例)
なお、本実施形態では、クレーン1の横行にのみ着目し、トロリー2の目標速度として、横行時の目標速度を生成する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、運転支援装置8が、横行・走行のうちの、走行時の目標速度を生成する構成としてもよいし、横行時の目標速度と走行時の目標速度との両方を生成する構成としてもよい。
(シミュレーション結果)
本実施形態のシミュレーション結果を図4〜図7に示す。
各図は、シミュレーションの初期値である自動停止制御の開始時の振れ角と振れ角速度で作る位相面の第1象限、第2象限、第3象限、及び第4象限に対応している。このほか、シミュレーション条件としては、トロリー2の速度は、最大値に近い値(1.8[m/s])から最大値の25%(0.5[m/s])まで変化させた。また、仮のロープ長を10[m]、実ロープ長を8[m]として、仮のロープ長から演算される振れ周期に誤差をもたせた。サンプリング周期は100[ms]とし、トロリー2の最大速度は2[m/s]とした。参照パターンとしては、特許文献1に記載の2段加速パターンとし、運動方程式は、非特許文献1に記載のものを用いた。各図の最下部に初期値条件を記載する。条件の一つであるトロリー速度に合わせて参照パターンから切り出した停止用パターンを各図の上部に示す。停止用パターンが0になった時、若干の残留振れがあるが、その後すみやかに制定することがわかる。オペレータがどのような運転状態から自動に入れても、言い換えると、初期の振れ角と振れ角速度がどの象限にあっても、制定することがわかる。なお、振れ角検出装置5の検出結果(計測値)には、誤差や遅れがないものとした。
1 クレーン
2 トロリー
3 ホイスト
4 速度検出部
5 振れ角検出部
6 オペレータ操作端
6a 上げ・下げ操作部
6b 加減速操作部
7 ホイスト制御装置
8 運転支援装置
9 トロリー制御装置
10 ガーダ
11 吊りロープ
12 吊り荷
210 走行用モータ
310 巻上用モータ
810 参照パターン記憶部
820 条件判定部
830 速度取得部
840 振れ角取得部
850 目標速度生成部
851 停止用パターン生成部
852 振れ角速度パターン生成部
853 速度生成実行部
854 補償量算出部
855 目標速度算出部

Claims (8)

  1. クレーンのオペレータの運転支援を行う運転支援装置で実行され、吊りロープで吊り荷を懸垂しているトロリーの速度パターンと前記吊りロープの実際の振れ角のフィードバックとに基づき前記トロリーの停止時に前記吊り荷の振れ止めを行う方法であって、
    仮のロープ長または仮の振れ周期に基づいて算出され、前記トロリーを停止させると共に停止時に前記吊り荷の振れ止めを行うための、前記トロリーの加速度パターンである参照パターンを参照パターン記憶部に記憶させておき、
    前記トロリーの手動運転中に、前記トロリーを停止させると共に停止時に前記吊り荷の振れ止めを行う自動停止制御の開始条件が満たされたと判定すると、前記参照パターン記憶部が記憶している前記参照パターンの一部を、前記自動停止制御のための前記トロリーの加速度パターンである停止用パターンとし、その停止用パターンに従って前記トロリーが制御された場合に発生が予測される前記吊りロープの振れ角速度パターンと実際の振れ角速度との偏差に基づき前記停止用パターンを補償し、補償後の前記停止用パターンに基づき前記トロリーの目標速度を逐次生成することを特徴とするクレーンの運転支援方法。
  2. クレーンのオペレータの運転支援を行う運転支援装置において、吊りロープで吊り荷を懸垂しているトロリーの速度パターンと前記吊りロープの実際の振れ角のフィードバックとに基づき前記トロリーの停止時に前記吊り荷の振れ止めを行う装置であって、
    仮のロープ長または仮の振れ周期に基づいて算出され、前記トロリーを停止させると共に停止時に前記吊り荷の振れ止めを行うための、前記トロリーの加速度パターンである参照パターンを記憶している参照パターン記憶部と、
    前記トロリーの手動運転中に、前記トロリーを停止させると共に停止時に前記吊り荷の振れ止めを行う自動停止制御の開始条件が満たされたかを判定する条件判定部と、
    前記吊りロープの振れ角の計測値を取得する振れ角取得部と、
    前記開始条件が満たされたと判定された場合、前記参照パターン記憶部が記憶している前記参照パターンの一部を、前記自動停止制御のための前記トロリーの加速度パターンである停止用パターンとし、その停止用パターンに従って前記トロリーが制御された場合に発生が予測される前記吊りロープの振れ角速度パターンと、前記計測値から演算される振れ角速度との偏差に基づき前記停止用パターンを補償し、補償後の前記停止用パターンに基づき前記トロリーの目標速度を逐次生成する目標速度生成部と、を備えたことを特徴とするクレーンの運転支援装置。
  3. 前記トロリーの速度の計測値を取得する速度取得部を備え、
    前記目標速度生成部は、前記参照パターンのうちから、前記トロリーの速度が「0」となる終了点を含む部分で且つ前記トロリーの加速度の時間積分の積分結果が、前記トロリーの速度の計測値と等しくなる部分を切り出して、前記停止用パターンとして用いることを特徴とする請求項2に記載のクレーンの運転支援装置。
  4. 前記トロリーの速度の計測値を取得する速度取得部を備え、
    前記目標速度生成部は、前記参照パターンのうちから、前記トロリーの速度が「0」となる終了点を含む部分で且つ前記トロリーの加速度の時間積分の積分結果が、前記トロリーの速度の計測値と等しくなる部分の開始点を特定し、前記停止用パターンの使用時に、特定した開始点から該部分を読みだして、前記停止用パターンとして用いることを特徴とする請求項2に記載のクレーンの運転支援装置。
  5. 前記目標速度生成部は、
    前記偏差に基づき、前記停止用パターンの補償量を算出する補償量算出部と、
    前記補償量算出部で算出した補償量に基づき前記停止用パターンを補償し、補償後の前記停止用パターンに基づき前記目標速度を生成する目標速度算出部と、を備え、
    前記補償量算出部は、前記偏差にゲインを乗算した乗算結果を、前記補償量とすることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のクレーンの運転支援装置。
  6. 前記補償量算出部は、前記偏差が大きいときには、小さいときに比べ、前記ゲインを小さくすることを特徴とする請求項5に記載のクレーンの運転支援装置。
  7. 前記参照パターンは、前記トロリーの速度が予め定めた最高速度にあり、且つ前記吊りロープの振れ角及び振れ角速度のそれぞれが「0」であるときに減速を開始し、前記トロリーの停止時に前記吊り荷の振れ止めを行うための、前記トロリーの理想的な減速パターンを含む加速度パターンであることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載のクレーンの運転支援装置。
  8. 前記参照パターンは、加速開始時に生じる前記吊り荷の振れが加速完了時に消失するように前記トロリーの加速を二段階で行い、減速開始時に生じる前記吊り荷の振れが減速完了時に消失するように減速を二段階で行う加速度パターンであることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載のクレーンの運転支援装置。
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