JP2017165884A - ポリウレタン樹脂水分散体 - Google Patents
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Abstract
Description
酸基(α)、中和された酸基(α1)、アミノ基(β)、中和されたアミノ基(β1)及び4級化されたアミノ基(β2)の合計含有量が(U)の重量に対して0.1〜0.8mmol/gであり、
かつ下記式(1)で表される中和率が30〜90%であるか、又は下記式(2)で表される中和及び4級化率が30〜90%であり、かつ上記ポリウレタン樹脂水分散体中のポリウレタン樹脂粒子の体積平均粒子径が50〜600nmであるポリウレタン樹脂水分散体;該ポリウレタン樹脂水分散体を含有する水性塗料;該ポリウレタン樹脂水分散体を含有する水性接着剤;該ポリウレタン樹脂水分散体を含有する水性繊維加工処理剤;該ポリウレタン樹脂水分散体の製造方法である。
(1)水への分散安定性が良好。
(2)耐水性が非常に優れた皮膜を得ることができる。
(1)(U)が、(U)の有する酸基(α)、中和された酸基(α1)、アミノ基(β)、中和されたアミノ基(β1)及び4級化されたアミノ基(β2)の合計含有量(以下、含有量xと記載することがある。)を、(U)の重量に対して0.1〜0.8mmol/g、好ましくは0.12〜0.75mmol/g、さらに好ましくは0.14〜0.7mmol/gである。含有量xが0.1mmol/g未満の場合、ウレタン粒子の水中安定性が低下して粒子の凝集が起こる懸念があり、0.8mmol/gを超えると耐水性が悪化する可能性がある。
酸基(α)としてはカルボキシル基、スルホン酸基、スルファミン酸基が挙げられる。
アミノ基(β)としては、3級アミノ基が挙げられる。
基(γ)としては、水酸基等が挙げられる。
酸基含量(mmol/g)=(酸価)/56.1
<酸価>
100mlのフラスコ中でジメチルホルムアミド(以下DMFとする)50mlにポリウレタン樹脂を所定量溶解後、フェノールフタレイン指示薬を用いて、0.1mol/l水酸化カリウム・メチルアルコール滴定用溶液で滴定を行い(終点は、指示薬の色が透明から微紅色になった点)滴定ml数を読み取り、次式により酸価を算出する。
酸価=5.61×a×f/S
a:0.1mol/l水酸化カリウム・メチルアルコール滴定用溶液の滴定ml数。
f:0.1mol/l水酸化カリウム・メチルアルコール滴定用溶液の力価。
S:ポリウレタン樹脂採取量(g)
以下の方法で中和剤(d1)由来のアミン価、及びエマルション中のポリウレタン樹脂(U)の含有量(%)を求めて、次式により中和された酸基(α1)の含有量を算出することができる。
中和された酸基(α1)含量(mmol/g)=(中和剤(d1)由来のアミン価)x100/{56.1x(ウレタンエマルションの固形分含量(%))}
体積平均粒子径(Dv)は光散乱粒度分布測定装置で測定される。
以下各成分について説明する。
尚、本発明におけるポリオールのMnはポリエチレングリコールを標準としてゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるものである。但し、低分子ポリオールのMnは化学式からの計算値である。
低分子量多価アルコールとしては、Mn300未満の2価〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール及びMn300未満の2価〜8価又はそれ以上のフェノールのアルキレンオキサイド(EO、PO、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブチレンオキサイド等を表し、以下AOと略記)低モル付加物が使用できる。
縮合型ポリエステルポリオールに使用できる低分子量多価アルコールの内好ましいのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフェノールAのEO又はPO低モル付加物及びこれらの併用である。
ポリラクトンポリオールの具体例としては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ポリオール(k)はポリウレタン樹脂粒子中に架橋構造を形成させることが出来、ウレタン皮膜の耐水性、及び耐薬品性向上という効果を得ることが出来るので好ましい。
(c1)としては、例えば酸基としてカルボキシル基を含有し、炭素数が2〜10の化合物[ジアルキロールアルカン酸(例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸及び2,2−ジメチロールオクタン酸)、酒石酸及びアミノ酸(例えばグリシン、アラニン及びバリン)等]、酸基としてスルホン酸基を含有し、炭素数が2〜16の化合物[3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸及びスルホイソフタル酸ジ(エチレングリコール)エステル等]、酸基としてスルファミン酸基を含有し、炭素数が2〜10の化合物[N,N−ビス(2−ヒドロキシルエチル)スルファミン酸等]等が挙げられる。
炭素数1〜20のアミン化合物としては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン及びモノエタノールアミン等の1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン等の2級アミン並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルモノエタノールアミン及びトリエタノールアミン等の3級アミンが挙げられる。
本発明において、ポリウレタン樹脂粒子の水分散体にイソシアネート基と反応可能な官能基を3個以上有する化合物を使用することにより、ポリウレタン樹脂粒子中に架橋構造を形成させることが出来、ウレタン皮膜の耐水性、及び耐薬品性向上という効果を得ることが出来る。
上記の内好ましいものは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンである。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)の水分散体は、酸基(α)又はアミノ基(β)を0.1〜0.8mmol/g有するポリウレタン樹脂(U)を、上記式(1)又は(2)で表される中和率又は4級化率が30〜90%となるように中和又は4級化して得られた中和又は4級化ポリウレタン樹脂(U1)を水中に分散させ、ポリウレタン樹脂水分散体中の粒子の体積平均粒子径が50〜600nmであるポリウレタン樹脂水分散体を得ることを特徴とする。
(1)ポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)並びに酸基(α)及び/もしくはアミノ基(β)と酸基(α)及びアミノ基(β)以外の活性水素原子を含有する化合物(c)を、必要により有機溶剤の存在下反応させイソシアネート基を分子末端に有するプレポリマーを合成する工程。
(2)工程(1)で得られたプレポリマーに化合物(d)を添加し、中和もしくは4級化を行う工程。
(3)工程(2)で得られた化合物を水に分散させると共に、必要により鎖伸長剤(e)及び反応停止剤(f)を添加する工程。
(4)工程(3)で得られた水分散体から必要により有機溶剤を留去する工程。
また、(U)は水への分散安定性の観点から、ノニオン性の親水性基を有してもよく、(U)へノニオン性の親水基を導入するためには、ポリオール(a)の内ポリオキシエチレン基を有する化合物を少なくとも1種以上使用することにより、(U)中にノニオン性の親水性基を導入することが可能である。
本発明におけるポリウレタン樹脂水分散体は、(U)の分散性及び水分散体の安定性の観点から、必要により(U)を分散剤(g)の存在下で水に分散させることができる。
(U)は親水性基を有したポリウレタン樹脂である場合は、(U)の重量に基づく(c)の含有量と(g)の含有量の合計量は、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、更に好ましくは0.6〜10重量%である。
本発明の製造方法で得られるポリウレタン樹脂水分散体のpHは、好ましくは2〜12、更に好ましくは4〜10である。pHは、pH Meter M−12[堀場製作所(株)製]で25℃で測定することができる。
水性塗料には、塗膜形成補助やバインダー機能の向上等を目的として、必要により本発明のポリウレタン樹脂水分散体におけるウレタン樹脂(U)以外に、他の水分散性樹脂又は水溶性樹脂を併用していてもよい。
また、水性塗料における他の樹脂の含有量は、水性塗料の重量に基づいて通常60重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
架橋剤の添加量はポリウレタン樹脂水分散体の固形分重量を基準として、通常30重量%以下、好ましくは0.1〜20重量%である。
消泡剤としては、長鎖アルコール(オクチルアルコール等)、ソルビタン誘導体(ソルビタンモノオレート等)、シリコーンオイル(ポリメチルシロキサン及びポリエーテル変性シリコーン等)等が挙げられる。
劣化防止剤及び安定化剤(紫外線吸収剤及び酸化防止剤等)としてはヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、リン系、ベンゾフェノン系及びベンゾトリアゾール系劣化防止剤及び安定化剤等が挙げられる。
凍結防止剤としては、エチレングリコール及びプロピレングリコール等が挙げられる。
粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤及び凍結防止剤の含有量は、水性塗料の重量に基づいてそれぞれ通常5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
水性塗料の固形分濃度は、好ましくは10〜70重量%、更に好ましくは15〜60重量%である。
水性接着剤に使用する樹脂として、本発明のポリウレタン樹脂水性分散体におけるウレタン樹脂(U)を単独で用いても構わないが、SBRラテックス樹脂やアクリル樹脂に代表されるウレタン樹脂以外の水分散性又は水溶性樹脂を併用することができる。併用する場合、樹脂全重量におけるポリウレタン樹脂(U)の割合は、好ましくは1重量%以上、更に好ましくは10重量%以上である。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に表1に記載の各原料を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマーのアセトン溶液(P−1)を製造した。ウレタンプレポリマーのアセトン溶液の固形分あたりのイソシアネート含量は0.77mmol/gであった。攪拌機及び加熱反応装置を備えた簡易加圧反応装置に得られたウレタンプレポリマーのアセトン溶液460.69部を入れ、40℃で撹拌しながらトリエチルアミン(中和剤)2.45部を加え、60rpmで30分間均一化した後、温度を30℃に保ち、100rpmで攪拌下、水346.98部を徐々に添加することで乳化した後、鎖伸長剤であるジエチレントリアミン4.55部を加え、減圧下に65℃で12時間かけてアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水分散体(Q−1)を得た。
ポリウレタン樹脂水分散体の各原料を、表1実施例1記載の各原料の代わりに、表1実施例2〜8記載の各原料を使用する以外は実施例1記載の方法と同様にして、ポリウレタン樹脂水分散体(Q−2)〜(Q−8)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に表1に記載の各原料を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマーのアセトン溶液(P−9)を製造した。ウレタンプレポリマーのアセトン溶液の固形分あたりのイソシアネート含量は0.77mmol/gであった。攪拌機及び加熱反応装置を備えた簡易加圧反応装置に得られたウレタンプレポリマーのアセトン溶液460.22部を入れ、40℃で撹拌しながら硫酸ジメチル(4級化剤)2.21部を加え、40℃3時間4級化反応を行った。その後、温度を30℃に保ち、100rpmで攪拌下、水234.02部を徐々に添加することで乳化した後、鎖伸長剤であるジエチレントリアミン4.55部を加え、減圧下に65℃で12時間かけてアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水分散体(Q−9)を得た。
ポリウレタン樹脂水分散体の各原料を、表1実施例9に記載の各原料の代わりに、表1実施例10〜12に記載の各原料を使用する以外は実施例9記載の方法と同様にして、ポリウレタン樹脂水分散体(Q−10)〜(Q−12)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に表1に記載の各原料を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマーのアセトン溶液(P−1)を製造した。ウレタンプレポリマーのアセトン溶液の固形分あたりのイソシアネート含量は0.45mmol/gであった。攪拌機及び加熱反応装置を備えた簡易加圧反応装置に得られたウレタンプレポリマーのアセトン溶液460.25部を入れ、40℃で撹拌しながらギ酸(中和剤)1.31部を加え、60rpmで30分間均一化した後、温度を30℃に保ち、100rpmで攪拌下、水346.98部を徐々に添加することで乳化した後、減圧下に65℃で12時間かけてアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水分散体(Q−13)を得た。
<比較例1>
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に表1に記載の各原料を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマーのアセトン溶液(P’−1)を製造した。ウレタンプレポリマーのアセトン溶液の固形分あたりのイソシアネート含量は0.87mmol/gであった。攪拌機及び加熱反応装置を備えた簡易加圧反応装置に得られたウレタンプレポリマーのアセトン溶液458.36部を入れ、40℃で撹拌しながらトリエチルアミン(中和剤)0.35部を加え、60rpmで30分間均一化した後、温度を30℃に保ち、100rpmで攪拌下、水340.00部を徐々に添加することで乳化した後、鎖伸長剤であるジエチレントリアミン4.55部を加え、減圧下に65℃で12時間かけてアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水分散体(Q’−1)を得た。
ポリウレタン樹脂水分散体の各原料を、表1比較例1記載の各原料の代わりに、表1比較例2記載の各原料を使用する以外は比較例1記載の方法と同様にして、ポリウレタン樹脂水分散体(Q’−2)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に表1に記載の各原料を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマーのアセトン溶液(P’−3)を製造した。ウレタンプレポリマーのアセトン溶液の固形分あたりのイソシアネート含量は0.26mmol/gであった。攪拌機及び加熱反応装置を備えた簡易加圧反応装置に得られたウレタンプレポリマーのアセトン溶液492.65部を入れ、40℃で撹拌しながら硫酸ジメチル(4級化剤)2.21部を加え、40℃3時間4級化反応を行った。その後、温度を30℃に保ち、100rpmで攪拌下、水497.15部を徐々に添加することで乳化した後、鎖伸長剤であるジエチレントリアミン1.68部を加え、減圧下に65℃で12時間かけてアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水分散体(Q’−3)を得た。
ポリウレタン樹脂水分散体の各原料を、表1比較例3に記載の各原料の代わりに、表1比較例4に記載の各原料を使用する以外は比較例3記載の方法と同様にして、ポリウレタン樹脂水分散体(Q’−4)を得た。
・アニオンの場合
親水基含量(mmol/g)=((c)の含有量(g))x((c)の一分子中に有する酸基個数)x1000/{((c)の分子量)x(ポリウレタン樹脂の重量(g))}
・カチオンの場合
親水基含量(mmol/g)=((c)の含有量(g))x((c)の一分子中に有するアミノ基個数)x1000/{((c)の分子量)x(ポリウレタン樹脂の重量(g))}
以下の方法でポリウレタン樹脂の酸価を求めて、次式により酸基含量(mmol/g)を算出する。
酸基含量(mmol/g)=(酸価)/56.1
<酸価>
100mlのフラスコ中でジメチルホルムアミド(以下DMFとする)50mlに未中和又は4級化前のポリウレタン樹脂を溶解後、フェノールフタレイン指示薬を用いて、0.1mol/l水酸化カリウム・メチルアルコール滴定用溶液で滴定を行い(終点は、指示薬の色が無色から微紅色になった点)滴定ml数を読み取り、次式により酸価を算出する。
酸価=0.561xa ×f/ S
a:0.1mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液の滴定ml数。
f:0.1mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液の力価。
S:ポリウレタン樹脂採取量(g)
以下の方法でポリウレタン樹脂のアミン価を求めて、次式によりアミノ基含量(mmol/g)を算出する。
末端アミノ基含量(mmol/g)=アミン価/56.1
(1)アミン価
100mlのフラスコ中でトルエン50mlに未中和もしくは4級化前のポリウレタン樹脂を溶解後、キシレンシアノールFF・メチルオレンジ混合指示薬を用いて、0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液で滴定を行い(終点は、指示薬の色が緑色から赤褐色になった点)滴定ml数を読み取り、次式により全アミン価を算出する。
全アミン価=a ×f/ (S×28.05)
a:0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液の滴定ml数。
f:0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液の力価。
S:ポリウレタン樹脂採取量(g)
ポリウレタン樹脂(U)の水性分散体の原料として使用される、親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)と中和剤もしくは4級化剤(d)のモル比を計算することにより、ポリウレタン樹脂(U)の中和率もしくは4級化率を算出することができる。
・中和率又は4級化率(%)=((d)のモル数)/((c)のモル数)x100
また、ポリウレタン樹脂(U)が酸基を有し、中和剤(d)としてアミン類を使用した場合は、上記に記載の方法により得られるポリウレタン樹脂水分散体の酸価(A)、ポリウレタン樹脂水分散体のアミン価(B)の値から、以下の式により求めることができる。
・ポリウレタン樹脂(U)が酸基を有し、中和剤(d)としてアミン類を使用した場合の中和率(%)
=(B)/(A)x100
ポリウレタン樹脂水分散体を、イオン交換水でポリウレタン樹脂の固形分が0.01重量%となるよう希釈した後、光散乱粒度分布測定装置[ELS−8000{大塚電子(株)製}]を用いて測定した。
25℃に温調したポリウレタン樹脂水分散体を12時間静置しておき、沈降物の発生を目視にて評価した。沈降物が発生しない場合を○、沈降物が発生した場合を×とした。
(1)外観
ポリウレタン樹脂水分散体10部を、縦10cm×横20cm×深さ1cmのポリプロピレン製モールドに、乾燥後のフィルム膜厚が200μmになる量を流し込み、室温で12時間乾燥後、循風乾燥機で105℃で3時間加熱乾燥することによって得られるフィルムを、60℃のイオン交換水に14日間浸漬した後、目視にて皮膜の表面状態を観察した。変化が無い場合を◎、白化した部分が全面積の50%未満の場合を○、全体的に白化した場合を×とした。
(2)破断伸びの維持率
取り出したフィルムを乾燥して、JIS K7311に記載の5.引張試験に基づいて測定を行ない、浸漬前の破断伸びに対する浸漬後の破断伸びの比、破断伸びの維持率を求めた。
イオン交換水90部、増粘剤[「ビスライザーAP−2」、三洋化成工業(株)製]70部、顔料分散剤[「キャリボンL−400」、三洋化成工業(株)製]10部、酸化チタン[「CR−93」、石原産業(株)製]140部、カーボンブラック[「FW200P」、デグサ(株)製]及び炭酸カルシウム160部をペイントコンディショナーにより30分間混合分散した。ここに1−ノナノール20部、アクリル水分散体[「ポリトロンZ330」、旭化成(株)製]200部及び実施例1で得たポリウレタン樹脂水分散体(Q−1)200部を仕込み、10分間混合分散した。更にイオン交換水を用いて25℃での粘度が150mPa・sとなるよう調整し、水性塗料(W−1)を得た。尚、粘度はTOKIMEC(株)製回転式粘度計を用いて、回転数60rpmで測定した。
ポリウレタン樹脂水分散体(Q−1)の代わりに、ポリウレタン樹脂水分散体(Q−2)〜(Q−5)を、評価例1で使用した(Q−1)と固形分含量が同等となるように添加する以外は、評価例1と同様にして、評価例2〜5用の水性塗料(W−2)〜(W−5)を得た。
水性塗料(W−1)〜(W−5)について、下記試験方法に基づいて塗膜の耐水性及び塗料の配合安定性を評価した結果を表4に示す。
ポリウレタン樹脂水分散体(Q−1)の代わりにポリウレタン樹脂水分散体(Q’−1)及び(Q‘−2)を、評価例1で使用した(Q−1)と固形分含量が同等となるように添加する以外は、評価例1と同様にして比較用の水性塗料(W’−1)及び(W’−2)を得た。
水性塗料(W’−1)及び(W’−2)について、下記試験方法に基づいて塗膜の耐水性及び塗料の配合安定性を評価した結果を表4に示す。
得られた水性塗料を10cm×20cmの鋼板にスプレー塗布し、120℃で10分加熱して厚さ20μmの塗膜を作製した。この塗装した鋼板を80℃のイオン交換水中に14日間浸漬した後、取り出して表面を軽く拭き、塗膜表面を目視により以下の評価基準で評価した。
○:浸漬前後で塗膜表面の変化がない。
×:浸漬後、塗料が一部剥げ落ちている。
(1)ゲル物発生の有無
得られた水性塗料を30℃に温調し、5日静置しておき、ゲル物の発生を粒ゲージを使用し目視にて評価すると共に、粘度をB型粘度計で測定し、静置前後での粘度変化を評価した。ゲル物が発生しない場合を○、ゲル物が発生した場合を×とした。
(2)粘度変化
得られた水性塗料を30℃に温調し、5日間静置しておき、静置前後での粘度変化をB型粘度計で測定した。以下の式により、粘度変化率を算出し、変化率が50%未満の場合を○、50〜150%未満の場合を△、150%以上の場合を×とした。
粘度変化率(%)={(静置後の粘度)−(静置前の粘度)}/(静置前の粘度)x100
実施例6で得たポリウレタン樹脂水分散体(Q−6)100部に対して、硬化剤として、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3量体を6部混合して、25℃での粘度が4,000〜5,000mPa・sになるように増粘剤(サンノプコ製「SNシックナーA−803」)で調整し、水性接着剤(X−1)を得た。
ポリウレタン樹脂水分散体(Q−6)の代わりにポリウレタン樹脂水分散体(Q−7)〜(Q−8)を、評価例6で使用した(Q−6)と固形分含量が同等となるように添加する用いる以外は、評価例6と同様にして、評価例7〜8用の水性接着剤(X−2)〜(X−3)を得た。
水性接着剤(X−1)〜(X−3)について、下記試験方法に基づいての耐水性及び接着剤の配合安定性を評価した結果を表5に示す。
ポリウレタン樹脂水分散体(Q−6)の代わりにポリウレタン樹脂水分散体(Q’−1)及び(Q’−2)を、評価例6で使用した(Q−6)と固形分含量が同等となるように添加するる以外は、評価例6と同様にして比較用の水性接着剤(X’−1)及び(X’−2)を得た。
水性接着剤(X’−1)及び(X’−2)について、下記試験方法に基づいて耐水性及び接着剤の配合安定性を評価した結果を表5に示す。
上記接着強度の評価方法と同様に作製した試験片を、沸騰水に1時間浸漬後直ちに剥離強度を測定した。剥離強度が、25mm幅で100g以上を耐水接着性○、100g未満を耐水接着性×とした。
(1)ゲル物発生の有無
得られた水性接着剤を30℃に温調し、5日間静置しておき、ゲル物の発生を粒ゲージを使用し目視にて評価すると共に、粘度をB型粘度計で測定し、静置前後での粘度変化を評価した。ゲル物が発生しない場合を○、ゲル物が発生した場合を×とした。
(2)粘度変化
得られた水性接着剤を30℃に温調し、5日間静置しておき、静置前後での粘度変化をB型粘度計で測定した。以下の式により、粘度変化率を算出し、変化率が50%未満の場合を○、50〜150%未満の場合を△、150%以上の場合を×とした。
粘度変化率(%)={(静置後の粘度)−(静置前の粘度)}/(静置前の粘度)x100
ポリウレタン樹脂水性分散体を用いて以下のように顔料捺染糊を作製した。
実施例9で得たポリウレタン樹脂水分散体(Q−9)100部に対して、粘弾性調整剤[「SNシックナー618」サンノプコ(株)製]8.9部、シリコン系消泡剤[「SNデフォーマー777」サンノプコ(株)製]0.9部、水35部、酸化チタン44.6部及び顔料[「NL レッド FR3R−D」山宋実業(株)社製]18.9部を混合して、顔料捺染糊(Y−1)を得た。顔料捺染糊(Y−1)について、下記試験方法に基づいて顔料捺染された繊維布の耐水性及び顔料捺染糊の造膜性を試験した結果を表6に示す。
ポリウレタン樹脂水分散体(Q−9)の代わりにポリウレタン樹脂水分散体(Q−10)〜(Q−13)を、評価例9で使用した(Q−9)と固形分含量が同等となるように添加する用いる以外は、評価例9と同様にして、評価例10〜13用の水性繊維加工処理剤(X−2)〜(X−5)を得た。
水性繊維加工処理剤(X−1)〜(X−5)について、下記試験方法に基づいての耐水性及び繊維加工処理剤の配合安定性を評価した結果を表6に示す。
ポリウレタン樹脂水分散体(Q−9)の代わりにポリウレタン樹脂水分散体(Q’−3)及び(Q’−4)を、評価例9で使用した(Q−9)と固形分含量が同等となるように添加する以外は、評価例9と同様にして比較用の顔料捺染糊(Y’−1)及び(Y’−2)を得た。顔料捺染糊(Y’−1)及び(Y’−2)について、下記試験方法に基づいて顔料捺染された繊維布の耐水性及び顔料捺染糊の配合安定性を試験した結果を表6に示す。
顔料捺染糊を綿金巾の型の上に縦2cm×横10cmで膜厚が0.2mmとなるようにバーコーターを用いて塗布した。これを140℃に温調されたテンターで5分乾燥することにより顔料捺染された繊維布を得た。この顔料捺染された繊維布を、60℃のイオン交換水中に1日間浸漬した後、取り出して表面を捺染処理していない繊維布で軽く拭き、目視により以下の評価基準で評価した。
○:捺染処理していない繊維布に色移りしない。
×:捺染処理していない繊維布に色移りがみられる。
(1)ゲル物発生の有無
得られた顔料捺染糊を30℃に温調し、5日間静置しておき、ゲル物の発生を粒ゲージを使用し目視にて評価すると共に、粘度をB型粘度計で測定し、静置前後での粘度変化を評価した。ゲル物が発生しない場合を○、ゲル物が発生した場合を×とした。
(2)粘度変化
得られた顔料捺染糊を30℃に温調し、5日間静置しておき、静置前後での粘度変化をB型粘度計で測定した。以下の式により、粘度変化率を算出し、変化率が50%未満の場合を○、50〜150%未満の場合を△、150%以上の場合を×とした。
粘度変化率(%)={(静置後の粘度)−(静置前の粘度)}/(静置前の粘度)x100
Claims (9)
- 水とポリウレタン樹脂(U)を含有するポリウレタン樹脂水分散体であって、上記ポリウレタン樹脂(U)が、ジオール(a)、ポリイソシアネート(b)、並びに酸基(α)又はアミノ基(β)と酸基(α)でもなくアミノ基(β)でもない活性水素原子を有する基(γ)を有する化合物(c)を必須構成単量体とするポリウレタン樹脂の酸基(α)又はアミノ基(β)を中和又は4級化されたポリウレタン樹脂であり、
酸基(α)、中和された酸基(α1)、アミノ基(β)、中和されたアミノ基(β1)及び4級化されたアミノ基(β2)の合計含有量が(U)の重量に対して0.1〜0.8mmol/gであり、
かつ下記式(1)で表される中和率が30〜90%であるか、又は下記式(2)で表される中和及び4級化率が30〜90%であり、かつ上記ポリウレタン樹脂水分散体中のポリウレタン樹脂粒子の体積平均粒子径が50〜600nmであるポリウレタン樹脂水分散体。
- 上記酸基(α)がカルボキシル基である請求項1に記載のポリウレタン樹脂水分散体。
- 上記ポリウレタン樹脂(U)がポリオキシエチレン基を有する請求項1又は2に記載のポリウレタン樹脂水分散体。
- ポリウレタン樹脂(U)がさらに鎖伸長剤(e)を必須構成単量体とし、鎖伸長剤(e)が1級アミノ基及び2級アミノ基を合計2個以上有する化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水分散体。
- ポリウレタン樹脂(U)がさらに、水酸基を3個以上有するポリオール(k)を必須構成単量体とし、ポリオール(a)の重量に対してポリオール(k)の重量が0.1〜4.0重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水分散体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水分散体を含有する水性塗料。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水分散体を含有する水性接着剤。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水分散体を含有する水性繊維加工処理剤。
- 酸基(α)又はアミノ基(β)を0.1〜0.8mmol/g有するポリウレタン樹脂(U0)を、下記式(1)で表される中和率が30〜90%であるか、又は下記式(2)で表される中和及び4級化率が30〜90%となるように中和又は4級化して得られた中和又は4級化ポリウレタン樹脂(U1)を水中に分散させ、ポリウレタン樹脂水分散体中のポリウレタン樹脂粒子の体積平均粒子径が50〜600nmであるポリウレタン樹脂水分散体を得ることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水分散体の製造方法。
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