JP2017170672A - 離型フィルム、それに用いる樹脂組成物および塗料組成物 - Google Patents

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倫子 甲斐
Rinko Kai
倫子 甲斐
康之 石田
Yasuyuki Ishida
康之 石田
岩谷忠彦
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高橋 宏光
Hiromitsu Takahashi
宏光 高橋
竜一 杉山
Ryuichi Sugiyama
竜一 杉山
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Abstract

【課題】生産性向上の点から、高速剥離、低速剥離のいずれでも非常に低い剥離力と、高い残留接着率とを両立する離型フィルムを提供する。【解決手段】支持基材の少なくとも一方の側の最表面に、離型層を有する離型フィルムであって、前記離型層表面が、以下の条件を満たすことを特徴とする、離型フィルム。条件1.原子間力顕微鏡により、3(μm)四方の範囲について測定された弾性率の平均値が、15(Mpa)以下条件2.同条件にて測定した弾性率分布の標準偏差が、5(MPa)以下【選択図】なし

Description

本発明は、離型フィルム、それに用いる樹脂組成物および塗料組成物に関するものである。
ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムが、液晶偏光板、位相差板等の光学用途フィルム製造時に用いる粘着剤保護用として近年多用されている。
近年、生産性向上の観点から、ある程度高速領域での加工が考えられるが、軽剥離の離型フィルムにおいて、低速領域で低い剥離力を達成するのはもちろんのこと、それを達成しつつ、加工速度を上げてもできるだけ重剥離側の離型フィルムとの剥離力差が縮まらないことを同時に達成することが困難な状況にあった。
仮に、重剥離側離型フィルムと、軽剥離側離型フィルムとの剥離力差が縮まった場合、剥離工程において、粘着層を介して両面に貼り合わされた離型フィルムが同時に剥がれる、あるいは、剥離力差が小さくなるために粘着剤も離型フィルムと一緒に剥がれる等の不具合を生じる場合がある。
かかる問題に対する解決策として、特許文献1では「基材フィルムの少なくとも片面にシリコーン系樹脂皮膜からなる離型層を有し、該シリコーン系樹脂皮膜が、水酸基を有するシリコーンオイルとイソシアネート化合物を反応させて得られるシリコーン化合物を含有してなる離型フィルム」を提案している。
特許文献2では「ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリビニルアルコールを含有する塗布層を有し、一方の面に離型層と粘着層とを順次有する積層フィルムであり、前記離型層が、少なくとも1種類以上のアルケニル基およびアルキル基を官能基として有するシリコーン樹脂を含有し、少なくとも1種類以上の分子量1000以下のシロキサンを3.0〜15.0重量%含有する積層フィルム」を提案している。
特許文献3では「アルケニル基およびアルキル基を官能基として有するシリコーン樹脂、分子量が1000以下の低分子量シリコーン化合物、および白金系触媒を含有するシリコーン系離型層を有するポリエステルフィルムであり、当該離型層の、300mm/分速度域での低速剥離力が10〜20mN/cmの範囲であり、かつ、10000mm/分速度域での高速剥離力が前記低速剥離力の2.5倍以下であり、離型フィルムのMOR値が1.5〜3.0である偏光板用離型ポリエステルフィルム」を提案している。
特許文献4では、「ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、不活性微粒子を含有する離形層を設けた離形フィルムであり、離形層表面の十点平均粗さ(Rz)が20〜500nmであることを特徴とする離形フィルム」を提案している。
特開2005−313601号公報 特開2014-226922号公報 特開2012−137568号公報 特開2004−255704号公報
本発明は、粘着剤に対する剥離力が高速剥離、低速剥離の両条件においても非常に低く、かつ高い残留接着率を両立し、さらに粘着剤貼り合わせ後、加熱処理前後の剥離力変化が低いことを特徴とする。
本発明が解決しようとする課題は、生産性向上の点から、高速剥離、低速剥離のいずれでも十分に低い剥離力と、高い残留接着率を両立し、さらに粘着剤貼り合わせ後、加熱処理前後の剥離力変化が低い離型フィルムを提供することにある。上記課題に対し、前述の公知技術は次の状況にある。
まず、特許文献1の技術について、本発明者らが確認したところ、高速剥離、低速剥離のいずれでも剥離力を低減できることを確認したが、加熱処理後の剥離力が大きく上昇するものであった。
さらに、特許文献2、3の技術について、本発明者らが確認したところ、高速剥離、低速剥離のいずれでも剥離力を低減できることを確認したが、残留接着率が高く、さらに加熱処理後の剥離力が大きく上昇するものであった。
また、特許文献4の技術について、本発明者らが確認したところ、高速剥離、低速剥離のいずれでも剥離力が高くなるものであった。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.支持基材の少なくとも一方の側の最表面に離型層を有する離型フィルムであって、
前記離型層表面が以下の条件1および2を満たすことを特徴とする離型フィルム。
条件1.原子間力顕微鏡により3(μm)四方の範囲について測定した弾性率の平均値が15(MPa)以下
条件2.原子間力顕微鏡により3(μm)四方の範囲について測定した弾性率分布の標準偏差が5(MPa)以下
2.1.に記載の離型フィルムの離型層に用いられる離型層用樹脂組成物であって、動的粘弾性が以下の条件3および4を満たすことを特徴とする離型層用樹脂組成物。
条件3.−40℃/1Hzにおける貯蔵弾性率が0.35MPa以下
条件4.−40℃/1Hzにおける損失正接が0.05以下
3.請求項2に記載の離型層用樹脂組成物に用いられる離型層用塗料組成物であって、以下の樹脂前駆体Aおよび樹脂前駆体Bを含むことを特徴とする離型層用塗料組成物。
樹脂前駆体A:オルガノハイドロジェンポリシロキサンαとアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンβとを含む
樹脂前駆体B:オルガノハイドロジェンポリシロキサンXとアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンYとを含む
4.前記樹脂前駆体Aが固形分濃度30質量%で含まれるトルエン溶液の状態で、10,000(mPa・s)以上の粘度を有し、かつ前記樹脂前駆体Bが固形分濃度30質量%で含まれるトルエン溶液の状態で、5,000(mPa・s)以下の粘度を有することを特徴とする3.に記載の離型層用塗料組成物。
5.前記離型層用塗料組成物全体を100質量%としたとき、前記樹脂前駆体Bの割合が、10質量%以上40質量%以下であることを特徴とする3.または4.に記載の離型層用塗料組成物。
本発明によれば、高速剥離、低速剥離のいずれでも十分に低い剥離力と、高い残留接着率を両立し、さらに粘着剤貼り合わせ後、加熱処理前後の剥離力変化が小さい、離型フィルムを得ることができる。
本発明の実施形態を説明する前に、従来技術の問題点、すなわち高速剥離、低速剥離の両条件でも非常に低い剥離力と、高い残留接着率とを両立し、さらに粘着剤貼り合わせ後、加熱処理前後の剥離力変化を小さくすることについて、本発明者の視点で考察する。
[本発明と従来技術の比較]
まず、特許文献1に記載の従来技術の離型フィルムが、高速剥離、低速剥離の両条件でも非常に低い剥離力と、高い残留接着率とを両立できない理由は、従来技術では水酸基を有するシリコーンオイルを、イソシアネート化合物と架橋反応させ、表面層に固定化している。シリコーンオイルの固定化により高い残留接着率は得られるが、架橋部の導入により離型層の弾性率が上昇し、特に低速剥離での剥離力が十分ではなかった。
また、特許文献2〜3に記載の技術は、アルケニル基およびアルキル基を官能基として有するシリコーン樹脂と、分子量が1,000以下の低分子量シロキサンとを混合している。低分子量シロキサンは低い剥離力を得るため、移行成分として添加されているものであり、低い剥離力は得られるが残留接着率とトレードオフの関係にあり、両立することはできない。
さらに、特許文献4に記載の技術は、離型層中にシリカ微粒子を含有している。シリカ微粒子は硬い材料であるため離型層の弾性率が上昇し、特に低速剥離での剥離力が不十分である。
そこで、本発明者らは高速剥離、低速剥離の両条件でも非常に低い剥離力を得る検討を進める上で、離型層表面の弾性率、および弾性率分布に着目した。
離型層は被着体を剥離する際に、被着体の変形に追従して自身が変形することにより剥離エネルギーを下げ、低い剥離力を得ている。離型層の弾性率が低い、すなわち、離型層が非常に柔軟性のある層であることにより被着体の変形に追従しやすく、結果として、より低い剥離力を得ることができる。さらに、離型層表面の弾性率は均一であることが好ましい。弾性率分布の標準偏差が大きいと、弾性率の高い箇所が変形しにくいため、被着体を剥離する際に引っかかりとなり、結果として、剥離力が高くなる。
以上から、離型層表面の弾性率を下げ、弾性率分布の標準偏差を小さくすることで、非常に低い剥離力を得ることができ、好ましい。具体的には、離型層表面の弾性率、および、弾性率分布の標準偏差を一定の値以下にすることが好ましい。
さらに、本発明者らは、離型フィルムの離型層に好適な樹脂組成物の動的粘弾性特性、すなわち、弾性的性質を示す貯蔵弾性率と、粘性的性質を示す損失弾性率、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した損失正接に着目した。前述の通り、離型層は被着体を剥離する際に、被着体の変形に追従して自身も変形する。その力学的応答は粘弾性特性に依存するものである。損失正接が低い、すなわち弾性的性質が強い樹脂組成物であり、さらに貯蔵弾性率を下げることにより、非常に柔らかな弾性体となり、剥離時の被着体の変形に追従しやすく、低い剥離力を得ることができる。
以上から、離型フィルムの離型層に好適に用いられる樹脂組成物は、貯蔵弾性率、および、損失正接を小さくすることで、非常に低い剥離力を得ることができ、好ましい。具体的には、樹脂組成物の貯蔵弾性率、および、損失正接を一定の値以下にすることが好ましい。
また、本発明者らは、好適な離型層用塗料組成物は、少なくとも2種類の離型層用樹脂前駆体を含むことに着目した。具体的には、一定の値以上の粘度を有する離型層用樹脂前駆体Aと、一定の値以下の粘度を示す離型層用樹脂前駆体Bとを含むことが好ましい。粘度が高い離型層用樹脂前駆体Aは、すなわち、非常に分子量の大きい高分子量材料であり、離型層用樹脂前駆体Aと比較して粘度が低い離型層用樹脂前駆体Bは、すなわち、離型層用樹脂前駆体Aよりも分子量が低い材料である。このように分子量差のある材料を混合することにより、分子量が低い側の成分が可塑剤のように作用し、離型層の弾性率を低くすることができ、低い剥離力が得られるため好ましい。さらに、塗料組成物中、前記離型層用樹脂前駆体Bは一定の割合であることが好ましい。塗料組成物中、離型層用樹脂前駆体Bが一定の割合で存在することにより、前述の効果が得られる。
以上から、離型層用塗料組成物は、少なくとも2種類の離型層用樹脂前駆体を含むことにより、非常に低い剥離力を得ることができ、好ましい。
[本発明の形態]
以下、本発明の実施の形態について具体的に述べる。
上記課題、すなわち高速剥離、低速剥離のいずれでも十分に低い剥離力と、高い残留接着率とを両立するために、本発明の離型フィルムは、支持基材の少なくとも一方の側の最表面に離型層を有する離型フィルムであって、前記離型層表面が以下の条件を満たすことが好ましい。
条件1.原子間力顕微鏡により3(μm)四方の範囲について測定した弾性率の平均値が15(MPa)以下。
条件2.原子間力顕微鏡により3(μm)四方の範囲について測定した弾性率分布の標準偏差が、5(MPa)以下。
離型層表面の弾性率の測定方法は後述する。
剥離力の観点から、本発明の離型フィルムは、離型層表面の弾性率が、15(MPa)以下であることが好ましいが、より好ましくは10(MPa)以下であり、特に好ましくは8(MPa)以下である。弾性率は外部負荷への応答性を表し、弾性率の値を一定以下にすることで、剥離力を低くすることができる。
離型層表面の弾性率が小さいと、被着体の変形に追従して離型層も変形しやすく、剥離に必要なエネルギーを下げることができるため、剥離力を低くすることができる。弾性率が低いほどこの効果は大きいが、転写性などの観点からある程度の架橋構造を有する必要があるため、下限値は1(MPa)程度と考えられる。一方で、弾性率が15(MPa)より大きくなると、離型層の変形が発生しにくいため、被着体の変形量が大きくなり、剥離力が高くなる場合がある。
さらに、本発明の離型フィルムは、前記離型層表面の弾性率分布の標準偏差が、5(MPa)以下であることが好ましいが、より好ましくは4.5(MPa)以下であり、特に好ましくは4.0(MPa)以下である。弾性率分布の標準偏差を特定の値以下にすることで、剥離力を低くすることができる。ここでいう標準偏差とは、弾性率分布の広がり幅、すなわち、弾性率のばらつきを示す。算出方法については後述する。
弾性率分布の標準偏差が小さいと、離型層表面の弾性率が均一であり、被着体を剥離する際に引っかかりとなる箇所がないため、剥離力を低くすることができ好ましい。標準偏差が小さいほどこの効果は大きいが、現実的には2(MPa)程度と考えられる。一方で、標準偏差が5(MPa)より大きくなると、弾性率のばらつきが多く、弾性率が高い箇所が引っかかりとなり、剥離力が高くなる場合がある。
また、前述の課題に対し、離型フィルムの離型層に好適な樹脂組成物として、動的粘弾性が以下の条件を満たすことが好ましい。
条件3.−40℃/1Hzにおける貯蔵弾性率が0.35(MPa)以下。
条件4.−40℃/1Hzにおける損失正接が0.05以下。
樹脂組成物の動的粘弾性の測定方法は後述する。
剥離力の観点から、本発明の離型フィルムの離型層に好適な樹脂組成物として、樹脂組成物の−40℃/1Hzにおける貯蔵弾性率が0.35(MPa)以下であることが好ましいが、特に好ましくは0.32(MPa)以下である。貯蔵弾性率を特定の値以下にすることにより、非常に柔らかな樹脂組成物となり、離型層が変形しやすく、剥離力を低くすることができる。貯蔵弾性率が低いほどこの効果は大きいが、固体として存在する必要があるため、現実的には0.1(MPa)程度が下限値である。
さらに、−40℃/1Hzにおける離型層用樹脂組成物の損失正接は、0.05以下であることが好ましいが、特に好ましくは0.03以下である。損失正接を特定の値以下にすることにより、弾性的性質が強い樹脂組成物となり、離型層が変形しやすく、剥離力を低くすることができる。
さらに、前述の課題に対し、離型フィルムの離型層に好適な離型層用塗料組成物は、樹脂前駆体Aと樹脂前駆体Bとを含むことが好ましい。樹脂前駆体Aは、オルガノハイドロジェンポリシロキサンαとアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンβとを含むことが好ましい。樹脂前駆体Bは、オルガノハイドロジェンポリシロキサンXとアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンYとを含むことが好ましい。
また、前記樹脂前駆体Aは、前記樹脂前駆体Aが固形分濃度30質量%で含まれるトルエン溶液の状態で、10,000(mPa・s)以上の粘度を有し、かつ前記樹脂前駆体Bは、前記樹脂前駆体Bが固形分濃度30質量%で含まれるトルエン溶液の状態で、5,000(mPa・s)以下の粘度を有することが好ましい。
前述の通り、粘度差のある2種類の樹脂前駆体を含むことにより、離型層の弾性率を低くすることができ、低い剥離力が得られるため好ましい。樹脂前駆体Aの粘度は樹脂前駆体Aが固形分濃度30質量%で含まれるトルエン溶液の状態で10,000(mPa・s)以上であることが好ましいが、取り扱い上の点から、30,000(mPa・s)程度が上限である。樹脂前駆体Bの粘度は樹脂前駆体Bが固形分濃度30質量%で含まれるトルエン溶液の状態5,000(mPa・s)以下であることが好ましいが、ある程度の分子量体である方が好ましく、1,000(mPa・s)程度が下限値である。
樹脂前駆体Aの粘度が10,000(mPa・s)よりも小さく、樹脂前駆体Bの粘度が5,000(mPa・s)よりも大きいと、2種類の粘度差が小さい、すなわち、分子量が同程度の樹脂前駆体となり、可塑剤のような作用が発生しないため、離型フィルムの剥離力が高くなる場合がある。
さらに、前記離型層用塗料組成物全体を100質量%としたとき、樹脂前駆体Bの割合が、10質量%以上40質量%以下であることが好ましいが、特に好ましくは20質量%以上40質量%以下である。樹脂前駆体Bの割合が10質量%より小さくなる、または40質量%より大きくなると、極小成分、または主成分となり、可塑剤のような作用が発現しにくい場合がある。塗料組成物中における離型層用樹脂前駆体Bの割合を最適にすることにより、離型層の弾性率を非常に低くすることができ、高速剥離、低速剥離のいずれでも非常に低い剥離力と、高い残留接着率とが両立でき、好ましい。
[離型フィルム、および離型層]
本発明の離型フィルムは、支持基材の少なくとも一方の側の最表面に、前述の条件を満たす離型層を有するものであればよく、支持基材の両方の面に離型層を有してもよいし、離型層の支持基材への密着性、帯電防止性、耐溶剤性等を付与するため支持基材と離型層の間に1層以上の中間層を設けてもよい。
前述の離型層の厚みは、10〜500nmであることが好ましく、20〜200nmであることがより好ましい。離型層を上記範囲とすることで、生産性を低下させにくく、安定した剥離性能を実現させることができる。
本発明の離型フィルムの離型層は、前述の条件を満たすことができれば特に限定されないが、本発明の離型層用樹脂組成物により形成されていることが好ましく、本発明の離型層用塗料組成物を後述する離型フィルムの製造方法により、塗布、乾燥、硬化することにより形成することが好ましい。
ここで本発明における「層」とは、前記離型フィルムの表面から厚み方向に向かい、隣接する部位との構成元素の組成、粒子等の含有物の形状、厚み方向の物理特性が不連続な境界面を有することで区別される有限の厚さを有する部位を指す。より具体的には、前記離型フィルムを表面から厚み方向に各種組成/元素分析装置(FT- IR、XPS、XRF、EDAX、SIMS、EPMA、EELS等)、電子顕微鏡(透過型、走査型)または光学顕微鏡にて断面観察した際、前記不連続な境界面により区別され、有限の厚さを有する部位を指す。
[離型層用樹脂組成物]
本発明における離型層用樹脂組成物は、前述の本発明の離型フィルムの離型層に好ましい樹脂組成物を指す。離型層、または離型層用樹脂組成物として前述の条件を満たすことができればその組成は特に限定されないが、アルキッド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、長鎖アルキル基含有樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、有機系とシリコーン系の混合もしくは共重合樹脂などが好ましく、優れた離型性や耐熱性からシリコーン系樹脂がより好ましく、特に硬化型シリコーン系樹脂が好ましい。
硬化型シリコーン樹脂には、オルガノハイドロジェンポリロキサンとアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンとを白金触媒のもとに、加熱硬化させた「付加反応型」、オルガノハイドロジェンポリロキサンと末端に水酸基を含有するオルガノポリシロキサンとを有機錫触媒を用いて加熱硬化させた「縮重合反応型」、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンとメルカプト基を含有するオルガノポリシロキサンとを光重合触媒を用いて硬化させる「ラジカル付加型」、エポキシ基をオニウム塩開始剤にて光開環させて硬化させる「カチオン重合型」があり、いずれを用いてもよいが、生産性、剥離力の観点から、オルガノハイドロジェンポリロキサンとアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンとを、白金触媒のもとに加熱硬化させた付加反応型が好ましい。
本発明における離型層用樹脂組成物は、好ましくは後述する離型層用塗料組成物を必要に応じて乾燥工程で溶媒を除去の上、硬化することにより形成することができる。
[離型層用塗料組成物、離型層用樹脂前駆体]
本発明における離型層用塗料組成物は、前述の離型フィルムの離型層、もしくは離型層用樹脂組成物を形成することができる室温にて液体の性状を示す混合物であり、少なくとも後述する離型フィルムの製造方法によって、離型層用樹脂組成物を形成可能な材料(以降これを樹脂前駆体と呼ぶ)と、重合開始剤、硬化剤、硬化触媒を含み、さらに溶媒、粒子、帯電防止剤などの各種添加剤を含んでもよい。
離型層用塗料組成物は、前述の条件を満たすことができればその組成は特に限定されないが
前述のように離型性や耐熱性の観点から、シリコーン系樹脂、特に硬化型シリコーン系樹脂を形成可能な樹脂前駆体が好ましく、「付加反応型」、「縮重合反応型」、「ラジカル付加型」、「カチオン重合型」の樹脂前駆体、および重合開始剤、硬化剤、硬化触媒を含む塗料組成物がより好ましい。
また、本発明における離型層用塗料組成物は、樹脂前駆体Aと樹脂前駆体Bとを含むことが好ましい。樹脂前駆体Aは、オルガノハイドロジェンポリシロキサンαとアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンβとを含むことが好ましい。また、樹脂前駆体Aは、樹脂前駆体Aが固形分濃度30質量%で含まれるトルエン溶液の状態で、10,000(mPa・s)以上の粘度を有するものであることが好ましい。一方、樹脂前駆体Bは、オルガノハイドロジェンポリシロキサンXとアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンYとを含むことが好ましい。また、樹脂前駆体Bは、樹脂前駆体Bが固形分濃度30質量%で含まれるトルエン溶液の状態で、5,000(mPa・s)以下の粘度を有するものであることが好ましい。
前記、オルガノハイドロジェンポリシロキサンα、およびXの具体例としては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体が挙げられる。本発明に用いられるオルガノハイドロジェンポリシロキサンα、オルガノハイドロジェンポリシロキサンXは、同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
前記アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンβ、およびYの具体例としては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位96モル%、メチルヘキセニルシロキサン単位4モル%)、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位97モル%、メチルヘキセニルシロキサン単位3モル%)、分子鎖両末端ジメチルヘキセニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位95モル%、メチルヘキセニルシロキサン単位5モル%)が挙げられる。本発明に用いられるアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンβ、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンYは、異なるものであることが好ましい。また、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンβと、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンYは、固形分濃度30質量%で含まれるトルエン溶液の状態で粘度差があることが好ましく、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンβの粘度は10,000(mPa・s)以上、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンYの粘度は5,000(mPa・s)以下、であることが好ましい。
付加反応型シリコーン樹脂前駆体と触媒の具体例としては、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンとを含むものが好ましく、信越化学工業(株)社製のKS−3650、KS843、KS847、KS847H、KS847T、X62−2829、KS838、PL-50T、東レ・ダウコーニング(株)社製のSD7333、SRX357、SRX345、LTC310、LTC303E、LTC300B、LTC350G、LTC750A、LTC851、LTC759、LTC755、LTC761、LTC856、SRX212、などが挙げられる。
また、本発明における離型層用塗料組成物は、樹脂前駆体Aと樹脂前駆体Bとを含むことが好ましく、樹脂前駆体Aの具体例としては、LTC750A、LTC851、LTC759、LTC755、LTC761、LTC856、樹脂前駆体Bの具体例としては、LTC310、LTC303E、LTC300B、LTC350G、などが挙げられる。
縮重合反応型シリコーン樹脂前駆体と触媒の具体例としては、オルガノハイドロジェンポリロキサンと末端に水酸基を含有するオルガノポリシロキサンと有機錫触媒を含むものが好ましく、東レダウコーニング(株)社製SRX290やSYLOFF23が挙げられる。
ラジカル付加型シリコーン樹脂前駆体と触媒の具体例としては、アルケニル基を含むオルガノポリシロキサンとメルカプト基を含むオルガノポリシロキサンと光重合触媒を含むものが好ましく、東レ・ダウコーニング(株)社製BY24−510H及びBY24−544などが挙げられる。
カチオン重合型シリコーン樹脂前駆体と触媒の具体例としては、エポキシ基を含むオルガノポリシロキサンと、オニウム塩開始剤を含むものが好ましく、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製TPR6501、UV9300及びXS56−A2775などが挙げられる。
本発明における離型層用塗料組成物の固形分濃度は、特にこれに限定されるものではないが、離型層用塗料組成物が溶媒を含む場合には、通常10質量%以下であり、更には0.5〜5質量%であることが好ましい。0.5質量%未満であると、支持基材もしくは後述する中間層上でハジキが発生しやすく、他方10質量%を超えると表面が粗くなる場合がある。
[中間層]
本発明の離型フィルムでは、支持基材と離型層間の層間密着性向上や、離型フィルムの帯電防止、離型層の耐溶剤性や、支持基材からの低分子量成分の表面移行を抑制する(以降、オリゴマーブロック性とする)観点から、支持基材と離型層の間に1層以上の中間層を設けてもよい。
中間層の形成方法は、上記の目的を達する中間層が形成できれば、その形成方法は特に限定されない。支持基材の製膜途中で後述する中間層用塗料組成物を塗布したフィルムを作成後、別の工程で離型層を塗布してもよく、支持基材の製膜後、中間層用塗料組成物を支持基材に塗布-乾燥-巻き取りを行い、次いで離型層を塗布-乾燥-巻き取り(逐次塗布)を行っても良いが、好ましくは、中間層用塗料組成物を塗布、溶媒除去後、直ちに離型層を塗布することが、支持基材と離型層間の密着性、塗膜品位の面から好ましい。
中間層の乾燥塗布厚みは、好ましくは10〜500nm、より好ましくは20〜200nm、さらに好ましくは20〜100nmである。塗布厚みが10nm〜500nmであると、離型層の本来の目的である離型性能が安定し、かつ中間層によって付与したい機能、即ち支持基材と離型層間の密着性向上、オリゴマーブロック性、帯電防止性、耐溶剤性と優れた塗膜品位を得ることができる。
[中間層用塗料組成物]
中間層用塗料組成物は、特に限定されないが、前述の支持基材と離型層の密着性を付与する目的からは、有機ケイ素化合物、及びまたは有機ケイ素化合物加水分解物の縮合体を含有することが好ましい。
前記有機ケイ素化合物としては、エチルシリケート、メチルシリケートなどのアルコキシシラン化合物、およびγ−メタクリロキシ基含有オルガノアルコキシシラン、エポキシ基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有オルガノアルコキシシラン、ビニル基含有アセトキシシランなどのシランカップリング剤、およびこれらの混合物が好ましい。
前記有機ケイ素化合物加水分解物の縮合体としては,前述のアルコキシシラン、もしくはシランカップリング材の加水分解物の2量体以上の縮合体で、いわゆるシリコーンオリゴマー、シリコーンレジン、シロキサンポリマーなどを指す。
中間層用塗料組成物は上記有機ケイ素化合物に加えて、離型層の密着性向上や耐溶剤性付与の観点から有機金属化合物を含有してもよい。有機金属化合物としては、アルミニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、ジルコニウム、鉄、インジウムなどの金属の有機酸塩、キレート化合物、アルコキシド、およびそのオリゴマーが好ましく、特に有機アルミニウム化合物が好ましい。
有機アルミニウム化合物としては、(MeO)Al、(EtO)Al、(n−Pro)Alなどのアルミニウムアルコラート、ナフテン酸、ステアリン酸、オクチル酸、安息香酸などのアルミニウム塩、アルミニウムアルコラートにアセト酢酸エステルまたはジアルキルマロネートを反応させて得られるアルミニウムキレート、アルミニウムオキサイドの有機酸塩、アルミニウムアセチルアセトネートなどが挙げられる。さらに有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムキレート化合物が好ましい。具体的には、有機アルミニウム化合物として、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートヒス(エチルアセトアセテート)が挙げられる。
本発明における中間層用塗料組成物の固形分濃度は、特にこれに限定されるものではないが、中間層用塗料組成物が溶媒を含む場合には、通常10質量%以下であり、更には0.5〜5質量%であることが好ましい。0.5質量%未満であると、基材フィルム上でハジキが発生しやすくなる場合があり、他方10質量%を超えると表面が粗面化する場合がある。
[その他の塗料組成物添加剤]
前述の離型層用塗料組成物と中間層用塗料組成物は溶媒を含んでもよく、製造適性の面から溶媒を含むことが好ましい。ここで溶媒とは塗布後の乾燥工程にてほぼ全量を蒸発させることが可能な、常温、常圧で液体である物質を指す。本発明の離型フィルムに適した塗料組成物は、溶媒を含んでもよい。溶媒の種類数としては1種類以上20種類以下が好ましく、より好ましくは1種類以上10種類以下、さらに好ましくは1種類以上6種類以下である。
溶媒の種類とは溶媒を構成する分子構造によって決まる。すなわち、同一の元素組成で、かつ官能基の種類と数が同一であっても結合関係が異なるもの(構造異性体)、前記構造異性体ではないが、3次元空間内ではどのような配座をとらせてもぴったりとは重ならないもの(立体異性体)は、種類の異なる溶媒として取り扱う。例えば、2−プロパノールと、n−プロパノールは異なる溶媒として取り扱う。
さらに、離型フィルムに帯電防止性をする目的から、離型層、中間層は各種帯電防止材料を含有してもよい。帯電防止剤としてはアンモニウム基含有化合物に代表されるカチオン系帯電防止剤、ポリエーテル化合物、シロキサン化合物に代表されるノニオン系化合物、フッ素系化合物、スルホン酸化合物に代表されるアニオン系化合物、ベタイン化合物に代表される両性化合物等のイオン導電性高分子化合物や、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリイソチアナフテン、ポリチオフェンなどのπ電子共役系の高分子化合物、イオン性液体などが挙げられる。
[支持基材]
本発明における支持基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等が挙げられるが、特に離型フィルムに使用される支持基材としては、機械的強度、耐熱性、熱寸法安定性および耐薬品性に優れ、且つ経済的である2軸延伸ポリエステルフィルムが好ましい
支持基材の表面には、前記離型層を形成する前に各種の表面処理を施すことも可能である。表面処理の例としては、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が挙げられる。これらの中でもグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
[離型フィルムの製造方法]
本発明の離型フィルムの表面に形成される前記離型層は、塗料組成物を支持基材、または中間層を設けた支持基材上に塗布することにより形成する方法が好ましい。また、離型層と支持基材と離型層の間に中間層を設ける場合も同様に、支持基材上に中間層用塗料組成物塗布することにより形成する方法が好ましい。
支持基材上への塗料組成物の塗布方法は特に限定されないが、塗料組成物をディップコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やダイコート法(米国特許第2681294号明細書)などにより支持基材等に塗布することにより層を形成することが好ましい。さらに、これらの塗布方式のうち、グラビアコート法またはダイコート法が塗布方法としてより好ましい。次いで、支持基材等の上に塗布された液膜を乾燥する。得られる離型フィルム中から完全に溶媒を除去することに加え、塗膜の硬化を促進する観点からも、乾燥工程では液膜の加熱を伴うことが好ましい。
乾燥方法については、伝熱乾燥(高熱物体への密着)、対流伝熱(熱風)、輻射伝熱(赤外線)、その他(マイクロ波、誘導加熱)などが挙げられる。この中でも、本発明の製造方法では、精密に幅方向でも乾燥速度を均一にする必要から、対流伝熱または輻射伝熱を使用した方式が好ましい。
さらに、熱またはエネルギー線を照射することによるさらなる硬化操作(硬化工程)を行ってもよい。硬化工程において、熱で硬化する場合には、室温から200℃であることが好ましく、硬化反応の活性化エネルギーの観点から、より好ましくは100℃以上200℃以下、さらに好ましくは130℃以上200℃以下である。
また、エネルギー線により硬化する場合には汎用性の点から電子線(EB線)および/または紫外線(UV線)であることが好ましい。また、紫外線を照射する際に用いる紫外線ランプの種類としては、例えば、放電ランプ方式、フラッシュ方式、レーザー方式、無電極ランプ方式等が挙げられる。放電ランプ方式である高圧水銀灯を用いて紫外線硬化させる場合、紫外線の照度が100〜3,000(mW/cm)、好ましくは200〜2,000(mW/cm)、さらに好ましくは300〜1,500(mW/cm)、となる条件で紫外線照射を行うことが好ましく、紫外線の積算光量が、100〜3,000(mJ/cm)、好ましくは200〜2,000(mJ/cm)、さらに好ましくは300〜1,500(mJ/cm)となる条件で紫外線照射を行うことがより好ましい。ここで、紫外線照度とは、単位面積当たりに受ける照射強度で、ランプ出力、発光スペクトル効率、発光バルブの直径、反射鏡の設計及び被照射物との光源距離によって変化する。しかし、搬送スピードによって照度は変化しない。また、紫外線積算光量とは単位面積当たりに受ける照射エネルギーで、その表面に到達するフォトンの総量である。積算光量は、光源下を通過する照射速度に反比例し、照射回数とランプ灯数に比例する。
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。なお、同一の化合物については特記しない限り同一の製品を用いた。
[塗料組成物の作成]
[中間層用塗料組成物1]
以下の材料を混合し、2プロパノール/トルエン混合溶媒(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度4質量%の中間層用塗料組成物1を得た。
・エポキシ基含有有機ケイ素化合物
(BY24-846B:東レ・ダウコーニング株式会社製) 5質量部
・メタクリル基含有有機ケイ素化合物
(OFS-6030:東レ・ダウコーニング株式会社製) 5質量部
・アルミニウムキレート化合物
(BY24-846E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 1質量部。
[離型層用塗料組成物1]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン混合溶媒(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物1を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(KS847H:信越化学工業株式会社製) 10質量部
・白金触媒
(PL-50T:信越化学工業株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物2]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物2を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC761:東レ・ダウコーニング株式会社製) 9質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC303E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 1質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物3]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物3を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC761:東レ・ダウコーニング株式会社製) 8質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC303E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 2質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物4]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物4を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC761:東レ・ダウコーニング株式会社製) 7質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC303E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 3質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物5]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物5を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC761:東レ・ダウコーニング株式会社製) 6質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC303E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 4質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物6]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物6を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC759:東レ・ダウコーニング株式会社製) 7質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC303E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 3質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物7]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物7を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC759:東レ・ダウコーニング株式会社製) 9質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC303E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 1質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物8]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物8を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC755:東レ・ダウコーニング株式会社製) 7質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC303E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 3質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物9]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物9を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC761:東レ・ダウコーニング株式会社製) 7質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC300B:東レ・ダウコーニング株式会社製) 3質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物10]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物10を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC856:東レ・ダウコーニング株式会社製) 7質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC303E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 3質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物11]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物11を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC761:東レ・ダウコーニング株式会社製) 10質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物12]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物12を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC303E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 10質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物13]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物13を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC761:東レ・ダウコーニング株式会社製) 5質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC303E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 5質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物14]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物14を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC761:東レ・ダウコーニング株式会社製) 9.5質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC303E:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.5質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物15]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物15を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC761:東レ・ダウコーニング株式会社製) 7質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC759:東レ・ダウコーニング株式会社製) 3質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物16]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物16を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC761:東レ・ダウコーニング株式会社製) 7質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(LTC750A:東レ・ダウコーニング株式会社製) 3質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物17]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物17を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC750A:東レ・ダウコーニング株式会社製) 10質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型層用塗料組成物18]
以下の材料を混合し、n-ヘプタン/トルエン(質量混合比50/50)を用いて希釈し、固形分濃度2質量%の離型層用塗料組成物16を得た。
・シリコーン樹脂前駆体A
(LTC761:東レ・ダウコーニング株式会社製) 9質量部
・シリコーン樹脂前駆体B
(BY24−850:東レ・ダウコーニング株式会社製) 1質量部
・白金触媒
(SRX212:東レ・ダウコーニング株式会社製) 0.1質量部。
[離型フィルムの作成]
[離型フィルムの作成方法1]
厚み38(μm)のポリエステルフィルム(東レ(株)製商品名“ルミラー”(登録商標)R60)に、中間層用塗料組成物を、乾燥・硬化後の塗布厚みが0.1(μm)となるようにグラビアコーターで塗布し、100℃で3秒乾燥硬化した。5分以内に離型層用塗料組成物を、乾燥後の塗布厚みが0.1(μm)となるようにグラビアコートで塗布し、120℃で30秒乾燥硬化して離型フィルムを得た。得られた結果を表3に示した。
以上の方法により実施例1、9の離型フィルムを作成した。
[離型フィルムの作成方法2]
厚さ38(μm)のポリエステルフィルム(東レ(株)製商品名“ルミラー” (登録商標)R60)に、離型層用塗料組成物を、乾燥後の塗布厚みが0.1(μm)となるようにグラビアコートで塗布し、120℃で30秒乾燥硬化して離型フィルムを得た。得られた結果を表3に示した。
以上の方法により実施例2〜8、10、11、比較例1〜8の離型フィルムを作成した。
各実施例・比較例に対応する上記離型フィルムの作成方法、使用する中間層用塗料組成物、離型層用塗料組成物を表1に示した。
[離型層用樹脂組成物の作成、および離型層用樹脂組成物の動的粘弾性評価]
前記離型層用塗料組成物を、23℃、風速5(m/s)の平行流送風条件下にて3時間乾燥を行い、次いで150℃で5分間乾燥、硬化処理を行い、厚さ1(mm)の離型層用樹脂組成物を得た。この離型層用樹脂組成物について、レオメーター(ティー・エイ・インスツルメント社製AR2000ex)を用い、せん断モードで粘弾性を評価した。得られた結果より−40℃/1Hzにおける貯蔵弾性率と、損失正接を求めた。
測定条件は下記に示す。
測定装置 : ティー・エイ・インスツルメント社製AR2000ex
測定モード: せん断モード
測定周波数: 1Hz
測定雰囲気: -80℃〜0℃・大気中
測定荷重 : 5N。
[樹脂前駆体A溶液、および樹脂前駆体B溶液の粘度の測定]
前記離型層用塗料組成物に用いる、樹脂前駆体A溶液、および樹脂前駆体B溶液について、振動式(音叉型)粘度計(エー・アンド・デイ社製SV−10)を用い、粘度を求めた。各樹脂前駆体溶液は、固形分濃度30質量%のトルエン溶液を用いた。測定条件は下記に示す。
測定装置 : エー・アンド・デイ社製SV−10
測定方式 : SV型(音叉振動式)/固有振動数 30Hz
測定温度 : 25℃。
[離型フィルムの評価]
作成した離型フィルムについて、次に示す性能評価を実施し、得られた結果を表3に示す。特に断らない場合を除き、測定は各実施例・比較例において、1つのサンプルにつき場所を変えて3回測定を行い、その平均値を用いた。
[離型層表面の弾性率の測定、および弾性率分布の標準偏差の算出]
離型フィルムの離型層表面について、AFM(Burker Corporation製 DimensionIcon)を用い、PeakForceQNMモードにて測定を実施し、得られたフォースカーブから付属の解析ソフト「NanoScopeAnalysis V1.40」を用いて、JKR接触理論に基づいた解析を行い、弾性率分布を求めた。
具体的にはPeakForceQNMモードのマニュアルに従い、カンチレバーの反り感度、バネ定数、先端曲率の構成を行った後、下記の条件にて測定を実施し、得られたDMT Modulusチャンネルのデータを表面の弾性率として採用した。なお、バネ定数および先端曲率は個々のカンチレバーによってバラつきを有するが、測定に影響しない範囲として、バネ定数0.3(N/m)以上0.5(N/m)以下、先端曲率半径15(nm)以下の条件を満たすカンチレバーを採用し、測定に使用した。
測定条件は下記に示す。
測定装置 : Burker Corporation製原子間力顕微鏡(AFM)
測定モード : PeakForceQNM(フォースカーブ法)
カンチレバー: ブルカーAXS社製SCANASYST-AIR
(材質:Si、バネ定数K:0.4(N/m)、先端曲率半径R:2(nm))
測定雰囲気 : 23℃・大気中
測定範囲 : 3(μm)四方
分解能 : 512×512
カンチレバー移動速度: 10(μm/s)
最大押し込み荷重 : 10(nN)
次いで得られたDMT Modulusチャンネルのデータを解析ソフト「NanoScopeAnalysis V1.40」にて解析し、Roughnessにて処理することにより得られた、ResultsタブのImage Raw Meanの値を、離型層表面の弾性率とした。更に得られた弾性率のヒストグラムの各階級値および観測頻度を表計算ソフト「Microsoft Office Excel 2010」に取り込み、STDEVP関数を用いることで、弾性率分布の標準偏差を算出した。
[離型フィルムの剥離力]
離型フィルムの離型層表面に粘着テープ(日東電工(株)製ポリエステルテープ 商品名31B:以下31Bテープ)を、5kgのゴムローラーを1往復させて圧着し、23℃65%RH環境下にて24時間放置後、引張り試験機を用いて300(mm/分)、および、100,000(mm/分)の速度で180度剥離した時の抵抗値を測定した。300(mm/分)の速度で剥離した時の抵抗値を低速剥離力とし、100,000(mm/分)の速度で剥離した時の抵抗値を高速剥離力とした。
[加熱後の剥離力増加率]
離型フィルムの離型層表面に粘着テープ(日東電工(株)製ポリエステルテープ 商品名31B:以下31Bテープ)を、5kgのゴムローラーを1往復させて圧着し、23℃65%RH環境下にて24時間放置後、引張り試験機を用いて300(mm/分)の速度で180度剥離した時の抵抗値を、加熱前の剥離力とした。
次に、離型フィルムの離型層表面に粘着テープ(日東電工(株)製ポリエステルテープ 商品名31B:以下31Bテープ)を、5kgのゴムローラーを1往復させて圧着し、70℃65%RH環境下にて24時間放置後、引張り試験機を用いて300(mm/分)の速度で180度剥離した時の抵抗値を、加熱後の剥離力とし、以下の式を用いて加熱後の剥離力増加率を求めた。加熱後の剥離力増加率150%以下を合格とした。
加熱後の剥離力増加率(%)=A/B×100
A:加熱後の剥離力
B:加熱前の剥離力。
[残留接着率]
ポリエステル粘着テープ(31Bテープ)を離型処理面に5kgのゴムローラーを1往復させて圧着し、70℃、20g/cm2の環境下で20時間静置した。その後室温で1時間冷却した後31Bテープを丁寧にはがし、これを再度銅板に貼り合わせて更に1時間静置した後、300m/分の速度で180度剥離した時の抵抗値を測定した。この値を(f)とする。同様の手順を4フッ化エチレン樹脂(東レフィルム加工(株)製“トヨフロン”(登録商標))に貼り合わせて剥離抵抗値を測定しこの値をブランク値(fo)とした。この結果を以下の数式に当てはめて残留接着率を計算した。計算値が90%以上であれば良好といえる。
残留接着率(%)=(f)/(fo)×100
Figure 2017170672
Figure 2017170672
Figure 2017170672
本発明の離型フィルムは、高速剥離、低速剥離のいずれでも非常に低い剥離力と、高い残留接着率とが両立できる点を活かし、液晶偏光板、位相差板等の光学用途フィルム製造時に用いる粘着剤保護用として、好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 支持基材の少なくとも一方の側の最表面に離型層を有する離型フィルムであって、
    前記離型層表面が以下の条件1および2を満たすことを特徴とする離型フィルム。
    条件1.原子間力顕微鏡により3(μm)四方の範囲について測定した弾性率の平均値が15(MPa)以下
    条件2.原子間力顕微鏡により3(μm)四方の範囲について測定した弾性率分布の標準偏差が5(MPa)以下
  2. 請求項1に記載の離型フィルムの離型層に用いられる離型層用樹脂組成物であって、動的粘弾性が以下の条件3および4を満たすことを特徴とする離型層用樹脂組成物。
    条件3.−40℃/1Hzにおける貯蔵弾性率が0.35MPa以下
    条件4.−40℃/1Hzにおける損失正接が0.05以下
  3. 請求項2に記載の離型層用樹脂組成物に用いられる離型層用塗料組成物であって、以下の樹脂前駆体Aおよび樹脂前駆体Bを含むことを特徴とする離型層用塗料組成物。
    樹脂前駆体A:オルガノハイドロジェンポリシロキサンαとアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンβとを含む
    樹脂前駆体B:オルガノハイドロジェンポリシロキサンXとアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンYとを含む
  4. 前記樹脂前駆体Aが固形分濃度30質量%で含まれるトルエン溶液の状態で、10,000(mPa・s)以上の粘度を有し、かつ前記樹脂前駆体Bが固形分濃度30質量%で含まれるトルエン溶液の状態で、5,000(mPa・s)以下の粘度を有することを特徴とする請求項3に記載の離型層用塗料組成物。
  5. 前記離型層用塗料組成物全体を100質量%としたとき、前記樹脂前駆体Bの割合が、10質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の離型層用塗料組成物。
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