JP2017174692A - 電極及び二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
リチウム複合酸化物は、リチウム二次電池の正極活物質として用いられている。リチウム二次電池は、既に携帯電話用途やノートパソコン用途などの小型電源として実用化されている。更に自動車用途や電力貯蔵用途などの中・大型電源においても適用が試みられている。このように適用範囲の拡大に伴い、リチウム二次電池の長寿命化は重要な課題である。
LNMO型の複合酸化物は、高電位で使用でき、かつ安全性も高いことから大型電池への適用が進んでおり、高容量化するための試みがされている。
例えば、特許文献1には、LNMO型のリチウム複合酸化物を用いた電池の容量を向上させるため、添加剤の含有量を削減し、空隙の少ない緻密なリチウム複合酸化膜を製造したことが記載されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、金属元素の電解液中への溶出を防止し、サイクル特性が良好な電極を提供することを課題とする。
また、電極を用いた電池を提供することを併せて目的とする。
本発明の第2の態様は、前記本発明の第1の態様の電極を有する二次電池である。
さらに、このような電極を用いた二次電池を提供することができる。
本実施形態の電極は、電極活物質の表面に撥水性材料の被覆層を備えている。このため、高電圧で動作させた場合でも、金属元素の電解液中への溶出が抑制できると考えられる。これにより、電解液中に金属元素が溶出することに起因する容量の低下を抑制できると考えられる。また、電極表面と電解液とが直接接触することを抑制できるため、電解液の分解による電池性能の劣化を防止することができる。
本実施形態で用いる撥水性材料としては、例えば、有機珪素化合物系材料、炭化水素系材料、フッ素系材料等が挙げられる。
分子内に炭素− 珪素結合を多くもつ有機珪素化合物として、具体的には、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、テトラメチルシラン(TMS)、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等を挙げることができ、中でも分子内に炭素− 珪素結合を多く有するヘキサメチルジシロキサン(HMDSO;(CH3)3SiOSi(CH3)3)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO;(CH3)2HSiOSiH(CH3)2)、テトラメチルシラン(TMS;Si(CH3)4)が挙げられる。
炭化水素系材料として、メタン、アセチレン、エチレン、およびプロパンを挙げることができ、アセチレン、又はエチレンが好ましい。
フッ素含有有機材料としては、フッ素化炭化水素が好ましく、フルオロアルカンがより好ましい。アルカン中のフッ素原子で置換されている水素原子は、1つでも2つ以上でもよい。
フッ素系材料としては、四フッ化炭素、テトラフルオロエチレン、六フッ化エタン、八フッ化プロパン等を挙げることができ、テトラフルオロエチレンが好ましい。
フルオロアルキル基置換ビニルモノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキル基置換ビニルエーテル、フルオロアルキル基置換スチレン等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレートが好ましく、下記一般式(F)−2で表される化合物が特に好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、Cl、Br、I等が挙げられる。
撥水性材料の被覆率は、透過電子顕微鏡(TEM)、エネルギー分散型X線分光器(EDX)、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
具体的には、電極活物質に形成された撥水性被膜は、透過型電子顕微鏡(TEM)、及び、エネルギー分散型X線分光器(EDX)を用いて100個の電極活物質を観察し、電極活物質の表面のうち撥水性被膜が覆っている部分の割合を算出し、被覆率とする。
加えて、X線光電子分光法(XPS)を用いて表面原子濃度計測から電極活物質の表面のうち撥水性被膜が覆っている部分の割合を算出し、被覆率を求め、上記のEDXによる算出結果との整合性を考察してもよい。
電極活物質の表面に撥水性材料の被覆層を形成する方法は、合剤電極の製造前に、電極活物質の表面に撥水材料の被覆層を形成してもよく、電極活物質とその他の合剤を混合した後に該混合物の表面に撥水材料の被覆層を形成してもよく、あらかじめ合剤電極を製造し、該合剤電極の表面に撥水性材料の被覆層を形成してもよい。
電極の製造を容易とする観点から、合剤電極を製造した後に該合剤電極表面に撥水性材料の被覆層を形成することが好ましい。
電極の第1実施形態において、電極活物質は任意に選択できる。例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、チタン酸リチウムとこれらの固溶体及びLixAyDzPO4(但し、AはCo、Mn、Ni、Fe、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、S、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x<2、0<y<1.5、0≦z<1.5)の群から選択される1種を主成分とすることが好ましい。
ここで、Aは、Co、Mn、Ni、及びFeから選択されることが、Dは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、及びAlから選択されることが、高い放電電位、豊富な資源量、安全性などの点から好ましい。
ここで、希土類元素とは、ランタン系列であるLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの15元素のことである。
電極の第2実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物を用いる。
スピネル構造を有するリチウム複合酸化物としては、LiMn2O4が挙げられる。
層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物としては、LiNiO2、LiCoO2、LiNikColMnmO2(k+l+m=1)またはLiNikColAlmO2(k+l+m=1)等が挙げられる。
電極の第3実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有し、化学組成を示す一般式がLiNiaMn2−aO4−bFb(0<a≦0.6、0≦b≦1)で示されるリチウム複合酸化物を用いる。
電極の第4実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物であって、化学組成を示す一般式が下記式(1)で示されるリチウム複合酸化物を用いる。
LiNia−xMn2−a−yMx+yO4−bFb ・・・(1)
[一般式(1)中、0<a≦0.6、0≦b≦1、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、a−x>0.4、2−a−y>1.4である。但し、x及びyがともに0の場合を除く。Mは、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zu、Snからなる群より選択される1種以上の金属元素である。]
上記式(1)において、a−x≧0.5が好ましい。
上記式(1)において、2−a−y≧1.45が好ましく、2−a−y≧1.48がより好ましい。
上記式(1)において、0<x+y≦0.1が好ましく、0<x+y≦0.08がより好ましい。
上記式(1)において、0≦b≦0.5が好ましく、0≦b≦0.25がより好ましい。
上記式(1)において、x+yが上記の特定の範囲であることにより、P4332型の配列を維持したまま、電子伝導性を向上させることができる。
P4332型のリチウム複合酸化物は、リチウム二次電池として用いた場合に容量が大きく、長寿命の電池とすることができるという長所がある。一方、電子伝導性が低いという短所がある。
Fd−3m型のリチウム複合酸化物は、リチウム二次電池として用いた場合に電子伝導率を高くできるという長所がある。一方、容量が小さく、長寿命の電池には不向きであるという短所がある。
このため、元素置換しない場合はFd−3m型のリチウム複合酸化物であって、元素置換することでP4332型の長所である高容量特性も併せ持つリチウム複合酸化物とすることができると推察される。
元素置換しないFd−3m型では、マンガンが4V付近で酸化還元することに起因して、低電位でリチウムが抜けてしまうことがエネルギー損失の一因となる。
本実施形態で用いるリチウム複合酸化物は、ニッケル又はマンガンのいずれか一方又は両方を特定の金属元素で置換したことにより、置換した金属元素がマンガンの代わりに還元されるため、マンガンの酸化還元を抑制できると考えられる。
電極の第5実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物であって、化学組成を示す一般式が下記式(1)−1で示されるリチウム複合金属酸化物を用いる実施形態である。
LiNiaMn2−a−yMyO4−bFb ・・・(1)−1
[一般式(1)−1中、0<a≦0.6、0≦b≦1、0<y≦0.1、2−a−y>1.4である。であり、Mは、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zu、Snからなる群より選択される1種以上の金属元素である。]
上記式(1)−1において、2−a−y≧1.45が好ましく、2−a−y≧1.48がより好ましい。
上記式(1)−1において、0<y≦0.1が好ましく、0<y≦0.08がより好ましい。
上記式(1)−1において、0≦b≦0.5が好ましく、0≦b≦0.25がより好ましい。
上記式(1)−1において、yが上記の特定の範囲であることにより、P4332型の配列を維持したまま、電子伝導性を向上させることができる。
電極の第6実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物であって、化学組成を示す一般式が下記式(1)−2で示されるリチウム複合酸化物を用いる実施形態である。
LiNia−xMxMn2−aO4−bFb ・・・(1)−2
[一般式(1)−2中、0<a≦0.6、0≦b≦1、0<x≦0.1、a−x>0.4であり、Mは、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zu、Snからなる群より選択される1種以上の金属元素である。]
上記式(1)−2において、a−x≧0.5が好ましい。
上記式(1)−2において、2−a≧1.45が好ましく、2−a≧1.48がより好ましい。
上記式(1)−2において、0<x≦0.1が好ましく、0<x≦0.08がより好ましい。
上記式(1)−2において、0≦b≦0.5が好ましく、0≦b≦0.25がより好ましい。
上記式(1)−2において、xが上記の特定の範囲であることにより、P4332型の配列を維持したまま、電子伝導性を向上させることができる。
電極の第7実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物であって、化学組成を示す一般式が下記式(1)−3で示されることを特徴とするリチウム複合酸化物を用いる実施形態である。
LiNia−xMn2−a−yMx+yO4−bFb ・・・(1)−3
[一般式(1)−3中、0<a≦0.6、0<b≦1、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、a−x>0.4、2−a−y>1.4である。但し、x及びyがともに0の場合を除く。Mは、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zu、Snからなる群より選択される1種以上の金属元素である。]
上記式(1)−3において、a−x≧0.5が好ましい。
上記式(1)−3において、2−a−y≧1.45が好ましく、2−a−y≧1.48がより好ましい。
上記式(1)−3において、0<x+y≦0.1が好ましく、0<x+y≦0.08がより好ましい。
上記式(1)−3において、0<b≦0.5が好ましく、0<b≦0.25がより好ましい。
本実施形態おいては、酸素空孔をフッ素原子で置換したことにより酸素原子がリチウムイオンを引き寄せる力を低減でき、リチウムイオンの伝導度を向上させることができると推察される。
また、酸素空孔をフッ素原子で置換すると、ニッケルとマンガンが電解液中に溶出することを抑制できる。
前記第3実施形態〜第6実施形態で用いるリチウム複合酸化物は、上記特定の金属元素の中でも、銅又は亜鉛でニッケルとマンガンのいずれか一方又は両方を置換することにより、ニッケルとマンガンの溶出をより抑制することができると考えられる。
さらに、高い出力を実現できるという観点から、銅がより好ましい。
本発明の電極に好適に用いられるリチウム複合酸化物の製造方法について説明する。
第1実施形態のリチウム複合酸化物の製造方法は、リチウム化合物と、少なくともマンガン及びニッケルを含む前駆体と、反応促進剤(フラックス)とを、前記式(1)、(1)−1〜(1)−3で表される組成比となるように混合し、リチウム混合物を得る混合工程と、混合工程で得られたリチウム混合物を焼成する焼成工程とを含む。
混合工程では、リチウム化合物と、少なくともマンガン及びニッケルを含む前駆体と、反応促進剤(フラックス)とを混合する。混合方法としては、特に限定されることはなく、一般的な混合機を使用することができる。たとえば、シェーカミキサ、Vブレンダ、リボンミキサ、ジュリアミキサ、レーディゲミキサなどを使用することができ、微粉が発生しない程度に十分に混合されればよい。
本実施形態で使用するリチウム化合物としては、水酸化リチウム、塩化リチウム、硝酸リチウムおよび炭酸リチウムからなる群より選ばれる1種以上の無水物並びに該1種以上の水和物を挙げることができる。
本実施形態で使用する反応促進剤(フラックス)としては、具体的には、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、CaC12、MgCl2、SrCl2、BaCl2及びNH4Clなどの塩化物、Na2CO3、K2CO3、Rb2CO3、Cs2CO3、CaCO3、MgCO3、SrCO3及びBaCO3などの炭酸塩、K2SO4、Na2SO4などの硫酸塩、NaF、KF、NH4Fなどのフッ化物、等が挙げられる。
この中でも、KCl、K2CO3、K2SO4が好ましい。また、反応促進剤を2種以上併用することもできる。
反応促進剤を混合物に含有させる方法特に限定されず、例えば少なくともマンガン及びニッケルを含む前駆体をリチウム化合物と混合するときに反応促進剤を添加すればよい。
反応促進剤は、焼成後のリチウム複合酸化物に残留していてもよく、洗浄、蒸発等により除去されていてもよい。
焼成工程では、原料である前駆体、リチウム化合物および反応促進剤の混合物を焼成することにより、焼成物であるリチウム複合酸化物の塊状物を得る。
焼成工程における保持温度の一例としては、例えば650℃以上900℃以下の範囲であることが挙げられる。
前記保持温度で保持する時間は、例えば、0.1〜20時間であり、好ましくは0.5〜8時間である。
前記保持温度までの昇温速度は、例えば50℃〜400℃/時であり、前記保持温度から室温までの降温速度は、通常10℃〜400℃/時である。
また、焼成の雰囲気としては、大気、酸素、窒素、アルゴンまたはそれらの混合ガスを用いることがきるが、大気雰囲気が好ましい。
得られたリチウム複合酸化物の塊状物は、必要に応じてロールミル等の解砕機にて解砕され、残留リチウム成分や反応促進剤を除去するために洗浄され、乾燥に付される。
なお、乾燥粉末は、必要に応じロールミル等により解砕される。ここで、解砕とは、凝集粒子を分散することや、解きほぐすことをいう。
また、LiNiO2を前駆体として,Mn(NO3)2とM(NO3)2,何らかのLi源を反応させるとMnサイトに入る可能性が高くなると考えられる。
また、ポーリング則の理論から、置換する元素のイオン半径によっては、自発的にどちらかのサイトのみを選択的に置換することもできる。
その他、前駆体として金属有機錯体を合成することで、Ni−OとMn−Oのサイトを制御することも可能なると考えられる。
第2実施形態は、前記第6実施形態に用いるリチウム複合酸化物を製造する実施形態である。
本実施形態は、リチウム化合物と、少なくともマンガン及びニッケルを含む前駆体と、反応促進剤(フラックス)とを、前記式(1)、(1)−1〜(1)−3で表される組成比となるように混合し、リチウム混合物を得る混合工程と、混合工程で得られたリチウム混合物を焼成し、リチウム複合酸化物を得る焼成工程と、得られたリチウム複合酸化物と、フッ素化合物とを混合し、焼成するフッ素置換工程と、を有する。
本実施形態における[混合工程]と[焼成工程]に関する説明は、前記第1実施形態における[混合工程]と[焼成工程]に関する説明と同様である。
本実施形態において、フッ素置換工程は、[混合工程]と[焼成工程]とで得られたリチウム複合酸化物と、フッ素化合物とを混合し、この混合物を焼成することでフッ素置換リチウム複合酸化物を得ることができる。
本工程で用いるフッ素化合物は、フッ化リチウムが好ましい。
本工程の焼成条件に関する説明は、前記[焼成工程]に関する説明と同様である。
中でも、本工程は、大気雰囲気下でまず700℃〜900℃で5時間〜15時間焼成し、さらに酸素雰囲気下で700℃〜900℃で5時間〜15時間焼成することが好ましい。
リチウム複合酸化物の製造方法のその他の実施形態としては、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を含む硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、フッ化物、塩化物の内、アルカリ金属としてリチウムを含む塩を少なくとも一つは含む混合物よりなるフラックスと、LiNiaMn2−aO4Fb(0<a≦0.6、0≦b≦1)の原料となるMnとNiを含む酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、金属、合金の内の少なくとも一つと、を有する混合物を、200℃以上,1000℃以下の熱処理工程を少なくとも一度は施すことで金属板上に形成してもよい。
金属材料及びフラックスについては、所望のリチウム複合酸化物の構造や金属板の構成等から、適宜選択することができる。
本発明の二次電池は、上記した本発明の電極を用いること以外は限定されるものではない。
すなわち、本発明の二次電池は、上記した電極を有すること以外は、従来公知の二次電池と同様の構成とすることができる。
以下、本発明の二次電池の一実施形態として、リチウム二次電池を挙げて説明する。本実施形態のリチウム二次電池は、正極、負極、電解液、その他必要な部材を有する構成とすることができる。
本発明のリチウム二次電池に用いる正極は、上記した本発明のリチウム複合酸化物を有すること以外は限定されるものではない。
正極は、まず本発明のリチウム複合酸化物、導電材およびバインダーを含む正極合剤を調整することで製造することができる。
正極が有する導電材としては、炭素材料を用いることができる。炭素材料として黒鉛粉末、カーボンブラック(例えばアセチレンブラック)、繊維状炭素材料などを挙げることができる。カーボンブラックは、微粒で表面積が大きいため、少量を正極合剤中に添加することにより正極内部の導電性を高め、充放電効率および出力特性を向上させることができるが、多く入れすぎるとバインダーによる正極合剤と正極集電体との結着力、および正極合剤内部の結着力がいずれも低下し、かえって内部抵抗を増加させる原因となる。
正極が有するバインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などのフッ素樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;を挙げることができる。
負極の活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる化合物を単独乃至は組み合わせて用いることができる。リチウムイオンを吸蔵及び放出できる化合物の一例としては、リチウム等の金属材料、チタン、ケイ素、スズ等を含有する合金材料、グラファイト、コークス、有機高分子化合物焼成体又は非晶質炭素等の炭素材料が挙げられる。
これらの活物質は単独で用いるだけでなく、これらを複数種類混合して用いることもできる。これらの物質のうち、負極活物質として、チタン含有酸化物(たとえば、ブロンズ構造の酸化チタンであるTiO2(B)、チタン酸リチウムであるLi4Ti5O12)を用いることが好ましい。
例えば、負極活物質としてリチウム金属箔を用いる場合、銅等の金属からなる集電体の表面にリチウム箔を圧着することで形成できる。
また導電助剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、非晶質炭素等などが例示できる。また、導電性高分子ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセンなどが例示できる。
電解液は、正極及び負極の間のイオンなどの荷電担体の輸送を行う媒体であり、特に限定しないが、リチウムイオン二次電池が使用される雰囲気下で物理的、化学的、電気的に安定なものが望ましい。
≪実施例1≫
リチウム複合酸化物のリチウム源として塩化リチウムを、ニッケル源として硝酸ニッケル六水和物を、マンガン源として硝酸マンガン六水和物を、カッパー源として硝酸銅三水和物を、Li:Ni:Mn:Cuのモル比が1.0:0.50:1.49:0.01となるように混合した。フラックスとして、塩化リチウムと塩化カリウムの混合液を用いた。
これらをアルミナ製のるつぼに投入した。
加熱処理後、温水に浸漬してフラックスを除去した。これにより、LiNi0.5Mn1.49Cu0.01O4‐δのCu置換リチウム複合酸化物1を得た。
その密閉容器を、150℃の恒温器にいれ、保持時間を15時間とし、撥水材料の被覆層を備えた電極活物質を製造した。
参考例1として、上記Cu置換リチウム複合酸化物1であって、撥水性材料で被覆しない電極活物質を用いた。
実施例1及び参考例1のリチウム複合酸化物を、リチウムイオン二次電池の正極として用いたコイン型のリチウムイオン二次電池を製造した。
上記の方法で得られたリチウム複合酸化物(正極活物質)と導電材(デンカブラック)とバインダー(ポリフッ化ビニリデン)とを、正極活物質:導電材:バインダー=90:5:5(質量比)の組成となるように加えて混練することにより、ペースト状(粘度;5.12Pa・s)の正極合剤を調製した。正極合剤の調製時には、N−メチル−2−ピロリドンを有機溶媒として用いた。
得られた正極合剤を、集電体となる厚さ20μmのAl箔に塗布して150℃で8時間真空乾燥を行い、正極を得た。この正極の電極面積は1.65cm2とした。
つまり、正極1は、リチウム複合酸化物よりなる正極活物質1bがアルミ箔よりなる集電体1aの表面に一体に形成されている。
負極2は、リチウム金属よりなる負極活物質2bが負極集電体2aの表面に一体に形成されている。
電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを質量比で7:3になるように混合した有機溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lの濃度となるように添加した非水溶媒電解液3を用いた。
以上により、本実施例のコイン型のリチウムイオン二次電池が製造された。
≪初期放電容量≫
実施例1、参考例1の初期放電容量は下記表1に示すとおりである。
実施例1と参考例1について、100回のサイクル試験にて寿命評価を実施した。その結果を図2に示す。
図2に示すとおり、実施例1は参考例1よりも優れた容量維持率を示した。
Claims (5)
- 電極活物質の表面に撥水材料の被覆層を備えたことを特徴とする電極。
- 前記撥水性材料がフッ素系材料である請求項1に記載の電極。
- 前記電極活物質が、スピネル構造または層状岩塩構造を有し、化学組成を示す一般式がLiNiaMn2−aO4−bFb(0<a≦0.6、0≦b≦1)で示されるリチウム複合酸化物を有する、請求項1又は2に記載の電極。
- 前記電極活物質が、スピネル構造または層状岩塩構造を有し、化学組成を示す一般式が下記式(1)で示されるリチウム複合酸化物を有する、請求項1又は2に記載の電極。
LiNia−xMn2−a−yMx+yO4−bFb ・・・(1)
[一般式(1)中、0<a≦0.6、0≦b≦1、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、a−x>0.4、2−a−y>1.4である。但し、x及びyがともに0の場合を除く。Mは、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zu、Snからなる群より選択される1種以上の金属元素である。] - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極を有する二次電池。
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