JP2017179430A - 金鉱石の前処理方法及び、金鉱石からの金の回収方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかるに、この並流方式を用いて金鉱石を焙焼した場合、その後の湿式処理での金の浸出率を、所期したほどに大きく高めることができないことが解かった。それ故に、湿式処理の前処理として行うロータリーキルンを用いた非酸化焙焼は、金の回収率の更なる向上の点で改善の余地があった。
前記加熱ゾーンでの不活性ガスの平均流速は、0.01m/s以上にすることが好ましい。
このガス排出パイプは、前記ガス回収口から加熱ゾーンを通って当該加熱ゾーンより金鉱石の進行方向の前方側に延びるように、ロータリーキルンの内部に配置することができる。
また金鉱石は、ロータリーキルンに投入する間に、150℃〜400℃に予熱することが好適である。
この発明の一の実施形態に係る金鉱石の前処理方法は、黄鉄鉱を含有する金鉱石中の金を湿式処理により回収するに先立ち、金鉱石を不活性雰囲気下で加熱し、当該金鉱石中の黄鉄鉱を、硫化鉄(FeS)と単体硫黄(S2)とに熱分解する工程(前処理工程)を含み、この前処理工程で、内部に、金鉱石を通過させつつ加熱する加熱ゾーンを有するロータリーキルンを用いることとし、ロータリーキルンの加熱ゾーンで、金鉱石に接触させる不活性ガスの流れを、当該金鉱石の進行方向とは逆向きの向流にする。
この発明では、黄鉄鉱を含有する金鉱石を対象とする。黄鉄鉱は難溶性で金の浸出率が低いところ、この発明は、このような黄鉄鉱を含有する金鉱石に対し、浸出に先立って前処理を施すことにより、当該金鉱石中の金の浸出率を高めることを目的とするものである。
但し、たとえば鉱石中の金の濃度の大小等の金鉱石のその他の要件は問わない。この発明の処理対象となる金鉱石は、浮遊選鉱や比重選別といった慣用の選鉱処理を経たものとすることもできる。粉砕摩鉱して鉱石の粒径を小さくし、金浸出液が鉱石内部の金に接触しやすいようにすることもできる。金鉱石中の金濃度は典型的には0.1〜100質量ppm程度であり、より典型的には1〜20質量ppm程度である。
前処理工程では、上記の金鉱石を、不活性雰囲気下で、たとえば450℃以上に加熱し、当該金鉱石中の黄鉄鉱を硫化鉄(II)及び単体硫黄に熱分解する。このときの化学反応は、次式:2FeS2→2FeS+S2で表される。理論的には酸化硫黄は発生しない。当該熱分解を経た後の金鉱石は、黄鉄鉱が可溶性の硫化鉄(II)に変換されていることから、後述する金浸出液に対する溶解性が格段に向上する。熱分解を経ない場合に比べて、金の浸出率が約10倍も上昇することがある。
この加熱ゾーン2で、金鉱石は、好ましくは700℃以上に加熱されて、上記の化学反応式に基き、黄鉄鉱が硫化鉄(II)に変換される。
より具体的には、図1に示すところでは、不活性ガスは、加熱ゾーン2より金鉱石の進行方向Dmの前方側(図1では右側)に設けたガス導入口4から、ロータリーキルン1の内部に導入され、図1に矢印で示すガス流れ方向Dgに沿って、加熱ゾーン2を通過した後、加熱ゾーン2より金鉱石の進行方向Dmの後方側(図1では左側)に設けたガス回収口5から回収されて排出される。つまり、不活性ガスのガス流れ方向Dgを、金鉱石の進行方向Dmとは逆向きとし、このような金鉱石の移動方向とは逆向きの不活性ガスの流れを、ここでは向流という。
これに対し、この発明では、不活性ガスのガス流れ方向Dgを、金鉱石の進行方向Dmとは逆向きの向流方式を採用することにより、排鉱部3での硫黄分圧が低下するので、排鉱部3で温度が低下しても逆反応が防止されて、二硫化鉄を硫化鉄(II)に有効に変換することができる。その結果として、後述するその後の湿式処理にて金の浸出率を向上させることができる。
予熱温度の好ましい上限値が400℃である理由は、ロータリーキルン1に鉱石を挿入した際の使用済ガスとの熱交換による鉱石温度の上昇を考慮した上で、焙焼反応を有効に進行させるためである。一方、予熱温度の好ましい下限値が150℃である理由は、硫黄の蒸気圧を考慮してガス回収口5の温度を所定の温度以上とし、硫黄をガス形態で存在させるためである。
図3に示すガス排出パイプ6aは、加熱ゾーン2より金鉱石の進行方向Dmの後方側にガス回収口5を備え、当該ガス回収口5から回収した使用済ガスを加熱ゾーン2で外部の使用済ガス処理装置等へ送るべく、途中で折れ曲がる管形状を有する。
したがって、ガス抜出パイプ6a、6bを挿入する場合は、キルン炉内の445℃以上の場所から使用済ガスを抜き出すことで、鉱石を先述したように予熱しなくても硫黄の凝縮を防止できる。
またこの場合、硫黄の凝縮温度である445℃以上となる加熱ゾーン2の位置に、ガス回収口5を配置することにより、先述したような硫黄成分の凝縮による問題は生じない。
但し、金鉱石の温度を過剰に高くすると昇温に必要なエネルギーと処理時間が大きくなるおそれがあるので、保持温度は800℃以下とすることが好ましい。同様の観点から、保持温度を維持する時間は120分以下とすることが好ましく、60分以下とすることがより好ましい。
金浸出工程では、前処理工程後の金鉱石を、たとえば、ハロゲン化物イオンとしての塩化物イオン及び臭化物イオン、鉄イオン並びに銅イオンを含有する金浸出液に酸化剤の供給下で接触させて、当該金鉱石中の金成分を浸出させる。
臭化物イオンは、たとえば臭化銅(臭化第一銅、臭化第二銅)、臭化鉄(臭化第一鉄、臭化第二鉄)、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム)の臭化物、アルカリ土類金属(ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム)の臭化物等の臭化金属の形態で供給することが好ましい。
銅イオン及び鉄イオンは通常、これらの塩の形態で供給し、たとえばハロゲン化塩の形態で供給することができる。
脱鉄処理で得られた浸出残渣を、上述した金の浸出に供することで、金の浸出率を高めることができる。
金の浸出反応後、固液分離することによって得られた金溶解液から、活性炭吸着により金を回収する金回収工程を実施する。金の活性炭への接触はバッチ回分式もしくは活性炭を充填した吸着塔に酸性浸出液を連続通液することで行ってもよい。
バッチ式の場合、攪拌速度は指定されない。添加の活性炭量は金重量の50倍〜10000倍となるように添加する。連続通液法式では特に通液速度は限定されない(一般的にはSV1〜25)が活性炭の単位重量あたりの金吸着量が20000〜30000g/tとなった時点で、活性炭は要求能力を満たさなくなる。そのため活性炭からの金のストリップや再生はこの吸着量を目安に行う。活性炭の再生方法は一般的に知られる硫黄化合物や窒素化合物、もしくは酸により行われ、特に限定されない。
またここで、表1中の変換率は、焙焼鉱品位と浸出残渣品位のそれぞれから概略値を算出し、二硫化鉄のどの程度が硫化鉄(II)に変換されたかを示す指標として、参考までに載せたものである。
2 加熱ゾーン
3 排鉱部
4 ガス導入口
5 ガス回収口
6a、6b ガス排出パイプ
Dm 金鉱石の進行方向
Dg 不活性ガスの流れ方向
Claims (10)
- 黄鉄鉱を含有する金鉱石中の金を湿式処理により回収するに先立って行う前処理方法であって、金鉱石を不活性雰囲気下で加熱し、当該金鉱石中の黄鉄鉱を、硫化鉄(II)と単体硫黄とに熱分解するに当り、
金鉱石を通過させつつ加熱する加熱ゾーンを有するロータリーキルンを用い、前記ロータリーキルンの加熱ゾーンで、金鉱石に接触させる不活性ガスの流れを、当該金鉱石の進行方向とは逆向きの向流にする、金鉱石の前処理方法。 - 前記不活性ガスを流すことにより、ロータリーキルン内のガスの、前記進行方向と同じ向きの流れを発生させずに、金鉱石を加熱する、請求項1に記載の金鉱石の前処理方法。
- 前記加熱ゾーンでの不活性ガスの平均流速を、0.01m/s以上にする、請求項2に記載の金鉱石の前処理方法。
- ロータリーキルンが、前記加熱ゾーンより金鉱石の進行方向の前方側に、不活性ガスを導入するガス導入口を有するとともに、前記加熱ゾーンより金鉱石の進行方向の後方側に、加熱ゾーンを通過した使用済ガスを回収するガス回収口を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金鉱石の前処理方法。
- ロータリーキルンが、前記ガス回収口から回収した使用済ガスを、使用済ガス処理装置へと送るガス排出パイプを備える、請求項4に記載の金鉱石の前処理方法。
- 前記ガス排出パイプが、前記ガス回収口から加熱ゾーンを通って当該加熱ゾーンより金鉱石の進行方向の前方側に延びるように、当該ガス排出パイプをロータリーキルンの内部に配置する、請求項5に記載の金鉱石の前処理方法。
- 前記ガス回収口における使用済ガスの温度を、445℃以上に維持させる、請求項4〜6のいずれか一項に記載の金鉱石の前処理方法。
- 金鉱石を、ロータリーキルンに投入する間に、150℃〜400℃に予熱する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の金鉱石の前処理方法。
- 加熱ゾーンで金鉱石を700℃以上に加熱する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の金鉱石の前処理方法。
- 黄鉄鉱を含有する金鉱石から金を回収する方法であって、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の前処理方法により処理された金鉱石を、ハロゲン化物イオン、鉄イオン及び銅イオンを含む金浸出液に、酸化剤の供給下で接触させて、当該金鉱石中の金成分を浸出させ、それにより得られた金浸出後液中の金を活性炭に吸着させる、金鉱石からの金の回収方法。
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