JP2017179478A - オーステナイト系耐熱合金部材およびその製造方法 - Google Patents

オーステナイト系耐熱合金部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大型の構造部材として十分な機械的特性を有するオーステナイト系耐熱合金部材およびその製造方法を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.02%超〜0.15%、Si≦2.0%、Mn≦3.0%、P≦0.030%、S≦0.010%、Cr:28.0〜38.0%、Ni:40.0%超〜60.0%、W:3.0%超〜15.0%、Ti:0.05〜1.0%、Zr:0.005〜0.2%、Al:0.01〜0.3%、N≦0.02%、Mo<0.50%、B≦0.005%、Co:0〜20.0%、残部:Feおよび不純物である化学組成を有する鋼塊又は鋳片に熱間加工が施された合金部材であって、合金部材の長手方向と垂直な断面において、中心部から外面部までの長さが40mm以上であり、外面部のオーステナイト結晶粒度番号が-2.0〜4.0であり、Cr析出量が[CrPB/CrPS≦10.0]を満足し、常温で[YSS/YSB≦1.5]および[TSS/TSB≦1.2]を満足し、中心部の長手方向の700℃、10,000時間クリープ破断強度が130MPa以上である、オーステナイト系耐熱合金部材。【選択図】 なし

Description

本発明は、オーステナイト系耐熱合金部材およびその製造方法に係り、特に、クリープ破断強度に優れるオーステナイト系耐熱合金部材およびその製造方法に関する。
従来、高温環境下で使用されるボイラおよび化学プラント等においては、装置用材料としてSUS304H、SUS316H、SUS321H、SUS347H等の18−8系オーステナイトステンレス鋼が使用されてきた。
しかし、近年、高効率化のために蒸気の温度と圧力とを高めた超々臨界圧ボイラの新設が世界中で進められている。このような高温環境下における装置の使用条件が著しく過酷化し、それに伴って使用材料に対する要求性能が厳しくなってきた。そして、従来用いられてきた18−8系オーステナイトステンレス鋼では耐食性に加え、高温強度、特にクリープ破断強度が著しく不足する状況となっている。
そこで、各種合金元素を最適量含有させることにより、クリープ破断強度を改善したオーステナイト系ステンレス鋼が発明されてきた。しかしながら、最近、例えば火力発電用ボイラの分野では、蒸気温度を700℃以上に高める計画が推進されるようになってきた。この場合、使用される部材の温度は700℃を遙かに超えることとなる。そのため、新たに改良されたオーステナイト系ステンレス鋼でもクリープ破断強度および耐食性が不十分となってきた。
上記の厳しい要求に対して、特許文献1には優れたクリープ破断強度と熱間加工性とを有するオーステナイト系耐熱合金が開示されている。
国際公開第2009/154161号
ところで、ボイラおよび化学プラント等の装置用材料のような大型の構造部材は、熱間圧延または熱間鍛造後、冷間加工を施さずに最終熱処理を実施して使用されるため、結晶粒径が比較的大きい。そのため、通常、材料の仕様として規定される常温における0.2%耐力および引張強さが、冷間加工後に最終熱処理を施したものより低くなるという問題がある。
加えて、大型の構造部材では、熱処理時の冷却速度が部位により大きく異なるため、高温での使用時に析出物として強化に寄与する固溶元素の量が部位により異なる。そのことに起因して、クリープ破断強度のばらつきが生じるといった問題もある。そのため、特許文献1に記載の鋼を、大型の構造部材に適用するのは困難である。
本発明は上記の問題を解決し、大型の構造部材として十分な常温での0.2%耐力および引張強さ、ならびに、高温でのクリープ破断強度を発現するオーステナイト系耐熱合金部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のオーステナイト系耐熱合金部材およびその製造方法を要旨とする。
(1)質量%で、
C:0.02%を超えて0.15%以下、
Si:2.0%以下、
Mn:3.0%以下、
P:0.030%以下、
S:0.010%以下、
Cr:28.0〜38.0%、
Ni:40.0%を超えて60.0%以下、
W:3.0%を超えて15.0%以下、
Ti:0.05〜1.0%、
Zr:0.005〜0.2%、
Al:0.01〜0.3%、
N:0.02%以下、
Mo:0.50%未満、
B:0.005%以下、
Co:0〜20.0%、
残部:Feおよび不純物
である化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工が施された合金部材であって、
前記合金部材の長手方向と垂直な断面において、中心部から外面部までの長さが40mm以上であり、
前記外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号が−2.0〜4.0であり、
抽出残渣分析によって得られるCr析出量が下記(i)式を満足し、
常温での機械的特性が下記(ii)式および(iii)式を満足し、
前記中心部における前記長手方向の700℃における10,000時間クリープ破断強度が130MPa以上である、オーステナイト系耐熱合金部材。
CrPB/CrPS≦10.0 ・・・(i)
YS/YS≦1.5 ・・・(ii)
TS/TS≦1.2 ・・・(iii)
但し、上記式中の各記号の意味は以下のとおりである。
CrPB:中心部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
CrPS:外面部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
YS:中心部における0.2%耐力
YS:外面部における0.2%耐力
TS:中心部における引張強さ
TS:外面部における引張強さ
(2)前記鋼塊または鋳片の化学組成が、質量%で、さらに下記の<1>〜<3>のグループから選択される1以上のグループに属する1種以上の元素を含有する、上記(1)に記載のオーステナイト系耐熱合金。
<1>Nb:1.0%以下、V:1.5%以下およびHf:1.0%以下
<2>Mg:0.050%以下、Ca:0.050%以下およびREM:0.50%以下
<3>Ta:8.0%以下、Re:8.0%以下、Ir:5.0%以下、Pd:5.0%以下、Pt:5.0%以下およびAg:5.0%以下
(3)上記(1)または(2)に記載の化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工を施す工程と、
その後、1100〜1250℃の範囲の熱処理温度T(℃)まで加熱し、1150D/T〜1500D/T(min)保持した後、水冷する熱処理を施す工程とを備える、オーステナイト系耐熱合金部材の製造方法。
但し、Dは、合金部材の長手方向と垂直な断面における、当該断面の外縁上の任意の点と該外縁上の他の任意の点との直線距離の最大値(mm)である。
(4)前記熱間鍛造を施す工程において、熱間鍛造の長手方向と略垂直な方向に鍛造を1回以上施す、上記(3)に記載のオーステナイト系耐熱合金部材の製造方法。
本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、部位による機械的性質のばらつきが少なく、また、高温でのクリープ破断強度に優れる。そのため、本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、高温環境下で使用されるボイラおよび化学プラント等の大型構造部材として好適に用いることができる。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
1.化学組成
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.02%を超えて0.15%以下
Cは、炭化物を形成して高温環境下で使用される際に必要となる引張強さおよびクリープ破断強度を確保する作用を有する。この効果を発揮させるためには、0.02%を超える量のCを含有させる必要がある。しかしながら、C含有量が0.15%を超えると、固溶化熱処理後の未固溶炭化物の量が増加するだけで、高温強度の向上に寄与しなくなり、さらに、靱性など他の機械的性質および溶接性も劣化させる。したがって、C含有量は0.02%を超えて0.15%以下とする。Cは、0.03%を超えて含有させるのが好ましく、0.05%を超えて含有させるのがより好ましい。また、C含有量は0.13%以下であるのが好ましく、0.12%以下であるのがより好ましい。
Si:2.0%以下
Siは、脱酸元素として含有される。また、Siは、耐酸化性、耐水蒸気酸化性等を高めるためにも有効な元素である。しかしながら、Si含有量が高くなって、特に、2.0%を超えると、σ相等の金属間化合物の生成を促進するので、高温における組織の安定性が劣化して靱性および延性の低下を招く。さらに、溶接性および熱間加工性も低下する。したがって、Si含有量は2.0%以下とする。靱性および延性が重視される場合には、Si含有量は1.0%以下にすることが好ましい。なお、他の元素で脱酸作用が十分確保されている場合、特にSi含有量について下限を設ける必要はない。しかし、脱酸作用、耐酸化性、耐水蒸気酸化性等を重視する場合は、Si含有量は0.05%以上とするのが好ましく、0.1%以上とするのがより好ましい。
Mn:3.0%以下
Mnは、Siと同様に脱酸作用を有するとともに、合金中に不可避的に含有されるSを硫化物として固定して熱間加工性を改善する作用を有する。しかしながら、Mn含有量が3.0%を超えると、σ相等の金属間化合物の析出を助長するので、組織安定性および高温強度などの機械的性質が劣化する。したがって、Mn含有量は3.0%以下とする。Mn含有量は2.0%以下であるのが好ましく、1.5%以下であるのがより好ましい。なお、Mn含有量について下限を設ける必要はないが、熱間加工性改善作用を重視する場合、Mn含有量は0.1%以上とするのが好ましく、0.2%以上とするのがより好ましい。
P:0.030%以下
Pは、不純物として合金中に不可避的に混入し、熱間加工性を著しく低下させる。したがって、P含有量を0.030%以下とする。P含有量は極力低くすることがよく、0.020%以下とするのが好ましく、0.015%以下とするのがより好ましい。
S:0.010%以下
Sは、Pと同様に不純物として合金中に不可避的に混入し、熱間加工性を著しく低下させる。したがって、S含有量を0.010%以下とする。なお、良好な熱間加工性を確保したい場合には、S含有量は0.005%以下とするのが好ましく、0.003%以下とするのがより好ましい。
Cr:28.0〜38.0%
Crは、耐酸化性、耐水蒸気酸化性、耐高温腐食性などの耐食性改善作用を有する。さらに、Crは、α−Cr相として析出してクリープ破断強度を高めるため、本発明においては必須の元素である。しかしながら、その含有量が28.0%未満では、これらの効果が得られない。一方、Cr含有量が多くなって、特に、38.0%を超えると、熱間加工性が劣化し、さらに、σ相の析出などによる組織の不安定化を招く。したがって、Cr含有量は28.0〜38.0%とする。なお、30.0%を超える量のCrを含有させることが好ましい。
Ni:40.0%を超えて60.0%以下
Niは、安定なオーステナイト組織を確保するために必須の元素である。28.0〜38.0%のCrを含有する本発明において、σ相の析出を抑制するとともにα−Cr相を安定に析出させるためには、40.0%を超える量のNiを含有させる必要がある。しかしながら、Ni含有量が過剰になって、特に、60.0%を超えると、Crの含有量によってはα−Cr相が十分に析出せず、さらに、経済性も損なわれる。したがって、Ni含有量は40.0%を超えて60.0%以下とする。
W:3.0%を超えて15.0%以下
Wは、マトリックスに固溶して固溶強化元素としてクリープ破断強度の向上に寄与するばかりでなく、FeW型のLaves相またはFe型のμ相として析出し、クリープ破断強度を大幅に向上させる極めて重要な元素である。さらに、Wは、28.0〜38.0%のCrを含有する本発明において析出するα−Cr相中に固溶して、高温での長時間使用中のα−Cr相の成長粗大化を抑制し、長時間側でのクリープ破断強度の急激な低下を抑止する作用を有する。しかしながら、W含有量が3.0%以下では、前記した効果が得られない。一方、15.0%を超える量のWを含有させても、前記の効果が飽和してコストが嵩むだけであり、しかも、組織安定性および熱間加工性が劣化する。したがって、W含有量は3.0%を超えて15.0%以下とする。W含有量は13.0%以下とするのが好ましい。なお、クリープ破断強度の向上効果をさらに重視する場合、6.0%を超える量のWを含有させるのが好ましい。
Ti:0.05〜1.0%
Tiは、α−Cr相の析出を促進させてクリープ破断強度を高める重要な元素である。特に、Tiを後述のZrと複合して含有させることで、α−Cr相の析出が一層促進されて、クリープ破断強度をより高めることが可能になる。しかしながら、Ti含有量が0.05%未満では十分な効果が得られず、一方、1.0%を超えると熱間加工性が低下する。したがって、Ti含有量は0.05〜1.0%とする。Ti含有量は0.1%以上とするのが好ましく、0.2%以上とするのがより好ましい。また、Ti含有量は0.9%以下とするのが好ましく、0.5%以下とするのがより好ましい。
Zr:0.005〜0.2%
Zrは、Tiと同様に、α−Cr相の析出を促進させてクリープ破断強度を高める重要な元素である。特に、Zrを上述のTiと複合して含有することで、α−Cr相の析出が一層促進されて、クリープ破断強度をより高めることが可能になる。しかしながら、Zr含有量が0.005%未満では十分な効果が得られず、一方、0.2%を超えると熱間加工性が低下する。したがって、Zr含有量は0.005〜0.2%とする。Zr含有量は0.01%以上であるのが好ましい。また、Zr含有量は0.1%以下であるのが好ましく、0.05%以下であるのがより好ましい。
Al:0.01〜0.3%
Alは、脱酸作用を有する元素であり、その効果を発揮するには0.01%以上の含有量が必要である。なお、Alを多量に含有させることによって、γ’相が析出してクリープ破断強度を高めることができるが、本発明においては、適正量のW、TiおよびZrを含有させ、α−Cr相とLaves相等による複合析出強化でクリープ破断強度を飛躍的に高めることができるため、γ’相による強化は不要である。しかも、Al含有量が0.3%を超えると、熱間加工性、延性および靱性が劣化することがある。そのため、Al含有量を0.01〜0.3%とする。
N:0.02%以下
前述のように、本発明においては、α−Cr相の析出促進のためにZrおよびTiを必須の元素として含有させている。通常の溶解法では不可避的に含まれる元素であるNは、ZrNおよびTiNを形成し、ZrおよびTiを消費してしまう。このことを避けるためには、N含有量は極力低減する必要がある。しかしながら、N含有量の極端な低減は、特殊溶解法の適用または高純度原料の使用を必要とし経済性を損なう。したがって、N含有量は0.02%以下とする。なお、N含有量は0.015%以下であるのが好ましい。
Mo:0.50%未満
従来、Moは、マトリックスに固溶して、固溶強化元素としてクリープ破断強度の向上に寄与する元素として、Wと同等の作用を有する元素と考えられてきた。しかしながら、本発明者らの検討によって、前述した量のWとCrとを含む合金にMoが複合して含まれている場合には、長時間使用した際にσ相が析出することがあり、このため、クリープ破断強度、延性および靱性の低下をきたすことがあることが判明した。このため、Mo含有量は極力低くすることが望ましく、0.50%未満とする。なお、Mo含有量は0.20%未満に制限することがより好ましい。
B:0.005%以下
Bは、B単体で粒界に、または炭窒化物中に存在し、高温での使用中における粒界強化による粒界すべり抑制および炭窒化物の微細分散析出促進によって、高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。しかしながら、B含有量が0.005%を超えると、溶接性が劣化する。したがって、B含有量は0.005%以下とする。
Co:0〜20.0%
Coは、Niと同様にオーステナイト組織を安定にする作用を有するとともに、クリープ破断強度の向上にも寄与する元素であるので、前記の効果を得るためにCoを含有させてもよい。しかしながら、20.0%を超えてCoを含有させても上記の効果が飽和してコストが嵩むばかりであり、しかも、熱間加工性も低下する。したがって、Co含有量は20.0%以下とする。なお、Co含有量は15.0%以下とすることが好ましい。一方、前記したCoのオーステナイト組織を安定にする効果およびクリープ破断強度の向上効果を確実に得るためには、Co含有量を0.05%以上とすることが好ましく、0.5%以上とすることがより好ましい。
本発明のオーステナイト系耐熱合金の化学組成において、残部はFeおよび不純物である。Feは5.0〜20.0%含まれることが好ましい。また、ここで「不純物」とは、合金を工業的に製造する際に、鉱石、スクラップ等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
本発明のオーステナイト系耐熱合金には、さらに、下記の<1>〜<3>のグループから選択される1以上のグループに属する1種以上の元素を含有させてもよい。
<1>Nb:1.0%以下、V:1.5%以下およびHf:1.0%以下
<2>Mg:0.050%以下、Ca:0.050%以下およびREM:0.50%以下
<3>Ta:8.0%以下、Re:8.0%以下、Ir:5.0%以下、Pd:5.0%以下、Pt:5.0%以下およびAg:5.0%以下
<1>のグループの元素であるNb、VおよびHfは、いずれも高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。このため、より大きな高温強度およびクリープ破断強度を得たい場合には、これらの元素の1種以上を以下の範囲で積極的に含有させてもよい。
Nb:1.0%以下
Nbは、炭窒化物を形成して高温強度およびクリープ破断強度を向上させるとともに結晶粒を微細化して延性を向上させる作用を有する。このため、これらの効果を得るためにNbを含有させてもよい。しかしながら、Nb含有量が1.0%を超えると、熱間加工性および靱性が低下する。したがって、含有させる場合のNbの量は1.0%以下とする。Nb含有量は0.9%以下とするのがより好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Nb含有量は0.05%以上とするのが好ましく、0.1%以上とするのがより好ましい。
V:1.5%以下
Vは、炭窒化物を形成して高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。このため、これらの効果を得るためにVを含有させてもよい。しかしながら、V含有量が1.5%を超えると、耐高温腐食性が低下し、さらに脆化相の析出に起因した延性および靱性の劣化をきたす。したがって、含有させる場合のVの量は1.5%以下とする。V含有量は1.2%以下とするのがより好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、V含有量は0.02%以上とするのが好ましく、0.04%以上とするのがより好ましい。
Hf:1.0%以下
Hfは、炭窒化物として析出強化に寄与し高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有するので、これらの効果を得るためにHfを含有させてもよい。しかしながら、Hf含有量が1.0%を超えると、加工性および溶接性が損なわれる。したがって、含有させる場合のHfの量は1.0%以下とする。Hf含有量は0.8%以下とするのがより好ましく、0.5%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Hf含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.02%以上とするのがより好ましい。
上記のNb、VおよびHfの合計含有量は3.5%以下であってもよいが、2.7%以下であることがより好ましい。
<2>のグループの元素であるMg、CaおよびREMは、いずれもSを硫化物として固定して熱間加工性を向上させる作用を有する。このため、より良好な熱間加工性を得たい場合には、これらの元素の1種以上を以下の範囲で積極的に含有させてもよい。
Mg:0.050%以下
Mgは、合金中に不可避的に含有されるSを硫化物として固定して熱間加工性を改善する作用を有するので、この効果を得るためにMgを含有させてもよい。しかしながら、Mg含有量が0.050%を超えると、清浄性が低下し、かえって熱間加工性および延性が損なわれる。したがって、含有させる場合のMgの量は0.050%以下とする。Mg含有量は0.020%以下とするのがより好ましく、0.010%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Mg含有量は0.0005%以上とするのが好ましく、0.001%以上とするのがより好ましい。
Ca:0.050%以下
Caは、熱間加工性を阻害するSを硫化物として固定して熱間加工性を改善する作用を有するので、この効果を得るためにCaを含有させてもよい。しかしながら、Ca含有量が0.050%を超えると、清浄性が低下し、かえって熱間加工性および延性が損なわれる。したがって、含有させる場合のCaの量は0.050%以下とする。Ca含有量は0.020%以下とするのがより好ましく、0.010%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Ca含有量は0.0005%以上とするのが好ましく、0.001%以上とするのがより好ましい。
REM:0.50%以下
REMは、Sを硫化物として固定して熱間加工性を改善する作用を有する。また、REMには、鋼表面のCr保護皮膜の密着性を改善し、特に、繰り返し酸化時の耐酸化性を改善する作用、さらには、粒界強化に寄与して、クリープ破断強度およびクリープ破断延性を向上させる作用もある。しかしながら、REM含有量が0.50%を超えると、酸化物などの介在物が多くなり加工性および溶接性が損なわれる。したがって、含有させる場合のREMの量は0.50%以下とする。REM含有量は0.30%以下とするのがより好ましく、0.15%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、REM含有量は0.0005%以上とするのが好ましく、0.001%以上とするのがより好ましく、0.002%以上とするのがさらに好ましい。
なお、REMは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素を指し、前記REMの含有量はこれらの元素の合計含有量を意味する。
上記のMg、CaおよびREMの合計含有量は0.6%以下であってもよいが、0.4%以下であることがより好ましく、0.2%以下であることがさらに好ましい。
<3>のグループの元素であるTa、Re、Ir、Pd、PtおよびAgは、いずれもマトリックスであるオーステナイトに固溶して固溶強化作用を有する。このため、固溶強化作用よって、一層高い高温強度およびクリープ破断強度を得たい場合には、これらの元素の1種以上を以下の範囲で積極的に含有させてもよい。
Ta:8.0%以下
Taは、マトリックスであるオーステナイトに固溶するとともに、炭窒化物を形成して、高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。このため、これらの効果を得るためにTaを含有させてもよい。しかしながら、Ta含有量が8.0%を超えると、加工性および機械的性質が損なわれる。したがって、含有させる場合のTaの量は8.0%以下とする。Ta含有量は7.0%以下とするのがより好ましく、6.0%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Ta含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.1%以上とするのがより好ましく、0.5%以上とするのがさらに好ましい。
Re:8.0%以下
Reは、マトリックスであるオーステナイトに固溶して、高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有するので、これらの効果を得るためにReを含有させてもよい。しかしながら、Re含有量が8.0%を超えると、加工性および機械的性質が損なわれる。したがって、含有させる場合のReの量は8.0%以下とする。Re含有量は7.0%以下とするのがより好ましく、6.0%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Re含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.1%以上とするのがより好ましく、0.5%以上とするのがさらに好ましい。
Ir:5.0%以下
Irは、マトリックスであるオーステナイトに固溶するとともに、含有量に応じて一部は微細な金属間化合物を形成して、高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。このため、これらの効果を得るためにIrを含有させてもよい。しかしながら、Ir含有量が5.0%を超えると、加工性および機械的性質が損なわれる。したがって、含有させる場合のIrの量は5.0%以下とする。Ir含有量は4.0%以下とするのがより好ましく、3.0%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Ir含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.05%以上とするのがより好ましく、0.1%以上とするのがさらに好ましい。
Pd:5.0%以下
Pdは、マトリックスであるオーステナイトに固溶するとともに、含有量に応じて一部は微細な金属間化合物を形成して、高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。このため、これらの効果を得るためにPdを含有させてもよい。しかしながら、Pd含有量が5.0%を超えると、加工性および機械的性質が損なわれる。したがって、含有させる場合のPdの量は5.0%以下とする。Pd含有量は4.0%以下とするのがより好ましく、3.0%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Pd含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.05%以上とするのがより好ましく、0.1%以上とするのがさらに好ましい。
Pt:5.0%以下
Ptも、マトリックスであるオーステナイトに固溶するとともに、含有量に応じて一部は微細な金属間化合物を形成して、高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有するので、これらの効果を得るためにPtを含有させてもよい。しかしながら、Pt含有量が5.0%を超えると、加工性および機械的性質が損なわれる。したがって、含有させる場合のPtの量は5.0%以下とする。Pt含有量は4.0%以下とするのがより好ましく、3.0%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Pt含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.05%以上とするのがより好ましく、0.1%以上とするのがさらに好ましい。
Ag:5.0%以下
Agは、マトリックスであるオーステナイトに固溶するとともに、含有量に応じて一部は微細な金属間化合物を形成して、高温強度およびクリープ破断強度を向上させる作用を有する。このため、これらの効果を得るためにAgを含有させてもよい。しかしながら、Agの含有量が5.0%を超えると、加工性および機械的性質が損なわれる。したがって、含有させる場合のAgの量は5.0%以下とする。Ag含有量は4.0%以下とするのがより好ましく、3.0%以下とするのがさらに好ましい。一方、上記の効果を確実に得るためには、Ag含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.05%以上とするのがより好ましく、0.1%以上とするのがさらに好ましい。
上記のTa、Re、Ir、Pd、PtおよびAgはの合計含有量は10.0%以下であるのが好ましく、5.0%以下であるのがより好ましい。
2.結晶粒度
外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号:−2.0〜4.0
外面部におけるオーステナイト結晶粒度が粗すぎると、常温での0.2%耐力および引張強さが低くなり、一方、細かすぎると、高温における高いクリープ破断強度を保持することができなくなる。したがって、外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号は−2.0〜4.0とする。なお、オーステナイト系耐熱合金部材の製造工程において、熱間加工後の熱処理温度および保持時間ならびに冷却方法を適切に調整することで、最終熱処理後の外面部の結晶粒度番号を上記の範囲とすることができる。
3.寸法
中心部から外面部までの長さ:40mm以上
上述のように、大型の構造部材では、常温における0.2%耐力および引張強さが低くなることに加えて、部位によってクリープ破断強度のばらつきが生じるという問題もある。しかしながら、本発明に係るオーステナイト系耐熱合金部材は、大型の構造部材として十分な常温での0.2%耐力および引張強さ、ならびに、高温でのクリープ破断強度を発現する。すなわち、本発明の効果は、厚肉の合金部材に対して顕著に発揮される。したがって、本発明のオーステナイト系耐熱合金部材においては、長手方向と垂直な断面において、中心部から外面部までの長さを40mm以上とする。
なお、本発明に係る合金部材は、鋼塊または連続鋳造等によって得られた鋳片に、熱間鍛造または熱間圧延等の熱間加工が施されたものである。そして、合金部材の長手方向とは、鋼塊を用いる場合は、鋼塊のトップ部とボトム部とを結ぶ方向を指し、鋳片を用いる場合は、長さ方向を指す。
4.抽出残渣分析によって得られるCr析出量
CrPB/CrPS≦10.0 ・・・(i)
但し、(i)式中の各記号の意味は以下のとおりである。
CrPB:中心部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
CrPS:外面部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
合金部材の製造工程において、熱間加工後の熱処理を施した後の結晶粒界または粒内には未固溶のCrの析出物(主として、炭化物)が生じる。特に、合金部材の中心部では外面部と比べて冷却速度が遅くなるため、析出物の量が増す傾向にある。そのため、合金部材の外面部に対して中心部でのCr析出量が多くなり、CrPB/CrPSの値が10.0を超えると高温における高いクリープ破断強度を保持することができなくなる。一方、CrPB/CrPSの下限値は定める必要はないが、中心部が外面部よりも析出物の量が増す傾向にあることから1.0以上とすることが好ましい。
なお、抽出残渣分析によって得られるCr析出量は、合金部材中に未固溶のCr析出物として含まれるCrの含有量(質量%)をいい、上記合金部材を電解して抽出残渣を得て、この抽出残渣を定量分析することにより求めることができる。また、合金部材の中心部と外面部とのそれぞれにおいて、Cr析出量を測定することによって、CrPB/CrPSの値を求める。
5.機械的性質
YS/YS≦1.5 ・・・(ii)
TS/TS≦1.2 ・・・(iii)
但し、上記式中の各記号の意味は以下のとおりである。
YS:中心部における0.2%耐力
YS:外面部における0.2%耐力
TS:中心部における引張強さ
TS:外面部における引張強さ
大型の構造部材では、熱処理時の冷却速度が部位により異なることに起因して、部位ごとの機械的性質に大きなばらつきが生じる傾向にある。大型構造部材において、その中心部と外面部とで、常温での0.2%耐力および引張強さが大きく異なると、部位によって仕様を満たさないという問題が生じる。したがって、本発明に係るオーステナイト系耐熱合金部材は、常温での機械的特性が上記の(ii)式および(iii)式を満足するものとする。なお、それぞれ下限値は定める必要はないが、中心部の機械特性の方が外面部の機械特性よりも劣る傾向にあることから、(ii)式および(iii)式ともに1.0以上とすることが好ましい。
6.クリープ破断強度
本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、高温環境下で使用するため、高い高温強度、特に、高いクリープ破断強度が求められる。そのため、本発明の合金部材は、その中心部において、長手方向の700℃における10,000時間クリープ破断強度が130MPa以上である必要がある。
7.製造方法
本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、上述の化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工を施すことによって製造される。なお、上記の熱間加工工程においては、合金部材の最終形状における長手方向が、素材となる鋼塊または鋳片の長手方向と一致するように処理が施される。熱間加工は、長手方向のみに行ってもよいが、より高い加工度を与えて、より均質な組織とするため、上記長手方向と略垂直な方向に対して、熱間加工を1回以上施してもよい。また、当該熱間加工の後に、必要に応じて熱間押出等の異なる方法の熱間加工をさらに施してもよい。
本発明のオーステナイト系耐熱合金部材を製造するに際しては、上記の工程の後、部位ごとの金属組織および機械的性質のばらつきを抑制し、高いクリープ破断強度を保持するために、以下に説明する最終熱処理を施す。
まず、熱間加工後の合金部材を、1100〜1250℃の範囲の熱処理温度T(℃)まで加熱し、その範囲内において、1150D/T〜1500D/T(min)保持する。ここで、Dは、例えば、合金部材が円柱状である場合、合金部材の直径(mm)となり、四角柱状である場合、対角の距離(mm)となる。すなわちDは、合金部材の長手方向と垂直な断面における、当該断面の外縁上の任意の点と該外縁上の他の任意の点との直線距離の最大値(mm)である。
上記の熱処理温度が1100℃未満であると、未固溶のクロム炭化物等が増大しクリープ破断強度が低下する。一方、1250℃を超えると、粒界が溶融したり著しく結晶粒が粗大化したりすることによって延性が低下し、クリープ破断強度も低下する。熱処理温度は1150℃以上とするのがより望ましく、1230℃以下とするのがより望ましい。また、上記保持時間が1150D/T(min)未満では、中心部の未固溶クロム炭化物が増大しCrPB/CrPSが本発明で規定する範囲外となる。一方、1500D/T(min)を超えると外面部の結晶粒が粗大化し、オーステナイト結晶粒度番号が本発明で規定する範囲外となる。
加熱保持後は、合金部材を直ちに水冷する。冷却速度が遅くなると、特に合金部材の中心部において結晶粒界または粒内に未固溶Cr析出物が多量に生じ、上記の(i)式を満足しなくなるおそれがあるためである。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有する合金を高周波真空溶解炉で溶製し、外径が550mm、重量が3tの鋼塊とした。
Figure 2017179478
得られた鋼塊を、熱間鍛造によって外径200〜480mmの円柱状に加工し、表2に示す条件で最終熱処理を施し、合金部材試料を得た。なお、合金1、2および4については長手方向の熱間鍛造の後、最終熱処理の前に、長手方向と略垂直な方向に鍛造を行い、その後さらに長手方向に最終の熱間鍛造を行った。
Figure 2017179478
各試料について、外面部から組織観察用の試験片を採取し、長手方向の断面をエメリーペーパーとバフで研磨後、混酸で腐食して光学顕微鏡観察を行った。観察面の結晶粒度番号はJIS G 0551(2013)に規定される交差線分(粒径)による判定方法に従って求めた。
次に、各試料の長手方向と垂直な断面における中心部および外面部から、Cr析出物を測定するための試験片を採取した。上記の試験片の表面積を求めた上でそれぞれ10%アセチルアセトン−1%テトラメチルアンモニウムクロライド−メタノール溶液中で20mA/cmの電解条件で合金部材の母材のみを完全に電解して析出物を残渣として抽出し、この抽出残渣を定量分析することによって未固溶のCr析出物として含まれるCrの含有量(質量%)を測定し、その測定値に基づきCrPB/CrPSの値を求めた。
また、各試料の中心部および外面部から、長手方向に平行に、平行部の長さが40mmの引張試験片を機械加工により切り出し、室温において引張試験を実施し、0.2%耐力および引張強さを求めた。さらに、各試料の中心部から、長手方向に平行に、平行部の長さが30mmのクリープ破断試験片を機械加工により切り出した。そして、700℃、750℃、800℃の大気中においてクリープ破断試験を実施し、Larson-Millerパラメータ法を用いて700℃、10,000時間のクリープ破断強度を求めた。
それらの結果を表3にまとめて示す。
Figure 2017179478
合金AおよびBは、合金1と化学組成がほぼ同等であり、熱間鍛造によって同一の最終形状としたものである。しかしながら、熱処理時の保持時間が本発明で規定する製造条件の範囲外である。そのことに起因にして、合金Aについては外面部の結晶粒度番号が本発明の規定範囲外となり、YS/YSおよびTS/TSの値が本発明の規定範囲外となっており部位により機械特性のばらつきが大きくなる結果となった。また、合金BについてはCrPB/CrPSが高く本発明の規定範囲外であるためにクリープ破断強度も本発明の規定範囲外となっており、合金1と比較して著しく低い結果となった。
合金C、DおよびEは、合金2と化学組成がほぼ同等であり、熱間鍛造によって同一の最終形状としたものである。合金Cは熱処理温度が本発明の規定範囲より低いために、外面部の結晶粒度番号とCrPB/CrPSの値とが本発明で規定する範囲外となっており、合金2と比較してクリープ破断強度が著しく低い結果となった。合金Dは熱処理温度が本発明の規定範囲より高いために、外面部の結晶粒度番号と、YS/YSおよびTS/TSの値とが本発明の規定範囲外となっており、合金2と比較してクリープ破断強度が著しく低い結果となった。また、合金Eは最終熱処理時の冷却方法が水冷ではなく空冷であり、冷却速度が著しく遅かったことに起因して、CrPB/CrPSの値が本発明の規定範囲外となり、その結果、合金2と比較してクリープ破断強度が著しく低くなった。一方、本発明の規定を全て満足する合金1〜4は、機械特性のばらつきも小さく、クリープ破断強度も良好であった。
本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、部位による機械的性質のばらつきが少なく、また、高温でのクリープ破断強度に優れる。そのため、本発明のオーステナイト系耐熱合金部材は、高温環境下で使用されるボイラおよび化学プラント等の大型構造部材として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.02%を超えて0.15%以下、
    Si:2.0%以下、
    Mn:3.0%以下、
    P:0.030%以下、
    S:0.010%以下、
    Cr:28.0〜38.0%、
    Ni:40.0%を超えて60.0%以下、
    W:3.0%を超えて15.0%以下、
    Ti:0.05〜1.0%、
    Zr:0.005〜0.2%、
    Al:0.01〜0.3%、
    N:0.02%以下、
    Mo:0.50%未満、
    B:0.005%以下、
    Co:0〜20.0%、
    残部:Feおよび不純物
    である化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工が施された合金部材であって、
    前記合金部材の長手方向と垂直な断面において、中心部から外面部までの長さが40mm以上であり、
    前記外面部におけるオーステナイト結晶粒度番号が−2.0〜4.0であり、
    抽出残渣分析によって得られるCr析出量が下記(i)式を満足し、
    常温での機械的特性が下記(ii)式および(iii)式を満足し、
    前記中心部における前記長手方向の700℃における10,000時間クリープ破断強度が130MPa以上である、オーステナイト系耐熱合金部材。
    CrPB/CrPS≦10.0 ・・・(i)
    YS/YS≦1.5 ・・・(ii)
    TS/TS≦1.2 ・・・(iii)
    但し、上記式中の各記号の意味は以下のとおりである。
    CrPB:中心部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
    CrPS:外面部において抽出残渣分析によって得られるCr析出量
    YS:中心部における0.2%耐力
    YS:外面部における0.2%耐力
    TS:中心部における引張強さ
    TS:外面部における引張強さ
  2. 前記鋼塊または鋳片の化学組成が、質量%で、さらに下記の<1>〜<3>のグループから選択される1以上のグループに属する1種以上の元素を含有する、請求項1に記載のオーステナイト系耐熱合金。
    <1>Nb:1.0%以下、V:1.5%以下およびHf:1.0%以下
    <2>Mg:0.050%以下、Ca:0.050%以下およびREM:0.50%以下
    <3>Ta:8.0%以下、Re:8.0%以下、Ir:5.0%以下、Pd:5.0%以下、Pt:5.0%以下およびAg:5.0%以下
  3. 請求項1または請求項2に記載の化学組成を有する鋼塊または鋳片に、熱間加工を施す工程と、
    その後、1100〜1250℃の範囲の熱処理温度T(℃)まで加熱し、1150D/T〜1500D/T(min)保持した後、水冷する熱処理を施す工程とを備える、オーステナイト系耐熱合金部材の製造方法。
    但し、Dは、合金部材の長手方向と垂直な断面における、当該断面の外縁上の任意の点と該外縁上の他の任意の点との直線距離の最大値(mm)である。
  4. 前記熱間鍛造を施す工程において、熱間鍛造の長手方向と略垂直な方向に鍛造を1回以上施す、請求項3に記載のオーステナイト系耐熱合金部材の製造方法。

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