以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
本明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も露光に含める。また、露光に用いられる光としては、一般的に、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線または放射線が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルを表す。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算値として定義される。
本明細書において、近赤外線とは、極大吸収波長領域が波長700〜2500nmの光(電磁波)をいう。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
<組成物>
本発明の組成物は、波長700〜2000nmの範囲にバンド間遷移に由来する吸収を有する化合物と、樹脂とを含む。
波長700〜2000nmの範囲にバンド間遷移に由来する吸収を有する化合物は、可視領域の光に対する透過性および近赤外領域の光(近赤外線)に対する遮蔽性が良好である。そして、この化合物を含む本発明の組成物を用いることで、可視領域および近赤外領域の分光特性に優れた膜を製造できる。
以下、本発明の組成物の各成分について説明する。
<<波長700〜2000nmの範囲にバンド間遷移に由来する吸収を有する化合物>>
本発明の組成物は、波長700〜2000nmの範囲にバンド間遷移に由来する吸収を有する化合物(以下、化合物Aともいう)を含有する。
化合物Aは、波長750〜2000nmの範囲にバンド間遷移に由来する吸収を有することが好ましく、波長800〜1800nmの範囲にバンド間遷移に由来する吸収を有することがより好ましい。上述の範囲にバンド間遷移に由来する吸収を有する化合物を用いることで、可視領域および近赤外領域の分光特性に優れた膜を製造しやすい。また、化合物Aは、紫外領域にバンド間遷移に由来する吸収を有さないことが好ましい。また、化合物Aは、無機化合物であることが好ましく、金属結合を有する無機化合物であることが更に好ましい。
ここで、バンド間遷移に由来する吸収を有する化合物とは、電子のバンド構造を有する化合物である。具体例として、価電子帯と、禁制帯と、伝導帯とを有する化合物が挙げられる。このような化合物は、金属結合や共有結合などで無限につながった構造を有し、価電子準位の波動関数が一様に広がっている化合物が挙げられる。このような化合物は、様々な波数空間を有している。
上記化合物は、固体中では、金属結合および共有結合により、電子は1つの原子に留まらずに、いくつかの原子上にまたがって広がっている。このため、原子数だけ電子軌道に重なりが生じてくる。しかし、パウリの排他律により、同じ電子軌道には、二つの電子しか入ることができないため、重なりあった電子軌道は同じ軌道に入らないようにエネルギー準位を調整しなければならない。そのため、とり得るエネルギーに幅が生じる。この幅をバンドと定義され、伝導帯と価電子帯との間の禁制帯は、バンドギャップと定義される。
なお、近赤外線吸収剤の一つに、有機色素があるが、一般的に、有機色素は上記化合物とは異なり無限につながった結合を有していない。有機色素は、分子間の相互作用がファンデルワールス力で比較的ゆるく結合してなる化合物である。このような化合物は、分子全体で見た場合には、分子間にエネルギー障壁があるため、分子軌道のエネルギー準位が離散的であり、波数空間を有することができない。このため、一般的に、有機色素は、バンド構造を有していない。すなわち、有機色素にはバンド間遷移は存在していないといえる。
化合物のバンドギャップエネルギーは、分光光度計で化合物の吸光度を測定し、化合物のバンドギャップエネルギーを測定する方法で観測することができる。化合物のバンドギャップエネルギーは以下の方法で測定できる。
化合物の吸光度を、紫外可視近赤外分光光度計U−4100((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、波長400〜2000nmの範囲で透過スペクトルを測定する。
上記の方法で測定した透過スペクトルについて、縦軸を(ahv)0.5、横軸をエネルギー値(eV)とするグラフにプロットして、(ahv)0.5−eV曲線に変換する。ここで、(ahv)0.5−eV曲線とは、縦軸を(ahv)0.5、横軸をエネルギー値(eV)とするグラフである。aは、吸光度であり、hはプランク定数であり、vは振動数である。
また、ある波長λ1におけるエネルギー値E1は以下の関係にある。以下の関係式から波長をエネルギー値に変換できる。
E1=1240/λ1
E1の単位はeVで、λ1の単位はnmである。
上記の(ahv)0.5−eV曲線において、(ahv)0.5の値が立ち上がる部分の接線と、(ahv)0.5の値が立ち上がる前の部分における接線との交点におけるエネルギー値を算出し、前述の交点におけるエネルギー値をバンドギャップエネルギーとする。
化合物Aの波長700〜2000nmの範囲における25℃でのバンドギャップエネルギーは、0.62〜1.80eVが好ましい。下限は、0.70eV以上がより好ましい。上限は、1.50eV以下がより好ましい。バンドギャップエネルギーが上記範囲であれば、近赤外領域の遮蔽性および可視透明性がより優れる。
本発明において、化合物Aは、III−V族化合物であることが好ましい。III−V族化合物は、可視領域の光に対する透過性および近赤外領域の光(近赤外線)に対する遮蔽性が良好である。
ここで、III−V族化合物は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)といったIII族の材料と、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)といったV族の材料が化合した化合物である。III−V族化合物において、III族の材料の1種と、V族の材料の1種が化合した化合物であってもよく、III族の材料の2種以上と、V族の材料の1種以上とが化合した化合物であってもよく、III族の材料の1種以上と、V族の材料の2種以上とが化合した化合物であってもよい。組成を変化させることにより、バンドギャップエネルギーや、バンド間遷移に由来する吸収の波長帯域を変えることができる。
化合物Aの具体例としては、InGaAsなどが挙げられる。
本発明において、化合物Aは、粒子であることが好ましい。粒子の形状としては、例えば、等方性形状(例えば、球状、多面体状等)、異方性形状(例えば、針状、棒状、板状等)、不定形状等などの形状が挙げられる。
化合物Aが粒子である場合、化合物Aの平均一次粒子径は、100〜1000nmが好ましい。上限は、800nm以下がより好ましく、600nm以下が更に好ましい。下限は、150nm以上がより好ましく、200nm以上が更に好ましい。化合物Aの平均一次粒子径は、化合物Aの粒子が凝集していない部分の粒子径を、透過型電子顕微鏡(TEM)で100個計測し、平均値を算出することによって求めることができる。また、化合物Aの平均二次粒子径は、200〜2000nmが好ましい。上限は、1500nm以下が好ましい。下限は、300nm以上が好ましい。なお、本明細書において、化合物Aの平均二次粒子径は、化合物Aの一次粒子が集合した二次粒子についての平均粒子径を意味する。化合物Aの平均二次粒子径は、化合物Aの二次粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡で観察して100個計測し、平均値を算出することによって求めることができる。
また、化合物Aが粒子である場合、化合物Aの一次粒子の平均長軸長は、100〜1000nmが好ましい。上限は、800nm以下がより好ましく、600nm以下が更に好ましい。下限は、150nm以上がより好ましく、200nm以上が更に好ましい。なお、一次粒子の長軸とは、化合物Aの粒子を撮影した透過型電子顕微鏡の写真において、粒子の最も長い径のことを言う。一次粒子の平均長軸長は、化合物Aの粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、粒子が凝集していない部分の長軸長を観測して100個計測し、平均値を算出することによって求めることができる。
化合物Aが粒子である場合は、化合物Aの粒子表面の少なくとも一部が樹脂で被覆されていてもよい。化合物Aの粒子表面の少なくとも一部が樹脂で被覆されているとは、樹脂が化合物Aの粒子表面に吸着していてもよく、樹脂が化合物Aの粒子表面に吸着せずに、所定の空間をもって化合物Aの粒子を覆っていてもよい。吸着の形態としては、化学吸着または物理吸着が挙げられる。
表面処理に用いる樹脂は、1種単独でもよく、2種以上の樹脂を組み合わせてもよい。
本発明の組成物においては、化合物Aの含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、1〜60質量%であることが好ましい。上限は、55質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。下限は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましく、40質量%以上が特に好ましい。この範囲内とすることで、可視領域および近赤外領域の分光特性に優れた膜を製造できる。化合物Aは、1種のみであってもよく、2種以上を併用することもできる。2種以上を併用する場合は、合計が上記範囲であることが好ましい。
<<他の近赤外線吸収剤>>
本発明の組成物は、上述した化合物Aとは異なる近赤外線吸収剤(以下、他の近赤外線吸収剤ともいう)を含有することができる。なお、本発明において、近赤外線吸収剤は、近赤外領域(好ましくは、波長700〜1300nmの範囲、更に好ましくは波長700〜1000nmの範囲)に吸収を有する材料を意味する。
他の近赤外線吸収剤は有機色素が好ましい。本発明において、有機色素とは、有機化合物からなる色素化合物を意味する。有機色素は、波長700〜1300nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物が好ましく、波長700〜1000nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物がより好ましい。他の近赤外線吸収剤は、染料であってもよく、顔料であってもよい。
他の近赤外線吸収剤の具体例としては、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、リレン化合物、メロシアニン化合物、クロコニウム化合物、オキソノール化合物、ジイモニウム化合物、ジチオール化合物、トリアリールメタン化合物、ピロメテン化合物、アゾメチン化合物、アントラキノン化合物及びジベンゾフラノン化合物などが挙げられる。ピロロピロール化合物としては、例えば、特開2009−263614号公報の段落番号0016〜0058に記載の化合物などが挙げられる。フタロシアニン化合物としては、オキシチタニウムフタロシアニン顔料などが挙げられる。フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、イモニウム化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物及びクロコニウム化合物は、特開2010−111750号公報の段落番号0010〜0081に記載の化合物を使用してもよく、この内容は本明細書に組み込まれる。また、シアニン化合物は、例えば、「機能性色素、大河原信/松岡賢/北尾悌次郎/平嶋恒亮・著、講談社サイエンティフィック」を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
他の近赤外線吸収剤は、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物およびリレン化合物が好ましく、ピロロピロール化合物、シアニン化合物およびスクアリリウム化合物がより好ましく、ピロロピロール化合物が更に好ましい。
他の近赤外線吸収剤は、IRA828、IRA842、IRA848、IRA850、IRA851、IRA866、IRA870、IRA884(Exiton社製)、SDO−C33(有本化学工業(株)製)、イーエクスカラーIR−14、イーエクスカラーIR−10A、イーエクスカラーTX−EX−801B、イーエクスカラーTX−EX−805K、イーエクスカラーTX−EX−815K((株)日本触媒製)、ShigenoxNIA−8041、ShigenoxNIA−8042、ShigenoxNIA−814、ShigenoxNIA−820、ShigenoxNIA−839(ハッコーケミカル社製)、EpolighteV−63、Epolight3801、Epolight3036(EPOLIN社製)、PRO−JET825LDI(富士フイルム(株)製)、NK−3027、NKX−113、NKX−1199、SMP−363、SMP−387、SMP−388、SMP−389((株)林原製)、YKR−3070(三井化学(株)製)などを用いることもできる。
(ピロロピロール化合物)
他の近赤外線吸収剤として用いるピロロピロール化合物は、下記式(I)で表される化合物が好ましい。
式(I)中、A
1およびA
2は、それぞれ独立にヘテロアリール基を表し、
B
1およびB
2はそれぞれ独立に−BR
1R
2基を表し、R
1およびR
2は、それぞれ独立に置換基を表し、R
1とR
2は互いに結合して環を形成してよく、
C
1およびC
2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
D
1およびD
2は、それぞれ独立に置換基を表す。
式(I)において、A1およびA2は、それぞれ独立に、ヘテロアリール基を表す。A1とA2は、同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。A1とA2は、同一の基であることが好ましい。
ヘテロアリール基は、単環、または、縮合環が好ましく、単環、または、縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環、または、縮合数が2〜4の縮合環が更に好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましく、3〜10が特に好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。
ヘテロアリール基は、下記式(A−1)で表される基、および、下記式(A−2)で表される基が好ましい。
式(A−1)において、X1は、それぞれ独立に、O、S、NRX1またはCRX2RX3を表し、RX1〜RX3は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表し、R3およびR4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R3とR4は、互いに結合して環を形成してよい。*は、式(I)との結合位置を表す。
R3、R4およびRX1〜RX3が表す置換基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、シリル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基などが挙げられ、アルキル基、アリール基およびハロゲン原子が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。アルキル基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した基が挙げられ、例えば、ハロゲン原子、アリール基等が挙げられる。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12が更に好ましい。アリール基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した基が挙げられ、例えば、ハロゲン原子、アルキル基等が挙げられる。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
R
3とR
4が結合して形成する環は、芳香族環が好ましい。R
3とR
4とが環を形成する場合、式(A−1)で表される基として、式(A−1−1)で表される基、式(A−1−2)で表される基などが挙げられる。
式中、X
1は、それぞれ独立に、O、S、NR
X1またはCR
X2R
X3を表し、R
X1〜R
X3は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表し、R
101〜R
109は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表す。*は、式(I)との結合位置を表す。
式(A−2)において、Y1〜Y4は、それぞれ独立に、NまたはCRY1を表し、Y1〜Y4の少なくとも2つはCRY1であり、RY1は、水素原子または置換基を表し、隣接するRY1同士は互いに結合して環を形成してよい。*は、式(I)との結合位置を表す。
RY1が表す置換基は、上述した置換基が挙げられ、アルキル基、アリール基およびハロゲン原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。アルキル基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基が挙げられ、例えば、ハロゲン原子、アリール基等が挙げられる。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12が更に好ましい。アリール基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基が挙げられ、例えば、ハロゲン原子、アルキル基等が挙げられる。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
Y
1〜Y
4の少なくとも2つはCR
Y1であり、隣接するR
Y1同士は互いに結合して環を形成してよい。隣接するR
Y1同士が結合して形成する環は、芳香族環が好ましい。隣接するR
Y1同士が環を形成する場合、式(A−2)で表される基として、式(A−2−1)〜(A−2−5)で表される基などが挙げられる。
式中、R
201〜R
227は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、*は、式(I)との結合位置を表す。
式(I)において、B1およびB2はそれぞれ独立に−BR1R2基を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を表す。R1とR2は互いに結合して環を形成してよい。置換基としては、上述したA1およびA2で説明した基が挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基またはヘテロアリール基が好ましく、ハロゲン原子、アリール基またはヘテロアリール基がより好ましく、アリール基またはヘテロアリール基が更に好ましい。R1とR2は同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。R1とR2は、同一の基であることが好ましい。また、B1とB2は同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。B1とB2は同一の基であることが好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜40が好ましい。下限は、例えば、3以上がより好ましい。上限は、例えば、30以下がより好ましく、25以下が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜40が好ましい。下限は、例えば、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、8以上が一層好ましく、10以上が特に好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下が更に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アルコキシ基の炭素数は、1〜40が好ましい。下限は、例えば、3以上がより好ましい。上限は、例えば、30以下がより好ましく、25以下が更に好ましい。アルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましい。アリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらの詳細については、前述したものが挙げられる。
ヘテロアリール基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましく、3〜5が特に好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらの詳細については、前述したものが挙げられる。
−BR
1R
2基のR
1とR
2は、互いに結合して環を形成していてもよい。例えば、下記(B−1)〜(B−4)に示す構造などが挙げられる。以下において、Rは置換基を表し、R
a1〜R
a4は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、m1〜m3は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、*は、式(I)との結合位置を表す。RおよびR
a1〜R
a4が表す置換基としては、R
1およびR
2で説明した置換基が挙げられ、ハロゲン原子およびアルキル基が好ましい。
式(I)において、C1およびC2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表す。C1とC2は、同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。C1とC2は、同一の基であることが好ましい。C1およびC2は、それぞれ独立に、アリール基、またはヘテロアリール基が好ましく、アリール基がより好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜40が好ましく、1〜30がより好ましく、1〜25が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、分岐が特に好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がより好ましい。フェニル基またはナフチル基が特に好ましい。
ヘテロアリール基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい。
上述したアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基を有していることが好ましい。
置換基としては、酸素原子を含んでもよい炭化水素基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、シリル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基などが挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1〜40が好ましい。下限は、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、8以上が一層好ましく、10以上が特に好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下が更に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、分岐が特に好ましい。分岐のアルキル基の炭素数は、3〜40が好ましい。下限は、例えば、5以上がより好ましく、8以上が更に好ましく、10以上が一層好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下が更に好ましい。分岐のアルキル基の分岐数は、例えば、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜40が好ましい。下限は、例えば、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、8以上が一層好ましく、10以上が特に好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下が更に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、分岐が特に好ましい。分岐のアルケニル基の炭素数は、3〜40が好ましい。下限は、例えば、5以上がより好ましく、8以上が更に好ましく、10以上が一層好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下が更に好ましい。分岐のアルケニル基の分岐数は、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12が更に好ましい。
酸素原子を含む炭化水素基としては、−L−Rx1で表される基が挙げられる。
Lは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−(ORx2)m−または−(Rx2O)m−を表す。Rx1は、アルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。Rx2は、アルキレン基またはアリーレン基を表す。mは2以上の整数を表し、m個のRx2は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
Lは、−O−、−(ORx2)m−または−(Rx2O)m−が好ましく、−O−がより好ましい。
Rx1が表すアルキル基、アルケニル基、アリール基は上述したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。Rx1は、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
Rx2が表すアルキレン基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が更に好ましい。アルキレン基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましい。Rx2が表すアリーレン基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましい。Rx2はアルキレン基が好ましい。
mは2以上の整数を表し、2〜20が好ましく、2〜10がより好ましい。
アルキル基、アリール基およびヘテロアリール基が有してもよい置換基は、分岐アルキル構造を有する基が好ましい。また、置換基は、酸素原子を含んでもよい炭化水素基が好ましく、酸素原子を含む炭化水素基がより好ましい。酸素原子を含む炭化水素基は、−O−Rx1で表される基が好ましい。Rx1は、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましく、分岐のアルキル基が特に好ましい。すなわち、置換基は、アルコキシ基がより好ましく、分岐のアルコキシ基が特に好ましい。置換基が、アルコキシ基であることにより、耐熱性および耐光性にすぐれた膜が得られやすい。アルコキシ基の炭素数は、1〜40が好ましい。下限は、例えば、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、8以上が一層好ましく、10以上が特に好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下が更に好ましい。アルコキシ基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、分岐が特に好ましい。分岐のアルコキシ基の炭素数は、3〜40が好ましい。下限は、例えば、5以上がより好ましく、8以上が更に好ましく、10以上が一層好ましい。上限は、35以下がより好ましく、30以下が更に好ましい。分岐のアルコキシ基の分岐数は、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましい。
式(I)において、D1およびD2は、それぞれ独立に、置換基を表す。D1とD2は、同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。D1とD2は、同一の基であることが好ましい。
置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、シリル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基などが挙げられる。D1およびD2は、電子求引性基が好ましい。
ハメット(Hammett)の置換基定数σp値(シグマパラ値)が正の置換基は、電子求引性基として作用する。本発明においては、ハメットのσp値が0.2以上の置換基を電子求引性基として例示することができる。σp値は、好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.3以上であり、特に好ましくは0.35以上である。上限は特に制限はないが、好ましくは0.80以下である。電子求引性基の具体例としては、シアノ基(0.66)、カルボキシ基(−COOH:0.45)、アルコキシカルボニル基(例えば、−COOMe:0.45)、アリールオキシカルボニル基(例えば、−COOPh:0.44)、カルバモイル基(例えば、−CONH2:0.36)、アルキルカルボニル基(例えば、−COMe:0.50)、アリールカルボニル基(例えば、−COPh:0.43)、アルキルスルホニル基(例えば、−SO2Me:0.72)、アリールスルホニル基(例えば、−SO2Ph:0.68)などが挙げられる。シアノ基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基が好ましく、シアノ基がより好ましい。ここで、Meはメチル基を、Phはフェニル基を表し、かっこ内の数値はσp値である。ハメットのσp値については、特開2009−263614号公報の段落番号0024〜0025を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
ピロロピロール化合物は、下記式(II)で表される化合物、または、下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。この態様によれば、赤外線遮蔽性および耐光性に優れたパターンを形成しやすい。
式(II)中、X1およびX2は、それぞれ独立に、O、S、NRX1またはCRX2RX3を表し、RX1〜RX3は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表し、
R3〜R6は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、
R3とR4、または、R5とR6は互いに結合して環を形成してよく、
B1およびB2はそれぞれ独立に−BR1R2基を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を表し、R1とR2は互いに結合して環を形成してよく、
C1およびC2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
D1およびD2は、それぞれ独立に置換基を表す。
式(II)のB1、B2、C1、C2、D1およびD2は、式(I)のB1、B2、C1、C2、D1およびD2と同義であり、好ましい範囲も同様である。式(II)のX1、X2およびR3〜R6は、上述した式(A−1)のX1、R3およびR4と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(III)中、Y1〜Y8は、それぞれ独立に、NまたはCRY1を表し、Y1〜Y4の少なくとも2つはCRY1であり、Y5〜Y8の少なくとも2つはCRY1であり、RY1は、水素原子または置換基を表し、隣接するRY1同士は互いに結合して環を形成してよく、
B1およびB2はそれぞれ独立に−BR1R2基を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を表し、R1とR2は互いに結合して環を形成してよく、
C1およびC2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基を表し、
D1およびD2は、それぞれ独立に置換基を表す。
式(III)のB1、B2、C1、C2、D1およびD2は、式(I)のB1、B2、C1、C2、D1およびD2と同義であり、好ましい範囲も同様である。式(III)のY1〜Y8は、上述した式(A−2)のY1〜Y4と同義であり、好ましい範囲も同様である。
ピロロピロール化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。以下の構造式において、Phはフェニル基を表し、Meはメチル基を表し、Buはブチル基を表す。また、ピロロピロール化合物の具体例としては、特開2009−263614号公報の段落番号0049〜0058に記載の化合物も挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
(スクアリリウム化合物)
他の近赤外線吸収剤として用いるスクアリリウム化合物は、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
式(1)中、A
1およびA
2は、それぞれ独立に、アリール基、ヘテロアリール基または下記式(2)で表される基を表す;
式(2)中、Z
1は、含窒素複素環を形成する非金属原子団を表し、R
2は、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、dは、0または1を表し、波線は式(1)との連結手を表す。
式(1)におけるA1およびA2は、それぞれ独立に、アリール基、ヘテロアリール基または式(2)で表される基を表し、式(2)で表される基が好ましい。
A1およびA2が表すアリール基の炭素数は、6〜48が好ましく、6〜24がより好ましく、6〜12が特に好ましい。具体例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
A1およびA2が表すヘテロアリール基としては、5員環または6員環が好ましい。また、ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2または3の縮合環が更に好ましい。ヘテロ環基に含まれるヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が例示され、窒素原子、硫黄原子が好ましい。ヘテロ原子の数は、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。具体的には、窒素原子、酸素原子および硫黄原子の少なくとも一つを含有する5員環または6員環等の単環、多環芳香族環から誘導されるヘテロアリール基などが挙げられる。
アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基およびヘテロアリール基が、置換基を2個以上有する場合、複数の置換基は同一であってもよく、異なっていてもよい。
置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、−OR10、−COR11、−COOR12、−OCOR13、−NR14R15、−NHCOR16、−CONR17R18、−NHCONR19R20、−NHCOOR21、−SR22、−SO2R23、−SO2OR24、−NHSO2R25または−SO2NR26R27が挙げられる。R10〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基を表す。なお、−COOR12のR12が水素の場合(すなわち、カルボキシ基)は、水素原子が解離してもよく、塩の状態であってもよい。また、−SO2OR24のR24が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく、塩の状態であってもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜8が更に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜8が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アルキニル基の炭素数は、2〜40が好ましく、2〜30がより好ましく、2〜25が特に好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜30が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜12が更に好ましい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7〜40が好ましく、7〜30がより好ましく、7〜25が更に好ましい。
ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環が更に好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3〜30が好ましく、3〜18がより好ましく、3〜12が更に好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基が挙げられる。
次に、A1およびA2が表す式(2)で表される基について説明する。
式(2)において、R2は、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、アルキル基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜12が更に好ましく、2〜8が特に好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2〜30が好ましく、2〜20がより好ましく、2〜12が更に好ましい。
アルキル基およびアルケニル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、直鎖または分岐が好ましい。
アラルキル基の炭素数は7〜30が好ましく、7〜20がより好ましい。
式(2)において、Z1により形成される含窒素複素環としては、5員環または6員環が好ましい。また、含窒素複素環は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2〜8の縮合環がより好ましく、単環または縮合数が2〜4の縮合環が更に好ましく、縮合数が2または3の縮合環が特に好ましい。含窒素複素環は、窒素原子の他に、硫黄原子を含んでいてもよい。また、含窒素複素環は置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した置換基が挙げられる。例えば、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アシルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子およびアルキル基がより好ましい。ハロゲン原子は、塩素原子が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜12が更に好ましい。アルキル基は、直鎖または分岐が好ましい。
なお、式(1)においてカチオンは、以下のように非局在化して存在している。
スクアリリウム化合物は、下記式(5)で表される化合物が好ましい。
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、芳香族環または複素芳香族環を表し、
X
AおよびX
Bはそれぞれ独立に置換基を表し、
G
AおよびG
Bはそれぞれ独立に置換基を表し、
kAは0〜n
A、kBは0〜n
Bの整数を表し、
n
Aおよびn
Bはそれぞれ環Aまたは環Bに置換可能な最大の整数を表し、
X
AとG
A、X
BとG
Bは互いに結合して環を形成しても良く、G
AおよびG
Bがそれぞれ複数存在する場合は、互いに結合して環構造を形成していても良い。
GAおよびGBはそれぞれ独立に置換基を表す。置換基としては、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられる。
XAおよびXBはそれぞれ独立に置換基を表す。置換基は、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられ、活性水素を有する基が好ましく、−OH、−SH、−COOH、−SO3H、−NRX1RX2、−NHCORX1、−CONRX1RX2、−NHCONRX1RX2、−NHCOORX1、−NHSO2RX1、−B(OH)2および−PO(OH)2がより好ましく、−OH、−SHおよび−NRX1RX2が更に好ましい。
RX1およびRX1は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または、ヘテロアリール基が挙げられ、アルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖または分岐が好ましい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、および、ヘテロアリール基の詳細については、上述した置換基の欄で説明した範囲と同義である。
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、芳香族環または複素芳香族環を表す。
芳香族環および複素芳香族環は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。
芳香族環および複素芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセナフテン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、および、フェナジン環が挙げられ、ベンゼン環またはナフタレン環が好ましい。
芳香族環は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられる。
XAとGA、XBとGBは互いに結合して環を形成しても良く、GAおよびGBがそれぞれ複数存在する場合は、互いに結合して環を形成していても良い。
環としては、5員環または6員環が好ましい。環は単環であってもよく、複環であってもよい。
XAとGA、XBとGB、GA同士またはGB同士が結合して環を形成する場合、これらが直接結合して環を形成してもよく、アルキレン基、−CO−、−O−、−NH−、−BR−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基を介して結合して環を形成してもよい。XAとGA、XBとGB、GA同士またはGB同士が、−BR−を介して結合して環を形成することが好ましい。
Rは、水素原子または置換基を表す。置換基としては、上述した式(1)で説明した置換基が挙げられ、アルキル基またはアリール基が好ましい。
kAは0〜nAの整数を表し、kBは0〜nBの整数を表し、nAは、A環に置換可能な最大の整数を表し、nBは、B環に置換可能な最大の整数を表す。
kAおよびkBは、それぞれ独立に0〜4が好ましく、0〜2がより好ましく、0〜1が特に好ましい。
スクアリリウム化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。また、特開2011−208101号公報の段落番号0044〜0049に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
(シアニン化合物)
他の近赤外線吸収剤として用いるシアニン化合物は、下記式(C)で表される化合物が好ましい。
式(C)
式(C)中、Z
1およびZ
2は、それぞれ独立に、縮環してもよい5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子団であり、
R
101およびR
102は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、
L
1は、奇数個のメチン基を有するメチン鎖を表し、
aおよびbは、それぞれ独立に、0または1であり、
aが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが二重結合で結合し、bが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが単結合で結合し、
式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、X
1はアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、X
1はカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、cは0である。
式(C)において、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、縮環してもよい5員又は6員の含窒素複素環を形成する非金属原子団を表す。含窒素複素環には、他の複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合してもよい。含窒素複素環は、5員環が好ましい。5員の含窒素複素環に、ベンゼン環又はナフタレン環が縮合している構造が更に好ましい。含窒素複素環の具体例としては、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、オキサゾロカルバゾール環、オキサゾロジベンゾフラン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、キノリン環、ピリジン環、ピロロピリジン環、フロピロール環、インドリジン環、イミダゾキノキサリン環、キノキサリン環等が挙げられ、キノリン環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環が好ましく、インドレニン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環が特に好ましい。含窒素複素環及びそれに縮合している環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、式(1)で説明した置換基が挙げられる。
式(C)において、R101およびR102は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜12が更に好ましく、1〜8が特に好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アルケニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜12が更に好ましく、2〜8が特に好ましい。アルケニル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アルキニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、2〜12が更に好ましく、2〜8が特に好ましい。アルキニル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アリール基の炭素数は、6〜25が好ましく、6〜15が更に好ましく、6〜10が最も好ましい。アリール基は無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7〜40が好ましく、7〜30がより好ましく、7〜25が更に好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基およびアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、アミノ基等が挙げられ、カルボキシ基およびスルホ基が好ましく、スルホ基が特に好ましい。カルボキシ基およびスルホ基は、水素原子が解離していてもよく、塩の状態であってもよい。
式(C)において、L
1は、奇数個のメチン基を有するメチン鎖を表す。L
1は、3、5または7のメチン基を有するメチン鎖が好ましい。
メチン基は置換基を有していてもよい。置換基を有するメチン基は、中央の(メソ位の)メチン基であることが好ましい。置換基の具体例としては、Z
1およびZ
2の含窒素複素環が有してもよい置換基、および、下記式(a)で表される基などが挙げられる。また、メチン鎖の二つの置換基が結合して5または6員環を形成しても良い。
式(a)中、*は、メチン鎖との連結手を表し、A
1は、−O−を表す。
式(C)において、aおよびbは、それぞれ独立に、0または1である。aが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが二重結合で結合し、bが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが単結合で結合する。aおよびbはともに0であることが好ましい。なお、aおよびbがともに0の場合は、式(C)は以下のように表される。
式(C)において、式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、X1はアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表す。アニオンの例としては、ハライドイオン(Cl-、Br-、I-)、パラトルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF6 -、BF4 -、ClO4 -、トリス(ハロゲノアルキルスルホニル)メチドアニオン(例えば、(CF3SO2)3C-)、ジ(ハロゲノアルキルスルホニル)イミドアニオン(例えば(CF3SO2)2N-)、テトラシアノボレートアニオンなどが挙げられる。
式(C)において、式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、X1はカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表す。カチオンとしては、アルカリ金属イオン(Li+、Na+、K+など)、アルカリ土類金属イオン(Mg2+、Ca2+、Ba2+、Sr2+など)、遷移金属イオン(Ag+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+など)、その他の金属イオン(Al3+など)、アンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、グアニジニウムイオン、テトラメチルグアニジニウムイオン、ジアザビシクロウンデセニウムなどが挙げられる。カチオンとしては、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、ジアザビシクロウンデセニウムが好ましい。
式(C)において、式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、X1は存在しない。すなわち、cは0である。
シアニン化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。また、特開2015−172004号公報及び、特開2015−172102号公報に記載の化合物が挙げられる。
本発明において、他の近赤外線吸収剤は、無機粒子を用いることもできる。無機粒子は、金属酸化物粒子および金属粒子が挙げられる。金属酸化物粒子としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)粒子、酸化アンチモンスズ(ATO)粒子、酸化亜鉛(ZnO)粒子、Alドープ酸化亜鉛(Alがドープされた酸化亜鉛)粒子、フッ素ドープ二酸化スズ(フッ素がドープされた二酸化スズ)粒子、ニオブドープ二酸化チタン(ニオブがドープされた二酸化チタン)粒子などが挙げられる。金属粒子としては、例えば、銀(Ag)粒子、金(Au)粒子、銅(Cu)粒子、ニッケル(Ni)粒子など挙げられる。無機粒子の形状は特に制限されず、球状、非球状を問わず、シート状、ワイヤー状、チューブ状であってもよい。
また、無機粒子は、酸化タングステン系化合物を使用することもできる。具体的には、下記式(W−1)で表される酸化タングステン系化合物が好ましい。
MxWyOz・・・(W−1)
Mは金属、Wはタングステン、Oは酸素を表す。
0.001≦x/y≦1.1
2.2≦z/y≦3.0
Mが表す金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Sn、Pb、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Biが挙げられ、アルカリ金属が好ましく、RbまたはCsがより好ましく、Csが特に好ましい。Mの金属は1種でも2種以上でも良い。
酸化タングステン系化合物の具体例としては、Cs0.33WO3、Rb0.33WO3、K0.33WO3、Ba0.33WO3などを挙げることができ、Cs0.33WO3又はRb0.33WO3であることが好ましく、Cs0.33WO3であることが更に好ましい。
酸化タングステン系化合物は、例えば、住友金属鉱山(株)製のYMF−02、YMS−01A−2などのタングステン微粒子の分散物として入手可能である。
無機粒子の平均粒子径は、800nm以下が好ましく、400nm以下がより好ましく、200nm以下が更に好ましい。無機粒子の平均粒子径がこのような範囲であることによって、可視領域における透過性をより確実にすることができる。光散乱を回避する観点からは、平均粒子径は小さいほど好ましいが、製造時における取り扱い容易性などの理由から、無機粒子の平均粒子径の下限は、1nm以上である。
本発明の組成物が、他の近赤外線吸収剤を含有する場合、他の近赤外線吸収剤の含有量は、化合物Aの100質量部に対し0.1〜80質量部が好ましく、5〜60質量部がより好ましく、10〜40質量部が更に好ましい。上記範囲であれば、近赤外領域の光の遮蔽性をより向上できる。
また、他の近赤外線吸収剤は、実質的に有機色素のみで構成されていることも好ましい。この態様によれば、可視領域の光の透過性を維持しつつ、近赤外領域の光の遮蔽性をより向上できる。他の近赤外線吸収剤は、実質的に有機色素のみで構成されているとは、他の近赤外線吸収剤中における有機色素の含有量が99質量%以上であることが好ましく、99.5質量%以上であることがより好ましく、有機色素のみで構成されていることが更に好ましい。
<<有彩色着色剤>>
本発明の組成物は、有彩色着色剤を含有することができる。本発明において、有彩色着色剤とは、白色着色剤および黒色着色剤以外の着色剤を意味する。有彩色着色剤は、波長400nm以上650nm未満の範囲に吸収を有する着色剤が好ましい。本発明において、有彩色着色剤は、顔料であってもよく、染料であってもよい。
顔料は、有機顔料であることが好ましく、以下のものを挙げることができる。但し本発明で用いうる顔料は、これらに限定されるものではない。
カラーインデックス(C.I.)Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等(以上、黄色顔料)、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等(以上、オレンジ色顔料)、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279等(以上、赤色顔料)、
C.I.Pigment Green 7,10,36,37,58,59等(以上、緑色顔料)、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42等(以上、紫色顔料)、
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等(以上、青色顔料)、
これら有機顔料は、単独若しくは種々組合せて用いることができる。
染料としては特に制限はなく、公知の染料が使用できる。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピロメテン系等の染料が使用できる。また、これらの染料の多量体を用いてもよい。また、特開2015−028144号公報、特開2015−34966号公報に記載の染料を用いることもできる。
本発明の組成物が、有彩色着色剤を含有する場合、有彩色着色剤の含有量は、組成物の全固形分に対して30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。下限は、例えば、0.01質量%以上とすることができ、0.5質量%以上とすることもできる。
また、本発明の組成物は、有彩色着色剤を実質的に含有しない態様とすることもできる。有彩色着色剤を実質的に含有しない場合、有彩色着色剤の含有量が、本発明の組成物の全固形分中、0.005質量%以下が好ましく、0.001質量%以下がより好ましく、有彩色着色剤を含有しないことが更に好ましい。
<<近赤外領域の光の少なくとも一部を透過し、かつ、可視領域の光を遮光する色材(可視光を遮光する色材)>>
本発明の組成物は、近赤外領域の光の少なくとも一部を透過し、かつ、可視領域の光を遮光する色材(以下、可視光を遮光する色材ともいう)を含有することもできる。
可視光を遮光する色材は、以下の(1)および(2)の少なくとも一方の要件を満たすことが好ましく、(1)の要件を満たしていることが更に好ましい。
(1):2種以上の有彩色着色剤を含む態様。
(2):有機系黒色着色剤を含む態様。
有彩色着色剤としては、上述した有彩色着色剤が挙げられる。有機系黒色着色剤としては、例えば、ビスベンゾフラノン化合物、アゾメチン化合物、ペリレン化合物、アゾ化合物などが挙げられ、ビスベンゾフラノン化合物、ペリレン化合物が好ましい。ビスベンゾフラノン化合物としては、特表2010−534726号公報、特表2012−515233号公報、特表2012−515234号公報などに記載の化合物が挙げられる。例えば、BASF社製の「Irgaphor Black」が挙げられる。ペリレン化合物としては、C.I.Pigment Black 31、32などが挙げられる。アゾメチン化合物としては、特開平1−170601号公報、特開平2−34664号公報などに記載の化合物が挙げられ、例えば、大日精化社製の「クロモファインブラックA1103」が挙げられる。
本発明において、可視光を遮光する色材は、例えば、波長450〜650nmの範囲における吸光度の最小値Aと、波長900〜1300nmの範囲における吸光度の最小値Bとの比であるA/Bが4.5以上であることが好ましい。
上記の特性は、1種の素材で満たしていてもよく、複数の素材の組み合わせで満たしていてもよい。例えば、上記(1)の態様の場合、複数の有彩色着色剤を組み合わせて上記分光特性を満たしていることが好ましい。
可視光を遮光する色材として2種以上の有彩色着色剤を含む場合、有彩色着色剤は、赤色着色剤、緑色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤およびオレンジ色着色剤から選ばれる着色剤であることが好ましい。有彩色着色剤の組み合わせとしては、例えば以下が挙げられる。
(1)黄色着色剤、青色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(2)黄色着色剤、青色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(3)黄色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(4)黄色着色剤および紫色着色剤を含有する態様
(5)緑色着色剤、青色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(6)紫色着色剤およびオレンジ色着色剤を含有する態様
(7)緑色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様
(8)緑色着色剤および赤色着色剤を含有する態様。
各着色剤の比率(質量比)としては例えば以下が挙げられる。
本発明の組成物が、可視光を遮光する色材を含有する場合、可視光を遮光する色材の含有量は、組成物の全固形分に対して30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。下限は、例えば、0.01質量%以上とすることができ、0.5質量%以上とすることもできる。
また、本発明の組成物は、可視光を遮光する色材を実質的に含有しない態様とすることもできる。可視光を遮光する色材を実質的に含有しない場合、可視光を遮光する色材の含有量が、本発明の組成物の全固形分中、0.005質量%以下が好ましく、0.001質量%以下がより好ましく、可視光を遮光する色材を含有しないことが更に好ましい。
<<顔料誘導体>>
本発明の組成物は、顔料を含む場合は、更に顔料誘導体を含有することができる。顔料誘導体としては、顔料の一部が、酸性基、塩基性基又はフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物が好ましい。
顔料誘導体を構成する顔料の色素骨格としては、ピロロピロール色素骨格、ジケトピロロピロール色素骨格、キナクリドン色素骨格、アントラキノン色素骨格、ジアントラキノン色素骨格、ベンゾイソインドール色素骨格、チアジンインジゴ色素骨格、アゾ色素骨格、キノフタロン色素骨格、フタロシアニン色素骨格、ナフタロシアニン色素骨格、ジオキサジン色素骨格、ペリレン色素骨格、ペリノン色素骨格、ベンゾイミダゾロン色素骨格、ベンゾチアゾール色素骨格、ベンゾイミダゾール色素骨格およびベンゾオキサゾール色素骨格から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
顔料誘導体の具体例としては、特開昭56−118462号公報、特開昭63−264674号公報、特開平1−217077号公報、特開平3−9961号公報、特開平3−26767号公報、特開平3−153780号公報、特開平3−45662号公報、特開平4−285669号公報、特開平6−145546号公報、特開平6−212088号公報、特開平6−240158号公報、特開平10−30063号公報、特開平10−195326号公報、国際公開WO2011/024896号パンフレットの段落番号0086〜0098、国際公開WO2012/102399号パンフレットの段落番号0063〜0094等に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれることとする。
本発明の組成物が顔料誘導体を含有する場合、顔料誘導体の含有量は、組成物中に含まれる顔料100質量部に対し、1〜50質量部が好ましい。下限値は、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。上限値は、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。顔料誘導体の含有量が上記範囲であれば、顔料の分散性を高めて、顔料の凝集を効率よく抑制できる。顔料誘導体は1種のみでも、2種以上でもよく、2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<樹脂>>
本発明の組成物は、樹脂を含む。樹脂は、例えば、粒子状の化合物Aや、顔料などの各種粒子などを組成物中で分散させる用途、バインダーの用途で配合される。なお、主に粒子などを分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外の目的で使用することもできる。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜2,000,000が好ましい。上限は、1,000,000以下が好ましく、500,000以下がより好ましい。下限は、3,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましい。
樹脂のガラス転移温度は、0〜100℃が好ましい。下限は、10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、23℃以上が更に好ましい。上限は、95℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。なお、本発明において、樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定装置(セイコーインスツルメンツ製、DSC1000)を用い、サンプルパンに試料5mg秤量し、窒素気流中で−20℃から200℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し測定した値である。ベースラインが偏奇し始める温度と、新たにべースラインに戻る温度との平均値を樹脂のガラス転移温度とした。
樹脂の種類としては、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリシロキサン樹脂が挙げられる。これらの樹脂から1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。ここで、化合物Aは、近赤外線の吸収に伴い発熱する傾向にある。このため、樹脂は、耐熱性が高く、熱により変色しにくい樹脂が好ましい。例えば、ガラス転移温度が23℃以上の樹脂が好ましい。
樹脂は、酸基を有していてもよい。酸基としては、例えば、カルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性ヒドロキシ基などが挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。酸基を有する樹脂はアルカリ可溶性樹脂として用いることもできる。以下、酸基を有する樹脂をアルカリ可溶性樹脂ともいう。
アルカリ可溶性樹脂としては、側鎖にカルボキシ基を有するポリマーが好ましく、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、ノボラック型樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂等、並びに側鎖にカルボキシ基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシ基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものが挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートおよびアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等、ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等が挙げられる。また、他のモノマーは、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマーを用いることもできる。これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好ましく用いることができる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを共重合したもの、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体なども好ましく用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂は、下記式(ED1)で示される化合物および/または下記式(ED2)で表される化合物(以下、これらの化合物を「エーテルダイマー」と称することもある。)を含むモノマー成分を重合してなるポリマーを含むことも好ましい。
式(ED1)中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
式(ED2)中、Rは、水素原子または炭素数1〜30の有機基を表す。式(ED2)の具体例としては、特開2010−168539号公報の記載を参酌できる。
式(ED1)中、R1およびR2で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、tert−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、tert−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
エーテルダイマーの具体例としては、例えば、特開2013−29760号公報の段落0317を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。エーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂は、下記式(X)で示される化合物に由来する繰り返し単位を含んでいてもよい。
式(X)において、R
1は、水素原子またはメチル基を表し、R
2は炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R
3は、水素原子またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す。
上記式(X)において、R2のアルキレン基の炭素数は、2〜3が好ましい。また、R3のアルキル基の炭素数は1〜20であるが、より好ましくは1〜10であり、R3のアルキル基はベンゼン環を含んでもよい。R3で表されるベンゼン環を含むアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、特開2012−208494号公報の段落番号0558〜0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の段落番号0685〜0700)の記載、特開2012−198408号公報の段落番号0076〜0099の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、下記の樹脂が挙げられる。以下の構造式中Meはメチル基を表す。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、30〜200mgKOH/gが好ましい。下限は、50mgKOH/g以上が好ましく、70mgKOH/g以上がより好ましい。上限は、150mgKOH/g以下が好ましく、120mgKOH/g以下がより好ましい。
樹脂(アルカリ可溶性樹脂を含む)は、硬化性基を有していてもよい。硬化性基としては、エチレン性不飽和結合を有する基、エポキシ基、メチロール基、アルコキシシリル基等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基などが挙げられる。アルコキシシリル基としては、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基が挙げられる。
硬化性基と酸基とを含有する樹脂(硬化性基を有するアルカリ可溶性樹脂)としては、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer.Diamond Shamrock Co.,Ltd.製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ(例えば、ACA230AA)、プラクセル CF200シリーズ(いずれも(株)ダイセル製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)、アクリキュアRD−F8(日本触媒(株)製)などが挙げられる。
本発明において、樹脂は、マープルーフG−0150M、G−0105SA、G−0130SP、G−0250SP、G−1005S、G−1005SA、G−1010S、G−2050M、G−01100、G−01758(日油(株)製、エポキシ基含有ポリマー)、ARTON F4520(JSR(株)製)、アクリベースFF−187(藤倉化成(株))などを使用することもできる。
(分散剤)
本発明の組成物は、樹脂として分散剤を含むことが好ましい。分散剤は、酸性分散剤(酸性樹脂)、塩基性分散剤(塩基性樹脂)が挙げられる。ここで、酸性分散剤(酸性樹脂)とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多い樹脂を表す。酸性分散剤(酸性樹脂)は、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上を占める樹脂が好ましく、実質的に酸基のみからなる樹脂がより好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)が有する酸基は、カルボキシ基が好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)の酸価は、5〜105mgKOH/gが好ましい。また、塩基性分散剤(塩基性樹脂)とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多い樹脂を表す。塩基性分散剤(塩基性樹脂)は、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が50モル%以上を占める樹脂が好ましい。塩基性分散剤が有する塩基性基は、アミンが好ましい。
本発明において、分散剤は、グラフト共重合体を用いることもできる。グラフト共重合体は、水素原子を除いた原子数が40〜10000の範囲であるグラフト鎖を有する樹脂が好ましい。また、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数は、40〜10000が好ましく、50〜2000がより好ましく、60〜500が更に好ましい。
グラフト共重合体の主鎖構造としては、(メタ)アクリル構造、ポリエステル構造、ポリウレタン構造、ポリウレア構造、ポリアミド構造、ポリエーテル構造などが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル構造が好ましい。グラフト共重合体のグラフト鎖は、グラフト部位と溶剤との相互作用を向上させ、それにより分散性を高めるために、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリエステル構造、又はポリエーテル構造を有するグラフト鎖であることが好ましく、ポリエステル構造又はポリエーテル構造を有するグラフト鎖であることがより好ましい。
分散剤は、下記式(111)〜式(114)のいずれかで表される繰り返し単位を含むグラフト共重合体を用いることもできる。
式(111)〜式(114)において、W1、W2、W3、及びW4はそれぞれ独立に酸素原子、または、NHを表し、X1、X2、X3、X4、及びX5はそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、Y1、Y2、Y3、及びY4はそれぞれ独立に2価の連結基を表し、Z1、Z2、Z3、及びZ4はそれぞれ独立に1価の基を表し、R3はアルキレン基を表し、R4は水素原子又は1価の基を表し、n、m、p、及びqはそれぞれ独立に1〜500の整数を表し、j及びkはそれぞれ独立に2〜8の整数を表し、式(113)において、pが2〜500のとき、複数存在するR3は互いに同じであっても異なっていてもよく、式(114)において、qが2〜500のとき、複数存在するX5及びR4は互いに同じであっても異なっていてもよい。
W1、W2、W3、及びW4は酸素原子であることが好ましい。X1、X2、X3、X4、及びX5は、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。Y1、Y2、Y3、及びY4は、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。2価の連結基としては、−CO−、−O−、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびこれらの組み合わせからなる基が挙げられる。Z1、Z2、Z3、及びZ4が表す1価の基の構造は、特に限定されない。例えば、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、ヘテロアリールチオエーテル基、及びアミノ基などが挙げられる。
式(111)〜式(114)において、n、m、p、及びqは、それぞれ独立に、1〜500の整数である。また、式(111)及び式(112)において、j及びkは、それぞれ独立に、2〜8の整数を表す。式(111)及び式(112)におけるj及びkは、分散安定性、現像性の観点から、4〜6の整数が好ましく、5が最も好ましい。
式(113)中、R3はアルキレン基を表し、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基がより好ましい。pが2〜500のとき、複数存在するR3は互いに同じであっても異なっていてもよい。
式(114)中、R4は水素原子又は1価の基を表す。1価の基としては特に構造上限定はされない。R4として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、及びヘテロアリール基が挙げられ、更に好ましくは、水素原子、又はアルキル基である。式(114)において、qが2〜500のとき、グラフト共重合体中に複数存在するX5及びR4は互いに同じであっても異なっていてもよい。
上記の式の詳細については、特開2012−255128号公報の段落番号0025〜0069の記載を参酌でき、本明細書には上記内容が組み込まれることとする。グラフト共重合体の具体例としては下記の樹脂が挙げられる。
分散剤は、主鎖および側鎖の少なくとも一方に窒素原子を含むオリゴイミン系樹脂を用いることもできる。オリゴイミン系樹脂としては、pKa14以下の官能基を有する部分構造を有する基Xを含む繰り返し単位と、原子数40〜10,000の側鎖Yを含む側鎖とを有し、かつ主鎖および側鎖の少なくとも一方に塩基性窒素原子を有する樹脂が好ましい。塩基性窒素原子とは、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はない。
オリゴイミン系樹脂は、例えば、下記式(I−1)で表される繰り返し単位と、式(I−2)で表される繰り返し単位および式(I−2a)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1つとを含む樹脂などが挙げられる。
R
1およびR
2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基(炭素数1〜6が好ましい)を表す。aは、各々独立に、1〜5の整数を表す。*は繰り返し単位間の連結部を表す。
R
8およびR
9はR
1と同義の基である。
Lは単結合、アルキレン基(炭素数1〜6が好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜6が好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜24が好ましい)、ヘテロアリーレン基(炭素数1〜6が好ましい)、イミノ基(炭素数0〜6が好ましい)、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、またはこれらの組合せに係る連結基である。なかでも、単結合もしくは−CR
5R
6−NR
7−(イミノ基がXもしくはYの方になる)であることが好ましい。ここで、R
5およびR
6は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)を表す。R
7は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。
L
aは、CR
8CR
9と、Nとともに環構造を形成する構造であり、CR
8CR
9の炭素原子と合わせて炭素数3〜7の非芳香族複素環を形成する構造であることが好ましい。より好ましくは、CR
8CR
9の炭素原子およびN(窒素原子)を合わせて5〜7員の非芳香族複素環を形成する構造であり、更に好ましくは5員の非芳香族複素環を形成する構造であり、特に好ましくはピロリジンを形成する構造である。この構造は更にアルキル基等の置換基を有していてもよい。
Xは、pKa14以下の官能基を有する部分構造を有する基を表す。
Yは原子数40〜10,000の側鎖を表す。
上記樹脂(オリゴイミン系樹脂)は、更に式(I−3)、式(I−4)、および、式(I−5)で表される繰り返し単位から選ばれる1種以上を含有していてもよい。上記樹脂が、このような繰り返し単位を含むことで、粒子の分散性能を更に向上させることができる。
R1、R2、R8、R9、L、La、aおよび*は式(I−1)、(I−2)、(I−2a)における規定と同義である。
Yaはアニオン基を有する原子数40〜10,000の側鎖を表す。式(I−3)で表される繰り返し単位は、主鎖部に一級又は二級アミノ基を有する樹脂に、アミンと反応して塩を形成する基を有するオリゴマー又はポリマーを添加して反応させることで形成することが可能である。
上述したオリゴイミン系樹脂については、特開2012−255128号公報の段落番号0102〜0166の記載を参酌でき、本明細書には上記内容が組み込まれることとする。オリゴイミン系樹脂の具体例は、特開2012−255128号公報の段落番号0168〜0174に記載の樹脂が挙げられる。また、下記の樹脂も挙げられる。
本発明において、樹脂(分散剤)は、下記式(100)で表される樹脂を用いることもできる。
上記式(100)中、R1は、(m+n)価の連結基を表し、R2は単結合又は2価の連結基を表す。A1は、酸基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。n個のA1及びR2は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。mは8以下の正の数を表し、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。P1は1価のポリマー鎖を表す。m個のP1は、同一であっても、異なっていてもよい。
上記式(100)において、A1は、酸基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基(以下、吸着部位ともいう)を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。吸着部位は、1つのA1の中に、少なくとも1個含まれていればよく、2個以上を含んでいてもよい。1つのA1の中に、2個以上の吸着部位が含まれる態様としては、鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜10であることが好ましい)、環状飽和炭化水素基(炭素数3〜10であることが好ましい)、芳香族基(炭素数5〜10であることが好ましく、例えば、フェニレン基)等を介して2個以上の吸着部位が結合し1価の置換基を形成する態様等が挙げられ、鎖状飽和炭化水素基を介して2個以上の吸着部位が結合し1価の置換基を形成する態様が好ましい。なお、吸着部位自体が1価の置換基を構成する場合には、吸着部位そのものがA1で表される1価の置換基であってもよい。まず、A1を構成する吸着部位について以下に説明する
A1における酸基としては、例えば、カルボキシ基、スルホ基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、ホウ酸基が挙げられ、カルボキシ基、スルホ基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基が好ましく、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基がより好ましく、カルボキシ基が更に好ましい。
A1におけるウレア基としては、例えば、−NR15CONR16R17(ここで、R15、R16、及びR17は各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が挙げられ、−NR15CONHR17が好ましく、−NHCONHR17がより好ましい。
A1におけるウレタン基として、例えば、−NHCOOR18、−NR19COOR20、−OCONHR21、−OCONR22R23(ここで、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が挙げられ、−NHCOOR18、−OCONHR21が好ましく、−NHCOOR18、−OCONHR2がより好ましい。
A1における配位性酸素原子を有する基としては、例えば、アセチルアセトナト基、クラウンエーテルなどが挙げられる。
A
1における塩基性窒素原子を有する基としては、例えば、アミノ基(−NH
2)、置換イミノ基(−NHR
8、−NR
9R
10、ここで、R
8、R
9、及びR
10は各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)、下記式(a1)で表されるグアニジル基、下記式(a2)で表されるアミジニル基が挙げられる。
式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
塩基性窒素原子を有する基は、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基、上記式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕が好ましい。特に、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHR8、−NR9R10、ここで、R8、R9、及びR10は各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。)、式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕が好ましい。
A1におけるアルキル基としては、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、炭素数1〜40のアルキル基であることが好ましく、4〜30のアルキル基であることがより好ましく、炭素数10〜18のアルキル基であることが更に好ましい。
A1におけるアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。
A1におけるアルキレンオキシ鎖を有する基としては、末端がアルキルオキシ基を形成している基が好ましく、炭素数1〜20のアルキルオキシ基を形成している基がより好ましい。また、アルキレンオキシ鎖としては、少なくとも1つのアルキレンオキシ基を有する限り特に制限はないが、1〜6のアルキレンオキシ基からなるであることが好ましい。アルキレンオキシ基としては、例えば、−CH2CH2O−、−CH2CH2CH2O−等が挙げられる。
A1におけるアルキルオキシカルボニル基におけるアルキル基部分としては、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましい。
A1におけるアルキルアミノカルボニル基におけるアルキル基部分としては、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましい。
A1におけるカルボン酸塩基としては、カルボン酸のアンモニウム塩からなる基などが挙げられる。
A1におけるスルホンアミド基としては、スルホンアミド基の窒素原子に結合する水素原子がアルキル基(メチル基等)、アシル基(アセチル基、トリフルオロアセチル基など)等で置換されていてもよい。
A1における複素環基としては、例えば、チオフェン環基、フラン環基、キサンテン環基、ピロール環基、ピロリン環基、ピロリジン環基、ジオキソラン環基、ピラゾール環基、ピラゾリン環基、ピラゾリジン環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、オキサジアゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、ピラン環基、ピリジン環基、ピペリジン環基、ジオキサン環基、モルホリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピペラジン環基、トリアジン環基、トリチアン環基、イソインドリン環基、イソインドリノン環基、ベンズイミダゾロン環基、ベンゾチアゾール環基、ヒダントイン環基、インドール環基、キノリン環基、カルバゾール環基、アクリジン環基、アクリドン環基、アントラキノン環基が挙げられる。
A1におけるイミド基としては、コハクイミド基、フタルイミド基、ナフタルイミド基等が挙げられる。
上記の複素環基及びイミド基は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜16のアリール基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1〜6のアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
A1におけるアルコキシシリル基としては、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基のいずれでもよいが、トリアルコキシシリル基であることが好ましく、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
A1におけるエポキシ基としては、置換又は無置換のオキシラン基(エチレンオキシド基)が挙げられる。
式(100)において、R1は、(m+n)価の連結基を表す。(m+n)価の連結基としては、1〜100個の炭素原子、0〜10個の窒素原子、0〜50個の酸素原子、1〜200個の水素原子、および0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が挙げられる。
(m+n)価の連結基は、下記式のいずれかで表される基であることが好ましい。
L
3は3価の基を表す。T
3は単結合又は2価の連結基を表し、3個存在するT
3は互いに同一であっても異なっていてもよい。
L
4は4価の基を表す。T
4は単結合又は2価の連結基を表し、4個存在するT
4は互いに同一であっても異なっていてもよい。
L
5は5価の基を表す。T
5は単結合又は2価の連結基を表し、5個存在するT
5は互いに同一であっても異なっていてもよい。
L
6は6価の基を表す。T
6は単結合又は2価の連結基を表し、6個存在するT
6は互いに同一であっても異なっていてもよい。
(m+n)価の連結基は、具体例として、下記の構造単位または以下の構造単位が2以上組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。(m+n)価の連結基の詳細については、特開2014−177613号公報の段落番号0043〜0055を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
式(100)において、P1は、1価のポリマー鎖を表す。1価のポリマー鎖は、ビニル系ポリマー、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニル系ポリマー、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましい。
P
1が表す1価のポリマー鎖は、式(L)、(M)、(N)で表される構造を有するポリマー鎖であることが好ましい。
式中、X
1は水素原子または1価の有機基を表す。X
1は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
R
10は水素原子又は1価の有機基を表し、水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基が好ましく、水素原子またはアルキル基がより好ましい。R
10がアルキル基である場合、アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐状アルキル基、又は炭素数5〜20の環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が特に好ましい。式(L)中に構造の異なるR
10を2種以上有していても良い。
R
11及びR
12は、分岐若しくは直鎖のアルキレン基(炭素数は1〜10が好ましく、2〜8であることがより好ましく、3〜6であることが更に好ましい。)を表す。各一般式中に構造の異なるR
11又はR
12を2種以上有していても良い。
k1、k2、k3は、それぞれ独立に、5〜140の数を表す。
P1は、少なくとも1種の繰り返し単位を含有することが好ましい。P1における、前述の繰り返し単位の繰り返し数kは、立体反発力を発揮し分散性を向上する観点から、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。また、膜中に粒子を密に存在させる観点から、前述の繰り返し単位の繰り返し数kは、50以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましく、30以下であることが更に好ましい。
P1が表す1価のポリマー鎖は、有機溶剤に可溶であることが好ましい。有機溶剤に可溶であれば、有機溶剤との親和性が良好であり、粒子の分散安定化を向上できる。
式(100)において、R2は単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、1〜100個の炭素原子、0〜10個の窒素原子、0〜50個の酸素原子、1〜200個の水素原子、および0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が挙げられる。上述の基は、無置換であってもよく、置換基を更に有していてもよい。2価の連結基は、具体的な例として、下記の構造単位または以下の構造単位が2以上組み合わさって構成される基を挙げることができる。2価の連結基の詳細については、特開2007−277514号公報の段落番号0071〜0075を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
式(100)中、mは8以下の正の数を表す。mは、0.5〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
式(100)中、nは1〜9を表す。nは、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
式(100)で表される樹脂は、式(100a)で表される樹脂が好ましい。
式(100a)において、A2は、酸基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。R3は、(m+n)価の連結基を表す。R4及びR5は単結合又は2価の連結基を表す。P2は1価のポリマー鎖を表す。mは8以下の正の数を表し、nは1〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。n個のA2及びR4は、それぞれ、同一であっても、m個のP2及びR5は、同一であっても、異なっていてもよい。
式(100a)のA2は、式(100)のA1と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(100a)において、R4、R5で表される2価の連結基としては、式(100)のR2で表される2価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
式(100a)において、R3が表す(m+n)価の連結基としては、1〜100個の炭素原子、0〜10個の窒素原子、0〜50個の酸素原子、1〜200個の水素原子、および0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が挙げられる。(m+n)価の連結基の詳細については、式(100)のR1で説明した(m+n)価の連結基が挙げられ、好ましい態様も同様である。
式(100a)中、m、nは、それぞれ、式(100)におけるm、nと同義であり、好ましい態様も同様である。
式(100)において、P2が表す1価のポリマー鎖は、(100)のP1と同義であり、好ましい態様も同様である
式(100)で表される樹脂は、式(100b)で表される樹脂であることも好ましい。
式(100b)において、R6は、(m+n1+n2)価の連結基を表す。R7〜R9は各々独立に単結合又は2価の連結基を表す。A3は酸基を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。A4は、A3とは異なる1価の置換基を表す。P1は1価のポリマー鎖を表す。mは8以下の正の数を表し、n1は1〜8を表し、n2は1〜8を表し、m+n1+n2は3〜10を満たす。n1個のA3及びR7は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。n2個のA4及びR8は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。
式(100b)におけるmは、式(100)におけるmと同義であり、好ましい態様も同様である。
式(100b)におけるP3は、式(100)におけるP1と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(100b)におけるR6が表す(m+n1+n2)価の連結基は、1〜100個の炭素原子、0〜10個の窒素原子、0〜50個の酸素原子、1〜200個の水素原子、および0〜20個の硫黄原子から成り立つ基が挙げられる。(m+n)価の連結基の詳細については、式(100)のR1で説明した(m+n)価の連結基が挙げられ、好ましい態様も同様である。
式(100b)におけるR7〜R9が表す2価の連結基としては、式(100)のR2で表される2価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
式(100b)におけるA3が有する酸基は、カルボキシ基、スルホ基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボキシ基、スルホ基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基が好ましく、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基がより好ましく、カルボキシ基が更に好ましい。
式(100b)におけるA4が表す1価の置換基としては、式(100)のA1で説明した1価の置換基(ただし、酸基を除く)が挙げられる。なかでも、pKa5以上の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であることが好ましく、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、ウレア基、ウレタン基、アルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、ヒドロキシ基及び複素環基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基であることがより好ましく、アルキル基、アリール基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基又はウレタン基であることが更に好ましい。
A3とA4との組合せとしては、A3がpKaが5より小さい官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であり、A4がpKa5以上の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基である組み合わせが好ましい。
A3が、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基であり、かつA4が配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、フェノール基、ウレア基、ウレタン基、アルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキレンオキシ鎖を有する基、イミド基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、ヒドロキシ基及び複素環基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基であることがより好ましい。A3が、カルボキシ基を有する1価の置換基であり、A4が、アルキル基、アリール基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基又はウレタン基であることが更に好ましい。
式(100)で表される樹脂の重量平均分子量は、1000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、3000〜20000が更に好ましい。上記範囲であれば、粒子の分散性が良好である。
式(100)で表される樹脂は、特開2007−277514号公報の段落番号0039(対応する米国特許出願公開第2010/0233595号明細書の[0053])の記載、および、特開2015−34961号公報の段落番号0081〜0117の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。式(100)で表される樹脂の具体例としては、下記の樹脂が挙げられる。また、特開2014−177613号公報の段落番号0223〜0291、特開2014−062221号公報の段落番号0229〜0295、特開2014−177614号公報の段落番号0251〜0337に記載された樹脂が挙げられ、この内容は本発明に組み込まれることとする。
式(100)で表される樹脂の合成方法は特に制限されないが、複数の吸着部位を有するメルカプタン化合物存在下で、ビニルモノマーをラジカル重合して製造する方法が挙げられる。式(100)で表される樹脂の合成方法の詳細については、特開2007−277514号公報段落0114〜0140、0266〜0348、特開2014−177614号公報の段落番号0077〜0108に記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、楠本化成株式会社製「DA−7301」、BYKChemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合体)、111(リン酸系分散剤)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合体)」、BYKChemie社製「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)」、EFKA社製「EFKA4047、4050〜4165(ポリウレタン系)、EFKA4330〜4340(ブロック共重合体)、4400〜4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822、PB880、PB881」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、花王社製「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、花王社製「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、花王社製「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、日本ルーブリゾール(株)製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、12000、17000、20000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカルズ社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」、川研ファインケミカル(株)製「ヒノアクトT−8000E」、信越化学工業(株)製「オルガノシロキサンポリマーKP341」、森下産業(株)製「EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450」、サンノプコ(株)製「ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100」、(株)ADEKA製「アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123」、および三洋化成(株)製「イオネットS−20」等が挙げられる。
なお、上記分散剤で説明した樹脂は、分散剤以外の用途で使用することもできる。例えば、バインダーとして用いることもできる。また、酸基を有する樹脂(分散剤)は、アルカリ可溶性樹脂として用いることもできる。
本発明の組成物において、樹脂の含有量は、組成物の全固形分に対して0.1〜80質量%であることが好ましい。下限は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、10質量%以上が特に好ましい。上限は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。樹脂は、1種のみを含んでいてもよいし、樹脂を2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の組成物において、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.1〜40質量%が好ましい。上限は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下が更に好ましい。下限は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上が更に好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、1種のみを含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。アルカリ可溶性樹脂を2種以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の組成物において、分散剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.1〜40質量%が好ましい。上限は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下が更に好ましい。下限は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上が更に好ましい。また、分散剤の含有量は、金属化合物Aの粒子100質量部に対して、1〜100質量部が好ましい。上限は、80質量部以下が好ましく、60質量部以下が更に好ましい。下限は、2.5質量部以上が好ましく、5質量部以上が更に好ましい。分散剤は、1種のみを含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。分散剤を2種以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<重合性化合物>>
本発明の組成物は、重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物は、ラジカルの作用により重合可能な化合物が好ましい。すなわち、重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有する基を1個以上有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合を有する基を2個以上有する化合物がより好ましく、エチレン性不飽和結合を有する基を3個以上有する化合物が更に好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基の個数の上限は、たとえば、15個以下が好ましく、6個以下がより好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、スチリル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
重合性化合物は、モノマー、ポリマーのいずれの形態であってもよいが、モノマーが好ましい。モノマータイプの重合性化合物は、分子量が200〜3000であることが好ましい。分子量の上限は、2500以下が好ましく、2000以下が更に好ましい。分子量の下限は、250以上が好ましく、300以上が更に好ましい。
重合性化合物の例としては、特開2013−253224号公報の段落番号0033〜0034の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。上記化合物としては、エチレンオキシ変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては、NKエステルATM−35E;新中村化学工業(株)製)、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては、KAYARAD D−330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては、KAYARAD D−320;日本化薬(株)製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては、KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、A−DPH−12E;新中村化学工業(株)製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介して結合している構造が好ましい。またこれらのオリゴマータイプも使用できる。また、特開2013−253224号公報の段落番号0034〜0038の重合性化合物の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、特開2012−208494号公報の段落番号0477(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の段落番号0585)に記載の重合性モノマー等が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、ジグリセリンEO(エチレンオキシド)変性(メタ)アクリレート(市販品としては M−460;東亞合成(株)製)が好ましい。ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業(株)製、A−TMMT)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD HDDA)も好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。例えば、RP−1040(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
重合性化合物は、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。酸基を有する重合性化合物は、多官能アルコールの一部のヒドロキシ基を(メタ)アクリレート化し、残ったヒドロキシ基に酸無水物を付加反応させてカルボキシ基とするなどの方法で得られる。また、上述のヒドロキシ基に、非芳香族カルボン酸無水物などを反応させて酸基を導入しても良い。非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。酸基を有する重合性化合物は、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシ基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を付加した重合性化合物がより好ましく、上述のエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールのうちの少なくとも一方である化合物が更に好ましい。市販品としては、アロニックス M−510、M−520(東亞合成(株)製)、CBX−0、CBX−1(新中村化学工業(株)製)などが挙げられる。酸基を有する重合性化合物の酸価は、0.1〜40mgKOH/gが好ましい。下限は5mgKOH/g以上が好ましい。上限は、30mgKOH/g以下が好ましい。
重合性化合物は、カプロラクトン構造を有する重合性化合物も好ましい態様である。カプロラクトン構造を有する重合性化合物としては、分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸及びε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。カプロラクトン構造を有する重合性化合物は、下記式(Z−1)で表される化合物が好ましい。
式(Z−1)中、6個のRは全てが式(Z−2)で表される基であるか、又は6個のRのうち1〜5個が式(Z−2)で表される基であり、残余が式(Z−3)で表される基である。
式(Z−2)中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、mは1又は2の数を示し、「*」は結合手であることを示す。
式(Z−3)中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。
カプロラクトン構造を有する重合性化合物は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記式(Z−1)〜(Z−3)においてm=1、式(Z−2)で表される基の数=2、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式、m=1、式(Z−2)で表される基の数=3、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、式(Z−2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてm=2、式(Z−2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)等が挙げられる。
重合性化合物は、式(Z−4)又は(Z−5)で表される化合物を用いることもできる。
式(Z−4)及び(Z−5)中、Eは、各々独立に、−((CH2)yCH2O)−、又は−((CH2)yCH(CH3)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、Xは、各々独立に、(メタ)アクリロイル基、水素原子、又はカルボキシ基を表す。
式(Z−4)中、(メタ)アクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。
式(Z−5)中、(メタ)アクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。
式(Z−4)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
式(Z−5)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、式(Z−4)又は式(Z−5)中の−((CH2)yCH2O)−又は−((CH2)yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
式(Z−4)又は式(Z−5)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、式(Z−5)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
式(Z−4)又は式(Z−5)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」とも称する。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
式(Z−4)、(Z−5)で表される重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー(株)製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬(株)製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
重合性化合物は、イソシアヌル酸エチレンオキシ変性(メタ)アクリレートも好ましい。市販品としては、アロニックス M−315、M−313(東亞合成(株)製)、NKエステル A−9300(新中村化学工業(株)製)、SR368(サートマー(株)製)などが挙げられる。また、下記化合物を用いることもできる。
重合性化合物は、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。また、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることができる。
市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200(新中村化学工業(株)製)、DPHA−40H(日本化薬(株)製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600、ライトアクリレートDCP―A(共栄社化学(株)製)などが挙げられる。
本発明の組成物において、重合性化合物の含有量は、組成物の全固形分中0.01〜50質量%であることが好ましい。下限は、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。上限は、30質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。本発明の硬化性組成物が重合性化合物を2種以上含む場合、その合計量は上記範囲内であることが好ましい。
<<光重合開始剤>>
本発明の組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外領域から可視領域の光線に対して感光性を有する化合物が好ましい。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤が好ましい。また、光重合開始剤は、約300nm〜800nm(330nm〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50のモル吸光係数を有する化合物を少なくとも1種含有していることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するものなど)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報に記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.Schaefer著のJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報に記載の化合物、特開平5−281728号公報に記載の化合物、特開平5−34920号公報に記載の化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物などが挙げられる。
光重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体、ハロメチルオキサジアゾール化合物および3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。α−アミノケトン化合物の例としては、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。α−アミノケトン化合物の市販品としては、IRGACURE 907、IRGACURE 369、及び、IRGACURE 379(商品名:いずれもBASF社製)などが挙げられる。α−ヒドロキシケトン化合物の市販品としては、IRGACURE 184、DAROCUR 1173、IRGACURE 500、IRGACURE 2959,IRGACURE 127(商品名:いずれもBASF社製)などが挙げられる。アシルホスフィン化合物の市販品としては、IRGACURE 819やIRGACURE TPO(商品名:いずれもBASF社製)が挙げられる。
光重合開始剤は、オキシム化合物を用いることも好ましい。オキシム化合物の具体例としては、特開2001−233842号公報に記載の化合物、特開2000−80068号公報に記載の化合物、特開2006−342166号公報に記載の化合物、特開2016−21012号公報に記載の化合物を用いることができる。
本発明において、好適に用いることのできるオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイルオキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。また、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報に記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等も挙げられる。市販品ではIRGACURE OXE01、IRGACURE OXE02、IRGACURE−OXE03、IRGACURE−OXE04(以上、BASF社製)も好適に用いられる。また、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司社製)、アデカアークルズNCI−930((株)ADEKA製)、アデカオプトマーN−1919((株)ADEKA製、特開2012−14052号公報に記載の光重合開始剤2)を用いることができる。
また上記記載以外のオキシム化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許第7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報及び米国特許公開2009−292039号記載の化合物、国際公開WO2009−131189号公報に記載のケトオキシム化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有し、g線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報に記載の化合物、特開2014−137466号公報の段落番号0076〜0079に記載された化合物などを用いてもよい。
好ましくは、例えば、特開2013−29760号公報の段落番号0274〜0275を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
具体的には、オキシム化合物としては、下記式(OX−1)で表される化合物が好ましい。オキシム化合物は、オキシムのN−O結合が(E)体のオキシム化合物であってもよく、オキシムのN−O結合が(Z)体のオキシム化合物であってもよく、(E)体と(Z)体との混合物であってもよい。
式(OX−1)中、RおよびBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。
式(OX−1)中、Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団であることが好ましい。
一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
式(OX−1)中、Bで表される一価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、又は、複素環カルボニル基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。
式(OX−1)中、Aで表される二価の有機基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アルキニレン基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。
本発明は、光重合開始剤として、フルオレン環を有するオキシム化合物を用いることもできる。フルオレン環を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2014−137466号公報に記載の化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれることとする。
本発明は、光重合開始剤として、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報に記載の化合物、特表2014−500852号公報に記載の化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報に記載の化合物(C−3)などが挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれることとする。
本発明は、光重合開始剤として、ニトロ基を有するオキシム化合物を用いることができる。ニトロ基を有するオキシム化合物は、二量体とすることも好ましい。ニトロ基を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2013−114249号公報の段落番号0031〜0047、特開2014−137466号公報の段落番号0008〜0012、0070〜0079に記載されている化合物、特許4223071号公報の段落番号0007〜0025に記載されている化合物、アデカアークルズNCI−831((株)ADEKA製)が挙げられる。
本発明は、光重合開始剤として、ベンゾフラン骨格を有するオキシム化合物を用いることもできる。具体例としては、国際公開WO2015/036910公報に記載されるOE−01〜OE−75が挙げられる。
本発明において好ましく使用されるオキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
オキシム化合物は、350〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物が好ましく、360〜480nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物がより好ましく、365nm及び405nmの吸光度が高い化合物が特に好ましい。
オキシム化合物の365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。化合物のモル吸光係数の測定は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Cary−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光重合開始剤は、オキシム化合物とα−アミノケトン化合物とを含むことも好ましい。両者を併用することで、現像性が向上し、矩形性に優れたパターンを形成しやすい。オキシム化合物とα−アミノケトン化合物とを併用する場合、オキシム化合物100質量部に対して、α−アミノケトン化合物が50〜600質量部が好ましく、150〜400質量部がより好ましい。
光重合開始剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対し0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%であり、更に好ましくは1〜20質量%である。この範囲で、より良好な感度とパターン形成性が得られる。本発明の組成物は、光重合開始剤を、1種のみを含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<連鎖移動剤>>
本発明の組成物は、連鎖移動剤を含有することが好ましい。この態様によれば、パターン形成時の露光において、露光により膜表面(パターン表面)の硬化を促進できる。このため、露光時の膜厚の減少などを抑制でき、矩形性に優れたパターンを形成しやすい。
連鎖移動剤としては、N,N-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステルや、チオール化合物などが挙げられ、チオール化合物が好ましい。チオール化合物は、分子内に2個以上(好ましくは2〜8個、より好ましくは3〜6個)のチオール基を有する化合物が好ましい。チオール化合物の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾール、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどの複素環を有するチオール化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタンなどの脂肪族系のチオール化合物などが挙げられる。また、下記化合物を用いることも好ましい。また、連鎖移動剤の市販品としては、PEMP(長瀬産業(株)製、チオール化合物)、サンセラー M(三新化学工業(株)製、チオール化合物)、カレンズMT BD1(昭和電工社(株)製、チオール化合物)などが挙げられる。
連鎖移動剤の含有量は、組成物の全固形分に対して0.2〜5.0質量%が好ましく、0.4〜3.0質量%がより好ましい。
連鎖移動剤の含有量は、重合性化合物の100質量部に対し、1〜40質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。
<<エポキシ基を有する化合物>>
本発明の組成物は、エポキシ基を有する化合物を含有することもできる。エポキシ基を有する化合物は、1分子内にエポキシ基を1つ以上有する化合物が挙げられ、2つ以上有する化合物が好ましい。エポキシ基は、1分子内に1〜100個有することが好ましい。エポキシ基の上限は、例えば、10個以下とすることもでき、5個以下とすることもできる。エポキシ基の下限は、2個以上が好ましい。
エポキシ基を有する化合物は、エポキシ当量(=エポキシ基を有する化合物の分子量/エポキシ基の数)が500g/当量以下であることが好ましく、100〜400g/当量であることがより好ましく、100〜300g/当量であることが更に好ましい。
エポキシ基を有する化合物は、低分子化合物(例えば、分子量1000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1000以上)のいずれでもよい。エポキシ基を有する化合物の分子量(ポリマーの場合は重量平均分子量)は、200〜100000が好ましく、500〜50000がより好ましい。
エポキシ基を有する化合物は、特開2013−011869号公報の段落番号0034〜0036、特開2014−043556号公報の段落番号0147〜0156、特開2014−089408号公報の段落番号0085〜0092に記載された化合物を用いることもできる。これらの内容は、本明細書に組み込まれることとする。市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、jER825、jER827、jER828、jER834、jER1001、jER1002、jER1003、jER1055、jER1007、jER1009、jER1010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、jER806、jER807、jER4004、jER4005、jER4007、jER4010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、jER152、jER154、jER157S70、jER157S65(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(日本化薬(株)製)等が挙げられる。脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、(株)ダイセル製)、デナコール EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)等が挙げられる。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、jER1031S(三菱化学(株)製)、OXT−221(東亞合成(株)製)等が挙げられる。
エポキシ基を有する化合物は、特開2009−265518号公報の段落番号0045等に記載された化合物を用いることもできる。
エポキシ基を有する化合物を含有する場合、エポキシ基を有する化合物の含有量は、組成物の全固形分中0.5〜20質量%が好ましい。下限は1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。上限は、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
<<溶剤>>
本発明の組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、有機溶剤が挙げられる。溶剤は、各成分の溶解性や組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はないが、組成物の塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
有機溶剤の例としては、例えば、以下のものが挙げられる。エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸シクロヘキシル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキル(例えば、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が挙げられる。エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等が挙げられる。ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。ただし溶剤としての芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)は、環境面等の理由により低減したほうがよい場合がある(例えば、有機溶剤全量に対して、50質量ppm(parts per million)以下とすることもでき、10質量ppm以下とすることもでき、1質量ppm以下とすることもできる)。
有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機溶剤を2種以上組み合わせて用いる場合、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶剤が好ましい。
本発明において、金属含有量の少ない溶剤を用いることが好ましく、溶剤の金属含有量は、例えば10質量ppb(parts per billion)以下であることが好ましい。必要に応じて質量ppt(parts per trillion)レベルの溶剤を用いてもよく、そのような高純度溶剤は例えば東洋合成社が提供している(化学工業日報、2015年11月13日)。
溶剤から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、蒸留(分子蒸留や薄膜蒸留等)やフィルタを用いたろ過を挙げることができる。ろ過に用いるフィルタのフィルタ孔径としては、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルタの材質は、ポリテトラフロロエチレン、ポリエチレンまたはナイロンが好ましい。
溶剤は、異性体(同じ原子数で異なる構造の化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。
本発明において、有機溶剤は、過酸化物の含有率が0.8mmol/L以下であることが好ましく、過酸化物を実質的に含まないことがより好ましい。
溶剤の含有量は、組成物の全量に対し、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、25〜75質量%であることが更に好ましい。
<<シランカップリング剤>>
本発明の組成物は、更に、シランカップリング剤を含有することができる。なお、本発明において、シランカップリング剤は、上述した重合性化合物とは異なる成分である。本発明において、シランカップリング剤は、加水分解性基とそれ以外の官能基とを有するシラン化合物を意味する。また、加水分解性基とは、珪素原子に直結し、加水分解反応及び縮合反応の少なくともいずれかによってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられ、アルコキシ基が好ましい。すなわち、シランカップリング剤は、アルコキシシリル基を有する化合物が好ましい。また、加水分解性基以外の官能基は、樹脂との間で相互作用するか、もしくは結合を形成して親和性を示す基が好ましい。例えば、ビニル基、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアネート基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基が好ましい。即ち、シランカップリング剤は、アルコキシシリル基と、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基のうちの少なくとも一方と、を有する化合物が好ましい。
シランカップリング剤の具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、パラスチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。また、上記以外にアルコキシオリゴマーを用いることができる。また、下記化合物を用いることもできる。
市販品としては、信越シリコーン社製のKBM−13、KBM−22、KBM−103、KBE−13、KBE−22、KBE−103、KBM−3033、KBE−3033、KBM−3063、KBM−3066、KBM−3086、KBE−3063、KBE−3083、KBM−3103、KBM−3066、KBM−7103、SZ−31、KPN−3504、KBM−1003、KBE−1003、KBM−303、KBM−402、KBM−403、KBE−402、KBE−403、KBM−1403、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−5103、KBM−602、KBM−603、KBM−903、KBE−903、KBE−9103、KBM−573、KBM−575、KBM−9659、KBE−585、KBM−802、KBM−803、KBE−846、KBE−9007、X−40−1053、X−41−1059A、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1818、X−41−1810、X−40−2651、X−40−2655A、KR−513,KC−89S,KR−500、X−40−9225、X−40−9246、X−40−9250、KR−401N、X−40−9227、X−40−9247、KR−510、KR−9218、KR−213、X−40−2308、X−40−9238などが挙げられる。また、シランカップリング剤として、特開2009−288703号公報の段落番号0018〜0036に記載の化合物、特開2009−242604号公報の段落番号0056〜0066に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれることとする。
シランカップリング剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.01〜15.0質量%が好ましく、0.05〜10.0質量%がより好ましい。シランカップリング剤は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<界面活性剤>>
本発明の組成物は、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
上記組成物にフッ素系界面活性剤を含有させることで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上し、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。即ち、フッ素系界面活性剤を含有する組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力が低下して、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行うことができる。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3〜40質量%が好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤として具体的には、特開2014−41318号公報の段落番号0060〜0064(対応する国際公開WO2014/17669号パンフレットの段落番号0060〜0064)等に記載の界面活性剤、特開2011−132503号公報の段落番号0117〜0132に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造で、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファックDSシリーズ(化学工業日報、2016年2月22日)(日経産業新聞、2016年2月23日)、例えばメガファックDS−21が挙げられ、これらを用いることができる。
フッ素系界面活性剤は、ブロックポリマーを用いることもできる。例えば特開2011−89090号公報に記載された化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。
上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜50,000であり、例えば、14,000である。上記の化合物中、繰り返し単位の割合を示す%は質量%である。
また、フッ素系界面活性剤は、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。具体例としては、特開2010−164965号公報の段落番号0050〜0090および段落番号0289〜0295に記載された化合物、例えばDIC(株)製のメガファックRS−101、RS−102、RS−718K、RS−72−K等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、特開2015−117327号公報の段落番号0015〜0158に記載の化合物を用いることもできる。
ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2(BASF社製)、テトロニック304、701、704、901、904、150R1(BASF社製)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、NCW−101、NCW−1001、NCW−1002(和光純薬工業(株)製)、パイオニンD−6112、D−6112−W、D−6315(竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(日信化学工業(株)製)などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、W004、W005、W017(裕商(株)製)、サンデットBL(三洋化成(株)製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4460、TSF−4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、KP341、KF6001、KF6002(以上、信越シリコーン株式会社製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、0.005〜1.0質量%がより好ましい。
<<紫外線吸収剤>>
本発明の組成物は、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
紫外線吸収剤は、共役ジエン系化合物およびジケトン化合物が挙げられ、共役ジエン系化合物が好ましい。共役ジエン系化合物は、下記式(UV−1)で表される化合物がより好ましい。
式(UV−1)において、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表し、R1とR2とは互いに同一でも異なっていてもよいが、同時に水素原子を表すことはない。
R1及びR2は、R1及びR2が結合する窒素原子とともに、環状アミノ基を形成してもよい。環状アミノ基としては、例えば、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基、ヘキサヒドロアゼピノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
R1及びR2は、各々独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基が更に好ましい。
R3及びR4は、電子求引性基を表す。R3及びR4は、アシル基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、スルファモイル基が好ましく、アシル基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、スルファモイル基が好ましい。また、R3及びR4は、互いに結合して環状の電子求引性基を形成してもよい。R3およびR4が互いに結合して形成する環状の電子求引性基としては、例えば、2個のカルボニル基を含む6員環を挙げることができる。
上記のR1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つは、連結基を介して、ビニル基と結合したモノマーより導かれるポリマーの形になっていてもよい。他のモノマーとの共重合体であっても良い。
式(UV−1)で示される紫外線吸収剤の具体例としては、下記化合物が挙げられる。式(UV−1)で示される紫外線吸収剤の置換基の説明は、WO2009/123109号公報の段落番号0024〜0033(対応する米国特許出願公開第2011/0039195号明細書の段落番号0040〜0059)の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。式(UV−1)で表される化合物の好ましい具体例は、WO2009/123109号公報の段落番号0034〜0037(対応する米国特許出願公開第2011/0039195号明細書の段落番号0060)の例示化合物(1)〜(14)の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。式(UV−1)で示される紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、UV503(大東化学(株)製)などが挙げられる。
紫外線吸収剤として用いるジケトン化合物は、下記式(UV−2)で表される化合物が好ましい。
式(UV−2)において、R
101及びR
102は、各々独立に、置換基を表し、m1およびm2は、それぞれ独立して0〜4を表す。置換基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロアリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、シリル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基などが挙げられ、アルキル基およびアルコキシ基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、環状が挙げられ、直鎖または分岐が好ましく、分岐がより好ましい。
アルコキシ基の炭素数は、1〜20が好ましい。アルコキシ基は、直鎖、分岐、環状が挙げられ、直鎖または分岐が好ましく、分岐がより好ましい。
R
101及びR
102の一方がアルキル基で、他方がアルコキシ基である組み合わせが好ましい。
m1およびm2は、それぞれ独立して0〜4を表す。m1およびm2は、それぞれ独立して0〜2が好ましく、0〜1がより好ましく、1が特に好ましい。
式(UV−2)で表される化合物としては、下記化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤は、ユビナールA(BASF社製)を用いることもできる。また、紫外線吸収剤としては、アミノジエン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、トリアジン化合物等の紫外線吸収剤を用いることができ、具体例としては特開2013−68814号に記載の化合物が挙げられる。ベンゾトリアゾール化合物としてはミヨシ油脂製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)を用いてもよい。
紫外線吸収剤の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
紫外線吸収剤は、重合性化合物の100質量部に対し、5〜100質量部含有することが好ましい。上限は、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましい。下限は、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましい。
<<重合禁止剤>>
本発明の組成物は、組成物の製造中又は保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、重合禁止剤を含有させてもよい。重合禁止剤としては、例えばフェノール系ヒドロキシ基含有化合物類、N−オキシド化合物類、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、ジアゾニウム化合物類、カチオン染料類、スルフィド基含有化合物類、ニトロ基含有化合物類、リン系化合物類、ラクトン系化合物類、遷移金属化合物類(FeCl3、CuCl2等)が挙げられる。また、これらの化合物類においては、フェノール骨格やリン含有骨格などの重合禁止機能を発現する構造が同一分子内に複数存在する複合系化合物であってもよい。例えば特開平10−46035号公報に記載の化合物なども好適に用いられる。重合禁止剤の具体例は、ハイドロキノン、パラメトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−パラクレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン塩(アンモニウム塩、第一セリウム塩等)が挙げられる。中でも、パラメトキシフェノールが好ましい。
重合禁止剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.01〜5質量%が好ましい。
重合禁止剤は、重合性化合物の100質量部に対し、0.001〜1質量部含有することが好ましい。上限は、0.5質量部以下が好ましく、0.2質量部以下がより好ましい。下限は、0.01質量部以上が好ましく、0.03質量部以上がより好ましい。
<<酸化防止剤>>
本発明の組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられ、フェノール化合物、ヒンダードアミン化合物が好ましい。酸化防止剤の分子量は500以上が好ましい。
フェノール化合物としては、フェノール系酸化防止剤として知られる任意のフェノール化合物を使用することができる。好ましいフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。特に、フェノール性ヒドロキシ基に隣接する部位(オルト位)に置換基を有する化合物が好ましい。前述の置換基としては炭素数1〜22の置換又は無置換のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルへキシル基がより好ましい。また、同一分子内にフェノール基と亜リン酸エステル基を有する化合物も好ましい。
フェノール化合物は、多置換フェノール系化合物が好ましい。多置換フェノール系化合物は、大きく分けて、その置換位置および構造の違う3種類((A)ヒンダードタイプ、(B)セミヒンダードタイプ、(C)レスヒンダードタイプ)がある。
式(A)〜(C)において、Rは、水素原子または置換基を表す。置換基としては、ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基は、更に置換基を有していてもよい。
フェノール化合物は、上記式(A)〜(C)で表される構造が同一分子内に複数存在する化合物が好ましく、上記式(A)〜(C)で表される構造が同一分子内に2〜4個存在する化合物がより好ましい。
フェノール化合物としては、例えばp−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、4,4−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノール樹脂類、及びクレゾール樹脂類からなる群より選択される化合物などが挙げられる。
市販品として入手できる代表例には、(A)としてはSumilizer BHT (住友化学製)、Irganox 1010、1222(BASF社製)、アデカスタブAO−20、AO−50、AO−50F、AO−60、AO−60G、AO−330((株)ADEKA製)などがあり、(B)としてはSumilizer BBM−S(住友化学(株)製)、Irganox 245(BASF社製)、アデカスタブAO−80((株)ADEKA製)などがあり、(C)としてはアデカスタブAO−30、AO−40((株)ADEKA製)などがある。
ヒンダードアミン化合物は、下記式(HA)で表される部分構造を一分子中に1個以上有する化合物が挙げられる。
式(HA)
式(HA)において、波線は、ヒンダードアミン化合物を構成する他の原子または原子団との連結手を表す。R
1〜R
4はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表し、R
5は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基を表す。
ヒンダードアミン化合物は、上記式(HA)で表される部分構造を一分子中に2個以上有する化合物が好ましい。上限は、100個以下が好ましく、50個以下がより好ましく、20個以下が更に好ましく、10個以下が特に好ましい。
ヒンダードアミン化合物としては、アデカスタブLA−52、LA−57、LA−63P、LA−68、LA−72、LA−77Y、LA−77G、LA−81、LA−82、LA−87((株)ADEKA製)などが挙げられる。
亜リン酸エステル化合物としては、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2−[(4,6,9,11−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−2−イル)オキシ]エチル]アミン、および亜リン酸エチルビス(2,4−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
酸化防止剤は、上述したもののほか、アデカスタブ PEP−36A、アデカスタブ AO−412S((株)ADEKA製)などを用いることもできる。
酸化防止剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.01〜20質量%が好ましく、0.3〜15質量%がより好ましい。酸化防止剤は、1種のみでもよく、2種以上でもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<その他成分>>
本発明の組成物は、必要に応じて、増感剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を含有してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、目的とする近赤外線カットフィルタなどの光学フィルタの安定性、膜物性などの性質を調整することができる。これらの成分は、例えば、特開2012−003225号公報の段落番号0183(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の段落番号0237)の記載、特開2008−250074号公報の段落番号0101〜0104、0107〜0109等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<組成物の調製方法>
本発明の組成物は、前述の成分を混合して調製できる。
組成物の調製に際しては、各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解または分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解または分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液または分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
また、粒子を分散させるプロセスを含むことが好ましい。粒子を分散させるプロセスにおいて、粒子の分散に用いる機械力としては、圧縮、圧搾、衝撃、剪断、キャビテーションなどが挙げられる。これらプロセスの具体例としては、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、マイクロフルイダイザー、高速インペラー、サンドグラインダー、フロージェットミキサー、高圧湿式微粒化、超音波分散などが挙げられる。またサンドミル(ビーズミル)における粒子の粉砕においては、径の小さいビーズを使用する、ビーズの充填率を大きくする事等により粉砕効率を高めた条件で処理することが好ましい。また、粉砕処理後にろ過、遠心分離などで粗粒子を除去することが好ましい。また、粒子を分散させるプロセスおよび分散機は、「分散技術大全、株式会社情報機構発行、2005年7月15日」や「サスペンション(固/液分散系)を中心とした分散技術と工業的応用の実際 総合資料集、経営開発センター出版部発行、1978年10月10日」、特開2015−157893号公報の段落番号0022に記載のプロセス及び分散機を好適に使用出来る。また粒子を分散させるプロセスにおいては、ソルトミリング工程にて粒子の微細化処理を行ってもよい。ソルトミリング工程に用いられる素材、機器、処理条件等は例えば特開2015−194521号公報、特開2012−046629号公報に記載のものを使用することができる。
組成物の調製にあたり、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、組成物をフィルタでろ過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ナイロン(例えばナイロン−6、ナイロン−6,6)等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量のものを含む)等を用いたフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、0.01〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.01〜3.0μm程度、更に好ましくは0.05〜0.5μm程度である。この範囲とすることにより、微細な異物を確実に除去することが可能となる。また、ファイバ状のろ材を用いることも好ましい。ファイバ状のろ材としては、例えばポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、グラスファイバ等が挙げられ、具体的にはロキテクノ社製のSBPタイプシリーズ(SBP008など)、TPRタイプシリーズ(TPR002、TPR005など)、SHPXタイプシリーズ(SHPX003など)のフィルタカートリッジを用いることができる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタでのろ過は、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。
また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社(DFA4201NXEYなど)、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
例えば、第1のフィルタでのろ過は、分散液のみで行い、他の成分を混合した後で、第2のろ過を行ってもよい。
本発明の組成物の粘度(23℃における)は、1〜100mPa・sであることが好ましい。下限は、2mPa・s以上がより好ましく、3mPa・s以上が更に好ましい。上限は、50mPa・s以下がより好ましく、30mPa・s以下が更に好ましく、15mPa・s以下が特に好ましい。
本発明の組成物の全固形分は、適用方法により変更されるが、例えば、1〜50質量%であることが好ましい。下限は10質量%以上がより好ましい。上限は30質量%以下がより好ましい。
本発明の組成物は、近赤外線カットフィルタや赤外線透過フィルタなどの形成に好ましく用いることができる。
<膜>
本発明の膜は、上述した本発明の組成物を用いてなるものである。本発明の膜は、近赤外線カットフィルタや赤外線透過フィルタとして好ましく用いることができる。本発明の膜は、パターンを有していてもよく、パターンを有さない膜(平坦膜)であってもよい。また、本発明の膜は、支持体上に積層した状態で用いてもよく、本発明の膜を支持体から剥離して用いてもよい。
本発明の膜を、赤外線透過フィルタとして用いる場合、上述した金属化合物Aと、可視光を遮光する色材とを含む組成物を用いたフィルタであるか、上述した金属化合物Aを含む層の他に、可視光を遮光する色材を含む層が別途存在するフィルタであることが好ましい。本発明の膜を赤外線透過フィルタとして用いる場合、上述した金属化合物Aは、透過する光(近赤外線)をより長波長側に限定する役割を有している。
本発明の膜の膜厚は、目的に応じて適宜調整できる。膜厚は、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましい。膜厚の下限は、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上が更に好ましい。
本発明の膜は、有彩色着色剤を含むカラーフィルタと組み合わせて用いることもできる。カラーフィルタは、有彩色着色剤を含む着色組成物を用いて製造できる。有彩色着色剤としては、本発明の組成物で説明した有彩色着色剤が挙げられる。着色組成物は、樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、界面活性剤、溶剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤などを更に含有することができる。これらの詳細については、本発明の組成物で説明した材料が挙げられ、これらを用いることができる。また、本発明の膜に有彩色着色剤を含有させて、近赤外線カットフィルタとカラーフィルタとしての機能を備えたフィルタとしてもよい。
なお、本発明において、近赤外線カットフィルタとは、可視領域の波長の光(可視光)を透過し、近赤外領域の波長の光(近赤外線)の少なくとも一部を遮蔽するフィルタを意味する。近赤外線カットフィルタは、可視領域の波長の光をすべて透過するものであってもよく、可視領域の波長の光のうち、特定の波長の光を通過し、特定の波長の光を遮蔽するものであってもよい。また、本発明において、カラーフィルタとは、可視領域の波長の光のうち、特定の波長の光を通過させ、特定の波長の光を遮蔽するフィルタを意味する。また、赤外線透過フィルタとは、可視領域の波長の光を遮蔽し、近赤外領域の波長の光(近赤外線)の少なくとも一部を透過するフィルタを意味する。
本発明の膜を、近赤外線カットフィルタまたは赤外線透過フィルタとして用いる場合、近赤外線カットフィルタと赤外線透過フィルタとを組み合わせて用いることもできる。近赤外線カットフィルタと赤外線透過フィルタとを組み合わせて用いることで、特定波長の赤外線を検出する赤外線センサの用途に好ましく用いることができる。両者のフィルタを組み合わせて用いる場合、近赤外線カットフィルタおよび赤外線透過フィルタの両方を本発明の組成物を用いて形成することもでき、いずれか一方のみを、本発明の組成物を用いて形成することもできる。
本発明の膜は、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの固体撮像素子や、赤外線センサ、画像表示装置などの各種装置に用いることができる。また、本発明の膜は、近赤外線を吸収またはカットする機能を有するレンズ(デジタルカメラ、携帯電話、車載カメラ等のカメラ用レンズ、f−θレンズ、ピックアップレンズ等の光学レンズ)および半導体受光素子用の光学フィルタ、太陽光の選択的な利用を目的とする農業用コーティング剤、近赤外線の吸収熱を利用する記録媒体、電子機器用や写真用近赤外線フィルタ、保護めがね、サングラス、熱線遮断フィルタ、光学文字読み取り記録、機密文書複写防止用、電子写真感光体、レーザー溶着などに用いられる。またCCDカメラ用ノイズカットフィルタ、CMOSイメージセンサ用フィルタとしても有用である。
<パターン形成方法>
次に、パターン形成方法について説明する、パターン形成方法は、組成物を用いて支持体上に組成物層を形成する工程と、フォトリソグラフィ法またはドライエッチング法により、組成物層に対してパターンを形成する工程と、を含む。
フォトリソグラフィ法でのパターン形成は、組成物を用いて支持体上に組成物層を形成する工程と、組成物層をパターン状に露光する工程と、未露光部を現像除去してパターンを形成する工程と、を含むことが好ましい。必要に応じて、組成物層をベークする工程(プリベーク工程)、および、現像されたパターンをベークする工程(ポストベーク工程)を設けてもよい。
また、ドライエッチング法でのパターン形成は、組成物を用いて支持体上に組成物層を形成し、硬化して硬化物層を形成する工程と、硬化物層上にフォトレジスト層を形成する工程と、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程と、レジストパターンをエッチングマスクとして硬化物層をドライエッチングしてパターンを形成する工程とを含むことが好ましい。以下、各工程について説明する。
<<組成物層を形成する工程>>
組成物層を形成する工程では、組成物を用いて、支持体上に組成物層を形成する。
支持体としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等の材料からなる支持体が挙げられる。また、支持体上にCCDやCMOS等の固体撮像素子(受光素子)が設けられた固体撮像素子用支持体を用いることができる。
パターンは、固体撮像素子用基板の固体撮像素子形成面側(おもて面)に形成してもよいし、固体撮像素子非形成面側(裏面)に形成してもよい。支持体は、必要により、上部の層との密着性の改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体への組成物の適用方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、滴下法(ドロップキャスト);スリットコート法;スプレー法;ロールコート法;回転塗布法(スピンコーティング);流延塗布法;スリットアンドスピン法;プリウェット法(たとえば、特開2009−145395号公報に記載されている方法);インクジェット(例えばオンデマンド方式、ピエゾ方式、サーマル方式)、ノズルジェット等の吐出系印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、メタルマスク印刷法などの各種印刷法;金型等を用いた転写法;ナノインプリント法などが挙げられる。インクジェットでの適用方法としては、特に限定されず、例えば「広がる・使えるインクジェット−特許に見る無限の可能性−、2005年2月発行、住ベテクノリサーチ」に示された特許公報に記載の方法(特に115ページ〜133ページ)や、特開2003−262716号公報、特開2003−185831号公報、特開2003−261827号公報、特開2012−126830号公報、特開2006−169325号公報などに記載の方法が挙げられる。
支持体上に形成した組成物層は、乾燥(プリベーク)してもよい。低温プロセスによりパターンを形成する場合は、プリベークを行わなくてもよい。プリベークを行う場合、プリベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができ、80℃以上とすることもできる。プリベーク時間は、10〜300秒が好ましく、40〜250秒がより好ましく、80〜220秒が更に好ましい。乾燥は、ホットプレート、オーブン等で行うことができる。
(フォトリソグラフィ法でパターン形成する場合)
<<露光工程>>
次に、組成物層を、パターン状に露光する(露光工程)。例えば、組成物層に対し、ステッパー等の露光装置を用いて、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光することで、パターン露光することができる。これにより、露光部分を硬化することができる。
露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等の紫外線が好ましく(特に好ましくはi線)用いられる。照射量(露光量)は、例えば、0.03〜2.5J/cm2が好ましく、0.05〜1.0J/cm2がより好ましく、0.08〜0.5J/cm2が最も好ましい。
露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(好ましくは15体積%以下、より好ましくは5体積%以下、更に好ましくは実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(好ましくは22体積%以上、より好ましくは30体積%以上、更に好ましくは50体積%以上)で露光してもよい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、例えば、1000W/m2〜100000W/m2(好ましくは5000W/m2以上、より好ましくは15000W/m2以上、更に好ましくは35000W/m2以上)の範囲から選択することができる。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度10000W/m2、酸素濃度35体積%で照度20000W/m2などとすることができる。
<<現像工程>>
次に、未露光部を現像除去してパターンを形成する。未露光部の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。これにより、露光工程における未露光部の組成物層が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の固体撮像素子や回路などにダメージを起さない、アルカリ現像液が望ましい。
現像液の温度は、例えば、20〜30℃が好ましい。現像時間は、20〜180秒が好ましい。また、残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、更に新たに現像液を供給する工程を数回繰り返してもよい。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、ヒドロキシアミン、エチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。現像液は、これらのアルカリ剤を純水で希釈したアルカリ性水溶液が好ましく使用される。アルカリ性水溶液のアルカリ剤の濃度は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。また、現像液のアルカリ剤には無機アルカリ性化合物を用いてもよい。無機アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウムなどが挙げられる。また、現像液には、界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤の例としては、上述した組成物で説明した界面活性剤が挙げられ、ノニオン系界面活性剤が好ましい。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、現像後純水で洗浄(リンス)することが好ましい。
現像後、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行うこともできる。ポストベークは、膜の硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理である。ポストベークを行う場合、ポストベーク温度は、例えば100〜240℃が好ましい。膜硬化の観点から、200〜230℃がより好ましい。また、発光光源として有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子を用いた場合や、イメージセンサの光電変換膜を有機素材で構成した場合は、ポストベーク温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましく、90℃以下が一層好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができる。ポストベークは、現像後の膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
(ドライエッチング法でパターン形成する場合)
ドライエッチング法でのパターン形成は、支持体上に形成した組成物層を硬化して硬化物層を形成し、次いで、得られた硬化物層を、パターニングされたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングガスを用いて行うことができる。フォトレジスト層の形成においては、更にプリベーク処理を施すことが好ましい。特に、フォトレジストの形成プロセスとしては、露光後の加熱処理、現像後の加熱処理(ポストベーク処理)を実施する形態が望ましい。ドライエッチング法でのパターン形成については、特開2013−064993号公報の段落番号0010〜0067の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
<光学フィルタ>
次に、本発明の光学フィルタについて説明する。本発明の光学フィルタは、本発明の膜を有する。光学フィルタは、近赤外線カットフィルタや赤外線透過フィルタとして好ましく用いることができる。
本発明の光学フィルタは、本発明の膜の他に、更に、銅を含有する層、誘電体多層膜、紫外線吸収層などを有していてもよい。
例えば、本発明の光学フィルタを近赤外線カットフィルタとして用いる場合、本発明の膜の他に、更に、銅を含有する層や誘電体多層膜を有することで、視野角が広く、赤外線遮蔽性に優れた近赤外線カットフィルタとすることができる。また、本発明の膜の他に、更に、紫外線吸収層を有することで、紫外線遮蔽性に優れた近赤外線カットフィルタとすることができる。紫外線吸収層に含まれる紫外線吸収剤としては、本発明の組成物で説明した紫外線吸収剤が挙げられる。また、紫外線吸収層としては、例えば、WO2015/099060号の段落番号0040〜0070、0119〜0145の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。誘電体多層膜としては、特開2014−41318号公報の段落番号0255〜0259の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。銅を含有する層としては、銅を含有するガラスで構成されたガラス基板(銅含有ガラス基板)や、銅錯体を含む層(銅錯体含有層)が挙げられる。銅含有ガラス基板としては、銅を含有するリン酸塩ガラス、銅を含有する弗リン酸塩ガラスなどが挙げられる。銅含有ガラスの市販品としては、NF−50(AGCテクノグラス(株)製 商品名)、BG−60、BG−61(以上、ショット社製 商品名)、CD5000(HOYA(株)製 商品名)等が挙げられる。銅錯体含有層としては、銅錯体を含む銅錯体含有組成物を用いて形成してなる層が挙げられる。銅錯体は、700〜1200nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物が好ましい。銅錯体の極大吸収波長は、720〜1200nmの波長領域に有することがより好ましく、800〜1100nmの波長領域に有することが更に好ましい。
また、本発明の光学フィルタは、本発明の膜の画素と、赤、緑、青、マゼンタ、黄、シアン、黒および無色から選ばれる画素とを有する態様も好ましい態様である。
<積層体>
本発明の積層体は、本発明の膜と、有彩色着色剤を含むカラーフィルタとを有する。本発明の積層体は、本発明の膜と、カラーフィルタとが厚み方向で隣接していてもよく、隣接していなくてもよい。本発明の膜と、カラーフィルタとが厚み方向で隣接していない場合は、カラーフィルタが形成された支持体とは別の支持体に本発明の膜が形成されていてもよく、本発明の膜とカラーフィルタとの間に、固体撮像素子を構成する他の部材(例えば、マイクロレンズ、平坦化層など)が介在していてもよい。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、上述した本発明の膜を有する。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の膜を有する構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、本発明の硬化膜を有する構成である。
更に、デバイス保護膜上であって、本発明の硬化膜の下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、本発明の硬化膜上に集光手段を有する構成等であってもよい。
また、固体撮像素子において、カラーフィルタは、隔壁により例えば格子状に仕切られた空間に、各色画素を形成する硬化膜が埋め込まれた構造を有していてもよい。この場合の隔壁は各色画素に対して低屈折率であることが好ましい。このような構造を有する撮像装置の例としては、特開2012−227478号公報、特開2014−179577号公報に記載の装置が挙げられる。
<画像表示装置>
本発明の膜は、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置などの画像表示装置に用いることもできる。例えば、各着色画素(例えば赤色、緑色、青色)とともに用いることにより、表示装置のバックライト(例えば白色発光ダイオード(白色LED))に含まれる赤外線を遮断し、周辺機器の誤作動を防止する目的や、各着色画素に加えて赤外の画素を形成する目的で用いることが可能である。
画像表示装置の定義や画像表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
画像表示装置は、白色有機EL素子を有するものであってもよい。白色有機EL素子としては、タンデム構造であることが好ましい。有機EL素子のタンデム構造については、特開2003−45676号公報、三上明義監修、「有機EL技術開発の最前線−高輝度・高精度・長寿命化・ノウハウ集−」、技術情報協会、326−328ページ、2008年などに記載されている。有機EL素子が発光する白色光のスペクトルは、青色領域(430nm−485nm)、緑色領域(530nm−580nm)及び黄色領域(580nm−620nm)に強い極大発光ピークを有するものが好ましい。これらの発光ピークに加え更に赤色領域(650nm−700nm)に極大発光ピークを有するものがより好ましい。
<赤外線センサ>
赤外線センサは、上述した本発明の膜を有する。赤外線センサの構成としては、本発明の膜を有する構成であり、赤外線センサとして機能する構成であれば特に限定はない。
以下、本発明の赤外線センサの一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1において、符号110は、固体撮像素子である。固体撮像素子110上に設けられている撮像領域は、近赤外線カットフィルタ111と、赤外線透過フィルタ114とを有する。また、近赤外線カットフィルタ111上には、カラーフィルタ112が積層している。カラーフィルタ112および赤外線透過フィルタ114の入射光hν側には、マイクロレンズ115が配置されている。マイクロレンズ115を覆うように平坦化層116が形成されている。
近赤外線カットフィルタ111は、後述する赤外発光ダイオード(赤外LED)の発光波長によりその特性は選択される。例えば、可視光(例えば、波長400〜650nmの光)を透過し、波長700nmを超える光の少なくとも一部(好ましくは波長700〜1300nmの光の少なくとも一部、更に好ましくは波長700〜1000nmの光の少なくとも一部)を遮蔽するフィルタであることが好ましい。近赤外線カットフィルタ111は、例えば、本発明の組成物を用いて形成できる。
カラーフィルタ112は、可視域における特定波長の光を透過及び吸収する画素が形成されたカラーフィルタであって、そのタイプについては特に限定はなく、従来公知の画素形成用のカラーフィルタを用いることができる。例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の画素が形成されたカラーフィルタなどを用いることができる。例えば、特開2014−043556号公報の段落0214〜0263の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる
赤外線透過フィルタ114は、後述する赤外LEDの発光波長によりその特性は選択される。例えば、赤外LEDの発光波長が850nmである場合、赤外線透過フィルタ114は、膜の厚み方向における光透過率の、波長400〜650nmの範囲における最大値が30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましく、0.1%以下であることが特に好ましい。この透過率は、波長400〜650nmの範囲の全域で上記の条件を満たすことが好ましい。
赤外線透過フィルタ114は、膜の厚み方向における光透過率の、波長800nm以上(好ましくは800〜1300nm)の範囲における最小値が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。この透過率は、波長800nm以上の範囲の一部で上記の条件を満たすことが好ましく、赤外LEDの発光波長に対応する波長で上記の条件を満たすことが好ましい。
赤外線透過フィルタ114の膜厚は、100μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましく、1μm以下が特に好ましい。下限値は、0.1μmが好ましい。赤外線透過フィルタ114の分光特性、膜厚等の測定方法を以下に示す。
膜厚は、膜を有する乾燥後の支持体を、触針式表面形状測定器(ULVAC社製 DEKTAK150)を用いて測定した。膜の分光特性は、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製 U−4100)を用いて、波長300〜1300nmの範囲において透過率を測定した値である。
上述した分光特性を有する赤外線透過フィルタ114は、可視光を遮光する色材を含む組成物を用いて形成できる。可視光を遮光する色材の詳細については、上述した本発明の組成物で説明した内容と同様である。
また、例えば、赤外LEDの発光波長が940nmである場合、赤外線透過フィルタ114は、膜の厚み方向における光の透過率の、波長450〜650nmの範囲における最大値が20%以下であり、膜の厚み方向における、波長835nmの光の透過率が20%以下であり、膜の厚み方向における光の透過率の、波長1000〜1300nmの範囲における最小値が70%以上であることが好ましい。
上述した分光特性を有する赤外線透過フィルタ114は、可視光を遮光する色材と、近赤外線吸収剤とを含む組成物を用いて形成できる。可視光を遮光する色材の詳細については、上述した本発明の組成物で説明した内容と同様である。近赤外線吸収剤としては、上述した本発明の組成物で説明した金属化合物Aなどが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。以下の構造式中、Meはメチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
<重量平均分子量の測定>
樹脂の重量平均分子量の測定は、測定装置としてHPC−8220GPC(東ソー製)、ガードカラムとしてTSKguardcolumn SuperHZ−L、カラムとしてTSKgel SuperHZM−M、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ3000、TSKgel SuperHZ2000を直結したカラムを用い、カラム温度を40℃にして、試料濃度0.1質量%のテトラヒドロフラン溶液をカラムに10μL注入し、溶出溶剤としてテトラヒドロフランを毎分0.35mLの流量でフローさせ、RI(示差屈折率)検出装置にて試料ピークを検出し、標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて計算した。
<InGaAs粒子の製造>
InGaAs粒子は、次のようにして製造したInGaAs粒子を用いた。まず、In粒子(粒子径45μm以下、高純度化学研究所(株)製)、Ga粒子(粒子径850μm以下、高純度化学研究所(株)製)およびAs粒子(粒子径300μm以下、高純度化学研究所(株)製)をArガス中においてプラズマ処理することにより、各種ナノ粒子化した。プラズマ処理後のナノ粒子を、Arガス雰囲気下で、O2濃度50体積ppm以下、30℃の条件で24時間静置した。次いで、O2濃度が100ppmとなるようにAr雰囲気にO2ガスを導入した状態にて、30℃、24時間静置した。
その後、得られた上記粒子を、ホソカワミクロン製TTSPセパレータを用いて収率10%となる条件で分級を行い、各種ナノ粒子の粉末を得た。得られた粉末について、透過型電子顕微鏡での観察によって100個の粒子の平均粒子径を算術平均により求めたところ、In粒子の平均一次粒子径は200nm、Ga粒子の平均一次粒子径は1000nm、As粒子の平均一次粒子径は500nmであった。
上記の粉末を用い、国際公開第2010/147098号公報の図1に記載の複合微粒子製造装置に準ずる装置を用いてInGaAs粒子を製造した。具体的には、上記の複合微粒子製造装置において、プラズマトーチの高周波発振用コイルに、約4MHzおよび約80kVAの高周波電圧を印加し、プラズマガス供給源からはプラズマガスとしてアルゴンガス50L/minガスを供給し、プラズマトーチ内にアルゴン−熱プラズマ炎を発生させた。また、材料供給装置の噴霧ガス供給源からは10L/minのキャリアガスを供給した。そして、上記のようにして得られたIn粒子、Ga粒子およびAs粒子を、それぞれ26.5質量%、23.5質量%、50.0質量%の比率で添加し、キャリアガスであるアルゴンガスと共に、プラズマトーチ内の熱プラズマ炎中に供給し、熱プラズマ炎中で蒸発させ、気相状態で高度に分散させた。また、気体供給装置によって、チャンバ内に供給される気体としては、アルゴンを使用した。このときのチャンバ内の流速は5m/secとして、供給量は1000L/minとした。また、サイクロン内の圧力は50kPaとし、また、チャンバからサイクロンへの各原料の供給速度は、10m/s(平均値)とした。このようにして、InGaAs粒子を得た。
得られたInGaAs粒子について、ICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析法によって、インジウム(In)原子、ガリウム(Ga)原子および砒素(As)原子の含有量を測定した。ICP発光分光分析法には、セイコーインスツルメンツ社製のICP発光分光分析装置「SPS3000」(商品名)を用いた。結果はIn含有量が26.5質量%、Ga含有量が23.5質量%、As含有量が50.0質量%であった。
また、得られたInGaAs粒子の平均一次粒子径は、600nmであった。なお、InGaAs粒子の平均一次粒子径は、InGaAs粒子が凝集していない部分の粒子径を、透過型電子顕微鏡で100個計測し、平均値を算出して求めた。
〔分散液の作製〕
下記組成の原料を、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、2時間、分散し、分散液1、2を調製した。
−分散液1の組成−
・InGaAs粒子(平均一次粒子径600nm) ・・・15.1部
・分散剤1(下記構造の樹脂、重量平均分子量32700、主鎖の繰り返し単位に付記した数値は、モル比であり、側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、繰り返し部位の繰り返し数を示す。) ・・・7.2部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) ・・・77.77部
−分散液2の組成−
・InGaAs粒子(平均一次粒子径600nm) ・・・15.1部
・分散剤2(下記構造の樹脂、重量平均分子量22900、主鎖の繰り返し単位に付記した数値は、モル比であり、側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、繰り返し部位の繰り返し数を示す。) ・・・7.2部
・PGMEA ・・・77.77部
−分散液3の組成−
・InGaAs粒子(平均一次粒子径600nm) ・・・15.1部
・分散剤3(下記構造の樹脂、重量平均分子量20000、l/m=3.5/2.5(モル比)、n1/n2=90/10(質量比)) ・・・7.2部
・PGMEA ・・・77.77部
−分散液4の組成−
・InGaAs粒子(平均一次粒子径600nm) ・・・15.1部
・分散剤4(下記構造の樹脂、重量平均分子量24000、主鎖の繰り返し単位に付記した数値は、モル比であり、側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、繰り返し部位の繰り返し数を示す。) ・・・7.2部
・PGMEA ・・・77.77部
−分散液5の組成−
・ピロロピロール顔料(下記化合物、平均一次粒子径100nm) ・・・12.2部
・顔料誘導体(下記化合物) ・・・3.0部
・分散剤2・・・7.2部
・PGMEA ・・・77.77部
なお、ピロロピロール顔料の平均一次粒子径は、ピロロピロール顔料の粒子が凝集していない部分の粒子径を、透過型電子顕微鏡で100個計測し、平均値を算出して求めた。
−分散液6の組成−
・CsWO4粒子(平均一次粒子径20nm) ・・・15.1部
・分散剤1 ・・・7.2部
・PGMEA ・・・77.77部
なお、CsWO4粒子の平均一次粒子径は、CsWO4粒子が凝集していない部分の粒子径を、透過型電子顕微鏡で100個計測し、平均値を算出して求めた。
〔組成物の調製〕
下記表に示す原料を、下記表に示す割合(質量部)で混合および攪拌した後、孔径0.60μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)社製)でろ過して組成物を調製した。
上記表に記載の原料は以下の通りである。
(分散液)
分散液1〜6:上述した分散液1〜6
(有機色素)
pp−1、pp−2、sq−1、cy−1:下記化合物。下記化合物は、近赤外線吸収剤である。
樹脂1:下記構造の樹脂(重量平均分子量10000、ガラス転移温度46℃、主鎖の繰り返し単位に付記した数値はモル比である。)のシクロヘキサノン40質量%溶液
樹脂2:下記構造の樹脂(重量平均分子量41400、ガラス転移温度53℃、主鎖の繰り返し単位に付記した数値はモル比である。)のシクロヘキサノン40質量%溶液
樹脂3:下記構造の樹脂(重量平均分子量11000、ガラス転移温度不明、主鎖の繰り返し単位に付記した数値はモル比である。)のシクロヘキサノン40質量%溶液
樹脂4:下記構造の樹脂(重量平均分子量14000、ガラス転移温度79℃、主鎖の繰り返し単位に付記した数値はモル比である。)のシクロヘキサノン40質量%溶液
樹脂5:下記構造の樹脂(重量平均分子量10000、ガラス転移温度56℃、主鎖の繰り返し単位に付記した数値はモル比である。)のシクロヘキサノン40質量%溶液
有機溶剤1:シクロヘキサノン
有機溶剤2:シクロペンタノン
重合性化合物1:下記化合物の混合物(左側化合物と右側化合物とのモル比が7:3の混合物)
重合性化合物2:下記化合物
重合性化合物3:下記化合物
重合性化合物4:下記化合物
光重合開始剤1:IRGACURE OXE01(BASF社製)
光重合開始剤2:下記化合物
光重合開始剤3:アデカアークルズNCI−831((株)ADEKA製)
光重合開始剤4:下記化合物
酸化防止剤1:アデカスタブAO−80(フェノール化合物、(株)ADEKA製)
酸化防止剤2:アデカスタブLA−52(ヒンダードアミン化合物、(株)ADEKA製)
重合禁止剤:p−メトキシフェノール
界面活性剤:下記混合物(重量平均分子量14000、下記の式中、繰り返し単位の割合を示す%は質量%である。)の1質量%シクロヘキサノン溶液
<膜の製造>
各組成物をガラス基板上に、製膜後の膜厚が1.0μmとなるようにスピンコート塗布し、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1000mJ/cm2で全面露光した。次いで、ホットプレートを用いて、220℃で5分間加熱し、膜を製造した。
<分光評価>
上記の膜について、紫外可視近赤外分光光度計U−4100((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、波長400〜1300nmの範囲で透過率を測定した。近赤外領域の光の遮蔽性は、波長700〜1000nmの範囲での透過率の極小値(T1)について、下記基準で判断した。可視領域の光の透過性については、波長400nm以上700nm未満の範囲での透過率の最小値(T2)について下記基準で判断した。
〜近赤外領域の光の遮蔽性(近赤外線遮蔽性)の判定基準〜
3:T1<5%
2:5%≦T1<20%
1:20%≦T1
〜可視領域の光の透過性(可視透明性)の判定基準〜
3:90%≦T2
2:70%≦T2<90%
1:70%>T2
上記結果より、実施例の膜は、可視領域の光の透過性(可視透明性)が良好で、かつ、近赤外領域の光の遮蔽性(近赤外線遮蔽性)に優れていた。実施例の膜は、近赤外線カットフィルタとして好適に用いることができた。また、有機色素を更に配合した実施例2〜5は、他の実施例に比べて幅広い波長領域の近赤外線を遮蔽することができた。
一方、比較例の膜は、可視領域の光の透過性が劣っていた。
実施例において、更に可視光を遮光する色材を配合することで、分光変動性に優れた赤外線透過フィルタが得られる。