以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(導電粒子)
本実施形態の導電粒子は、基材粒子と、この基材粒子の表面に存在する導電部とを有し、前記基材粒子が第1の鎖状高分子及び環状分子を含有する。上記のように形成される導電粒子は優れた柔軟性を有する。このため、本実施形態の導電粒子を導入した異方導電材料を回路基板に実装した際、導電粒子が当該回路基板を傷つけにくく、これにより、半導体装置等の接続構造体の性能や耐久性を長期にわたって維持することができるようになる。また、本実施形態の導電粒子を含む異方導電材料によって、回路基板等の接続対象部材どうしを接続させることができる。この場合、導電粒子は、電極等の接続対象部材どうしを電気的に接続させる役割も果たし得る。
以下、本実施形態の導電粒子の構成について詳述する。
上記基材粒子は、第1の鎖状高分子及び環状分子を構成成分として含む。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味する。
第1の鎖状高分子の種類は、特に限定されず、例えば、従来から知られている各種の重合体を採用できる。
例えば、第1の鎖状高分子として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン類、でんぷん等及び/またはこれらの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその他オレフィン系単量体との共重合樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等;及びこれらの誘導体又は変性体、ポリイソブチレン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ナイロンなどのポリアミド類、ポリイミド類、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリスルホン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポリハロオレフィン類等が挙げられる。また、第1の鎖状高分子は、上記例示列挙した各種重合体の誘導体であってもよい。
第1の鎖状高分子は、1種の重合体のみでもよいし、2種以上の重合体を含んでいてもよい。また、第1の鎖状高分子は、1種の繰り返し構成単位で構成されるホモポリマーであってもよいし、2種以上の繰り返し構成単位で構成されるコポリマーであってもよい。第1の鎖状高分子がコポリマーである場合は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等のいずれの構造であってもよい。
第1の鎖状高分子の重量平均分子量は特に限定的ではないが、例えば、3,000以上とすることができ、5,000〜100,000であることが好ましく、10,000〜50,000であることが特に好ましい。
環状分子としては、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ジメチルシクロデキストリン、グルコシルシクロデキストリン及びこれらの誘導体又は変性体等のシクロデキストリン類、その他、環状のオリゴマー、環状のマクロモノマー等が挙げられる。環状のオリゴマーとしては、例えば、エチレングリコールのオリゴマー、エチレンオキシドのオリゴマー、プロピレングリコールのオリゴマー、多糖類等である。環状分子は、1種のみでもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
前記環状分子は、重合性の官能基を有していてもよい。ここでいう重合性の官能基とは、重合性単量体と重合可能な官能基をいう。重合としては、例えば、ラジカル重合、イオン重合、重縮合(縮合重合、縮重合)、付加縮合、リビング重合、リビングラジカル重合等、その他、従来から知られている各種重合が挙げられる。
重合性の官能基の具体例としては、アルケニル基、ビニル基等の他、−OH、−SH、−NH2、−COOH、−SO3H、及び−PO4Hが挙げられる。これらはさらに一以上の置換基を有していてもよい。重合性の官能基としては、後述の架橋構造を形成しやすいという観点から、ラジカル重合可能な官能基、例えば、アルケニル基、ビニル基等が好ましい。なお、前記環状分子は、上記重合性の官能基以外の官能基を有していてもよい。
重合性の官能基を有する環状分子の他例として、下記一般式(1)
(上記式中、R5及びR6は、それぞれ独立して水素、或いは、炭素数が1又は2のアルキル基であり、R7は、水素又はメチル基である。また、Mは置換又は非置換の炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表し、5〜100の整数である。また、n+1個のMは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。)
で表わされる環状マクロモノマーが挙げられる。
重合性の官能基を有する環状分子のさらなる他例として、下記一般式(2)
(上記式中、Mは置換又は非置換の炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表し、5〜100の整数である。また、n+1個のMは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。)で表される環状マクロモノマー等が挙げられる。
基材粒子が第1の鎖状高分子と環状分子を含む限りは各分子の存在態様は特に限定的ではない。
しかし、基材粒子がより優れた柔軟性を有するという観点から、上記第1の鎖状高分子は、上記環状分子の開口部を貫通していることが好ましい。すなわち、上記第1の鎖状高分子は、上記環状分子の環内を貫通して、第1の鎖状高分子と環状分子とが、いわゆる包接化合物を形成していることが好ましい。
上記のように第1の鎖状高分子が環状分子の開口部を貫通して形成されている構造は、「ポリロタキサン」と称される。
基材粒子がポリロタキサンを含む場合、第1の鎖状高分子は、ポリエチレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール及びポリビニルメチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。この場合、第1の鎖状高分子が環状分子の開口部(環内)を貫通しやすく、安定なポリロタキサンを形成しやすい。なお、第1の鎖状高分子は、上記環状分子の開口部を貫通できる程度に分岐鎖を有していてもよい。
基材粒子がポリロタキサンを含む場合、環状分子は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンからなる群から選択される分子であることが好ましい。
基材粒子がポリロタキサンを含む場合、直鎖状分子が環状分子を貫通する際に環状分子が最大限に包接される量を1とした場合、環状分子の貫通量は0.001〜0.6、好ましくは0.01〜0.5、より好ましくは0.05〜0.4とすることができる。なお、環状分子の最大包接量は、公知の方法で決定することができる。
基材粒子がポリロタキサンを含む場合、第1の鎖状高分子には、環状分子の脱落を防止するための分子が結合していることが好ましい。以下、環状分子の脱落を防止するために第1の鎖状高分子に結合した分子を、ストッパー基と称する。
ストッパー基としては、例えば、アダマンタン基、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、N−カルボベンゾキシ−L−チロシン類(Z−L−チロシン類)、トリチル基、ピレニル基、フェニル基等のアリール基、2−ブチルデシル基、フルオレセイン類、ピレン類、並びにこれらの誘導体又は変性体を挙げることができる。その他、ポリロタキサンにおいて環状分子の脱落を防止するために従来から知られている官能基が挙げられる。上記例示列挙したストッパー基は置換基を有していてもよい。
上記ストッパー基は、例えば、第1の鎖状高分子の両末端に結合している。このように嵩高いストッパー基が第1の鎖状高分子の両末端に結合していると、環状分子が第1の鎖状高分子によって串刺し状に貫通された状態が保持され得る。つまり、環状分子は、第1の鎖状高分子を包接させつつ自由に動くことができ、両末端のストッパー基によって、第1の鎖状高分子から外れることはない。これにより、基材粒子はより優れた柔軟性が発現しやすくなる。
なお、ストッパー基は、第1の鎖状高分子の両末端に直接結合していてもよいし、第1の鎖状高分子の両末端にアミド結合、エステル結合等を介して間接的に結合していてもよい。
基材粒子は、上記ストッパー基を有する第1の鎖状高分子とストッパー基を有していない第1の鎖状高分子との混合物であってもよい。
第1の鎖状高分子がストッパー基を有していない場合は、一部の環状分子は第1の鎖状高分子から脱落する場合があるが、この脱落した環状分子は、基材粒子中の高分子マトリックス間に存在し続けることが可能である。
上記の基材粒子は、第2の鎖状高分子をさらに含むことができる。
第2の鎖状高分子は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シリコン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート及びポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。
特に、第2の鎖状高分子は、アクリル系重合体及びスチレン系重合体の少なくとも一方を含むことが好ましい。この場合、基材粒子の柔軟性がより優れるものであり、また、基材粒子の製造も簡便な方法行うことができる。特に、第2の鎖状高分子は、アクリル系重合体が好ましい。
第2の鎖状高分子は、1種の繰り返し構成単位で構成されるホモポリマーであってもよいし、2種以上の繰り返し構成単位で構成されるコポリマーであってもよい。第1の鎖状高分子がコポリマーである場合は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等のいずれの構造であってもよい。
上記基材粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できる観点から、第2の鎖状高分子は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体の重合体であることが好ましい。第2の鎖状高分子は、1種のみの重合性単量体の重合体であってもよいし、あるいは、2種以上の重合性単量体の重合体であってもよい。
第2の鎖状高分子がエチレン性不飽和基を有する単量体の重合体である場合、上記エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、ビニル化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;塩化ビニル、フッ化ビニル、等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリル化合物として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート等のハロゲン含有(メタ)アクリレート類;α−オレフィン化合物として、ジイソブチレン、イソブチレン、リニアレン、エチレン、プロピレン等のオレフィン類;共役ジエン化合物として、イソプレン、ブタジエン等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、ビニル化合物として、ジビニルベンゼン、1,4−ジビニロキシブタン、ジビニルスルホン等のビニル系単量体;(メタ)アクリル化合物として、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;アリル化合物として、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル;シリコーン化合物として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエチルシラン、t−ブチルジメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のシランアルコキシド類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメトキジメチルビニルシシラン、ジメトキシエチルビニルシラン、ジエトキシメチルジビニルシラン、ジエトキシエチルビニルシラン、エチルメチルジビニルシラン、メチルビニルジメトキシシラン、エチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、エチルビニルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の重合性二重結合含有シランアルコキシド;デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シロキサン;片末端変性シリコーンオイル、両末端シリコーンオイル、側鎖型シリコーンオイル等の変性(反応性)シリコーンオイル;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体等が挙げられる。
第2の鎖状高分子がエチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体の重合体である場合においても、得られる重合体は、アクリル系重合体及びスチレン系重合体の少なくとも一方を含むことが好ましい。この場合、基材粒子の柔軟性がより優れるものであり、また、基材粒子の製造も簡便な方法行うことができる。特に、第2の鎖状高分子は、アクリル系重合体が好ましい。
第2の鎖状高分子は、上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法、例えばラジカル重合法等により重合させることで製造される。
第2の鎖状高分子は、上記の環状分子と結合して架橋構造を形成することができる。すなわち、基材粒子は、第2の鎖状高分子と環状分子とが結合して形成された架橋構造体を含んで形成されていてもよい。この場合、環状分子どうしが第2の鎖状高分子によって架橋された架橋構造体となる。架橋構造とは、例えば、分岐鎖構造を有する重合体、あるいは、三次元網目構造を有する重合体等である。
第2の鎖状高分子が環状分子と結合して架橋構造を形成する具体的態様としては、例えば、上述したポリロタキサンにおける環状分子に第2の鎖状高分子の末端が化学結合した構造が挙げられる。詳述すると、第2の鎖状高分子の一方の末端がポリロタキサンにおける環状分子に化学結合していると共に、第2の鎖状高分子の他方の末端が、別のポリロタキサンにおける環状分子に化学結合することで、上記架橋構造が形成され得る。このような架橋によって、ポリロタキサンと、第2の鎖状高分子との三次元網目構造を有する架橋構造体が形成される。
以上のように、基材粒子を構成する架橋構造は、ポリロタキサンどうしが第2の鎖状高分子によって架橋され得る。より詳しくは、基材粒子の架橋構造は、ポリロタキサンの環状分子どうしが第2の鎖状高分子によって架橋され得る。
上記のようなポリロタキサンと第2の鎖状高分子との架橋構造体では、環状分子が第2の鎖状高分子の架橋の起点(架橋点)となる。ポリロタキサンにおいて環状分子は、第1の鎖状高分子上を自由に動くことができる。そのため、架橋構造体における上記架橋点は、第1の鎖状高分子上を移動することが可能である。つまり、上記架橋構造体は、いわゆる、移動架橋型の高分子材料である。このような架橋構造体は、応力がかけられても、それに追従して架橋点が移動するので柔軟性を有し、しかも、応力が緩和されやすいので、より優れた伸縮性及び復元性に優れる性質を有する。
従って、基材粒子が、上記のようなポリロタキサンと第2の鎖状高分子との架橋構造体を構成成分として含む場合は、特に優れた柔軟性を有する。
また、ポリロタキサンを構成する第1の鎖状高分子がストッパー基を有する場合は、環状分子の脱落が起こらないので、基材粒子の柔軟性が長期間にわたって維持され得る。もちろん、ポリロタキサンがストッパー基を有していない第1の鎖状高分子で構成される場合であっても、上記応力緩和の効果は発揮され得る。
上記のようなポリロタキサンと第2の鎖状高分子との架橋構造体を製造する方法は特に限定されない。例えば、重合性の官能基を有する環状分子を備えるポリロタキサンと、第2の鎖状高分子を形成するための重合性単量体との混合物とを反応させることで、ポリロタキサンと第2の鎖状高分子との架橋構造体を製造することができる。ここでいう重合性の官能基及び重合性単量体は上述したとおりである。
例えば、重合性の官能基が重合性単量体とラジカル重合可能な官能基(ビニル基等)であれば、ポリロタキサンと、重合性単量体とをラジカル重合反応することで、ポリロタキサンと第2の鎖状高分子との架橋構造体を製造することができる。このラジカル重合反応は、例えば、公知の方法で行うことができる。
重合性の官能基を有する環状分子を備えるポリロタキサンの種類は特に制限がないが、具体例を挙げるとすれば、アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社から市販されている、「セルム(登録商標)スーパーポリマーSM3405P」、「セルム(登録商標)キー・ミクスチャーSM3400C」、「セルム(登録商標)スーパーポリマーSA3405P」、「セルム(登録商標)スーパーポリマーSA2405P」、「セルム(登録商標)キー・ミクスチャーSA3400C」、「セルム(登録商標)キー・ミクスチャーSA2400C」、「セルム(登録商標)スーパーポリマーSA3405P」、「セルム(登録商標)スーパーポリマーSA2405P」等である。なお、ポリロタキサンは、例えば、公知の製造方法で製造して使用することも可能である。
基材粒子において、第1の鎖状高分子及び環状分子の含有量は、第1の鎖状高分子、環状分子及び第2の鎖状高分子の総量に対して1重量%以上、70重量%以下とすることができる。第1の鎖状高分子及び環状分子の含有量が上記含有量であれば、柔軟性が向上しやすく、特に、基材粒子が上記のようなポリロタキサンと第2の鎖状高分子との架橋構造体を含む場合であれば、より優れた柔軟性を有する。
従って、基材粒子が上記のようなポリロタキサンと第2の鎖状高分子との架橋構造体を含む場合であっても、ポリロタキサンの含有量の下限は、ポリロタキサンと第2の鎖状高分子の総量に対して1重量%であることが好ましく、5重量%であることがより好ましく、10重量%であることが特に好ましい。また、基材粒子が上記のようなポリロタキサンと第2の鎖状高分子との架橋構造体を含む場合、ポリロタキサンの含有量の上限は、ポリロタキサンと第2の鎖状高分子の総量に対して70重量%であることが好ましく、50重量%であることがより好ましく、30重量%であることが特に好ましい。
基材粒子の製造方法は特に制限されず、例えば、従来知られている粒子の製造方法を採用することができる。
例えば、基材粒子を合成するための重合性出発原料を重合開始剤及び水の存在下、重合する方法が挙げられる。その中でも、ラジカル重合性の出発原料を、重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法が例示される。基材粒子を合成するにあたっては、必要に応じて分散安定剤を使用してもよい。その他、非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する、いわゆるシード重合法や分散重合法等が挙げられる。
ポリロタキサンと第2の鎖状高分子とを含んで構成される基材粒子を製造する場合であれば、ポリロタキサンと、第2の鎖状高分子を得るためのラジカル重合性単量体とを、重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法が例示される。ポリロタキサンがラジカル重合可能な官能基をもつ環状分子を有して形成されている場合にあっても、ポリロタキサンと、第2の鎖状高分子を得るためのラジカル重合性単量体とを、重合開始剤の存在下で懸濁重合することができる。この場合、ポリロタキサンと第2の鎖状高分子との架橋構造体を含む基材粒子が得られる。
重合開始剤の種類は特に限定されず、例えば、懸濁重合、乳化重合、分散重合等において一般的に使用されている化合物を使用することができる。また、重合の際、必要に応じて、分散安定剤等を使用してもよい。分散安定剤の種類も特に制限されず、例えば、公知の分散安定剤を使用できる。重合条件も特に限定的ではなく、例えば、従来から知られている適宜の条件で行うことができる。
上記基材粒子の平均粒子径は、特に限定されない。例えば、上記基材粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、より一層好ましくは1μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは2μm以上、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、更に一層好ましくは30μm以下、特に好ましくは5μm以下、最も好ましくは3μm以下とすることができる。基材粒子の平均粒子径が上記下限以上であると、導電粒子と電極との接触面積が大きくなるため、電極間の導通信頼性がより一層高くなり、導電粒子を介して接続された電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに、基材粒子の表面に、後述の導電部を無電解めっきにより形成する際に凝集し難くなり、凝集した導電粒子が形成されにくくなる。基材粒子の平均粒子径が上記上限以下であると、導電粒子が充分に圧縮されやすく、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができ、更に電極間の間隔を狭くすることもできる。
上記基材粒子の平均粒子径は、0.1μm以上、5μm以下であることが特に好ましい。上記基材粒子の平均粒子径が0.1以上、5μm以下の範囲内であると、電極間の間隔が小さくなり、かつ後述の導電部の厚みを厚くしても、小さい導電粒子が得られる。電極間の間隔をより一層小さくしたり、導電部の厚みを厚くしても、より一層小さい導電粒子を得たりする観点からは、上記基材粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは2μm以上、好ましくは4μm以下である。導通信頼性をより一層高める観点からは、上記基材粒子の平均粒子径は2.5μm以上が好ましく、3μmが最も好ましい。
上記基材粒子の上記平均粒子径は数平均粒子径を示す。該平均粒子径は、例えばコールターカウンター(ベックマンコールター社製)を用いて測定可能である。
基材粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、例えば、50%以下である。上記変動係数(CV値)は下記式で表される。
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:粒子の粒子径の標準偏差
Dn:粒子の粒子径の平均値
重合体粒子のCV値(粒度分布の変動係数)は、10%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。CV値が10%以下であれば、導電性粒子により接続された電極間の間隔にばらつきが生じにくい。
基材粒子の硬さは、例えば、10%K値で50〜5000N/mm2、好ましくは100〜1000N/mm2、さらに好ましくは150〜600N/mm2とすることができ、この場合、導電粒子に十分な柔軟性が付与され得る。
また、基材粒子の硬さは、例えば、30%K値であれば50〜5000N/mm2、好ましくは100〜1000N/mm2、さらに好ましくは150〜600N/mm2とすることができる。この場合、導電粒子に十分な柔軟性が付与され得る。
ここでいう10%K値は、基材粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率である。以下のようにして測定できる。まず、微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、最大試験荷重20mNを60秒かけて負荷する条件下で基材粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。
10%K値(N/mm2)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:粒子が10%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:粒子が10%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:粒子の半径(mm)
上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。なお、30%K値を求める場合も、粒子を30%圧縮変形させたときの上記各パラメータを求めることで算出できる。
基材粒子は、粒子100万個あたり、凝集している粒子が100個以下であることが好ましい。上記凝集している粒子は、1つの粒子が少なくとも1つの他の粒子と接している粒子である。例えば、基材粒子100万個に、3つの粒子が凝集している粒子(3個の粒子の凝集体)が3個含まれる場合に、基材粒子100万個あたり、凝集している粒子の数は9個である。上記凝集粒子の測定方法としては、1視野に5万個程度の粒子が観察されるように倍率を設定した顕微鏡を用いて凝集粒子をカウントし、20視野の合計として凝集粒子を測定する方法等が挙げられる。
基材粒子の回復率は、80%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。圧縮回復率が80%以下であれば、電極間の接続に用いられた導電性粒子の反発力により、異方性導電材料が基板等から剥離することが抑制される。この結果、電極間の接続抵抗値が高くなりにくい。基材粒子の圧縮回復率は5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、さらに20%以上であることがより好ましい。
上記回復率は、微小圧縮試験機により計測することができる。具体的には、粒子1個に対して最大試験荷重10mNを付加した後、荷重を除荷する。この時の圧縮変位L1(mm)と回復変位L2(mm)を測定する。得られた測定値から下記の計算式で求めることができる。
回復率(%)=(L2/L1)×100
なお、微小圧縮試験機は10%K値の測定で使用する装置と同様の装置を使用できる。
基材粒子の表面に存在する導電部は、基材粒子の表面全体または一部を覆うように形成された層である。
上記導電部の厚みは、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは20nm以上、特に好ましくは50nm以上、好ましくは1000nm以下、より好ましくは800nm以下、更に好ましくは500nm以下、特に好ましくは400nm以下、最も好ましくは300nm以下である。上記導電部の厚みが上記下限以上であると、導電粒子の導電性がより一層良好になる。上記導電部の厚みが上記上限以下であると、基材粒子と導電部との熱膨張率の差が小さくなり、基材粒子から導電部が剥離し難くなる。なお、導電部が多層に形成されていてもよく、この場合の導電部の厚みとは、多層に形成されている導電部全体の厚みをいう。
上記基材粒子の表面上に上記導電部を形成する方法としては、無電解めっきにより上記導電部を形成する方法、並びに電気めっきにより上記導電部を形成する方法等が挙げられる。その他、上記基材粒子の表面上に上記導電部を形成する方法として、公知の方法を採用してもよい。
上記導電部は、金属を含む材料で形成され、該金属の種類は特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、亜鉛、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム、並びにこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属として、錫ドープ酸化インジウム(ITO)を用いてもよい。導電部は、1種の金属のみで形成されていてもよいし、あるいは、2種以上の金属で形成されていてもよい。
なお、上述した導電部の形態は、本実施形態の導電粒子に使用するための一例であり、その他、導電粒子に対して適用し得る公知の導電部であってもよい。
本実施形態の導電粒子では、例えば、基材粒子がその表面に複数の突起を有していてもよい。例えば、COG等において、導電粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。そのため、突起を有する導電粒子を用いると、電極間に導電粒子を配置して圧着させることにより、突起により上記酸化被膜が効果的に排除されやすくなる。その結果として、電極と導電粒子とがより一層確実に接触し、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに、突起によって、導電粒子と電極との間の絶縁層が効果的に排除されるので、電極間の導通信頼性が高くなる。なお、ここでいう絶縁層とは、後述するように、導電粒子に形成されている樹脂及び無機材料で形成されている層のことを示す。
上記突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電部を形成する方法等が挙げられる。さらに、上記突起を形成する他の方法としては、基材粒子の表面上に、第1の導電部を形成した後、該第1の導電部上に芯物質を配置し、次に第2の導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面上に導電部を形成する途中段階で、芯物質を添加する方法等が挙げられる。
上記基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法としては、例えば、基材粒子の分散液中に、芯物質を添加し、基材粒子の表面に芯物質を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させる方法、並びに基材粒子を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、付着させる芯物質の量を制御しやすいという観点から、分散液中の基材粒子の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法が好ましい。
上記芯物質の材料としては、導電性物質及び非導電性物質が挙げられる。上記導電性物質としては、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。なかでも、導電性を高めることができ、更に接続抵抗を効果的に低くすることができるので、金属が好ましい。上記芯物質は金属粒子であることが好ましい。
上記金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム等の金属、並びに錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−鉛−銀合金及び炭化タングステン等の2種類以上の金属で構成される合金等が挙げられる。なかでも、ニッケル、銅、銀又は金が好ましい。上記芯物質の材料である金属は、上記導電部の材料である金属と同じであってもよく、異なっていてもよい。上記芯物質の材料は、ニッケルを含むことが好ましい。また、上記金属の酸化物としては、アルミナ、シリカ及びジルコニア等が挙げられる。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の平均径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、数平均径(数平均粒子径)を示す。芯物質の平均径は、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。導電粒子において芯物質の平均径を測定する場合には、例えば、以下のようにして、芯物質の平均径を測定することができる。導電粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性樹脂の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の導電粒子を無作為に選択し、それぞれの導電粒子の突起50個を観察する。得られた導電粒子における芯物質の径を計測し、それを算術平均して芯物質の平均径とする。
上記導電粒子における上記突起の平均高さは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記突起の平均高さが上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
導電粒子において上記突起の平均高さを測定する場合には、例えば、以下のようにして、上記突起の平均高さを測定することができる。導電粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性樹脂の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の導電粒子を無作為に選択し、それぞれの導電粒子の突起50個を観察する。突起の底面から突起の頂部までの高さを突起の高さとし、算術平均して上記突起の平均高さとする。
上記のように、芯物質が導電部中に埋め込まれていれば、導電部の外表面に突起を容易に形成することが可能である。
上記の導電部は、その表面がさらに樹脂及び無機材料の少なくとも一方で被覆されていてもよい。すなわち、導電部の表面は、樹脂及び無機材料の少なくとも一方で被覆されて形成された層を備えることができる。なお、以下では、上記樹脂で被覆されて形成された層を「樹脂層」、上記無機材料で被覆されて形成された層を「無機層」という。
上記樹脂は、絶縁性の樹脂材料が例示され、具体的には、ポリオレフィン類、(メタ)アクリレート重合体、(メタ)アクリレート共重合体、ブロックポリマー、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の架橋物、熱硬化性樹脂及び水溶性樹脂等が挙げられる。その他、基材粒子を形成する樹脂と同様の樹脂であってもよい。
上記ポリオレフィン類としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレート重合体としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート及びポリブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ブロックポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びSBS型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、並びにこれらの水素添加物等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、上記例示列挙した樹脂の他、それ以外のビニル重合体及びビニル共重合体等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。
上記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド及びメチルセルロース等が挙げられる。なかでも、水溶性樹脂が好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。
上記樹脂の形状は特に限定されない。例えば、上記樹脂の形状を粒子状とすることができる。すなわち、上記樹脂は、樹脂粒子を含むことが好ましい。この樹脂粒子は、絶縁性樹脂粒子である。上記樹脂が絶縁性樹脂粒子を含む場合は、該絶縁性粒子の平均粒子径は、導電粒子の平均粒子径よりも小さくすることができる。具体的には、絶縁性樹脂粒子の平均粒子径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。絶縁性樹脂粒子の平均粒子径を上記範囲に調整することにより、分散時に絶縁粒子が外れにくく、粒子接触を防げる。また、電極間接続の際には絶縁粒子は効果的に排除されるので低抵抗が確保できる。
上記絶縁性樹脂粒子は、例えば、不飽和二重結合を有する単量体の一種又は二種以上を(共)重合することで調製することができる。上記不飽和二重結合を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;ビニルエーテル類;塩化ビニル;スチレン、ジビニルベゼン等のスチレン系化合物、アクリロニトリル等が挙げられる。その他、上記単量体は、公知の重合性単量体であってもよい。中でも(メタ)アクリル酸エステル類が好適に用いられる。
また、上記樹脂層は例えば、膜状であってもよい。上記樹脂層が膜状である場合、その厚みは、好ましくは、10nm以上、より好ましくは100nm以上であり、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下である。樹脂層の厚みを上記範囲に調整することにより、分散時に絶縁粒子が外れにくく、粒子接触を防げる。また、電極間接続の際には樹脂層が効果的に排除されるので低抵抗が確保できる。
上記樹脂層の厚みは、以下のようにして測定することができる。例えば、導電粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。検査用埋め込み樹脂中に分散した導電粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の導電粒子を無作為に選択し、それぞれの導電粒子の樹脂層を観察する。得られた導電粒子における樹脂層(絶縁性樹脂膜)の厚みを計測し、それを算術平均して樹脂層の厚みが求められる。
上記樹脂は高分子電解質等であってもよい。高分子電解質としては、水溶液中で電離し、荷電を有する官能基を主鎖又は側鎖に持つ高分子(ポリアニオン又はポリカチオン)を用いることができる。ポリアニオンとしては、一般的に、スルホン酸、硫酸、カルボン酸等負の電荷を帯びることのできる官能基を有するものが挙げられ、導電粒子や樹脂層の表面電位に応じて、適宜選択することができる。ポリカチオンとしては、一般に、ポリアミン類等のように正荷電を帯びることのできる官能基を有するもの、例えば、PEI、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、PDDA、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジン、ポリアクリルアミド及びそれらを少なくとも1種以上を含む共重合体等を用いることができる。
一方、上記無機材料としては、無機物質で形成されている材料であれば特に限定されない。本実施形態では、無機材料は無機粒子を含むことが好ましい。
上記無機粒子としては、シラス粒子、ハイドロキシアパタイト粒子、マグネシア粒子、酸化ジルコニウム粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子等が挙げられる。その他、上記無機粒子としては、公知の無機元素又は無機化合物で形成される粒子であってもよい。
上記シリカ粒子としては、粉砕シリカ、球状シリカが挙げられる。また、シリカ粒子は表面に、例えばカルボキシル基、水酸基等の化学結合可能な官能基を有していてもよい。
無機材料は無機粒子に限定されず、例えば、無機化合物で形成される膜状の形態であってもよい。このような無機化合物で形成される膜は、例えば、ゾル−ゲル法等の公知の方法で形成することが可能であるが、その形成方法は特に限定されない。
導電粒子は、樹脂層及び無機層の群から選ばれるいずれか1種の材料のみで被覆されていることで、導電粒子どうしの凝集が抑制される。
なお、上記樹脂層には、上記樹脂以外の材料が含まれていてもよく、あるいは、上記樹脂のみで構成されていてもよい。また、上記無機層には、上記無機材料以外の材料が含まれていてもよく、あるいは、上記無機材料のみで構成されていてもよい。
また、導電粒子の表面には、樹脂層と無機層の両方の層が形成されていてもよい。この場合、樹脂層と、無機層とが、導電部側からこの順に積層されて形成されていてもよく、あるいは逆に、無機層と、樹脂層とが、導電部側からこの順に積層されて形成されていてもよい。導電粒子の最外層が無機層であれば導電粒子どうしの反発作用が高まるので、導電粒子どうしの凝集が起こりにくく、導電粒子の単分散性が向上する。特に、無機層がシリカ粒子を含んで構成される場合には、導電粒子の単分散性を向上させやすい。また、樹脂層と、無機層とが、導電部側からこの順に積層されて形成されている場合は、最外層の無機層が脱落したとしても、樹脂層が表面に存在するので、導電粒子の絶縁性の低下が起こりにくい。なお、樹脂層及び無機層は必ずしも積層している必要はなく、樹脂及び無機材料を含む混合材料で形成された1層構造であってもよい。
樹脂層を構成する樹脂粒子及び無機層を構成する無機粒子の平均粒子径はいずれも、数平均粒子径を示し、市販の粒度分布測定装置等を用いて計測することができる。例えば日機装社製マイクロトラック「UPA−EX−150」等の粒度分布測定装置を用いて求められる。
一方、導電粒子に被覆した状態の樹脂粒子及び無機粒子の平均粒子径を測定する場合には、例えば、以下のようにして、平均粒子径を測定することができる。導電粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性樹脂の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の導電粒子を無作為に選択し、それぞれの樹脂粒子及び無機粒子の平均粒子径50個を観察する。得られた導電粒子における樹脂粒子及び無機粒子の平均粒子径を計測し、それを算術平均して樹脂粒子及び無機粒子の平均粒子径とする。
樹脂粒子及び無機粒子のCV値は、20%以下であることが好ましい。CV値が20%以下であると、絶縁層の厚さが均一になるため、例えば、導電粒子をCOG等の用途に適用する場合に、電極間で熱圧着する際に均一に圧力をかけやすくなり、導通不良が生じ難くなる。なお、上記粒子径のCV値は、下記式により算出される。
粒子径のCV値(%)=粒子径の標準偏差/平均粒子径×100
粒子径分布は、導電粒子における導電部を被覆する前は粒度分布計等で測定可能であり、被覆した後はSEM写真の画像解析等で測定可能である。
導電部の表面に、樹脂層又は無機層を形成させる方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。そのような方法としては、例えば、化学的方法、及び物理的もしくは機械的方法等が挙げられる。上記化学的方法としては、ファンデルワールス力又は静電気力によるヘテロ凝集法により、導電部の表面上に樹脂又は無機材料を付着させ、さらに必要に応じて化学結合させる方法が挙げられる。また、上記物理的もしくは機械的方法としては、スプレードライ、ハイブリダイゼーション、静電付着法、噴霧法、ディッピング及び真空蒸着による方法等が挙げられる。なかでも、絶縁物質が脱離し難いことから、上記導電層の表面に、化学結合を介して樹脂又は無機材料を付着させる方法が好ましい。
なお、導電部の表面と上記樹脂層又は無機層とは、直接化学結合していなくてもよく、反応性官能基を有する化合物によって間接的に化学結合していてもよい。例えば、導電部の表面にカルボキシル基を導入した後、該カルボキシル基がポリエチレンイミンなどの高分子電解質を介して絶縁物質の表面の官能基と化学結合していても構わない。ここで使用できる高分子電解質としては、上述した高分子電解質と同様とすることができる。
上記のように、導電粒子は基材粒子と導電部を含み、基材粒子は第1の鎖状高分子及び環状分子を含有するため、導電粒子は優れた柔軟性を有する。このため、上記導電粒子を含む異方導電材料を回路基板に実装した際、当該回路基板を傷つけにくく、これにより、半導体装置等の接続構造体の性能や耐久性を長期にわたって維持することができるようになる。従って、上記導電粒子は、半導体装置等を製造するための異方導電材料の構成材料として適している。
導電性粒子の圧縮回復率は、80%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましく、60%以下であることがよりさらに好ましい。圧縮回復率が80%以下であれば、電極間の接続に用いられた導電性粒子の反発力により、異方性導電材料が基板等から剥離しにくい。この結果、電極間の接続抵抗値が高くなりにくい。導電性粒子の圧縮回復率が70%以下であると、電極間の接続抵抗値をより一層低くすることができる。導電性粒子の圧縮回復率は5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、さらに20%以上であることがより好ましい。
なお、導電粒子の回復率は、上述の基材粒子の回復率の測定方法と同様の方法で測定できる。
(異方導電材料)
本実施形態の異方導電材料は、上記導電粒子を含む。異方導電材料の形態は特に限定的ではないが、例えば、ペースト状であってもよいし、フィルム状であってもよいし、あるいは、その他の形態でもよい。また、異方導電材料に含まれる成分は、上記導電粒子含む限りは、特にその種類は限定されず、例えば、公知と同様の異方導電材料の成分を含有することができる。
本実施形態の異方導電材料を使用すれば、半導体装置等の構成要素となる接続対象部材どうしを接続させることができる。この場合、導電粒子は、互いの接続対象部材どうしを電気的に接続できるように存在しており、しかも、接続対象部材間のスペーサーとしての役割を果たし得る。
本実施形態の異方導電材料は、柔軟性に優れる上記導電粒子含むので、異方導電材料を半導体装置等の構成部材である回路基板に実装しても、当該回路基板を傷つけにくい。そのため、半導体装置の性能や耐久性を長期にわたって維持させることができる。
また、上記のように実装された異方導電材料に含まれる導電粒子は柔軟性に優れるため、応力等が加わると容易にひずむことができるので、回路基板との接触面積が増大する。これによって、導電粒子による導通性がさらに向上し、より低抵抗とすることができる。
異方導電材料がペースト状である場合は、上記導電粒子がバインダー樹脂中に分散した導電ペーストが例示される。このような異方導電材料は、電極の電気的な接続に好適に用いられる、特に、回路接続材料に好適である。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂は、熱可塑性成分(熱可塑性化合物)又は硬化性成分を含むことが好ましく、硬化性成分を含むことがより好ましい。上記硬化性成分としては、光硬化性成分及び熱硬化性成分が挙げられる。
上記光硬化性成分は、光硬化性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましい。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物及び熱硬化剤を含むことが好ましい。
上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。
上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。
上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。
上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記バインダー樹脂の他、異方導電材料には、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤が含んでいてもよい。
上記異方導電材料が導電フィルムである場合には、導電粒子を含む導電フィルムと、導電粒子を含まないフィルムとが積層体が例示されるが、これに限定されるわけではない。導電フィルムの基材となるフィルムの材料は特に限定されない。例えば、公知の導電フィルムと同じ材料で形成されたフィルムを基材とすることができる。
異方導電材料は、金属原子含有粒子を含んでもよい。上記金属原子含有粒子としては、金属粒子及び金属化合物粒子等が挙げられ、例えば、銀粒子であるが、これに限定されるわけではない。接続対象部材の接続強度を高める観点から、平均粒子径の異なる2種以上の金属原子含有粒子を有することが好ましい。平均粒子径の異なる2種以上の金属原子含有粒子を有する場合、平均粒子径の小さい金属原子含有粒子の平均粒子径は10nm以上であることが好ましく、100nm以下であることが好ましい。平均粒子径の大きい金属原子含有粒子の平均粒子径は1μm以上であることが好ましく、10μm以下であることが好ましい。平均粒子径の小さい金属原子含有粒子の平均粒子径の大きい金属原子含有粒子に対する配合量の比は1/9以上、9以下であることが好ましい。なお、上記金属原子含有粒子の平均粒子径は、粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、観察された画像における任意に選択した50個の各粒子の最大径を算術平均することにより求められる。
上記金属原子含有粒子は、400℃未満の加熱で焼結することが好ましい。上記金属原子含有粒子が焼結する温度(焼結温度)は、より好ましくは350℃以下、好ましくは300℃以上である。上記金属原子含有粒子が焼結する温度が上記上限以下又は上記上限未満であると、焼結を効率的に行うことができ、更に焼結に必要なエネルギーを低減し、かつ環境負荷を小さくすることができる。
上記金属原子含有粒子が金属酸化物粒子である場合に、還元剤が用いられることが好ましい。上記還元剤としては、アルコール類(アルコール性水酸基を有する化合物)、カルボン酸類(カルボキシ基を有する化合物)及びアミン類(アミノ基を有する化合物)等が挙げられる。上記還元剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記のような各種異方導電材料の製造方法は特に限定されず、例えば、公知の製造方法と同様の製造方法で製造することができる。
上記異方導電材料100重量%中、上記導電粒子の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、更に好ましくは40重量%以下、特に好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。上記導電粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電粒子の特性が十分に発揮される材料となり、異方導電材料を接続対象部材に実装しても、接続対象部材を傷つけにくいものであり、その上、接続対象部材間の導通信頼性もより一層高めることができる。
(接続構造体)
本実施形態の接続構造体は、上記異方導電材料又はこの硬化物を備える。例えば、異方導電材料が導電フィルムであれば、接続構造体は、当該導電フィルムを備えて構成され、異方導電材料が導電ペーストであれば、接続構造体は、当該導電ペーストの硬化物を備えて構成される。硬化物は、加熱によって形成される焼成物であってもよい。
上記接続構造体の構造は特に限定されず、例えば、公知の接続構造体とできる。
図1には接続構造体の実施形態の一例を示している。この接続構造体Aは、第1の接続対象部材21と、第2の接続対象部材22と、第1,第2の接続対象部材21,22を接続している接着層3とを備える。
接着層3は、上記異方導電材料又はこの硬化物で形成される。具体的に接着層3は、粒子1と、上記導電粒子61と、接続部62とを含む。粒子1の種類は特に限定されない。例えば、接着層3のクラックを防止する作用やギャップ防止作用を有する公知の粒子が挙げられる。
接着層3では、1つの導電粒子61が、2つの第1,第2の接続対象部材21,22の双方に接している。一方、粒子1は、2つの第1,第2の接続対象部材21,22の双方に接していない。このように、粒子1は、2つの上記接続対象部材の双方に接しないように、上記接着層3を形成するために用いられることが好ましい。即ち、1つの粒子1が、2つの上記接続対象部材のうちの少なくとも一方に接しないように、上記接着層3を形成するために用いられることが好ましい。接続部62は、例えば異方導電材料が、銀粒子などの金属原子含有粒子を溶融させた後に固化させることにより形成されている。接続部62は、金属原子含有粒子の溶融固化物である。
上記異方導電材料又はこの硬化物に含まれている導電粒子は、第1,第2の接続対象部材の電極間を電気的に接続する。なお、導電粒子の表面が樹脂層又は無機層で被覆されている場合には、接続対象部材の接続時に、導電層と接続対象部材(電極)との間の絶縁層が排除される。
第1の接続対象部材及び第2の接続対象部材の種類は特に限定されず、具体的には、半導体ウエハ、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板などの電子部品等が挙げられる。上記第1の接続対象部材及び上記第2の接続対象部材の内の少なくとも一方は、半導体ウエハ又は半導体チップであることが好ましい。上記接続構造体は、半導体装置であることが好ましい。
上記第1の接続対象部材は、第1の電極を表面に有することが好ましい。上記第2の接続対象部材は、第2の電極を表面に有することが好ましい。上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記導電粒子により電気的に接続されていることが好ましい。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例として、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記異方導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記加圧の圧力は9.8×104以上、4.9×106Pa以下程度である。上記加熱の温度は、120以上、220℃以下程度である。フレキシブルプリント基板の電極、樹脂フィルム上に配置された電極及びタッチパネルの電極を接続するための上記加圧の圧力は9.8×104以上、1.0×106Pa以下程度である。
上記接続対象部材は、フレキシブル基板であるか、又は樹脂フィルムの表面上に電極が配置された接続対象部材であることも好ましく、この場合、タッチパネル用途として好適に用いられる。フレキシブル基板がフレキシブルプリント基板等である場合に、フレキシブル基板は一般に電極を表面に有する。
接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、銀電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブル基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
本実施形態の接続構造体は、上記導電粒子を構成成分として含む異方導電材料又はこの接続構造体を備えるので、半導体装置の組み立てに至るまで、接続対象部材に傷が発生しにくいものである。そのため、接続構造体の性能や耐久性が損なわれにくいものである。上記半導体装置は各種の電子機器に組み込むことができ、電子機器の性能及び耐久性を向上させることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜3)
重合性の官能基を有する環状分子を含むポリロタキサンとして、「セルム(登録商標)SA1313P」(アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社製)及び各種の重合性単量体を、表1に示す配合量(基材粒子の製造用原料、固形分換算)で混合し、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(株式会社日本ファインケム製、以下「ABN−V」と略記する)1重量部及び過酸化ベンゾイル0.5重量部との混合物を加えて油相を調製した。また、水性媒体としての脱イオン水500重量部と、分散剤としてポリビニルアルコール5重量%水溶液100重量部とを混合して、水相を調整した。上記油相を上記水相中に分散させて分散液を得た後、該分散液を重合反応器に投入し、撹拌回転数及び撹拌時間の調整によって、所望の液滴サイズに制御した。
その後、重合反応器60℃に昇温して撹拌を続け、必要に応じて界面活性剤10重量部を上記懸濁液に追加した後、重合反応器の内部温度を85℃に昇温して撹拌を続けた。上記懸濁液を冷却後、適宜の方法で洗浄及び乾燥することで、基材粒子を得た。得られた基材粒子を分級操作することで、平均粒子径3.0μmの基材粒子を得た。
次いで、上記基材粒子10重量部を、パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子を取り出した。次いで、基材粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。次に、金属ニッケル粒子スラリー(平均粒子径100nm)1gを3分間かけて上記分散液に添加し、芯物質が付着された基材粒子を得た。芯物が付着された基材粒子を蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液を得た。
また、前期工程用ニッケルめっき液として、硫酸ニッケル500g/L、次亜リン酸ナトリウム150g/L、クエン酸ナトリウム150g/L、及びめっき安定剤6ml/Lの混合液をアンモニアにてpH8に調整しためっき液を用意した。このめっき液150mlを、20ml/分の添加速度で定量ポンプを通して、懸濁液Aに滴下した。反応温度は、50℃に設定した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解めっき前期工程を行った。
次に、後期工程用ニッケルめっき液として、硫酸ニッケル500g/L、ジメチルアミンボラン80g/L、及びタングステン酸ナトリウム10g/Lの混合液を水酸化ナトリウムにてpH11.0に調整しためっき液を用意した。このめっき液350mlを、10ml/分の添加速度で定量ポンプを通して、懸濁液に滴下した。反応温度は、30℃に設定した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解めっき後期工程を行った。
その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子の表面に突起を有するニッケル導電層(導電部)が配置された導電粒子を得た。
各実施例及び比較例で得られた基材粒子の平均粒子径、CV値、10%K値、30%K値及び回復率、並びに導電粒子の回復率を表1に示す。あわせて表1には、接続構造体(半導体装置)の接続抵抗値及びITO基板へのダメージの評価結果も示している。
(評価方法)
(1)10%K値及び30%K値
フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」を用いて、粒子の10%K値を測定した。導電粒子に関しては、導電部を有する粒子の10%K値を測定した。
(2)平均粒子径
基材粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、観察された画像における無作為に選択した50個の各粒子の最大径をノギスで測定して、算術平均することにより求めた。
(3)CV値
基材粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、観察された画像における無作為に選択した50個の各粒子の粒径の標準偏差を求め、上述した式により粒子の粒子径のCV値を求めた。
(4)基材粒子及び導電粒子の回復率
得られた基材粒子及び導電粒子の回復率は、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。具体的には、粒子1個に対して最大試験荷重10mNを付加した後、荷重を除荷する。この時の圧縮変位L1(mm)と回復変位L2(mm)を測定する。得られた測定値から下記の計算式
回復率(%)=(L2/L1)×100
により、算出した。
(6)接続抵抗値(上下の電極間)
得られた導電性粒子を含有量が10重量%となるように、三井化学社製「ストラクトボンドXN−5A」に添加し、遊星式攪拌機を使って分散させ、異方導電材料としての導電ペーストを得た。
L/Sが15μm/15μmであるAl−Nd合金配線にIZO電極パターンが上面に形成された厚み0.5mmの透明PET基板を用意した。また、L/Sが15μm/15μmである金電極パターンが下面に形成された半導体チップを用意した。
上記透明PET基板上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ30μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が185℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、バンプ面積あたり30MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を185℃で硬化させて、接続構造体を得た。
得られた20個の接続構造体の上下の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めた。
◎:接続抵抗値が2.0Ω以下
○:接続抵抗値が2.0Ωを超え、3.0Ω以下
△:接続抵抗値が3.0Ωを超え、5.0Ω以下
×:接続抵抗値が5.0Ωを超える
(7)ITO基板へのダメージ評価
上記接続構造体のPET基板を、光学顕微鏡により観察し、1mm角当たりのPET基板の傷の有無を評価した。
◎:1mm角当たりのPET基板の傷の数が0個
○:1mm角当たりのPET基板の傷の数が1〜2個
△:1mm角当たりのPET基板の傷の数が3〜5個
×:1mm角当たりのPET基板の傷の数が5個以上