JP2017184533A - スピンドルモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】スピンドルモータのステータに磁気吸引板を接着剤で固定する構造において、接着剤が硬化するまでの間も磁気吸引板の位置の安定性が高く、且つ、製造コストが抑えられる技術を提供する。
【解決手段】ベースプレート2に環状の磁気吸引板13を保持する環状の溝14が設けられ、磁気吸引板13は接着により溝14に固定され、磁気吸引板13の外周は多角形状とされて複数の角部13aが設けられ、磁気吸引板13の外周において、角部13aが溝14の壁面に嵌合している。
【選択図】図2
【解決手段】ベースプレート2に環状の磁気吸引板13を保持する環状の溝14が設けられ、磁気吸引板13は接着により溝14に固定され、磁気吸引板13の外周は多角形状とされて複数の角部13aが設けられ、磁気吸引板13の外周において、角部13aが溝14の壁面に嵌合している。
【選択図】図2
Description
本発明は、磁気吸引板を固定する構造に特徴があるスピンドルモータに関する。
ハードディス駆動装置(HDD)の磁気ディスクはスピンドルモータによって駆動される。このスピンドルモータでは、磁気ディスクが載るハブの軸方向における上下動を抑えるために、ハブに配置されたロータマグネットに軸方向で対向するベースプレートの部分に環状の磁気吸引板を配置する場合がある。磁気吸引板とロータマグネットとの間に磁気吸引力を発生させることで、モータ回転時に軸方向におけるハブの上下動を抑えることができる。
磁気吸引板をベースプレートに固定する構造において、環状の磁気吸引板の内周に複数の突起を設ける構造が特許文献1に記載され、逆に外周に複数の突起を設ける構造が特許文献2に記載されている。
磁気吸引板をベースプレートに固定する方法としては、圧入による方法と接着による方法とがある。特許文献1や特許文献2に記載されている磁気吸引板は円環部と、円環部から半径方向に伸びる複数の突出部とを有し、圧入による固定を前提とした構造であるが、加工にコストが掛る問題がある。すなわち、磁気吸引板は、電磁鋼板等の磁性材料の板材をプレス加工により打ち抜き、更にバリ取りのための加工を行うことで作製されるが、引用文献1や2の形状は、円環部と突出部の接続部分のバリ取りが容易ではなく、結果としてコスト増を招く。
一方、接着による方法は、接着剤の硬化が進んでいく段階で接着剤の膨張や収縮に起因して磁気吸引板の位置がずれる可能性がある。また、接着剤が硬化する前のハンドリングによって磁気吸引板が設置位置からずれる、あるいはベースプレートから外れるという不具合が生じる問題がある。この問題を解決する方法として、接着剤が硬化するまで治具で磁気吸引板を押さえておく方法があるが、工数が増え、製造コストが上昇する。
このような背景において、本発明は、スピンドルモータのベースプレートに磁気吸引板を固定する構造において、接着剤を利用しつつ、磁気吸引板の位置の安定性が高く、且つ、製造コストが抑えられる技術を提供することを目的とする。
本発明は、ベースプレートと、前記ベースプレートに固定されたステータコアと、前記ベースプレートに対して回転が可能なロータ部材と、前記ステータコアと半径方向に対向させて前記ロータ部材に固定されたロータマグネットと、前記ロータマグネットと軸方向に対向させて前記ベースプレートの底面に取り付けられ、前記ロータマグネットとの間で磁気吸引力を生じさせる環状の磁気吸引板とを備え、前記ベースプレートの前記底面には環状壁面が設けられ、前記環状の磁気吸引板の外周および内周の少なくとも一方は複数の直線部と複数の角部によって形成される多角形状を有し、前記多角形状を有する方の前記外周および前記内周の少なくとも一方が前記環状壁面に接触している状態で、前記環状の磁気吸引板が前記ベースプレートに接着剤によって固定されているスピンドルモータである。
本発明の態様として、磁気吸引板の多角形状における角部の数が素数である場合が挙げられる。更に、上記の素数が7、11、13、17、19のいずれかである場合が挙げられる。
本発明の態様として、磁気吸引板の多角形状を有する方の外周および内周の少なくとも一方が環状壁面に接触している部分はしまりばめまたは中間ばめの状態で嵌合している構造が挙げられる。
本発明の態様として、磁気吸引板の外周または内周が円形である構造が挙げられる。また本発明の態様として、磁気吸引板の内周および外周には、同じ数の角部が形成されている構造が挙げられる。
本発明の態様として、磁気吸引板の外周および内周は、軸方向における同じ側にダレ部を有し、磁気吸引板は、ダレ部がある側をベースプレートの底面に向けて固定されている構造が挙げられる。
本発明の態様として、軸方向から見て、磁気吸引板の多角形状を有する外周はロータマグネットの外径より半径方向外側にある構造が挙げられる。
本発明の態様として、軸方向から見て、磁気吸引板の多角形状を有する内周はロータマグネットの外径より半径方向内側にある構造が挙げられる。
本発明によれば、スピンドルモータのステータに磁気吸引板を固定する構造において、接着剤を利用しつつ、磁気吸引板の位置の安定性が高く、且つ、製造コストが抑えられる技術が提供される。
1.第1の実施形態
(構成)
図1には、スピンドルモータ1が示されている。図1(B)は、図1(A)において環状の磁気吸引板13を取り外した状態が示されている。図2には、スピンドルモータ1から回転部(ロータ)および後述するステータコア3を取り外した状態を軸方向から見た上面図が示されている。スピンドルモータ1は、固定部となるベースプレート2を備えている。ベースプレート2は、例えばアルミニウム合金で構成され、ステータコア3が固定されている。ステータコア3は、環状に加工された電磁鋼板を軸方向に積層した構造を有している。ステータコア3は、軸中心から離れる方向に延長し、周方向に沿って配置された複数の極歯(突極)を有している。各極歯には、駆動コイルとなるコイル巻線4が巻回されている。
(構成)
図1には、スピンドルモータ1が示されている。図1(B)は、図1(A)において環状の磁気吸引板13を取り外した状態が示されている。図2には、スピンドルモータ1から回転部(ロータ)および後述するステータコア3を取り外した状態を軸方向から見た上面図が示されている。スピンドルモータ1は、固定部となるベースプレート2を備えている。ベースプレート2は、例えばアルミニウム合金で構成され、ステータコア3が固定されている。ステータコア3は、環状に加工された電磁鋼板を軸方向に積層した構造を有している。ステータコア3は、軸中心から離れる方向に延長し、周方向に沿って配置された複数の極歯(突極)を有している。各極歯には、駆動コイルとなるコイル巻線4が巻回されている。
ベースプレート2の中心には、軸方向に貫通する孔2a(図2参照)とコイル巻線4からのリード線をベースプレート2の裏面(図1の下面)側に引き出すための孔2b(図2参照)が設けられている。孔2aには、略筒形状の軸受部5が固定されている。軸受部5の内周面とシャフト7との間、および軸受部5の上端面とハブ面(ハブ9の下面)には微小な隙間が設けられており、この隙間には、潤滑剤が充填されている。また、軸受部5に対するシャフト7およびハブ9を含むロータ20の回転を非接触状態で行わせるために軸受部5の内周面と軸受部5上端面にはそれぞれ動圧溝6a、および動圧溝6bが設けられている。
軸受部5には、ロータ20が回転自在な状態で保持されている。ロータ20は、ロータマグネット12、ハブ9、シャフト7によって構成されている。ロータ20はベースプレート2に固定された軸受部5に対して回転する。軸受部5の中心には、軸方向に貫通孔が設けられ、そこにシャフト7が回転自在な状態で保持されている。貫通孔は軸受部5の下端側において、底板8により閉塞されている。シャフト7の下端側の先端には、フランジ部7aが設けられ、シャフト7が軸受部5から抜けないようにされている。シャフト7の上端部には、ロータ部材であるハブ9が固定されている。ハブ9は、円盤部10と、その外縁から軸方向下側に向かって延長する円筒部11とを有している。さらに、ハブ9は円筒部11の下端部から半径方向外側に向かって延長する載置部15を有している。図1には図示されていないが、載置部15の上面にハードディスク装置の磁気ディスクが固定される。
ハブ9は磁性材料で構成されており、円筒部11は、ロータマグネット12からの磁束の漏洩を抑えるバックヨークとしても機能する。ここで、ロータマグネット12端面からの漏洩磁束を抑えるために、円筒部11の下端部は、ロータマグネット12の下端面より軸方向に突出している。
円筒部11の内側(軸中心側)のステータコア3と半径方向に対向する部分には、環状のロータマグネット12が固定されている。ロータマグネット12は、周方向に沿ってSNSN・・と交互に極性が反転する状態で着磁された永久磁石である。ロータマグネット12の内周は、隙間を隔てた状態でステータコア3の外周(極歯の外周面)に対向している。
ロータマグネット12の軸方向の一方の端面(図の下端面)に軸方向で対向するベースプレート2の底面の部分には、磁気吸引板13が配置されている。磁気吸引板13は、環形状を有し、ペースプレート2に設けられた円環状の溝14内に配置された状態で固定されている。図3には、磁気吸引板13の上面図(A)と側断面図(B)が示されている。また、図3(C)には、軸方向から見た磁気吸引板13とロータマグネット12の位置関係を示す上面図が示されている。
環状の磁気吸引板13は、内周が円形で、外周が11本の直線部とそれぞれの直線部を連続的に連結する11個の角部13aとを有する正11角形である。したがって、11カ所の角部13aは、周方向における等角な位置に設けられている。磁気吸引板13は、板状の磁性材料(この例では、磁性鋼板)を打ち抜き加工し、更にバリ取り加工することで形成されている。なお、図3に示す形態では直線を2本ずつ連結するそれぞれの角部の先端が尖った形状となっているが、角部は先端を丸めた形状であってもよい。
ベースプレート2には、環状の溝14が設けられている。また、ベース2には、溝14を形成するための環状の凸部2cが設けられている。軸方向から見た溝14の形状は円形であり、環状壁面の一例である径方向外側の内周壁14aと径方向内側の内周壁14bを有している。溝14の内部に環状の磁気吸引板13が嵌め込まれ、且つ、接着剤により固定されている。磁気吸引板13を溝14に嵌め込んだ状態において、11カ所全ての角部13aの先端が溝14の外側の内周壁14aに接触する。なお、図1では、軸方向から見て、ロータマグネット12の投影面積が磁気吸引板13の面と重なる部分が環状になるように、磁気吸引板13の形状と寸法が決められている。すなわち、図3(C)に示すように、図1における軸方向から見て、磁気吸引板13の多角形外周は全周に亘ってロータマグネット12の外径より半径方向外側にある。磁磁気吸引板13の円形内周はロータマグネット12の内径と同じ半径を有している。ただし、磁気吸引板13の内周が円形なので、ロータマグネット12の内径は磁気吸引板13の円形内周に対して外側または内側のどちらにあっても構わない。いずれの場合でもロータマグネット12の投影面積が磁気吸引板13の面と重なる部分が環状になるからである。これにより、磁気吸引板13の面上に投影されるロータマグネット12の面積が、角度位置によらず、全周に亘って一定になるので磁磁気吸引板13とロータマグネット12の間の吸引力が角度位置によって変動せず、全周に亘って安定した磁気吸引力が得られる。
ここで、溝14に磁気吸引板13が動かないためにしまりばめまたは中間ばめで嵌合するように各部の寸法が設定される。すなわち、溝14の外径D1は、磁気吸引板13の最大外径d1(多角形状の磁気吸引板が内接する円の直径に相当)に対して溝14に磁気吸引板13がしまりばめまたは中間ばめの状態で圧入されるように調整される。具体的には、振動程度では相互に動かず、人の手を用いての組立ができる程度の嵌め合い寸法に調整される。この例では、D1に対するd1の寸法差が-20μm〜+100μm程度、すなわち締め代が−10μm〜+50μm程度となるように寸法を設定して中間ばめまたはしまりばめにすることができる。中間ばめにした場合は、接着前の分解が可能なように設定することもできる。この構造によれば、溝14に磁気吸引板13を嵌合させた状態において、角部13aが溝14の外側の内周壁14aに接触し、溝14に磁気吸引板13が嵌った状態で保持される。また、角部13aの接触部分以外の部分で溝14の外側の内周壁14aと磁気吸引板13の外周面との間に隙間16が形成される。
隙間16には、接着剤が充填され、この接着剤により、溝14の内部に磁気吸引板13が固定されている。すなわち、上述した例では圧入と接着剤の接着力とによって、溝14に磁気吸引板13が固定されている。なお、圧入の作用だけで、溝14に磁気吸引板13を固定する構造も可能であるが、生産性や信頼性の点で、しまりばめまたは中間ばめと接着剤とを併用する構造が好ましい。
一例を挙げると、磁性鋼板を打ち抜き加工したもので磁気吸引板13構成し、内径を17mm、最大外径d1を19mm、厚みを0.35mmとした場合、締め代が20μm〜40μm程度となるように、溝13の外径D1を設定することができる。この構造によれば、磁性鋼板で構成された相対的に硬い磁気吸引板13の角部13aが、アルミニウムで構成された相対的に硬度の低いベースプレート2の溝14の外側の内周壁14aに少し食い込み、溝13の内部に磁気吸引板13がきつく嵌め込まれた状態(圧入された状態)で固定される。
図4に示すように、角部13aにおけるベースプレート2側の縁には、磁気吸引板13の打ち抜き加工時に形成される丸みを帯びたダレ部17,18が設けられている。ダレ部17,18を軸方向における同じ側に設け、しかもダレ部17,18の側から溝14に磁気吸引板13が嵌め込まれることで、嵌め込み作業が容易にスムーズに行われ、また嵌め込み作業時における角部13aの変形を抑えることができる。さらに嵌合部で材料が削られることが防がれ、ゴミの発生が防止される。
突出部13aの数は、5以上の素数が好ましい。これは以下の理由による。まず、ブラシレスモータの原理から、ロータマグネットの磁極数は偶数である。また、ステータの極歯の数は、単相モータの場合は2の倍数(2,4,6,8、・・)であり、3相モータの場合は3の倍数(3,6,9,12・・)である。ここで、角部13aの数を2の倍数とした場合、ロータマグネットと共振する可能性が生じる。また、角部13aの数を3の倍数とした場合、ロータマグネットの磁極数またはステータ極歯の数が3の倍数であると共振の可能性が生じる。この問題を回避するために、角部13aの数は、5以上の素数とすることが好ましい。ただし、単相モータの場合でステータ極歯の数が4または8であると、角部13aの数を9とすることで、共振の問題を避けることができる。
したがって、角部13aの数は、7,9(単相モータでステータ極歯の数が4または8の場合)、11,13,17の中から選択することが好ましい。この範囲において、形状のバランスと「しまりばめ」による固定構造の安定性のバランスがとれる。すなわち、角部13aとロータマグネット12との間にも磁気吸引力が生じるが、角部13aは周方向において不連続に存在しており、磁極の切り替わりの影響もあり、回転時においてこの磁気吸引力の大きさは周期的に変動する。この周期的に変動する力の影響は、大きなものではないが、角部13aの数が少ないとその影響が無視できなくなり、振動発生の要因となる。しかしながら、角部13aの数が7以上あると、上記の周期的な変動が平均化され、その影響が小さくなる。また、角部13aの数が17を超えると、「しまりばめ」の条件が微妙になり、生産性や固定状態の安定性が低下する。このため、角部13aの数は、7,9(単相モータの場合)、11,13,17の範囲から選択するのが好ましい。
(動作)
コイル巻線4に駆動電流を流し、その極性を切り替えることでロータマグネット12の磁極とステータコア3の極歯との間で生じる磁気吸引力と磁気反発力とが切り替わり、ロータ20がベースプレート2に対して回転する。この際、ロータマグネット12が磁気吸引板13に軸方向で吸引され、ハブ9のベースプレート2に対する軸方向における上下動やハードディスクドライブの姿勢の変化によるシャフト7の抜け止め部(フランジ部7a)と軸受部5の接触が抑えられる。
コイル巻線4に駆動電流を流し、その極性を切り替えることでロータマグネット12の磁極とステータコア3の極歯との間で生じる磁気吸引力と磁気反発力とが切り替わり、ロータ20がベースプレート2に対して回転する。この際、ロータマグネット12が磁気吸引板13に軸方向で吸引され、ハブ9のベースプレート2に対する軸方向における上下動やハードディスクドライブの姿勢の変化によるシャフト7の抜け止め部(フランジ部7a)と軸受部5の接触が抑えられる。
(組立工程)
以下、溝14に磁気吸引板13を固定する作業の一例を説明する。まず、溝14の内側に熱硬化型の接着剤を塗布し、その後に磁気吸引板13を溝14に嵌合させる。この際、溝14底面と磁気吸引板13端面(下端面)および隙間16(図2参照)において接着剤が押し延ばされる。この状態で、溝14に磁気吸引板13が仮固定された状態となる。この状態において、磁気吸引板13は溝14に動かない程度のきつさで嵌合され、接着剤の硬化過程において、溝14の内部で磁気吸引板13が仮固定された状態となる。
以下、溝14に磁気吸引板13を固定する作業の一例を説明する。まず、溝14の内側に熱硬化型の接着剤を塗布し、その後に磁気吸引板13を溝14に嵌合させる。この際、溝14底面と磁気吸引板13端面(下端面)および隙間16(図2参照)において接着剤が押し延ばされる。この状態で、溝14に磁気吸引板13が仮固定された状態となる。この状態において、磁気吸引板13は溝14に動かない程度のきつさで嵌合され、接着剤の硬化過程において、溝14の内部で磁気吸引板13が仮固定された状態となる。
溝14に磁気吸引板13を仮固定したら、乾燥炉内で加熱し、接着剤を硬化させる。この際、角部13aを接触させた嵌合構造により、溝14に磁気吸引板が仮固定されているので、接着剤の硬化前のハンドリングまたは硬化時の収縮などに起因する磁気吸引板13の位置ずれが防止される。また、隙間16は嵌合部分から離れるに従って隙間の間隔が大きくなる形状となっている。この隙間16が接着剤溜りとして機能するので、嵌合部分や隙間の狭い部分から押し出された接着剤が隙間の広い部分へとスムーズに移動して均等に行き渡り、強固で安定した固定構造が得られる。なお、接着剤としては、加熱により接着力を発揮する形態のもの以外に、紫外線硬化型の接着剤や嫌気性接着等を使用することもできる。
また、以下の工程で溝14に磁気吸引板13を固定する方法も可能である。まず、溝14に磁気吸引板13を嵌め込み仮固定する。次に、隙間16(図2参照)に接着剤を注入し、その後に接着剤を硬化させる。この際、角部13aを接触させた嵌合構造により、溝14に磁気吸引板が仮固定されているので、接着剤の硬化に従う磁気吸引板13の位置ずれが抑えられる。また、隙間16が接着剤溜りとして機能するので、接着剤が均等に行き渡り、強固で安定した固定構造が得られる。
(優位性)
本実施形態では、磁気吸引板13の外周に角部13aを複数設け、この角部13aをベースプレート2側の環状の溝14の壁面に「しまりばめ」の状態で嵌合させ、さらに接着剤を用いて溝14に磁気吸引板13を固定している。この構造によれば、接着剤が硬化するまでの間、溝14内に磁気吸引板13が仮固定され、固定用の治具を用いることなしに、高い位置精度で磁気吸引板13をベースプレート2に固定することができる。また、角部13aの数を5以上の素数とすることで、不要な共振の発生を抑えることができる。
本実施形態では、磁気吸引板13の外周に角部13aを複数設け、この角部13aをベースプレート2側の環状の溝14の壁面に「しまりばめ」の状態で嵌合させ、さらに接着剤を用いて溝14に磁気吸引板13を固定している。この構造によれば、接着剤が硬化するまでの間、溝14内に磁気吸引板13が仮固定され、固定用の治具を用いることなしに、高い位置精度で磁気吸引板13をベースプレート2に固定することができる。また、角部13aの数を5以上の素数とすることで、不要な共振の発生を抑えることができる。
(変形例)
図5には、磁気吸引板13の外形を正7角形とした場合の例が示されている。この場合、角部13aの数は7個となる。
図5には、磁気吸引板13の外形を正7角形とした場合の例が示されている。この場合、角部13aの数は7個となる。
2.第2の実施形態
環状の磁気吸引板の内側の縁を正多角形にし、ベースプレートの溝に嵌合させる構造も可能である。図6には、磁気吸引板23が示されている。磁気吸引板23は、軸方向から見て、外周(外側輪郭)が円形で、内周(内側輪郭)が多角形状(この場合、正11角形)を有している。内周の角の数に関する限定は、第1の実施形態の場合と同じである。
環状の磁気吸引板の内側の縁を正多角形にし、ベースプレートの溝に嵌合させる構造も可能である。図6には、磁気吸引板23が示されている。磁気吸引板23は、軸方向から見て、外周(外側輪郭)が円形で、内周(内側輪郭)が多角形状(この場合、正11角形)を有している。内周の角の数に関する限定は、第1の実施形態の場合と同じである。
図7には、磁気吸引板23をベースプレート2に設けた円環状の溝14に嵌合させた状態が示されている。この場合、磁気吸引板23の内側輪郭の内接円の直径が溝14の内径D1よりも僅かに小さくなる寸法(5〜100μm程度小さい値)に設定されている。このため、平坦面23aの中央付近が溝14の内側の内周壁14b(図1(B)参照)に強く接触し、第1の実施形態の磁気吸引板13の場合と同様に磁気吸引板23が溝14に圧入される。この場合も、接着剤を用いた溝14への磁気吸引板23の固定が行われるが、接着剤が硬化するまでの間、磁気吸引板23が動かない状態で溝14に保持される。なお、寸法関係の設定は、軸方向から見て、磁磁気吸引板23の多角形内周はロータマグネット12の内径より外側にならないように調整されている。磁磁気吸引板23の円形外周はロータマグネット12の外径に対して外側、内側または同じ半径のいずれでも構わない。これにより、磁気吸引板23の面上に投影されるロータマグネット12の面積が環状になって全周に亘って一定になる。その結果、磁磁気吸引板23とロータマグネット12の間の吸引力が角度位置によって変動せず、全周に亘って安定した磁気吸引力が得られる。
3.第3の実施形態
環形状の磁気吸引板が、その内周と外周の両方でベースプレートに嵌合している構造も可能である。以下、この場合の一例を説明する。図8には、磁気吸引板33が示されている。磁気吸引板33は、外周と内周を多角形状とした場合の例である。この例では、外周を正11角形、内周を正7角形としている。この場合、磁気吸引板33の外周の角部がベースプレート2の溝14の内周壁14a(図1(B)参照)に強く接触し、内周の直線部が溝14の内周壁14bに強く接触する。この構造では、磁気吸引板33の外径の最大値は、溝14の外径よりも僅かに大きく設定され、磁気吸引板33の内径の最小値は、溝14の内径よりも僅かに小さく設定される。
環形状の磁気吸引板が、その内周と外周の両方でベースプレートに嵌合している構造も可能である。以下、この場合の一例を説明する。図8には、磁気吸引板33が示されている。磁気吸引板33は、外周と内周を多角形状とした場合の例である。この例では、外周を正11角形、内周を正7角形としている。この場合、磁気吸引板33の外周の角部がベースプレート2の溝14の内周壁14a(図1(B)参照)に強く接触し、内周の直線部が溝14の内周壁14bに強く接触する。この構造では、磁気吸引板33の外径の最大値は、溝14の外径よりも僅かに大きく設定され、磁気吸引板33の内径の最小値は、溝14の内径よりも僅かに小さく設定される。
なお、角の数は、外周輪郭と内周輪郭で同じであってもよい。また、外周輪郭の角の数が相対的に少なく、内周輪郭の角の数が相対的に多くてもよい。しまりばめまたは中間ばめの構造にする点、および角の数に関する限定は、第1および第2の実施形態の場合と同じである。また、軸方向から見て、磁気吸引板33の外周はロータマグネット12の外径より半径方向外側にあり、磁気吸引板33の内周はロータマグネット12の内径より半径方向内側になるように調整されている。これにより、全周に亘って安定した磁気吸引力が得られる。
4.第4の実施形態
ベースプレート2に溝14を設けない構造も可能である。図9(A)には、ベースプレート2に環状の磁気吸引板43を取り付けた状態が示され、図9(B)には、図9(A)から磁気吸引板43を取り除いた状態が示されている。この例において、磁気吸引板43は、図1の磁気吸引板13と同じものである。この例では、ベースプレート2に環状の段差部21を設け、この段差部21の内周側の部分を利用して環状壁面22を形成している。環状壁面22は、軸方向から見た形状がシャフト7の回転中心を中心とした円形を有している。環状壁面22に磁気吸引板43の外周を嵌合させている。磁気吸引板43は、図3の磁気吸引板13や図8の磁気吸引板33のような外周が複数の直線部と複数の角部によって形成される多角形状を有したものが利用される。例えば、環状壁面22の径に対して、磁気吸引板43の最大外径を少し大きくした設定とすることで、磁気吸引板43の外周が環状壁面22にしまりばめの状態で嵌合した構造が得られる。なお、磁気吸引板43の外周が環状壁面22に中間ばめの状態で嵌合した構造も可能である。
ベースプレート2に溝14を設けない構造も可能である。図9(A)には、ベースプレート2に環状の磁気吸引板43を取り付けた状態が示され、図9(B)には、図9(A)から磁気吸引板43を取り除いた状態が示されている。この例において、磁気吸引板43は、図1の磁気吸引板13と同じものである。この例では、ベースプレート2に環状の段差部21を設け、この段差部21の内周側の部分を利用して環状壁面22を形成している。環状壁面22は、軸方向から見た形状がシャフト7の回転中心を中心とした円形を有している。環状壁面22に磁気吸引板43の外周を嵌合させている。磁気吸引板43は、図3の磁気吸引板13や図8の磁気吸引板33のような外周が複数の直線部と複数の角部によって形成される多角形状を有したものが利用される。例えば、環状壁面22の径に対して、磁気吸引板43の最大外径を少し大きくした設定とすることで、磁気吸引板43の外周が環状壁面22にしまりばめの状態で嵌合した構造が得られる。なお、磁気吸引板43の外周が環状壁面22に中間ばめの状態で嵌合した構造も可能である。
5.第5の実施形態
図10には、ベースプレートに環状の溝を設けない構造の他の一例が示されている。図10(A)には、ベースプレート2に環状の磁気吸引板53を取り付けた状態が示され、図10(B)には、図10(A)から磁気吸引板53を取り除いた状態が示されている。この例では、ベースプレート2における図1に示す環状の凸部2cの径方向外側の壁面である環状壁面23を用いる。環状壁面23は、軸方向から見た形状がシャフト7の回転中心を中心とした円形を有している。環状壁面23に磁気吸引板44の内周が嵌合している。磁気吸引板53は、図6の磁気吸引板23や図8の磁気吸引板33のような内周が複数の直線部と複数の角部によって形成される多角形状を有したものが利用される。例えば、環状壁面23の径に対して、磁気吸引板53の最小内径を少し小さくした設定とすることで、磁気吸引板53の内周が環状壁面23にしまりばめの状態で嵌合した構造が得られる。なお、磁気吸引板53の内周が環状壁面23に中間ばめの状態で嵌合した構造も可能である。
図10には、ベースプレートに環状の溝を設けない構造の他の一例が示されている。図10(A)には、ベースプレート2に環状の磁気吸引板53を取り付けた状態が示され、図10(B)には、図10(A)から磁気吸引板53を取り除いた状態が示されている。この例では、ベースプレート2における図1に示す環状の凸部2cの径方向外側の壁面である環状壁面23を用いる。環状壁面23は、軸方向から見た形状がシャフト7の回転中心を中心とした円形を有している。環状壁面23に磁気吸引板44の内周が嵌合している。磁気吸引板53は、図6の磁気吸引板23や図8の磁気吸引板33のような内周が複数の直線部と複数の角部によって形成される多角形状を有したものが利用される。例えば、環状壁面23の径に対して、磁気吸引板53の最小内径を少し小さくした設定とすることで、磁気吸引板53の内周が環状壁面23にしまりばめの状態で嵌合した構造が得られる。なお、磁気吸引板53の内周が環状壁面23に中間ばめの状態で嵌合した構造も可能である。
6.その他
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。また、本発明のスピンドルモータは、ハードディスク駆動装置用に限定されず、他の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクの駆動装置等に利用することもできる。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。また、本発明のスピンドルモータは、ハードディスク駆動装置用に限定されず、他の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクの駆動装置等に利用することもできる。
1…スピンドルモータ、2…ベースプレート、2c…環状の凸部、3…ステータコア、4…コイル巻線、5…軸受部、6a、6b…動圧溝、7…シャフト、8…底板、9…ハブ、10…円盤部、11…円筒部、12…ロータマグネット、13…磁気吸引板、13a…角部、14…溝、16…隙間、17…ダレ部、18…ダレ部。 7a…フランジ部。
Claims (9)
- ベースプレートと、
前記ベースプレートに固定されたステータコアと、
前記ベースプレートに対して回転が可能なロータ部材と、
前記ステータコアと半径方向に対向させて前記ロータ部材に固定されたロータマグネットと、
前記ロータマグネットと軸方向に対向させて前記ベースプレートの底面に取り付けられ、前記ロータマグネットとの間で磁気吸引力を生じさせる環状の磁気吸引板と
を備え、
前記ベースプレートの前記底面には環状壁面が設けられ、
前記環状の磁気吸引板の外周および内周の少なくとも一方は複数の直線部と複数の角部によって形成される多角形状を有し、
前記多角形状を有する方の前記外周および前記内周の少なくとも一方が前記環状壁面に接触している状態で、前記環状の磁気吸引板が前記ベースプレートに接着剤によって固定されているスピンドルモータ。 - 前記磁気吸引板の前記多角形状における前記角部の数は素数である請求項1に記載のスピンドルモータ。
- 前記素数が7、11、13、17、19のいずれかである請求項2に記載のスピンドルモータ。
- 前記磁気吸引板の前記多角形状を有する方の前記外周および前記内周の少なくとも一方が前記環状壁面に接触している部分はしまりばめまたは中間ばめの状態で嵌合している請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスピンドルモータ。
- 前記磁気吸引板の外周または内周が円形である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスピンドルモータ。
- 前記磁気吸引板の前記内周および前記外周には、同じ数の前記角部が形成されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスピンドルモータ。
- 前記磁気吸引板の前記外周および前記内周は、軸方向における同じ側にダレ部を有し、
前記磁気吸引板は、前記ダレ部がある側を前記ベースプレートの前記底面に向けて固定されている請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスピンドルモータ。 - 軸方向から見て、前記磁気吸引板の前記多角形状を有する外周が前記ロータマグネットの外径より半径方向外側にある請求項1乃至7のいずれか一項に記載のスピンドルモータ。
- 軸方向から見て、前記磁気吸引板の前記多角形状を有する内周が前記ロータマグネットの内径より半径方向内側にある請求項1乃至8のいずれか一項に記載のスピンドルモータ。
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