JP2017190532A - 伸縮性織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】弾性糸を含有する布帛において、伸長時瞬間的に温度が上昇し、伸縮を繰り返しても永続的に伸長時発熱し、トップスやボトムスに使用可能な織物の提供。
【解決手段】経糸、緯糸とも、繊度250〜500dtexの、非弾性糸と弾性糸との複合糸からなる伸縮性織物において、少なくとも、該緯糸の非弾性糸は、紡績糸であり、該織物は、弾性糸を15〜30g/mで含有し、該織物の9.8N荷重下での経方向と緯方向それぞれの伸長率は、30〜60%であり、所定密度比は、1.2〜1.8であり、経糸、緯糸とも、所定複合糸伸長量は、1.3〜2.5であり、かつ、該織物の経方向の瞬間発熱温度は、1.0℃以上である、ことを特徴とする前記伸縮性織物。
【選択図】なし

Description

本発明は、伸長時瞬間的に温度が上昇する、弾性糸を含有する伸縮性織物、及び該織物からなる衣服に関する。
従来、保温衣服等、着用時に温度が上昇する衣服として、セルロース等の吸湿発熱繊維を混合した布帛からなる衣服を製造し、着用時の人体からの不感蒸泄や発汗により発熱させる衣服が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。しかし、これらの吸湿発熱繊維では、繊維の吸湿量が飽和に達すればそれ以上発熱することは無く、発熱時間が短いばかりでなく、吸湿量が飽和に達した後は、繊維中の水分により冷感を感じることさえあった。
また、下記特許文献2には、弾性糸を含有する織物において、伸長時発熱する織物の提案もなされているが、特許文献2の織物は伸度が60〜150%、弾性糸を40〜150g/m含有したパワーの強いサポーター等に好適な織物であり、ソフトな伸び感を有するシャツ等のトップスやパンツ等のボトムス等衣服への展開は不可能であった。
このように、現在、着用時温度が上昇し、また、動きやすくて着用運動している限り永続的に発熱し、かつ、衣服に使用可能な織物は未だ提供されていない。
特開2003−227043号公報 特開2014−152425号公報
上記従来技術の問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、弾性糸を含有する布帛において、伸長時瞬間的に温度が上昇し、伸縮を繰り返しても永続的に伸長時発熱し、トップスやボトムスに使用可能な織物を提供すること、さらに該織物を利用して保温性と伸長部位の筋肉や関節を暖めることによる怪我の防止や筋肉および脂肪燃焼効果も期待できる衣服を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、非弾性糸と弾性糸とからなる織物において、伸長時の瞬間発熱温度が1.0℃以上である織物により上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]経糸、緯糸とも、繊度250〜500dtexの、非弾性糸と弾性糸との複合糸からなる伸縮性織物において、少なくとも、該緯糸の非弾性糸は、紡績糸であり、該織物は、弾性糸を15〜30g/mで含有し、該織物の9.8N荷重下での経方向と緯方向それぞれの伸長率は、30〜60%であり、下記式(1):
密度比=(経糸密度)/(緯糸密度) 式(1)
で表される密度比は、1.2〜1.8であり、経糸、緯糸とも、下記式(2):
複合糸伸長量= B/A 式(2)
{式中、Aは、無荷重下での織物長さであり、そしてBは、無荷重下で織物長さAに織り込まれている複合糸を抜出し、0.98N荷重下で測定した該複合糸の長さである。}で表される複合糸伸長量は、1.3〜2.5であり、かつ、該織物の経方向について、伸縮以外に外部からのエネルギー供給を受けない条件下で該織物を10%伸長させて伸縮試験機(デマッチャー試験機)に取り付け、次いで20%伸長させ、その後緩和させて元の長さに戻す工程を1回とする繰り返し伸縮を、100回/分の速度で5分間行った後、500回目の20%伸長時の織物温度をサーモグラフィで測定して、試験開始前の織物温度との差から算出する瞬間発熱温度は、1.0℃以上である、ことを特徴とする前記伸縮性織物。
[2]通気性が2.0〜10.0cc/cm/secである、前記[1]に記載の伸縮性織物。
[3]前記[1]又は[2]に記載の伸縮性織物を身体に密着させて使用してなる衣服。
本発明の伸縮性織物は、身体にフィットするシャツ等のトップスや、膝から上が身体にフィットするブーツカットパンツ、脚全体フィットするスキニーパンツ等のボトムスで、伸縮部が身体に密着する衣服に使用され、動作時の保温性向上、及び、サポート機能により怪我の防止が期待できる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の伸縮性織物は、非弾性糸と弾性糸との複合糸からなる織物であって、織物伸長時、少なくとも経方向の瞬間発熱温度が1.0℃以上であることを特徴とする。
本明細書中、用語「瞬間発熱温度」とは、伸縮以外に外部からのエネルギー供給を受けない条件下で織物を10%伸長して伸縮試験機に取り付け、次いでさらに20%伸長、緩和してもとの長さに戻す工程を1回とする繰り返し伸縮を、100回/分の速度で5分間行った後、500回目の20%伸長時の織物温度をサーモグラフィで測定し、試験開始前の織物温度との差から算出された値をいう。
500回目の20%伸長時の織物温度が試験開始前より高くなれば、瞬間発熱していることを示し、本実施形態の伸縮性織物は、この瞬間発熱温度が1.0℃以上あることが必要である。1.0℃未満の瞬間発熱温度では、ほとんど発熱を感じられず、所望の効果が発揮されず、瞬間発熱温度は好ましくは1.5℃以上である。瞬間発熱温度は高いほど好適であり、人体に悪影響を与えない範囲であれば上限は特に限定されないが、瞬間発熱温度を高くするために弾性糸含有量を高くしすぎると織物がハイパワーとなって衣服として動き難いものとなる。尚、発熱温度の測定方法は、以下、実施例の欄で具体的に説明する。
織物伸長時の発熱は、衣服は織物経方向に伸張される場合が多いため、少なくとも経方向の伸長時発熱温度が1.0℃以上であることが必要であるが、無論、経方向、緯方向とも伸長時に1.0℃以上発熱する方が、衣服製造時の型入れ方向を気にすることなく可能となり、かつ、衣服着用時も温かくて好ましい。
本実施形態の伸縮性織物は、低伸度下でも高い伸長時発熱する織物構造について鋭意検討した結果達成されたものである。すなわち、瞬間発熱温度を1.0℃以上とするには、弾性糸の伸長時発熱する効果を十分に発揮させることと、伸縮による生地内の摩擦を生じさせること、さらに、生じた熱を逃がしにくい生地構造とすることが必要である。
具体的に説明すると、本実施形態の伸縮性織物は、経糸、緯糸とも、繊度250〜500dtex(デシテックス:以下同じ記号を使用する)の、非弾性糸と弾性糸との複合糸からなる織物において、少なくとも緯糸の非弾性糸については紡績糸を使用しており、さらに、織物中に弾性糸が15〜30g/mで含有されている必要がある。上記複合糸の繊度については、繊度が細いと風合いのソフトな織物となるが、細過ぎると弾性糸も細くなって伸長時発熱温度が低くなり、また、生地内の摩擦による発熱も期待できなくなる。逆に、複合糸の繊度が太いと太い弾性糸の使用が可能となり、また、生地内の摩擦による発熱も期待できるが、太くなり過ぎると硬い生地となって着用時動き難く不快な衣服となるため、非弾性糸と弾性糸との複合糸の繊度は、250〜500dtex、好ましくは、300〜450dtexとなるよう織物設計する。また、非弾性糸と弾性糸との複合糸については、少なくとも緯糸の非弾性糸として紡績糸を使用することが好ましく、これにより、伸縮時の生地内の摩擦による発熱が期待できるようになる。無論、経糸、緯糸とも、非弾性糸として紡績糸を使用した複合糸である場合、伸縮時の発熱温度は高くなる傾向で好ましいが、経糸のみに非弾性糸が紡績糸である複合糸を使用した織物の場合、はっきりした原因は判らないが恐らく摩擦による発熱効果が低くなり、生地として伸縮時の発熱温度が低くなり好ましくない。
複合糸の繊度について、紡績糸の場合は綿番手等が使用されるが、長繊維の場合に使用されるdtexから綿番手等に換算して繊度を求める。
複合糸の製造方法については任意な方法により、弾性糸と長繊維、紡績糸、1種以上の非弾性糸と複合することができ、例えば、撚糸、FTY、SCY、DCYと称されるカバーリング糸、エアー混繊糸、CSYと称される紡績糸に、製造時に弾性糸を混合させて複合糸とする方法が使用できる。
複合糸とする場合、弾性糸と非弾性糸との長さ比率は任意に設定可能であるが、弾性糸の長さに対し非弾性糸の長さを2.5〜4.5倍程度となるよう弾性糸を伸長して被覆弾性糸として使用すれば、織物の長さに対する織物中の弾性糸の長さの比を1.3〜2.5に設定し易くなる。
伸長時に高い発熱温度を得るためには、織物中の弾性糸含有量が多いほど好ましいが、弾性糸の含有量が多すぎるとパワーの強い生地となって、着用時動き難くなり、弾性糸の含有量が少ないと着用時動き易いが伸長時発熱温度が低くなるため、弾性糸の含有量は15〜30g/mであることが必要である。
伸縮性織物の発熱効果について検討した結果、伸縮性織物の伸度による影響も大きく、経方向又は緯方向のいずれか一方しか伸縮しない織物よりも、経方向と緯方向ともに伸縮する織物の方が、伸長時発熱が高くなることが判明した。これは、弾性糸の伸縮による発熱と、生地内の摩擦による発熱が生じ易くなり、これらの発熱効果が相乗効果となって伸長時発熱温度が高まり、織物伸度も発熱温度に大きく影響することも判明した。すなわち、9.8N荷重下の経方向、緯方向それぞれの伸度が30〜60%であることが必要である。9.8N荷重下の伸度が30%未満では、伸縮性が乏しく、着用時に突っ張り感を感じる不快な衣服となる。他方、60%より大きい場合、伸長時十分に発熱しない衣服となる。この伸度調整は、複合糸の繊度調整、複合糸内の弾性糸の伸長率(ドラフト率とも称される)調整、経糸、及び緯糸密度調整、織物中の弾性糸の伸長率調整等、さらに、染色仕上げ加工時の幅出しや追い込み量調整により可能である。
織物の伸度にも関連するが、本実施形態の伸縮性織物では、織物の経方向と緯方向の密度も伸長時の発熱温度へ大きく影響し、下記式(1):
密度比 = (経糸密度) / (緯糸密度) 式(1)
で求められる密度比を、1.2〜1.8となるようにすれば、複合糸中の弾性糸の伸縮による発熱と、生地内の摩擦による発熱との相乗効果がより発揮しやすくなり、密度比が1.2未満の場合や1.8より大きい場合には伸長時発熱温度は低くなる。これは、複合糸の繊度が経糸と緯糸とで大きく異なっている場合や、異なる繊度の緯糸である場合も同様である。すなわち、織物の密度比は1.2〜1.8であることが必要であり、好ましくは1.3〜1.7であり、この場合、伸長時発熱温度が最も高くなる。
下記式(2):
複合糸伸長量 = B/A 式(2)
{式中、Aは、無荷重下での織物長さであり、そしてBは、無荷重下で織物長さAに織り込まれている複合糸を抜出し、0.98N荷重下で測定した複合糸の長さである。}で求められる織物中の複合糸伸長量も伸長時発熱温度に影響する。すなわち、複合糸伸長量を1.3〜2.5に設定すれば、伸長時発熱温度が高くなり、より好ましくは1.4〜2.4である。複合糸伸長量の調整は、織物密度、複合糸内の弾性糸の伸長率により可能であり、複合糸伸長量を多くするには、織物の密度を高くし、複合糸内の弾性糸の伸長率を高くすればよい。複合糸伸長量と織物の伸度とを所定範囲とすることにより、高い伸長時発熱が得られる。
本実施形態の伸縮性織物では、伸長時発熱は織物中の弾性糸の伸縮による発熱が大きいが、織物内の摩擦による発熱も寄与し、この摩擦による発熱は織物の通気性に関係することも判明した。
すなわち、織物の通気性を2〜10cc/cm/secとなるよう織物を設計すればよく、通気性が2cc/cm/sec未満では風合いの硬い生地となり、通気性が10cc/cm/secより大きいと伸長時発熱効果が低くなり好ましくない。従って織物の通気性は、2〜10cc/cm/secとなるように複合糸の繊度、織物密度等を調整すればよい。
本実施形態の伸縮性織物の複合糸に用いられる弾性糸は、30〜130dtexであることが好ましく、より好ましくは40〜110dtexであり、弾性糸が太くなる程、伸長時の発熱効果を発揮でき、30dtexより細いと発熱効果が小さい。他方、130dtexより太いと伸縮力が大きくなりすぎ、着用時突っ張り感が強くて動き難く不快な衣服となる。繊度の異なる複数の弾性糸を使用する場合も、弾性糸の繊度が上記範囲であることが好ましい。
弾性糸としては、ポリウレタン系、ポリエーテルエステル系の弾性糸、例えば、ポリウレタン系弾性糸としては、乾式紡糸又は溶融紡糸したものが使用でき、ポリマーや紡糸方法には特に限定されない。弾性糸の破断伸度は400%〜1000%程度が好ましく、かつ、伸縮性に優れ、染色加工時のプレセット工程で通常処理温度の180℃近辺で伸縮性を損なわない弾性糸が好ましい。また、弾性糸に特殊ポリマーや粉体を添加することにより、高セット性、抗菌性、吸湿、吸水性等の機能性を付与したものも使用可能である。
本実施形態の伸縮性織物では、弾性糸に無機物質を含有させることもでき、含有する無機物質の性能を加味した織物とすることができる。例えば、酸化チタンを含有させると織物の発熱を酸化チタンに蓄え、遠赤外線効果による保温性が付与できる。無機物質の含有法については、弾性糸の紡糸原液に無機物質を含有させて紡糸する方法が最も簡単である。無機物質とは、酸化チタン等のセラミックス、カーボン、カーボンブラック等の無機物及び無機化合物であり、弾性糸の紡糸の障害とならないよう、微粉末状が好ましい。これらの無機物質を弾性糸に1〜10重量%含有させていることが好ましく、無機物質を含有することにより、織物の伸長発熱時、保温効果をより効果的に発揮することが可能となる。尚、無機物質が少ないと保温効果が小さく、多すぎると紡糸時や伸長時に糸切れすることがあるため、1〜10重量%の含有が好ましく、より好ましくは2〜5重量%の含有である。
本実施形態の伸縮性織物を構成する非弾性糸としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、さらに、キュプラ、レーヨン、綿、竹繊維等のセルロース系繊維、羊毛等の獣毛繊維等の長繊維又は短繊維を使用することができる。非弾性糸としてセルロース等の吸湿発熱する素材を使用すれば、着用時吸湿により発熱し、運動することによっても発熱することになり、発熱効果をされに高めることができる。また、紡績糸の使用や起毛によって、発熱した熱を逃がし難くし、保温効果を高めることもできる。
ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、セルロース系繊維等も、無機物質を0.3〜5重量%含有していることが好ましく、無機物質を含有することにより、弾性織物の発熱時、保温効果をより効果的に発揮することが可能となる。尚、無機物質が少ないと保温効果が小さく、多すぎると紡糸時や伸長時に糸切れすることがあるため、0.5〜5重量%の含有が好ましく、より好ましくは0.4〜3重量%の含有である。また、これらの繊維のブライト糸、セミダル糸、フルダル糸等も任意に使用でき、繊維の断面形状も丸型、楕円型、W型、繭型、中空糸等任意な断面形状の繊維の使用が可能である。非弾性糸の繊度としては、特に限定されないが、100〜400dtex程度であれば、着用時にソフトな風合いの製品となる。
本実施形態の伸縮性織物の組織は、タフタ、ツイル、サテン、ジャカード組織等任意であり、これらの変化組織の使用も可能である。
本実施形態の伸縮性織物の染色仕上げ方法は、非弾性糸のみで染色する方法、複合糸として染色する方法、織物として染色する方法のいずれでもよく、いずれの方法でも通常の染色仕上げ工程が使用でき、使用する繊維素材に応じた染色条件とし、使用する染色機も液流染色機、ウインス染色機、パドル染色機、オーバーマイヤー染色機など任意である。
吸水性や柔軟性を向上させる加工剤の使用も可能であるが、シリコン系の加工剤では糸の滑り効果が高く、伸長時の発熱効果も低いため、糸の滑り効果が少なくなるようにポリエステル系等の非シリコン系の仕上げ剤を使用するか、又は仕上げ剤を使用しないで製品とすることが好ましい。
実施形態の伸縮性織物は、ソフトな伸び感を有するシャツ等のトップスやパンツ等のボトムス等衣服に使用可能であり、さらに、関節部を覆う身体に密着したサポーターとしても使用でき、保温性と伸長部位の筋肉や関節を暖めることによる怪我の防止や脂肪燃焼効果も期待できる衣服製品を提供することが可能となる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例における伸縮性織物、製造した衣服の評価は以下の方法により行なった。
(1)瞬間発熱温度
瞬間発熱温度の測定は、織物の経方向について、伸縮以外に外部からのエネルギー供給を受けない条件下で織物を10%伸長して伸縮試験機(デマッチャー試験機)に取り付け、次いでさらに20%伸長、緩和してもとの長さに戻す工程を1回とする繰り返し伸縮を、100回/分の速度で5分間行った後、500回目の20%伸長時の織物温度をサーモグラフィで測定し、試験開始前の織物温度との差から算出する。
伸縮試験機:デマッチャー試験機((株)大栄科学精器製作所製)。
試料の大きさ:長さ10cm(把持部除く)、幅6cm。
測定環境:温度20℃、湿度65%RHの恒温恒湿条件。伸縮以外に外部からのエネルギー供給を受けない状態で測定する。
繰り返し伸縮サイクル:100回/分
発熱温度測定:繰り返し伸長100回目の所定伸長時の試料表面温度をサーモグラフィで測定。サーモグラフィの放射率は1.0に設定。
発熱温度評価:測定する試料の表面最高温度を読み取り、伸縮前に比べ何℃上昇したかを算出し、小数点以下二桁目を四捨五入して瞬間発熱温度とする。
(2)弾性糸含有量
織物中の弾性糸含有量(g/m)を、以下の方法により求め、小数点一桁を四捨五入する。
20℃65%RHの環境で24時間以上調湿した織物(実施例では約10cm×10cmの正方形)の重量及び面積を測定した後、織物中の非弾性糸を溶解等により除去し、再調湿した弾性糸のみの重量を測定して換算する。非弾性糸を溶解等により除去できない場合、重量測定後の織物から弾性糸を抜き出し、弾性糸の重量を測定して弾性糸含有量を測定する。
(3)織物伸度
織物伸度を次の方法により測定する。
試料の大きさ:長さ100mm(把持部除く)、幅25mm。
引張り試験機:テンシロン引張り試験機。
初荷重:0.1N。
引張り速度:300mm/分。
引張り長さ:9.8N荷重まで伸長。
測定:上記条件で伸長し、9.8N荷重での経方向伸度又は緯方向伸度を下記式によって求め、小数点以下を四捨五入して織物伸度とする。
織物伸度(%)=(9.8N荷重下での伸び長さ(mm)/100)×100
(4)密度比
20℃65%RHの環境下で24時間以上調湿した織物の、経緯2.54cm間隔に印をつけ、印の間に存在する経緯糸数をルーペで読み取り、それぞれ経糸密度、緯糸密度(本/2.54cm)とする。このようにして求めた経糸密度と緯糸密度を用い、下記式(1):
密度比=(経糸密度)/(緯糸密度) 式(1)
により、小数点以下二桁目を四捨五入して密度比を求める。
(5)複合糸伸長量
20℃65%RHの環境下で24時間以上調湿した織物を机上に置いて、無荷重下で織物長さAとなる位置に印をつける。本実施例では、A=30cmとなる位置に印をつけた。B:20℃65%RHの環境下で、無荷重下で織物長さAに織り込まれている複合糸を織物から抜出し、0.98N荷重下で該複合糸の印をつけた間の長さを定規で測定する。10本の複合糸を織物中から抜き出して測定した平均値をBとする。
このようにして求めたAとBを下記式(2):
複合糸伸長量= (B/A)×100 (%) 式(2)
に代入して、小数点以下二桁目を四捨五入して複合糸伸長量を求めた。
(6)通気性
20℃65%RHの環境下で24時間以上調湿した織物を、30cm×30cmの大きさに裁断してJIS L1096 通気性 フラジール形法により測定する。
尚、得られた数値は小数点一桁目を四捨五入して通気性とする。
(7)着用感
実施例で得た伸縮性織物を用いて、脚全体にフィットするストレッチパンツを縫製し、15℃50%RHの環境試験室で着用し、トレッドミルで4km/分での速度で10分間歩行した後、温かさ、及び風合い(ハリ、コシ感)を下記基準:
○:膝、臀部、及び、大腿部等パンツ全体が温かく感じ、ハリ、コシ感が適度で着用感がよく、動き易い;
△:膝、臀部の伸縮を繰り返す部分が温かく、ハリ、コシ感があり動き易い;
×:暖かさを感じない、または、動き難く不快である;
で評価した。○と△を合格とした。
[実施例1]
複合糸として綿染めした綿の紡績工程中に3倍に伸長した44dtexの弾性糸を挿入して、CSYとして340dtexの複合糸を製造した。この複合糸をビームに巻いて織機にセットし、33羽/インチの筬に2本入れ/羽で筬入れした。緯糸も同じ複合糸を使用して2/1ツイル組織で緯糸打ち込み54本/インチの条件で製織した後、連続精練機で精練を行い、次いで185℃で1分間仕上げセットを行い、伸縮性織物を得た。
得られた伸縮性織物の評価結果を以下の表1に示す。
[実施例2、3、比較例1]
実施例1において、緯糸打ち密度を50本/インチとした織物(実施例2)、及び、58本とした織物(実施例3)、さらに、37本/インチとした織物(比較例1)を製造し、実施例1と同様に仕上げた。
得られた伸縮性織物の評価結果を以下の表1に示す。
[実施例4、5]
複合糸として綿染めした綿の紡績工程中に3倍に伸長した78dtexの弾性糸を挿入して、CSYとして450dtexの複合糸を製造し、このCSYを緯糸として実施例1において製造した緯糸に代えて、緯糸打ち込み40本/インチの条件で織物を製造した(実施例4)。また、緯糸の打ち込み密度を45本/インチとした織物も製造した(実施例5)。
得られた伸縮性織物の評価結果を以下の表1に示す。
[実施例6]
3倍に伸長した78dtexの弾性糸に165dtexのポリエステル2ヒーター加工糸を800T/mの条件で巻きつけた240dtexの複合糸を経糸としてビームに捲いて織機にセットし、45羽/インチの筬に2本入れ/筬で筬入れし、緯糸は実施例1で製造したCSY340dtexの複合糸を使用して打ち込み本数54本/インチでタフタ組織の織物を製造した。得られた織物を連続精練機でリラックス、精練を行い、次いで185℃で1分間プレセットを行い、その後、液流染色機でポリエステルの染色を行った。染色後に柔軟仕上げ剤をパディングして、160℃で1分の条件で仕上げセットを行い、伸縮性織物を得た。
得られた伸縮性織物の評価結果を以下の表1に示す。
[比較例2]
3倍に伸長した56dtexの弾性糸に165dtexのポリエステル2ヒーター加工糸を800T/mの条件で巻きつけた220dtexの複合糸を経糸としてビームに捲いて織機にセットし、40羽/インチの筬に2本入れ/筬で筬入れし、緯糸も経糸と同じ複合糸を使用して打ち込み本数70本/インチでタフタ組織の織物を製造した。
得られた伸縮性織物の評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2017190532
本発明の伸縮性織物は、伸長時に瞬間発熱する織物であり、これを用いて、保温性と伸長部位の筋肉や関節を暖めることによる怪我の防止や、脂肪燃焼効果も期待できる衣料製品、例えば、シャツ、タイツ等が得られる。

Claims (3)

  1. 経糸、緯糸とも、繊度250〜500dtexの、非弾性糸と弾性糸との複合糸からなる伸縮性織物において、少なくとも、該緯糸の非弾性糸は、紡績糸であり、該織物は、弾性糸を15〜30g/mで含有し、該織物の9.8N荷重下での経方向と緯方向それぞれの伸長率は、30〜60%であり、下記式(1):
    密度比=(経糸密度)/(緯糸密度) 式(1)
    で表される密度比は、1.2〜1.8であり、経糸、緯糸とも、下記式(2):
    複合糸伸長量= B/A 式(2)
    {式中、Aは、無荷重下での織物長さであり、そしてBは、無荷重下で織物長さAに織り込まれている複合糸を抜出し、0.98N荷重下で測定した該複合糸の長さである。}で表される複合糸伸長量は、1.3〜2.5であり、かつ、該織物の経方向について、伸縮以外に外部からのエネルギー供給を受けない条件下で該織物を10%伸長させて伸縮試験機(デマッチャー試験機)に取り付け、次いで20%伸長させ、その後緩和させて元の長さに戻す工程を1回とする繰り返し伸縮を、100回/分の速度で5分間行った後、500回目の20%伸長時の織物温度をサーモグラフィで測定して、試験開始前の織物温度との差から算出する瞬間発熱温度は、1.0℃以上である、ことを特徴とする前記伸縮性織物。
  2. 通気性が2.0〜10.0cc/cm/secである、請求項1に記載の伸縮性織物。
  3. 請求項1又は2に記載の伸縮性織物を身体に密着させて使用してなる衣服。
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