JP2017193645A - 筆記具用水性インキ組成物及びそれを収容したインキ収容体 - Google Patents
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Description
特に、ガラス瓶は安価で成形が容易であり、所望の強度が得易いため、広く用いられているが、水性インキを収容した状態で長期間経時することで、僅かではあるが水とガラスが反応してナトリウムやカルシウム等のアルカリ成分が溶出することが知られている。特に、廉価で汎用性の高いソーダ石灰ガラスにおいてはその傾向が顕著である。
そのため、酸性染料を用いた水性インキでは、酸性染料が溶出したアルカリ成分(カルシウム)と反応して析出物が形成され易く、該インキを使用した筆記具においては、析出物による目詰まりに伴った筆記不良を生じることがある。
更に、防腐剤を含むこと、前記ナトリウムオマジンがインキ組成物全量中に0.01〜1重量%の範囲で含まれること、前記酸性染料がキサンテン骨格を有することを要件とする。
更には、前記筆記具用水性インキ組成物をガラス製インキ収容部に収容するインキ収容体を要件とし、前記インキ収容部が、ソーダ石灰ガラスであることを要件とする。
通常、水性インキ中のカルシウムイオン濃度は、0〜5ppm程度であり、5ppmを超えると酸性染料を用いた系では析出物を発生する傾向がある。また、前記系に対して故意に多量のカルシウム成分を添加することで、インキ中のカルシウムイオン濃度が5ppmを超えたとしても、ナトリウムオマジンを用いた系では70ppm以下であれば析出物の発生を抑制し、カルシウムイオンをインキ中に維持できることを見出した。そのため、前述した通常の水性インキであれば、ガラス製インキ収容部に長期保管した場合であっても、酸性染料を用いることが可能となり、経時安定性も維持できる。
酸性染料と併用することで、ナトリウムオマジンが水性媒体中でカルシウムイオンに作用し、カルシウムが酸性染料と反応することを抑制するため、長期に亘って析出物の発生を防止することが可能となる。そのため、ガラス瓶等、経時によりカルシウム等のアルカリ成分を溶出する材料からなるインキ収容部に保管される書記用インキ等において、特に有用である。
0.01重量%未満ではカルシウム濃度が大きくなった際に析出抑制効果が向上され難く、1重量%を超えて添加しても析出抑制効果の向上は認められないので、これ以上の添加を要しない。
前記酸性染料として具体的には、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
前記キサンテン系染料としては、例えば、アシッドレッド87(エオシン)、アシッドレッド92(フロキシン)、アシッドレッド51(エリスロシン)、アシッドレッド94(ローズベンガル)、アシッドレッド52、アシッドレッド289、アシッドレッド388、アクリジンレッド(C.I.45000)、ローダミン110、ローダミン123、ローダミン6G(C.I.ベーシックレッド1)、ローダミン6Gエキストラ、ローダミン116、ローダミンB(C.I.45170)、テトラメチルローダミン過塩素酸塩、ローダミン3B、ローダミン19、スルホローダミン、ピロニンG(C.I.45005)、ローダミンS(C.I.45050)、ローダミンG(C.I.45150)、エチルローダミンB(C.I.45175)、ローダミン4G(C.I.45166)、ローダミン3GO(C.I.45215)、スルホローダミンG等が挙げられる。
また、前記染料を含む着色樹脂粒子(具体的にはキサンテン系染料を樹脂マトリックス中に固溶体化してなる)や、ローダミンレーキ6G、ローダミンレーキB(C.I.45170:2)、ローダミンレーキY(C.I.45160:1)等の顔料も比較的類似の傾向にある。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
その他、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、修正ペン等に用いられる二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、更には熱変色性組成物、光変色性組成物、香料等を直接又はマイクロカプセル化したカプセル顔料等を例示できる。
通常、ナトリウムオマジンは防腐剤として用いられているが、本発明においては析出物抑制効果を付与するために用いられるため、汎用の防腐剤を用いることが好適である。
前記防腐剤としては、例えば、フェノール、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2,3,5,6−テトラクロロ−4(メチルスルフォニル)ピリジン、ベンズイミダゾール系化合物、安息香酸、ソルビタン酸、デヒドロ酢酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用して用いることができ、2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
更に、潤滑剤を添加することができ、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、ジカルボン酸型界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、N−アシル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。
前記水性インキを収容するガラス製インキ収容部を備えた容器(インキ収容体)とは、ガラス瓶等、単一のガラス製品でできたものや、インキ収容部の外側に樹脂や木材、漆塗装等の外装(装飾)を施したものが使用できる。
更に、前記ガラス製インキ収容部には、内部表面(インキと接触する部分)のアルカリ成分を抽出除去することを目的とした脱アルカリ処理を施すことにより、水と反応することでガラスから溶出するナトリウムやカルシウム等のアルカリ成分の発生を遅延、抑制させることができる。その他、同様の目的でシリコンコートやフッ素コート等の表面コート処理を施すこともできる。
以下の表に筆記具用水性インキの組成を示す。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。また、カルシウムイオン濃度は蛍光X線分析装置〔島津製作所株式会社製、EDX−720〕を用いて、0〜500ppmの範囲の9点からなるカルシウム水溶液を検量線として使用し、各インキにRh線15kVを照射した際のカルシウムKα線を測定した値である。
(1)C.I.アシッドレッド92、製品名:フロキシン
(2)C.I.アシッドレッド87、製品名:エオシン
(3)C.I.アシッドブルー90、製品名:アシッドブルーPG
(4)アーチケミカルズジャパン社製、商品名:プロキセルXL−2
水に各成分を添加し、20℃でディスパーにて混合攪拌することで各インキを調製した。その際、比較例4のインキは析出物が発生していた。
市販のガラス瓶(ソーダ石灰ガラスを成形した容器)のインキ収容部に、実施例及び比較例の各水性インキを30g注入した後、樹脂製キャップを螺着することで10個のインキ収容体を作製した。尚、比較例4のインキは析出物を除いて注入した。
前記インキ収容体を用いて以下の試験を行った。
各インキ収容体を50℃の環境下で8ヶ月放置した後、室温に戻した状態でインキ収容部底面の状況を目視により観察した。
前記試験の結果を以下の表に示す。
○:経時前と同様に析出物は見られない。
×:析出物が発生している。
Claims (6)
- 酸性染料とナトリウムオマジンと水とからなり、インキ中のカルシウムイオン濃度が70ppm以下である筆記具用水性インキ組成物。
- 防腐剤を含む請求項1記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 前記ナトリウムオマジンがインキ組成物全量中に0.01〜1重量%の範囲で含まれる請求項1又は2に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 前記酸性染料がキサンテン骨格を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 前記請求項1乃至4のいずれかの筆記具用水性インキ組成物をガラス製インキ収容部に収容するインキ収容体。
- 前記インキ収容部がソーダ石灰ガラスである請求項5に記載のインキ収容体。
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