JP2017194427A - 分離材及びカラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】多孔質ポリマ粒子と、該多孔質ポリマ粒子の表面の少なくとも一部を被覆する、水酸基を有する多糖類及び水酸基を有する水溶性界面活性剤を含む被覆層と、を備える、分離材。
【選択図】なし
Description
[1]多孔質ポリマ粒子と、該多孔質ポリマ粒子の表面の少なくとも一部を被覆する、水酸基を有する多糖類及び水酸基を有する水溶性界面活性剤を含む被覆層と、を備える、分離材。
[2]界面活性剤の分子量が20000以下である、[1]に記載の分離材。
[3]比表面積が30m2/g以上である、[1]又は[2]に記載の分離材。
[4]細孔径分布におけるモード径が0.05〜0.6μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の分離材。
[5]平均粒径が10〜300μmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の分離材。
[6]多糖類がアガロース又はデキストランである、[1]〜[5]のいずれかに記載の分離材。
[7]多孔質ポリマ粒子1g当たり、30〜450mgの被覆層を備える、[1]〜[6]のいずれかに記載の分離材。
[8]カラムに充填した場合、カラム圧0.3MPaのときに通液流速が800cm/h以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載の分離材。
[9]陽イオン交換基又は陰イオン交換基を有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の分離材。
[10][1]〜[9]のいずれかに記載の分離材を備えるカラム。
本実施形態の分離材は、多孔質ポリマ粒子と、該多孔質ポリマ粒子の表面の少なくとも一部を被覆する、水酸基を有する多糖類及び水酸基を有する水溶性界面活性剤を含む被覆層と、を備えるものである。なお、本明細書中、「多孔質ポリマ粒子の表面」とは、多孔質ポリマ粒子の外側の表面のみでなく、多孔質ポリマ粒子の内部における細孔の表面を含むものとする。また、本明細書中、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレート等の他の類似の表現においても同様である。
本実施形態に係る多孔質ポリマ粒子は、多孔質化剤の存在下で、溶解性粒子を含んでいてもよいモノマを硬化させた粒子であり、例えば、従来の懸濁重合、乳化重合等によって合成することができる。モノマとしては、特に限定されないが、スチレン系モノマ、(メタ)アクリル系モノ等を使用することができる。具体的なモノマとしては、以下の多官能性モノマ、単官能性モノマ等が挙げられる。
1)粒子を、超音波分散装置を使用して水(界面活性剤等の分散剤を含む)に分散させ、1質量%の多孔質ポリマ粒子を含む分散液を調製する。
2)粒度分布計(シスメックスフロー、シスメックス株式会社製)を用いて、上記分散液中の粒子約1万個の画像により平均粒径及び粒径のC.V.を測定する。
本実施形態に係る被覆層は、水酸基を有する多糖類及び水酸基を有する水溶性界面活性剤を含む。水酸基を有する多糖類及び水酸基を有する水溶性界面活性剤で多孔質ポリマ粒子を被覆することによりカラム圧の向上を抑制することができるとともに、タンパク質の非特異吸着を抑制することが可能となる上、分離材のタンパク質吸着量を向上させることが可能となる。さらに、水酸基を有する多糖類が架橋されていると、カラム圧の上昇をより抑制することが可能となる。
水酸基を有する多糖類としては、アガロース、デキストラン、セルロース、キトサン等が挙げられる。タンパク質の吸着能の観点から、水酸基を有する多糖類は、アガロース又はデキストランであることが好ましい。水酸基を有する多糖類としては、重量平均分子量1万〜20万程度のものが使用できる。これらの水酸基を有する多糖類は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る被覆層は、例えば、以下に示す方法により形成することができる。
次いで、架橋剤を加えて多孔質ポリマ粒子表面に吸着された水酸基を有する多糖類を架橋反応させて、架橋体を形成する。このとき、架橋体は、水酸基を有する3次元架橋網目構造を有する。
被覆層を備える分離材は、イオン交換基、リガンド(プロテインA)等を有していてもよい。分離材はこれらを表面上の水酸基等を介して導入することによりイオン交換精製、アフィニティ精製等に使用することができる。イオン交換基の導入方法として、例えば、ハロゲン化アルキル化合物を用いる方法が挙げられる。
水酸基を有する水溶性界面活性剤を、水酸基を有する多糖類の多孔質ポリマ粒子への吸着時、吸着後、又は、架橋処理後に添加することによって、多孔質ポリマ粒子の表面の多糖類によって被覆されていない部分を被覆することができ、本実施形態の分離材の非特異吸着を更に抑制することができる。
水酸基を有する多糖類と同時にこのような水溶性界面活性剤を吸着(被覆)させる場合、被覆されている多糖類全質量に対して10質量%以下になるように調整することが好ましい。10質量%以下であると、先に被覆された多糖類を剥離することなく、吸着させることができる。多糖類の吸着後に水溶性界面活性剤を吸着させる場合においても、被覆されている多糖類全質量に対して、10質量%以下になるように調整することが好ましい。多糖類の架橋処理後に界面活性剤を吸着させる場合は、多糖類が架橋され剥離する可能性が低いことから、被覆されている多糖類全質量に対して10〜100質量%で被覆してもよい。吸着した水溶性界面活性剤は、更に架橋処理されていてもよい。架橋処理は、上述の水酸基を有する多糖類と同様の架橋処理を行うことができる。
500mLの三口フラスコに、モノマとして純度96%のジビニルベンゼン(新日鉄住金化学株式会社製、商品名「DVB960」)を16g、多孔質化剤としてスパン80を6g、開始剤として過酸化ベンゾイルを0.64g加え、分散相とした。更にポリビニルアルコールを0.5質量%含む水溶液を連続相として使用した。これらの分散液を、マイクロプロセスサーバーを使用して乳化後(モノマ濃度25体積%)、得られた乳化液をフラスコに移し、80℃のウォーターバスで加熱しながら、撹拌機を用いて約8時間撹拌した。得られた粒子をろ過後、アセトンで洗浄を行い、多孔質ポリマ粒子1を得た。多孔質ポリマ粒子1の粒径をフロー型粒径測定装置(FPIA−3000、シスメックス株式会社製)で測定し、平均粒径及び粒径のC.V.値を算出した。結果を表1に示す。
スパン80の使用量を7gに変更した以外は、多孔質ポリマ粒子1の合成と同様にして、多孔質ポリマ粒子2を合成した。
スパン80の使用量を8gに変更した以外は、多孔質ポリマ粒子1の合成と同様にして、多孔質ポリマ粒子3を合成した。
市販のアガロース粒子(GEヘルスケアジャパン株式会社、商品名「Capto DEAE」)を使用した。
モノマとして2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレートを11.2g、エチレングリコールジメタクリレートを4.8g、多孔質化剤としてスパン80を5g使用した以外は、多孔質ポリマ粒子1の合成と同様にして、多孔質ポリマ粒子5を合成した。
<水酸基を有する多糖類の吸着及び架橋>
アガロース水溶液(2質量%)100mLに水酸化ナトリウム4g及びグリシジルフェニルエーテル0.14gを投入して70℃で12時間反応させ、アガロースにフェニル基を導入した。得られた変性アガロースをイソプロピルアルコールで再沈殿させ、洗浄した。次に、20mg/mLの変性アガロース水溶液に多孔質ポリマ粒子1を、水溶液70mLに対して多孔質ポリマ粒子1を1gの割合で投入し、55℃で24時間撹拌して、多孔質ポリマ粒子1に変性アガロースを吸着させた。吸着後、ろ過を行い、熱水で洗浄した。多孔質ポリマ粒子1g当たりのアガロースの被覆量は、ろ液中の変性アガロースの濃度から算出して求めた。結果を表2に示す。
水溶性界面活性剤であるデカグリセリオレイン酸エステル水溶液(0.1質量%)100g中で架橋した多孔質ポリマ粒子を3時間撹拌し、水溶性界面活性剤を吸着させた。得られた粒子を水で洗浄後、エチレングリコールジグリシジルエーテル及び水酸化ナトリウムの濃度がそれぞれ0.64M、0.4Mである水溶液35mLに対して水溶性界面活性剤が吸着した多孔質ポリマ粒子を1gの割合で投入し、6時間室温で撹拌した。その後、2質量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液の熱水で洗浄後、純水で洗浄した。
得られた粒子0.5gをBSA(Bovine Serum Alubumin)濃度20mg/mLのリン酸緩衝液(pH7.4)50mLに投入し、24時間室温で撹拌した。その後、遠心分離を行って上澄み液をとった。分光光度計で上澄み液の280nmの吸光度を測定することによって求めた上澄み液中のBSA濃度から、粒子に吸着したBSA量を算出した。結果を表3及び表4に示す。
得られた粒子0.5gを疎水性低分子化合物のモデル化合物として疎水基を有するオクチルフェノールエトキシレート(平均鎖長9.5単位、和光純薬工業株式会社、商品名「Triton−X100」)の濃度50mg/mLに50mLに投入し、3時間室温で撹拌した。その後、上澄みをとり、分光光度計でろ液の吸光度より、粒子に吸着したオクチルフェノールエトキシレート量を算出した。オクチルフェノールエトキシレートの濃度は分光光度計により269nm付近のフェニル基の吸光度から確認した。結果を表3及び表4に示す。
変性アガロース及び水溶性界面活性剤が架橋された粒子を含む水懸濁液から粒子をろ別した。得られた粒子(乾燥重量20g)を5Mの水酸化ナトリウム水溶液200mLに投入し、室温で1時間放置した。別途、ジエチルアミノエチルクロライド塩酸塩の所定量(60g)を200mLの水に添加し、ジエチルアミノエチルクロライド塩酸塩の水溶液を調製した。この水溶液を、上記水酸化ナトリウム水溶液に加え、温度を70℃まで上げ、撹拌しながら2時間反応させた。反応終了後、生成物をろ別、水洗して、ジエチルアミノエチル(DEAE)基を有する(DEAE変性)分離材を得た。得られた分離材の細孔径分布におけるモード径及び比表面積を水銀圧入法にて測定した。また、得られた分離材を乾燥後、熱重量分析により被覆層の質量(被覆量)を測定した。結果を表2に示す。
分離材を濃度30質量%のスラリー(溶媒:メタノール)としてφ7.8×300mmのステンレスカラムにて15分充填した。その後、カラムに流速を変えて水を通し、流速とカラム圧との関係を測定し、0.3MPa時の通液速度(線流速)を測定した。結果を表3及び表4に示す。
q10=cfF(t10−t0)/VB
q10:10%breakthroughにおける動的結合容量(mg/mL wet resin)
cf:注入しているBSA濃度
F:流速(mL/min)
VB:ベッド体積(mL)
t10:10%breakthroughにおける時間
t0:BSA注入開始時間
界面活性剤としてショ糖オレイン酸エステルを使用したこと以外は、実施例1と同様にして分離材を作製し、実施例1と同様に評価した。
水溶性界面活性剤としてTriton−X100を使用したこと以外は、実施例1と同様にして分離材を作製し、実施例1と同様に評価した。
水溶性界面活性剤としてラウリルアルコ−ル(EO)15グリシジルエ−テル(ナガセケムテックス株式会社、分子量971)を使用した以外は、実施例1と同様にして分離材を作製し、実施例1と同様に評価した。
水溶性界面活性剤としてポリビニルアルコール(分子量19000)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして分離材を作製し、実施例1と同様に評価した。
多孔質ポリマ粒子2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして分離材を作製し、実施例1と同様に評価した。
多孔質ポリマ粒子3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして分離材を作製し、実施例1と同様に評価した。
界面活性剤を吸着させなかったこと以外は、実施例1と同様にして分離材を作製し、実施例1と同様に評価した。
多糖類を吸着させなかったこと以外は、実施例1と同様にして分離材を作製し、実施例1と同様に評価した。
多孔質ポリマ粒子4をそのまま分離材として用い、実施例1と同様に評価した。
4gの多孔質ポリマ粒子5を、デキストラン(重量平均分子量15万)1g、水酸化ナトリウム0.6g、及び水素化ホウ素ナトリウム0.15gを蒸留水に溶解させた水溶液6gに加えて、多孔質ポリマ粒子の細孔内に含浸させた。得られたデキストラン含浸させた多孔質ポリマ粒子を、エチルセルロース1質量%トルエン溶液1Lに加えて撹拌し、懸濁液を得た。得られた懸濁液に、エピクロルヒドリン5mLを加えて50℃に昇温し、この温度で6時間撹拌して、多孔質ポリマ粒子内のデキストランを架橋させた。反応後、懸濁液をろ取してゲル状物を分離し、トルエン、エタノール、蒸留水で順次洗浄した。実施例1と同様にジエチルアミノエチル基を導入して分離材を作製し、実施例1と同様に評価した。
Claims (10)
- 多孔質ポリマ粒子と、
該多孔質ポリマ粒子の表面の少なくとも一部を被覆する、水酸基を有する多糖類及び水酸基を有する水溶性界面活性剤を含む被覆層と、
を備える、分離材。 - 前記界面活性剤の分子量が20000以下である、請求項1に記載の分離材。
- 比表面積が30m2/g以上である、請求項1又は2に記載の分離材。
- 細孔径分布におけるモード径が0.05〜0.6μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離材。
- 平均粒径が10〜300μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分離材。
- 前記多糖類がアガロース又はデキストランである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分離材。
- 前記多孔質ポリマ粒子1g当たり、30〜450mgの前記被覆層を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の分離材。
- カラムに充填した場合、カラム圧0.3MPaのときに通液流速が800cm/h以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分離材。
- 陽イオン交換基又は陰イオン交換基を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の分離材。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の分離材を備えるカラム。
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