JP2017197920A - 防火設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】化粧材が熱変形しても防火区画外に火炎等が漏れることを防止する防火設備を提供する。【解決手段】防火戸は、そのフレームの構成部材である中方立11の芯材11Xと、芯材11Xに取り付けられた化粧材42と、芯材11Xに取り付けられ、化粧材42を芯材11Xに取り付けるためのブラケット43と、火災発生時における化粧材42の熱変形に伴い、芯材11Xに対する化粧材42の変位を許容するように化粧材42を芯材11Xに取り付ける取付手段とを備える。取付手段は、芯材11Xの上端部、中央部及び下端部に取り付けられたブラケット43に化粧材42をビス45により取り付ける構造である。【選択図】図10

Description

本発明は、建物に設置され、防火区画を構成する防火設備に関する。
従来から、商業施設及び病院等の建物に設置される防火設備の一例として防火戸が知られている。その一例である特許文献1に記載の防火戸は、一対の縦枠と一対の方立との間にガラスが支持されて構成される一対の固定壁と、一対の固定壁の間に形成された出入口を開閉する両開き戸とを備える。縦枠の正面側及び背面側のそれぞれには、縦枠の正面側及び背面側の一方が加熱されたときに他方に伝熱することを抑制する遮熱構造が設けられている。
縦枠の正面側及び背面側の遮熱構造のそれぞれは、縦枠の芯材である取付枠体の上下方向のほぼ全長にわたって取り付けられた板状の取付板に耐火板がビスにより固定され、その耐火板を取付板とは反対側から覆う化粧材がビスにより取付板に固定された構成である。なお、化粧材は耐火板等を覆うように設けられるものである。
特開平5−125875号公報
ところで、防火戸の正面側又は背面側で火災が発生して化粧材が火炎にさらされて加熱されたとき、化粧材が熱変形する。この化粧材の熱変形による力が、ビスを介して取付板に作用することにより、取付板が設けられている取付枠体を変形させる場合がある。その結果、取付枠体に保持されたガラスと取付枠体との間等において、その正面側及び背面側を連通する空間(隙間など)が形成される虞がある。特に、化粧材が多数のビスにより取付板に固定される場合は、より大きな力が取付枠体に作用することになるため、取付枠体は更に変形しやすくなる。化粧材の熱変形による影響が取付枠体に及ばないように取付枠体を高強度にすることも考えられるが、取付枠体自体が大型化したり、高強度の部材を使うために高価になったりするという問題がある。なお、このような問題は、縦枠に限られず、防火戸ひいては防火窓及びその他の防火設備を構成するフレームの構成部材(芯材)に化粧材が取り付けられた構成において概ね共通するものである。
本発明は、化粧材が熱変形しても防火区画外に火炎等が漏れることを防止する防火設備を提供することを目的とする。
〔1〕本発明の一形態に従う防火設備は、防火設備のフレームの構成部材である芯材と、前記芯材に取り付けられた化粧材と、前記化粧材を前記芯材に取り付ける取付手段とを備え、前記取付手段は、前記化粧材が熱変形するときに、前記芯材に対する前記化粧材の変位を許容する。
この構成によれば、火災発生時に化粧材が火炎等による熱に起因して変形しても、その変形が芯材に影響を与えないように、つまり化粧材の変形を許容する(阻害しない)ように化粧材が芯材に取り付けられている。これにより、化粧材の熱変形に伴う力によって芯材が変形させられることが抑制される。その結果、化粧材が熱変形しても防火区画外に火炎等が漏れるような隙間が防火設備の一部に形成されることを抑制することができる。
〔2〕上記防火設備に従属する一形態によれば、前記取付手段は、前記化粧材が前記化粧材の長手方向への変位を抑制しつつ、前記化粧材が前記化粧材の長手方向に直交する方向への変位を許容するように設けられている。
この構成によれば、化粧材が熱により変形しようとする際に、化粧材はその長手方向への変位は抑制されながら、その長手方向に直交する方向への変位は許容されるため、化粧材の長手方向に変位可能なスペースを設けることなく、化粧材の熱変形による力が芯材に作用することを抑制することができる。
〔3〕上記防火設備に従属する一形態によれば、前記取付手段は、前記芯材の上部、中央部及び下部の3箇所から選択される複数箇所に設けられ、取付部材により前記化粧材と前記芯材とを固定する。
この構成によれば、取付部材(例えばビス)による化粧材と芯材との取付箇所が従来のものよりも少ないため、化粧材がその長手方向に直交する方向において芯材から離れるように熱変形しやすくなる。したがって、簡素な構成で化粧材の熱変形による力が芯材に作用することを抑制することができる。
〔4〕上記防火設備に従属する一形態によれば、前記取付手段は、前記化粧材を前記芯材に取り付けるブラケットを有し、前記ブラケットは、前記化粧材の熱変形に伴い、前記化粧材の長手方向に変形可能であり、前記取付部材は前記ブラケットにおいて前記化粧材と前記芯材とを固定している。
この構成によれば、化粧材の熱変形に伴いブラケットが変形することにより、化粧材の熱変形による力が芯材に作用することを更に抑制することができる。
〔5〕上記防火設備に従属する一形態によれば、前記取付手段は、前記化粧材が前記化粧材の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、前記化粧材が前記化粧材の長手方向の変位を許容するように設けられている。
この構成によれば、化粧材が熱により変形しようとする際に、化粧材はその長手方向に直交する方向への変位は抑制されながら、その長手方向への変位は許容されるため、化粧材と芯材との間に生じる、化粧材の長手方向に直交する方向の隙間の発生を抑えながら、化粧材の熱変形による力が芯材に作用することを抑制することができる。
〔6〕上記防火設備に従属する一形態によれば、前記化粧材の長手方向において前記防火設備の他の構成要素に前記化粧材の収容部が形成されており、前記取付手段は、前記化粧材が熱変形したときに、前記化粧材が前記収容部に収容可能な取付構造である。
この構成によれば、防火設備の他の構成要素に形成された化粧材の収容部に嵌り込むように、化粧材は熱変形によって収容(長手方向へ移動(化粧材がその長手方向に伸長する場合を含む))されるため、化粧材の長手方向に直交する方向の隙間の発生を抑えながら、簡素な構成で化粧材の熱変形による力が芯材に作用することを抑制することができる。
〔7〕上記防火設備に従属する一形態によれば、前記取付手段は、前記化粧材を前記芯材に取り付けるブラケットを有し、前記ブラケットは、前記化粧材が熱変形したときに、前記化粧材の長手方向に移動可能な構造である。
この構成によれば、化粧材の熱変形に伴いブラケットが化粧材の長手方向に移動(変形することも含む)することにより、化粧材の熱変形による力が芯材に作用することを抑制することができる。
本発明にかかる防火設備によれば、化粧材が熱変形しても防火区画外に火炎等が漏れることを防止することができる。
防火設備の一例である防火戸の正面図。 図1の2−2線で切った防火戸の断面図。 図2の一方の引戸の戸尻及びその周辺の拡大図。 図2の他方の引戸の戸尻及びその周辺の拡大図。 (a)図2の引戸の戸先及びその周辺の拡大図、(b)上記(a)において引戸が加熱されたときの引戸の戸先の拡大図。 図1の6−6線で切った防火戸の断面図。 図6の防火戸の一部の拡大図。 (a)図1の8−8線で切った防火戸の断面図、(b)上記(a)の一点鎖線円の拡大図。 (a)図1の9−9線で切った防火戸の断面図、(b)上記(a)の一点鎖線円の拡大図。 中方立の分解斜視図。 比較例の中方立の分解斜視図。 変形例1の防火戸において、(a)芯材、ブラケット、化粧材及び取付部材の分解斜視図、(b)芯材、ブラケット、化粧材及び取付部材が結合された状態の側面図。 変形例1の別の防火戸において、芯材、ブラケット、化粧材及び取付部材の分解斜視図。 変形例2の防火戸において、芯材、ブラケット、化粧材、カバー及び取付部材の分解斜視図。 変形例3の防火戸において、(a)芯材、ブラケット及びビスの分解斜視図、(b)芯材、ブラケット及び取付部材が結合された状態の正面図。 変形例4の防火戸において、(a)化粧材が熱変形する前の化粧材及び取付部材の断面図、(b)化粧材が熱変形した後の化粧材及び取付部材の断面図。 変形例5の防火戸において、芯材、ブラケット及び化粧材の分解斜視図。 変形例6の防火戸において、芯材、ブラケット、化粧材及び取付部材の分解斜視図。 変形例7の防火戸において、(a)〜(c)ブラケットの一部の斜視図。 変形例7の防火戸において、(a),(b)芯材にブラケットが取り付けられた状態の斜視図。 変形例8の防火戸において、(a),(b)芯材、化粧材及び取付部材の模式側面図。 変形例9の防火戸において、(a),(b)芯材、化粧材及び取付部材の模式側面図。 変形例10の防火戸において、(a)〜(c)芯材、化粧材及び取付部材の模式側面図。 変形例10の別の防火戸において、芯材、化粧材及び取付部材の側面図。 変形例11の防火戸において、芯材、化粧材及び取付部材の模式側面図。 変形例11の別の防火戸において、芯材、ブラケット、化粧材及び取付部材の分解斜視図。 変形例11のさらに別の防火戸において、芯材、ブラケット、化粧材及び取付部材の分解斜視図。 変形例12の防火戸において、芯材、ブラケット、化粧材及び取付部材の分解斜視図。 変形例13の防火戸において、芯材、化粧材及び取付部材の分解斜視図。 変形例16の防火戸において、(a)〜(c)耐火板の模式断面図。
以下、防火設備を防火戸に具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の防火戸1は、図1に示されるように、引分け式の防火戸である。なお、防火戸は、引分け式に代えて片引き式の引戸や、引戸に代えて開戸、折戸又はその他の戸であってもよい。また以下の防火戸1の説明において方向を示す場合は、図1の防火戸1を正面とした場合の各方向を用いる。
図1に示されるように、防火戸1は、建物(内部を含む)に形成された長方形状の開口2の長手方向において間隔をあけて配置された一対の縦枠3と、一対の縦枠3の上方に配置され、一対の縦枠3により支持されている無目4とを備える。縦枠3は、鉄系金属製で中空形状であり、防火戸1の高さ方向ZAに延びている。無目4の内部には、収容空間4aが形成されている。
一対の縦枠3の間において防火戸1の正面視で右側の縦枠3には固定壁10Rが取り付けられ、左側の縦枠3には固定壁10Lが取り付けられている。これら固定壁10R,10Lは、互いに離間して配置されることにより、固定壁10R,10Lの間に出入口を形成している。その出入口を開閉可能とするように、固定壁10R,10Lの間に一対の引戸20R,20Lが配置されている。図2に示されるように、防火戸1の前後方向ZC(防火戸1の扉面の法線方向)において、引戸20R,20Lは、固定壁10R,10Lよりも正面側に配置されている。以降の説明では、例えば縦枠3のように別部材であっても対に配置される部材には説明の便宜上、同じ符号を付す場合がある。
図2に示されるように、固定壁10R,10Lは、高さ方向ZAに延びる中方立11を備える。中方立11は、開口2内において縦枠3と間隔を置いて配置されている。図1及び図2に示されるように、中方立11の下端部には、引戸20R,20Lの開閉方向(以下、「幅方向ZB」)において中方立11から縦枠3に向けて延びる巾木12が設けられている。このように、固定壁10R,10Lは、縦枠3、中方立11、無目4の下部の枠体4X及び巾木12により枠体を構成している。その枠体内には耐熱ガラス13が縦枠3、中方立11、無目4の下部の枠体4X及び巾木12により支持されている。中方立11は、ステンレス鋼板が折り曲げられることにより中空柱状に形成されている。巾木12も同様にステンレス鋼で中空形状に形成されている。
図1に示されるように、引戸20R,20Lは、扉体20Xと、この扉体20Xを開き戸として回転自在に支持する扉支持枠20Yとを備える。扉体20Xは、戸先を構成する戸先側縦框21、戸尻を構成する戸尻側縦框22、引戸20R,20Lの上端部を構成する上框23及び引戸20R,20Lの下端部を構成する下框24により構成された枠体と、その枠体内に配置された耐熱ガラス25とを備える。戸先側縦框21及び戸尻側縦框22は、高さ方向ZAに延び、上框23及び下框24は、戸先側縦框21と戸尻側縦框22とを連結するように幅方向ZBに延びている。耐熱ガラス25は、戸先側縦框21、戸尻側縦框22、上框23及び下框24により支持されている。
扉支持枠20Yは、戸尻側縦框22を複数の丁番28を介して支持する縦部材26と、縦部材26の上端部から幅方向ZBに沿って延びる横部材27とを備える。縦部材26は、高さ方向ZAに延び、幅方向ZBにおいて戸尻側縦框22と隣り合うように配置されている。横部材27は、高さ方向ZAにおいて上框23よりも上方且つ隣り合うように配置されている。横部材27には、無目4の収容空間4aに配置された走行レール(図示略)に吊り下げられたドアハンガ(図示略)が設けられている。このドアハンガを介して引戸20R,20Lは、無目4に対して幅方向ZBにスライド自在に支持されている。
引戸20R,20Lは、無目4の収容空間4aに配置された駆動部(図示略)により幅方向ZBにおいて互いに接近及び離間するように駆動される。これにより、固定壁10R,10Lの間に形成された出入口を開閉する。なお、無目4内には、防火戸1が設置されている建物内で火災が発生したことが検出されたときに、引戸20R,20Lを閉じ方向に移動させるための自動閉鎖装置(図示略)が設けられている。
一方、引戸20R,20Lは、防火戸1が全閉状態のときに、丁番28を支点として扉体20Xを背面側に向けて手動で回転させることにより通行可能としている。また、引戸20R,20Lには、扉体20Xを手動で回転させた後、扉体20Xを自動的に閉じるドアクローザ(図示略)が設けられている。ドアクローザは、既知の構造を採用することができ、上框23内に配置されている。
このような引戸20R,20Lを構成する戸先側縦框21、戸尻側縦框22、上框23、下框24、縦部材26及び横部材27は、ステンレス鋼板が折り曲げられることにより中空柱状に構成されている。なお、戸先側縦框21、戸尻側縦框22、上框23、下框24、縦部材26及び横部材27の少なくとも1つは、ステンレス鋼板以外の鋼材(例えば鉄や耐火鋼)により構成されてもよい。
図3〜図9に示されるように、防火戸1には、防火戸1の正面側空間と背面側空間との空気の連通を遮断する複数のシール構造が設けられている。これらシール構造は、火災が発生していない通常時(以下、単に「通常時」と称する。)において防火戸1の正面側空間と背面側空間との空気の連通を遮断し、且つ火災発生時において防火戸1の正面側空間と背面側空間との空気の連通を遮断すると共に正面側空間と背面側空間との伝熱を抑制する。シール構造は、第1シール構造SL1、第2シール構造SL2、第3シール構造SL3、第4シール構造SL4、第5シール構造SL5及び第6シール構造SL6を備える。
図3及び図4に示されるように、第1シール構造SL1は、引戸20R,20Lの縦部材26と固定壁10R,10Lの中方立11との前後方向ZCの間に設けられている。第1シール構造SL1は、縦部材26の芯材26Xに取り付けられ、縦部材26(芯材26X)から中方立11に向けて延びるL字状の第1板材31aと、中方立11の芯材11Xに取り付けられ、中方立11(芯材11X)から縦部材26に向けて延びるL字状の第2板材31bとの組合せにより構成される煙返し31を備える。煙返し31の幅方向ZBの両端部には発泡材32が取り付けられ、発泡材32上には気密ゴム33が取り付けられている。
発泡材32は、高さ方向ZAにおいて延びるシート状に形成され、例えば粘着シールにより煙返し31に貼り付けられている。発泡材32は、断熱性を有し、且つ加熱されることにより膨張するものであり、例えばグラファイト系発泡材が用いられる。
第1板材31aに設けられた気密ゴム33はその幅方向ZBの先端部が圧縮された状態で第2板材31bと接触し、第2板材31bに設けられた気密ゴム33はその幅方向ZBの先端部が圧縮された状態で第1板材31aと接触している。これら気密ゴム33は、高さ方向ZAにおいて延びる中空の略チューブ状に形成されている。気密ゴム33は、シリコンゴムなどの気密材により形成されている。
第1シール構造SL1は、通常時において気密ゴム33が圧縮された状態で第1板材31a及び第2板材31bに接触することにより煙返し31の通路を閉塞している。また第1シール構造SL1は、火災発生時において温度が所定温度以上に上昇して発泡材32が膨張すると、さらに気密ゴム33が煙返し31に押し潰されて熱風や煙が遮断される。
第2シール構造SL2は、戸尻側縦框22と縦部材26との間に設けられている。第2シール構造SL2は、戸尻側縦框22の正面側に取り付けられ、その正面側に開口する凹形状の支持部34と、支持部34内に取り付けられた気密ゴム33と、支持部34及び戸尻側縦框22の前後方向ZCに並べて取り付けられた複数の発泡材32とを備える。第2シール構造SL2は、通常時において気密ゴム33が支持部34と縦部材26とに圧縮された状態で接触することにより戸尻側縦框22と縦部材26との間の前後方向ZCの隙間を閉塞している。また第2シール構造SL2は、火災発生時において温度が所定温度以上に上昇して複数の発泡材32が膨張すると、発泡材32により戸尻側縦框22と縦部材26との幅方向ZBの隙間を埋めることにより戸尻側縦框22と縦部材26との隙間を閉塞している。
図5(a)に示されるように、第3シール構造SL3は、引戸20R,20Lの戸先側縦框21に設けられた凹部21aにおいて幅方向ZBに互いに対向するように設けられている。第3シール構造SL3は、凹部21aに取り付けられた複数の発泡材32と、凹部21aに取り付けられ、複数の発泡材32を幅方向ZBから覆う気密ゴム35とを備える。
複数の発泡材32は、高さ方向ZAにおいて延びるシート状に形成され、凹部21a内において前後方向ZCに並べられている。
気密ゴム35は、シリコンゴムなどの気密材により形成されている。気密ゴム35は、前後方向ZCにおいて凹部21aの中央部に設けられたスリット21bに取り付けられている。気密ゴム35は、スリット21bに挿入される取付部35aと、取付部35aから前後方向ZCの両側に延びるシート状の一対の羽根部35bとを備える。取付部35aは、発泡材32の前後方向ZCの間に挿入されている。取付部35aには、取付部35aがスリット21bに挿入された状態でスリット21bに前後方向ZCに対向する部分よりも前後方向ZCの長さが長いフランジ35cが設けられている。フランジ35cがスリット21bにおける前後方向ZCの周縁と幅方向ZBに接触することにより、取付部35aが戸先側縦框21から外れることが抑制される。羽根部35bは、幅方向ZBにおいて発泡材32を覆うように発泡材32の戸先側の面に取り付けられている。羽根部35bは、前後方向ZCにおいて凹部21aの全体に亘り延びている。羽根部35bにおいて正面側の端部には、引戸20R,20Lの戸先側縦框21の隙間を閉塞するためのシール部35dが設けられている。これにより、通常時においてシール部35dが引戸20R,20Lの戸先側縦框21の隙間を閉塞している。
取付部35aの付け根となる取付部35aと一対の羽根部35bとの境界部には、薄肉部35eが設けられている。薄肉部35eは、気密ゴム35の厚さが薄くなる部分であり、本実施形態では取付部35aと羽根部35bとの境界部に凹部を設けることにより構成されている。
図5(b)に示されるように、火災発生時において発泡材32が加熱されることにより膨張したとき、気密ゴム35は、薄肉部35eを支点として一対の羽根部35bが幅方向ZBにおいて対向する戸先側縦框21に向けて変形する。これにより、引戸20R側の気密ゴム35における一対の羽根部35bと引戸20L側の気密ゴム35における一対の羽根部35bとが互いに接触すると共に発泡材32が引戸20R,20Lの戸先側縦框21の隙間を埋める。これにより、引戸20R,20Lの戸先側縦框21の隙間が閉塞される。
図6に示されるように、第4シール構造SL4は、上框23と横部材27との間に設けられている。図7に示されるように、第4シール構造SL4は、上框23の上端部且つ正面側に設けられ、正面側に開口する支持部34と、支持部34内に取り付けられた気密ゴム33と、支持部34及び上框23の上面に設けられた複数の発泡材32とを備える。複数の発泡材32は、前後方向ZCに並べられている。
第4シール構造SL4は、通常時において気密ゴム33が横部材27に対して圧縮された状態で接触することにより上框23と横部材27との前後方向ZCの隙間を閉塞している。また第4シール構造SL4は、火災発生時において温度が所定温度以上に上昇して発泡材32が膨張すると、発泡材32により上框23と横部材27との高さ方向ZAの隙間を埋めることにより上框23と横部材27との隙間を閉塞する。
図8(a)に示されるように、第5シール構造SL5は、無目4と横部材27との間に設けられている。また第5シール構造SL5は、横部材27内にも設けられている。図8(b)に示されるように、第5シール構造SL5は、横部材27と無目4との間に設けられた煙返し36と、横部材27の上端部且つ背面側に設けられ、背面側に開口する支持部34と、支持部34内の底面に取り付けられた発泡材32aと、発泡材32aに取り付けられた気密ゴム33とを備える。気密ゴム33は、支持部34内に収容されている。煙返し36、支持部34、発泡材32a及び気密ゴム33は、幅方向ZBに延びている。
また第5シール構造SL5は、煙返し36の隙間の下端部に配置された発泡材32bと、支持部34の上面及びその周辺に前後方向ZCに並べられた複数の発泡材32cと、横部材27の上端面に取り付けられた煙返し36を構成する板材36aの上面に前後方向ZCに並べられた複数の発泡材32dとを備える。板材36aは、支持部34よりも上方に配置されている。このため、複数の発泡材32c,32dは、高さ方向ZAにおいて板材36aと対向している。またこれら発泡材32c,32dは幅方向ZBに延びている。板材36aに並べられた複数の発泡材32dは、無目4の受け金具4cに対向しており、これら発泡材32d及び受け金具4cは幅方向ZBに延びている。
第5シール構造SL5は、引戸の摺動部分であるため、通常時において気密ゴム33が煙返し36にゼロタッチで接触することにより横部材27と無目4との間を閉塞している。第5シール構造SL5は、火災発生時において温度が所定温度以上に上昇して各発泡材32a〜32dが加熱されることにより膨張すると、各発泡材32a〜32dにより煙返し36の隙間と、支持部34と板材36aとの隙間と、板材36a(横部材27)と無目4との隙間とを埋める。これにより、煙返し36の隙間と、支持部34と板材36aとの隙間と、板材36a(横部材27)と無目4との隙間とが閉塞される。
図9(a)に示されるように、第6シール構造SL6は、下框24の芯材24Xと防火戸1の設置面Pとの間に設けられている。図9(b)に示されるように、第6シール構造SL6は、下框24の芯材24Xの正面側の下端部に取り付けられる気密ゴム37と、気密ゴム37を下框24の芯材24Xとの間で押さえる押さえ板38とを備える。気密ゴム37の先端部は、設置面Pに接触している。気密ゴム37は、シリコンゴムなどの気密材により形成されている。気密ゴム37は、防火戸1の側面視においてL字状に形成され、幅方向ZBに延びている。第6シール構造SL6は、通常時において気密ゴム37が設置面Pと接触していることにより下框24と設置面Pとの隙間を閉塞している。なお、第6シール構造SL6には発泡材を設けてない。これは空気の流れが、火災が発生していない防火区画外から火災が発生している防火区画内へ向かうため、火炎や煙が防火区画外に出にくくなっている。そのため、発泡材は不要となる。
図3〜図9に示されるように、第2シール構造SL2の気密ゴム33、第3シール構造SL3の気密ゴム35、第4シール構造SL4の気密ゴム33及び第6シール構造SL6の気密ゴム37は、これら気密ゴム33,35,37の位置が前後方向ZCにずれたとしても、そのずれに起因して生じる隙間を気密ゴム33,35,37のいずれかが埋める。このため、これら気密ゴム33,35,37の前後方向ZCの位置のずれに起因して、正面側空間と背面側空間とが連通することが抑制される。
また図3〜図9に示されるように、防火戸1には、例えば防火戸1の正面側空間及び背面側空間の一方で火災が発生したとき、正面側空間及び背面側空間の他方に伝熱することを抑制する複数の遮熱構造が設けられている。複数の遮熱構造は、框や中方立などの防火戸1におけるフレームの構成部材である芯材の正面側及び背面側のそれぞれに設けられている。複数の遮熱構造は、第1遮熱構造TB1、第2遮熱構造TB2、第3遮熱構造TB3、第4遮熱構造TB4、第5遮熱構造TB5、第6遮熱構造TB6、第7遮熱構造TB7、第8遮熱構造TB8及び第9遮熱構造TB9を備える。第1遮熱構造TB1〜第9遮熱構造TB9は概ね同様の構成であるため、第2遮熱構造TB2〜第9遮熱構造TB9については第1遮熱構造TB1とは異なる部分を詳細に説明する。
図3及び図4に示されるように、第1遮熱構造TB1は、中方立11の芯材11Xの正面側及び背面側に設けられている。第1遮熱構造TB1は、芯材11Xの正面側及び背面側に配置される複数枚の耐火板41と、正面側の耐火板41及び背面側の耐火板41のそれぞれを覆う化粧材42と、化粧材42を芯材11Xに取り付けるためのブラケット43とを備える。本実施形態の第1遮熱構造TB1〜第9遮熱構造TB9では、正面側の耐火板41の枚数が背面側の耐火板41の枚数よりも少ない。なお、第1遮熱構造TB1〜第9遮熱構造TB9のそれぞれにおいて、正面側の耐火板41の枚数及び背面側の耐火板41の枚数は任意の設定事項であり、正面側の耐火板41の枚数が背面側の耐火板41の枚数以上であってもよい。なお、耐火板41は、本実施形態ではケイカル板(珪酸カルシウム板)を用いているが、これに限られず、石膏ボードであってもよい。また、ブラケット43はステンレス鋼などの金属で構成されているが、芯材よりも強度が弱くなるように構成されている。
第1遮熱構造TB1において、芯材11Xの正面及び背面には、複数のブラケット43が例えば溶接により取り付けられている。芯材11Xの正面には1枚の耐火板41が複数のビス44により固定されている。複数のビス44は、高さ方向ZAにおいて間隔を置いた位置で耐火板41及び芯材11Xにねじ込まれている。ブラケット43の幅方向ZBの一端部には、化粧材42を固定するための取付部材の一例であるビス45により、化粧材42の一端が取り付けられている。この化粧材42の他端は、芯材11Xにスペーサ14を介して取付部材の一例であるビス45により取り付けられている。
一方、芯材11Xの背面には、前後方向ZCに積層された2枚の耐火板41が複数のビス44により固定されている。化粧材42の両端部は、幅方向ZBの両側においてブラケット43とビス45により取り付けられ、化粧材42は、第1シール構造SL1の煙返し31とは別体に構成されている。
第2遮熱構造TB2は、縦部材26の芯材26Xの正面側及び背面側に設けられている。芯材26Xの正面側の耐火板41は、その幅方向ZBの長さが芯材26Xの幅方向ZBの長さ及び芯材26Xの背面側の耐火板41の幅方向ZBの長さよりも長い。正面側の耐火板41において幅方向ZBにおける戸尻側縦框22側の端部は、前後方向ZCにおいて戸尻側縦框22と重なっている。このため、芯材26Xの正面側の耐火板41を覆う化粧材42及びこの化粧材42が取り付けられるブラケット43の幅方向ZBの長さは、芯材26Xの背面側の化粧材42及びブラケット43の幅方向ZBの長さよりも長い。これにより、第2シール構造SL2の気密ゴム33を縦部材26に接触させることができる。芯材26Xの正面側の化粧材42は、芯材26Xに直接的に取り付けられず、ブラケット43にビス45により取り付けられている。芯材26Xの背面側の化粧材42は、耐火板41と前後方向ZCに間隔を置いて覆うようにブラケット43にビス45により取り付けられている。なお、第2遮熱構造TB2において、化粧材42の長手方向は縦部材26の芯材26Xの長手方向と同じく、高さ方向ZAとなる。
第3遮熱構造TB3は、戸尻側縦框22の芯材22Xの正面側及び背面側に設けられている。芯材22Xの正面側には、耐熱ガラス25を保持するための押縁29が設けられているため、芯材22Xの正面側の耐火板41の幅方向ZBの長さが背面側の耐火板41の幅方向ZBの長さよりも短い。このため、芯材22Xの正面側の化粧材42及びブラケット43の幅方向ZBの長さは、背面側の化粧材42及びブラケット43の幅方向ZBの長さよりも短い。芯材22Xの正面側の化粧材42には、第2シール構造SL2の支持部34が一体に形成されている。正面側の化粧材42は、幅方向ZBの一方側においてブラケット43とビス45により取り付けられ、幅方向ZBの他方側において支持部34の底面を介して芯材22Xとビス45により取り付けられている。このビス45上には、第2シール構造SL2の気密ゴム33が配置され、気密ゴム33は、縦部材26の芯材26Xの正面側の第2遮熱構造TB2により前後方向ZCから覆われている。なお、第3遮熱構造TB3において、化粧材42の長手方向は戸尻側縦框22の芯材22Xの長手方向と同じく、高さ方向ZAとなる。
一方、戸尻側縦框22の芯材22Xの背面側の第3遮熱構造TB3は、戸尻側縦框22の一部が縦部材26と前後方向ZCにおいて重なっている。これにより、火災発生時において第2シール構造SL2の発泡材32が加熱されて膨張したとき、第3遮熱構造TB3により発泡材32の背面側への膨張が制限されるため、発泡材32が戸尻側縦框22と縦部材26との隙間を埋め易くなる。
また、戸尻側縦框22の芯材22Xの背面側の第3遮熱構造TB3は、芯材22Xの幅方向ZBの側面に取り付けられた押縁29と共に耐熱ガラス25の幅方向ZBの端部を収容する空間を形成している。耐熱ガラス25は、この空間において戸尻側縦框22に支持されている。
図5(a)に示されるように、第4遮熱構造TB4は、戸先側縦框21の芯材21Xの正面側及び背面側に設けられている。第4遮熱構造TB4は、第2シール構造SL2が設けられない点以外は第3遮熱構造TB3と概ね同様の構成である。このため、正面側の第4遮熱構造TB4は、戸先側縦框21の正面側の幅方向ZBの全体に亘って設けられている。また、戸先側縦框21と、正面側の第4遮熱構造TB4と、背面側の第4遮熱構造TB4とにより凹部21aが形成されている。なお、第4遮熱構造TB4において、化粧材42の長手方向は戸先側縦框21の芯材21Xの長手方向と同じく、高さ方向ZAとなる。
図6に示されるように、第5遮熱構造TB5は、上框23の芯材23Xの正面側及び背面側に設けられている。芯材23Xの正面側には、第4シール構造SL4が設けられるため、耐火板41の高さ方向ZAの長さが芯材23Xの高さ方向ZAの長さ及び芯材23Xの背面側における耐火板41の高さ方向ZAの長さよりも短い。図7に示されるように、芯材23Xの正面側の化粧材42には、第4シール構造SL4の支持部34が一体に形成されている。これにより、芯材23Xの正面側の第5遮熱構造TB5と第4シール構造SL4とが高さ方向ZAにおいて隣り合うように設けられている。また芯材23Xの正面側の化粧材42は、その上部において支持部34の底面を介してビス45により芯材23Xの上端部に取り付けられ、その下端部においてビス45により芯材23Xの下端部に取り付けられている。なお、第5遮熱構造TB5において、化粧材42の長手方向は上框23の芯材23Xの長手方向と同じく、幅方向ZBとなる。
芯材23Xの背面側の第5遮熱構造TB5は、芯材23Xの高さ方向ZAの両側に突出している。これにより、高さ方向ZAにおいて、背面側の第5遮熱構造TB5と背面側の第6遮熱構造TB6との間の距離は、上框23の芯材23Xと横部材27の芯材27Xとの間の距離よりも小さくなる。このため、火災発生時において第4シール構造SL4の発泡材32が加熱されて膨張したとき、背面側の第5遮熱構造TB5により発泡材32の背面側への膨張が制限されるため、発泡材32が上框23の芯材23Xと横部材27の芯材27Xとの隙間を埋め易くなる。
また、背面側の第5遮熱構造TB5の下端部は、上框23の芯材23Xの下端部と共に耐熱ガラス25の上端部を収容する空間を形成している。耐熱ガラス25は、この空間において上框23に支持されている。
図6に示されるように、第6遮熱構造TB6は、横部材27の芯材27Xの正面側及び背面側に設けられている。芯材27Xの正面側の第6遮熱構造TB6は、その高さ方向ZAの長さが芯材27Xの高さ方向ZAの長さよりも長く、芯材27Xよりも下方に突出している。この正面側の第6遮熱構造TB6において芯材27Xよりも下方に突出した部分は、第4シール構造SL4と前後方向ZCにおいて対向し、第4シール構造SL4の気密ゴム33が接触している。また正面側の第6遮熱構造TB6の下端部は、上框23の芯材23Xの正面側の第5遮熱構造TB5の上端部と前後方向ZCに間隔を置いて対向している。なお、第6遮熱構造TB6において、化粧材42の長手方向は横部材27の芯材27Xの長手方向と同じく、幅方向ZBとなる。
図8(a)に示されるように、芯材27Xの正面側の化粧材42は、その上端部及び下端部のそれぞれにおいてビス45によりブラケット43に取り付けられている。
芯材27Xの背面側の第6遮熱構造TB6は、前後方向ZCにおいて3枚の耐火板41が積層されている。3枚の耐火板41のうちの最も背面側の耐火板41の高さ方向ZAの長さは、他の2枚の耐火板41の高さ方向ZAの長さよりも短い。背面側の第6遮熱構造TB6の化粧材42の上部は、3枚の耐火板41の上端部の形状に沿った段形状である。そして最も背面側の耐火板41の上方には、第5シール構造SL5が配置されている。このような耐火板41及び化粧材42の構成により、第5シール構造SL5の気密ゴム33を化粧材42の段形状の部分に収容することができる。この化粧材42の上部にL字状の支持フレーム34aを取り付けることにより、第5シール構造SL5の支持部34が構成されている。背面側の化粧材42は、その上端部及び下端部においてビス45によりブラケット43に取り付けられている。
なお、無目4の背面側には、幅方向ZBに延びる複数の耐火板41が前後方向ZCに積層されている。これにより、背面側空間で火災が発生したとき、無目4の収容空間4aが加熱されることが抑制される。
図9に示されるように、第7遮熱構造TB7は、下框24の芯材24Xの正面側及び背面側に設けられている。芯材24Xの正面側の第7遮熱構造TB7の高さ方向ZAの長さは、芯材24Xの高さ方向ZAの長さと等しく、芯材24Xの背面側の第7遮熱構造TB7の高さ方向ZAの長さは芯材24Xの高さ方向ZAの長さよりも長く、芯材24Xから上方に突出している。背面側の第7遮熱構造TB7において芯材24Xから上方に突出した部分は、芯材24Xの正面側の上端部に設けられた押縁29と共に耐熱ガラス25の下端部を収容する空間を形成している。耐熱ガラス25は、この空間において下框24に支持されている。なお、第7遮熱構造TB7において、化粧材42の長手方向は、下框24の芯材24Xの長手方向と同じく、幅方向ZBとなる。
図6に示されるように、第8遮熱構造TB8は、無目4の下部の枠体4Xの正面側及び背面側に設けられている。枠体4Xの正面側の第8遮熱構造TB8は、幅方向ZBに延び、上方が開口した収容空間を有する枠体4X内に、側面視において高さ方向ZAに対し前後方向ZCが長手方向となるように耐火板41が配置されている。一方、背面側の第8遮熱構造TB8は、幅方向ZBに延び、上方が開口した収容空間を有する枠体4X内に、前後方向ZCに対して高さ方向ZAが長手方向となるよう2枚の耐火板41が前後方向ZCに積層された状態で配置されている。なお、第8遮熱構造TB8において、化粧材42の長手方向は、無目4の下部の枠体4Xの長手方向と同じく、幅方向ZBとなる。
図9に示されるように、第9遮熱構造TB9は、下部の巾木12の芯材12Xの正面側及び背面側に設けられている。芯材12Xの背面側の第9遮熱構造TB9は、下框24の背面側の第7遮熱構造TB7と同様の構成であるが、正面側の第9遮熱構造TB9は、下框24の正面側の第7遮熱構造TB7の構成と異なる。なお、第9遮熱構造TB9において、化粧材42の長手方向は、巾木12の芯材12Xの長手方向と同じく、幅方向ZBとなる。
図6〜図9に示されるとおり、防火戸1の上方に設けられる遮熱構造の耐火板41の枚数は、防火戸1の下方に設けられる遮熱構造の耐火板41の枚数よりも多くなる。具体的には、第6遮熱構造TB6は4枚の耐火板41を有し、第5遮熱構造TB5は3枚の耐火板41であるが第6遮熱構造TB6の正面側の1枚の耐火板41が第5遮熱構造TB5の正面側の1枚の耐火板41の上部と前後方向ZCにおいて重なるため、第5遮熱構造TB5の上部では、耐火板41の枚数が4枚となる。一方、防火戸1の下方となる遮熱構造である第7遮熱構造TB7の耐火板41の枚数は3枚である。このため、火災発生時において、より高温となりやすい防火戸1の上方における遮熱性能を向上させることができる。
また、防火戸1の正面側で火災が発生したとき、加熱された空気が上方に移動するため、防火戸1の上方の気圧が高くなる。一方、図6において二点鎖線により示されるように、無目4の点検口4b側は、無目4の収容空間4aと連通する隙間が形成されているため、加熱された空気が収容空間4aに入り込む。これにより、横部材27の上部が加熱される。すなわち横部材27は、その正面側及び上面側の2面に対して加熱される。
これに対して、第6遮熱構造TB6は、4枚の耐火板41により横部材27よりも背面側及び下方に伝熱することを抑制している。また第5シール構造SL5は、煙返し36の板材36aの上面に取り付けられた発泡材32が膨張することにより板材36aと無目4との隙間を閉塞し、第6遮熱構造TB6に設けられた発泡材32が膨張することにより第6遮熱構造TB6と板材36aとの隙間を閉塞する。これにより、無目4から横部材27よりも背面側及び下方に伝熱することを一層抑制している。
また、火災初期時において防火戸1の正面側で煙が発生したとき、第1シール構造SL1〜第6シール構造SL6により引戸20R,20Lの周囲において防火戸1の正面側空間と背面側空間とを連通する隙間が閉塞されているため、煙が背面側空間に進入することが抑制される。
次に、図10を参照して、遮熱構造の一つである第1遮熱構造TB1の詳細な構成について説明する。
中方立11の芯材11Xの正面11a及び背面11bのそれぞれには、3個のブラケット43が高さ方向ZAに間隔を置いて配置されている。正面11a側に配置されるブラケット43は、共通の部品であり、ステンレス鋼板をプレス等により折り曲げることにより形成されている。また背面11b側に配置されるブラケット43は、共通の部品であり、ステンレス鋼板をプレス等により折り曲げることにより形成されている。正面11a側に配置されるブラケット43及び背面11b側に配置されるブラケット43は共に、芯材11Xの上端部、中央部及び下端部に配置されている。これらブラケット43は、芯材11Xの正面11a及び背面11bに例えばスポット溶接により取り付けられている。
これらブラケット43は、幅方向ZBに延びる長板状の芯材取付部43aと、芯材取付部43aの幅方向ZBの両側において前後方向ZCに向けて延びる一対の化粧材支持部43bとを備える。芯材11Xの正面11a側に配置される耐火板41の枚数は、芯材11Xの背面11b側に配置される耐火板41の枚数よりも少ないため、正面11a側に配置されるブラケット43における化粧材支持部43bの前後方向ZCの長さは、背面11b側に配置されるブラケット43における化粧材支持部43bの前後方向ZCの長さよりも短い。
耐火板41は、幅方向ZBに対して高さ方向ZAが長手方向となる板状部材である。図10に示すとおり、耐火板41は、芯材11Xの高さ方向ZAの長さと概ね等しくなる。耐火板41は、幅方向ZBにおいて一対の化粧材支持部43bの間に配置され、芯材11Xとの間で芯材取付部43aを挟み込んでいる。
化粧材42は、ステンレス鋼板を折り曲げることにより形成されている。化粧材42は、耐火板41の前後方向ZCの面全体を前後方向ZCから覆うカバー本体42aと、耐火板41の幅方向ZBの面全体を幅方向ZBの両側から覆う側方カバー部42bとを備える。側方カバー部42bの上端部、中央部及び下端部のそれぞれには、幅方向ZBにおいて側方カバー部42bを貫通している挿入孔42cが設けられている。正面11a側に配置される化粧材42において、幅方向ZBの一方の側方カバー部42bは芯材11Xに取り付けられ、幅方向ZBの他方の側方カバー部42bはブラケット43に取り付けられるため、幅方向ZBの一方の側方カバー部42bの前後方向ZCの長さが幅方向ZBの他方の側方カバー部42bの前後方向ZCの長さよりも長い。また、正面11a側の耐火板41の枚数が背面11b側の耐火板41の枚数よりも少ないため、正面11a側の化粧材42の側方カバー部42b(他方の側方カバー部42b)の前後方向ZCの長さは、背面11b側の化粧材42の側方カバー部42bの長さよりも短い。
正面11a側に配置される化粧材42は、一方の側方カバー部42bが芯材11Xの正面側の部分を幅方向ZBの一方側から覆い、他方の側方カバー部42bがブラケット43の化粧材支持部43bを幅方向ZBの他方側から覆う。そして、ビス45が化粧材42の一方側の挿入孔42cに挿入されて芯材11Xの幅方向ZBの一方側の側面に設けられた取付孔11cにねじ込まれ、且つビス45が化粧材42の他方側の挿入孔42cに挿入されてブラケット43の化粧材支持部43bの取付孔43cにねじ込まれる。これにより、化粧材42がブラケット43に取り付けられる。なお、取付孔11c,43cは、ビス45と螺合するためのねじ孔である。
背面11b側に配置される化粧材42は、一対の側方カバー部42bがブラケット43の化粧材支持部43bを幅方向ZBから覆う。そして、ビス45が化粧材42の挿入孔42cに挿入されてブラケット43の化粧材支持部43bの取付孔43cにねじ込まれることにより、化粧材42がブラケット43に取り付けられる。なお、取付孔11c,43cをビス45が挿入される挿入孔とし、取付部材としてねじ及びナット(図示略)により化粧材42をブラケット43又は中方立11に固定する構造としてもよい。またその他の取付部材として、釘(図示略)、粘着テープ、又は接着剤により化粧材42をブラケット43又は芯材11Xに固定する構造としてもよい。
また、第1遮熱構造TB1には、火災発生時に化粧材42の熱変形に伴い、中方立11の芯材11Xに対する化粧材42の変位を許容するように化粧材42を芯材11Xに取り付ける取付手段が設けられている。この取付手段は、化粧材42が化粧材42の長手方向(高さ方向ZA)へ変位するのを抑制しつつ、化粧材42が化粧材42の長手方向に直交する方向(前後方向ZC)へ変位するのは許容するように設けられている。具体的には、取付手段は、芯材11Xの上端部、中央部及び下端部において、化粧材42がビス45(取付部材)によりブラケット43を介して取り付けられている、又は化粧材42がビス45により芯材11Xに直接的に取り付けられている構造である。すなわち、ビス45及びブラケット43により化粧材42と芯材11Xとが固定されている。
なお、第2遮熱構造TB2〜第7遮熱構造TB7、及び第9遮熱構造TB9にも上記取付部の一例であるブラケット43と化粧材42との取付構造が設けられている。高さ方向ZAに延びる戸尻側縦框22の芯材22X、縦部材26の芯材26X及び戸先側縦框21の芯材21Xでは、第1遮熱構造TB1と同様に複数のブラケット43が高さ方向ZAにおいて間隔を置いて配置されている。一方、幅方向ZBに延びる横部材27の芯材27Xにおいては、同様に複数のブラケット43が間隔を置いて配置されている。図7及び図9(a)に示されるように、上框23の芯材23Xの背面側、下框24の芯材24Xの背面側、及び巾木12の芯材12Xの背面側にそれぞれ配置されるブラケット43は、耐熱ガラス25,13を保持するガラス溝を構成する部材となっているため、幅方向ZBに延びる通し部材で形成されている。この場合、化粧材42の一端部がスペーサ14(図10参照)を介してビス45で取り付けられている。
本実施形態の作用について説明する。以下では、図10に示される第1遮熱構造TB1と、図11に示される比較例の第1遮熱構造(以下、「比較遮熱構造TBC」)との比較に基づいて説明する。
図11に示されるように、比較遮熱構造TBCは、中方立11の芯材11Xの正面11a側に1枚のブラケット43Xが取り付けられ、ブラケット43X及び芯材11Xに対して多数のビス45により化粧材42が取り付けられる構成である。また比較遮熱構造TBCは、中方立11の芯材11Xの背面11b側に1枚のブラケット43Xが取り付けられ、ブラケット43Xに多数のビス45により化粧材42が取り付けられる構成である。このように比較遮熱構造TBCのブラケット43Xは、高さ方向ZAにおいて芯材11Xと同じ長さを有する芯材取付部43aと、芯材取付部43aの幅方向ZBの両側から前後方向ZCに延びる化粧材支持部43bとを備える。化粧材支持部43bの取付孔43cは、高さ方向ZAにおいて間隔を置いて多数(10個)設けられている。
比較遮熱構造TBCにおいて、例えば中方立11の芯材11Xの正面11a側で火災が発生したとき、正面11a側の化粧材42が加熱される。一方、背面11b側の化粧材42は、比較遮熱構造TBCにより温度上昇せず、概ね常温の状態となる。したがって、正面11a側の化粧材42は熱変形し、背面11b側の化粧材42は熱変形しない。
そして、正面11a側の化粧材42の熱変形に対して各ビス45がその熱変形を阻害するため、各ビス45には化粧材42の熱変形に伴い発生する力が作用する。このため、正面11a側の各ブラケット43Xには、ビス45を介して上方又は下方に引っ張る力が加えられる。ブラケット43Xに加えられた力は、芯材取付部43aを介して芯材11Xの正面11aに作用する。その結果、芯材11Xは、正面11a側の化粧材42と共に正面11aが凸となる湾曲状に変形する。これにより、芯材11Xと耐熱ガラス13との間や芯材11Xと戸尻側縦框22の芯材22X(図3参照)等との間に隙間が形成され、正面側空間と背面側空間とが連通する虞がある。なお、中方立11の芯材11Xの背面11b側で火災が発生したときも同様に、背面11b側の化粧材42の熱変形による力が背面11b側の多数のビス45及びブラケット43Xを介して芯材11Xの背面11bに作用する。これにより、背面側の化粧材42と共に芯材11Xの背面11bが凸となる湾曲状に変形するため、芯材11Xと耐熱ガラス13や芯材11Xと戸尻側縦框22の芯材22X等との間に隙間が形成され、正面側空間と背面側空間とが連通する虞がある。
その点、図10に示されるように、本実施形態では、取付手段として、高さ方向ZAにおいて中方立11の芯材11Xの上端部、中央部及び下端部のそれぞれにブラケット43が取り付けられ、そのブラケット43にビス45により化粧材42が取り付けられる。すなわち、化粧材42とブラケット43との取付箇所が比較遮熱構造TBCよりも少ない。このため、例えば正面11a側の化粧材42が加熱されることに伴い、化粧材42における高さ方向ZAに隣り合うビス45の間の部分がビス45を支点として化粧材42の面の法線方向である前後方向ZC(化粧材42の長手方向に直交する方向)に芯材11Xから離れるように変形する。したがって、各ビス45によって正面11a側の化粧材42の熱変形が阻害される部分が比較遮熱構造TBCの構成や従来技術に開示されているような構成(縦枠の芯材である取付枠体の高さ方向のほぼ全長にわたって取り付けられた板材の取付板に耐火板がビスにより固定され、その耐火板を取付板とは反対側から覆う化粧材がビスにより取付板に固定された構成)よりも限定される。これにより、各ビス45やブラケット43を介して化粧材42の熱変形に伴う大きな力が中方立11の芯材11Xに作用することが抑制される。したがって、正面11a側の化粧材42の熱変形によって芯材11Xが湾曲状に変形することが抑制される。なお、背面11b側の化粧材42が加熱された場合でも同様に、背面11b側のブラケット43を介して芯材11Xが変形することが抑制される。
本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)中方立11の芯材11Xの上端部、中央部及び下端部に取り付けられたブラケット43に化粧材42がビス45により取り付けられることにより、化粧材42が化粧材42の長手方向への変位を抑制しつつ、化粧材42が化粧材42の長手方向に直交する方向への変位を許容するように構成されている。これにより、化粧材42の熱変形に伴う大きな力(比較遮熱構造TBCの構成や従来技術に開示されているような構成との比較において)が中方立11の芯材11Xに作用することが抑制される。したがって、芯材11Xの変形を抑制することができ、防火戸1の正面側空間及び背面側空間が連通することを抑制することができる。その結果、化粧材42が熱変形しても防火区画外に火炎等が漏れるような隙間が防火戸1の一部に形成されることを抑制することができる。なお、第2遮熱構造TB2〜第7遮熱構造TB7が設けられた戸先側縦框21、戸尻側縦框22、上框23、下框24、縦部材26及び横部材27についても同様の効果が得られる。
(2)化粧材42が芯材11Xよりも強度が弱いブラケット43に取り付けられることにより、化粧材42の熱変形に伴いブラケット43の化粧材支持部43bが高さ方向ZAに変形する。このため、化粧材42の熱変形による力が芯材11Xに作用することを更に抑制することができる。
(3)第1遮熱構造TB1〜第7遮熱構造TB7において、化粧材42は、ビス45により幅方向ZB又は高さ方向ZAからブラケット43に取り付けられている。これにより、防火戸1の正面視又は背面視においてビス45が見えなくなるため、防火戸1の美観が向上する。
(変形例)
上記実施形態に関する説明は、本発明に従う防火戸が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う防火戸は、例えば以下に示される実施形態の変形例及び相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。なお、以下の変形例の説明において、防火戸1を構成する中方立11、戸先側縦框21、戸尻側縦框22等の芯材を「芯材50」として説明する。また、以下の変形例の説明において、取付手段とは、火災発生時において、化粧材42が熱変形しても、芯材50に対する化粧材42の変位を許容する(阻害しない)ように化粧材42を芯材50に取り付ける手段である。
(変形例1)
上記実施形態において、取付手段として、ブラケット43及びビス45からなり、化粧材42を芯材50に取り付けるための化粧材取付部との固定力を弱める構造であり、化粧材42の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向の変位を許容するように構成されている。これを実現するための構造としてブラケット43に対して化粧材42が高さ方向ZAに変位可能な構造を設けてもよい。この場合、化粧材42の高さ方向ZAにおいて防火戸1の他の構成要素との間に、化粧材42の熱変形が許容される隙間が形成される。
例えば、図12(a)に示されるように、化粧材42の側方カバー部42bに形成される挿入孔42cが前後方向ZCに対して高さ方向ZAが長手方向となる長孔であってもよい。図12(a)では、ブラケット43の化粧材支持部43bの取付孔43cが挿入孔42cの高さ方向ZAの上部に位置している。図12(b)に示されるように、火災発生時において化粧材42が加熱されたとき、化粧材42の上方への熱変形が発生してもビス45及びブラケット43に対して化粧材42が上方に変位するのみであるため、化粧材42の熱変形による力がブラケット43に作用することが抑制される。その結果、ブラケット43を介して芯材50に化粧材42の熱変形による力が作用することが抑制される。このように、化粧材42の熱変形に起因して芯材50に作用する力を逃がすことにより、芯材50の変形を抑制することができる。
また例えば、図13に示されるように、ブラケット43の化粧材支持部43bに形成された取付孔43cが前後方向ZCに対して高さ方向ZAが長手方向となる長孔であってもよい。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されたとき、化粧材42の上方への熱変形が発生しても化粧材42はビス45と共にブラケット43に対して上方に変位することにより、化粧材42の熱変形による力がブラケット43を介して芯材50に作用することが抑制される。このように、化粧材42の熱変形に起因して芯材50に作用する力を逃がすことにより、芯材50の変形を抑制することができる。なお、ビス45はタッピングビスである。
(変形例2)
上記実施形態において、取付手段として、ブラケット43を用いることなく、芯材50に化粧材42が直接的に取り付けられる構成であって、芯材50及びビス45からなり、化粧材42を芯材50に取り付けるための化粧材取付部の固定力を弱める構造であってもよい。変形例2では、化粧材42の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向の変位を許容するように構成されている。これを実現するための構造として芯材50に対して化粧材42が高さ方向ZAに変位可能な構成を設けてもよい。この場合、化粧材42の高さ方向ZAにおいて防火戸1の他の構成要素(図示略)に、化粧材42の一部が収容可能なように収容部(図示略)が設けられている。
さて、例えば、図14に示されるように、芯材50の幅方向ZBの側面に形成された取付孔51が前後方向ZCに対して高さ方向ZAが長手方向となる長孔であってもよい。この場合、芯材50の内側には取付孔51を覆うカバー52が接着、溶接等により取り付けられる。カバー52は、例えばステンレス鋼により形成されている。
この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されたとき、化粧材42の上方への熱変形が発生しても化粧材42はビス45と共に芯材50に対して上方に変位することにより、化粧材42の熱変形による力が芯材50に作用することが抑制される。このように、化粧材42の熱変形に起因して芯材50に作用する力を逃がすことにより、芯材50の変形を抑制することができる。また、カバー52により取付孔51を覆うことにより、化粧材42と芯材50との隙間から取付孔51を介して芯材50の内部に熱風が進入することが抑制される。また、カバー52により取付孔51を覆うことにより、化粧材42と芯材50との隙間から取付孔51を介して芯材50の内部に火炎や熱風の侵入が抑制される。
なお、カバー52に代えて、ビス45が挿入可能な挿入孔が形成され、芯材50の取付孔51を幅方向ZBから覆うシート部材を芯材50の裏側から取り付けてもよい。この場合、シート部材は、ビス45に結合可能なナットにより芯材50との間で挟みこまれる。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されたとき、化粧材42の上方への熱変形が発生したとき、化粧材42と共にビス45、ナット及びシート部材が上方に移動する。このとき、シート部材は、上方に移動しても取付孔51をカバー可能な大きさに設定されることが好ましい。
(変形例3)
上記実施形態において、取付手段として、ブラケット43及びビス45からなり、化粧材42を芯材50に取り付けるための化粧材取付部の固定力を弱める構造であり、化粧材42の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向の変位を許容するように構成されている。これを実現するための構造として芯材50に対してブラケット43が化粧材42と一体に高さ方向ZAに変位可能な構成を設けてもよい。この場合、化粧材42の高さ方向ZAにおいて防火戸1の他の構成要素との間に、化粧材42の熱変形が許容される隙間が形成される。
例えば、図15(a)に示されるように、ブラケット43がビス45Aにより芯材50に取り付けられる構成において、芯材取付部43aに形成された一対の挿入孔43dが幅方向ZBに対して高さ方向ZAが長手方向となる長孔であってもよい。芯材50に形成された一対の取付孔53がブラケット43の一対の挿入孔43dの上端部に位置するようにブラケット43が配置される。ビス45Aが挿入孔43dに挿入されて取付孔53にねじ込まれることにより、ブラケット43が芯材50に取り付けられる。なお、取付孔53は、ビス45Aが螺合するためのねじ孔である。
図15(b)に示されるように、火災発生時において化粧材42が加熱されたとき、化粧材42の上方への熱変形が発生しても化粧材42はブラケット43と共に芯材50及びビス45Aに対して上方に変位することにより、化粧材42の熱変形による力が芯材50に作用することが抑制される。このように、化粧材42の熱変形に起因して芯材50に作用する力を逃がすことにより、芯材50の変形を抑制することができる。
(変形例4)
上記変形例1において、図16(a)に示されるように、化粧材42の長孔の挿入孔42cに代えて、円形の挿入孔42cの上方及び下方に延びるスリット42dが挿入孔42cと連通して形成されてもよい。スリット42dの短径は、ビス45のねじ部45aの外径よりも小さい。図16(b)に示されるように、火災発生時において化粧材42が加熱されて化粧材42の上方への熱変形が発生したとき、ビス45に対して化粧材42が上方に変位する。このとき、ビス45は下方のスリット42dを広げる。これにより、化粧材42が芯材50に対して上方に移動するため、ビス45を介して芯材50(図12参照)に作用する化粧材42の熱変形による力が小さくなる。したがって、芯材50の変形を抑制することができる。加えて、通常時においてスリット42dがビス45の高さ方向ZAへの移動を制限するため、通常時において化粧材42の長手方向(高さ方向ZA)において化粧材42が芯材50に対して移動することが抑制される。なお、上記変形例2の芯材50の取付孔51及び上記変形例3のブラケット43の挿入孔43dについても同様に変更してもよい。この例についても、化粧材42の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向の変位を許容するものである。
(変形例5)
上記実施形態において、取付手段として、ビス45によって化粧材42をブラケット43に取り付ける構成に代えて、化粧材42の高さ方向ZAの熱応力の発生を抑制するように、ブラケット43に対して化粧材42が高さ方向ZAに変位可能に取り付けられる構成を設けてもよい。この場合、化粧材42の高さ方向ZAにおいて防火戸1の他の構成要素との間に、化粧材42の熱変形が許容される隙間が形成される。この例についても、化粧材42の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向の変位を許容するものである。
例えば、図17に示されるように、化粧材42における側方カバー部42bの上端部には、前後方向ZCから見てL字状の支持部材46が接着、溶接等により取り付けられている。支持部材46及び側方カバー部42bによりブラケット43の化粧材支持部43bを前後方向ZCにおいて挿入可能な挿入部47が構成される。化粧材支持部43bが挿入部47に挿入されることにより、化粧材42がブラケット43により支持される。
この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されて化粧材42が上方に伸びるとき、化粧材42はブラケット43によりその伸びを拘束されていない、つまり化粧材42の高さ方向ZAの熱応力の発生が抑制される。これにより、化粧材42の上端部がブラケット43に対して上方に変位する。このため、化粧材42の熱変形による力がブラケット43に作用しないため、化粧材42の熱変形による力が芯材50に作用しない。したがって、芯材50の変形を抑制することができる。
(変形例6)
上記実施形態において、取付手段として、スポット溶接によってブラケット43を芯材50に取り付ける構成に代えて、化粧材42の高さ方向ZAの熱応力の発生を抑制するように、芯材50に対してブラケット43が化粧材42と一体に高さ方向ZAに変位可能に取り付けられる構成を設けてもよい。この場合、化粧材42の高さ方向ZAにおいて防火戸1の他の構成要素との間に、化粧材42の熱変形が許容される隙間が形成される。この例についても、化粧材42の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向の変位を許容するものである。
例えば、図18に示されるように、ブラケット43の芯材取付部43aには、幅方向ZBから見てL字状の一対の支持部材48が接着、溶接等により取り付けられる。ブラケット43は、芯材50の上端部に支持部材48が上方から下方に差し込むように芯材50に取り付けられる。なお、支持部材48の数は任意に設定可能であり、3個以上であっても1個であってもよい。
この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されて化粧材42が上方に伸びるとき、化粧材42はブラケット43によりその伸びが拘束されていない、つまり化粧材42の高さ方向ZAの熱応力の発生が抑制される。これにより、化粧材42の上端部がブラケット43と共に芯材50に対して上方に変位するため、化粧材42の熱変形による力が芯材50に作用しない。したがって、芯材50の変形を抑制することができる。
(変形例7)
上記実施形態において、取付手段として、ブラケット43の一部が高さ方向ZAにおいて芯材50に対して変位可能な構成としてもよい。図19では、ブラケット43の化粧材支持部43bが高さ方向ZAにおいて芯材50に対して変位可能であり、図20では、ブラケット43の芯材取付部43aが高さ方向ZAにおいて芯材50に対して変位可能である。この場合、化粧材42(図19及び図20では不図示、図13参照)の高さ方向ZAにおいて防火戸1の他の構成要素(図示略)に、化粧材42の一部が収容可能なように収容部(図示略)が設けられている。この例についても、化粧材42の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向の変位を許容するものである。
例えば、ブラケット43の化粧材支持部43bにおいて取付孔43cが形成された部分が上方に変形しやすくなるような脆弱部を設けてもよい。その一例として、図19(a)に示されるように、化粧材支持部43bには、脆弱部として上方に向けて開口した切欠部43eが形成される。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されて化粧材42の上方への熱変形の力がブラケット43の化粧材支持部43bに伝えられたとき、切欠部43eのうちの芯材取付部43a側の端部を支点として、化粧材支持部43bが上方に変形する。これにより、化粧材42の熱変形による力が芯材50(図13参照)に作用することが抑制されるため、芯材50の変形を抑制することができる。
なお、図19(a)に示される構成以外にも、上方及び下方のそれぞれに切欠部を設けることにより高さ方向ZAの中央部に脆弱部が設けられてもよい。またこの脆弱部の厚さが化粧材支持部43bの他の部分の厚さよりも薄くてもよい。また例えば脆弱部が樹脂等のステンレス鋼よりも変形しやすい材料により形成されてもよい。
また例えば、図19(b)及び(c)に示されるように、化粧材支持部43bに対して変位可能な変位部材49が化粧材支持部43bに取り付けられる。変位部材49には、ビス45(図13参照)により化粧材42を取り付けるための化粧材取付孔49aが形成される。図19(b)に示されるように、変位部材49は、ビス45Bにより化粧材支持部43bに取り付けられる。変位部材49に上方への力が作用したとき、ビス45Bを中心として化粧材支持部43bに対して上方に向けて回転可能である。図19(c)に示されるように、変位部材49においてビス45Bが取り付けられるビス取付孔49bが前後方向ZCに対して高さ方向ZAが長手方向となる長孔である。このため、変位部材49に上方への力が作用したとき、ビス45B及び化粧材支持部43bに対して変位部材49が上方に変位可能である。これらの構成によっても図19(a)に示すブラケット43の構成と同様の効果が得られる。
また例えば、ブラケット43の芯材取付部43aにおいて化粧材支持部43bが上方に変形しやすくなるような脆弱部を設けてもよい。その一例として、図20(a)に示されるように、芯材取付部43aには、脆弱部として上方に向けて開口した一対の切欠部43fが形成される。この構成によれば、火災発生時において化粧材42(図13参照)が加熱されて化粧材42の上方への熱変形による力が化粧材支持部43bに作用したとき、切欠部43fのうちの幅方向ZBの中央部を支点として、芯材取付部43aが化粧材支持部43bと共に上方に変形する。これにより、化粧材42の熱変形による力が芯材50に作用することが抑制されるため、芯材50の変形を抑制することができる。なお、芯材取付部43aには、脆弱部として切欠部43fに代えて下方に向けて開口した一対の切欠部が形成されてもよい。また、切欠部として上方及び下方に向けて開口した形状であってもよい。
また例えば、図20(b)に示されるように、芯材取付部43aを2分割し、その幅方向ZBの中央部を前後方向ZCに重ねた状態でビス45Aにより芯材50に取り付けられる。この構成によれば、火災発生時において化粧材42(図20では不図示)が加熱されて化粧材42の上方への熱変形による力が化粧材支持部43bに作用したとき、ビス45Aを中心として、2つの芯材取付部43aが化粧材支持部43bと共に上方に回転する。これにより、化粧材42の熱変形による力が芯材50に作用することが抑制されるため、芯材50の変形を抑制することができる。
(変形例8)
上記実施形態において、取付手段として、化粧材42の高さ方向ZAの熱応力の発生を抑制するように、化粧材42の上端部及び下端部の少なくとも一方のブラケット43又は芯材50への取付構造を省略した構成であってもよい。この場合、化粧材42の高さ方向ZAにおいて防火戸1の他の構成要素(図示略)に、化粧材42の一部が収容可能なように収容部(図示略)が設けられている。この例についても、化粧材42の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向の変位を許容するものである。
例えば、図21(a)に示されるように、化粧材42がブラケット43に取り付けられる構成において、上端部のブラケット43及びそのブラケット43に取り付けられるビス45と下端部のブラケット43及びそのブラケット43に取り付けられるビス45が省略される。この場合、化粧材42における上端部の挿入孔42c及び下端部の挿入孔42c(図10参照)を省略してもよい。この構成によれば、通常時においてはビス45により化粧材42が中央部のブラケット43に取り付けられることにより、化粧材42が芯材50から脱落することが抑制される。また火災発生時において化粧材42が加熱されて化粧材42が高さ方向ZAに伸びても、その伸びを化粧材42の上端部及び下端部において芯材50に対して拘束していない、つまり化粧材42の高さ方向ZAの熱応力の発生が抑制されるため、化粧材42の熱変形による力が芯材50に作用することが抑制される。したがって、芯材50の変形を抑制することができる。
また図21(b)に示されるように、化粧材42が芯材50に直接的に取り付けられる構成において、ビス45による化粧材42の上端部と芯材50との取り付け及び化粧材42の上端部と芯材50との取り付けが省略される。この構成によれば、図21(a)の構成と同様の効果が得られる。
(変形例9)
上記実施形態において、取付手段として、化粧材42を高さ方向ZAにおいて2分割した分割化粧材42Aを備える構造であって、化粧材42の高さ方向ZAにおいて隣り合う分割化粧材42A相互間の高さ方向ZAの熱変形を許容し得る構造であってもよい。この例についても、化粧材42の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向の変位を許容するものである。
例えば、図22(a)に示されるように、化粧材42は、高さ方向ZAの中央部において分割された2つの分割化粧材42Aからなる。上方の分割化粧材42Aは芯材50の上端部に取り付けられたブラケット43のみにビス45により取り付けられ、下方の分割化粧材42Aは芯材50の下端部に取り付けられたブラケット43のみにビス45により取り付けられる。
また例えば、図22(b)に示されるように、上方の分割化粧材42Aは芯材50の上端部のみにビス45により取り付けられ、下方の分割化粧材42Aは芯材50の下端部のみにビス45により取り付けられる。
これらの構成によれば、火災発生時において各分割化粧材42Aが加熱されて熱変形するとき、上方の分割化粧材42Aは端部の斜面に沿って下方に伸び、下方の分割化粧材42Aは端部の斜面に沿って斜め上方向に伸びても、その伸びを分割化粧材42Aにおいてブラケット43又は芯材50に対して拘束していない、つまり分割化粧材42Aの高さ方向ZAの熱応力の発生が抑制される。これにより、分割化粧材42Aの熱変形による力が芯材50に作用することが抑制されるため、芯材50の変形を抑制することができる。なお、化粧材42の分割位置は、図22(a)及び(b)に示されるような高さ方向ZAの中央部に限られず、中央部よりも下方であってもよい。また、化粧材42の高さ方向ZAにおいて隣り合う分割化粧材42A相互間の高さ方向ZAの熱変形を許容し得る構造として、一方の分割化粧材42Aの端部が他方の分割化粧材42Aの端部に挿入される構造であってもよい。更に分割端面は斜めではなく、水平であってもよい。
(変形例10)
上記実施形態において、取付手段として、ブラケット43を2個にした構造や複数のブラケット43の高さ方向ZAの配置位置を変更した構造であってもよい。この例については、化粧材42の長手方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向に直交する方向の変位を許容するものである。
例えば、図23(a)に示されるように、芯材50の上端部及び下端部のそれぞれにブラケット43が取り付けられる。すなわち芯材50の中央部のブラケット43が省略される。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されて化粧材42が熱変形するとき、化粧材42の高さ方向ZAの中央部が化粧材42の面の法線方向である前後方向ZCにおいて芯材50から離れる方向に変形しやすくなる。したがって、化粧材42の熱変形による力が芯材50に作用する力が小さくなるため、芯材50の変形を抑制することができる。
また例えば、図23(b)に示されるように、芯材50の高さ方向ZAの中央部及び下端部のそれぞれにブラケット43が取り付けられる。すなわち芯材50の上端部のブラケット43が省略される。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されて化粧材42が熱変形するとき、化粧材42が上方に変位してもブラケット43を介して芯材50に化粧材42の熱変形による力が作用することが抑制される。したがって、芯材50の変形を抑制することができる。
また例えば、図23(c)に示されるように、芯材50の上端部のブラケット43と高さ方向ZAの中央部のブラケット43との配置ピッチPtが中央部のブラケット43と下端部のブラケット43との配置ピッチPtよりも大きくなるようにしてもよい。なお、配置ピッチPtは、高さ方向ZAにおいて隣り合うブラケット43(ビス45)間の距離である。
この構成によれば、加熱されやすい化粧材42の上部が加熱されにくい化粧材42の下部よりも前後方向ZCにおいて芯材50から離れる方向に変形しやすくなる。したがって、化粧材42の熱変形による力が大きい化粧材42の上部では、化粧材42の熱変形による力がブラケット43を介して芯材50に作用することが抑制されるため、火災が発生していないときの化粧材42の取り付け強度が均等に配置される場合と同じとしながら、芯材50の変形をより抑制することができる。
また例えば、図24に示されるように、ブラケット43の配置ピッチPtが芯材50の下方から上方に向かうにつれて大きくなるようにブラケット43を配置してもよい。この構成によれば、火災が発生していないときの化粧材42の取り付け強度を高めつつ、芯材50の変形を抑制することができる。
なお、ビス45により芯材50と化粧材42とを取り付ける構造についても、図23及び図24に示される化粧材42の取付手段を適用することができる。
(変形例11)
上記実施形態において、取付手段として、化粧材42の高さ方向ZAの中央部がその面の法線方向である前後方向ZCにおいて芯材50から離れる方向への熱変形を許容し得る構造を設けてもよい。この例については、化粧材42の長手方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向に直交する方向の変位を許容するものである。
例えば、図25に示されるように、化粧材42の高さ方向ZAの中央部に形成された挿入孔42cが高さ方向ZAに対して前後方向ZCが長手方向となる長孔である。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されて熱変形するとき、化粧材42は上端部及び下端部を支点として高さ方向ZAの中央部が芯材50から離れるように変形する。これにより、化粧材42の熱変形による力がブラケット43を介して芯材50に作用することが抑制されるため、芯材50の変形を抑制することができる。
また例えば、図26に示されるように、芯材50の高さ方向ZAの中央部に取り付けられたブラケット43の化粧材支持部43bの取付孔43cが高さ方向ZAに対して前後方向ZCが長手方向となる長孔である。この構成によれば、図25に示される構成と同様の効果を得ることができる。
また例えば、図27に示されるように、芯材50の高さ方向ZAの中央部に取り付けられたブラケット43の化粧材支持部43bに対して前後方向ZCに変位可能な変位部材49が化粧材支持部43bに取り付けられる。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されて化粧材42が熱変形するとき、変位部材49が化粧材支持部43bに対して前後方向ZCにおいて芯材50から離れる方向に移動することに伴い、化粧材42の高さ方向ZAの中央部が前後方向ZCにおいて芯材50から離れる方向に変位する。これにより、化粧材42の熱変形による力がブラケット43を介して芯材50に作用することが抑制されるため、芯材50の変形を抑制することができる。
(変形例12)
上記実施形態において、ブラケット43から芯材取付部43aを省略した構成であってもよい。この例については、化粧材42の長手方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向に直交する方向の変位を許容するものである。
例えば、図28に示されるように、芯材50の前後方向ZCの正面に化粧材支持部43bが直接的に取り付けられる。芯材50と化粧材支持部43bとは例えばスポット溶接により固定される。化粧材支持部43bは、芯材50の上端部、中央部及び下端部に取り付けられる。なお、図示をしていないが、芯材50の前後方向ZCの背面にも同様に化粧材支持部43bが取り付けられてもよい。また、芯材50の幅方向ZBの両側面に化粧材支持部43bが取り付けられてもよい。この場合、化粧材支持部43bは、芯材50から前後方向ZCに突出する。
(変形例13)
上記実施形態において、図29に示されるように、芯材50の高さ方向ZAの長さと概ね同じ長さのブラケット43Yが芯材50に取り付けられる構成であってもよい。ブラケット43Yの芯材取付部43aの上端部、中央部、及び下端部には、ブラケット43Yを部分的に切り欠くことによって化粧材支持部43bが設けられる。この例については、化粧材42の長手方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向に直交する方向の変位を許容するものである。
(変形例14)
上記実施形態において、取付手段として、火災発生時において温度上昇に伴い、化粧材42を芯材50に取り付けるための化粧材取付部の固定力が低下する構造として、以下の(A)〜(F)の構造を設けてもよい。この例については、化粧材42の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、化粧材42の長手方向の変位を許容するものである。
(A)取付手段として、例えば化粧材42の上端部及び下端部の少なくとも一方をブラケット43に固定するビス45として火災時に溶融可能な樹脂製のビスを用い、化粧材42の中央部をブラケット43に固定するビス45として金属製のビスを用いる構成である。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されたとき、ビス45に伝熱することにより火災時に溶融可能な樹脂製のビス45が溶融する。これにより、化粧材42がブラケット43に対して相対的に変位可能となる。このため、化粧材42の熱変形による力がブラケット43を介して芯材50に伝わることが抑制されるため、芯材50の変形を抑制することができる。
また例えば化粧材42の上端部及び下端部の少なくとも一方をブラケット43に固定するビス45として金属製のビスを用い、化粧材42の中央部をブラケット43に固定するビス45として火災時に溶融可能な樹脂製のビスを用いる。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されたとき、化粧材42の中央部をブラケット43に固定する樹脂製のビス45が溶融し、化粧材42の熱変形により化粧材42の中央部が前後方向ZCにおいて芯材50から離れる方向に変位する。このため、化粧材42の熱変形による力がブラケット43を介して芯材50に伝わることが抑制されるため、芯材50の変形を抑制することができる。
また例えば図11に示される比較遮熱構造TBCにおいて、上端部のブラケット43、中央部のブラケット43及び下端部のブラケット43に化粧材42を取り付けるビス45のみを金属製のビスを用い、それ以外のビス45を火災時に溶融可能な樹脂製のビスを用いる。この構成によれば、上記実施形態と同様に中方立11の変形を抑制することができる。
なお、図11に示される比較遮熱構造TBCにおいて、金属製のビスは、上端部のブラケット43及び下端部のブラケット43に取り付けられるビス45のみであってもよいし、中央部のブラケット43及び下端部のブラケット43に取り付けられるビス45のみであってもよい。また中央部のブラケット43に取り付けられるビス45のみが金属製のビスであってもよい。
(B)取付手段として、例えば芯材50の上端部及び下端部の少なくとも一方に配置されるブラケット43を火災時に溶融可能なろうを用いたろう付けにより芯材50に取り付け、高さ方向ZAの中央部に配置されるブラケット43を溶接により芯材50に取り付ける。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されたとき、ブラケット43を介してろうが加熱されることによりろうが溶融する。これにより、ブラケット43が芯材50に対して相対的に変位可能となる。このため、化粧材42の熱変形による力がブラケット43を介して芯材50に作用することが抑制されるため、芯材50の変形を抑制することができる。なお、上記(A)の樹脂製のビス45と同様に、ろう付けするブラケット43と溶接するブラケット43とを設定してもよい。
(C)取付手段として、例えば芯材50の上端部及び下端部の少なくとも一方に配置されるブラケット43に化粧材42を火災時に溶融可能なろうを用いたろう付けにより取り付け、高さ方向ZAの中央部に配置されるブラケット43に化粧材42を溶接により取り付ける。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されたとき、ろうが溶融することにより、化粧材42の上端部及び下端部の少なくとも一方がブラケット43に対して相対的に変位可能となる。このため、化粧材42の熱変形による力がブラケット43を介して芯材50に作用することが抑制されるため、芯材50の変形を抑制することができる。なお、上記(A)の樹脂製のビス45と同様に、ろう付けするブラケット43と溶接するブラケット43とを設定してもよい。
(D)取付手段として、例えば芯材50の上端部及び下端部の少なくとも一方に配置されるブラケット43を熱可塑性接着剤により取り付け、高さ方向ZAの中央部に配置されるブラケット43を熱硬化性接着剤(エポキシ系接着剤)により取り付ける。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されたとき、ブラケット43を介して熱可塑性接着剤が加熱されることにより溶融するため、ブラケット43が芯材50に対して相対的に変位可能となる。これにより、上記(B)と同様の効果が得られる。
(E)取付手段として、例えば芯材50の上端部及び下端部の少なくとも一方に配置されるブラケット43に化粧材42を熱可塑性接着剤により取り付け、芯材50の中央部に配置されるブラケット43に化粧材42を熱硬化性接着剤(エポキシ系接着剤)により取り付ける。この構成によれば、火災発生時において化粧材42が加熱されたとき、熱可塑性接着剤が溶融することにより、化粧材42の上端部及び下端部の少なくとも一方がブラケット43に対して相対的に変位可能となる。これにより、上記(B)と同様の効果が得られる。なお、接着剤は熱可塑性接着剤及び熱硬化性接着剤に限られず、溶融温度が高い接着剤及び溶融温度が低い接着剤を選択することにより、上記(D)の構成を取ることもできる。なお、接着剤は熱可塑性接着剤及び熱硬化性接着剤に限られず、溶融温度が高い接着剤及び溶融温度が低い接着剤を選択することにより、上記(D)及び上記(E)の構成を取ることもできる。
(F)例えば芯材50の上端部又は下端部のブラケット43を樹脂などの低融点の材料により構成する。この構成によれば、化粧材42が加熱され、その熱がブラケット43に伝わったとき、ブラケット43が溶融することにより、化粧材42の上端部又は下端部において芯材50に取り付けられなくなる。したがって、化粧材42の熱変形による力が芯材50の上端部又は下端部に作用しなくなるため、芯材50の変形を抑制することができる。なお、上記(A)〜(F)の構成を組み合わせて用いることもできる。
(変形例15)
上記変形例1〜14において、芯材50の取付孔51,53をねじ孔に代えてビス45(タッピングビス)が挿入される挿入孔としてもよく、ブラケット43の取付孔43cをねじ孔に代えてビス45(タッピングビス)が挿入される挿入孔としてもよい。一方、取付部材としてボルト及びナット(図示略)により、化粧材42をブラケット43又は芯材50に取り付けるようにしてもよい。この場合、取付孔51,53や取付孔43cは挿入孔となる。
(変形例16)
上記変形例1〜15において、図12〜図29に示されるように、芯材50は高さ方向ZAに延びる構成として示しているが、上框23や下框24等の幅方向ZBに延びる芯材に対しても上記変形例1〜15を適用することができる。
(変形例17)
第6遮熱構造TB6において、横部材27の背面側に配置された耐火板41の構成を図30(a)〜(c)に示すような耐火板41の構成に変更してもよい。
図30(a)に示されるように、耐火板41が上方に向かうにつれて前後方向ZCの厚さが厚くなるように構成されてもよい。
図30(b)に示されるように、背面側の耐火板41の上端部が前後方向ZCに突出するL字状に形成されてもよい。
図30(c)に示されるように、耐火板41が上方に向かうにつれて前後方向ZCの厚さが厚くなるように高さ方向ZAの長さの異なる複数の耐火板41を前後方向ZCに積層してもよい。
要するに、横部材27の背面側に配置される耐火板41は、横部材27の下方に比べ上方の耐火性能が向上するような構成であればよい。
(変形例18)
上記実施形態において、引戸20R,20Lから縦部材26、横部材27、丁番28及びドアクローザを省略してもよい。すなわち引戸20R,20Lは、全閉状態において回転することにより通行可能な状態にする開き戸構造を省略してもよい。
(変形例19)
上記実施形態では、防火設備を防火戸1として具体化したが、防火設備は防火戸に限られず、例えば防火窓であってもよい。
1…防火戸(防火設備)
11X…中方立の芯材
12X…巾木の芯材
21X…戸先側縦框の芯材
22X…戸尻側縦框の芯材
23X…上框の芯材
26X…縦部材の芯材
27X…横部材の芯材
24X…下框の芯材
42…化粧材
43…ブラケット(取付手段)
45…ビス(取付部材、取付手段)
50…芯材

Claims (7)

  1. 防火設備のフレームの構成部材である芯材と、
    前記芯材に取り付けられた化粧材と、
    前記化粧材を前記芯材に取り付ける取付手段とを備え、
    前記取付手段は、前記化粧材が熱変形するときに、前記芯材に対する前記化粧材の変位を許容する
    防火設備。
  2. 前記取付手段は、前記化粧材が前記化粧材の長手方向への変位を抑制しつつ、前記化粧材が前記化粧材の長手方向に直交する方向への変位を許容するように設けられている
    請求項1に記載の防火設備。
  3. 前記取付手段は、前記芯材の上部、中央部及び下部の3箇所から選択される複数箇所に設けられ、取付部材により前記化粧材と前記芯材とを固定する
    請求項1又は2に記載の防火設備。
  4. 前記取付手段は、前記化粧材を前記芯材に取り付けるブラケットを有し、
    前記ブラケットは、前記化粧材の熱変形に伴い、前記化粧材の長手方向に変形可能であり、前記取付部材は前記ブラケットにおいて前記化粧材と前記芯材とを固定している
    請求項3に記載の防火設備。
  5. 前記取付手段は、前記化粧材が前記化粧材の長手方向に直交する方向への変位を抑制しつつ、前記化粧材が前記化粧材の長手方向の変位を許容するように設けられている
    請求項1に記載の防火設備。
  6. 前記化粧材の長手方向において前記防火設備の他の構成要素に前記化粧材の収容部が形成されており、
    前記取付手段は、前記化粧材が熱変形したときに、前記化粧材が前記収容部に侵入可能な取付構造である
    請求項4に記載の防火設備。
  7. 前記取付手段は、前記化粧材を前記芯材に取り付けるブラケットを有し、
    前記ブラケットは、前記化粧材が熱変形したときに、前記ブラケットが前記化粧材の長手方向に移動可能な構造である
    請求項5又は6に記載の防火設備。
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