JP2017200320A - 線材の被膜除去方法 - Google Patents

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健治 小幡
祐介 立石
Yusuke Tateishi
祐介 立石
晋治 北角
Shinji Kitazumi
晋治 北角
孝志 永冶
Takashi Nagaya
孝志 永冶
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Abstract

【課題】線材の被膜除去に際しコストダウンと芯材の断面積の確保とを実現する。
【解決手段】本実施形態の線材の被膜除去方法では、第一被膜除去工程において、断面四角形状の芯材41の一対の第一側面に沿って一対の刃を移動させて一対の第一側面の表面部を削りながら、被膜材42のうち一対の第一側面を被覆する一対の第一被膜部を線材40から除去する。第二被膜除去工程では、一対の第二側面に沿って一対の刃を移動させて一対の第二側面の表面部を削りながら、被膜材42のうち一対の第二側面を被覆する一対の第二被膜部を線材40から除去する。第一被膜除去工程では、一対の刃と芯材41との摺接により線材40に凹部57が生じる。そこで、第一被膜除去工程と第二被膜除去工程との間で押圧工程を実施し、この押圧工程において、凹部57の深さが小さくなるように、第一被膜除去工程における刃抜け側である他方の第二側面52の側から線材40を押圧する。
【選択図】図6

Description

本発明は、断面四角形状の芯材と、この芯材を被覆する被膜材とを有する線材に適用される線材の被膜除去方法に関する。
従来、線材の被膜除去方法としては、例えば、次のようなものがある。すなわち、特許文献1には、平角巻線の被膜を除去する方法が開示されている。この特許文献1に記載の方法では、先ず、巻線における一対の長辺面(主面二面)の被膜を刃により除去し、次いで、巻線における一対の短辺面(側面二面)の被膜を刃により除去する。そして、最後に、巻線における刃抜け側の一対のエッジ部を面取り型により面取りする。
特開2013−211939号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の方法では、面取り加工を含めた少なくとも六面の加工が必要である。また、実際には、被膜を残せば溶接不良等を生じる虞があるため、刃入り側の一対のエッジ部の面取り加工を含めた八面の加工が必要となる。このため、加工工数及び設備投資が増大し、コストアップとなる。
さらに、一対の長辺面の被膜を除去する際、刃が芯材と摺接することにより、線材の刃入り側の短辺面に凹部が発生する。ここで、被膜を残さないために、長辺面あるいは短辺面の除去厚さを小とする場合には、面取り深さを大とする必要性があり、逆に、面取り深さを小とする場合には、長辺面あるいは短辺面の除去厚さを大とする必要がある。
したがって、結局のところ被膜厚さを相当超えた除去になり、その結果、芯材の断面積が小となる。芯材の断面積が小となると、芯材の電気抵抗の増大や溶接強度の低下等の影響が生じる。被膜厚さ及び除去厚さは線径の大小にほとんど依存しないので、この影響は線径が小さいほど大きくなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、コストダウンと、芯材の断面積の確保とを実現できる線材の被膜除去方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の線材の被膜除去方法は、断面四角形状の芯材と、前記芯材を被覆する被膜材とを有する線材に対し、前記芯材の一対の第一側面に沿って一対の刃を移動させて前記一対の第一側面の表面部を削りながら、前記被膜材のうち前記一対の第一側面を被覆する一対の第一被膜部を前記線材から除去する第一被膜除去工程と、前記第一被膜除去工程で前記一対の第一側面の表面部が削られることに伴って前記芯材の一対の第二側面のうち一方の第二側面の側において前記線材に生じた凹部の深さが小さくなるように、前記一対の第二側面のうち他方の第二側面の側から前記線材を押圧する押圧工程と、前記一対の第二側面に沿って一対の刃を移動させて前記一対の第二側面の表面部を削りながら、前記被膜材のうち前記一対の第二側面を被覆する一対の第二被膜部を前記線材から除去する第二被膜除去工程と、を備える。
この線材の被膜除去方法では、芯材の一対の第一側面に沿って一対の刃を移動させて一対の第一側面の表面部を削りながら一対の第一被膜部を線材から除去する。ここで、一対の刃を移動させて一対の第一側面の表面部を削ると、一対の刃が芯材と摺接することにより、芯材に対して刃の移動方向への力が作用する。このため、刃入り側である一方の第二側面の側において線材に凹部が生じる。このように凹部が生じている状態において、その後の第二被膜除去工程で被膜を残さないようにするためには、除去厚さを大きくする必要があるが、除去厚さを大きくすると、芯材の削り量が増大し、芯材の断面積が小さくなる。
しかしながら、この線材の被膜除去方法によれば、第一被膜除去工程の後には、押圧工程を実施し、この押圧工程において、刃抜け側である他方の第二側面の側から線材を押圧して凹部を矯正し凹部の深さを小さくする。したがって、その後の第二被膜除去工程では、一対の第二側面の表面部を削りながら一対の第二被膜部を線材から除去する際に、除去厚さが小さくて済むので、芯材の削り量の増大を防いで、芯材の断面積の確保することができる。
また、第一被膜除去工程では、刃入り側である一方の第二側面の側に位置する一対のエッジ部にダレ(刃に引っ張られて被膜が垂れ下がった部分)が生じるが、その後の押圧工程では、刃抜け側である他方の第二側面の側から線材を押圧するので、このダレを小さくすることができる。この結果、一対のエッジ部の面取り加工が不要になるので、加工工数及び設備投資の増大を防いで、コストダウンすることができる。
なお、請求項2に記載のように、請求項1に記載の線材の被膜除去方法における前記押圧工程において、前記線材に押圧パンチの凸部を押し付けて前記線材を押圧しても良い。
このように、線材に押圧パンチの凸部を押し付けて線材を押圧すると、凹部と反対側から線材を局所的に押圧することができるので、凹部をより的確に矯正することができる。
また、請求項3に記載のように、請求項2に記載の線材の被膜除去方法において、前記押圧パンチとして、前記一対の第一被膜部が除去されることにより前記線材に形成された芯材露出部と同一の幅を有する押圧パンチを用いても良い。
このように、押圧パンチとして、一対の第一被膜部が除去されることにより線材に形成された芯材露出部と同一の幅を有する押圧パンチを用いると、芯材露出部と同一の幅の範囲内において線材を局所的に押圧することができるので、凹部以外の部位に応力が作用することを抑制して凹部をより一層的確に矯正することができる。
また、請求項4に記載のように、請求項3に記載の線材の被膜除去方法において、前記押圧パンチとして、前記線材への押付面における横幅方向両側の角部が面取り部である押圧パンチを用いても良い。
このように、押圧パンチとして、線材への押付面における横幅方向両側の角部が面取り部である押圧パンチを用いると、両側一対の面取り部が線材に食い込むことにより、押圧パンチが凹部に対して線材の軸方向に位置決めされると共に、他方の第二側面の側から凹部の中央部に向けて線材を押圧することができるので、凹部を効率良く矯正することができる。
また、請求項5に記載のように、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の線材の被膜除去方法における前記押圧工程において、前記押圧パンチの凸部と同形状及び同大きさの凸部を有する支持パンチを用いると共に、前記支持パンチの凸部を前記凹部の内側に挿入しても良い。
このように、押圧工程において、押圧パンチの凸部と同形状及び同大きさの凸部を有する支持パンチを用いると、押圧パンチと支持パンチとで線材を両側から均等に押圧できるので、線材の両側に形成される凹部の深さを均等にすることができる。これにより、その後の第二被膜除去工程では、線材の中心軸線を中心とした均等な除去厚さで一対の第二被膜部を除去することができる。この結果、第一被膜部及び第二被膜部が除去された被膜除去部を線材の中心軸と同軸上に形成することができる。
回転電機の断面図である。 図1の回転電機におけるコンダクタ部材周辺部の拡大図である。 図1のステータを軸方向から見た図である。 図3のステータに使用されるコンダクタ部材を示す図である。 第一被膜除去工程を説明する図である。 押圧工程の前半を説明する図である。 押圧工程の後半を説明する図である。 第二被膜除去工程を説明する図である。 凹部の深さと被膜除去長さとの関係を示すグラフである。 押圧工程において用いる押圧パンチ及び支持パンチを示す図である。 第二被膜除去工程の他の例を説明する図である。 押圧パンチ及び支持パンチの変形例を示す図である。 押圧工程の変形例を示す図である。 比較例に係る線材の被膜除去方法を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示される回転電機10は、後述する本発明の一実施形態に係る線材の被膜除去方法により被膜が除去された複数のコンダクタ部材30を備えるものである。この回転電機10は、シャフト11と、ロータ12と、ステータ13と、一対のフレーム14、15とを備える。
ロータ12の軸芯部には、シャフト11が固定されており、ステータ13は、ロータ12の周囲に環状に設けられている。一対のフレーム14、15は、ロータ12及びステータ13の軸方向両側に配置されており、シャフト11は、一対のベアリング16、17を介して一対のフレーム14、15にそれぞれ回転可能に支持されている。
図2に示されるように、ロータ12は、ロータコア18と、このロータコア18の外周部に設けられたロータマグネット19とを有している。ステータ13は、ステータコア20と、このステータコア20に組み付けられた複数のコンダクタ部材30とを有している。
図3に示されるように、ステータコア20には、このステータコア20の中心部に向けて延びる複数のティース21が形成されており、この複数のティース21の間には、スロット22がそれぞれ形成されている。複数のコンダクタ部材30は、線材を概略U字状に折り曲げて形成されたものであり、複数のスロット22のうち隣り合う一対のスロット22に跨って挿入されている。隣り合う一対のスロット22には、複数のコンダクタ部材30がティース21の長さ方向に並んで挿入されている。この複数のコンダクタ部材30は、挿入されるスロット22の配置位置や、スロット22における挿入位置に応じて長さや形状が異なる。
図4には、図3に示される複数のコンダクタ部材30の一例として、4種類のコンダクタ部材30A〜30Dが示されている。この複数のコンダクタ部材30A〜30Dは、被膜材の内部に芯材を有する構成となっている。コンダクタ部材30A〜30Dは、その両端部に芯材が露出した接続部35を有する。このコンダクタ部材30A〜30Dは、例えば、線材の軸方向の一部の被膜を除去して線材に被膜除去部を形成すると共に、この被膜除去部で線材を切断し、その後、切断された各線材をU字状に折り曲げられることにより形成される。
また、コンダクタ部材30Cは、接続部35の他に、その軸方向の一部に被膜除去部36を有する。このコンダクタ部材30Cは、例えば、被膜除去部36にて切断されてさらに複数のコンダクタ部材に分割される。本実施形態では、コンダクタ部材30の素材である線材に対し、以下に説明する線材の被膜除去方法を適用し、線材の軸方向の一部に上述の被膜除去部を形成する。
次に、本発明の一実施形態に係る線材の被膜除去方法について説明する。
図5に示されるように、線材40は、芯材41と、この芯材41を被覆する被膜材42とを有する。芯材41は、一例として、断面長方形状であり、一対の第一側面51と、一対の第二側面52とを有する。一対の第一側面51は、長辺面であり、一対の第二側面52は、短辺面である。線材40の断面視において、被覆材の外形形状は、線材40の外形形状と相似形状であり、線材40は、芯材41と同様に、全体として断面長方形状を成している。
上述の線材40の被膜を除去するために、本発明の一実施形態に係る線材の被膜除去方法は、第一被膜除去工程(図5参照)と、押圧工程(図6、図7参照)と、第二被膜除去工程(図8参照)とを備える。
(第一被膜除去工程)
第一被膜除去工程では、一対の刃71を用いる。この第一被膜除去工程では、一対の刃71の間の中心線が線材40の長辺方向に延びる中心線上に位置するように、一対の刃71の位置を調整する。そして、線材40に対し、一対の第一側面51に沿って一対の刃71を移動させて一対の第一側面51の表面部を削りながら、被膜材42のうち一対の第一側面51を被覆する一対の第一被膜部53を線材40から除去する。一対の第一被膜部53が除去されると、線材40の軸方向の一部に芯材41が露出する芯材露出部55が形成され、この芯材露出部55を通じて芯材41の二面が露出した状態となる。
ここで、第一被膜除去工程では、一対の刃71を移動させて一対の第一側面51の表面部を削るため、一対の刃71が芯材41と摺接することにより、芯材41に対して刃71の移動方向への力Fが作用する。このため、刃入り側である一方の第二側面52の側において線材40に凹部57が生じる。図9には、凹部57の深さと被膜除去長さとの関係が示されている。被膜除去長さは、線材40の軸方向に沿った芯材露出部55の長さに相当する。図9に示されるように、被膜除去長さが増加するに従って凹部57の中心部に作用する力が大きくなり凹部57の深さが大きくなる。
また、この第一被膜除去工程では、図5に示されるように、一対の刃71が芯材41と摺接することにより、刃入り側である一方の第二側面52の側に位置する一対のエッジ部59にダレ60が生じる。このダレ60は、刃71に引っ張られて被膜が垂れ下がった部分である。
(押圧工程)
続いて、図6、図7に示されるように、押圧工程では、上述の凹部57の深さが小さくなるように、刃抜け側である他方の第二側面52の側から線材40を押圧する。具体的には、この押圧工程では、図10に示される押圧パンチ73及び支持パンチ74を用いる。
押圧パンチ73は、凸部78を有する。この凸部78は、一例として、断面円弧状(凸曲面状)に形成されている。この押圧パンチ73は、上述の芯材露出部55と同一の幅W1を有する。押圧パンチ73は、線材40への押付面79を有しており、この押付面79における横幅方向両側の角部には、面取り部80が形成されている。
支持パンチ74は、上述の押圧パンチ73の凸部78と同形状及び同大きさの凸部77を有する。この凸部77の高さは、上述の凹部57の深さの50〜60%程度に設定されており、凸部77の曲率半径は、凹部57の曲率半径よりも小さく設定されている。支持パンチ74の幅W2は、上述の芯材露出部55よりも広く設定されている。支持パンチ74における凸部77の横幅方向両側の部分は、芯材露出部55の横幅方向両側において線材40を支持する支持部81として形成されている。
そして、押圧工程では、先ず、図6に示されるように、支持パンチ74の凸部77を凹部57の内側に挿入すると共に、支持パンチ74の支持部81で線材40における芯材露出部55の横幅方向両側を支持する。また、このとき、支持パンチ74の凸部77が凹部57の横幅方向中心部に位置するように支持パンチ74を位置決めする。同様に、押圧パンチ73の凸部78も凹部57の横幅方向中心部に位置するように押圧パンチ73を位置決めする。
続いて、図7に示されるように、線材40を挟んだ支持パンチ74と反対側、すなわち刃抜け側である他方の第二側面52の側から線材40に押圧パンチ73の凸部78を押し付けて線材40を押圧する。これにより、他方の第二側面52の側においても線材40に凹部58が形成されると共に、線材40が元々の凹部57の側に押し込まれて凹部57が矯正され、凹部57の深さが小さくなる。
また、この押圧工程では、両側一対の面取り部80が線材40に食い込むことにより、押圧パンチ73が凹部57に対して線材40の軸方向に位置決めされると共に、他方の第二側面52の側から凹部57の中央部に向けて線材40が押圧される。
さらに、この押圧工程では、押圧パンチ73の凸部78と同形状及び同大きさの凸部77を有する支持パンチ74を用いるので、押圧パンチ73と支持パンチ74とで線材40が両側から均等に押圧される。これにより、線材40の両側に形成される凹部57、58の深さが均等化される。
また、この押圧工程では、押圧パンチ73及び支持パンチ74の間の中心線が線材40の中心軸線上に維持されるように、押圧パンチ73及び支持パンチ74を均等に移動させて、線材40を押圧する。このため、一対の凹部57、58が線材40の中心軸線を中心に線対称に形成される。また、押圧パンチ73及び支持パンチ74で支持パンチ74を押圧するときには、支持パンチ74に形成された支持部81で線材40における芯材露出部55の横幅方向両側を支持するので、線材40の反りが抑制される。
そして、押圧パンチ73及び支持パンチ74による加工が済んだ後には、押圧パンチ73及び支持パンチ74を線材40から離間させる。
(第二被膜除去工程)
次いで、第二被膜除去工程では、図8に示されるように、上述の第一被膜除去工程で使用した一対の刃71と同様の一対の刃72を用いる。この第二被膜除去工程では、一対の刃72の間の中心線が線材40の短辺方向に延びる中心線上に位置するように、一対の刃72の位置を調整する。
そして、一対の第二側面52に沿って一対の刃72を移動させて一対の第二側面52の表面部を削りながら、被膜材42のうち一対の第二側面52を被覆する一対の第二被膜部54を線材40から除去する。一対の第二被膜部54が除去されると、線材40に被膜除去部56が形成され、この被膜除去部56を通じて芯材41の四面が露出した状態となる。この第二被膜除去工程では、一対の刃72の間の中心線を線材40の短辺方向に延びる中心線上に位置させるので、被膜除去部56の中心線が線材40の中心軸上に位置した状態で被膜除去部56が形成される。
なお、図11に示されるように、上述の押圧工程においては、凹部57の矯正が少し足りない場合がある。この場合には、第二被膜除去工程において、一対の刃72の間の中心線が線材40の中心軸線からずれるように、一対の刃72の位置を調整する。図11では、一対の刃72の間の中心線が線材40の中心軸線から寸法Aだけずれている。そして、このようにして一対の刃72の位置を調整し、一対の第二被膜部54を線材40から除去する。この場合には、一対の刃72の間の中心線が線材40の中心軸線からずれているので、被膜除去部56の中心線が線材40の中心軸線から寸法Aだけずれた状態で被膜除去部56が形成される。
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
先ず、本発明の一実施形態の作用及び効果を明確にするために、比較例について説明する。図14には、比較例に係る線材の被膜除去方法が示されている。この比較例に係る線材の被膜除去方法では、上述の本発明の一実施形態に係る線材の被膜除去方法に対し、押圧工程が省かれている。
つまり、この比較例に係る線材の被膜除去方法では、第一被膜除去工程において、一対の第一側面51に沿って一対の刃71を移動させて一対の第一側面51の表面部を削りながら、一対の第一側面51を被覆する一対の第一被膜部53を線材40から除去する。その後、第二被膜工程において、一対の第二側面52に沿って一対の刃72を移動させて一対の第二側面52の表面部を削りながら、一対の第二側面52を被覆する一対の第二被膜部54を線材40から除去する。
この比較例に係る線材の被膜除去方法でも、第一被膜除去工程において一対の刃71を移動させて一対の第一側面51の表面部を削るので、一対の刃71が芯材41と摺接することにより、芯材41に対して刃71の移動方向への力Fが作用する。このため、刃入り側である一方の第二側面52の側において線材40に凹部57が生じる。そして、この比較例に係る線材の被膜除去方法では、第二被膜除去工程で被膜を残さないようにするために、除去厚さを凹部57の深さよりも大きくした状態で一対の第二側面52の表面部を削る。
しかしながら、このように、除去厚さを凹部57の深さよりも大きくした状態で一対の第二側面52の表面部を削ると、芯材41の削り量が増大し、芯材41の断面積が小さくなる。芯材41の断面積が小となると、芯材41の電気抵抗の増大や溶接強度の低下等の影響が生じる。被膜厚さ及び除去厚さは線径の大小にほとんど依存しないので、この影響は線径が小さいほど大きくなる。
また、比較例に係る線材の被膜除去方法では、第一被膜除去工程において、刃入り側である一方の第二側面52の側に位置する一対のエッジ部59にダレ60(刃に引っ張られて被膜が垂れ下がった部分)が生じる。そして、この比較例に係る線材の被膜除去方法では、一対のエッジ部59にダレ60が生じている状態で一対の第二側面52の表面部を削る。
しかしながら、このように、一対のエッジ部59にダレが生じている状態で一対の第二側面52の表面部を削ると、一対のエッジ部59に被膜が残ってしまう虞がある。この被膜を除去するには、一対のエッジ部59の面取り加工が必要になるが、このようにすると、加工工数及び設備投資が増大し、コストアップとなる。
このように、比較例に係る線材の被膜除去方法では、芯材41の削り量が増大して芯材41の断面積が小さくなると共に、加工工数及び設備投資が増大してコストアップとなるという課題がある。
これに対し、本発明の一実施形態に係る線材の被膜除去方法によれば、第一被膜除去工程の後には、図6、図7に示される押圧工程を実施し、この押圧工程において、刃抜け側である他方の第二側面52の側から線材40を押圧して凹部57を矯正し凹部57の深さを小さくする。したがって、図8に示されるように、その後の第二被膜除去工程では、一対の第二側面52の表面部を削りながら一対の第二被膜部54を線材40から除去する際に、除去厚さが小さくて済むので、芯材41の削り量の増大を防いで、芯材41の断面積の確保することができる。
また、本発明の一実施形態に係る線材の被膜除去方法によれば、図5に示される第一被膜除去工程において、刃入り側である一方の第二側面52の側に位置する一対のエッジ部59にダレ60(刃に引っ張られて被膜が垂れ下がった部分)が生じるが、その後の押圧工程では、刃抜け側である他方の第二側面52の側から線材40を押圧するので、このダレ60を小さくすることができる。この結果、一対のエッジ部59の面取り加工が不要になるので、加工工数及び設備投資の増大を防いで、コストダウンすることができる。
このように、本発明の一実施形態に係る線材の被膜除去方法によれば、芯材41の削り量の増大を防いで、芯材41の断面積の確保することができると共に、加工工数及び設備投資の増大を防いで、コストダウンすることができる。
しかも、本発明の一実施形態に係る線材の被膜除去方法によれば、図6、図7に示される押圧工程において、線材40に押圧パンチ73の凸部78を押し付けて線材40を押圧するので、凹部57と反対側から線材40を局所的に押圧することができる。これにより、凹部57をより的確に矯正することができる。
また、押圧工程では、図7に示されるように、一対の第一被膜部53が除去されることにより線材40に形成された芯材露出部55と同一の幅W1を有する押圧パンチ73を用いるので、芯材露出部55と同一の幅の範囲内において線材40を局所的に押圧することができる。これにより、凹部57以外の部位に応力が作用することを抑制して凹部57をより一層的確に矯正することができる。
また、押圧工程では、線材40への押付面79における横幅方向両側の角部が面取り部80である押圧パンチ73を用いる。したがって、両側一対の面取り部80が線材40に食い込むことにより、押圧パンチ73が凹部57に対して線材40の軸方向に位置決めされると共に、他方の第二側面52の側から凹部57の中央部に向けて線材40を押圧することができるので、凹部57を効率良く矯正することができる。
また、押圧工程では、押圧パンチ73の凸部78と同形状及び同大きさの凸部77を有する支持パンチ74を用いるので、押圧パンチ73と支持パンチ74とで線材40を両側から均等に押圧できる。したがって、線材40の両側に形成される凹部57、58の深さを均等にすることができる。これにより、その後の第二被膜除去工程では、線材40の中心軸線を中心とした均等な除去厚さで一対の第二被膜部54を除去することができる。この結果、第一被膜部53及び第二被膜部54が除去された被膜除去部56を線材40の中心軸と同軸上に形成することができる。
なお、図11に示されるように、凹部57の矯正が少し足りない場合には、一対の刃72の間の中心線が線材40の中心軸線からずれるように、一対の刃72の位置を調整して、一対の第二被膜部54を線材40から除去しても良い。このようにすると、被膜除去部56の中心線が線材40の中心軸線からずれた状態で被膜除去部56が形成されるが、芯材41の断面積の減少を抑制することができる。
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態において、線材の被膜除去方法は、コンダクタ部材30の素材である線材に適用されているが、その他の部材の素材となる線材に適用されても良い。
また、上記実施形態において、線材の被膜除去方法は、断面長方形状の芯材を有する線材に適用されているが、断面正方形状の芯材を有する線材に適用されても良い。
また、上記実施形態において、押圧パンチ73及び支持パンチ74の凸部78、78は、いずれも断面円弧状(凸曲面状)に形成されているが、例えば、図12に示されるように、断面台形状のテーパ形状でも良い。
また、上記実施形態において、図6、図7に示される押圧工程では、支持パンチ74で線材40を支持した状態で押圧パンチ73を線材40に押し付けているが、押圧パンチ73及び支持パンチ74を線材40に同時に押し付けても良い。
また、上記実施形態において、押圧工程では、凹部57の中に挿入される凸部78を有する支持パンチ74が用いられているが、例えば、図13に示されるように、支持パンチ74の代わりに、凸部78を有しない支持部材84が用いられても良い。そして、上述の押圧パンチ73の支持部81と同様に、この支持部材84によって、被膜除去部56の横幅方向両側において線材40を支持しても良い。
また、上記実施形態において、図8に示される第二被膜除去工程では、図5に示される第一被膜除去工程で使用した一対の刃71とは別の一対の刃72を使用しているが、例えば、第一被膜除去工程で使用した一対の刃71の間の寸法と、線材40に対する一対の刃71の相対的な向きとを変更できる場合には、第二被膜除去工程において、上述の第一被膜除去工程で使用した一対の刃71を使用し、この一対の刃71で第二被膜部54を除去しても良い。
なお、第一被膜除去工程と第二被膜除去工程とでそれぞれ別の刃を用いる場合には、各工程を略連続して実行することができるので、迅速な被膜除去加工を行うことができる。一方、加工時間に余裕を持たせることが可能である場合には、第一被膜除去工程と第二被膜除去工程とで共通の刃を用いることにより、少ない刃の数で被膜除去加工を行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10…回転電機、11…シャフト、12…ロータ、13…ステータ、14、15…フレーム、16、17…ベアリング、18…ロータコア、19…ロータマグネット、20…ステータコア、21…ティース、22…スロット、30…コンダクタ部材、40…線材、41…芯材、42…被膜材、51…第一側面、52…第二側面、53…第一被膜部、54…第二被膜部、55…芯材露出部、56…被膜除去部、57、58…凹部、59…エッジ部、71、72…刃、73…押圧パンチ、74…支持パンチ、77、78…凸部、79…押付面、80…面取り部、81…支持部、84…支持部材

Claims (5)

  1. 断面四角形状の芯材と、前記芯材を被覆する被膜材とを有する線材に対し、前記芯材の一対の第一側面に沿って一対の刃を移動させて前記一対の第一側面の表面部を削りながら、前記被膜材のうち前記一対の第一側面を被覆する一対の第一被膜部を前記線材から除去する第一被膜除去工程と、
    前記第一被膜除去工程で前記一対の第一側面の表面部が削られることに伴って前記芯材の一対の第二側面のうち一方の第二側面の側において前記線材に生じた凹部の深さが小さくなるように、前記一対の第二側面のうち他方の第二側面の側から前記線材を押圧する押圧工程と、
    前記一対の第二側面に沿って一対の刃を移動させて前記一対の第二側面の表面部を削りながら、前記被膜材のうち前記一対の第二側面を被覆する一対の第二被膜部を前記線材から除去する第二被膜除去工程と、
    を備える線材の被膜除去方法。
  2. 前記押圧工程において、前記線材に押圧パンチの凸部を押し付けて前記線材を押圧する、
    請求項1に記載の線材の被膜除去方法。
  3. 前記押圧パンチとして、前記一対の第一被膜部が除去されることにより前記線材に形成された芯材露出部と同一の幅を有する押圧パンチを用いる、
    請求項2に記載の線材の被膜除去方法。
  4. 前記押圧パンチとして、前記線材への押付面における横幅方向両側の角部が面取り部である押圧パンチを用いる、
    請求項3に記載の線材の被膜除去方法。
  5. 前記押圧工程において、前記押圧パンチの凸部と同形状及び同大きさの凸部を有する支持パンチを用いると共に、前記支持パンチの凸部を前記凹部の内側に挿入する、
    請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の線材の被膜除去方法。
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