JP2017200901A - フルオレン骨格を有するアルコールの結晶およびその製造方法 - Google Patents

フルオレン骨格を有するアルコールの結晶およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度かつ着色が少なく、更には包接化合物ではない、下記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコール類の結晶を提供すること。【解決手段】炭素数が4以上の鎖状ケトン類存在下、フルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンカーボネートとを反応させ、下記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコール類を含む反応液を得た後、前記反応液から、炭素数が4以上の鎖状ケトン類を含有し、かつ芳香族炭化水素類及び環状ケトン類の合計含有量が10重量%未満である晶析溶液を調製し、該晶析溶液から特定温度範囲で結晶を析出させ、析出した結晶を分離することにより、高純度・低着色、かつ溶媒を包接しない、下記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコール類が提供可能であることを見出した。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、光学レンズや光学フィルムに代表される光学部材を構成する樹脂(光学樹脂)を形成するモノマーとして好適で、加工性、生産性に優れた新規なフルオレン骨格を有するアルコールの結晶およびその製造方法に関する。
フルオレン骨格を有するアルコールを原料モノマーとするポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、エポキシなどの樹脂材料は、光学特性、耐熱性等に優れることから、近年、光学レンズや光学シートなどの新たな光学材料として注目されている。この中でも以下式(1)
Figure 2017200901
で表される構造を有する、フェニル基及びフルオレン骨格を有するアルコール及び該アルコール類から製造される樹脂は屈折率等の光学特性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、電気特性、機械特性、溶解性等の諸特性に優れるとして着目されている(例えば特許文献1〜4)。
上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの製造方法としては、塩基触媒存在下、以下式(2)
Figure 2017200901
で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンオキサイドとを反応させる方法が知られている(特許文献2)。しかしながら、本方法で得られる上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールはその純度が低く、エチレンオキサイドが3、4分子と付加した化合物が多量に副生し、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを高純度で得ることは困難である。
一方、特許文献2記載の方法を改善する方法として、酸触媒及びチオール類存在下、以下式(3)
Figure 2017200901
で表されるアルコール類と9−フルオレノンとを反応させ上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを得る方法が提案されている(特許文献3、4)。しかしながら、特許文献3記載の方法により上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを製造すると、光学用途等、用途によっては特に敬遠されるような着色があり、更に該着色は精製操作を施しても除去ができないといった趣旨の記載が特許文献4に為されている。
また、特許文献4には特許文献2及び3に記載された製造方法の改善を目的として、酸触媒及び9―フルオレノン類100重量部に対して3重量部以上のチオール類存在下、上記式(3)で表されるアルコール類と9―フルオレノンを反応させ上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを得る方法が提案されている。しかしながら、該方法で得られる上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールは特許文献3の方法で得られるものよりも着色は少ないものの、その着色改善は十分ではない。また、反応時に多量のチオール類を必要とすることから、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールからチオール類を完全に除去することが困難であり、該アルコールを樹脂原料として使用する際、チオール類に由来する硫黄分が樹脂の更なる着色を引き起こすといった問題がある。
更に、本願発明者らが上記特許文献2〜4に記載される方法を追試したところ、特許文献3記載の方法では反応が進行しないか、あるいは反応が進行したとしても、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを含むオイル状物が得られるのみで結晶状の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールは得られなかった。一方、特許文献2及び4の追試では、結晶状の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールが得られるものの、反応や反応後の取り出し操作(晶析操作)で使用した溶媒(芳香族炭化水素類)が上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールに包接され、包接体となることが判明した。
特開平07―149881号公報 特開2001−122828号公報 特開2001−206863号公報 特開2009−256342号公報
本発明の目的は、高純度かつ着色が少なく、更には包接体ではない、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、炭素数が4以上の鎖状ケトン類存在下、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンカーボネートとを反応させ、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを含む反応液を得た後、前記反応液から、炭素数が4以上の鎖状ケトン類を含有し、かつ芳香族炭化水素類及び環状ケトン類の合計含有量が10重量%未満である晶析溶液を調製し、該晶析溶液から特定温度範囲で結晶を析出させ、析出した結晶を分離することにより、高純度・低着色、かつ包接体でない、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールが提供可能であることを見出した。具体的には以下の発明を含む。
[1]
示差走査熱量分析による融解吸熱最大温度が173〜176℃である、以下式(1)
Figure 2017200901
で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
[2]
Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおいて、回折角2θ=7.7±0.2°、17.2±0.2°、18.3±0.2°、19.6±0.2°、20.8±0.2°および21.4±0.2°にピークを有する、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
[3]
示差走査熱量分析による融解吸熱最大温度が190〜196℃である、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
[4]
Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおいて、回折角2θ=14.9±0.2°、17.8±0.2°、18.9±0.2°、19.7±0.2°、20.0±0.2°および21.0±0.2°にピークを有する、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
[5]
示差走査熱量分析による融解吸熱最大温度が167〜170℃である、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
[6]
Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおいて、回折角2θ=9.8±0.2°、14.9±0.2°、17.6±0.2°、18.8±0.2°、19.4±0.2°、20.0±0.2および20.6±0.2°にピークを有する、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
[7]
示差走査熱量分析により得られる吸熱ピークを167〜176℃の範囲に少なくとも一つ有する、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
[8]
包接体ではない、[1]〜[7]いずれかに記載の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
[9]
上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコール12gを、純度99重量%以上のN,N−ジメチルホルムアミド30mLに溶解させた溶液の黄色度(YI値)が10以下となる、[1]〜[8]いずれかに記載の、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
[10]
芳香族炭化水素類の含量が1重量%以下である、[1]〜[9]いずれかに記載の、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
[11]
以下(a)〜(c)の工程をこの順で含む、[1]又は[2]の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの製造方法。
(a)
炭素数が4以上の鎖状ケトン類存在下、下記式(2)
Figure 2017200901
で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンカーボネートとを反応させ、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを含む反応液を得る工程。
(b)
前記反応液から、炭素数が4以上の鎖状ケトン類を含有し、かつ芳香族炭化水素類及び環状ケトン類の合計含有量が10重量%未満である晶析溶液を調製する工程。
(c)
前記晶析溶液から75〜85℃で結晶を析出させ、析出した結晶を分離する工程。
[12]
以下(d)〜(f)の工程をこの順で含む、[3]又は[4]記載の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの製造方法。
(d)
炭素数が4以上の鎖状ケトン類存在下、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンカーボネートとを反応させ、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを含む反応液を得る工程。
(e)
前記反応液から、炭素数が4以上の鎖状ケトン類を含有し、かつ芳香族炭化水素類及び環状ケトン類の合計含有量が10重量%未満である晶析溶液を調製する工程。
(f)
前記晶析溶液から90〜100℃で結晶を析出させ、析出した結晶を分離する工程。
[13]
以下(g)〜(i)の工程をこの順で含む、[5]又は[6]記載の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの製造方法。
(g)
炭素数が4以上の鎖状ケトン類存在下、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンカーボネートとを反応させ、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを含む反応液を得る工程。
(h)
前記反応液から、炭素数が4以上の鎖状ケトン類を含有し、かつ芳香族炭化水素類及び環状ケトン類の合計含有量が10重量%未満である晶析溶液を調製する工程。
(i)
前記晶析溶液から70℃以下で結晶を析出させ、析出した結晶を分離する工程。
本発明によれば、高純度かつ着色が少なく、更には、包接体ではない、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶が提供可能となる。
特に上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶が包接体である場合、該包接体にアクリル酸等を反応させ他の化合物とする際、包接体が包接している化合物(以下、ゲスト分子と称することもある)が反応を阻害し、反応によっては使用できないといった問題があり、また、そのまま溶融等し樹脂原料として使用する際も、溶融中に発生するゲスト分子に由来する蒸気を系外へと除去する必要があったり、ゲスト分子の影響で、得られる樹脂の品質が一定とならないといった問題を引き起こすことがある。更には、引火点の低いゲスト分子(前記引例の場合、芳香族炭化水素類)を包接し得ることから、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを保管したり輸送したりする際、火災が起こりやすくなるといった防災上の懸念も存在する。
しかしながら、前述の通り、公知の方法に基づき上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを結晶として得ようとした場合、ゲスト分子を包接した包接体として得られ、包接体でない上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶を得る方法は知られていなかった。一方で、包接体に含まれるゲスト分子は、ゲスト分子の沸点以上の温度で結晶を乾燥させるといった、一般的に実施される方法により除去することは困難であり、一旦結晶を融点以上に加熱し溶融させた後にゲスト分子を除去する等、工業的実施が困難、あるいは非常にコストのかかる方法に依らなければならないので、包接体でない上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶及びその製造方法を見出した本発明は、特に工業的規模で上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶を製造、使用するに当たり、非常に意義があるものであると言える。
実施例1で得られた結晶(結晶B)の示差走査熱量測定(DSC)曲線を示す図である。 実施例2で得られた結晶(結晶C)の示差走査熱量測定(DSC)曲線を示す図である。 比較例1で得られた結晶(結晶A)の示差走査熱量測定(DSC)曲線を示す図である。 実施例1で得られた結晶(結晶B)の粉末X線回折パターンを示す図である。 実施例2で得られた結晶(結晶C)の粉末X線回折パターンを示す図である。 比較例1で得られた結晶(結晶A)の粉末X線回折パターンを示す図である。 比較例1で得られた結晶(結晶A)のTG−DTAチャート図である。 比較例2で得られた結晶のTG−DTAチャート図である。 実施例4で得られた結晶(結晶D)の示差走査熱量測定(DSC)曲線を示す図である。 実施例4で得られた結晶(結晶D)の粉末X線回折パターンを示す図である。
<上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶>
本発明の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶(以下本発明の結晶と称することもある)は、示差走査熱量分析(DSC)による融解吸熱最大温度、および粉末X線回折パターンにおける回折角2θの少なくとも1つの特徴を有する。
本発明の結晶は、示差走査熱量分析による融解吸熱最大温度によって3種類の結晶に区別され得る。具体的には、該融解吸熱最大温度が173〜176℃であるもの(以下、結晶Bと称することがある。)、190〜196℃であるもの(以下、結晶Cと称することがある。)及び、167〜170℃であるもの(以下、結晶Dと称することがある。)である。なお、公知の、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの包接体(ゲスト分子として芳香族炭化水素類を包接した包接体。以下、結晶Aと称することもある)の示差走査熱量分析による融解吸熱最大温度は125〜147℃である。
また、結晶B及びDの混合結晶が得られる場合があり、該混合結晶は示差走査熱量分析により得られる吸熱ピークを167〜176℃の範囲に少なくとも一つ有する。なお、結晶B及びDの混合結晶であっても高純度かつ着色が少なく、更には包接体でないといった、下記する本発明の結晶の特徴と同じ特徴を有する結晶となる。
本発明における示差走査熱量分析による融解吸熱最大温度とは、後述する条件にて示差走査熱量分析を実施した際、最大吸熱ピークが観測される温度のことをいう。なお、本発明の結晶が示す融解吸熱最大温度は、いくつかの要因により、上下に変動することがある。このような偏差に関与する要因としては、分析を実施する際の試料の加熱速度、試料量、使用される校正標準、機器の校正方法、分析環境の相対湿度および試料の化学的純度がある。与えられた試料について観察される融解吸熱最大温度は、装置毎に異なることがあるが、一般に、装置が適正に校正されていれば、本願に定義される範囲内となる。
本発明の結晶の内、結晶Bは、Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおいて、回折角2θ=7.7±0.2°、17.2±0.2°、18.3±0.2°、19.6±0.2°、20.8±0.2°および21.4±0.2°に特徴的なピークを有する。結晶Cは、回折角2θ=14.9±0.2°、17.8±0.2°、18.9±0.2°、19.7±0.2°、20.0±0.2°および21.0±0.2°に特徴的なピークを有する。結晶Dは、回折角2θ=9.8±0.2°、14.9±0.2°、17.6±0.2°、18.8±0.2°、19.4±0.2°、20.0±0.2および20.6±0.2°に特徴的なピークを有する。一方、公知の結晶Aは、回折角2θ=7.6±0.2°、15.6±0.2°、16.4±0.2°、18.7±0.2°、19.0±0.2°、20.5±0.2°および23.6±0.2°に特徴的なピークを有する。
本発明の結晶の純度は、後述する方法により決定されるHPLC純度が通常90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上である。また、結晶Bの嵩密度は0.2〜0.5g/cm、結晶Cの嵩密度は0.6〜0.8g/cm、結晶Dの嵩密度は0.4〜0.6g/cmである。一方、公知の結晶Aの嵩密度は0.2〜0.4g/cmである。このように、本発明の結晶の中でも結晶Cは、公知の結晶Aに対し1.5〜4倍もの嵩密度の改善がみられることから、本発明の結晶の中でも結晶Cは、該結晶の製造時は勿論、輸送・保管・使用時においても大幅な容積効率の改善が可能となる。嵩密度は例えば、パウダーテスターと呼ばれる粉体特性評価装置を用いて測定したり、メスシリンダー中に本発明の結晶の結晶を入れ、所定体積を入れた際の重量から算出することで測定することができる。
また、本発明の結晶は後述する方法で測定するYI値が通常10以下、好ましくは7以下となる。一方、公知の結晶Aは通常30以上となる。そのため、本発明の結晶は、特に光学用途等、着色が問題となり得る分野で好適に用いることができる。
更に本発明の結晶は包接体でない(ゲスト分子を包接していない)という特徴を有することができる。従って、公知の、結晶A中の芳香族炭化水素類の含量は3〜6重量%であるのに対し、本発明の結晶に含まれる芳香族炭化水素類の含量は通常1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以下とすることができる。また、他の有機化合物を包接していないので、101.3kPaにおける沸点が150℃以下の有機溶媒の含有量を通常1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以下とすることも可能である。そのため、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを保管したり輸送したりする際、火災が起こりやすくなるといった防災上の懸念を低減させることが可能であることから、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、エポキシなどの樹脂材料として好適に用いられることは勿論のこと、包接されているゲスト分子が問題となる分野、例えば医農薬用の原料(中間体)としても好適に用いることができる。
包接体であるか否かは、例えば、TG−DTA(示差熱熱重量同時測定)分析、X線解析、NMR分析といった方法の他、得られた結晶を、ゲスト分子の沸点以上となる条件で重量変化がない程度に十分に乾燥させた後、得られた結晶を溶媒に溶解させ、ガスクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーを用いて分析し、ゲスト分子に相当するピークがあるか否かで判断することができる。また、前記TG−DTA分析を用いる方法では、測定サンプルを一定の速度で昇温した際の重量変化と、それに伴う吸熱・発熱挙動を測定でき、重量変化と吸熱(又は発熱)とが同時に観測された時点で、ゲスト分子が放出されたことを判断することもできる。
<上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの製造方法>
本発明の結晶は、炭素数が4以上の鎖状ケトン類存在下、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンカーボネートとを反応させ、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを含む反応液を得る工程(以下、反応工程と称することもある)、前記反応液から、炭素数が4以上の鎖状ケトン類を含有し、かつ芳香族炭化水素類及び環状ケトン類の合計含有量が10重量%未満である晶析溶液を調製する工程(以下、晶析溶液調製工程と称することもある)及び前記晶析溶液から特定温度範囲で結晶を析出させ、析出した結晶を分離する工程(以下、晶析工程と称することもある)を経ることによって得られる。以下、各工程について詳述する。
<反応工程>
反応工程で用いられる、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物は市販品を用いても良く、また、酸触媒存在下、フルオレノンと2―フェニルフェノールとを反応させて製造することもできる。
反応工程で用いられる炭素数が4以上の鎖状ケトン類として例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン、2−オクタノン、ジイソブチルケトン等が挙げられる。炭素数が4以上の鎖状ケトン類を用いることによって、十分な反応速度が得られ、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールが工業的有利に得られる。なお、炭素数4未満のケトン類を使用した場合、反応が進行しないか、進行したとしても反応速度が非常に遅くなり、また、環状ケトン類を使用した場合、反応は進行するものの、環状ケトン類が包接され包接体となる為、包接体でない上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを得ることが困難となる。
炭素数が4以上の鎖状ケトン類の使用量は、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物1重量倍に対し、通常0.1〜5重量倍、好ましくは0.5〜3重量倍である。これら炭素数が4以上の鎖状ケトン類は1種、あるいは必要に応じ2種以上混合して使用しても良い。
反応工程を実施する際、炭素数が4以上の鎖状ケトン類以外に芳香族炭化水素類、環状ケトン類以外の他の有機溶媒を併用しても良い。芳香族炭化水素類および環状ケトン類を併用した場合、晶析工程実施前に芳香族炭化水素類および環状ケトン類を除去する必要があるが、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールに芳香族炭化水素類又は環状ケトン類が包接されやすいため、その除去が困難であり、その結果、得られる結晶は芳香族炭化水素類又は環状ケトン類を包接した結晶となりやすく、本発明の結晶を得ることが困難となる。
本発明で併用可能な芳香族炭化水類及び環状ケトン類以外の溶媒としては、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物及びエチレンカーボネートに対して不活性なものであれば良く、このような有機溶媒としては脂肪族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、エーテル類、グリコールジエーテル類、エステル類、脂肪族ニトリル類、アミド類、スルホキシド類等が例示される。より具体的には、脂肪族炭化水素としてペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が、ハロゲン化脂肪族炭化水素類としてジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等が、エーテル類としてジ−イソ−プロピルエーテル、メチル−ターシャリー−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル等が、グリコールジエーテル類としてジグライム、トリグライム、トリエチレングリコールジブチルエーテル等が、エステル類として酢酸エチル、酢酸ブチル等が、脂肪族ニトリル類としてはアセトニトリル等が、アミド類としてジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が、スルホキシド類としてジメチルスルホキシド等が例示される。これら併用可能な有機溶媒の中でも入手性や取扱性、及び反応性の良さから、101.3kPaにおける沸点が80℃以上のエーテル類又はグリコールジエーテル類が好適に用いられる。これら有機溶媒は1種類、あるいは必要に応じ2種類以上混合して使用しても良い。これら有機溶媒の使用量は、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物1重量倍に対し、通常0.1〜5重量倍、好ましくは0.5〜3重量倍である。
本発明で使用するエチレンカーボネートは、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物1モルに対し通常、2〜10モル、好ましくは2〜4モル使用する。2モル以上使用することにより十分な反応速度を得ることができ、使用量を10モル以下とすることにより、より経済的に上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを製造することができる。
上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンカーボネートとを反応させる際、必要に応じ塩基性化合物存在下にて反応を行う。反応工程で用いられる塩基性化合物として例えば、炭酸塩類、炭酸水素塩類、水酸化物類、有機塩基類等が例示される。より具体的には炭酸塩類として炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等が、炭酸水素塩類として炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム等が、水酸化物類として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が、有機塩基類としてトリエチルアミン、ジメチルアミノピリジン、トリフェニルホスフィン、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド等が例示される。これら塩基性化合物の中でも取扱性の良さの点から炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリフェニルホスフィンが好適に使用される。これら塩基性化合物を使用する際の使用量は、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物1モルに対し、通常0.01〜1.0モル、好ましくは0.03〜0.2モルである。
上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンカーボネートとの反応は、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物、エチレンカーボネート、炭素数が4以上の鎖状ケトン類及び必要に応じ塩基性化合物、併用可能な有機溶媒を反応容器に添加し、通常30〜150℃、好ましくは100〜130℃で実施される。
こうして得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを含む反応液はそのまま濃縮・乾固した後、晶析溶液調製工程に用いても良く、水洗・吸着処理等の後処理や、晶析・カラム精製等の定法にて精製した後、晶析溶液調製工程に用いても良いが、下記する水洗工程を実施した後、晶析溶液調製工程にて用いることにより、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの純度をより向上させることが可能であることから好ましい。以下、水洗工程について詳述する。
水洗工程は、得られた反応液に、反応で使用した上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物1重量倍に対し0.1〜10重量倍、好ましくは0.5〜5重量倍の水を添加し、60〜95℃、好ましくは70〜90℃で撹拌し、その後静置、水層を分離することによって実施される。水を0.1重量倍以上使用することにより水洗工程の効果がより発現し、使用量を10重量倍以下とすることにより、容積効率を改善することが可能となる。また、水洗温度は60℃以上とすることにより、静置時の分液速度がより速くなり、95℃以下とすることにより、水洗時の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの分解を抑制することが可能となる。
水洗工程は必要に応じて複数回実施しても良い。また、水洗工程実施時、水と併せて塩基や酸を添加し、副生物等を分解・水層へと除去しても良い。
<晶析溶液調製工程>
前述の方法で製造された反応液に芳香族炭化水素類及び/又は環状ケトン類が含まれている場合、蒸留・濃縮等の操作によって芳香族炭化水素類及び/又は環状ケトン類を除去し、晶析溶液中に含まれる芳香族炭化水素類及び環状ケトン類の合計含有量を10重量%未満、好ましくは5重量%以下とする必要がある。晶析溶液中に芳香族炭化水素類及び/又は環状ケトン類が10重量%以上含まれている場合、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールが芳香族炭化水素類及び/又は環状ケトン類を包接してしまい、本発明の結晶が得られない。また、5重量%以下であっても、得られる結晶の一部が包接体となる場合がある為、結晶Aを確実に含まないようにするためには、晶析溶液中の芳香族炭化水素類及び環状ケトン類の合計含有量を1重量%未満とすることが好ましい。
晶析溶液に含まれる炭素数が4以上の鎖状ケトン類は、上述した反応工程で使用され得る鎖状ケトン類と同じものが使用可能である。これら鎖状ケトン類は1種、あるいは必要に応じ2種以上混合して使用しても良い。晶析溶液に含まれる炭素数が4以上の鎖状ケトン類は、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコール1重量倍に対し、結晶Bを得る場合は0.5〜10重量倍、好ましくは1〜5重量倍に、結晶Cを得る場合は0.1〜5重量倍、好ましくは0.5〜4重量倍に、結晶Dを得る場合は1〜15重量倍、好ましくは2〜10重量倍とする。前述した使用量範囲とすることにより、晶析工程においてそれぞれ、所望の温度範囲で結晶を析出させやすくなることから好ましい。
晶析溶液中には炭素数が4以上の鎖状ケトン類の他、得られる結晶B、C又はDの得量を向上する観点から、脂肪族炭化水素類(例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン等)を併用することが好ましい。脂肪族炭化水素類を併用する場合の使用量は通常、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコール1重量倍に対し0.3〜5重量倍、好ましくは0.5〜3重量倍とする。また、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールに不活性な脂肪族炭化水素類以外の溶媒(但し芳香族炭化水素類及び環状ケトン類を除く)を併用することも可能であるが、より確実に本発明の結晶を得る為には、脂肪族炭化水素類以外の他の溶媒は併用しないことが好ましい。
<晶析工程>
前述の通り得られた晶析溶液は、晶析溶液に結晶が含まれている場合、該結晶を完溶させた後冷却し、結晶Bを得る場合は75〜85℃で結晶を析出させ、結晶Cを得る場合は90〜100℃で結晶を析出させ、結晶Dを得る場合は70℃以下で結晶を析出させる。以下、該温度範囲で結晶を析出させる方法について詳述する。
75〜85℃で結晶を析出させる場合、晶析溶液を75℃以上、晶析溶液の沸点以下、好ましくは100〜110℃まで加熱した後、0.3℃〜1.0℃/分、好ましくは0.5〜0.9℃/分で冷却し、その後75〜85℃で結晶を析出させる。
75〜85℃で結晶を析出させる方法としては、結晶が析出するまで同温度で撹拌を継続する方法、上記温度範囲で種晶を接種する方法等が例示される。種晶を添加する場合、結晶B、結晶C、結晶Dまたは公知の結晶Aでも良いが、より確実に結晶Bを得る為には結晶Bを種晶として用いることが好ましい。また、結晶析出後、一定時間同温度で保持し結晶を成長させる方が、より確実に本発明の結晶が得られるため好ましい。
90〜100℃で結晶を析出させる場合、晶析溶液を90℃以上、晶析溶液の沸点以下、好ましくは100〜110℃まで加熱した後、0.05℃〜0.5℃/分、好ましくは0.08〜0.3℃/分で冷却し、その後90〜100℃で結晶を析出させる。90〜100℃で結晶を析出させる方法としては、結晶が析出するまで同温度で撹拌を継続する方法、上記温度範囲で種晶を接種する方法等が例示される。種晶を添加する場合、結晶B、結晶C、結晶Dまたは公知の結晶Aでも良いが、より確実に結晶Cを得る為には結晶Cを種晶として用いることが好ましい。また、結晶析出後、一定時間同温度で保持し結晶を成長させる方が、より確実に本発明の結晶が得られるため好ましい。
70℃以下で結晶を析出させる場合、晶析溶液を70℃以上、晶析溶液の沸点以下、好ましくは100〜110℃まで加熱した後、0.5℃〜2.0℃/分、好ましくは1.0〜1.5℃/分で冷却し、その後70℃以下で結晶を析出させる。70℃以下で結晶を析出させる方法としては、結晶が析出するまで同温度で撹拌を継続する方法、上記温度範囲で種晶を接種する方法等が例示される。種晶を添加する場合、結晶B、結晶C、結晶Dまたは公知の結晶Aでも良いが、より確実に結晶Dを得る為には結晶Dを種晶として用いることが好ましい。また、結晶析出後、一定時間同温度で保持し結晶を成長させる方が、より確実に本発明の結晶が得られるため好ましい。
上述の通り所定の温度範囲で結晶を析出させた後、結晶析出温度と同温度で析出した結晶を分離しても良いが、より収率良く結晶を得る為には、30℃以下まで冷却した後、析出した結晶を分離することが好ましい。分離した結晶は必要に応じ乾燥を行い、結晶に付着した炭素数が4以上の鎖状ケトン類等を除去しても良い。
なお、本発明の結晶は包接体ではないため、反応・晶析工程で使用した炭素数が4以上の鎖状ケトン類等の沸点以上となる温度で乾燥することにより炭素数が4以上の鎖状ケトン類等を除去することが可能である為、結晶状態を保ちながら炭素数が4以上の鎖状ケトン類等を除去可能である。なお、公知の結晶Aの場合、包接している芳香族炭化水素類が放出される温度と結晶の融点が略同一である為、加熱により結晶Aから芳香族炭化水素類を除去しようとすると結晶が一旦溶融するため、芳香族炭化水素類の放出後、冷却すると結晶ではなく非晶質体となる。
こうして得られた本発明の結晶は必要に応じ、吸着、水蒸気蒸留、再結晶などの通常の精製操作を繰り返し行うこともできるが、このような操作を実施しなくとも十分に高純度であり、また、包接体でない為、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、エポキシなどの樹脂材料として好適に用いられることは勿論のこと、ゲスト分子が問題となる分野、例えば医農薬用の原料(中間体)としても好適に用いることができる。
以下に実施例および試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。なお、例中、各種測定は下記の方法で実施した。なお、以下実施例・比較例・参考例に記載した各成分の生成率(残存率)及び純度は下記条件で測定したHPLCの面積百分率である。
(1)HPLC純度
装置 :島津製作所製 LC−2010A、
カラム:SUMIPAX ODS A−211(5μm、4.6mmφ×250mm)、
移動相:純水/アセトニトリル(アセトニトリル30%→100%)、
流量 :1.0ml/min、カラム温度:40℃、検出波長:UV 254nm。
(2)残存溶媒量、包接溶媒量の分析
溶媒の残存量、または上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールに包接されているゲスト分子(芳香族炭化水素類等)の含量については下記条件に基づくガスクロマトグラフィーにより定量を行った。
装置 :島津製作所製 GC−2014、
カラム:DB−1(0.25μm、0.25mmID×30m)、
昇温:40℃(5分保持)→20℃/min→250℃(10分保持)、
Inj温度:250℃、Det温度:300℃、スプリット比 1:10、
キャリアー:窒素54.4kPa(一定)、
サンプル調製方法:十分に乾燥させた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶100mgを10mlメスフラスコに量り取り、そこへあらかじめ調製していた1,2−ジメトキシエタンのアセトニトリル溶液(1,2−ジメトキシエタン400mgをアセトニトリル200mlに溶解したもの)をホールピペットで5ml加え、アセトニトリルでメスアップさせ溶解したものを試料溶液とした。
一方、残存量(包接量)を測定したい化合物10mgを10mlメスフラスコに量り取り、上述と同量の1,2−ジメトキシエタンのアセトニトリル溶液を加え、アセトニトリルでメスアップさせ溶解したものを標準溶液とした。
試料溶液及び標準溶液を上述の条件にて分析し、得られた各成分のピーク面積をデータ処理装置で求め、各成分の含量(重量%)を算出した。(内部標準法)
(3)包接体であることの確認のための分析
上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶5mgをアルミパンに精密に秤取し、(株)リガク社製示差熱天秤 TG−DTA8121を用い、下記操作条件で測定した。
(操作条件)
昇温速度:10℃/min、
測定範囲:30−250℃、
雰囲気 :開放、窒素250ml/min。
(4)示差走査熱量測定(DSC)
上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶5mgをアルミパンに精密に秤取し、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社:DSC7020)を用い、酸化アルミニウムを対照として下記操作条件で測定した。
(操作条件)
昇温速度:10℃/min、
測定範囲:30−250℃、
雰囲気 :開放、窒素40ml/min。
(5)粉末X線回折
上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶150mgをガラス試験板の試料充填部に充填し、粉末X線回折装置(スペクトリス社製:X’PertPRO)を用いて下記の条件で測定した。
X線源 :CuKα、
出力 :1.8kW(45kV−40mA)、
測定範囲 :2θ=5°〜70°、
スキャン速度:2θ=2°/min、
スリット :DS=1°、マスク=15mm、RS=可変(0.1mm〜)。
(6)YI値
上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶12gを、純度99重量%以上のN,N―ジメチルホルムアミド30mlに溶解させ、以下の条件で得られたN,N―ジメチルホルムアミド溶液のYI値(黄色度)を測定した。
装置 :色差計(日本電色工業社製,SE6000)、
使用セル:光路長33mm 石英セル。
なお、測定に使用するN,N−ジメチルホルムアミド自身の着色が測定値に影響を与えないよう、事前にN,N−ジメチルホルムアミドの色相を測定して補正した。(ブランク測定)。
上述のブランク測定を実施したうえで、サンプルを測定した値を本発明におけるYI値とする。
(7)嵩密度
実施例及び比較例で得られた結晶を10mlのメスシリンダーに5mlまで入れ、メスシリンダーに入った結晶の重量から嵩密度を算出した。
<実施例1>
攪拌器、加熱冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物(9,9’−ビス(4−ヒドロキシー3−フェニルフェニル)フルオレン)120g(0.239mol)、炭酸カリウム2.8g(0.020mol)、エチレンカーボネート48g(0.545mol)、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと称することもある)180gを仕込み、120℃まで昇温し、同温度で6時間撹拌後、HPLCにて原料が消失していることを確認した。
得られた反応液を80℃まで冷却した後、MIBK180g、水180gを加え、80〜85℃で1時間撹拌し、静置後、水層を分離した。同じ操作を3回繰り返した後、MIBK130g、ヘプタン210gを添加し、晶析溶液を得た。
得られた晶析溶液を100℃まで昇温し、30分間撹拌して結晶を完溶させた後、該晶析溶液を0.8℃/分で冷却することにより80℃で結晶を析出させ、同温度で2時間撹拌した。撹拌後、更に25℃まで冷却し、結晶を得た。
得られた結晶を内圧0.4kPaの減圧下、内温85〜90℃で9時間乾燥した所、MIBK及びヘプタンの合計含有量が0.2重量%となった為、乾燥終了とした。
得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶の各分析値は以下の通り。
得られた結晶の重さ:125g(収率:82%)
HPLC純度:98.6%
101.3kPaにおける沸点が150℃以下の有機溶媒の含有量(MIBK及びヘプタンの含有量を含む):0.24重量%
YI値:5.2
DSC融解吸熱最大温度:175℃
嵩密度:0.5g/cm
DSC分析チャートを図1に、粉末X線のパターンを図4に、粉末X線の主なピーク(5%を超える相対強度を有するもの)を表1に列挙する。表1に示す通り、本実施例で得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールは、回折角2θ=7.7±0.2°、17.2±0.2°、18.3±0.2°、19.6±0.2°、20.8±0.2°および21.4±0.2°に特徴的な回折ピークを示した。(以下、本パターンと同様のX線ピークを有するものを「パターンB」と称することがある。)
<実施例2>
攪拌器、加熱冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物(9,9’−ビス(4−ヒドロキシー3−フェニルフェニル)フルオレン)138g(0.275mol)、炭酸カリウム3.1g(0.022mol)、エチレンカーボネート50.8g(0.577mol)、MIBK138gを仕込み、120℃まで昇温し、同温度で9時間撹拌後、HPLCにて原料が消失していることを確認した。
得られた反応液を80℃まで冷却した後、MIBK276g、水207gを加え、70〜75℃で2時間撹拌し、静置後、水層を分離した。同じ操作を3回繰り返した後、MIBK55g、ヘプタン198gを添加し、晶析溶液を得た。
得られた晶析溶液を105℃まで昇温し、30分間撹拌して結晶を完溶させた後、該晶析溶液を0.1℃/分で冷却することにより95℃で結晶を析出させ、同温度で2時間撹拌した。その後、25℃まで冷却、濾過し、結晶を得た。
得られた結晶を内圧1.3kPaの減圧下、内温80〜90℃で3時間乾燥した所、MIBKの含有量が0.06重量%となった為、乾燥終了とした。
得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶の各分析値は以下の通り。
得られた結晶の重さ:127g(収率:78%)
HPLC純度:98.7%
101.3kPaにおける沸点が150℃以下の有機溶媒の含有量(MIBK及びヘプタンの含有量を含む):0.07重量%
YI値:7.0
DSC融解吸熱最大温度:195℃
嵩密度:0.6g/cm
DSC分析チャートを図2に、粉末X線のパターンを図5に、粉末X線の主なピーク(5%を超える相対強度を有するもの)を表2に列挙する。表2に示す通り、本実施例で得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールは、回折角2θ=14.9±0.2°、17.8±0.2°、18.9±0.2°、19.7±0.2°、20.0±0.2°および21.0±0.2°に特徴的な回折ピークを示した。
(以下、本パターンと同様のX線ピークを有するものを「パターンC」と称することがある。)
<実施例3>
攪拌器、加熱冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物(9,9’−ビス(4−ヒドロキシー3−フェニルフェニル)フルオレン)150g(0.298mol)、炭酸カリウム3.4g(0.025mol)、エチレンカーボネート65.7g(0.747mol)、メチルイソアミルケトン(以下、MIAKと称することもある)150gを仕込み、120℃まで昇温し、同温度で7時間撹拌後、HPLCにて原料が消失していることを確認した。
得られた反応液を90℃まで冷却した後、水150gを加え、85〜90℃で30分撹拌し、静置後、水層を分離した。同じ操作を3回繰り返した後、MIAK250gを添加し、晶析溶液を得た。
得られた晶析溶液を110℃まで昇温し、30分間撹拌して結晶を完溶させた後、該晶析溶液を0.3℃/分で98℃まで冷却し、同温度で、実施例2で得られた結晶20mgを種晶として接種し、10分撹拌した所、結晶が析出し始めた為、同温度で1時間撹拌した。撹拌後、更に22℃まで冷却した後、濾過し、結晶を得た。
得られた結晶を内圧1.3kPaの減圧下、内温80〜90℃で3時間乾燥した所、MIAKの含有量が0.07重量%となった為、乾燥終了とした。
得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶の各分析値は以下の通り。
得られた結晶の重さ:112g(収率:64%)
HPLC純度:98.1%
101.3kPaにおける沸点が150℃以下の有機溶媒の含有量(MIAKを含む):0.08重量%
YI値:1.7
DSC融解吸熱最大温度:195℃
嵩密度:0.8g/cm
X線回折パターン:パターンC
<実施例4>
実施例1と同じスケール、同様の方法にて反応工程、水洗工程を行った後、得られた水洗工程後の反応液にMIBK240g、ヘプタン240gを添加し、晶析溶液を得た。
得られた晶析溶液を100℃まで昇温し、30分間撹拌して結晶を完溶させた後、該晶析溶液を1.5℃/分で冷却することにより69℃で結晶を析出させ、同温度で2時間撹拌した。撹拌後、更に20℃まで冷却した後、濾過し、結晶を得た。
得られた結晶を内圧1.3kPaの減圧下、内温80〜85℃で3時間乾燥した所、MIBK及びヘプタンの合計含有量が0.8重量%となった為、乾燥終了とした。
得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶の各分析値は以下の通り。
得られた結晶の重さ:107g(収率:76%)
HPLC純度:98.3%
101.3kPaにおける沸点が150℃以下の有機溶媒の含有量(MIBK及びヘプタンの含有量を含む):0.8重量%
YI値:4.5
DSC融解吸熱最大温度:169℃
嵩密度:1.5g/cm
DSC分析チャートを図9に、粉末X線のパターンを図10に、粉末X線の主なピーク(5%を超える相対強度を有するもの)を表6に列挙する。表6に示す通り、本実施例で得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールは、回折角2θ=9.8±0.2°、14.9±0.2°、17.6±0.2°、18.8±0.2°、19.4±0.2°、20.0±0.2および20.6±0.2°に特徴的な回折ピークを示した。(以下、本パターンと同様のX線ピークを有するものを「パターンD」と称することがある。)
<比較例1>
攪拌器、加熱冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物(9,9’−ビス(4−ヒドロキシー3−フェニルフェニル)フルオレン)40.0g(0.080mol)、エチレンカーボネート16.1g(0.183mol)、炭酸カリウム0.8g(0.006mol)およびトルエン40.0gを仕込み、110℃で11時間撹拌し、HPLCにて原料ピークが1%以下であることを確認した。
得られた反応液を85℃まで冷却した後、水68gを加え、80〜85℃で30分撹拌し、静置後、水層を分離した。同じ操作を3回繰り返した後、得られた有機溶媒層をディーンスターク装置を用いて還流下で脱水し、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールが溶解した晶析溶液を得た。
得られた晶析溶液を0.3℃/分で冷却した所、65℃で結晶が析出し、同温度で2時間撹拌した。撹拌後、更に26℃まで冷却した後、濾過し、結晶を得た。
得られた結晶を内圧1.1kPaの減圧下、内温を68℃〜73℃で3時間乾燥したが、トルエンが4重量%含まれていた為、内温を110℃まで昇温し、同温度で更に3時間乾燥したが、トルエンの含量は4重量%のままであった。
得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶の各分析値は以下の通り。
得られた結晶の重さ:39.3g
HPLC純度:97.5%
トルエン含量:4.1重量%
DSC融解吸熱最大温度:151℃
嵩密度:0.3g/cm
DSC分析チャートを図3に、粉末X線のパターンを図6に、粉末X線の主なピーク(5%を超える相対強度を有するもの)を表3に、TG−DTAの分析チャートを図7に列挙する。表3に示す通り、本比較例で得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールは、回折角2θ=7.6±0.2°、15.6±0.2°、16.4±0.2°、18.7±0.2°、19.0±0.2°、20.5±0.2°および23.6±0.2°に特徴的な回折ピークを示した。
また、高温・減圧下で乾燥を行ってもトルエンの残量が減少しなかったため、TG−DTA分析を行い包接体であるか否かを確認した所、図7に示す通り、トルエンの沸点以上の温度である約139℃で重量の減少が始まり、続いて約150℃に吸熱ピークが観測されたことから、本比較例で得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールは、包接体であることが支持される。
<比較例2>
攪拌器、加熱冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物(9,9’−ビス(4−ヒドロキシー3−フェニルフェニル)フルオレン)30.0g(0.060mol)、エチレンカーボネート12.0g(0.136mol)、炭酸カリウム0.7g(0.005mol)、およびシクロヘキサノン30.0gを仕込み、140℃で7時間撹拌し、HPLCにて原料ピークが1%以下であることを確認した。
得られた反応液を90℃まで冷却した後、シクロヘキサノン23g、ヘプタン27gを加え、有機溶媒層を90℃に保ちながら洗浄水が中性となるまで水洗を行った。水洗後、得られた有機溶媒層をディーンスターク装置を用いて還流下で脱水し、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールが溶解した晶析溶液を得た。
その後、70℃まで冷却し、70℃で1時間保温することで結晶を析出させた後、同温度で2時間撹拌した。撹拌後、更に19℃まで冷却した後、濾過し、結晶を得た。
得られた結晶を内圧1.1kPaの減圧下、内温を90℃で3時間乾燥したが、シクロヘキサノンが14重量%含まれていた為、内温を110℃まで昇温し、同温度で更に3時間乾燥したが、シクロヘキサノン含量は14重量%のままであった。
得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶の各分析値は以下の通り。
得られた結晶の重さ:33.0g
HPLC純度:97.8%
シクロヘキサノン含量:14重量%
DSC融解吸熱最大温度:114℃
嵩密度:0.4g/cm
また、高温・減圧下で乾燥を行ってもシクロヘキサノンの残量が減少しなかったため、TG−DTA分析を行い包接体であるか否かを確認した。TG−DTAの分析チャートを図8に示す。該チャートに示される通り、約114℃で重量の減少が始まり、併せて同温度で吸熱ピークが観測されたことから、本比較例2で得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールは、包接体であることが支持される。
<比較例3>
スケールを10分の1とする以外は特開2001−206863号の実施例6に記載されている方法で仕込・反応を行い、65℃で1時間撹拌した段階で反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析したが、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールは殆ど生成しておらず、原料の9−フルオレノンが98%残存していた。そこで更に同温度で7時間撹拌を継続し、反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析したが同様に反応は殆ど進行しておらず、原料の9−フルオレノンが97%残存していた。
そこで特開2001−206863号〔0019〕の記載に基づき、反応温度を65℃から100℃へと変更し同温度で撹拌を継続したところ、原料である9−フルオレノンの消失までに73時間必要であった。
該文献記載に基づく後処理を実施するため、得られた反応液を2分割し、一方にメタノール10g、もう一方にイソプロピルアルコール10gを加え60℃まで加温し、1時間撹拌を継続した後、それぞれ純水30gを加え、30℃まで冷却したが両方とも結晶は析出せず、それぞれ水と分離したタール状の液体が得られた。
<比較例4>
9−フルオレノンの使用量を18gとして特開2009−256342号の実施例4記載の方法を追試した所、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコール20.7g(純度88.6%)を得た。得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶の各分析値は以下の通り。
キシレン含量:5.2重量%
YI値:46
DSC融解吸熱最大温度:146℃
嵩密度:0.3g/cm
粉末X線の主なピーク(5%を超える相対強度を有するもの)を表4に示す。表4に示す通り、本比較例4で得られた、キシレンを包接する上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールは、回折角2θ=7.6±0.2°、15.6±0.2°、16.4±0.2°、18.7±0.2°、19.0±0.2°、20.5±0.2°および23.6±0.2°に特徴的な回折ピークを示した。
<比較例5>
9−フルオレノンの使用量を9gとして特開2009−256342号の実施例2記載の方法を追試した所、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコール13.5g(純度74.7%)を得た。得られた上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶の各分析値は以下の通り。
トルエン含量:3.0重量%
YI値:83
DSC融解吸熱最大温度:126℃
嵩密度:0.2g/cm
粉末X線の主なピーク(5%を超える相対強度を有するもの)を表5に示す。表5に示す通り、本比較例5で得られた、トルエンを包接する上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールは、回折角2θ=7.6±0.2°、15.6±0.2°、16.4±0.2°、18.7±0.2°、19.0±0.2°、20.5±0.2°および23.6±0.2°に特徴的な回折ピークを示した。
Figure 2017200901
Figure 2017200901
Figure 2017200901
Figure 2017200901
Figure 2017200901
Figure 2017200901

Claims (13)

  1. 示差走査熱量分析による融解吸熱最大温度が173〜176℃である、以下式(1)
    Figure 2017200901
    で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
  2. Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおいて、回折角2θ=7.7±0.2°、17.2±0.2°、18.3±0.2°、19.6±0.2°、20.8±0.2°および21.4±0.2°にピークを有する、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
  3. 示差走査熱量分析による融解吸熱最大温度が190〜196℃である、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
  4. Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおいて、回折角2θ=14.9±0.2°、17.8±0.2°、18.9±0.2°、19.7±0.2°、20.0±0.2°および21.0±0.2°にピークを有する、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
  5. 示差走査熱量分析による融解吸熱最大温度が167〜170℃である、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
  6. Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおいて、回折角2θ=9.8±0.2°、14.9±0.2°、17.6±0.2°、18.8±0.2°、19.4±0.2°、20.0±0.2および20.6±0.2°にピークを有する、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
  7. 示差走査熱量分析により得られる吸熱ピークを167〜176℃の範囲に少なくとも一つ有する、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
  8. 包接体ではない、請求項1〜7いずれか一項記載の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
  9. 上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコール12gを、純度99重量%以上のN,N−ジメチルホルムアミド30mLに溶解させた溶液の黄色度(YI値)が10以下となる、請求項1〜8いずれか一項記載の、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
  10. 芳香族炭化水素類の含量が1重量%以下である、請求項1〜9いずれか一項記載の、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの結晶。
  11. 以下(a)〜(c)の工程をこの順で含む、請求項1又は2項記載の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの製造方法。
    (a)
    炭素数が4以上の鎖状ケトン類存在下、下記式(2)
    Figure 2017200901
    で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンカーボネートとを反応させ、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを含む反応液を得る工程。
    (b)
    前記反応液から、炭素数が4以上の鎖状ケトン類を含有し、かつ芳香族炭化水素類及び環状ケトン類の合計含有量が10重量%未満である晶析溶液を調製する工程。
    (c)
    前記晶析溶液から75〜85℃で結晶を析出させ、析出した結晶を分離する工程。
  12. 以下(d)〜(f)の工程をこの順で含む、請求項3又は4記載の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの製造方法。
    (d)
    炭素数が4以上の鎖状ケトン類存在下、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンカーボネートとを反応させ、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを含む反応液を得る工程。
    (e)
    前記反応液から、炭素数が4以上の鎖状ケトン類を含有し、かつ芳香族炭化水素類及び環状ケトン類の合計含有量が10重量%未満である晶析溶液を調製する工程。
    (f)
    前記晶析溶液から90〜100℃で結晶を析出させ、析出した結晶を分離する工程。
  13. 以下(g)〜(i)の工程をこの順で含む、請求項5又は6記載の上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールの製造方法。
    (g)
    炭素数が4以上の鎖状ケトン類存在下、上記式(2)で表されるフルオレン骨格を有するフェノール化合物とエチレンカーボネートとを反応させ、上記式(1)で表されるフルオレン骨格を有するアルコールを含む反応液を得る工程。
    (h)
    前記反応液から、炭素数が4以上の鎖状ケトン類を含有し、かつ芳香族炭化水素類及び環状ケトン類の合計含有量が10重量%未満である晶析溶液を調製する工程。
    (i)
    前記晶析溶液から70℃以下で結晶を析出させ、析出した結晶を分離する工程。
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