以下、本発明の浸漬管の具体的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
実施形態1
図1は、本発明の第1実施形態に係る浸漬管10が用いられる真空脱ガス装置12の構成図を示す。図2は、本発明の第1実施形態に係る浸漬管10の断面図を示す。図3は、本発明の第1実施形態に係る浸漬管10が備えるれんが層及びれんが押さえ金具を軸中心側又は径方向外側から見た際の展開図を示す。図4は、本発明の第1実施形態に係る浸漬管10が備える内周側のれんが押さえ金具の斜視図を示す。また、図5は、本発明の第1実施形態に係る浸漬管10が備える外周側のれんが押さえ金具の斜視図を示す。
本実施形態の真空脱ガス装置12は、真空下で溶鋼などの溶湯を環流させることにより、その溶湯内から水素ガス(H2ガス)や酸素ガス(O2ガス)などを排出させる脱ガスを行う装置である。
図1に示す如く、真空脱ガス装置12は、上部槽14と、下部槽16と、2個一対の浸漬管10と、を備えている。上部槽14は、高い真空状態に減圧されている。下部槽16は、上部槽14の下方においてその上部槽14に連通されている。一対の浸漬管10はそれぞれ、下部槽16の下方においてその下部槽16に連通されていると共に、取鍋18内の溶湯20に浸漬されている。一対の浸漬管10は、互いに並設されている。一方の浸漬管10(図1においては左側)は、溶湯20が上昇する上昇管であり、他方の浸漬管10(図1においては右側)は、溶湯20が下降する下降管である。以下、上昇管である浸漬管10を上昇管10aと、下降管である浸漬管10を下降管10bと、それぞれ称す。
上記構造を有する真空脱ガス装置12において、使用中すなわち操業中は、配管22を介して上昇管10aに不活性ガス(例えば、アルゴンガスなど)が吹き込まれる。上昇管10aに不活性ガスが吹き込まれると、取鍋18内の溶湯20が、上部槽14の真空状態により下部槽16側に引き込まれて上昇管10aの溶湯通路を上昇し、その後、下降管10bの溶湯通路を下降して取鍋18に戻って環流される。この環流の過程では、溶湯20の脱ガスが進行すると共に、そのガスが真空脱ガス装置12の外部に排出される。
図2に示す如く、浸漬管10は、芯金24と、耐火物層26と、を備えている。芯金24は、金属材料(例えば、炭素鋼や合金鋼など)により構成されている。芯金24は、周方向に連続した円筒状に形成されている。芯金24は、耐火物層26の芯体として機能すると共に、浸漬管10の外周側に存在する外気を後述の溶湯通路に向けて浸透させるのを抑制する外気遮断機能を有している。尚、図2においては、一対の浸漬管10のうちの上昇管10aが示されている。
耐火物層26は、耐火物としてのれんが層30,32を有している。れんが層30は、芯金24の内周側に配置されている。また、れんが層32は、芯金24の外周側に配置されている。れんが層30,32はそれぞれ、円筒状に形成されている。以下、適宜、れんが層30を内周側れんが層30と、れんが層32を外周側れんが層32と、それぞれ称す。内周側れんが層30の内周側には、溶湯20が流通する溶湯通路34が形成されている。
内周側れんが層30は、中心軸線の回りで周方向に並べて配置された複数の定形れんが33により構成されている。定形れんが33は、芯金24の内周面に沿って並べて配置されている。外周側れんが層32は、中心軸線の回りで周方向に並べて配置された複数の定形れんが35により構成されている。定形れんが35は、芯金24の外周面に沿って並べて配置されている。定形れんが33,35はそれぞれ、マグネシアカーボン質もしくは高温で焼成されたマグネシアクロム質の耐火物であって、耐熱性及び高強度を有している。
図3に示す如く、内周側れんが層30は、使用時において内周側れんが層30の上端に位置する定形れんが33の上端位置が全周でずれないように、すなわち、軸方向一方の端面が全周で水平な平面となるように構成されている。一方、内周側れんが層30は、使用時において内周側れんが層30の下端に位置する定形れんが33の下端位置が周方向でずれるように、すなわち、軸方向他方の端面が全周で平面とならないように構成されている。各定形れんが33それぞれの軸方向他方の端面は、水平に広がる面であって、その法線が軸方向に向くように形成されている。
内周側れんが層30の軸方向端部(具体的には、使用時における下端部)には、下端位置が周方向で変化する段差36が形成されている。すなわち、内周側れんが層30は、下端に位置して周方向に隣り合う定形れんが33の下端位置同士が軸方向にずれた段差36を有している。内周側れんが層30における周方向に並んだ複数の定形れんが33は、軸方向長の長い長尺れんが38と、軸方向長の短い短尺れんが40と、からなる。上記の段差36の形成は、長尺れんが38と短尺れんが40とが周方向に交互に配置されることにより実現される。
同様に、外周側れんが層32は、使用時において外周側れんが層32の上端に位置する定形れんが35の上端位置が全周でずれないように、すなわち、軸方向一方の端面が全周で水平な平面となるように構成されている。一方、外周側れんが層32は、使用時において外周側れんが層32の下端に位置する定形れんが35の下端位置が周方向でずれるように、すなわち、軸方向他方の端面が全周で平面とならないように構成されている。各定形れんが35それぞれの軸方向他方の端面は、水平に対して斜めに傾いて広がる面であって、その法線が径方向外側に向くように形成されている。
外周側れんが層32の軸方向端部(具体的には、使用時における下端部)には、下端位置が周方向で変化する段差42が形成されている。すなわち、外周側れんが層32は、下端に位置して周方向に隣り合う定形れんが35の下端位置同士が軸方向にずれた段差42を有している。外周側れんが層32における周方向に並んだ複数の定形れんが35は、軸方向長の長い長尺れんが44と、軸方向長の短い短尺れんが46と、からなる。上記の段差42の形成は、長尺れんが44と短尺れんが46とが周方向に交互に配置されることにより実現される。
内周側れんが層30は、れんが押さえ金具50により支持されている。れんが押さえ金具50は、金属材料(例えば、鉄など)により構成されており、芯金24から内周側に向けて突設されている部材である。れんが押さえ金具50は、芯金24の内周面に連結固定(接合)されている。れんが押さえ金具50の芯金24への固定は、例えば溶接又は接着により実現される。
れんが押さえ金具50は、全体として環状に形成されている。れんが押さえ金具50は、内周側れんが層30の段差36に合わせた形状に形成されている。すなわち、その段差36に合わせて軸方向への凹部と凸部とが周方向で交互に形成された凹凸部を有している。れんが押さえ金具50の凹部は、内周側れんが層30の長尺れんが38に対応しており、その長尺れんが38の下端面に当接する。れんが押さえ金具50の凸部は、内周側れんが層30の短尺れんが40に対応しており、その短尺れんが40の下端面に当接する。
れんが押さえ金具50は、内周側れんが層30の下端に位置する定形れんが33の下端面に当接する当接部52を有している。当接部52は、その定形れんが33の下端面に対して平行に広がる面を有する板状体である。当接部52は、周方向に並んだその定形れんが33毎に対応して設けられている。すなわち、れんが押さえ金具50は、複数の当接部52を有している。各当接部52は、当接する定形れんが33の周方向幅(すなわち角度)に合わせた周方向幅(角度)を有していると共に、径方向に向けて内周側れんが層30の定形れんが33を支持するのに十分に延びた径方向幅を有している。各当接部52は、芯金24に接合されている。各当接部52は、その外周端が芯金24の内周面に接合されつつ、その外周端から内周側に向けて水平方向に延びるようにフランジ状に形成されている。
れんが押さえ金具50は、また、連結部54を有している。連結部54は、周方向に隣り合う定形れんが33に対応する当接部52a,52b同士を一体的に連結する板状体である。連結部54は、周方向に隣り合う定形れんが33にそれぞれ当接する対応の当接部52a,52b同士が軸方向に離れ又は接近するのを防止して、それらの当接部52a,52b同士の特に軸方向における位置関係を保持させる機能を有している。
連結部54は、周方向に隣り合う2つの定形れんが33の間ごとに設けられている。すなわち、れんが押さえ金具50は、複数の連結部54を有している。各連結部54は、周方向に隣り合う2つの定形れんが33に対応する2つの当接部52a,52bの、周方向で向かい合う周方向一端それぞれに連結固定(接合)されている。これにより、各連結部54は、それら2つの当接部52a,52bの周方向一端同士を連結する。連結部54と当接部52との固定は、例えば溶接又は接着により実現されればよい。各連結部54は、それらの当接部52の周方向一端から軸方向に向けて立設されている。
れんが押さえ金具50において、長尺れんが38に対応する当接部52aと短尺れんが40に対応する当接部52bとは、軸方向に所定距離だけ離間するように配置されている。連結部54は、ほぼ長方形状に形成されている。連結部54は、長尺れんが38に対応する当接部52aと短尺れんが40に対応する当接部52bとを、軸方向における位置関係が保持されるように一体的に連結する。
外周側れんが層32は、れんが押さえ金具60により支持されている。れんが押さえ金具60は、金属材料(例えば、鉄など)により構成されており、芯金24から外周側に向けて突設されている部材である。れんが押さえ金具60は、芯金24の外周面に連結固定(接合)されている。れんが押さえ金具60の芯金24への固定は、例えば溶接又は接着により実現される。
れんが押さえ金具60は、全体として環状に形成されている。れんが押さえ金具60は、外周側れんが層32の段差42に合わせた形状に形成されている。すなわち、その段差42に合わせて軸方向への凹部と凸部とが周方向で交互に形成された凹凸部を有している。れんが押さえ金具60の凹部は、外周側れんが層32の長尺れんが44に対応しており、その長尺れんが44の下端面に当接する。れんが押さえ金具60の凸部は、外周側れんが層32の短尺れんが46に対応しており、その短尺れんが46の下端面に当接する。
れんが押さえ金具60は、外周側れんが層32の下端に位置する定形れんが35の下端面に当接する当接部62を有している。当接部62は、その定形れんが35の下端面に対して平行に広がる面を有する板状体である。当接部62は、周方向に並んだその定形れんが35毎に対応して設けられている。すなわち、れんが押さえ金具60は、複数の当接部62を有している。各当接部62は、当接する定形れんが35の周方向幅(すなわち角度)に合わせた周方向幅(角度)を有していると共に、径方向に向けて外周側れんが層32の定形れんが35を支持するのに十分に延びた径方向幅を有している。各当接部62は、芯金24に接合されている。各当接部62は、その内周端が芯金24の外周面に接合されつつ、その内周端から外周側に向けて水平方向に対して斜め上方に延びるようにフランジ状に形成されている。
れんが押さえ金具60は、また、連結部64を有している。連結部64は、周方向に隣り合う定形れんが35に対応する当接部62a,62b同士を一体的に連結する板状体である。連結部64は、周方向に隣り合う定形れんが35にそれぞれ当接する対応の当接部62a,62b同士が軸方向に離れ又は接近するのを防止して、それらの当接部62a,62b同士の特に軸方向における位置関係を保持させる機能を有している。
連結部64は、周方向に隣り合う2つの定形れんが35の間ごとに設けられている。すなわち、れんが押さえ金具60は、複数の連結部64を有している。各連結部64は、周方向に隣り合う2つの定形れんが35に対応する2つの当接部62a,62bの、周方向で向かい合う周方向一端それぞれに連結固定(接合)されている。これにより、各連結部64は、それら2つの当接部62a,62bの周方向一端同士を連結する。連結部64と当接部62との固定は、例えば溶接又は接着により実現されればよい。各連結部64は、それらの当接部62の周方向一端から軸方向に向けて立設されている。
れんが押さえ金具60において、長尺れんが44に対応する当接部62aと短尺れんが46に対応する当接部62bとは、軸方向に第1の所定距離だけ離間しかつ径方向に第2の所定距離だけ離間するように配置されている。連結部64は、ほぼ平行四辺形状に形成されている。連結部64は、長尺れんが44に対応する当接部62aと短尺れんが46に対応する当接部62bとを、軸方向及び径方向における位置関係が保持されるように一体的に連結する。
尚、れんが押さえ金具50とれんが押さえ金具60とは、一体となるように互いに連結されたものであってよい。具体的には、れんが押さえ金具60の当接部62は、れんが押さえ金具50の当接部52と径方向端で繋がって一体に形成されたものであってもよい。更に、れんが押さえ金具60の連結部64は、れんが押さえ金具50の連結部54と径方向端で繋がって一体に形成されたものであってもよい。
耐火物層26は、また、耐火物としてのキャスタブル層70,72,74を有している。キャスタブル層70,72,74は、流動性を有するアルミナなどのキャスタブル材料を型枠に流し込んで(すなわち、鋳込んで)固化乾燥させたものである。キャスタブル層70,72,74はそれぞれ、円筒状に形成されている。
キャスタブル層70は、芯金24の内周側に配置されている。すなわち、キャスタブル層70は、芯金24の内周面と内周側れんが層30の外周面との間に介在しており、その間に充填されている。また、キャスタブル層72は、芯金24の外周側に配置されている。すなわち、キャスタブル層72は、芯金24の外周面と外周側れんが層32の内周面との間に介在しており、その間に充填されている。
キャスタブル層74は、芯金24の下方側に配置されている。キャスタブル層74は、浸漬管10が取鍋18に浸漬されている際にその取鍋18内の溶湯20が浸る浸漬管10の下部に設けられた部位である。キャスタブル層74は、取鍋18内の溶湯20の温度に耐え得る耐火性の比較的高い材料により構成されている。キャスタブル層74の材料は、例えば、アルミナの純度が90質量%以上であるアルミナ系の材質であり、又は、アルミナマグネシア質、アルミナスピネル質、若しくはアルミナマグネシアスピネル質の材質である。
上記のれんが層30,32の下端面は、れんが押さえ金具50,60に当接していると共に、キャスタブル層74の上面に接している。キャスタブル層74は、れんが層30,32の段差36,42に食い込むように形成されており、段差36,42に合わせて上端位置が周方向で変化する段差が形成されるように構成されている。キャスタブル層74の内周側には、溶湯20が流通する溶湯通路76が形成されている。溶湯通路76は、上記の溶湯通路34に連通している。溶湯通路76は、溶湯通路34の径と一致する径を有している。すなわち、内周側れんが層30の内径とキャスタブル層74の内径とは、一致している。
キャスタブル層74には、スタッド78が埋設されている。スタッド78は、V字状やY字状に形成されている。スタッド78は、芯金24に連結固定(接合)されており、径方向や軸方向に延びている。スタッド78は、芯金24の全周において所定間隔を隔てて複数個設けられている。スタッド78の芯金24への固定は、例えば溶接やボルトにより実現されている。スタッド78は、キャスタブル層74の脱落を抑止する機能を有している。
このように、本実施形態の浸漬管10において、内周側れんが層30は、その軸方向端部(具体的には、使用時における下端部)に、下端位置が周方向で変化する段差36が形成されるように構成されている。また、外周側れんが層32は、その軸方向端部(具体的には、使用時における下端部)に、下端位置が周方向で変化する段差42が形成されるように構成されている。また、キャスタブル層74は、れんが層30,32の段差36,42に食い込むように周方向で凹凸が形成されたものである。
かかる構成においては、内周側れんが層30とキャスタブル層74との境界の目地の軸方向位置が周方向で揃わずに変化することで、その目地が周方向に向けて単純に一周化されることが回避される。また、外周側れんが層32とキャスタブル層74との境界の目地の軸方向位置が周方向で揃わずに変化することで、その目地が周方向に向けて単純に一周化されることが回避される。このため、本実施形態の浸漬管10によれば、上記した境界の目地において損傷が生じ易くなるのを抑止することができ、これにより、れんが層30,32の脱落を抑制することができる。
また、本実施形態の浸漬管10において、内周側れんが層30を支持するれんが押さえ金具50は、内周側れんが層30の段差36に合わせた形状に形成されている。このれんが押さえ金具50は、内周側れんが層30の下端に位置する定形れんが33毎に対応して設けられ、芯金24に接合されると共にその定形れんが33の下端面に当接する当接部52と、周方向に隣り合う定形れんが33に対応する当接部52a,52b同士を一体的に連結する連結部54と、を有している。
また、外周側れんが層32を支持するれんが押さえ金具60は、外周側れんが層32の段差42に合わせた形状に形成されている。このれんが押さえ金具60は、外周側れんが層32の下端に位置する定形れんが35毎に対応して設けられ、芯金24に接合されると共にその定形れんが35の下端面に当接する当接部62と、周方向に隣り合う定形れんが35に対応する当接部62a,62b同士を一体的に連結する連結部64と、を有している。
かかる構成においては、れんが層30,32の下端に位置する定形れんが33,35かられんが押さえ金具50,60の当接部52,62へ荷重が加わった際、その荷重をその対応の当接部52,62で受けると共に、その当接部52,62に対して連結部54,64を介して一体的に連結する他の当接部52,62でも受けることが可能である。すなわち、周方向に並んだ各定形れんが33,35それぞれを、連結部54,64を介して一体的に連結する複数の当接部52,62同士が連携して支持することができ、れんが押さえ金具50,60の当接部52,62の軸方向端面全体で支持することができる。
このため、本実施形態の浸漬管10によれば、周方向に並んだ定形れんが33,35毎に一対一で対応して独立したれんが押さえ金具が設けられる構成と比較して、れんが押さえ金具50,60によるれんが層30,32の支持強度を上げることができ、れんが層30,32の保持力を向上させることができる。これにより、れんが層30,32の脱落を抑止することができる。
従って、本実施形態の浸漬管10によれば、段差36,42の形成によりれんが層30,32とキャスタブル層74との境界の目地における損傷を抑止すると共に、れんが押さえ金具50,60の構成によりれんが層30,32の支持強度を上げることでれんが層30,32の脱落を抑止することができる。
また、浸漬管10において、れんが押さえ金具50,60の当接部52,62は、芯金24に溶接や接着などにより連結固定される。かかる構成においては、周方向に並んだ定形れんが33,35毎に一対一で対応して独立したれんが押さえ金具が設けられる構成と比較して、芯金24が熱の影響などに起因して変形しても、れんが押さえ金具50,60がその芯金24から外れ難くすることができる。従って、浸漬管10によれば、れんが押さえ金具50,60に支持されるれんが層30,32の脱落を抑止することができ、これにより、芯金24の変形に対する耐性を向上させることができる。
ところで、上記の実施形態においては、キャスタブル層74が特許請求の範囲に記載した「キャスタブル層」に相当している。
尚、上記の第1実施形態においては、内周側れんが層30の各定形れんが33それぞれの軸方向他方の端面が水平に広がり、図4に示す如く、内周側れんが層30に対応するれんが押さえ金具50の、長尺れんが38に対応する当接部52aと短尺れんが40に対応する当接部52bとが軸方向に所定距離だけ離間するように配置されると共に、連結部54がほぼ長方形状に形成されているものとし、更に、外周側れんが層32の各定形れんが35それぞれの軸方向他方の端面が水平に対して斜めに傾いて広がり、図5に示す如く、外周側れんが層32に対応するれんが押さえ金具60の、長尺れんが44に対応する当接部62aと短尺れんが46に対応する当接部62bとが軸方向に第1の所定距離だけ離間しかつ径方向に第2の所定距離だけ離間するように配置されると共に、連結部64がほぼ平行四辺形状に形成されているものとしている。
しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、外周側れんが層32の各定形れんが35それぞれの軸方向他方の端面が水平に広がり、外周側れんが層32に対応するれんが押さえ金具60の、長尺れんが44に対応する当接部62aと短尺れんが46に対応する当接部62bとが軸方向に所定距離だけ離間するように配置されると共に、連結部64がほぼ長方形状に形成されているものとしてもよい。
更に、上記の第1実施形態又は上記の変形例において、内周側れんが層30の各定形れんが33それぞれの軸方向他方の端面が水平に対して斜めに傾いて広がり、内周側れんが層30に対応するれんが押さえ金具50の、長尺れんが38に対応する当接部52aと短尺れんが40に対応する当接部52bとが軸方向に第1の所定距離だけ離間しかつ径方向に第2の所定距離だけ離間するように配置されると共に、連結部54がほぼ平行四辺形状に形成されているものとしてもよい。
上記の第1実施形態に係る浸漬管10においては、れんが押さえ金具50,60の当接部52,62が、れんが層30,32の下端に位置する定形れんが33,35の下端面に当接する、その定形れんが33,35の下端面に対して平行に広がる面を有する板状体であると共に、連結部54,64が、周方向に隣り合う定形れんが33,35に対応する当接部52,62の周方向一端同士を連結する軸方向に向けて立設される板状体である。
実施形態2
図6は、本発明の第2実施形態に係る浸漬管100が備えるれんが層及びれんが押さえ金具を軸中心側又は径方向外側から見た際の展開図を示す。また、図7は、本発明の第2実施形態に係る浸漬管100が備えるれんが押さえ金具の斜視図を示す。尚、図6及び図7において、上記図1などに示す構成部品と同一の構成部品については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
これに対して、本発明の第2実施形態に係る浸漬管100は、れんが押さえ金具102,104を備えている。内周側れんが層30は、れんが押さえ金具102により支持されている。れんが押さえ金具102は、金属材料(例えば、鉄など)により構成されており、芯金24から内周側に向けて突設されている部材である。れんが押さえ金具102は、芯金24の内周面に連結固定(接合)されている。れんが押さえ金具102の芯金24への固定は、例えば溶接又は接着により実現される。れんが押さえ金具102は、全体として環状に形成されている。
れんが押さえ金具102は、内周側れんが層30の下端に位置する定形れんが33の下端面に当接する当接部106,108を有している。当接部106,108は、その定形れんが33の下端面に対して平行に芯金24から内周側に向けて延びるアーム状に形成された構造体であって、定形れんが33を支持する支持体である。尚、当接部106,108は、断面が四角形である角張ったアーム状に形成されていてよい。当接部106,108は、周方向に並んだその定形れんが33毎に対応して設けられている。当接部106は、長尺れんが38に対応してその下端面に当接する。当接部108は、短尺れんが40に対応してその下端面に当接する。
れんが押さえ金具102は、複数の当接部106と、複数の当接部108と、を有している。各当接部106,108は、芯金24に接合されている。各当接部106,108は、その外周端が芯金24の内周面に接合されつつ、その外周端から内周側に向けて延びるようにアーム状に形成されている。当接部106,108はそれぞれ、径方向に延びていると共に、また、軸方向に延びている。当接部106の軸方向長さは、当接部108の軸方向長さに比べて短い。当接部106と当接部108とは、軸方向の下端位置がほぼ一致しかつ内周側れんが層30の段差36に合わせて軸方向の上端位置がずれるように構成されている。
れんが押さえ金具102は、また、連結部110を有している。連結部110は、周方向に隣り合う定形れんが33に対応する当接部106及び当接部108同士を一体的に連結する丸棒又は板状体である。連結部110は、周方向に隣り合う定形れんが33にそれぞれ当接する対応の当接部106及び当接部108同士が軸方向に離れ又は接近するのを防止して、それらの当接部106及び当接部108同士の特に軸方向における位置関係を保持させる機能を有している。
連結部110は、環状に形成されている。環状の連結部110は、内周側れんが層30の定形れんが33を支持するのに必要な径方向幅を有している。連結部110は、内周側れんが層30の下端に位置する周方向に並んだすべての定形れんが33に対応する当接部106,108それぞれに連結固定(接合)されている。これにより、連結部110は、すべての当接部106,108の軸方向一端(具体的には、軸方向下端)同士を連結する。連結部110と当接部106,108との固定は、例えば溶接又は接着により実現されればよい。
また、外周側れんが層32は、れんが押さえ金具104により支持されている。れんが押さえ金具104は、金属材料(例えば、鉄など)により構成されており、芯金24から外周側に向けて突設されている部材である。れんが押さえ金具104は、芯金24の外周面に連結固定(接合)されている。れんが押さえ金具104の芯金24への固定は、例えば溶接又は接着により実現される。れんが押さえ金具104は、全体として環状に形成されている。
れんが押さえ金具104は、外周側れんが層32の下端に位置する定形れんが35の下端面に当接する当接部112,114を有している。当接部112,114は、その定形れんが35の下端面に対して平行に芯金24から外周側に向けて延びるアーム状に形成された構造体であって、定形れんが35を支持する支持体である。尚、当接部112,114は、断面が四角形である角張ったアーム状に形成されていてよい。当接部112,114は、周方向に並んだその定形れんが35毎に対応して設けられている。当接部112は、長尺れんが44に対応してその下端面に当接する。当接部114は、短尺れんが46に対応してその下端面に当接する。
れんが押さえ金具104は、複数の当接部112と、複数の当接部114と、を有している。各当接部112,114は、芯金24に接合されている。各当接部112,114は、その内周端が芯金24の外周面に接合されつつ、その内周端から外周側に向けて延びるようにアーム状に形成されている。当接部112,114はそれぞれ、径方向に延びていると共に、また、軸方向に延びている。当接部112の軸方向長さは、当接部114の軸方向長さに比べて短い。当接部112と当接部114とは、軸方向の下端位置がほぼ一致しかつ外周側れんが層32の段差42に合わせて軸方向の上端位置がずれるように構成されている。
れんが押さえ金具104は、また、連結部116を有している。連結部116は、周方向に隣り合う定形れんが35に対応する当接部112及び当接部114同士を一体的に連結する丸棒又は板状体である。連結部116は、周方向に隣り合う定形れんが35にそれぞれ当接する対応の当接部112及び当接部114同士が軸方向に離れ又は接近するのを防止して、それらの当接部112及び当接部114同士の特に軸方向における位置関係を保持させる機能を有している。
連結部116は、環状に形成されている。環状の連結部116は、外周側れんが層32の定形れんが35を支持するのに必要な径方向幅を有している。連結部116は、外周側れんが層32の下端に位置する周方向に並んだすべての定形れんが35に対応する当接部112,114それぞれに連結固定(接合)されている。これにより、連結部116は、すべての当接部112,114の軸方向一端(具体的には、軸方向下端)同士を連結する。連結部116と当接部112,114との固定は、例えば溶接又は接着により実現されればよい。
尚、れんが層30,32の下端面とれんが押さえ金具102,104の連結部110,116との隙間には、キャスタブル層74が充填されていればよい。
また、れんが押さえ金具102とれんが押さえ金具104とは、一体となるように互いに連結されたものであってよい。具体的には、れんが押さえ金具104の当接部112は、れんが押さえ金具102の当接部106と径方向端で繋がって一体に形成されると共に、れんが押さえ金具104の当接部114は、れんが押さえ金具102の当接部108と径方向端で繋がって一体に形成されたものであってもよい。更に、れんが押さえ金具104の連結部116は、れんが押さえ金具102の連結部110と径方向端で繋がって一体に形成されたものであってもよい。
このような浸漬管100において、れんが層30,32を支持するれんが押さえ金具102,104は、れんが層30,32の段差36,42に合わせた形状に形成されている。れんが押さえ金具102,104は、れんが層30,32の下端に位置する定形れんが33,35毎に対応して設けられ、芯金24に接合されると共にその定形れんが33,35の下端面に当接する当接部106,108,112,114と、周方向に隣り合う定形れんが33,35に対応する当接部106,108,112,114同士を一体的に連結する連結部110,116と、を有している。
かかる構成においても、れんが層30,32の下端に位置する定形れんが33,35かられんが押さえ金具102,104の当接部106,108,112,114へ荷重が加わった際、その荷重をその対応の当接部106,108,112,114で受けると共に、その当接部106,108,112,114に対して連結部110,116を介して一体的に連結する他の当接部106,108,112,114でも受けることが可能である。すなわち、周方向に並んだ各定形れんが33,35それぞれを、連結部110,116を介して一体的に連結する複数の当接部106,108,112,114同士が連携して支持することができ、れんが押さえ金具102,104の当接部106,108,112,114の軸方向端面全体で支持することができる。
このため、本実施形態の浸漬管100によれば、周方向に並んだ定形れんが毎に一対一で対応して独立したれんが押さえ金具が設けられる構成と比較して、れんが押さえ金具102,104によるれんが層30,32の支持強度を上げることができ、れんが層30,32の保持力を向上させることができる。これにより、れんが層30,32の脱落を抑止することができる。従って、段差36,42の形成によりれんが層30,32とキャスタブル層74との境界の目地における損傷を抑止すると共に、れんが押さえ金具102,104の構成によりれんが層30,32の支持強度を上げることでれんが層30,32の脱落を抑止することができる。
また、この浸漬管100においても、れんが押さえ金具102,104の当接部106,108,112,114は、芯金24に溶接や接着などにより連結固定される。かかる構成においては、周方向に並んだ定形れんが33,35毎に一対一で対応して独立したれんが押さえ金具が設けられる構成と比較して、芯金24が熱の影響などに起因して変形しても、れんが押さえ金具102,104がその芯金24から外れ難くすることができる。従って、浸漬管100によれば、れんが押さえ金具102,104に支持されるれんが層30,32の脱落を抑止することができ、これにより、芯金24の変形に対する耐性を向上させることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
例えば、上記の第1及び第2実施形態においては、内周側れんが層30及び外周側れんが層32の双方がその下端部に段差36,42の形成されるものであって、それらのれんが層30,32それぞれに対応してれんが押さえ金具50,60,102,104が設けられている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、内周側れんが層30及び外周側れんが層32の何れか一方のみが下端部に段差36,42の形成されるものであって、その一方のれんが層30,32に対応してれんが押さえ金具50,60,102,104が設けられているものであってよい。