JP2017204334A - 電極の製造方法、ならびに非水電解質二次電池および蓄電ユニット - Google Patents

電極の製造方法、ならびに非水電解質二次電池および蓄電ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】電池のガス発生を低減し、極板抵抗が低い電極の製造方法、及び当該電極を含む非水電解質二次電池、並びに当該非水電解質二次電池を含む蓄電池の提供。【解決手段】正極活物質を含む正極1及び負極活物質を含む負極2の製造方法を、バインダーと、正極活物質若しくは負極活物質、又は導電助材とを乾式混合して、電極合剤を調製する工程aと、電極合剤を非水溶媒に分散させて電極合剤溶液を調製する工程bと、正極活物質又は負極活物質、及び導電助材のうち、電極合剤に含まれない一方を電極合剤溶液に加えてスラリーを調整する工程cと、を順次行ない、更にスラリーの固形分濃度(SC)を75wt%未満とする電極1,2の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、電極の製造方法、ならびに非水電解質二次電池および蓄電ユニットに関するものである。
携帯機器、ハイブリット自動車、電気自動車または家庭用蓄電システムなどの用途に用いられる非水電解質二次電池は、容量および安定性を向上させる目的で、その製造方法について様々な検討が行われている。
例えば電極の製造方法としては、電極活物質、導電助材およびそれらを結着する結着剤を溶媒に分散させたスラリーを集電体上に塗布し、電極を形成する方法が用いられているが、当該方法においては、材料が均一に分散した高分散スラリーを調製し、極板抵抗が低い電極を作製することが重要である。
特許文献1には、電極活物質とイオン界面活性剤と導電材とを含むスラリーを調整することにより、極板抵抗が低減された電極を得る、電極の製造方法が開示されている。
特開2006−302617号公報
しかしながら、特許文献1の技術 では、界面活性剤の添加が電池内におけるガス発生の原因となることを発明者らは見出した。
本発明は当該問題を解決するためになされたものである。その目的は、電池のガス発生を低減しつつ、極板抵抗が低い電極の製造方法、および当該電極を含む非水電解質二次電池、ならびに当該非水電解質二次電池を含む蓄電池を提供することにある。
本発明に係る電極の製造方法は、バインダーと、正極活物質もしくは負極活物質、または導電助材とを乾式混合して、電極合剤を調製する工程aと、電極合剤を非水溶媒に分散させて電極合剤溶液を調製する工程bと、正極活物質または負極活物質、および導電助材のうち、電極合剤に含まれない一方を電極合剤溶液に加えてスラリーを調整する工程c、とを順次行ない、スラリーの固形分濃度(SC)を75wt%未満 とする。
本発明に係る電極の製造方法よると、極板抵抗が低い電極、および当該電極を含む非水電解質二次電池、ならびに当該非水電解質二次電池を含む蓄電池が得られる。
本発明にかかる非水電解質二次電池の断面図である。
本発明に係る非水電解質二次電池について、理解の容易のために一実施形態である図1を用いて説明する。
図1は非水電解質二次電池の断面図である。非水電解質二次電池10は、正極1と、負極2と、セパレータ3とからなる積層体5、非水電解液6、端子7、および封入体8を含む。
<正極および負極>
電極(正極1及び負極2)は、金属イオンの挿入及び脱離、すなわち電極反応をする機能を有し、当該電極反応により、非水電解質二次電池の充電及び放電が為される。
電極は、活物質を含む活物質層と、集電体とからなる。正極1において、正極集電体22の片面または両面に正極活物質層23が形成され、負極2において、集電体32の片面または両面に負極活物質層33が形成される。
なお、電極は集電体の片面に正極活物質層23、他方に負極活物質層33が形成された形態、すなわち双極型(バイポーラ)であってもよい。
活物質は、電極反応に寄与する物質である 。
正極活物質としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、またはオリビン酸鉄リチウム等のリチウム遷移金属複合酸化物が好適に用いられ、安定性に優れる点から、マンガン酸リチウムがより好ましい。
マンガン酸リチウムとしては、Li1+xMyMn2―x―y (0≦x≦0.2、0<y≦0.6、Mは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素からなる群から選択される少なくとも1種)で表されるスピネル型マンガン酸リチウムであれば好適に用いられる。
スピネル型マンガン酸リチウムは、安定性に優れる点から、Mが、Al、Mg、Zn、Ni、Co、Fe、Ti、Cu、Zr、またはCrであれば好ましく、Al、Mg、Zn、Ni、TiまたはCrがより好ましく、安定性がより優れる点から、Al、Mg、Zn、TiまたはNiがさらに好ましい。
スピネル型マンガン酸リチウムとしては、具体的に、
Li1+xAlMn2―x―y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xMgMn2―x―y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xZnMn2―x―y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xCrMn2―x―y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xNiMn2―x―y(0≦x≦0.05、0.45≦y≦0.5)、
Li1+xNiy−zAlMn2―x―y(0≦x≦0.05、0.45≦y≦0.5、0.005≦z≦0.03)、
およびLi1+xNiy−zTizMn2―x―yO(0≦x≦0.05、0.45≦y≦0.5、0.005≦z≦0.03)より選ばれる少なくとも1種が好ましく、
Li1+xAlMn2―x―y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xMgMn2―x―y(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xNiMn2―x―y(0≦x≦0.05、0.45≦y≦0.5)、
またはLi1+xNiy−zTiMn2―x―y(0≦x≦0.05、0.45≦y≦0.5、0.005≦z≦0.03)がより好ましい。
正極活物質は、さらに、層状岩塩型化合物を含んでいてもよい。
層状岩塩型化合物としては、Liを含まないコバルト化合物、層状岩塩型構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物などが挙げられる。
Liを含まないコバルト化合物としては、CoまたはCoなどのコバルト酸化物、CoO(OH)などのコバルト水酸化物、CoCOなどの炭酸コバルト、塩化コバルト、硫酸コバルト、コバルト含有有機化合物、またはフッ化コバルトが好適に用いられ、ガス発生量の抑制および充電終止電圧の高電圧化の効果が大きい点から、コバルト酸化物、コバルト水酸化物、または炭酸コバルトがより好ましい。
層状岩塩型構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物としては、LiNiCoMn(但し、Xは、B、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Ga、Ge、Sr、Zr、Nb、Mo、In、Snからなる群から選択される少なくとも1種、0<a≦1.2、0≦b、c、d、e≦1、およびb+c+d+e=1)で表される化合物が好ましく、ガス発生減少、および充電終止電圧の高電圧化の効果 が大きいことから、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiNi0.5Mn0.5、LiMn0.4Ni0.4Co0.2、LiMn0.1Ni0.1Co0.8、LiNi0.8Co0.16Al0.04、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiNiO、LiMnO、およびLiCoOより選ばれる1種がより好ましく、LiCoOがさらに好ましい。
また、LiNiCoMnは、aが1より大きい、いわゆるリチウムリッチ系であってもよい。
正極活物質における層状岩塩型化合物の割合は、1wt%以上10wt%以下が好ましい。
特に正極活物質におけるスピネル型マンガン酸リチウムの重量をAとし、層状岩塩型化合物の重量をBとした場合に、0.01≦B/(A+B)≦0.1の範囲を含むことが好ましい。このような範囲であれば、ガス発生量減少の効果が大きく、さらに充電終止電圧の高電圧化の効果が大きい。
正極活物質の表面は、導電性向上および安定性向上のため、炭素材料、金属酸化物、または高分子等で覆われてもよい。
負極活物質としては、炭素材料、シリカ(Si)、SiO、スズ(Sn)またはチタン含有酸化物が好適に用いられ、材料自身の安定性が高いことから、チタン含有酸化物がより好ましい。
チタン含有酸化物としては、充放電反応時における不可逆容量が小さいことから、チタン酸リチウムまたは二酸化チタンが好ましい。
チタン酸リチウムは、スピネル構造またはラムズデライト型であることが好ましく、電極反応時における活物質の膨張収縮が小さく、電池のサイクル特性が良好となる点から、分子式としてLiTi12で表されるスピネル構造がより好ましい。
二酸化チタンとしては、ブロンズ(B)型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタンまたはラムズデライト型二酸化チタン等が例示されるが、不可逆容量が小さく、電池のサイクル安定性に優れることから、B型二酸化チタンが好ましい。
なおチタン含有酸化物は、さらにニオブ(Nb)などのチタン以外の元素を微量含んでいてもよい。
これら負極活物質は、1種類を用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
また負極活物質は、導電性および安定性を良好にする目的で、表面が炭素材料、金属酸化物または高分子等で覆われてもよい。
集電体22,32は、活物質層23,33から集電をする部材である。
正極の集電体22としては、アルミニウムおよびその合金であることが好ましい。アルミニウムとしては、正極反応雰囲気下で安定であることから、特に限定されないが、JIS規格1030、1050、1085、1N90、1N99等に代表される高純度アルミニウムであることが好ましい。
負極の集電体32としては、銅、SUS、ニッケル、チタン、アルミニウムおよびそれらの合金が好適に用いられる。
集電体22,32の厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
正極の電気容量と負極の電気容量との比は、1≦D/C≦1.2(Cは正極1cm2あたりの電気容量を示し、Dは負極1cm2あたりの電気容量を示す。)を満たすことが好ましい。D/Cが1以上であれば、過充電時に負極の電位がリチウムの析出電位とならない。一方でD/Cが1.2以下であれば、負極活物質による副反応が少なくなり、ガス発生が抑えられる。
正極と負極との面積比は、特に限定されないが、1≦F/E≦1.2(Eは正極の面積、Fは負極の面積を示す。)を満たすことが好ましい。F/Eが1以上であれば、負極の面積が正極よりも大きくなって、負極でのリチウム析出が抑えられる。一方F/Eが1.2以下であれば、正極に接する負極面積の割合が大きくなるため、電池反応に関与しない負極活物質による副反応が起きにくくなり、その結果ガス発生が抑止される。
正極および負極は、さらに導電助材を含んでいてもよい。導電助材とは、電極の導電性を補助する働きを有する、導電性の物質である。
正極の導電助材としては、炭素材料であれば好適に用いられ、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、およびファーネスブラックよりなる群から選ばれる少なくとも1つが好ましく、アセチレンブラックおよび/またはケッチェンブラックがより好ましい。
負極の導電助材としては、特に限定されないが、金属材料または炭素材料が好ましい。
金属材料としては、銅またはニッケルなどが好適に用いられる
炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラックまたはファーネスブラックなどが挙げられる。
正極または負極に含まれる導電助材は、比表面積が400m/g以下が好ましく、100m/g以下がより好ましい。
これら導電助材は1種類を用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。
正極または負極に含まれる導電助材の量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。このような範囲であれば、正極の導電性が確保され、かつ集電体と活物質層との接着性が好適となる。
正極および負極は、さらにバインダーを含んでいてもよい。バインダーとは、活物質層23,33内の材料同士の結着性、および活物質層23,33と集電体22,32との結着性を高める材料である。
バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド、およびそれらの誘導体からなる群からえらばれる少なくとも1種を用いることができる。
正極または負極に含まれるバインダーの量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。このような範囲であれば、活物質層と集電体との接着性が好適となる。
<電極の作製方法>
電極の作製方法としては、正極活物質または 負極活物質、導電助材、バインダー、および非水溶媒を含む電極用スラリーを作製し、その後、電極用スラリーを集電体上に担持し、そして非水溶媒を除去して、活物質層を集電体上に形成する方法が好適に用いられる。
非水溶媒は、スラリー中において活物質などの材料を分散させる働きをもつ。
非水溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、またはテトラヒドロフランが好適に用いられる。
<スラリーの製造方法>
スラリーの製造方法は、バインダーと、正極活物質もしくは負極活物質、または導電助材とを乾式混合して、電極合剤を調製する工程aと、電極合剤を非水溶媒に分散させた電極合剤溶液を調製する工程bと、正極活物質または負極活物質、および導電助材のうち、電極合剤に含まれない一方を電極合剤溶液に加えてスラリーを調整する工程c、とを順次行なうことを要する。
ここでいう乾式混合とは、液体を含まない固体材料の混合を指し、固体材料の形状としては粉体、粒体などが好適に用いられる。
各工程a〜cの具体的な手段としては、自転公転ミキサー、ボールミル、プラネタリーミキサー、ジェットミル、超音波分散機、または薄膜旋回型ミキサーによる混合であれば好適に用いられ、自転公転ミキサー、プラネタリーミキサー、または薄膜旋回型ミキサーがより好ましく、量産性に優れる点から、プラネタリーミキサーがさらに好ましい。
工程aで電極活物質とバインダーとを乾式混合してもよいし、導電助材とバインダーとを乾式混合してもよい。
工程cにおけるスラリーの固形分濃度は75wt%未満であることを要し 、良好な電極形成が行われる点から、66wt%以下が好ましく、30wt%以上66wt%以下がより好ましい。
工程cにおけるスラリーの粘度は500cP以上8000cP以下が好ましく、活物質の分散性が良好となる点から、500cP以上5000cP以下がより好ましく、スラリーの加工性が良好となる点から、600cP以上4000cP以下がさらに好ましく、1000cP以上4000cP以下が特に好ましい。
さらに工程cの後に、 スラリーの粘度を調整する目的で、スラリーを希釈または濃縮しても良い。希釈には、工程bと同じ非水溶媒を用いても良いし、それ以外の溶媒を用いても良い。
材料から余分な空気および水分が抜けてスラリーの分散性が良好となる点から、工程a〜cにおいて、少なくとも工程cが減圧下で行われることが好ましく、工程a〜cが減圧下で行われることがより好ましい。
工程a〜cにおける混合の条件は特に限定されないが、混合機内温度が0〜40℃、外気水分濃度が2%以下、かつ気圧がゲージ圧表示−0.1MPa以上0.0MPa以下であれば好適である。
<セパレータ>
セパレータ3は、正極1と負極2との間に設置され、これらの間のリチウムイオンなどの金属イオンの伝導を仲介する媒体としての機能を有する。
セパレータとしては、電気絶縁性を有し、かつ非水電解液を含浸する構造であれば特に限定されず、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、及びそれらを2種類以上複合した織布、不織布または微多孔膜が好適に用いられる。サイクル特性の安定性が優れることから、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、及びそれらを2種類以上複合した不織布よりが好ましい。
セパレータは、各種可塑剤、酸化防止剤または難燃剤が含まれてもよいし、金属酸化物等が被覆されていてもよい。
セパレータの厚みは、10μm以上100μm以下であれば好適である。
セパレータと負極との面積比は特に限定されないが、1≦H/G≦1.5(
Gは負極の面積、Hはセパレータの面積を示す。)を満たすことが好ましい。
H/Gが1以上であれば、正極と負極との接触が起こりにくくなり、1.5以下であれば電池の体積が小さくて済むため、その結果、電池の出力密度は高くなる。
<積層体>
積層体は、正極1と負極2との間にセパレータ3を配置したものを倦回または積層してなる。
<非水電解液>
非水電解液6は、正極1と負極2との間のイオン伝達を媒介する機能を有し、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液、または非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質などを用いることができる。
溶質としては、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCF3SO3、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SO2CF3)2などのリチウム塩であれば好適に用いられる。
非水溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、鎖状エーテル、及びアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の溶質を溶解させやすさ、リチウムイオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。
2種類以上混合する場合、高温時の安定性が高く、且つ低温時のリチウム伝導性が高いことから、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、およびメチルプロピルカーボネートに例示される鎖状カーボネートのうち1種類以上、と、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトンに例示される環状化合物のうち1種類以上との混合が好ましく、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、およびジエチルカーボネートに例示される鎖状カーボネートのうち1種類以上と、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートに例示される環状カーボネートのうち1種類以上との混合が特に好ましい。
なお非水電解液6は、難燃性の賦与および非水電解液と電極との副反応抑止に好適である点から、被膜形成剤がさらに含まれていても良い。
溶質の濃度は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であれば好適に用いられる。
非水電解液6の量は、特に限定されないが、電池容量1Ahあたり、0.1mL以上であることが好ましい。
非水電解液6は、正極、負極およびセパレータに含ませてもよいし、それらを積層体としたに添加してもよい。
<端子>
端子7は、非水電解質二次電池10と外部機器とを電気的に繋ぐ部材である。
端子7は、正極形成部材15および正極端子71、または負極形成部材16および負極端子72に接続される。
端子7としては、導電体であれば好適に用いられ、性能とコストとのバランスが良好である点から、アルミニウムがより好ましい。
<封入体>
封入体8は、積層体5および非水電解液6を、非水電解質二次電池10の外にある水分および空気から保護する機能を有する。
封入体8としては、金属箔にヒートシール用の熱可塑性樹脂層を設けた複合フィルム、蒸着やスパッタリングによって形成された金属層、または角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形もしくはシート形の金属缶が好適に用いられ、複合フィルムがより好ましい。
<蓄電装置>
本発明の非水電解質二次電池は、複数接続することによって組電池とすることができる。
本発明の組電池は、所望の大きさ、容量、電圧によって適宜直列および/または並列に接続することによって作製することができる。
組電池は、電池の充電状態の確認および安全性向上のため、制御回路を有することが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施が可能である。
<実施例1>
(スピネル型マンガン酸リチウムの製造)
Li1.1Al0.1Mn1.8の粉末を、文献(Electrochemical and Solid−State Letters、9(12)、A557(2006))に記載されている方法を応用して製造した。
(コバルト酸リチウムの製造)
コバルト原子とリチウム原子の原子比が1:1.03となるように、コバルト水酸化物と水酸化リチウム一水和物とを秤量して、十分に混合した。その後、得られた粉状の混合物を大気雰囲気中で850℃の温度で所定の時間焼成および粉砕することにより、コバルト酸リチウムを得た。
(正極の作製)
まず導電助材としてアセチレンブラック(比表面積68m/g) を4重量部、およびバインダーとしてPVdF4重量部をプラネタリーミキサーに添加して、高速攪拌機および低速攪拌機の回転数を50rpmに設定して10分間混合し、電極合剤を得た。
次にNMP77重量部を加えて高速攪拌機の回転数を1000rpmおよび低速攪拌機の回転数を90rpmに設定し、20分間混合して電極合剤溶液を調製した。
次にスピネル型マンガン酸リチウム(LMO)とコバルト酸リチウム(LCO)を96:4の重量比で混合した正極活物質92重量部を加えて、高速攪拌機の回転数を400rpmおよび低速攪拌機の回転数を60rpmに設定して10分間混合した。
その後、高速攪拌機の回転数を2000rpmおよび低速攪拌機の回転数を150rpmに設定して30分間混合して正極スラリーを調製した。このとき、スラリーを固形分濃度(SC)56%とした。
その後、得られた正極スラリーにNMPを15重量部添加し、希釈混合したものを電極用スラリーAとした。
また、低速攪拌機の回転数を10rpmに設定して電極用スラリーAを終夜混合したものを電極用スラリーBとした。
次に、電極用スラリーAをアルミニウム箔(15μm)の両面に塗工した電極シートを170℃で真空乾燥し、4cm×6cmの大きさに打ち抜くことで正極A を得た。
また電極用スラリーBをアルミニウム箔(15μm)の両面に塗工した電極シートを170℃で真空乾燥した後に、4cm×6cmの大きさに打ち抜くことで正極Bを得た。
(負極の作製)
まず、LiTi12の粉末を、文献(Journal of Electrochemical Society、142、1431(1995))に記載されている方法で製造した。
次に、負極活物質としてLiTi12を92重量部、導電助材としてアセチレンブラックを3重量部、バインダーとしてPVdFを5重量部、および溶媒としてNMPを128重量部を含む負極スラリーを混合した。
次に、負極スラリーをアルミニウム箔(15μm)に塗工した後に170℃で真空乾燥し、得られた電極シートを4.3cm×6.3cmの大きさに打ち抜くことで負極を得た。
(非水電解質二次電池の作製)
正極Aを13枚、負極を14枚用い、それぞれをポリプロピレン(22μm)を介して正極と負極が交互になるように重ね合わせた後、これらの正極をまとめて正極端子1個に、これらの負極をまとめて負極端子1個に、各々振動溶着させることで、端子を備える電極群を得た。
次に、この端子を備える電極群を、端子が部分的に外側に延在するようにして、袋状のアルミラミネートシートに入れ、さらにそこに、非水電解液(非水溶媒としてエチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=3:7(体積比)、支持塩である溶質としてLiPF=1mol/Lを使用)を6mL入れ、その袋内を減圧しながら袋の開口部を封止し、更に12時間養生することによって非水電解質二次電池を得た。
<実施例2>
以下の工程以外は実施例1と同じとした。正極作製において、実施例1の正極活物質92重量部、およびPVdF4重量部をプラネタリーミキサーに添加して、高速攪拌機および低速攪拌機の回転数を50rpmに設定し、10分間混合した。
次にNMP53重量部を加えて高速攪拌機の回転数を1000rpmおよび低速攪拌機の回転数を60rpmに設定し、20分間混合して電極合剤溶液を調製した。
次に導電助材としてアセチレンブラック2重量部およびケッチェンブラック(比表面積380m/g) 2重量部を加えて、高速攪拌機の回転数を400rpmおよび低速攪拌機の回転数を60rpmに設定して10分間混合した。
その後、NMP28重量部を加えて高速攪拌機の回転数を2000rpmおよび低速攪拌機の回転数を150rpmに設定して20分間混合して正極スラリーを調製した。このとき、スラリーのSCを56%とした。
その後、得られたスラリーにNMPを9重量部添加し、希釈混合したものを電極用スラリーAとした。さらに低速攪拌機の回転数を10rpmに設定して電極用スラリーAを終夜混合したものを電極用スラリーBとした。
次に、電極用スラリーAをアルミニウム箔(15μm)の両面に塗工した電極シートを170℃で真空乾燥した後に、4cm×6cmの大きさに打ち抜くことで正極Aを得た。
さらに電極用スラリーBをアルミニウム箔(15μm)の両面に塗工した電極シートを170℃で真空乾燥した後に、4cm×6cmの大きさに打ち抜くことで正極Bを得た。
<比較例1>
以下の工程以外は実施例1と同じとした。正極作製において、まず、実施例1の正極活物質92重量部およびアセチレンブラック4重量部を含む電極合剤とした。
さらに、PVdF4重量部にNMP46重量部を加えて溶かした溶液を作成し、溶液44重量部と電極合剤とを、高速攪拌機の回転数を400rpmおよび低速攪拌機の回転数を60rpmに設定し、20分間混合して電極合剤溶液を調整した。
その後、高速攪拌機の回転数を2000rpmおよび低速攪拌機の回転数を150rpmに設定して40分間混合して正極スラリーを調製した。このとき、スラリーのSCを71wt%とした。
そして、スラリーに溶液6重量部を加え、NMP33重量部で希釈したものを電極用スラリーAとした。
<比較例2>
以下の工程以外は実施例1と同じとした。正極作製において、まず、アセチレンブラック4重量部、PVdF4重量部、NMP58重量部、および微量の界面活性剤を含む分散剤液を作成した。次に、LMOとLCOとを96:4の重量比で混合した正極活物質92重量部と、分散剤液34重量部をプラネタリーミキサーに添加して、高速攪拌機の回転数を400rpmおよび低速攪拌機の回転数を60rpmに設定し、20分間混合して電極合剤溶液を調製した。
次に高速攪拌機の回転数を2000rpmおよび低速攪拌機の回転数を150rpmに設定して40分間混合して正極スラリーを調製した。このとき、スラリーのSCを76%とした。
そして、スラリーを実施例2の分散剤液32重量部で希釈混合したものを電極用スラリーAとした。
<比較例3>
以下の工程以外は実施例1と同じとした。正極作製において、まず、実施例1の正極活物質92重量部、アセチレンブラック3重量部、およびPVdF3重量部を含む電極合剤とした。
さらに、電極合剤、比較例2の分散剤液17重量部、NMP20重量部を、高速攪拌機の回転数を400rpmおよび低速攪拌機の回転数を60rpmに設定して10分間混合して、電極合剤溶液を調製した。その後、高速攪拌機の回転数を2000rpmおよび低速攪拌機の回転数を150rpmに設定して15分間混合して、正極スラリーを調製した。このときスラリーのSCを74%とした。
そして、スラリーをNMP42重量部で希釈混合したものを電極用スラリーAとした。
<比較例4>
以下の工程以外は実施例1と同じとした。正極作製において、まず、アセチレンブラック3重量部およびPVdF3重量部を含む電極合剤とした。さらに、比較例2の分散剤液17重量部、NMP18重量部および電極合剤を含む電極合剤溶液とした。そして、実施例1の正極活物質92重量部と電極合剤溶液を含む正極スラリーを調整した。このときスラリーをSC75%とした。
そして、正極スラリーにNMPを44重量部添加し、希釈混合したものを電極用スラリーAとした。
<比較例5>
以下の工程以外は実施例1と同じとした。正極作製において、まず実施例1の正極活物質92重量部、アセチレンブラック2重量部、PVdF4重量部をプラネタリーミキサーに添加して、高速攪拌機および低速攪拌機の回転数を50rpmに設定し、10分間混合した。その後、NMP37重量部を加えて高速攪拌機の回転数を400rpmおよび低速攪拌機の回転数を60rpmに設定し、10分間混合した。その後、ケッチェンブラックを2重量部とNMP4重量部とを加えて、高速攪拌機の回転数を400rpmおよび低速攪拌機の回転数を60rpmに設定し、10分間混合して電極合剤溶液を調製した。その後、高速攪拌機の回転数を2000rpmおよび低速攪拌機の回転数を150rpmに設定して15分間混合して正極スラリーを調製した。このときスラリーをSC71wt%とした。
さらに、正極スラリーにNMPを38重量部添加し、希釈混合したものを電極用スラリーAとした。
(電極および電池の評価)
実施例および比較例の正極Aおよび正極Bに対して、極板抵抗値測定を行った。さらに、実施例1、および比較例2における非水電解液二次電池に対して、保管試験、充放電サイクル試験、およびガス発生量測定を行った。
(極板抵抗値測定)
回路素子測定器に接続された四端子プローブで電極の一端を挟み、測定周波数1kHで電極に電流を流して、極板抵抗を測定した。
(保管試験)
実施例1、比較例2の非水電解液二次電池について、まず非水電解液二次電池を電圧2.7Vまで充電された満充電状態とし、次に満充電状態の非水電解液二次電池を60℃のオーブン内に1週間保存した。
(充放電サイクル試験)
実施例1、比較例2の非水電解液二次電池について、60℃環境下で、500mA定電流充電および1000mA定電流放電の充放電を800回繰り返した。このときの充電終止電圧および放電終止電圧は、それぞれ2.7Vおよび2.0Vとした。
充放電サイクル試験における1サイクル後の放電容量を分母とし、800サイクル後の放電容量を分子として算出した割合(パーセント値)を、容量維持率とした。そして、比較例2の容量維持率を1としたときの相対値を相対容量維持率とした。
(ガス発生量測定)
保存試験前後およびの充放電サイクル試験前後における電池の体積差をアルキメデス法で測定し、保存ガス発生量およびサイクルガス発生量とした。そして比較例2の保存ガス発生量およびサイクルガス発生量を1としたときの相対値を、それぞれ保存ガス発生量比およびサイクルガス発生量比とした。
(電極スラリーの評価基準)
正極Aの極板抵抗が1Ω以上の場合、スラリーの分散性が悪い(×)と判定した。
また、正極Aおよび正極Bの極板抵抗の差が±1Ω以上の場合、スラリーの貯蔵安定性が悪い(×)と判定した。
(電極の評価基準)
正極Aおよび正極Bの極板抵抗が1Ω以上の場合、極板抵抗が悪い(×)と判定した。
(電池の評価基準)
保存ガス発生量比およびサイクルガス発生量比が1以上の場合、保存ガス発生量およびサイクルガス発生量は悪い(×)と判定した。
Figure 2017204334
(表1の総評)
実施例1〜2では、極板抵抗1Ω未満であって、比較例1〜5に比して極板抵抗の低い優れた電極が得られた。さらに実施例1では、保存ガス発生量比およびサイクルガス発生量比がいずれも1未満であって、相対容量維持率が1.03と、比較例2に比して電池内のガス発生量が少なく、サイクル特性が良好となった。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
5 積層体
6 非水電解液
7 端子
8 封入体
9 端子延在部
10 非水電解質二次電池
15 正極形成部材
16 負極形成部材
22 正極集電体
23 正極活物質層
32 負極集電体
33 負極活物質層
71 正極端子
72 負極端子

Claims (12)

  1. 正極活物質を含む正極および負極活物質を含む負極の製造方法であって、
    バインダーと、正極もしくは負極活物質、または導電助材とを乾式混合して、電極合剤を調製する工程aと、
    上記電極合剤を非水溶媒に分散させて電極合剤溶液を調製する工程bと、
    上記正極活物質または負極活物質、および上記導電助材のうち、上記電極合剤に含まれない一方を上記電極合剤溶液に加えてスラリーを調整する工程c、とを順次行ない、前記スラリーの固形分濃度(SC)を75wt%未満とすることを特徴とする、電極の製造方法。
  2. 前記バインダーを非水溶性ポリマーとすることを特徴とする、請求項1に記載の電極の製造方法。
  3. 前記工程a〜cをプラネタリミキサーで行なうことを特徴とする、電極の製造方法。
  4. 前記工程aにおいて、前記導電助材と、前記バインダーとを乾式混合することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の電極の製造方法。
  5. 前記工程a〜cにおいて、少なくとも工程cを減圧下で行なうことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の電極の製造方法。
  6. 前記スラリーのSCを30wt%以上66wt%以下とすることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の電極の製造方法。
  7. 前記正極活物質がマンガン酸リチウム を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の電極の製造方法。
  8. 前記導電助材を天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、およびファーネスブラックよりなる群から選ばれる少なくとも1つとすることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の電極の製造方法。
  9. 前記導電助材の比表面積を400m/g以下とすることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の電極の製造方法
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の方法で得られた正極と、負極と、セパレータとを含む積層体、非水電解液、端子および封入体を含む、非水電解質二次電池。
  11. さらに請求項1から9のいずれかに記載の方法で得られた負極を有することを特徴とする、請求項10に記載の非水電解質二次電池。
  12. 請求項10または11に記載の非水電解質二次電池を含む、蓄電装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019124123A1 (ja) * 2017-12-18 2019-06-27 株式会社カネカ 活物質と導電性炭素材料からなる複合体を含むリチウムイオン二次電池用電極の製造方法
CN114068915A (zh) * 2021-11-04 2022-02-18 惠州锂威新能源科技有限公司 一种正极浆料的制备方法及其应用
CN114864877A (zh) * 2022-05-20 2022-08-05 湖北亿纬动力有限公司 一种负极极片的制备方法及其应用

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