JP2017204337A - サイクロトロン制御装置、サイクロトロン、サイクロトロン制御プログラムおよび放射性薬剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
マグネット電流制御部18は、メイン電磁石50に印加するマグネット電流IMを制御する制御手段である。
出力モニタ部14は、後述するトランスミッション値TRなどに例示される指標値を測定または演算により取得する手段である。指標値は、ビーム取出部40で軌道変更される重荷電粒子ビームPBの量を示すビーム電流値EPRと、出射された重荷電粒子ビームPBがターゲット34に衝突して発生するターゲット電流値TGと、の乖離度合いを示すパラメータであり、詳細には後述する。以下、単に「乖離度合い」と表記する場合は、ビーム電流値EPRとターゲット電流値TGとが乖離している度合いを表す。出力モニタ部14は、この指標値を経時的に取得する。
照射状態判定部16は、出力モニタ部14が取得した指標値を第一閾値と比較して乖離度合いを判定する手段である。
本実施形態のサイクロトロン制御装置10においては、マグネット電流制御部18が、照射状態判定部16により乖離度合いが所定以上であると判定された場合に、マグネット電流IMを増大させることを特徴とする。
陰イオン加速型のサイクロトロン100の特徴として、ビーム取出部40は、重荷電粒子ビームPBを衝突させて重荷電粒子Pから電子を捕捉するストリッパフォイル42を備えている。ストリッパフォイル42は炭素製の薄膜などで構成されている。
加速器30で加速された負水素イオン(H−)を、ストリッパフォイル42を通過させることで負水素イオンから電子が剥ぎ取られて瞬時に陽イオン(H+)に変換される。このため、重荷電粒子ビームPBに負荷されるローレンツ力の向きが瞬時に反転して、重荷電粒子ビームPBは加速器30の磁場から外向きの力を受けて軌道変更され、ビーム管32に取り出される。
磁極51は、厚さが小さい谷領域51aと、この谷領域51aよりも厚さ大きい山領域51bとが各複数箇所、周回状に交互に繰り返して形成されている。谷領域51aは山領域51bよりも磁束密度が低い領域となる。これにより重荷電粒子ビームPBの収束が良好になる。図1では、便宜上、山領域51bにハッチングを付している。高周波電極52は、磁極51の谷領域51aに対応する位置に配置されている。メイン電磁石50にマグネット電流IMを印加することで一様な磁場環境が形成される。磁場の向きは図1における紙面前後方向である。サイクロトロン制御装置10は、メイン電磁石50に印加するマグネット電流IMを制御するマグネット電流制御部18(図2参照)の機能を有している。
高周波電極52には高周波電源54が接続されて高周波信号が供給される。高周波電源54の周波数は重荷電粒子ビームPBの回転周期と同期するように設定される。メイン電磁石50が形成する一様な磁場環境下で高周波電源54が周期的な電場を形成することで重荷電粒子Pは周回運動しながら連続して加速される。
イオン源20には種々のものが提案されている。負イオン源としてはフィラメント24やRFアンテナなどの金属線に通電して熱電子を放出させる体積生成型のものが広く知られている。具体的には、イオン源20では水素ガスなどの原料ガス雰囲気中に配置されたフィラメント24やRFアンテナに電流を印加することにより放出される熱電子にアーク電圧を印加してソースプラズマを生成し、このソースプラズマに高電圧を印加して負イオンのビームを取り出す。
また、サイクロトロン制御装置10の機能としては、図2に示すように供給制御部12、出力モニタ部14、照射状態判定部16およびマグネット電流制御部18のほか、演算処理部や記憶部を備えている。
ビーム電流値表示部63は、ビーム取出部40から送信されたビーム電流値EPRを表示する。本実施形態のサイクロトロン100は一対のビーム取出部40を備えており、各ビーム取出部40から送信されたビーム電流値EPRを、表示画面DPではEPR1およびEPR2として個別に表示する。
コリメータ電流値表示部64は、一対のビーム取出部40から取り出された重荷電粒子ビームPBがそれぞれ通過するコリメータ44で損失した電流値を表示する。コリメータ電流値表示部64は、プローブコリメータ44aでのコリメータ電流値を取得して表示するPCL1およびPCL2、バッファコリメータ44bでのコリメータ電流値を取得して表示するBF1およびBF2、ターゲットコリメータ44cでのコリメータ電流値を取得して表示するTCL1およびTCL2を含んで構成されている。
ターゲット電流値表示部65は、一対のビーム管32にそれぞれ入射した重荷電粒子ビームPBがターゲット34に衝突して発生するターゲット電流値TGを、TG1およびTG2として表示する。
図3に示す例では、トランスミッション値TR1=87/113=0.77であり、トランスミッション値TR2=100/123=0.81である。
これにより、初期の照射工程にあっては、サイクロトロン100の条件設定が不十分でありコリメータ44または外部にビームが集中的に照射されてコリメータ損失や外部損失が大きくなっていると推定して重荷電粒子Pの供給量を抑制する。これにより、サイクロトロン100が損傷したり、所望のターゲット電流値TGを得るために過剰なビーム電流値EPRを発生させてサイクロトロン100に過負荷を与えたりすることを回避できる。一方、中期以降の照射工程にあっては、メイン電磁石50の磁極51の温度が上昇して磁化が低下し、重荷電粒子ビームPBの収束が低下して軌道がずれたものと推定してマグネット電流IMを増大させる。これにより、メイン電磁石50が形成する静磁場の強度が回復して重荷電粒子ビームPBの軌道が修正される。
具体的には、指標値(ビーム差分値)=ビーム電流値EPR1−プローブコリメータ電流値PCL1−バッファコリメータ電流値BF1−ターゲットコリメータ電流値TCL1−ターゲット電流値TG1とすることができる。上式においてEPR1、PCL1、BF1、TCL1、TG1に代えて、EPR2、PCL2、BF2、TCL2、TG2を用いてもよい。
マグネット設定表示部70は、中期以降の照射工程でマグネット電流IMを増大させるための判定を行なう基準値としての第一閾値を設定し、また表示する。第一閾値は、ユーザーの操作に基づいて可変に設定してもよく、またはサイクロトロン制御装置10により自動的に設定してもよい。第一閾値の具体的な設定方法については後述する。
サイクロトロン制御装置10のプログラムは、判定処理(判定ステップST32)とマグネット電流増大処理(マグネット電流増大ステップST34)とをサイクロトロン100に実行させる。
出力モニタ部14は、ビーム取出部40で軌道変更される重荷電粒子ビームPBの量を示すビーム電流値EPRと、出射された重荷電粒子ビームPBがターゲット34に衝突して発生するターゲット電流値TGと、の乖離度合いを示す指標値を経時的に取得する(ステップST30)。そして判定処理(判定ステップST32)において照射状態判定部16は、ステップST30で取得された指標値を第一閾値と比較して乖離度合いを判定する。
マグネット電流増大処理(マグネット電流増大ステップST34)では、上記の判定処理(判定ステップST32)で乖離度合いが所定以上であると判定された場合に、マグネット電流制御部18は、メイン電磁石50に印加するマグネット電流IMを増大させる。
ステップST14において重荷電粒子Pの単位時間あたりの供給量を判定する処理は種々の態様を選択することができる。たとえば、アーク電流値の到達目標値である第一設定量と、重荷電粒子ビームPBの照射開始からアーク電流値を第一設定量に到達させるまでの到達時間とを予め設定しておき、この到達時間(たとえば40秒間)に亘ってフィラメント電流値を強制的に増大させてアーク電流値を第一設定量まで増大させることができる。この場合、出力モニタ部14はステップST12においては照射開始からの経過時間を監視し、この経過時間が到達時間の設定値に到達したか否かを判定するとよい。
このほかイオン供給口26から加速空間31に供給される重荷電粒子Pの量を測定する手段を設け、この測定手段による測定値を出力モニタ部14は取得して重荷電粒子Pの供給量が第一設定量に到達したことを判定してもよい。
イオン源20から加速器30に供給される重荷電粒子Pの量が第一設定量に到達すると(ステップST12:YES)、第一供給ステップST10は終了する。つぎに照射状態判定部16は、トランスミッション値TRを第二閾値と大小判定する(ステップST14)。第二閾値は、コリメータ44の配置や、メイン電磁石50が生成する磁場環境、ストリッパフォイル42の状態などが正常である場合にトランスミッション値TRが十分にこれを上回る数値に設定することが好ましい。第二閾値はサイクロトロン制御装置10に予め設定されて記憶されており、たとえば0.6から0.8などとすることができる。第二閾値はユーザーにより可変に設定可能としてもよい。トランスミッション値TRが第二閾値よりも小さいと照射状態判定部16により判定された場合には、供給制御部12は重荷電粒子Pの供給の増大を停止して各種調整を行なうとよい(図示せず)。各種調整としては、コリメータ44(プローブコリメータ44a、バッファコリメータ44b、ターゲットコリメータ44c)の向きを調整したり、ストリッパフォイル42の向きやフォイル駆動部43からの突出長さを調整したり、メイン電磁石50に印加するマグネット電流を増減調整したりするとよい。これらの各種調整により、ビームハローを低減させて重荷電粒子ビームPBの指向性を向上させたり、ターゲット34に向けてより正確に重荷電粒子ビームPBを照射させたりすることができる。各種調整は、表示画面DPのトランスミッション値表示部66等に表示されるパラメータの数値を目視確認しながらユーザーが手動で行なってもよく、またはサイクロトロン制御装置10によりトランスミッション値TRの最適値を探索するように自動調整してもよい。
第二供給ステップST18が終了した時刻T3またはそれ以降のタイミングで、出力モニタ部14はビーム電流値EPRおよびターゲット電流値TGを取得し、指標値(トランスミッション値TR)を算出してバッチレコードなどに記録しておく(ステップST24)。照射状態判定部16は、この指標値に基づいて、電流制御ステップST26で用いる第一閾値を設定する。
本実施形態では、一例として、繰り返し回数の最大値を5回とする。
マグネット電流制御部18は、更新判定された指標値が第一閾値以上になり乖離度合いが所定未満になったと判定された場合には(判定ステップST32:YES)、マグネット電流IMの増大を停止し、ステップST27に戻る。
ステップST27に戻ると、再び所定時間に亘って重荷電粒子ビームPBの照射を継続する。このとき、マグネット電流IMの増大の残り回数を初期値(たとえば5回)にリセットしておく。
特に本実施形態のサイクロトロン制御装置10を搭載したサイクロトロン100によれば上記のように長時間に亘って重荷電粒子ビームPBをターゲット34に連続照射することができ、放射性薬剤を大量生産することができる。すなわち本実施形態のサイクロトロン制御装置10によれば以下の放射性薬剤の製造方法(以下、本方法と呼称する場合がある)が提供される。
本方法は、重荷電粒子ビームPBをターゲット34に照射して放射性核種を生成する照射ステップと、電流制御ステップST26と、標識ステップと、を備え、照射ステップを電流制御ステップST26の前後に亘って連続して行うことを特徴とする。
電流制御ステップST26では、指標値を経時的に取得し、取得された指標値を第一閾値と比較して乖離度合いを判定し、乖離度合いが所定以上であると判定された場合に、マグネット電流IMを増大させる。指標値は、ビーム取出部40で軌道変更される重荷電粒子ビームPBの量を示すビーム電流値EPRと、出射された重荷電粒子ビームPBがターゲット34に衝突して発生するターゲット電流値TGと、の乖離度合いを示し、上述したようにトランスミッション値TRを用いることができる。そして標識ステップでは、生成された放射性核種および標識前駆体化合物を用いて放射性薬剤を製造する。標識ステップは、生成された放射性核種および標識前駆体化合物を用いて放射性薬剤を製造するステップであり、加水分解や精製などの各種処理を含む工程である。標識ステップには公知の方法を用いることができる。例えば、本方法により、18O水(酸素18標識水)から、放射性核種として18Fを生成し、標識ステップで、標識前駆体化合物としてTATM(1,3,4,6−テトラ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノース)を用いて18F−FDG(フルオロデオキシグルコース)を製造することができる。
本方法によれば、重荷電粒子ビームPBのビーム出力が一旦安定して以降、メイン電磁石50の温度上昇によってビーム出力が低下することを抑制し、放射性核種を長時間に亘って安定して製造することができる。
(1)イオン源から供給される重荷電粒子を、メイン電磁石にマグネット電流を印加して形成される磁場環境下で周回させながら加速して重荷電粒子ビームとする加速器と、前記重荷電粒子ビームを軌道変更して前記加速器から取り出してターゲットに向けて出射するビーム取出部と、を備えるサイクロトロンのための制御装置であって、前記メイン電磁石に印加する前記マグネット電流を制御するマグネット電流制御手段と、前記ビーム取出部で軌道変更される前記重荷電粒子ビームの量を示すビーム電流値と、出射された前記重荷電粒子ビームが前記ターゲットに衝突して発生するターゲット電流値と、の乖離度合いを示す指標値を経時的に取得する出力モニタ手段と、前記出力モニタ手段が取得した前記指標値を第一閾値と比較して前記乖離度合いを判定する照射状態判定手段と、を備え、前記マグネット電流制御手段が、前記照射状態判定手段により前記乖離度合いが所定以上であると判定された場合に、前記マグネット電流を増大させることを特徴とするサイクロトロン制御装置。
(2)前記イオン源から前記加速器に供給される前記重荷電粒子の供給量を、所定の設定量に至るまで増大させた後に前記設定量で維持する供給制御手段を更に備え、前記第一閾値が、前記供給量が前記設定量に到達した後の所定タイミングで前記出力モニタ手段が取得した前記指標値よりも、前記乖離度合いが大きい値に対応して設定されている上記(1)に記載のサイクロトロン制御装置。
(3)前記マグネット電流制御手段が前記マグネット電流を増大させた後に、前記出力モニタ手段は前記指標値を更新取得し、前記照射状態判定手段は更新取得された前記指標値を第一閾値と比較して前記乖離度合いを更新判定し、前記マグネット電流制御手段は、更新判定された前記乖離度合いが所定未満になったと判定された場合に、前記マグネット電流の増大を停止する上記(1)または(2)に記載のサイクロトロン制御装置。
(4)前記マグネット電流制御手段が前記マグネット電流を増大させた後に、前記出力モニタ手段は前記指標値を更新取得し、前記照射状態判定手段は更新取得された前記指標値を第一閾値と比較して前記乖離度合いを更新判定し、前記マグネット電流制御手段は、前記マグネット電流の増大幅が所定以上となったとき、更新判定された前記乖離度合いにかかわらず前記マグネット電流の増大を停止する上記(1)から(3)のいずれか一項に記載のサイクロトロン制御装置。
(5)前記出力モニタ手段が取得する前記指標値が、前記ビーム電流値に対する前記ターゲット電流値の比率を示すトランスミッション値である上記(1)から(4)のいずれか一項に記載のサイクロトロン制御装置。
(6)イオン源と、前記イオン源から供給される重荷電粒子を、メイン電磁石にマグネット電流を印加して形成される磁場環境下で周回させながら加速して重荷電粒子ビームとする加速器と、前記重荷電粒子ビームを軌道変更して前記加速器から取り出してターゲットに向けて出射するビーム取出部と、上記(1)から(5)のいずれか一項に記載のサイクロトロン制御装置と、を備えるサイクロトロン。
(7)イオン源から供給される重荷電粒子を、メイン電磁石にマグネット電流を印加して形成される磁場環境下で周回させながら加速して重荷電粒子ビームとする加速器と、前記重荷電粒子ビームを軌道変更して前記加速器から取り出してターゲットに向けて出射するビーム取出部と、を備えるサイクロトロンを制御するためのプログラムであって、前記プログラムが、前記ビーム取出部で軌道変更される前記重荷電粒子ビームの量を示すビーム電流値と、出射された前記重荷電粒子ビームが前記ターゲットに衝突して発生するターゲット電流値と、の乖離度合いを示す指標値を経時的に取得し、取得された前記指標値を第一閾値と比較して前記乖離度合いを判定する判定処理と、前記判定処理で前記乖離度合いが所定以上であると判定された場合に、前記メイン電磁石に印加する前記マグネット電流を増大させるマグネット電流増大処理と、を前記サイクロトロンに実行させることを特徴とするサイクロトロン制御プログラム。
(8)イオン源から供給される重荷電粒子をメイン電磁石にマグネット電流を印加して形成される磁場環境下で周回させながら加速して重荷電粒子ビームとする加速器と、前記重荷電粒子ビームを軌道変更して前記加速器から取り出してターゲットに向けて出射するビーム取出部と、を備えるサイクロトロンを用いて放射性薬剤を製造する方法であって、前記重荷電粒子ビームを前記ターゲットに照射して放射性核種を生成する照射ステップと、前記ビーム取出部で軌道変更される前記重荷電粒子ビームの量を示すビーム電流値と、出射された前記重荷電粒子ビームが前記ターゲットに衝突して発生するターゲット電流値と、の乖離度合いを示す指標値を経時的に取得し、取得された前記指標値を第一閾値と比較して前記乖離度合いを判定し、前記乖離度合いが所定以上であると判定された場合に、前記マグネット電流を増大させる電流制御ステップと、生成された前記放射性核種および標識前駆体化合物を用いて前記放射性薬剤を製造する標識ステップと、を備え、前記照射ステップを前記電流制御ステップの前後に亘って連続して行うことを特徴とする放射性薬剤の製造方法。
12 供給制御部
14 出力モニタ部
16 照射状態判定部
18 マグネット電流制御部
20 イオン源
22 プラズマ生成部
24 フィラメント
25 引出電極
26 イオン供給口
30 加速器
31 加速空間
32 ビーム管
34 ターゲット
40 ビーム取出部
42 ストリッパフォイル
43 フォイル駆動部
44 コリメータ
44a プローブコリメータ
44b バッファコリメータ
44c ターゲットコリメータ
50 メイン電磁石
51 磁極
51a 谷領域
51b 山領域
52 高周波電極
54 高周波電源
56 コイル
58 コイル電源
62 アーク電流表示部
63 ビーム電流値表示部
64 コリメータ電流値表示部
65 ターゲット電流値表示部
66 トランスミッション値表示部
67 真空度表示部
68 マグネット電流値表示部
69 高周波電圧値表示部
70 マグネット設定表示部
100 サイクロトロン
DP 表示画面
IM マグネット電流
P 重荷電粒子
PB 重荷電粒子ビーム
TG ターゲット電流値
TR トランスミッション値
EPR ビーム電流値
Claims (8)
- イオン源から供給される重荷電粒子を、メイン電磁石にマグネット電流を印加して形成される磁場環境下で周回させながら加速して重荷電粒子ビームとする加速器と、前記重荷電粒子ビームを軌道変更して前記加速器から取り出してターゲットに向けて出射するビーム取出部と、を備えるサイクロトロンのための制御装置であって、
前記メイン電磁石に印加する前記マグネット電流を制御するマグネット電流制御手段と、
前記ビーム取出部で軌道変更される前記重荷電粒子ビームの量を示すビーム電流値と、出射された前記重荷電粒子ビームが前記ターゲットに衝突して発生するターゲット電流値と、の乖離度合いを示す指標値を経時的に取得する出力モニタ手段と、
前記出力モニタ手段が取得した前記指標値を第一閾値と比較して前記乖離度合いを判定する照射状態判定手段と、を備え、
前記マグネット電流制御手段が、前記照射状態判定手段により前記乖離度合いが所定以上であると判定された場合に、前記マグネット電流を増大させることを特徴とするサイクロトロン制御装置。 - 前記イオン源から前記加速器に供給される前記重荷電粒子の供給量を、所定の設定量に至るまで増大させた後に前記設定量で維持する供給制御手段を更に備え、
前記第一閾値が、前記供給量が前記設定量に到達した後の所定タイミングで前記出力モニタ手段が取得した前記指標値よりも、前記乖離度合いが大きい値に対応して設定されている請求項1に記載のサイクロトロン制御装置。 - 前記マグネット電流制御手段が前記マグネット電流を増大させた後に、前記出力モニタ手段は前記指標値を更新取得し、前記照射状態判定手段は更新取得された前記指標値を第一閾値と比較して前記乖離度合いを更新判定し、
前記マグネット電流制御手段は、更新判定された前記乖離度合いが所定未満になったと判定された場合に、前記マグネット電流の増大を停止する請求項1または2に記載のサイクロトロン制御装置。 - 前記マグネット電流制御手段が前記マグネット電流を増大させた後に、前記出力モニタ手段は前記指標値を更新取得し、前記照射状態判定手段は更新取得された前記指標値を第一閾値と比較して前記乖離度合いを更新判定し、
前記マグネット電流制御手段は、前記マグネット電流の増大幅が所定以上となったとき、更新判定された前記乖離度合いにかかわらず前記マグネット電流の増大を停止する請求項1から3のいずれか一項に記載のサイクロトロン制御装置。 - 前記出力モニタ手段が取得する前記指標値が、前記ビーム電流値に対する前記ターゲット電流値の比率を示すトランスミッション値である請求項1から4のいずれか一項に記載のサイクロトロン制御装置。
- イオン源と、
前記イオン源から供給される重荷電粒子を、メイン電磁石にマグネット電流を印加して形成される磁場環境下で周回させながら加速して重荷電粒子ビームとする加速器と、
前記重荷電粒子ビームを軌道変更して前記加速器から取り出してターゲットに向けて出射するビーム取出部と、
請求項1から5のいずれか一項に記載のサイクロトロン制御装置と、
を備えるサイクロトロン。 - イオン源から供給される重荷電粒子を、メイン電磁石にマグネット電流を印加して形成される磁場環境下で周回させながら加速して重荷電粒子ビームとする加速器と、前記重荷電粒子ビームを軌道変更して前記加速器から取り出してターゲットに向けて出射するビーム取出部と、を備えるサイクロトロンを制御するためのプログラムであって、
前記プログラムが、
前記ビーム取出部で軌道変更される前記重荷電粒子ビームの量を示すビーム電流値と、出射された前記重荷電粒子ビームが前記ターゲットに衝突して発生するターゲット電流値と、の乖離度合いを示す指標値を経時的に取得し、取得された前記指標値を第一閾値と比較して前記乖離度合いを判定する判定処理と、
前記判定処理で前記乖離度合いが所定以上であると判定された場合に、前記メイン電磁石に印加する前記マグネット電流を増大させるマグネット電流増大処理と、を前記サイクロトロンに実行させることを特徴とするサイクロトロン制御プログラム。 - イオン源から供給される重荷電粒子をメイン電磁石にマグネット電流を印加して形成される磁場環境下で周回させながら加速して重荷電粒子ビームとする加速器と、前記重荷電粒子ビームを軌道変更して前記加速器から取り出してターゲットに向けて出射するビーム取出部と、を備えるサイクロトロンを用いて放射性薬剤を製造する方法であって、
前記重荷電粒子ビームを前記ターゲットに照射して放射性核種を生成する照射ステップと、
前記ビーム取出部で軌道変更される前記重荷電粒子ビームの量を示すビーム電流値と、出射された前記重荷電粒子ビームが前記ターゲットに衝突して発生するターゲット電流値と、の乖離度合いを示す指標値を経時的に取得し、取得された前記指標値を第一閾値と比較して前記乖離度合いを判定し、前記乖離度合いが所定以上であると判定された場合に、前記マグネット電流を増大させる電流制御ステップと、
生成された前記放射性核種および標識前駆体化合物を用いて前記放射性薬剤を製造する標識ステップと、を備え、
前記照射ステップを前記電流制御ステップの前後に亘って連続して行うことを特徴とする放射性薬剤の製造方法。
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