JP2017206603A - 感圧型再剥離性接着剤組成物、塗料組成物及び情報担体シート - Google Patents
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Abstract
【課題】実用上十分な接着力と剥離性とを有し、接着力が経時劣化し難く、且つ低タック性で耐ブロッキング性に優れる感圧型再剥離性接着剤組成物を提供すること。【解決手段】本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物は、共重合分散体を含有し、該共重合分散体は、(a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.1〜10質量部と、(b)アルキル基の炭素数1〜12の(メタ)アクリル酸エステル単量体55〜99.75質量部と、(c)アルコキシシラン含有エチレン系不飽和単量体0.05〜5質量部と、(d)前記単量体以外の他のエチレン系不飽和単量体0.1〜30質量部とが共重合してなる[但し、(a)+(b)+(c)+(d)=100質量部]。前記共重合分散体に含まれる全粒子の平均粒子径が0.1〜1μmであり、前記共重合分散体のテトラヒドロフラン不溶分が50質量%以下であり、前記共重合分散体のゾル分重量平均分子量が20万〜50万である。【選択図】なし
Description
本発明は、感圧型再剥離性接着剤組成物並びにこれを用いた塗料組成物及び情報担体シートに関する。
従来、個人情報に関するプライバシー保護のための親展葉書、配送伝票、郵便物の封緘などの種々の用途において、圧力により接着可能な再剥離型の感圧接着剤が使用されている。この感圧接着剤は、基材の被接着面どうしを機械的な圧力により接着させることができ、剥離時には、基材の材料破壊などを生じることなく剥離が可能であるという特長を有する。例えば、感圧接着剤が使用された親展葉書である圧着葉書は、通常、感圧接着剤の塗工層が設けられたシート状の基材に親展情報を記録した後、その記録面及び該塗工層が被覆されように該基材を二つ折り又は三つ折りに折り畳み、その状態で加圧することで製造され、斯かる加圧処理によって感圧接着剤の接着力が発現される。圧着葉書に記録された親展情報は、その記録面に感圧接着剤を介して接着された基材によって隠蔽されているが、該基材は手指で容易に剥離できるようになされているので、圧着葉書を受け取った者は簡単な操作でそこに記録された親展情報を読み取ることができる。
感圧接着剤の樹脂成分としては、従来、塗工面のタック(粘着性)が少なく、適度な接着力を有する点から天然ゴムラテックスが広く用いられてきたが、天然ゴムラテックスには酸化劣化や紫外線などによって経時劣化するという欠点があり、これを主たる樹脂成分とする感圧接着剤には、経時的に接着力が変化し、接着力の安定性が低いという課題がある。そこで、天然ゴムラテックスに代えて、経時劣化が比較的少ないアクリル樹脂エマルジョンを用いることが検討されている(例えば特許文献1〜5参照)。
感圧接着剤の樹脂成分としてアクリル樹脂エマルジョンを用いることで、天然ゴムラテックスに見られる経時劣化の問題は解消されるが、その一方で塗工面のタックが強くなりすぎる傾向があり、そのため、ブロッキングが発生しやすい、感圧接着剤が塗工された紙を取り扱う装置(例えば印刷機)の搬送系部品などに該感圧接着剤が付着して汚れる、などの問題が発生しやすくなる。感圧接着剤の塗工面のタックを低下させようとすると、感圧接着剤の初期接着力(未剥離の状態での接着力)が低下するおそれがあり、例えば圧着葉書においては使用前に自然剥離が起こるおそれがある。初期接着力が適切な範囲にあり且つ接着力の経時劣化が少ない感圧接着剤は未だ提供されていない。
本発明の課題は、実用上十分な接着力と剥離性とを有し、接着力が経時劣化し難く、且つ低タック性で耐ブロッキング性に優れる感圧型再剥離性接着剤組成物を提供することに関する。
本発明は、(a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.1〜10質量部と、(b)アルキル基の炭素数1〜12の(メタ)アクリル酸エステル単量体55〜99.75質量部と、(c)アルコキシシラン含有エチレン系不飽和単量体0.05〜5質量部と、(d)前記(a)、(b)及び(c)を除くエチレン系不飽和単量体0.1〜30質量部とが、前記(a)+(b)+(c)+(d)=100質量部なる関係を満たして共重合してなる共重合分散体を含有し、前記共重合分散体に含まれる全粒子の平均粒子径が0.1〜1μmであり、前記共重合分散体のテトラヒドロフランへの不溶分が50質量%以下であり、前記共重合分散体のゾル分重量平均分子量が20万〜50万である感圧型再剥離性接着剤組成物である。
また本発明は、前記の本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物と、無機系微粒状充填物及び有機系微粒状充填物からなる群から選択される1種以上の微粒状充填物とを含有し、該微粒状充填物の含有量が、該感圧型再剥離性接着剤組成物100質量部に対して50〜200質量部である塗料組成物である。
また本発明は、シート状の基材の片面又は両面に感圧接着剤層が3〜15g/m2設けられた情報担体シートであって、該感圧接着剤層は、前記の本発明の塗料組成物の乾燥固化物である情報担体シートである。
本発明によれば、実用上十分な接着力と剥離性とを有し、接着力が経時劣化し難く、且つ低タック性で耐ブロッキング性に優れる感圧型再剥離性接着剤組成物並びにこれを用いた塗料組成物及び情報担体シートが提供される。
特に、本発明の情報担体シートによれば、その感圧接着剤層が本発明の塗料組成物を塗工してなる塗工物から形成されているため、外気に長期間晒されても感圧接着剤層の接着力に変化が生じ難く、感圧接着剤層による接着部分が剥離操作無しで自然に剥離する、該接着部分を剥離操作によって剥離したときに基材が破れる、といったいわゆる開封事故を回避できる。また本発明の情報担体シートは、その感圧接着剤層が低タック性であるため、ブロッキングが発生し難く、また、印刷機などの各種機器に使用しても感圧接着剤がその使用機器に転移し難く取り扱い性に優れる。
本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物は、共重合分散体を含有する。この本発明に係る共重合分散体は、共重合体粒子が液媒体中に分散したものであるところ、該液媒体は水性液であり、通常は水である。本発明に係る共重合分散体には、共重合分散体以外の他の粒子が含まれ得る。従って、本発明に係る共重合分散体に含まれる全粒子には、少なくとも共重合体粒子が含まれ、さらにこれ以外の他の粒子が含まれ得る。
本発明に係る共重合分散体に含まれる全粒子の平均粒子径は0.1〜1μmである。本明細書において「平均粒子径」とは、レーザー回折・散乱により測定した体積平均粒子径を意味する。平均粒子径の測定機器としては、例えば大塚電子(株)社製の「FPAR−1000」を用いることができる。共重合分散体の全粒子の平均粒子径が斯かる範囲にあることにより、共重合反応時の安定性やその後の配合や保管における安定性が向上する。共重合分散体の平均粒子径が0.1μm未満では、他材料との配合時に粒子凝集などの安定性不良が起こるおそれがあり、共重合分散体の平均粒子径が1μm超では、保管時に粒子沈降などの安定性不良が起こるおそれがある。
本発明に係る共重合体粒子の平均粒子径は、好ましくは0.15〜0.7μm、さらに好ましくは0.2〜0.4μmである。
本発明に係る共重合分散体は、エチレン系不飽和カルボン酸単量体[(a)成分]と、アルキル基の炭素数1〜12の(メタ)アクリル酸エステル単量体[(b)成分]と、アルコキシシラン含有エチレン系不飽和単量体[(c)成分]と、前記(a)、(b)及び(c)成分を除くエチレン系不飽和単量体[(d)成分]とを共重合して得られるものである。前記(a)〜(d)で規定する各単量体の量的関係に関しては、「(a)+(b)+(c)+(d)=100質量部」が成立する。
前記(a)成分は、より具体的にはα,β不飽和カルボン酸である。前記(a)成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸;フタル酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]などのハーフエステル体;コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]、カルボキシエチルアクリレートなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にアクリル酸やメタクリル酸は、接着性能と耐ブロッキング性とのバランスが良好であるため、本発明で好ましく用いられる。
前記(a)成分の量は、本発明に係る共重合分散体を構成する前記(a)〜(d)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは3〜5質量部である。
前記(b)成分としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソノニルアクリレートなどのアルキル基の炭素数が12 以下のアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にn−ブチルアクリレートや2−エチルヘキシルアクリレートは、接着性が良好であるため、本発明で好ましく用いられる。
前記(b)成分の量は、本発明に係る共重合体粒子を構成する前記(a)〜(d)成分の総量100質量部に対して、55〜99.7質量部であり、好ましくは71〜93.95質量部、さらに好ましくは79.7〜86.9質量部である。
前記(c)成分としては、例えば、3−メタクリルロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特に3−メタクリルロキシプロピルトリメトキシシランは、他添加の有機及び無機粒子との結合力が向上し、感圧接着剤が塗工された紙を取り扱う装置(例えば印刷機)の搬送系部品などへ該感圧接着剤が付着しにくくなる効果を奏するため、本発明で好ましく用いられる。
前記(c)成分の量は、本発明に係る共重合体粒子を構成する前記(a)〜(d)成分の総量100質量部に対して、0.05〜5質量部であり、好ましくは0.05〜1質量部、さらに好ましくは0.1〜0.3質量部である。
前記(d)成分としては、前記(a)〜(c)成分と共重合可能な単量体を用いることができ、例えば、酢酸ビニル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル;フェノキシメチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリル酸エステル;ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリル酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシブチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニル−n−プロピルケトン、ビニル−i−プロピルケトン、ビニル−n−ブチルケトン、ビニル−i−ブチルケトン、ビニル−t−ブチルケトン、ビニルフェニルケトン、ビニルベンジルケトン、ジビニルケトン、ジアセトンアクリルアミドなどのアルド基及び/又はケト基含有ラジカル重合性モノマー;(メタ)アクリロニトリル、クロトンニトリル、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)アクリレートなどのニトリル基含有不飽和化合物;スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−エチルビニルスチレン、α−メチルスチレン、α−フルオロスチレンなどのモノビニル芳香族化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニルイソプレンスルホン酸、スチレン−3−スルホン酸、スチレン−4−スルホン酸、α−メチルスチレン−3−スルホン酸、α−メチルスチレン−4−スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのエチレン系不飽和スルホン酸単量体;エチレン系不飽和スルホン酸単量体のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの上述したエチレン系不飽和スルホン酸単量体の塩;ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ) アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどの架橋性不飽和単量体などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にアクリロニトリルは、耐ブロッキング性が良好であるため、本発明で好ましく用いられる。
前記(d)成分の量は、本発明に係る共重合体粒子を構成する前記(a)〜(d)成分の総量100質量部に対して、0.1〜30質量部であり、好ましくは5〜20質量部、さらに好ましくは10〜15質量部である。
本発明に係る共重合体粒子は、接着性と耐ブロッキング性との両立の観点から、コア部と該コア部を覆うシェル部とを有するコアシェル構造粒子であることが好ましい。即ち、本発明に係る共重合分散体はコアシェル構造粒子を含有することが好ましい。コアシェル構造粒子は通常、球状である。
本発明に係る共重合体粒子がコアシェル構造粒子である場合、耐ブロッキング性向上の観点から、コア部は、前記(a)成分と前記(b)成分と前記(d)成分との共重合体であることが好ましく、シェル部は、前記(a)〜(d)成分の共重合体であることが好ましい。
また、本発明に係る共重合体粒子がコアシェル構造粒子である場合、接着性と耐ブロッキング性との両立の観点から、コアシェル構造粒子全体に占めるコア部及びシェル部それぞれの割合は、コア部とシェル部との合計を100質量部とした場合に、コア部が好ましくは1〜30質量部、さらに好ましくは3〜15質量部であり、シェル部が好ましくは70〜99質量部、さらに好ましくは85〜97質量部である。
同様の観点から、コアシェル構造粒子の共重合体粒子のコア部のガラス転移点は、好ましくは−30〜50℃、さらに好ましくは0〜20℃であり、シェル部のガラス転移点は、好ましくは−65〜−10℃、さらに好ましくは−40〜−20℃である。但し、共重合体粒子を含む共重合分散体としてのガラス転移点は−65〜0℃である。
本発明に係る共重合分散体は、テトラヒドロフラン(THF)への不溶分(THF不溶分)、即ちTHFへの溶解を試みた場合に溶解せずに固形分として残存する不溶分が50質量%以下である。共重合分散体のTHF不溶分が斯かる範囲にあることにより、良好な接着性が発現し得る。共重合分散体のTHF不溶分が50質量%超では、接着性が十分に発現しないおそれがある。共重合分散体のTHF不溶分は、共重合分散体を得るための重合反応で使用する分子量調節剤の種類や使用量、重合開始剤の種類や使用量、前記(c)成分の使用量、前記(d)成分中の架橋性単量体の使用量、重合温度条件を適宜選択することによって調整可能である。THF不溶分は下記方法により測定される。
<THF不溶分の測定方法>
測定対象の共重合分散体の乾燥皮膜0.15gを50mLのテトラヒドロフランに加えて16時間攪拌して液状物を得、その液状物をJIS P3801の2種に相当するろ紙を用いてろ過し、そのろ液10mLを採取し乾燥後、乾固した質量から不溶解分(ゲル分率)を算出し、その算出値をTHF不溶分とする。
測定対象の共重合分散体の乾燥皮膜0.15gを50mLのテトラヒドロフランに加えて16時間攪拌して液状物を得、その液状物をJIS P3801の2種に相当するろ紙を用いてろ過し、そのろ液10mLを採取し乾燥後、乾固した質量から不溶解分(ゲル分率)を算出し、その算出値をTHF不溶分とする。
本発明に係る共重合分散体のゾル分重量平均分子量は20万〜50万である。共重合分散体のゾル分重量平均分子量が斯かる範囲にあることにより、接着性と耐ブロッキング性との両立が図られる。共重合分散体のゾル分重量平均分子量が20万未満では、耐ブロッキング性が悪く、剥離時の再剥離性が不十分になる、該共重合分散体を含む接着剤組成物が塗工された紙を取り扱う装置(例えば印刷機)の搬送系部品などに該接着剤組成物が付着しやすくなる、などの不都合が生じるおそれがあり、共重合分散体のゾル分重量平均分子量が50万超では、接着力が不十分となるおそれがある。共重合分散体のゾル分重量平均分子量は、好ましくは25万〜45万、さらに好ましくは28万〜35万である。共重合分散体のゾル分重量平均分子量は、共重合分散体を得るための重合反応で使用する分子量調節剤の種類や使用量、重合開始剤の種類や使用量、重合温度条件を適宜選択することによって調整可能である。ゾル分重量平均分子量は下記方法により測定される。
<ゾル分重量平均分子量の測定方法>
測定対象物(共重合分散体)をテトラヒドロフランに常温で24時間浸漬した後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によってテトラヒドロフラン溶解分の重量平均分子量を測定し、その測定値を測定対象物のゾル分重量平均分子量とする。
測定対象物(共重合分散体)をテトラヒドロフランに常温で24時間浸漬した後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によってテトラヒドロフラン溶解分の重量平均分子量を測定し、その測定値を測定対象物のゾル分重量平均分子量とする。
また、本発明に係る共重合分散体のガラス転移点は、接着性と耐ブロッキング性との両立の観点から、好ましくは−65〜0℃、さらに好ましくは−40〜−10℃である。共重合分散体のガラス転移点が低すぎると、耐ブロッキング性が悪く、剥離時の再剥離性が不十分になる、該共重合分散体を含む接着剤組成物が塗工された紙を取り扱う装置(例えば印刷機)の搬送系部品などに該接着剤組成物が付着しやすくなる、などの不都合が生じるおそれがあり、共重合分散体のガラス転移点が高すぎると、接着力が不十分となるおそれがある。共重合分散体のガラス転移点は、JIS K7121に準拠した方法によって測定される。
また、本発明に係る共重合分散体の70℃における貯蔵弾性率は、該共重合分散体を含む接着剤組成物が塗工された紙を取り扱う装置(例えば印刷機)の搬送系部品などに該接着剤組成物が付着する不都合を防止しつつ、良好な接着力を実現する観点から、好ましくは1×104〜1×109Pa、さらに好ましくは1×105〜1×107Paである。共重合分散体の70℃における貯蔵弾性率が低すぎると、感圧接着剤が塗工された紙を取り扱う装置(例えば印刷機)の搬送系部品などへ該感圧接着剤が付着しやすくなるおそれがあり、共重合分散体の70℃における貯蔵弾性率が高すぎると、接着力が不十分のおそれがある。共重合分散体の貯蔵弾性率は、測定対象の共重合分散体の乾燥皮膜をJIS K7244−6に準拠した方法によって測定される。共重合分散体の貯蔵弾性率は、共重合分散体を得るための重合反応で使用する分子量調節剤の種類や使用量、重合開始剤の種類や使用量、重合温度条件、共重合分散体の構成成分の種類や使用量を適宜選択することによって調整可能である。
本発明に係る共重合分散体、即ち共重合体粒子が液媒体中に分散した共重合体エマルジョンは、前記(a)〜(d)成分である単量体を重合させることによって得られる。単量体の重合方法としては、従来公知の方法を採用することができ、例えば、一般的な一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合が挙げられる。重合温度は、例えば40〜90℃程度である。前述したように、共重合分散体にリン酸エステル系界面活性剤などの共重合体粒子以外の他の成分を含有させる場合は、前記(a)〜(d)の単量体を重合させて得られた共重合体エマルジョンに、他の成分を添加・混合すれば良い。
本発明に係る共重合分散体は、例えば、前記(a)〜(d)の単量体の混合物を乳化重合法によって重合反応することによって得られる。 具体的には、前記(a)〜(d)の単量体の混合物、分子量調節剤、水などを混ぜ合わせて、そこに乳化剤を加えて乳化することによりプレエマルジョンを調製する。このプレエマルジョンを用いて、通常は、不活性雰囲気下で重合反応すると良い。この結果、前記(a)〜(d)の単量体からなる共重合分散体が得られる。
尚、前述したコアシェル構造粒子を含有する共重合分散体は、例えば、前記プレエマルジョンを2段階以上で用いて連続での重合反応する方法、あるいは既に重合された別の共重合分散体に前記プレエマルジョンを加えて重合反応する方法で得られる。
本発明に係る共重合分散体を得るための重合反応は、プレエマルジョン及び重合開始剤を反応系に連続的又は断続的に供給しながら行わせることができる。重合開始剤は特に限定されず、公知の重合開始剤を用いることができ、例えば、過硫酸塩単独、レドックス系重合開始剤を用いることができる。レドックス系重合開始剤は、酸化剤と還元剤とを組み合わせた重合開始剤である。
レドックス系重合開始剤に用いる酸化剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、コハク酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシオクトエート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンなどの過酸化物が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
レドックス系重合開始剤に用いる還元剤としては、例えば、酸性亜硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸、果糖などの還元糖類、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄などの鉄塩が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また必要に応じ、これらの還元剤と共に、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどのキレート剤を併用しても良い。
本発明に係る共重合分散体を得るための重合反応に使用可能な乳化剤は特に限定されず、公知の乳化剤を用いることができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの界面活性剤が挙げられる。例えば、花王(株) 製の「ラテムルS−180A」、「PD−104」;三洋化成(株)製の「エレミノールJS−2」;第一工業製薬(株)製の「アクアロンKH−1025」;(株)ADEKA製の「アデカリアソープSE−10N」、「SR−10N」;日本乳化剤(株)製の「AntoxMS−60」;東邦化学工業(株)製の「サーフマーFP−120」などの反応性乳化剤のいずれも用いることができる。重合反応における乳化剤の使用量は、前記(a)〜(d)の単量体の混合物の総量100質量部に対して、好ましくは0.2〜7質量部、さらに好ましくは0.5〜3質量部である。
本発明に係る共重合分散体を得るための重合反応に使用可能な分子量調節剤としては、例えば、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸オクチル、イソプロピルアルコール、メタノール、四塩化炭素などが挙げられる。重合反応における分子量調節剤の使用量は、前記(a)〜(d)の単量体の混合物の総量100質量部に対して、好ましくは0〜0.5質量部、さらに好ましくは0〜0.1質量部である。
本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物は、共重合分散体に加えてさらに、リン酸エステル系界面活性剤、平均粒子径0.1〜5.0μmの有機ポリマー粒子及び高級脂肪酸塩からなる群から選択される1種以上を含有していても良い。
本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物にリン酸エステル系界面活性剤を含有させることで、再剥離性及び耐ブロッキング性がより一層向上し得る。リン酸エステル系界面活性剤としては、例えば、アルキルフェノール型リン酸エステル、高級アルコールリン酸モノエステル及びその塩、高級アルコールリン酸ジエステル及びその塩、高級アルコールリン酸トリエステルなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物中におけるリン酸エステル系界面活性剤の含有量は、該接着剤組成物中の共重合分散体の固形分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、さらに好ましくは1〜5質量部である。
本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物に平均粒子径0.1〜5.0μmの有機ポリマー粒子を含有させることで、耐ブロッキング性がより一層向上し得る。有機ポリマー粒子の平均粒子径0.1μm未満又は5.0μm超では斯かる効果は奏され難い。有機ポリマー粒子としては、例えば、アクリルポリマー粒子、アクリルスチレンポリマー粒子、ポリスチレン粒子、合成ゴム系粒子などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物中における有機ポリマー粒子の含有量は、該接着剤組成物中の共重合分散体の固形分100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは10〜30質量部である。
本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物に高級脂肪酸塩を含有させることで、該接着剤組成物の乾燥固化した皮膜表面の潤滑性が向上するため、該接着剤組成物が塗工された紙を取り扱う装置(例えば印刷機)の搬送系部品などに該接着剤組成物が付着するという不都合がより一層発生し難くなる。高級脂肪酸塩としては、例えば、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウムが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物中における高級脂肪酸塩の含有量は、該接着剤組成物中の共重合分散体の固形分100質量部に対して、好ましくは1〜30質量部、さらに好ましくは5〜15質量部である。
本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物はさらに、この種の接着剤に含有可能な各種の添加剤を含有していても良い。添加剤としては、例えば、粘着付与剤、粘度調整剤、帯電防止剤、界面活性剤、消泡剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防かび剤、染料、顔料が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物は、実用上十分な接着力と再剥離性の確保とのバランスの観点から、初期接着力が好ましくは80〜120gf/25mm、さらに好ましくは90〜110gf/25mmである。初期接着力の測定方法は後述する。
本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物は、この種の感圧接着剤と同様に使用することができる。本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物を紙などの基材に塗工し乾燥して形成された感圧接着剤層は、該感圧接着剤層どうしを重ね合わせて加圧することにより容易に接合でき、必要なときの再剥離も容易である。また、塗工面のタックが少なく、ブロッキングが発生し難い上に、印刷適性も有する。そのため、本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物は、圧着葉書などの情報担体シートにおける記録層を兼ねる接着層を形成するのに好適に使用できる。
本発明の感圧型再剥離性接着剤組成物は、それ単独でも各種用途に使用可能であるが、これに微粒状充填物を適量加えた塗料組成物は、該感圧型再剥離性接着剤組成物の単独使用の場合に比して、塗工面のべたつきが少なく剥離性が向上するため、圧着葉書などの情報担体シートにおける記録層を兼ねる接着層として特に有用である。本発明の塗料組成物においては、微粒状充填物として無機系及び有機系の何れも使用することができ、無機系及び有機系微粒状充填物からなる群から選択される1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の塗料組成物に含有可能な無機系微粒状充填物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタンなどの酸化物(複合酸化物、水和物を含む);水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;硫酸カルシウムなどの硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、クレー、ベントナイト、ゼオライトなどのケイ酸塩又はアルミノケイ酸塩;粘土鉱物が挙げられる。また、本発明の塗料組成物に含有可能な有機系微粒状充填物としては、例えば、デンプン、セルロース、メラミン系樹脂、尿素樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネートが挙げられる。
本発明の塗料組成物に含有可能な微粒状充填物の平均粒子径は、好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは1〜40μmである。微粒状充填物の平均粒子径が小さすぎると、塗料組成物の接着力を適切な範囲に制御することが難しくなり、微粒状充填物の平均粒子径が大きすぎると、微粒状充填物が塗料組成物の塗工面から脱落しやすくなり、接着に支障をきたすおそれがある。
本発明の塗料組成物における微粒状充填物の含有量は、該塗料組成物中の共重合分散体の固形分100質量部に対して、好ましくは50〜200質量部、さらに好ましくは80
〜170質量部である。微粒状充填物の含有量が少なすぎるとこれを使用する意義に乏しく、微粒状充填物の含有量が多すぎると、微粒状充填物が塗料組成物の塗工面から脱落しやすくなり、接着に支障をきたすおそれがある。
〜170質量部である。微粒状充填物の含有量が少なすぎるとこれを使用する意義に乏しく、微粒状充填物の含有量が多すぎると、微粒状充填物が塗料組成物の塗工面から脱落しやすくなり、接着に支障をきたすおそれがある。
本発明の塗料組成物の適用例として、シート状の基材の片面又は両面に感圧接着剤層が設けられた情報担体シートであって、該感圧接着剤層が該塗料組成物の乾燥固化物である情報担体シートが挙げられる。この本発明の情報担体シートは、シート状の基材に本発明の塗料組成物を塗工し乾燥することで製造することができる。塗料組成物の塗工方法は特に限定されず、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーターなどの公知の塗工機を使用する方法が挙げられる。
本発明の情報担体シートにおける感圧接着剤層(本発明の塗料組成物の乾燥固化物)の坪量は、接着性及び剥離性の確保の観点から、好ましくは3〜15g/m2、さらに好ましくは4〜10g/m2である。
本発明の情報担体シートを構成する基材としては、塗料組成物が塗工可能なものであれば良く、例えば、紙、合成紙、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンや塩化ビニルなどの樹脂製フィルム、あるいはこれらの複合シートが挙げられる。基材には、必要に応じ、コロナ放電処理やアンダーコート処理などの表面処理が施されていても良い。基材の坪量は、好ましくは10〜500g/m2、さらに好ましくは60〜200g/m2である。
本発明の情報担体シートを構成する基材としての紙は、通常、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)などの製紙用パルプを300〜600mlC.S.F.に叩解し、これにクレー、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタンなどのフィラー、澱粉、ポリビニルアルコールなどの紙力増強剤;メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド・エピクロルヒドリン、ポリアクリルアミドなどの湿潤紙力増強剤;ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤などのサイズ剤、さらに必要に応じ蛍光増白剤、着色染顔料、定着剤などを適宜添加し、円網抄紙機や長網抄紙機などの公知の抄紙機を使用して製造される。
本発明の情報担体シートにおける感圧接着剤層上(塗料組成物の塗工面)には、情報を記録することができる。情報の記録方法は特に限定されず、インクジェット方式、オフセット印刷、フレキソ印刷などによる印刷、あるいは電子写真方式などのノンインパクトプリンターによる印字などが挙げられる。情報担体シートに情報を記録した後、その記録面が被覆されように該シートを二つ折り又は三つ折りに折り畳み、その状態で加圧することで、記録情報が隠蔽された情報担体シートとなる。
本発明の情報担体シートは、その感圧接着剤層が本発明の塗料組成物を塗工してなる塗工物から形成されているため、外気に長期間晒されても感圧接着剤層の接着力に変化が生じ難く、感圧接着剤層による接着部分が剥離操作無しで自然に剥離する、該接着部分を剥離操作によって剥離したときに基材が破れる、といったいわゆる開封事故を起こし難い。また本発明の情報担体シートは、その感圧接着剤層が低タック性であるため、ブロッキングが発生し難く、また、印刷機などの各種機器に使用しても感圧接着剤がその使用機器に転移し難く取り扱い性に優れる。このような特長を有する本発明の情報担体シートは、機密性の高い大量の通信・連絡業務を迅速且つ安定に処理するために用いる情報隠蔽用シートなどとして好適である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
〔実施例1〜12及び比較例1〜8〕
下記表1及び表2に記載の単量体を下記方法により共重合させて、共重合体粒子が液媒体中に分散した共重合分散体を得た。得られた共重合分散体に、下記表1及び表2に記載の添加剤を添加して塗料組成物を得た。使用した添加剤の詳細は下記の通り。
下記表1及び表2に記載の単量体を下記方法により共重合させて、共重合体粒子が液媒体中に分散した共重合分散体を得た。得られた共重合分散体に、下記表1及び表2に記載の添加剤を添加して塗料組成物を得た。使用した添加剤の詳細は下記の通り。
・リン酸エステル系界面活性剤:JAS−101(製造元:竹本油脂(株))
・有機ポリマー粒子(平均粒子径1μm):AE853(製造元:JSR(株))
・高級脂肪酸塩:ステアリン酸マグネシウム(製造元:大日化学工業(株))
・無機系微粒状充填物(平均粒子径3μm):ミズカシルP526(製造元:水澤化学(株))
・スターチ:AS−225(製造元:千葉製粉(株))
・有機ポリマー粒子(平均粒子径1μm):AE853(製造元:JSR(株))
・高級脂肪酸塩:ステアリン酸マグネシウム(製造元:大日化学工業(株))
・無機系微粒状充填物(平均粒子径3μm):ミズカシルP526(製造元:水澤化学(株))
・スターチ:AS−225(製造元:千葉製粉(株))
(単量体の共重合反応)
下記表1及び表2に示された単量体割合にて(a)〜(d)成分の単量体を配合して反応させた。尚、下記表1及び表2 に示した数値は質量部を表し、(a)〜(d)成分の単量体の総和を100質量部とする。また、以下に述べる「質量部」の数値についても、特に言及しない限り、(a)〜(d)成分の単量体の総和を100質量部とする。
具体的には、まず、反応容器に、反応性あるいは非反応性の乳化剤と水とを仕込み、窒素気流下において攪拌し、60℃まで昇温した。次いで、反応容器に触媒水溶液(5%過硫酸カリウム水溶液)を加え、予め乳化したコア部形成用単量体[(a)成分、(b)成分、(d)成分]の混合溶液と、水と、反応性あるいは非反応性の乳化剤とからなるプレエマルジョンを約5時間かけて70~80℃で滴下し、滴下を終了した後も引き続き80〜90℃で約2時間保温した。
その後、反応容器に触媒水溶液(5%過硫酸カリウム水溶液)を加え、予め乳化したシェル部形成用単量体[(a)〜(d)成分]の混合溶液と、水と、反応性あるいは非反応性の乳化剤とからなるプレエマルジョンを約5時間かけて70~80℃で滴下し、滴下を終了した後も引き続き80〜90℃ で約2時間保温した。冷却後、反応容器に25%アンモニア水を加え、目的とする共重合分散体を得た。
尚、本方法は、本発明に係る共重合分散体の製造方法の一例であり、該製造方法はこの限りではない。共重合反応で使用した原材料の詳細は下記の通り。
下記表1及び表2に示された単量体割合にて(a)〜(d)成分の単量体を配合して反応させた。尚、下記表1及び表2 に示した数値は質量部を表し、(a)〜(d)成分の単量体の総和を100質量部とする。また、以下に述べる「質量部」の数値についても、特に言及しない限り、(a)〜(d)成分の単量体の総和を100質量部とする。
具体的には、まず、反応容器に、反応性あるいは非反応性の乳化剤と水とを仕込み、窒素気流下において攪拌し、60℃まで昇温した。次いで、反応容器に触媒水溶液(5%過硫酸カリウム水溶液)を加え、予め乳化したコア部形成用単量体[(a)成分、(b)成分、(d)成分]の混合溶液と、水と、反応性あるいは非反応性の乳化剤とからなるプレエマルジョンを約5時間かけて70~80℃で滴下し、滴下を終了した後も引き続き80〜90℃で約2時間保温した。
その後、反応容器に触媒水溶液(5%過硫酸カリウム水溶液)を加え、予め乳化したシェル部形成用単量体[(a)〜(d)成分]の混合溶液と、水と、反応性あるいは非反応性の乳化剤とからなるプレエマルジョンを約5時間かけて70~80℃で滴下し、滴下を終了した後も引き続き80〜90℃ で約2時間保温した。冷却後、反応容器に25%アンモニア水を加え、目的とする共重合分散体を得た。
尚、本方法は、本発明に係る共重合分散体の製造方法の一例であり、該製造方法はこの限りではない。共重合反応で使用した原材料の詳細は下記の通り。
(1)エチレン系不飽和カルボン酸単量体[(a)成分]
・アクリル酸(製造元:東亞合成(株))
・メタクリル酸(製造元:(株)クラレ)
(2)アルキル基の炭素数1〜12の(メタ)アクリル酸エステル単量体[(b)成分]
・アクリル酸エチル(製造元:(株)日本触媒)
・アクリル酸2−エチルヘキシル(製造元:東亞合成(株))
・アクリル酸ブチル(製造元:東亞合成(株))
・メタクリル酸メチル(製造元:三菱レイヨン(株))
(3)アルコキシシラン含有エチレン系不飽和単量体[(c)成分]
・3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(製造元:信越化学工業(株))
・3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(製造元:信越化学工業(株))
(4)前記(a)、(b)及び(c)成分を除くエチレン系不飽和単量体[(d)成分]
・スチレン(製造元:旭化成ケミカルズ(株))
・アクリロニトリル(製造元:三菱化学(株))
・酢酸ビニル(製造元:日本合成化学工業(株))
(5)重合開始剤
・過硫酸カリウム(製造元:三菱ガス化学(株))
(6)乳化剤
・アクアロンKH−1025(製造元:第一工業製薬(株))
・アクリル酸(製造元:東亞合成(株))
・メタクリル酸(製造元:(株)クラレ)
(2)アルキル基の炭素数1〜12の(メタ)アクリル酸エステル単量体[(b)成分]
・アクリル酸エチル(製造元:(株)日本触媒)
・アクリル酸2−エチルヘキシル(製造元:東亞合成(株))
・アクリル酸ブチル(製造元:東亞合成(株))
・メタクリル酸メチル(製造元:三菱レイヨン(株))
(3)アルコキシシラン含有エチレン系不飽和単量体[(c)成分]
・3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(製造元:信越化学工業(株))
・3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(製造元:信越化学工業(株))
(4)前記(a)、(b)及び(c)成分を除くエチレン系不飽和単量体[(d)成分]
・スチレン(製造元:旭化成ケミカルズ(株))
・アクリロニトリル(製造元:三菱化学(株))
・酢酸ビニル(製造元:日本合成化学工業(株))
(5)重合開始剤
・過硫酸カリウム(製造元:三菱ガス化学(株))
(6)乳化剤
・アクアロンKH−1025(製造元:第一工業製薬(株))
〔評価試験〕
各実施例及び比較例の塗料組成物について、初期接着力、剥離性、耐ブロッキング性及び高進率をそれぞれ下記方法により測定した。それらの結果を下記表1及び表2に示す。
各実施例及び比較例の塗料組成物について、初期接着力、剥離性、耐ブロッキング性及び高進率をそれぞれ下記方法により測定した。それらの結果を下記表1及び表2に示す。
(1)初期接着力の評価
針葉樹晒クラフトパルプ20質量部、広葉樹晒クラフトパルプ80質量部を430mlC.S.F.に叩解し、ロジンサイズ剤(商品名「サイズパインE」、荒川化学工業(株)製)0.7質量部、硫酸バンド3.5質量部を添加して紙料を調整し、長網抄紙機を使用して坪量85g/m2の紙を抄造し、カレンダーで厚さ0.11mmに調整して基紙を得た。この基紙の両面それぞれに、メイヤーバーを使用して評価対象の塗料組成物を固形分で5.0g/m2塗工して情報担体シートを得た。この情報担体シートを幅25mm、長さ100mmの矩形形状に裁断したものを2枚用意し、その2枚のシートを重ね合わせ、メールシーラー(MSー9100:大日本印刷社製)を用いて、7MPaの荷重を加えて圧着した。こうして作製された圧着物における2枚のシートどうしの接着力を、接着剤の剥離接着強さ試験方法JISK6854に準じて、万能試験機(商品名「テンシロン」、(株)オリエンテック製)を用いて測定し、その測定値を初期接着力とした。
針葉樹晒クラフトパルプ20質量部、広葉樹晒クラフトパルプ80質量部を430mlC.S.F.に叩解し、ロジンサイズ剤(商品名「サイズパインE」、荒川化学工業(株)製)0.7質量部、硫酸バンド3.5質量部を添加して紙料を調整し、長網抄紙機を使用して坪量85g/m2の紙を抄造し、カレンダーで厚さ0.11mmに調整して基紙を得た。この基紙の両面それぞれに、メイヤーバーを使用して評価対象の塗料組成物を固形分で5.0g/m2塗工して情報担体シートを得た。この情報担体シートを幅25mm、長さ100mmの矩形形状に裁断したものを2枚用意し、その2枚のシートを重ね合わせ、メールシーラー(MSー9100:大日本印刷社製)を用いて、7MPaの荷重を加えて圧着した。こうして作製された圧着物における2枚のシートどうしの接着力を、接着剤の剥離接着強さ試験方法JISK6854に準じて、万能試験機(商品名「テンシロン」、(株)オリエンテック製)を用いて測定し、その測定値を初期接着力とした。
(2)剥離性の評価
前記(1)の方法で作製した情報担体シートを縦200mm、横150mmの矩形形状に裁断し、その裁断物を長辺方向の中央で二つ折りし、その折り重ねられた部分どうしを前記(1)と同様の方法でメールシーラーを用いて圧着後、その圧着部を手で開封して圧着面を目視観察し、下記評価基準により評価した。
◎:圧着面の破れがない。
○:圧着面のエッジ部に破れが発生するが限定的であり、実使用上問題ない。
△:圧着面のエッジ部に破れが発生し、実使用に問題がある。
×:圧着面の内部に破れが発生する。
前記(1)の方法で作製した情報担体シートを縦200mm、横150mmの矩形形状に裁断し、その裁断物を長辺方向の中央で二つ折りし、その折り重ねられた部分どうしを前記(1)と同様の方法でメールシーラーを用いて圧着後、その圧着部を手で開封して圧着面を目視観察し、下記評価基準により評価した。
◎:圧着面の破れがない。
○:圧着面のエッジ部に破れが発生するが限定的であり、実使用上問題ない。
△:圧着面のエッジ部に破れが発生し、実使用に問題がある。
×:圧着面の内部に破れが発生する。
(3)耐ブロッキング性の評価
前記(1)の方法で作製した情報担体シートを2枚重ね、30℃、80%RHの環境下で50kPaの荷重をかけた状態で24時間放置した後、手で剥離し、下記評価基準により評価した。
○:ブロッキングが全くない。
△:ブロッキングがあるが、手で容易に剥離できる。
×:ブロッキングがあり、剥離した際に破れが生じる可能性がある。
前記(1)の方法で作製した情報担体シートを2枚重ね、30℃、80%RHの環境下で50kPaの荷重をかけた状態で24時間放置した後、手で剥離し、下記評価基準により評価した。
○:ブロッキングが全くない。
△:ブロッキングがあるが、手で容易に剥離できる。
×:ブロッキングがあり、剥離した際に破れが生じる可能性がある。
(4)高進率の評価
前記(1)の方法で作製した圧着物を30℃、80RH%の環境に暴露し、2週間後の該圧着物における2枚のシートどうしの接着力を前記(1)に従って測定し、その測定値(2週間後の接着力)から次式により高進率を算出し、下記評価基準により評価した。 高進率=(2週間後の接着力)/(初期接着力)
◎:高進率が95%以上110%以下。
○:高進率が90%以上95%未満又は110%を超えて120%以下。
△:高進率が80%以上90%未満又は120%を超えて140%以下。
×:高進率が0%以上80%未満又は140%を超える。
前記(1)の方法で作製した圧着物を30℃、80RH%の環境に暴露し、2週間後の該圧着物における2枚のシートどうしの接着力を前記(1)に従って測定し、その測定値(2週間後の接着力)から次式により高進率を算出し、下記評価基準により評価した。 高進率=(2週間後の接着力)/(初期接着力)
◎:高進率が95%以上110%以下。
○:高進率が90%以上95%未満又は110%を超えて120%以下。
△:高進率が80%以上90%未満又は120%を超えて140%以下。
×:高進率が0%以上80%未満又は140%を超える。
各実施例は表1に示す通り、初期接着力が適切な範囲(80〜120gf/25mm)にあり、剥離性及び耐ブロッキング性に優れ、且つ高進性にも優れていて接着力の経時劣化が生じ難いものであった。これに対し、各比較例は表2に示す通り、共重合体粒子の組成、共重合分散体の物性の点で各実施例と異なることに起因して、性能において各実施例に劣る結果となった。
Claims (6)
- (a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.1〜10質量部と、(b)アルキル基の炭素数1〜12の(メタ)アクリル酸エステル単量体55〜99.75質量部と、(c)アルコキシシラン含有エチレン系不飽和単量体0.05〜5質量部と、(d)前記(a)、(b)及び(c)を除くエチレン系不飽和単量体0.1〜30質量部とが、前記(a)+(b)+(c)+(d)=100質量部なる関係を満たして共重合してなる共重合分散体を含有し、
前記共重合分散体に含まれる全粒子の平均粒子径が0.1〜1μmであり、
前記共重合分散体のテトラヒドロフランへの不溶分が50質量%以下であり、
前記共重合分散体のゾル分重量平均分子量が20万〜50万である感圧型再剥離性接着剤組成物。 - 前記共重合分散体のガラス転移点が−65〜0℃、該共重合分散体の70℃における貯蔵弾性率が1×104〜1×109Paである請求項1に記載の感圧型再剥離性接着剤組成物。
- 前記共重合分散体は、コア部と該コア部を覆うシェル部とを有するコアシェル構造粒子を含有する請求項1又は2に記載の感圧型再剥離性接着剤組成物。
- さらに、リン酸エステル系界面活性剤、平均粒子径0.1〜5.0μmの有機ポリマー粒子及び高級脂肪酸塩からなる群から選択される1種以上を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の感圧型再剥離性接着剤組成物。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の感圧型再剥離性接着剤組成物と、無機系微粒状充填物及び有機系微粒状充填物からなる群から選択される1種以上の微粒状充填物とを含有し、該微粒状充填物の含有量が、前記共重合分散体の固形分100質量部に対して50〜200質量部である塗料組成物。
- シート状の基材の片面又は両面に感圧接着剤層が3〜15g/m2設けられた情報担体シートであって、該感圧接着剤層は、請求項5に記載の塗料組成物の乾燥固化物である情報担体シート。
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